JP4256982B2 - 溶接電極の摩耗量測定用治具および摩耗量測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動側電極をワークの一方の面に向かって変位させ、前記駆動側電極が前記ワークに押圧されることで従動側電極が前記ワークの他方の面に向かって変位するように構成されたイコライズ機構を備えた溶接装置における前記駆動側電極および前記従動側電極の摩耗量測定用治具および摩耗量測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
積層されたワークを抵抗溶接によって接合する場合、例えば、図8に示す溶接ガン10が使用される。この場合、開放状態にある駆動側電極12と従動側電極14との間にワークW1とW2とを積層して配置する。次いで、駆動側電極12が駆動機構16の駆動作用下に変位してワークW1に押圧されると、その反作用によって駆動機構16自身に上方に変位する力が付与される。駆動機構16は溶接ロボット20にイコライズ機構22を介して取り付けられているため、溶接ロボット20に対して上昇し、その結果、従動側電極14が上昇してワークW2に当接する。ここで、ワークW1、W2を駆動側電極12、従動側電極14によって挟持する際、作業時間を短縮するとともに駆動側電極12がワークW1に当接したときの衝撃によって駆動側電極12やワークW1が損傷することを防止するため、駆動側電極12はワークW1に接近するまで高速で変位した後、低速となるように制御される。なお、駆動側電極12の変位速度を切り替えるときの駆動側電極12と従動側電極14との間隔はコンカレント限界開度といわれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、駆動側電極12と従動側電極14とは、溶接を繰り返し行うと次第に摩耗し、開放状態における間隔が広くなってしまう。このように間隔の広がった駆動側電極12、従動側電極14を使用すると、コンカレント限界開度が大きくなって駆動側電極12および従動側電極14を低速で変位させる時間が長くなり、作業効率が低下するという欠点がある。
【0004】
そこで、未使用の駆動側電極12と従動側電極14との開放状態における間隔L0 を記録しておき、摩耗した駆動側電極12および従動側電極14を空打ちして摩耗後の間隔Lを求め、これらの差(L0 −L)だけ駆動側電極12の開放状態での位置を補正すれば、コンカレント限界開度を摩耗によらず一定にすることができる。
【0005】
ところが、この方法では、ワークW2と従動側電極14との間隔が広くなる一方、ワークW1と駆動側電極12との間隔が狭くなるため、イコライズ機構22によるイコライズ量、すなわち、駆動側電極12がワークW1に当接してから従動側電極14がワークW2に当接するまでに駆動機構16が溶接ロボット20に対して変位する量が大きくなってしまう。イコライズ量が変化すると、駆動側電極12、従動側電極14のワークW1、W2に対する押圧力が変化して溶接品質が低下したり、スパッタが発生してしまうという問題がある。さらに、ワークW1と駆動側電極12との間隔が狭いため、ワークW1、W2の位置誤差によっては、溶接ガン10をワークW1、W2に接近させた時点でワークW1に駆動側電極12が衝突して抵抗溶接ができなくなったり、溶接ガン10が損傷することが考えられる。このような事態を回避するためには、予め駆動側電極12と従動側電極14との間隔を十分に大きく設定しておかなければならず、サイクルタイム短縮の妨げとなってしまう。
【0006】
また、このように電極の摩耗を補正する従来技術として、実公平6−27273号公報には、固定電極の摩耗量を、例えば、発光素子と撮像素子とからなる摩耗量センサにより測定し、この摩耗量に応じて固定電極の位置を補正する溶接ロボットが開示されているが、摩耗量センサを別途設けなければならないという不具合がある。さらに、可動電極の摩耗量を測定することができないため、前述と同様に、イコライズ量が変化してしまう。
【0007】
本発明は前記の課題を解決すべくなされたものであって、極めて簡易な構成により、イコライズ機構を備えた従動側電極および駆動側電極の摩耗量を容易に測定することのできる溶接電極の摩耗量測定用治具および摩耗量測定方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、駆動側電極をワークの一方の面に向かって溶接ガンの変位機構によって変位させ、前記駆動側電極が前記ワークに押圧されることで従動側電極が前記ワークの他方の面に向かって変位するように構成されたイコライズ機構を備えた溶接装置における前記駆動側電極および前記従動側電極の摩耗量測定用治具であって、
前記変位機構及び前記従動側電極が固定されたアーム部材を含む前記溶接ガンの所定部位が当接することで前記溶接ガン及び前記従動側電極を位置決めする固定部と、
