JP4255673B2 - Tftアレイ基板およびこれを用いた半透過型または反射型液晶表示装置並びにtftアレイ基板の製造方法 - Google Patents

Tftアレイ基板およびこれを用いた半透過型または反射型液晶表示装置並びにtftアレイ基板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜トランジスタ(以下、TFTと称す)アレイ基板およびこれを用いた反射型または半透過型液晶表示装置並びにTFTアレイ基板の製造方法に係り、更に詳しくは、有機平坦化膜を積層し、反射面の角度を制御している反射型または半透過型液晶表示装置およびその製造方法に関するものである。
【0002】
PDAと呼ばれる携帯情報端末や、携帯電話などの携帯通信端末に用いられる表示装置には、薄型、軽量、低消費電力であることが求められるとともに、様々な環境下で高い視認性を有することが求められている。この様な携帯端末の表示装置には、薄型、軽量、低消費電力という特長を有する液晶表示装置が広く普及している。
【0003】
液晶表示装置の場合、CRT、PDP等とは異なり、画像情報を出力する液晶表示パネル自身は発光していない。このため、液晶表示装置は大きく分けて、バックライトと呼ばれる光源からの光を透過させる透過型と、反射膜により外来光を反射させる反射型とに分類される。
【0004】
反射型は、明るい場所では視認性が高いが、暗い場所では視認性が著しく低下する。一方、透過型の場合、明るい場所では視認性が低下し、また、液晶表示装置全体に占めるバックライトの消費電流の割合が大きいため、反射型に比べて消費電流が大きくなるという問題があった。
【0005】
このため、表示領域の一部を透過表示領域とするとともに、他の一部を反射表示領域とし、透過表示領域ではバックライトからの光を透過させ、反射表示領域では外来光を反射させる半透過型の液晶表示装置が知られている。透過型および反射型の特徴を併せ持つこの様な液晶表示装置は、様々な環境下で高い視認性を確保することができる点で優れている。
【0006】
一般に、液晶表示パネルは、ガラスなどからなる透明絶縁性基板上に多数のTFTがマトリクス状に形成されたTFTアレイ基板と、透明絶縁性基板上に透明電極が形成された対向電極基板とを貼り合わせるとともに、TFTアレイ基板、対向電極基板間に液晶を封入して構成され、液晶表示装置は、封入された液晶の配向を制御することによって画像表示を行っている。
【0007】
従来の反射型の液晶表示装置においては、無アルカリガラスを用いた反射基板(透明絶縁性基板)上の一部にTFTを形成し、TFTの上面とTFTが形成されない反射基板の上面に無機の層間絶縁膜を形成している。また、層間絶縁膜の上部全面に曲面形状を有する有機の層間絶縁膜(有機平坦化膜)を形成し、有機の層間絶縁膜上に光学的に反射率の高い反射電極(反射膜)を形成している(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−89217号公報 (第5頁、第1図)
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
有機平坦化膜を積層し、反射面の角度を制御している従来の半透過型または反射型の液晶表示パネルにおいては、有機平坦化膜の積層範囲は、ゲート配線およびソース配線からの引き出し配線と外部接続を取るためにコンタクトホールを形成したゲート端子領域およびソース端子領域、並びにTFTのドレイン電極と画素電極との接続を取るためのコンタクト領域を除いて、透明絶縁性基板の全面、すなわち基板周縁部まで積層されていた。
【0010】
これにより、例えば、液晶表示パネルと制御基板との接続をFPC等のフィルムキャリアとACF等を介して接続する場合に、この接続の信頼性評価の1つに、ゲートまたはソース端子部からFPCを引き剥がし密着力の測定するという評価方法がある。また、液晶表示パネルのリペアを行う場合に、ゲートまたはソース端子部からFPC等のフィルムキャリアを引き剥がし、端子部に残留したACF等を除去し、新たなフィルムキャリアを接続しリペアを行うのであるが、この引き剥がしの際に基板周縁部から有機平坦化膜と層間絶縁膜との間に剥離がおきるため、端子部が十分な接続強度を得ることが出来ないという問題点があった。
