JP4257446B2 - 医療用ステープラー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体組織を縫合する際の操作性を向上させた医療用ステープラーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
外科手術では、ステープルを利用して切開部位を縫合することが行われている。このステープルは医療用ステープラーに収容されており、1か所の縫合が終了する都度、順に新しいステープルが供給されて連続した縫合を実施し得るように構成されている。
【0003】
医療用ステープラーの操作は、医師がレバー(トリガー)及び、又は本体を把持した状態で縫合部位に運び、その後、トリガーを操作して内部にあるラムを移動させることで行われる。そしてトリガーの動きに連動したラムの移動に伴って、ステープルをアンビルを利用して成形し同時に患部を縫合する。
【0004】
主なトリガーの動きは、図5(a)に示すようにラム3をアンビル4の成形部位に位置するステープル1まで接近させる第1行程と、引き続きラム3を矢印方向に移動させて同図(b)に示すようにアンビル4に支持されたステープル1を患部に刺通させるまでの間で成形する第2行程と、更にラム3を矢印方向に移動させて同図(c)に示すようにステープル1を患部に刺通させて成形(縫合)する第3行程とに分割される。
【0005】
一般的に、上記第1行程では単にラム3をアンビル4まで接近させる作業を実施するのでありほとんど力を作用させることがない。また第2行程ではステープル1に曲げ力を付与して円弧状の曲げを発生させるため、第1行程よりも大きい力であるものの、比較的小さい力を作用させる。第3行程ではステープル1をアンビル4の端部との接触部位から略直角に曲げて成形すると同時に生体組織を刺通するため最も大きい力が作用する。即ち、第3行程では、ステープル1の曲げ成形時の材料の降伏,ステープル1に対する生体組織の刺通抵抗,ラム3の成形部とステープル1との接触摩擦からなる力を作用させることが必要であり、これらの力がトリガーに対する反力(医師がトリガーを操作する際に必要な力)となる。
【0006】
現在利用されている例えば特開平2-46834 号公報(第1公知例)に開示された外科用ステープル留め器や特開昭60-68841号公報に開示された医療用ステープラー(第2公知例)では、トリガーはステープラー本体に対し固定された支点を中心として回動可能に構成されており、且つ支点から医師が把持する側である力点側の長さと、ラムに把持力を作用させる側である作用点側の長さは一定(変更し得ない)となっている。そしてトリガーの回動動作のみによって、上記第1行程から第3行程に至る段階的に異なる力を作用させるようなラムの移動を実現している。
【0007】
また医療用ステープラーの種類によっては、上記第1行程に於けるラムの移動距離が短くほとんど無視しても差し支えないようなもの(第1公知例)があり、またステープルを保持するマガジン部と実際に縫合する部位の間が離隔しており、ラムとアンビルとの共働によってステープルをマガジンから縫合部位まで移動させる第1行程の移動距離が大きいもの(第2公知例)もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記医療用ステープラーでは、トリガーに於ける固定支点を基準として力点側の長さと作用点側の長さが一定であることから、縫合時に於けるトリガーに対する反力は一般的に第1行程から第3行程にかけて順に大きくなる。特に、第3行程を実行する際には大きな力を要求されるため、医師の疲労を招くという問題がある。
【0009】
上記問題は、トリガーの回動中心から力点側の長さを長くすることによって小さい力で大きなトルクを発生させるように構成することで解決し得る。しかし、ラムを駆動する作用点側のストロークを確保するためには、力点側のストロークを大きくすることが必要となり、生体組織を縫合する際に必要な力を小さくすることが出来るものの操作時にストロークが大きくなり、結局大幅に操作性を改善することが出来ないという問題や、力点側のストロークを大きくするために全体的に大きくなり、使用後、廃棄する際の嵩が増えるという問題が派生する。
【0010】