摩耗前の前記駆動側電極に対して既知の位置に位置決めされ、前記溶接ガンが前記固定部によって位置決め固定された後に前記駆動側電極が変位して当接する当接部と、
を備え、
前記固定部および前記当接部は、前記駆動側電極と前記従動側電極とを互いに離間する位置に位置決め可能な位置に配置され、
前記溶接ガンを前記固定部により位置決め固定することで前記従動側電極を位置決め固定した状態で前記変位機構によって前記駆動側電極を変位させて前記当接部に当接させ、そのときの前記駆動側電極の変位量に基づき、前記駆動側電極および前記従動側電極の摩耗量を測定することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、駆動側電極をワークの一方の面に向かって溶接ガンの変位機構によって変位させ、前記駆動側電極が前記ワークに押圧されることで従動側電極が前記ワークの他方の面に向かって変位するように構成されたイコライズ機構を備えた溶接装置における前記駆動側電極および前記従動側電極の摩耗量測定方法であって、
開放状態から前記駆動側電極を前記変位機構によって変位させ、前記従動側電極に前記駆動側電極が当接したときの第1変位量を測定する工程と、
前記変位機構及び前記従動側電極が固定されたアーム部材を含む前記溶接ガンの所定部位を前記治具の固定部に当接させることで前記溶接ガン及び前記従動側電極を位置決め固定し、その後、前記開放状態から前記駆動側電極を前記変位機構によって変位させ、前記治具を構成して前記駆動側電極と前記従動側電極とを互いに離間する位置に位置決め可能で且つ摩耗前の前記駆動側電極に対して既知の位置に配置された当接部に前記駆動側電極が当接したときの第2変位量を測定する工程と、
からなり、前記第2変位量から前記駆動側電極の摩耗量を求め、前記第1変位量および前記駆動側電極の前記摩耗量から前記従動側電極の摩耗量を求めることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、駆動側電極と従動側電極とを当接させてその変位量から駆動側電極と従動側電極の摩耗量の総和を測定し、次に、従動側電極を固定部によって固定した状態で駆動側電極を当接部に当接させ、その変位量から前記駆動側電極の摩耗量を測定する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る溶接電極の摩耗量測定方法について、それを実施する装置との関係において、好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0012】
図1において、参照符号100は、本発明の第1の実施の形態に係る溶接装置を示す。この溶接装置100は溶接ロボット102の端部に設けられた溶接ガン104を備える。溶接ガン104の可動範囲内にはワークW1、W2が載置位置決めされるワーク固定台106と、溶接ガン104の電極摩耗量を測定する際に用いられる摩耗量測定用治具108とが配置される。
【0013】
溶接ガン104は、溶接ロボット102の端部に設けられたイコライズ機構110と、イコライズ機構110によって変位可能なアーム部材112を介して設けられた従動側電極114と、従動側電極114に対向し、変位機構116によって変位可能な駆動側電極118とを有する。
【0014】
イコライズ機構110には略コ字状に形成された支持部材120が設けられ、支持部材120にはロッド122が鉛直方向に延在して橋架される。ロッド122には変位部材124が変位自在に設けられる。ロッド122にはコイルスプリング126a、126bが巻回され、変位部材124はコイルスプリング126a、126bによって弾性的に支持される。変位部材124には略水平方向に延在する板状部材128が固着され、板状部材128には略C字状に形成されたアーム部材112の一端部が固着される。アーム部材112の他端部には従動側電極114が略鉛直上方向に延在して設けられる。
【0015】
板状部材128には変位機構116が固着される。変位機構116は図示しないモータを有し、モータの回転力が送りねじおよび送りナットによって直線運動に変換されてロッド136が上下方向に変位する。また、変位機構116には図示しないエンコーダ等が設けられ、このエンコーダ等によりロッド136の変位量が検出される。ロッド136の端部には駆動側電極118が従動側電極114と対向して固着される。従って、変位機構116が駆動されると、駆動側電極118は従動側電極114に向かって変位する。
【0016】
摩耗量測定用治具108は基台142に立設された支柱144を有し、支柱144の上端部には水平方向に延在し、変位機構116の上部に当接可能な固定部146が形成される。また、支柱144には固定部146から既知の間隔だけ離間し、駆動側電極118が当接可能な当接部148が水平方向に延在して形成される。
【0017】
