JP4257369B2 - 地上波デジタルテレビ用アンテナブースタユニット - Google Patents

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Description

この発明は、地上波デジタルテレビ用アンテナブースタユニットに関する。
特開2007−36631号公報
テレビ放送などの受信機においては、アンテナからの受信信号を同軸ケーブルなどの信号ケーブルを介して受信回路に入力するようにしている。近年、電波放送の形態は非常に多様化しており、多チャンネル化の傾向が著しい。特に、地上波放送のUHF帯の場合、アナログ放送のチャンネルが設定されていることに加え、最近になって同じUHF帯で地上波デジタル放送も開始された。地上波デジタル放送は将来的には現行のアナログ地上波放送を完全に置き換えるべく計画されているが、受信機普及なども考慮して2011年まではアナログ/デジタルのサイマル放送が行われることになっている。そのためUHF帯域の周波数使用状況は大幅に過密となり、隣接チャンネル波や同一チャンネル波による受信障害の問題が深刻化している。
ところで、地上波デジタルテレビ放送では、直交周波数分割多重変調(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:OFDM)方式が採用されている。OFDM方式は、中心周波数が互いに直交関係にある多数のサブキャリア(副搬送波)に情報を分散させて伝送するマルチキャリア伝送方式の一つであり、マルチパス歪の影響を大幅に低減できる利点がある。マルチキャリア変調信号のスペクトラムは、多数のサブキャリアの重ね合せスペクトラムとして表わされる。OFDM方式では、上記のごとく各サブキャリアが互いに直交関係にあるので原理的には他のサブキャリアに影響を与えないはずである。
他方、小電力送信放送の受信C/N比を向上させるためには、アンテナ受信信号をブースタにより増幅してテレビ受像機に入力することが有効である(例えば、特許文献1)。このとき、ブースタに使用する増幅器は、図18に示すごとく、入力振幅値が大きくなると出力振幅が飽和値に近付いて特性が非線形化する非線形領域を有する。サブキャリアの入力振幅値が非線形領域に入り込んだ場合、出力振幅はプラス側とマイナス側の双方で飽和して尖頭部分がクリップされた形に歪む(つまり、多次の高調波歪を発生する)。そして、3次相互変調歪を生じたサブキャリアの出力波形は、中心周波数を基本周波数とする形で、その逓倍化された周波数の高調波成分を含む。例えば、2つのサブキャリアの周波数をf1,f2として、その信号を増幅器に入力した場合、入力振幅値が非線形領域に入ると、周波数が各々nf1及びnf2のn次高調波が発生する。その結果、そのうちの2次高調波と、基本波f1,f2により、2f1−f2及び2f2−f1という周波数の信号歪成分が発生する。この周波数関係にある歪を3次相互変調歪と称する。地上波デジタルテレビ放送では1つのチャンネル帯域幅が5.6MHzであり、1チャンネル内に5617本のサブキャリアが含まれているから、隣接するサブキャリアの周波数間隔は1kHzと非常に近接しており、3次相互変調歪もキャリア基本周波数に近い周波数にて発生するので、受信C/N比に影響を及ぼすことは明らかである。
図19は、地上波デジタルテレビ放送のあるチャンネルのマルチキャリア変調信号のスペクトラムを示すものである。各サブキャリアの基本周波数信号の重ね合わせ波形がチャンネル帯域に収まる形で生じているものの、該チャンネルに含まれる5617本のサブキャリアの任意ペアによる3次相互変調歪の重ね合わせ波形は、着目しているチャンネル帯域のみならず、隣接チャンネルの帯域にもはみ出しており、その受信品質に影響が及ぶことがわかる。特に、大電力送信の広域デジタル放送チャンネルに、小電力送信の地域放送チャンネルが隣接している場合、元から受信レベルが低い地域放送チャンネルのキャリア信号に、広域デジタル放送チャンネルの高レベルの3次相互変調歪成分が重なる結果、該地域放送チャンネルの映像品質劣化は非常に深刻となる。
本発明の課題は、大電力放送チャンネル群の周波数帯の隙間をぬって地域放送チャンネル等の小電力送信放送がなされているような場合においても、該大電力放送チャンネル群から小電力送信放送に及ぶ非線形歪(特に、3次相互変調歪)の影響を効果的に回避でき、小電力送信放送の受信品質を大幅に向上でき、かつ、コンパクトに構成できる地上波デジタルテレビ用アンテナブースタユニットを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明は、地上波デジタルテレビ放送帯域を包含する地上波テレビ放送のUHF帯アンテナ受信信号を増幅し、その増幅信号を受信装置のフロントエンド側に入力するためのアンテナブースタユニットにおいて、上記の課題を解決するために、
広帯域アンプICとして構成された増幅部と、