本発明の目的は、実行する行程に応じてトリガーのステープラー本体に対する位置を移動し得るように構成することで必要な力とストロークを制御/設定し、ストロークを増加させることなく小さい力での縫合を実現したコンパクトな医療用ステープラーを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る医療用ステープラーは、ステープラー本体に収容されたステープルをトリガーによって駆動されるラムによって成形する医療用ステープラーであって、ステープラー本体に対し回転中心をラムに接近させた位置とラムから離隔させた位置の間で移動させるように拘束する第1のカム及び屈折部を有して形成された第2のカムを介して取り付けられたトリガーと、ステープラー本体に設けられ前記トリガーを該トリガーの回転中心が第1のカムに於けるラムから離隔した位置にある初期位置に戻す戻し手段と、を有し、ステープルに対する成形準備段階に於ける初期位置からトリガーを操作したとき、トリガーの回転中心が第1のカムに拘束されてラムに接近した位置に移動し、引き続くトリガーの操作に伴う患部に対する縫合が終了するまでの間前記位置を維持して回動し得るように構成したものである。
【0012】
上記医療用ステープラー(以下、単に「ステープラー」という)では、トリガーが、ステープルに対する成形準備段階に於ける初期位置から患部に対する縫合が終了した終了位置までの間(前述した第1行程から、第3行程を含む縫合作業終了までの間)で、ステープラー本体に対し位置移動可能に且つ回動可能に構成すると共に、トリガーを初期位置に戻す戻し手段を設けたので、ほとんど力を必要としない第1行程、比較的小さい力を必要とする第2行程ではトリガーのステープラー本体に対する回動中心が作用点側よりも力点側に位置するような移動位置で操作し、大きな力を必要とする第3行程では回動中心が作用点側に位置するような位置に移動させて操作することで患部の生体組織を縫合することが出来る。そして患部を縫合した後、縫合に利用したステープルをステープラーから離脱させて縫合が終了する。
【0013】
このため、トリガーの力点側のストロークを増加させることなく第1,第2行程を実行することが出来、且つステープルによって生体組織を刺通して縫合する第3行程ではトリガーに付与する力を小さくすることが出来る。またストロークを増加させることがないので、全体を大きくすることなく、或いは小型化することが出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、上記ステープラーの好ましい実施形態について図を用いて説明する。図1は第1実施例に係るステープラーの構成を説明する模式断面図である。図2は初期位置にあるトリガーの状態を示す模式図である。図3は第1,第2行程を終了した位置にあるトリガーの状態を示す模式図である。図4は第3行程を終了した位置にあるトリガーの状態を示す模式図である。図5はラムの移動とステープルの成形過程を説明する図である。図6は第2実施例に係るステープラーの構成を説明する模式図である。
【0015】
図に示すステープラーA,Bは、トリガーを本体に対して位置移動可能に且つ回動可能に構成することによって、ステープルに対する成形の準備段階である第1行程,ステープルの成形開始段階である第2行程,ステープルの成形及び縫合段階である第3行程を実行するに際し、少なくとも第3行程を実行する際にはトリガーの握り部から回動中心までの距離を第1行程を実行する際の距離よりも大きくし、これにより、医師が患部を縫合する際の操作性を向上させるように構成したものであり、トリガーの全行程を実施する際のストロークを大きくすることなく、小さい把持力で容易に縫合し得るように、且つコンパクトに構成したものである。
【0016】
またステープラーに於いて、ステープルに対する成形の終了と患部に対する縫合の終了とは必ずしも一致するものではなく、例えば患部にステープルを刺通して所定の形状に成形(成形の終了)した後、トリガーの操作に伴って成形されたステープルをステープラーの本体(アンビル)から離脱させることで患部に対する縫合が終了する、という動作を行うものも存在する。従って、本発明では、前記の如く構成されたステープラーも含むものである。
【0017】
先ず、図1〜図5により第1実施例に係るステープラーAの構成について説明する。このステープラーAは、ラム3とアンビル4によるステープル1の成形機構は、第2公知例と同一の機構を有している。
【0018】