第1の実施の形態に係る溶接装置100は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、本実施の形態に係る溶接電極の摩耗量測定方法について、図2および図3のフローチャートを参照して説明する。
【0018】
先ず、アーム部材112、ロッド136にそれぞれ未使用の従動側電極114、駆動側電極118を装着する(図2中、ステップS1)。次いで、従動側電極114と駆動側電極118との開放状態(溶接開始前)における間隔L0 を測定する。すなわち、開放状態から変位機構116を駆動して駆動側電極118と従動側電極114とを当接させ(ステップS2)、このときの駆動側電極118の変位量を図示しないエンコーダにより測定することで、間隔L0 を求めることができる(ステップS3)。
【0019】
次に、この溶接ロボット102を駆動して溶接ガン104を摩耗量測定用治具108に接近させ、図1に示すように、開放状態にある変位機構116の上部を固定部146に当接させる。このとき、当接部148は従動側電極114と駆動側電極118との間に配置されるとともに、駆動側電極118に対して位置決めされる(ステップS4)。そして、駆動側電極118と当接部148との間隔A0 を測定する。すなわち、変位機構116を駆動して駆動側電極118を当接部148に当接させ(ステップS5)、このときの駆動側電極118の変位量をエンコーダにより測定することで駆動側電極118と当接部148との間隔A0 を求めることができる(ステップS6)。この場合、変位機構116が固定部146に当接しているため、駆動側電極118が固定部146に当接した後にイコライズ機構110が機能することがなく、従動側電極114が固定される。従って、駆動側電極118の変位量のみを測定することができる。
【0020】
以上の準備作業を行った後、溶接ロボット102を駆動して溶接ガン104をワークW1、W2に接近させる(図4A参照)。なお、ワークW1、W2に対する従動側電極114、駆動側電極118の位置は、従動側電極114とワークW1との間隔LA と駆動側電極118とワークW2との間隔LB とが略一致するように設定する。次に、変位機構116を駆動して駆動側電極118をワークW2に当接させる。このとき、駆動側電極118がワークW2に対し所定の間隔に接近するまでは駆動側電極118を高速で変位させ、ワークW2に接近したら低速で変位させる。これにより、駆動側電極118がワークW2に当接したときの衝撃によって駆動側電極118やワークW2が損傷してしまう懸念を払拭することができる。
【0021】
駆動側電極118がワークW2に当接した後、変位機構116のさらなる駆動作用下に変位機構116に反作用が付与され、変位機構116は変位部材124とともにイコライズ機構110のコイルスプリング126a、126bの弾発力に抗して上方に変位し、従動側電極114がワークW1に当接するに至る。従って、ワークW1、W2は従動側電極114と駆動側電極118とによって挟持される。そして、従動側電極114と駆動側電極118との間に溶接電流を流してワークW1、W2に抵抗溶接を施す(ステップS7)。
【0022】
溶接を繰り返し行うと、従動側電極114、駆動側電極118の先端部が摩耗する。そこで、抵抗溶接が所定回数行われると、従動側電極114、駆動側電極118の摩耗量を測定する。この場合、先ず、従動側電極114と駆動側電極118との間隔Lを測定する。この方法は、前述と同様に、開放状態から変位機構116を駆動して従動側電極114と駆動側電極118とを当接させ(図3中、ステップS11)、このときの駆動側電極118の変位量(第1変位量)をエンコーダで測定し、この変位量を従動側電極114と駆動側電極118との間隔Lとして求める(ステップS12)。そして、従動側電極114と駆動側電極118との摩耗量の総和Bを、
B=L−L0
として求める(ステップS13)。
【0023】
次に、駆動側電極118の摩耗量を測定する。この場合、溶接ロボット102を駆動して変位機構116を摩耗量測定用治具108の固定部146に当接させることにより、当接部148を駆動側電極118に対して位置決めする(図1参照、ステップS14)。この場合、摩耗量測定用治具108の固定部146と当接部148との間隔は既知であるため、当接部148は駆動側電極118に対して既知の位置に位置決めされる。次いで、変位機構116を駆動して駆動側電極118を当接部148に当接させ(ステップS15)、駆動側電極118の変位量(第2変位量)を測定し、この変位量を駆動側電極118と当接部148との間隔Aとして求める(ステップS16)。この場合も、変位機構116が当接部148に当接してイコライズ機構110が機能せず、従動側電極114は固定されて駆動側電極118に接近することがない。そして、駆動側電極118の摩耗量Cを、駆動側電極118の摩耗前の間隔A0 を用いて、
C=A−A0
として求める(ステップS17)。
【0024】
次いで、従動側電極114の摩耗量Dを、摩耗量の総和Bを用いて、
D=B−C
として求める(ステップS18)。