アンテナ受信信号のブースタ入力端側に設けられ、増幅部へ入力されるアンテナ受信信号を、地上波デジタルテレビ放送帯域を包含する通過周波数帯にてフィルタリングするとともに、ブースタ入力端インピーダンスを増幅部の入力インピーダンスに整合させる入力整合回路と、
ブースタ出力端側に設けられ、増幅部の出力インピーダンスをブースタ出力端インピーダンスに整合させる出力整合回路と、
ブースタ入力端へのアンテナ受信信号の入力線及びブースタ出力端からの増幅信号の出力線の少なくとも一方を兼ねる、増幅部の電源線に入力される、アンテナ受信信号又は増幅信号をなす高周波信号に重畳された電源入力を、高周波信号から分離して広帯域アンプICの電源端子に供給する電源分離フィルタを含んだ電源系回路と、
アンテナケーブルを接続するための第一コネクタ部及び第二コネクタ部が形成されたブースタハウジングと、
ブースタハウジング内に収容され、ブースタ入力端子と、入力整合回路と、増幅部と、出力整合回路と、電源系回路と、ブースタ出力端子とが実装搭載された回路基板と、を備え、
地上波デジタルテレビ放送帯域は、広域放送チャンネル系列に対し、それら広域放送チャンネル系列よりも送信電力レベルが小さい地域放送チャンネルが割当・配列され、かつ、該地上波デジタルテレビ放送帯域と同じUHF帯に、広域放送チャンネル系列よりもさらに高出力のアナログ放送チャンネルが割当・配列されたものであり、該地域放送チャンネルの弱電界受信チャンネル信号が少なくとも増幅対象信号とされ、かつ、全受信電力PiTがPiT≧−30dBmとなっており、
増幅部をなす広帯域アンプICを、GaAs系単位能動素子がHEMTからなるGaAsMMICのみにより、飽和出力が15dBm以上に確保され、かつ、受信対象となる地上波デジタルテレビ放送帯域を包含する470MHz以上770MHz以下の周波数帯域にて平坦なゲイン特性を有する広帯域アンプICとして構成することにより、広域放送チャンネル系列に由来する高電界受信レベルによって、受信信号レベルが42dBuV以下の地域放送チャンネル内に励起される3次相互変調歪を、地上波デジタルテレビ放送のビットエラー率における受信限界値に対し10dB以上の余裕度が確保可能となるように低減してなることを特徴とする地上波デジタルテレビ用アンテナブースタユニット。
上記の構成によると、出力整合回路及び入力整合回路により、ブースタ入力端インピーダンス及びブースタ出力端インピーダンス(例えば、同軸ケーブルの規格値(75Ω)に設定される)を、増幅部の入出力インピーダンス(例えば、高周波ICアンプの一般的な規格値(50Ω)に設定される)に整合させることで、反射損失の小さい良好な増幅特性を得ることができる。また、入力整合回路を、地上波デジタルテレビ放送帯域を包含した通過周波数帯にてフィルタリングするフィルタ回路に兼用させているため、映像信号への干渉成分となる放送帯域外の周波数成分を減衰させた状態で受信信号を増幅部に入力でき、映像受信品質の向上に寄与する。また、増幅部の電源線にアンテナ受信信号又は増幅信号をなす高周波信号が重畳された形で電源入力するとともに、その高周波信号に重畳された電源入力を該高周波信号から分離して増幅部の電源端子に供給する電源分離フィルタを設けることで、ブースタ電源線をアンテナケーブルとは別に設ける必要がなくなり、ブースタユニットのコンパクト化を図ることができる。
そして、その増幅部を、本発明では、飽和出力が15dBm以上に確保され、かつ、地上波デジタルテレビ放送帯域を包含する470MHz以上770MHz以下の周波数帯域にて平坦なゲイン特性を有する広帯域アンプICにて構成する。飽和出力が15dBm以上に確保されていることで、アンプICの線形領域が大幅に拡大し、OFDM方式を採用する地上波デジタルテレビ放送の個々のチャンネルのマルチキャリア変調信号の増幅出力スペクトラムから、個々のチャンネル内に、もしくは隣接チャンネル帯域へはみ出す形で生ずる非線形歪(特に、3次相互変調歪)の影響を劇的に軽減することができ、受信品質を大幅に向上することができる。特に、広域放送チャンネル系列に対し、それら広域放送チャンネ系列よりも送信電力レベルが小さい地域放送チャンネルが隣接設定されている場合、広域デジタル放送に由来する高電界受信レベルによって地域デジタル放送の低受信レベルの当該チャンネル内に励起される非線形歪、さらには該大電力放送チャンネル群から小電力送信放送チャンネルに及ぶ非線形歪(特に、3次相互変調歪)の影響を効果的に回避できる。また、広帯域アンプICは、受信対象となる地上波デジタルテレビ放送帯域を包含する470MHz以上770MHz以下の周波数帯域にて平坦なゲイン特性を有するので、小電力送信放送がどの帯域のチャンネルで行なわれていても、非線形歪を軽減しつつ受信信号を一律に増幅でき、受信品質を大幅に向上できる。