ステープラーAは、複数のステープル1を整列させた状態で収容したマガジン2からラム3とアンビル4とによって1本のステープル1を挟んで取り出し、この状態を保持し、ラム3とアンビル4とが共働して嘴状に形成された縫合部へ移動させ(第1行程、図5(a)参照)、アンビル4の移動限に於いてラム3が更にアンビル4に対して移動し、先ずラム3の両端部に形成した成形突起3aによってステープル1を曲げ(第2行程、図5(b)参照)、引き続きラムが移動してステープル1をアンビル4の幅方向の両端部で折曲成形(第3行程、図5(c)参照)することで患部を縫合し得るように構成されている。
【0019】
ラム3及びアンビル4を駆動するトリガー5は、本体6に対し位置移動可能に且つ回動可能に設けられている。即ち、トリガー5は本体6に対し初期位置から最終位置へと移動し、この移動過程で第1行程及び第2行程を実行し、最終位置付近で回動することで第3行程を実行し得るように構成されている。しかし、トリガー5が本体1に対して連続的な移動,回動を行っていても、第1行程〜第3行程が必ずしも連動して連続的に実行されるという保証はなく、例えばトリガー5の連続的な移動,回動の過程でラム3が一瞬停止することもある。
【0020】
トリガー5の本体6に対する位置移動及び回動を実現するために、トリガー5,本体6には第2のカムとなる溝カム7及び第1のカムとなる溝カム8が形成されており、夫々の溝カム7,8に軸9,10が嵌合されている。各溝カム7,8はトリガー5,本体の何れか一方に形成しても良い。しかし、強度上の面からは両者に分配して形成することが好ましい。
【0021】
このため、本実施例では、トリガー5に溝カム7と軸10を形成し、本体6に溝カム8と軸9を形成している。また溝カム7は本体6に於けるラム3の配置位置から離隔して形成されており、溝カム8はラム3の配置位置に接近して形成されている。
【0022】
溝カム7は全体が「く」字状に形成され、く字の一方側の端部7aがトリガー5のラム3に形成された当接片3bとの当接部である作用部5aの方向に向けて配置されると共に、他方側の端部7bがトリガー5の力点側である握り部5bの方向に向けて形成され、これらの端部7a,7bの間に屈折点7cが形成されている。また溝カム8は全体が直線状に形成されており、一方側の端部8aがラム3に接近する方向に配置されると共に、他方側の端部8bがラム3から離隔する方向に向けて形成されている。
【0023】
溝カム7,8をトリガー5,本体6に於ける如何なる位置に形成するか、如何なる長さで形成するか、及び溝カム7の形状(例えば本実施例のような「く」字状にするか、屈折点7cのない円弧状にするか等)は設計上の問題に属し、一義的に設定し得るものではない。即ち、溝カム7,8の位置及び長さに応じてトリガー5の支点の位置や該支点から作用部5aまでの長さ、支点から握り部5bまでの長さ等の寸法と、これらの寸法の変化の度合いを設定し得るものであり、主として、平均的な体格から想定された手のひらの大きさや、ステープル1の材料に応じた降伏強さやラムとの摩擦係数、ステープル1を成形する行程、或いはステープル1の生体組織に対する刺通抵抗、マガジン2,後述するバネ11a,11b及び他の部材の干渉等を考慮して設計されるものである。
【0024】
トリガー5は戻し手段11によって常に初期位置に戻るように付勢されている。この戻し手段11は、ラム3の当接片3bとアンビル4の保持片4aとの間に配置されたバネ11aと、アンビル4の保持片4aとマガジン2の間に配置されたバネ11bとによって構成されている。各バネ11a,11bは夫々押しバネによって構成されており、ラム3の当接片3bを常にマガジン2から離隔させる方向に付勢することで、該当接片3bに当接したトリガー5を初期位置に戻すように構成されている。
【0025】
上記の如く構成されたステープラーAでは、患部の縫合を開始する準備段階では、トリガー5は図2に示す初期位置にある。即ち、トリガー5は、軸9が溝カム7のラム3側の端部7aに当接すると共に軸10が溝カム8のラム3から離隔した端部8bに当接した位置にあり、この状態が戻し手段11によって戻された初期位置となる。
【0026】
上記トリガー5の初期位置に於いて、戻し手段11を構成する各バネ11a,11bは何れも自由な状態で伸長しており、ラム3はマガジン2から最も離隔した退避位置にあり、且つアンビル4もマガジン2から離隔した退避位置にある。この状態ではステープル1はラム3とアンビル4とに挟まれることなく、マガジン2に保持された状態を維持している。
【0027】