【0025】
以上のようにして、従動側電極114、駆動側電極118のそれぞれの摩耗量D、Cが求められると、溶接ロボット102を駆動して従動側電極114をワークW1に接近させ、溶接ガン104の位置を従動側電極114の摩耗量Dだけ補正する(ステップS19)。また、変位機構116を駆動して従動側電極114と駆動側電極118との間隔Lが間隔L0 となるように駆動側電極118を摩耗量の総和Bだけ突出させて補正する(ステップS20)。このため、従動側電極114とワークW1との間隔LA と駆動側電極118とワークW2との間隔LB とは、従動側電極114、駆動側電極118が未使用のときと同じになる(図4B参照)。
【0026】
そして、前述のようにして、再び溶接ガン104によってワークW1、W2が溶接される。
【0027】
以上のように、従動側電極114とワークW1との間隔LA 、および駆動側電極118とワークW2との間隔LB が従動側電極114、駆動側電極118の摩耗量に拘わらず略一定に保持されるため、ワークW1、W2を従動側電極114、駆動側電極118で挟持する際、イコライズ機構110によるイコライズ量も略一定となる。従って、イコライズ量の変化に起因して従動側電極114、駆動側電極118のワークW1、W2に対する押圧力が変化することがなく、溶接品質のバラツキが少なくて済み、品質が低下してしまう懸念を払拭することができる。
【0028】
また、従動側電極114とワークW1との間隔LA と、駆動側電極118とワークW2との間隔LB が略一定であるので、コンカレント限界開度も一定となり、駆動側電極118を低速で変位させる時間も長くなることがない。さらに、コンカレント限界開度を設定する際に、ワークW1、W2の寸法誤差や位置ずれ等のみを考慮し、従動側電極114、駆動側電極118の摩耗により駆動側電極118がワークW2に接近してしまうことを考慮する必要がなく、コンカレント限界開度を小さく設定することができる。この結果、駆動側電極118を低速で変位させる時間を可能な限り短く設定することができ、作業効率が向上する。
【0029】
次に、第2の実施の形態に係る摩耗量測定用治具202および溶接電極の摩耗量測定方法について、図5を参照して説明する。なお、第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0030】
この摩耗量測定用治具202は、水平方向に延在し、駆動側電極118が当接可能な当接部204と、当接部204の端部に屈曲形成され、アーム部材112に当接可能な固定部206とを有する。
【0031】
駆動側電極118の摩耗量を測定する際、溶接ロボット102を駆動してアーム部材112を固定部206に当接させる。このため、当接部204は変位機構116に対して既知の位置に位置決めされる。
【0032】
そして、第1の実施の形態と同様に、変位機構116を駆動して駆動側電極118を当接部204に当接させてその変位量から駆動側電極118の摩耗量を求める。なお、従動側電極114の摩耗量は、総摩耗量と駆動側電極118の摩耗量を用いて求めることができる。
【0033】
次に、第3の実施の形態に係る摩耗量測定用治具324および摩耗量測定方法について、図6を参照して説明する。
【0034】
この溶接装置300の溶接ガン302は、溶接ロボット102の端部に固着された支持部材304を備える。支持部材304には軸部材306が設けられ、軸部材306にはイコライズ機構307を構成する第1の回動部材308と第2の回動部材310が回動自在に軸支される。なお、支持部材304の端部には第1、第2の回動部材308、310の回動範囲を規制する規制部材312が設けられる。第1の回動部材308にはクランク部材314の一端部が固定され、クランク部材314の他端部には変位機構316が回動自在に設けられる。変位機構316のロッド318は第2の回動部材310の溶接ロボット102側の端部に固着される。従って、変位機構316が駆動されると、第1、第2の回動部材308、310の溶接ロボット102と反対側の端部に設けられた駆動側電極322、従動側電極320が互いに接近離間する方向に変位する。
【0035】
測定用治具324は水平方向に延在する当接部326と、当接部326の端部に屈曲形成され、第1の回動部材308に当接する固定部328とを有する。
【0036】
駆動側電極322の摩耗量を測定する際、溶接ロボット102を駆動して測定用治具324が従動側電極320と駆動側電極322との間に配置されるように溶接ガン302を変位させる。さらに、溶接ロボット102を駆動して第1の回動部材308を固定部328に当接させると、当接部326が駆動側電極322に対して位置決めされる。次に、変位機構316を駆動すると第2の回動部材310が回動し、駆動側電極322が当接部326に当接する(図7参照)。このときの駆動側電極322の変位量から駆動側電極322の摩耗量を求めることができる。なお、従動側電極320の摩耗量は、総摩耗量と駆動側電極322の摩耗量を用いて求めることができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明に係る溶接電極の摩耗量測定用治具および摩耗量測定方法によれば、以下のような効果ならびに利点が得られる。