増幅部にて使用する広帯域アンプICの飽和出力が15dBm未満では、地上波デジタルテレビ放送帯域の、大電力放送チャンネル内、ないし隣接する小電力送信放送チャンネルにおける非線形歪の影響を十分に軽減できなくなる。なお、広帯域アンプICの飽和出力の上限には特に制限はなく、例えば25dBm程度までは十分可能である。また、広帯域アンプICの定格出力は、例えば地上波テレビ放送UHF帯域内の受信対象チャンネル数(アナログ+デジタル)が7波の場合、115dBuV以上確保されていること(上限には特に制限はないが、例えば130dBuV)が望ましい。
なお、本発明において、「470MHz以上770MHz以下の周波数帯域にて平坦なゲイン特性を有する」とは、該周波数帯域でのゲイン(SパラメータではS21)の変動が3dB以内に収まっていることをいう。
広域放送チャンネ系列に対し、それよりも送信電力レベルが小さい地域放送チャンネルが隣接設定された形での地上波デジタルテレビ放送の受信環境にて、全受信電力PiTがPiT≧−30dBmとなっている場合、広帯域アンプICとして飽和出力が15dBm以上に確保されたものを使用することで、その地域放送チャンネルの受信時におけるビットエラー率(BER)を、地上波デジタルテレビ放送の受信限界値(−40dB付近)に対し10dB以上の余裕度を確保でき、ひいては該地域放送チャンネルの映像品質を十分確保することができる。
増幅部をなす上記の広帯域アンプICは、従来のシリコン系バイポーラICでは飽和出力を15dBm以上に確保することは極めて困難である。従って、該広帯域アンプICは、飽和出力の高いGaAsMMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)のみにて構成することが望ましい。MMICを構成するGaAs系単位能動素子は、HEMT(High Electron Mobility Transistor)を採用できる。本発明にて好適に採用できるGaAs系単位能動素子がHEMTからなる広帯域アンプICの具体例として、KGF2755(沖電気(株)製)を例示できる。
次に、入力整合回路と出力整合回路とは、それぞれサージ吸収素子を設けることができる。これにより、ブースタユニットに接続されるアンテナケーブルへの高周波サージの誘導ないし重畳や、誘雷や静電気等によるEMIから広帯域アンプICを保護することができる。
上記本発明の地上波デジタルテレビ用アンテナブースタユニットは、アンテナケーブルを接続するための第一コネクタ部及び第二コネクタ部が形成されたブースタハウジングと、そのブースタハウジング内に収容され、ブースタ入力端子と、入力整合回路と、増幅部と、出力整合回路と、電源系回路と、ブースタ出力端子とが実装搭載された回路基板とを有するものとして構成することができる。各回路を単一の基板上に実装し、これをアンテナケーブル接続用のコネクタを有したブースタハウジングに収容する構成とすることで、ブースタユニットのさらなる小形化及び軽量化を図ることができ、アンテナケーブルへの取り付けも極めて簡単に行なうことができる。
ブースタハウジングは金属製(例えば、ステンレス鋼等)とすることができる。この場合、回路基板の主表面とブースタハウジングの内面との間に高分子材料からなる放熱部材を密着配置することができる。このような放熱部材を配置することにより、増幅部を構成するアンプICを含む基板上の能動素子の動作発熱を金属製のブースタハウジングに良好な熱伝導にて伝達でき、ひいては能動素子の放熱を促進することにより温度上昇を抑制でき、寿命を大幅に向上することができる。放熱部材はシリコーン樹脂にて構成することが、放熱部材の熱伝導率を向上でき、また、基板ないしブースタハウジングの接触面形状に対応して柔軟に変形できるので密着性に優れ、実装された回路素子にも無理な力を作用させにくいので好適である。
また、回路基板の広帯域アンプICの実装領域には、該基板を厚さ方向に貫通する放熱用貫通孔を形成でき、当該放熱用貫通孔の内部をヒートシンク金属部により充填することができる。これにより、広帯域アンプICの動作発熱を該ヒートシンク金属部により効果的に放熱でき、広帯域アンプICの寿命を延ばすことができる。また、電源系回路は、高周波信号が除去された電源信号の電圧を安定化させるレギュレータICを含むものとして構成できる。これにより、広帯域アンプICのより安定した動作を保障できる。この場合、回路基板には、該レギュレータICの実装領域に該基板を厚さ方向に貫通する放熱用貫通孔を形成でき、当該放熱用貫通孔の内部をヒートシンク金属部により充填することができる。該ヒートシンク金属部を設けることにより、発熱の大きいレギュレータICの放熱を促進でき、レギュレータICないしこれと同一基板上に実装されるアンプICの温度上昇を抑制して寿命向上を図ることができる。
いずれのヒートシンク金属部も、対応するICの裏面に密着するとともに回路基板を覆う接地面導体と導通する半田充填金属部とすることができる。半田充填金属部はプリント配線基板への後付け形成も容易であり、また、熱容量も大きいので放熱効果に優れる。また、このような半田充填金属部を、ICの裏面に密着するとともに回路基板を覆う接地面導体と一体形成・導通させることで、ICからの発熱を、半田充填金属部を介して大面積の接地面導体に導くことができ、該接地面導体を介して放熱を一層促進することができる。また、接地インピーダンスの低減にも寄与する。