生体組織を縫合するに際し医師がトリガー5の握り部5bを握ると、トリガー5は上記初期位置から、図3に示す中間位置に移動する。トリガー5は、軸9が溝カム7の端部7aから屈折点7cまで移動するのに伴って端部7aから屈折点7cの距離で矢印a方向に移動し、更に、軸10が溝カム8の端部8bから端部8aに当接する位置まで移動するのに伴って溝カム8の長さに対応する距離で矢印b方向に移動する。
【0028】
即ち、トリガー5は、同図に初期位置を一点鎖線で示すように、溝カムに於ける端部7a,屈折点7bの長さと溝カム8の長さ、及び矢印a,b方向を合成した方向と距離を持って移動しつつ回動する。この結果、トリガー5の作用点5aはラム3の当接片3との当接位置を略維持した状態でラム3及びアンビル4を押し下げる。
【0029】
特に、軸10が溝カム8の端部8bから端部8aへと移動したことにより、トリガー5の回動中心も溝カム8に沿って端部8aまで移動したこととなる。従って、トリガー5の回動中心から握り部5bまでの距離は初期位置の段階と比較して大きくなる。
【0030】
トリガー5の初期位置から中間位置への移動に応じて、先ず、バネ11aが圧縮し、これに伴ってラム3がアンビル4に接近して両者の間に1本のステープル1を挟む。次いで、バネ11bが圧縮を開始してラム3,アンビル4を共に該アンビル4の下降限まで押し下げ、挟んだステープル1を縫合部位に接近させる。このとき、ステープル1,ラム3,アンビル4の位置関係は図5(a)のようになり、ラム3の第1行程を行ったことになる。
【0031】
トリガー5が中間位置にある状態から引き続き医師が握り部5bを握ると、既に軸10が溝カム8の端部8aに当接して位置が規制されているため、軸9が溝カム7の屈折点7cから端部7bまで移動するのに伴って、トリガー5は軸10と溝カム8の端部8aとの当接点を中心として矢印c方向に回動する。
【0032】
トリガー5の矢印c方向への回動に伴い、アンビル4は移動することなく、ラム3のみが移動し、この過程で、先ずステープル1がラム3の成形突起3aによって曲げられ(第2行程、図5(b)参照)、引き続きラム3が移動してアンビル4と成形突起3aにより、ステープル1がアンビル4の幅方向両端部の近傍から直角に成形され(第3行程、図5(c)参照)、この成形過程でステープル1が生体組織を刺通して縫合する。尚、同図ではステープル1の両端側の屈折部からなる足が略完全に閉じた状態で縫合終了としているが、必ずしも略完全に閉じるものではなく、多少開き気味になることがある。
【0033】
上記の如く、トリガー5は操作の段階で図2に示す初期位置から図4に示す最終位置の間で本体に対し、位置移動すると共に回動する。即ち、トリガー5が初期位置から中間位置まで変位する間(第1行程)に於ける回動中心は、見掛け上溝カム8の端部8b〜8aの間で変動する。従って、作用部5aから回動中心までの距離は、トリガー5の初期位置では溝カム8の端部8bに当接した軸10の中心までの距離となり、トリガー5の中間位置では溝カム8の端部8aに当接した軸10の中心までの距離となる。そして溝カム8の端部8aがラム3に接近した位置に配置され、且つ端部8bがラム3から離隔した位置に配置されることから、トリガー5は中間位置に至ると作用部5aと回動中心との距離が初期位置の段階よりも小さくなる。
【0034】
即ち、トリガー5が初期位置から中間位置に変位することに伴って、回動中心から握り部5bまでの距離が大きくなる。このため、トリガー5の握り部5bを握る際に、大きな力を付与することなく大きなトルクを発生させることが可能となり、ステープル1に曲げを生じさせる第2行程、及びステープル1を折曲成形して生体組織に刺通させて縫合する第3行程を小さい力で実行することが可能である。
【0035】
ステープル1によって生体組織を縫合した後、医師がトリガー5を握る力を除去すると、戻し手段11を構成する各バネ11a,11bが伸長した状態に復帰し、この過程でラム3,アンビル3を縫合部位から退避する方向に離隔させて初期の位置に復帰させ、ラム3の復帰に伴って、該ラム3の当接片3bと当接した作用部5aを介してトリガー5に戻し手段11の付勢力が付与され、この付勢力に応じてトリガー5は初期位置に復帰する。即ち、軸9は溝カム7の端部7b側から端部7a側へと移動し、軸10は溝カム8の端部8a側から端部8b側へと移動し、これにより、トリガー5は本体6に対し図2に示す位置に戻る。
【0036】