【0038】
駆動側電極と従動側電極のそれぞれの摩耗量を極めて簡易な治具を用いて容易に測定することができる。これにより、駆動側電極とワークとの間隔、および従動側電極とワークとの間隔が略一定となるように溶接ガンや従動側電極の位置を補正することが可能で、イコライズ機構によるイコライズ量も略一定にすることができる。従って、ワークに対する駆動側電極、従動側電極の押圧力が変化することがなく、溶接品質を一定に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る溶接電極の摩耗量測定用治具が使用される溶接装置を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る摩耗量測定方法を説明するフローチャート(その1)である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る摩耗量測定方法を説明するフローチャート(その2)である。
【図4】図1の溶接装置の使用方法を説明する図であり、図4Aは、駆動側電極、従動側電極が未使用の状態を示す一部拡大側面図であり、図4Bは、駆動側電極、従動側電極が摩耗した状態を示す一部拡大側面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る溶接電極の摩耗量測定用治具を示す一部拡大側面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る溶接電極の摩耗量測定用治具を示す一部拡大側面図である。
【図7】図6の摩耗量測定用治具の使用方法を説明する図であり、第1の回動部材が測定用治具に当接した状態の一部拡大側面図である。
【図8】従来技術に係る溶接電極の摩耗量測定方法を説明する一部拡大側面図である。
【符号の説明】
100、300…溶接装置 104、302…溶接ガン
108、202、324…摩耗量測定用治具
110、307…イコライズ機構
114、118、320、322…電極
116、316…変位機構 146、206、328…固定部
148、204、326…当接部
Claims (2)
- 駆動側電極をワークの一方の面に向かって溶接ガンの変位機構によって変位させ、前記駆動側電極が前記ワークに押圧されることで従動側電極が前記ワークの他方の面に向かって変位するように構成されたイコライズ機構を備えた溶接装置における前記駆動側電極および前記従動側電極の摩耗量測定用治具であって、
前記変位機構及び前記従動側電極が固定されたアーム部材を含む前記溶接ガンの所定部位が当接することで前記溶接ガン及び前記従動側電極を位置決めする固定部と、
摩耗前の前記駆動側電極に対して既知の位置に位置決めされ、前記溶接ガンが前記固定部によって位置決め固定された後に前記駆動側電極が変位して当接する当接部と、
を備え、
前記固定部および前記当接部は、前記駆動側電極と前記従動側電極とを互いに離間する位置に位置決め可能な位置に配置され、
前記溶接ガンを前記固定部により位置決め固定することで前記従動側電極を位置決め固定した状態で前記変位機構によって前記駆動側電極を変位させて前記当接部に当接させ、そのときの前記駆動側電極の変位量に基づき、前記駆動側電極および前記従動側電極の摩耗量を測定することを特徴とする溶接電極の摩耗量測定用治具。 - 駆動側電極をワークの一方の面に向かって溶接ガンの変位機構によって変位させ、前記駆動側電極が前記ワークに押圧されることで従動側電極が前記ワークの他方の面に向かって変位するように構成されたイコライズ機構を備えた溶接装置における前記駆動側電極および前記従動側電極の摩耗量測定方法であって、
開放状態から前記駆動側電極を前記変位機構によって変位させ、前記従動側電極に前記駆動側電極が当接したときの第1変位量を測定する工程と、
前記変位機構及び前記従動側電極が固定されたアーム部材を含む前記溶接ガンの所定部位を前記治具の固定部に当接させることで前記溶接ガン及び前記従動側電極を位置決め固定し、その後、前記開放状態から前記駆動側電極を前記変位機構によって変位させ、前記治具を構成して前記駆動側電極と前記従動側電極とを互いに離間する位置に位置決め可能で且つ摩耗前の前記駆動側電極に対して既知の位置に配置された当接部に前記駆動側電極が当接したときの第2変位量を測定する工程と、
からなり、前記第2変位量から前記駆動側電極の摩耗量を求め、前記第1変位量および前記駆動側電極の前記摩耗量から前記従動側電極の摩耗量を求めることを特徴とする溶接電極の摩耗量測定方法。
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