また、前述の放熱部材を設ける場合、回路基板のIC実装側と反対の主表面にて、前述のヒートシンク金属部と接する形で配置することにより、個々のICの発熱を金属製のブースタハウジングに速やかに導くことができ、放熱効果を一層高めることができる。この場合、回路基板のIC実装側と反対側の主表面に、各ヒートシンク金属部が導通する接地面導体を設け、該接地面導体とブースタハウジングとの間に放熱部材を密着配置することにより、放熱効果をさらに高めることができる。
また、高周波信号が分離された電源入力の電圧を安定化させるレギュレータICを電源系回路に設ける場合、レギュレータICの出力を、広帯域アンプICにバイアス電流を供給する電源端子と、該広帯域アンプICのバイアス電流を制御するためのバイアス回路とに分配入力することができる。そして、該レギュレータICの出力端子とバイアス回路と電源端子との分岐点の間に直列に負帰還抵抗を挿入することができる。このような負帰還抵抗を設けることにより、広帯域アンプICのバイアス電流をより安定化でき、ひいては広帯域アンプICの出力直線性が安定して非線形歪の影響を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて説明する。図1は、本発明の地上波デジタルテレビ用アンテナブースタユニット(以下、単にアンテナブースタユニットともいう)の回路構成例を示すものである。このアンテナブースタユニット1は、OFDM変調方式による地上波デジタルテレビ放送のUHF帯アンテナ受信信号を増幅し、その増幅信号を受信装置のフロントエンド側に入力するためのものであり、その要部は、増幅部2、入力整合回路3、出力整合回路4及び電源系回路5からなる。
増幅部2は、飽和出力が15dBm以上に確保され、かつ、受信対象となる地上波デジタルテレビ放送帯域を包含する470MHz以上770MHz以下の周波数帯域にて平坦なゲイン特性を有する広帯域アンプIC1にて構成されている。本実施形態では、広帯域アンプIC1として、KGF2755(沖電気(株)製)を採用している。
入力整合回路3は、アンテナ受信信号のブースタ入力端Input側に設けられ、増幅部2へ入力されるアンテナ受信信号を、地上波デジタルテレビ放送帯域を包含する通過周波数帯にてフィルタリングするとともに、ブースタ入力端インピーダンス(75Ω)を増幅部2の入力インピーダンス(50Ω)に整合させる役割を果たす。この実施形態では、入力整合回路3は地上波デジタルテレビ放送帯域に対応する通過帯域特性を有した帯域通過型フィルタとして構成されている。このうち、高域通過フィルタ部3Hは、増幅部2への入力ライン上に設けられたインダクタL1及びキャパシタC1,C3からなる直列共振部と、キャパシタC1,C3の間にて入力ラインから接地側に分岐する形で設けられた並列共振部とを有する。また、インピーダンス変換部3Lは、入力ライン上のインダクタLa,Lbと、両インダクタLa,Lbの間にて入力ラインから接地側に分岐するキャパシタC2からなり、低域通過フィルタの役割も果たす。該入力整合回路3には、入力ラインから接地側に分岐する形でダイオード対D2からなるサージ吸収素子3Sが設けられている。
また、出力整合回路4は、ブースタ出力端Output側に設けられ、増幅部2の出力インピーダンス(50Ω)をブースタ出力端インピーダンス(75Ω)に整合させる役割を果たす。本実施形態では、出力整合回路4は、増幅部2の出力ラインから接地側に分岐するLC並列共振部(インダクタL3及びキャパシタCd等)にて構成されている。該出力整合回路4には、出力ラインから接地側に分岐する形でツェナーダイオード対Z1からなるサージ吸収素子4Sが設けられている。
本実施形態では、ブースタ出力端Outputからの増幅信号の出力線(ブースタ入力端Inputへのアンテナ受信信号の入力線でもよい)が、増幅部2の電源ラインPLに兼用されている。従って、その電源ラインPLには、増幅部2からの増幅信号をなす高周波信号が重畳された形で電源入力される。そこで、該電源ラインPL上にてブースタ出力端Output側に、その高周波信号を分離除去して該電源電圧を増幅部2の電源端子に供給する電源分離フィルタ5Fが設けられている。電源分離フィルタ5Fにて高周波信号が除去された電源入力は、電圧安定化のためのレギュレータIC2を経て広帯域アンプIC1にバイアス電流を供給する電源端子に入力されるとともに、広帯域アンプIC1のバイアス電流を制御するためのバイアス回路にも分配入力されるようになっている。バイアス回路は、広帯域アンプICの単位能動素子を構成するGaAsHEMTのゲートにバイアス電圧を印加するためのものであり、電源ラインPLからの抵抗分岐R3,R4として形成されている。このバイアス印加用のラインから接地側にさらに分岐する形で、サージ保護用のツェナーダイオードD5が設けられている。