【0011】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、液晶表示パネルと制御基板との接続をFPC等のフィルムキャリアとACF等を介して接続する場合に、外部と接続するFPC等の引き剥がし、液晶表示パネルのフィルムキャリア等のリペアを行った場合にも、有機平坦化膜の剥離を防ぎ、端子部の接続強度を確保することを目的とするものである。
また、液晶表示パネルのフィルムキャリア等のリペアをスムースかつ確実に行うことでき、液晶表示装置の歩留を向上させ、安価な液晶表示装置を得ることを目的とするものである。
【0012】
【問題を解決するための手段】
本発明にかかるTFTアレイ基板においては、透明絶縁性基板上に複数本形成されたゲート電極を備えたゲート配線と、前記ゲート配線と交差する複数本のソース電極を備えたソース配線と、前記ゲート電極上にゲート絶縁膜を介して設けられた半導体層と、前記半導体層に接続された前記ソース電極およびドレイン電極よりなるTFTと、前記透明絶縁性基板上に設けられ、前記TFTに起因する段差を無くすと共に、表面に凹凸が形成された有機平坦化膜と、前記TFTが形成された画像表示部において、前記有機平坦化膜上に設けられ、前記有機平坦化膜に形成された画像表示部コンタクトホールにより前記ドレイン電極とに接続された画素電極と、前記画像表示部の周辺に形成された端子領域において、前記有機平坦化膜に形成された端子領域コンタクトホールにより前記ゲート配線又は前記ソース配線と電気的に接続されると共に外部端子と接続され、前記有機平坦化膜上に設けられた端子と、を備えたTFTアレイ基板において、前記有機平坦化膜は、前記端子領域における基板周縁部から前記画像表示部側にかけての領域のうち前記端子領域コンタクトホールより縁側において除去されているものである。
【0013】
また、透明絶縁性基板上に複数本形成されたゲート電極を備えたゲート配線と、前記ゲート配線と交差する複数本のソース電極を備えたソース配線と、前記ゲート電極上にゲート絶縁膜を介して設けられた半導体層と、前記半導体層に接続された前記ソース電極およびドレイン電極よりなるTFTと、前記透明絶縁性基板上に設けられ、前記TFTに起因する段差を無くすと共に、表面に凹凸が形成された有機平坦化膜と、前記TFTが形成された画像表示部において、前記有機平坦化膜上に設けられ、前記有機平坦化膜に形成された画像表示部コンタクトホールにより前記ドレイン電極とに接続された画素電極と、前記画像表示部の周辺に形成された端子領域において、前記有機平坦化膜に形成された端子領域コンタクトホールにより前記ゲート配線又は前記ソース配線と電気的に接続されると共に外部端子と接続され、前記有機平坦化膜上に設けられた端子と、を備えたTFTアレイ基板において、前記有機平坦化膜は、第1の有機平坦化膜と、前記第1の有機平坦化膜上に形成された第2の有機平坦化膜からなり、前記第2の有機平坦化膜が、前記端子領域における基板周縁部から前記画像表示部側にかけての領域のうち前記端子領域コンタクトホールより縁側において除去されているものである。
【0014】
また、第1の有機平坦化膜が、端子領域における基板周縁部から画像表示部側にかけての領域で除去されているものである。
【0015】
また、画素電極が透明画素電極であり、反射膜が1画素内において透過表示領域を除く、有機平坦化膜または透明画素電極上に形成されているものである。
【0016】
また、画素電極が反射膜であるものである。
【0017】
さらに、有機平坦化膜は、端子領域における基板周縁部から画像表示部側にかけて少なくとも50μmの領域で除去されているものである。
【0018】
また、有機平坦化膜は、基板周縁部から画像表示部側にかけてフィルムキャリアが形成される部分を含む領域で除去されているものである。
【0019】