トリガー5を本体6に対し位置移動可能に且つ回動可能に構成する構造は、上記第1実施例のように溝カム7,8と軸9,10との組み合わせによってのみ実現し得るものではなく、他の幾つかの構造があり、本発明では、具体的な構造を限定するものではない。
【0037】
図6は第2実施例に係るステープラーBの構造を説明する図である。尚、図に於いて前述の第1実施例と同一部分及び同一の機能を有する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0038】
ステープラーBに於けるステープル1のマガジン2,ラム3,アンビル4の構造は第2公知例の構造と同一である。即ち、アンビル4はマガジン2に於けるステープル1を保持した保持部の先端に形成されており、該アンビル4に対しラム3が移動してステープル1を折曲成形し得るように構成されている。この形式のステープラーBでは、ステープル1を縫合部位に移動させる必要がなく、ステープラーBを縫合部位に位置させたとき、マガジン2に収容された状態で目的の縫合部位に対向し得るように構成されている。従って、トリガー5が初期位置にある場合であっても、ラム3は成形突起3aがアンビル4から僅かに離隔した位置か、或いは軽く接触した状態を保持し、従って、図5(a)に示す状態になっている。
【0039】
本体6の内部であって、該本体6に配置したラム3に接近した位置には第1のカムとなる板カム21が設けられており、ラム3から板カム21より離隔した位置に第2のカムとなる板カム22が設けられている。板カム21は「J」字状に形成され。直線部21aの先端21bがラム3及びアンビル4に接近し且つ曲線部21cがラム3及びアンビル4から離隔して配置されている。従って、板カム21の直線部21aはラム3に対し斜めになるように形成されている。また板カム22は始点22aから中間点22bにかけて曲線部22cが形成され、中間点22bから終点22dにかけて略直線状の直線部22eが形成されている。
【0040】
トリガー5のラム3と当接する作用部5a側には板カム21と接触する接触片5cが形成されており、握り部5bの端部には板カム22と接触する接触片5dが形成されている。
【0041】
上記各板カム21,22及び接触片5c,5dは、夫々トリガー5の位置移動及び回動と、これらの動作に伴うラム3の移動によるステープル1に対する成形動作に対応して設計されるものであって一義的に設定されるものではない。
【0042】
トリガー5を初期位置に復帰させる戻し手段23は、接触片5c側に配置され該接触片5cを常に板カム21に接触させるように付勢するバネ23aと、接触片5d側に配置され接触片5dを常に始点22a側に付勢するバネ23bとによって構成されている。
【0043】
上記の如く構成されたステープラーBでは、トリガー5の初期位置は接触片5cが板カム21の曲線部21cと接触し、且つ接触片5dが板カム22の始点22aの位置にある(図6参照)。この状態で、ラム3はトリガー5の作用部5aによってアンビル4から離隔した退避位置にある。
【0044】
上記状態で、医師がトリガー5の握り部5bを握ると、先ず接触片5dが板カム22の始点22aから中間点22bに向けて曲線部22cに沿って移動する。この接触片5dの曲線部22cに沿った移動に伴って、接触片5cは板カム21の曲線部21cから離脱し、直線部21aに沿って移動し、この過程でラム3をアンビル4に接近させる方向に移動させる(第1行程,第2行程)。
【0045】
トリガー5の接触片5dが板カム22の中間点22bに到着したとき、接触片5cは板カム21の直線部21aに於ける最もラム3に接近した位置に移動する。従って、トリガー5は矢印d方向に回動しつつ矢印e方向に移動する。即ち、トリガー5は回動中心を接触片5cが板カム21の曲線部21cから直線部21aに移動するのに伴って変位させる。
【0046】
医師が引き続きトリガー5の握り部5bを握ることによって、接触片5dは板カム22の中間点22bから終点22dにかけて直線部22eに沿って移動する。このとき、接触片5cは板カム21に対する接触位置をほとんど変更することがない。従って、トリガー5は接触片5cの板カム21に対する接触位置を中心として矢印d方向に回動することになり、この回動に伴って作用部5aがラム3をアンビル4の方向に移動させ、この移動に伴ってステープル1を曲げ、その後、屈折させて縫合する(第3行程)。
【0047】