電源分離フィルタ5Fは、電源ラインPL上に設けられた入力側インダクタL4と、チョークコイル及び1対の接地側キャパシタとを組み合わせたπ形ローパスフィルタとを組み合わせた形で構成されている。この電源分離フィルタ5FとレギュレータIC2との間には逆接続防止用のダイオードD1が設けられている。また、レギュレータIC2の出力端子とバイアス回路と間には、抵抗アレーR1,R2からなる負帰還抵抗が挿入されており、増幅部2のバイアス電流をより安定化させる役割を果たしている。
図2に示すように、該アンテナブースタユニット1は、アンテナケーブル上に取り付けて使用されるものであり、アンテナケーブルを接続するための第一コネクタ部49及び第二コネクタ部50が形成されたブースタハウジング13を有する。また、ブースタ入力端子Inputと、入力整合回路3と、増幅部2と、出力整合回路4と、電源系回路5と、ブースタ出力端子Outputとが、プリント配線基板からなる回路基板70上に実装搭載され、ブースタハウジング13内に収容されている。具体的には、ケーブル接続用ベース42に上記回路基板70が組み付けられ、その外側がステンレス鋼からなる円筒状のブースタハウジング13で覆われている。第一コネクタ部49はこのケーブル接続用ベース42と一体に形成されている。
回路基板70の表面をなす第一主表面側が各回路2〜5の構成素子を面実装するための部品実装面とされ(図1の回路図の符号を援用して、その実装位置を示している)、裏面をなす第二主表面には接地面導体GMF(図3)が形成されている。増幅部2の入出力ラインはその接地面導体とカップリングするマイクロストリップラインMSLとして形成されている。
図3は、回路基板70の両面の導体層のパターニング例を示すものである。回路基板70の広帯域アンプIC1の実装領域IC1Pには、該基板70を厚さ方向に貫通する放熱用貫通孔2HSが形成されている。そして、その放熱用貫通孔2HSの内部はヒートシンク金属部71により充填されている。同様に、レギュレータIC2の実装領域IC2Pにも放熱用貫通孔2HS’が形成され、当該放熱用貫通孔2HS’の内部がヒートシンク金属部71’により充填されている。各ヒートシンク金属部71,71’は、対応するIC(1,2)の裏面に密着するとともに回路基板70を覆う接地面導体GMFと導通する半田充填金属部とされている。
次に、図4に示すように、回路基板70の主表面とブースタハウジング13の内面との間には、高分子材料、本実施形態ではシリコーン樹脂からなる放熱部材10が密着配置されている。具体的には、回路基板70のIC1,2の実装側と反対側の主表面(第二主表面)に、各ヒートシンク金属部71が導通する接地面導体GMFが形成され、その該接地面導体GMFとブースタハウジング13との間に放熱部材10を密着配置されている。図3に放熱部材10の配置領域を一点鎖線で示している。放熱部材10は、各IC1,2のヒートシンク金属部71のいずれとも密着するようにその配置領域が定められている。
放熱部材10は、例えば放熱促進効果を十分確保するために熱伝導率が1.2W/m・K以上(5.5W/m・K以下)のものを採用するのがよい。また、回路基板70上に貼り付けた状態でブースタハウジング13の内面に押し込むことにより容易に追従変形でき、かつ、該内面と良好な密着状態を実現するために、アスカーC硬さが45以下(20以上)の低硬度のものを採用することが望ましい。このような低硬度高熱伝導性シリコーンゴムシートとして、例えば、TC−100HS−1.4(信越シリコーン(株)社製)等の市販品を採用することができる。
放熱部材10は、ブースタハウジング13内に回路基板70とともに挿入する際に、ブースタハウジング13の内面と回路基板70との間で圧縮されるようにその厚みが定められており、その圧縮弾性復帰力によりブースタハウジング13の内面に密着するようになっている。なお、低硬度シリコーンゴムシートは粘着性を有するので、該シートで形成した放熱部材10の表面は、ブースタハウジング13内面への挿入抵抗を減ずるために、樹脂製のセパレートシート10Sで覆っておくとよい。
図5は、図1のブースタユニット1のSパラメータ特性の実測結果を示すものである。地上波デジタルテレビ放送の受信帯域を包含する470MHz以上770MHz以下の周波数帯域にて平坦なゲイン特性(S21)を有していることがわかる。また、入力整合回路3と出力整合回路4とを設けているので、入出力の反射損失(S11,S22)も上記受信帯域にて小さく留められていることがわかる。図6は、そのゲイン及び雑音指数の周波数特性を示すものであり、20〜25dBの間に収まる平坦かつ良好なゲイン特性を有し、雑音指数も受信帯域にて3dB未満に留められていることがわかる。
図7は、市販のソフト((株)エム・イー・エル社製の高周波・マイクロ波EDAツール:S−NAP/Pro)を用いたSパラメータ特性のシミュレーション結果を示す。各部品の回路定数は、シミュレーションを行なう上での入力設定値として、図7の等価回路図内に個別の値を示している。図5の実測結果と略一致する結果が得られていることがわかる。また、図8には、アンプIC1の等価回路図を、前後の入出力整合回路3,4とともに示している。図9は、その等価回路に従い上記のソフトを用いて行なったアンプIC1の非線形特性解析の結果を示すものである。図中右は、U23チャンネルの入力電力に対する基本波出力の特性と第2次及び第3次高調波の特性とを合せて示すものである。0dBm付近までの極めて高い入力電力レベルに至るまで、基本波出力は非常に良好な線形特性を示し、高調波歪のレベルも小さくなっていることがわかる。図中左はU22チャンネルとU23チャンネルの隣接2波に対する3次相互変調歪(IM3)を示している(基本波入力が−25dBmでも、3次相互変調歪のレベルは−60dBと僅少である)。基本波出力は15dBmまで線形性を維持している(飽和出力は20dBm)。
図10は、図1の回路をさらに発展させたものであり、アンプIC1の出力ラインから接地側に分岐させる形で利得周波数補償回路(インダクタL1、キャパシタC1及び抵抗R1からなるLCR直列共振回路からなる)を設けている。なお、入力整合回路はマイクロストリップラインMSL1からなる分布定数回路部にて、出力整合回路はマイクロストリップラインMSL2、MSL3からなる分布定数回路部にてそれぞれ置き換えられている。図11は、そのSパラメータ特性のシミュレーション結果を示す。利得周波数補償回路を追加することにより、地上波デジタルテレビのUHF周波数帯だけでなく、VHF帯、あるいはBS/CS−IF帯も包含する広帯域にて平坦なゲイン特性が得られていることがわかる。
図1の回路構成のアンテナブースタユニット1を、地上波デジタルテレビ地域放送チャンネル及びその周辺の受信に適用した場合の、効果を確認する実験を以下のようにして行なった。図12は、その実験に用いたシステムのブロック図である。まず、地上波デジタルテレビ広域放送チャンネル(図13のA,B,C,D,F,Gの各チャンネル:各チャンネルとも出力として74dBuVを想定)の電波は市販のUHFアンテナを介して受信し、デジタルテレビヘッドエンド及び可変減衰器ATT1を介してミキサに入力した。また、地上波デジタルテレビ地域放送チャンネル(図13のEチャンネル:出力として36.5〜42dBuVを想定)を想定した模擬信号をデジタルテレビ信号ジェネレータ(LG3802)により発生し、可変減衰器ATT2を介してミキサに入力した。さらに、地上波アナログテレビ放送チャンネル(図13のIチャンネル)を想定した模擬信号を、前置減衰器(15dBATT)と可変減衰器ATT3を介してミキサに入力した。
そして、そのミキサの出力を、図1のアンテナブースタユニット1に入力した。また、比較のため、飽和出力の異なる市販の種々のアンテナブースタユニットにも同様に入力した(表1に、飽和出力の値をまとめて示す)。そして、各アンテナブースタユニットの出力をアンプ受信機間損失として12dBを設定した形でデジタルテレビシグナルアナライザ(Advantest社製、R3466)に入力し、受信品質を評価するための変調エラー率MER、ビットエラー率BER及び受信C/N比とを測定した。表1に、そのビットエラー率BERの評価結果を示す。一般に、BERにおけるデジタルテレビの受信限界は−40dB(真数で1×10−4)と言われている。
この結果を見ると、本発明の実施例品は、評価対象となるデジタル弱電界チャンネル(E)のBERレベルが非常に小さく、受信限界BERに対する余裕度も15dBを超え、弱電界チャンネルも良好な品質で受信できることがわかる。これに対し、比較例品ではBERレベルがいずれも高く、受信限界BERに対する余裕度もあまり確保できないか、あるいは受信限界BERを下回り、受信不能になる場合もあることがわかる。
図14は、上記の測定結果に基づき、デジタル弱電界チャンネルである地域放送チャンネル(Eチャンネル)に対する強電界放送波の許容レベルを評価した結果を、各ブースタのゲイン及び定格出力の値とともに示すものである。強電界放送波の許容レベルは本発明の実施例品が抜きん出て良好であることが明らかである。
また、図15は、図13のA,B,C,D,F,Gの各チャンネルが作る強電界受信環境におけるデジタル弱電界チャンネルの受信限界レベルの評価結果を示すものである。これによると、本発明の実施例品は、受信限界レベルが36.5dBuVと全ての機種の中で最小値となり、最も低い受信レベルまで鮮明な映像を受信できることがわかる。なお、比較例では、3つの機種で受信そのものが不能となり、唯一受信できたN−35Uでも受信限界値は本発明品よりも5dB高くなっている。