上記の如く、トリガー5が初期位置にあるとき、該トリガー5を握り操作すると、接触片5aが板カム21の直線部21aに沿ってラム3に接近する方向に移動しつつ回動する。このため、トリガー5の回動中心がラム3に接近することとなり、該回動中心から握り部5bまでの距離が大きくなる。従って、大きなトルクを発生させることが可能となる。
【0048】
前述の各実施例では、溝カム7,8を有するステープラーA、板カム21,22を有するステープラーBとして個別に構成した場合について説明したが、これらの溝カムと板カムを組み合わせてステープラーを構成することも可能であり、このような構造であっても、第1行程のストロークが長いステープラーAや、第1行程のストロークが短いステープラーBに対応することが可能である。
【0049】
またステープル1の断面形状を変化(断面二次モーメントの変化)させることによって、該ステープル1を成形する際に必要な力のピークを第3行程段階から第2段階へと分散させることが可能である。この場合、分散させた力に対応させて各カム7,8,21,22の形状を設定することで、トリガー5の本体1に対する移動量,回動量を最適にする状態を設定することが可能である。
【0050】
即ち、第3行程のみを小さい力で実行することに限定することなく、個々の条件に対応させて各行程に於ける力とストロークを制御することが可能である。この場合、前述の各実施例で説明したように、トリガー5の動きを「回動しつつ移動」及び「回動」の2段階に限定する必要はなく、単に「回動しつつ移動」させても良い。
【0051】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明に係るステープラーでは、トリガーを本体に対し位置移動可能に且つ回動可能に構成したので、トリガーに力を付与したとき該トリガーは回動中心をラムに接近する方向に移動しつつ回動する。このため、トリガーの回動中心から握り部までの距離が大きくなり、大きなトルクを発生することが出来る。
【0052】
このため、ラムをアンビルに接近させてステープルの成形を準備するまでの大きい力を必要としない第1行程では従来と同様な操作となり、比較的力を要する第2行程、及び大きな力を要する第3行程を小さい力で実施することが出来る。特に、トリガーの回動中心をラムに接近する方向に移動させることによって、操作に必要なトリガーのストロークを増加させることなく、大きなトルクを発生させて縫合作業を容易に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例に係るステープラーの構成を説明する模式断面図である。
【図2】 初期位置にあるトリガーの状態を示す模式図である。
【図3】 第1,第2行程を終了した位置にあるトリガーの状態を示す模式図である。
【図4】 第3行程を終了した位置にあるトリガーの状態を示す模式図である。
【図5】 ラムの移動とステープルの成形過程を説明する図である。
【図6】 第2実施例に係るステープラーの構成を説明する模式図である。
【符号の説明】
A,B ステープラー
1 ステープル
2 マガジン
3 ラム
3a 成形突起
3b 当接片
4 アンビル
4a 保持片
5 トリガー
5a 作用部
5b 握り部
5c,5d 接触片
6 本体
7,8 溝カム
7a,7b,8a,8b 端部
7c 屈折点
9,10 軸
11,23 戻し手段
11a,11b,23a,23b バネ
21,22 板カム
21a,23e 直線部
21b 端部
21c,23c 曲線部
22a 始点
22b 中間点

Claims (1)

  1. ステープラー本体に収容されたステープルをトリガーによって駆動されるラムによって成形する医療用ステープラーであって、ステープラー本体に対し回転中心をラムに接近させた位置とラムから離隔させた位置の間で移動させるように拘束する第1のカム及び屈折部を有して形成された第2のカムを介して取り付けられたトリガーと、ステープラー本体に設けられ前記トリガーを該トリガーの回転中心が第1のカムに於けるラムから離隔した位置にある初期位置に戻す戻し手段と、を有し、ステープルに対する成形準備段階に於ける初期位置からトリガーを操作したとき、トリガーの回転中心が第1のカムに拘束されてラムに接近した位置に移動し、引き続くトリガーの操作に伴う患部に対する縫合が終了するまでの間前記位置を維持して回動し得るように構成したことを特徴とする医療用ステープラー。
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