図16は、愛知県一宮市にて行なった、地上波デジタル放送の各チャンネル(U13,U18,U19,U20,U21,U22,U23:このうち、U23が地域放送チャンネル、他が広域放送チャンネル群)の受信品質C/N比に係る現地調査結果を示すものである。受信環境は、アンテナ出力が、地上アナログ放送U25チャンネルの受信レベルにて約72dBuVであり、同じくU35チャンネルの受信レベルにて約81dBuVである。本発明のアンテナブースタ(AMP−UK:定格出力121dBuV:受信対象チャンネル数が7波)を用いた場合と、比較例のアンテナブースタ(NPA−25U:定格出力96dBuV:受信対象チャンネル数が7波)を用いた場合で比較して示す(測定器は、デジタルブロードシグナルアナライザ(Anritus社製、MS8901A)を用いた)。この結果によると、比較例のアンテナブースタでは、地域放送チャンネルU23のC/N比が受信限界値である20.1dBを下回っており、広域放送チャンネル群のC/N比も受信限界値を多少上回る程度にしか向上していない。これは、比較例のアンテナブースタの定格出力(ひいては飽和出力)が低く、広域放送チャンネル群からの高電界受信波の非線形歪の影響が、個々の広域放送チャンネル内においても、また、地域放送チャンネルにおいても、いずれも大きくなっていることを反映したものである。これに対し、本発明のアンテナブースタでは、広域放送チャンネル群のC/N比は軒並み40dB近くまで向上し、地域放送チャンネルのC/N比も受信限界値をはるかに上回り、広域放送チャンネル群に迫る35dB程度まで改善されている。すなわち、実施例のアンテナブースタは定格出力(ひいては飽和出力)が高く確保され、広域放送チャンネル群(及び高出力のアナログ放送)からの高電界受信波の存在下でも非線形歪の影響を、個々の広域放送チャンネル内においても、また、隣接する地域放送チャンネルにおいても、いずれも受け難くなっていることを示すものである。
次に、放熱部材の効果を確認するために行なった実験結果について説明する。すなわち、図2において、アンプIC1(増幅部2)の表面にサーミスタを貼付し、アンプIC1を60mAの定電流で継続的に駆動しながら、その温度の経時変化を、配線基板70の裏面側に放熱部材10を配置した場合と、配置しない場合とで比較して測定した。また、配線基板70の裏面側に放熱部材10を配置した場合については、アンプIC1の直上位置にて金属製のブースタハウジングの外周面にサーミスタを貼付し、温度の経時変化を同様に測定した。以上の結果を図17に示す。
まず、放熱部材10を配置しなかった場合はアンプIC1の温度上昇が著しく、5分後にはアンプIC1の製品推奨上限温度である55℃を上回っていることがわかる。これに対して放熱部材10を配置すると、アンプIC1の温度は約10℃低減できており、推奨温度範囲内に納めることができた。また、ブースタハウジングの外周面温度は40℃未満で飽和しており、ハウジング内の蓄熱も低く留められていることがわかる。なお、放熱部材10の厚みを若干減じ、ハウジング内での放熱部材10の圧縮率を下げて同様の実験を行なったところ、アンプIC1の温度に2℃程度の上昇が見られた。
本発明のアンテナブースタユニットの回路構成例を示す図。 アンテナブースタユニットの回路基板及びハウジングの構成例を示す分解斜視図。 回路基板の両面のパターニング例を示す図。 放熱部材の使用例を示す分解斜視図。 図1の回路のSパラメータ特性を示す実測図。 図1の回路のゲインと雑音指数の周波数特性の一例を示す図 図1の回路のSパラメータ特性のシミュレーション結果を示す図。 図1のアンプICの等価回路を示す図。 図8の回路におけるアンプICの非線形特性のシミュレーション解析結果を示す図。 本発明のアンテナブースタユニットの回路構成の別例を示す図。 図10の回路のSパラメータ特性のシミュレーション結果を示す図。 図1の回路による本発明のブースタの性能評価実験に用いたシステムのブロック図。 図12の実験にて想定した、地上波テレビ放送のチャンネル割当状況を示す図。 強電界放送の許容レベルに係る評価結果を示すグラフ。 弱電界放送の受信限界レベルに係る評価結果を示すグラフ。 C/N比の現地測定結果を示すグラフ。 放熱部材の効果を評価した実験結果を示すグラフ。 増幅部の非線形特性と3次相互変調歪との関係を説明する図。 3次相互変調歪の隣接チャンネルに及ぼす影響を説明する図。
符号の説明
1 アンテナブースタユニット
2 増幅部
IC1 広帯域アンプIC
3 入力整合回路
4 出力整合回路
5 電源系回路
5F 電源分離フィルタ
3S,4S サージ吸収素子
2HS 放熱用貫通孔
10 放熱部材
13 ブースタハウジング
49 第一コネクタ部
50 第二コネクタ部
70 回路基板
71 ヒートシンク金属部

Claims (9)

  1. 地上波デジタルテレビ放送帯域を包含する地上波テレビ放送のUHF帯アンテナ受信信号を増幅し、その増幅信号を受信装置のフロントエンド側に入力するためのアンテナブースタユニットであって、
    広帯域アンプICとして構成された増幅部と、
    前記アンテナ受信信号のブースタ入力端側に設けられ、前記増幅部へ入力される前記アンテナ受信信号を、前記地上波デジタルテレビ放送帯域を包含する通過周波数帯にてフィルタリングするとともに、ブースタ入力端インピーダンスを前記増幅部の入力インピーダンスに整合させる入力整合回路と、
    前記ブースタ出力端側に設けられ、前記増幅部の出力インピーダンスをブースタ出力端インピーダンスに整合させる出力整合回路と、
    前記ブースタ入力端へのアンテナ受信信号の入力線及び前記ブースタ出力端からの前記増幅信号の出力線の少なくとも一方を兼ねる、前記増幅部の電源線に入力される、前記アンテナ受信信号又は前記増幅信号をなす高周波信号に重畳された電源入力を、前記高周波信号から分離して前記広帯域アンプICの電源端子に供給する電源分離フィルタを含んだ電源系回路と、
    アンテナケーブルを接続するための第一コネクタ部及び第二コネクタ部が形成されたブースタハウジングと、
    前記ブースタハウジング内に収容され、ブースタ入力端子と、前記入力整合回路と、前記増幅部と、前記出力整合回路と、前記電源系回路と、ブースタ出力端子とが実装搭載された回路基板と、を備え、
    前記地上波デジタルテレビ放送帯域は、広域放送チャンネル系列に対し、それら広域放送チャンネル系列よりも送信電力レベルが小さい地域放送チャンネルが割当・配列され、かつ、該地上波デジタルテレビ放送帯域と同じUHF帯に、前記広域放送チャンネル系列よりもさらに高出力のアナログ放送チャンネルが割当・配列されたものであり、前記地域放送チャンネルの弱電界受信チャンネル信号が少なくとも増幅対象信号とされ、かつ、全受信電力PiTがPiT≧−30dBmとなっており、
    前記増幅部をなす前記広帯域アンプICを、GaAs系単位能動素子がHEMTからなるGaAsMMICのみにより、飽和出力が15dBm以上に確保され、かつ、受信対象となる地上波デジタルテレビ放送帯域を包含する470MHz以上770MHz以下の周波数帯域にて平坦なゲイン特性を有する広帯域アンプICとして構成することにより、前記広域放送チャンネル系列に由来する高電界受信レベルによって、受信信号レベルが42dBuV以下の前記地域放送チャンネル内に励起される3次相互変調歪を、地上波デジタルテレビ放送のビットエラー率における受信限界値に対し10dB以上の余裕度が確保可能となるように低減してなることを特徴とする地上波デジタルテレビ用アンテナブースタユニット。
  2. 前記入力整合回路にサージ吸収素子が設けられている請求項1記載の地上波デジタルテレビ用アンテナブースタユニット。
  3. 前記ブースタハウジングは金属製であり、前記回路基板の主表面と前記ブースタハウジングの内面との間に高分子材料からなる放熱部材が密着配置されてなる請求項1又は請求項2に記載の地上波デジタルテレビ用アンテナブースタユニット。
  4. 前記放熱部材がシリコーン樹脂にて構成されてなる請求項3記載の地上波デジタルテレビ用アンテナブースタユニット。
  5. 前記回路基板の前記広帯域アンプICの実装領域に該基板を厚さ方向に貫通する放熱用貫通孔が形成され、当該放熱用貫通孔の内部がヒートシンク金属部により充填されてなる請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の地上波デジタルテレビ用アンテナブースタユニット。
  6. 前記電源系回路は、前記高周波信号が分離された電源入力の電圧を安定化させるレギュレータICを含み、前記回路基板の該レギュレータICの実装領域に該基板を厚さ方向に貫通する放熱用貫通孔が形成され、当該放熱用貫通孔の内部がヒートシンク金属部により充填されてなる請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の地上波デジタルテレビ用アンテナブースタユニット。
  7. 前記ヒートシンク金属部は、対応するICの裏面に密着するとともに前記回路基板を覆う接地面導体と導通する半田充填金属部とされてなる請求項5又は請求項6に記載の地上波デジタルテレビ用アンテナブースタユニット。
  8. 請求項3又は請求項4に記載の前記放熱部材が、前記回路基板の前記IC実装側と反対の主表面にて、前記ヒートシンク金属部と接する形で配置されてなる請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の地上波デジタルテレビ用アンテナブースタユニット。
  9. 前記電源系回路は、前記高周波信号が分離された電源入力の電圧を安定化させるレギュレータICを有するとともに、該レギュレータICの出力が、前記広帯域アンプICにバイアス電流を供給する電源端子と、該広帯域アンプICのバイアス電流を制御するためのバイアス回路とに分配入力されるようになっており、かつ該レギュレータICの出力端子と前記バイアス回路と前記電源端子との分岐点の間に直列に負帰還抵抗が挿入されてなる請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の地上波デジタルテレビ用アンテナブースタユニット。
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