また、有機平坦化膜は、フィルムキャリアと端子領域との重なり部分のうち、基板周縁部から画像表示部側にかけて除去されているものである。
【0020】
この発明に係る半透過型液晶表示装置においては、TFTアレイ基板と、透明電極を有する対向電極基板との間隙に液晶が配置されているものである。
【0021】
この発明に係る反射型液晶表示装置においては、TFTアレイ基板と、透明電極を有する対向基板との間隙に液晶が挟持されているものである。
【0022】
この発明に係るTFTアレイ基板の製造方法においては、絶縁性基板上に第1の導電性膜を成膜したのちに、フォトリソグラフィ法で前記第1の導電性膜をパターニングしてゲート配線、前記ゲート配線の一部である第1の表示引き出し配線およびTFTのゲート電極を形成する工程と、第1の絶縁膜と半導体層とオーミックコンタクト層とを成膜したのちに、フォトリソグラフィ法で前記半導体層と前記オーミックコンタクト層とを、島状にパターニングする工程と、第2の導電性膜を成膜したのちにフォトリソグラフィ法で前記第2の導電性膜をパターニングしてソース配線、前記ソース電極の一部である第2の表示引き出し配線、前記TFTのソース電極およびドレイン電極を形成し、さらに、前記ソース電極および前記ドレイン電極に覆われていない前記オーミックコンタクト層をエッチング除去する工程と、第2の絶縁膜を成膜したのちに、感光性有機物を塗布し、露光処理、現像処理および焼成処理で有機平坦化膜を、反射表示領域における前記有機平坦化膜の表面には凹凸を形成し、前記絶縁性基板表面にまで貫通する透過表示領域、前記ドレイン電極表面にまで貫通するコンタクト領域、前記第1の表示引き出し配線表面にまで貫通するゲートコンタクトホールを有するゲート端子領域、前記第2の表示引き出し配線表面にまで貫通するソースコンタクトホールを有するソース端子領域、および端子領域の前記ゲートコンタクトコンタクトホール及び前記ソースコンタクトホールより縁側における有機平坦化膜除去部を形成し、前記有機平坦化膜をマスクとして、前記コンタクト領域の前記第2の絶縁膜、前記透過表示領域の前記第1の絶縁膜および前記第2の絶縁膜、前記ゲート端子領域の前記第1の絶縁膜および前記第2の絶縁膜、前記ソース端子領域の前記第2の絶縁膜、並びに前記有機平坦化膜除去部の前記第1の絶縁膜および前記第2の絶縁膜をエッチング除去する工程と、透明導電性膜を成膜したのちにフォトリソグラフィ法で前記透明導電性薄膜をパターニングして、少なくとも透過表示領域に透明画素電極を形成する工程と、金属膜を成膜したのちにフォトリソグラフィ法で前記金属膜をパターニングして、一画素内における透過表示領域以外に反射膜を形成する工程と、を少なくとも含むものである。
【0023】
また、絶縁性基板上に第1の導電性膜を成膜したのちに、フォトリソグラフィ法で前記第1の導電性膜をパターニングしてゲート配線、前記ゲート配線の一部である第1の表示引き出し配線およびTFTのゲート電極を形成する工程と、第1の絶縁膜と半導体層とオーミックコンタクト層とを成膜したのちに、フォトリソグラフィ法で前記半導体層と前記オーミックコンタクト層とを、島状にパターニングする工程と、第2の導電性膜を成膜したのちにフォトリソグラフィ法で前記第2の導電性膜をパターニングしてソース配線、前記ソース電極の一部である第2の表示引き出し配線、前記TFTのソース電極およびドレイン電極を形成し、さらに、前記ソース電極および前記ドレイン電極に覆われていない前記オーミックコンタクト層をエッチング除去する工程と、第2の絶縁膜を成膜したのちに、感光性有機物を塗布し、露光処理、現像処理および焼成処理で有機平坦化膜を、反射表示領域における前記有機平坦化膜の表面には凹凸を形成し、前記ドレイン電極表面にまで貫通するコンタクト領域、前記第1の表示引き出し配線表面にまで貫通するゲートコンタクトホールを有するゲート端子領域、前記第2の表示引き出し配線表面にまで貫通するソースコンタクトホールを有するソース端子領域、および端子領域の前記ゲートコンタクトホール及び前記ソースコンタクトホールより縁側における有機平坦化膜除去部を形成し、前記有機平坦化膜をマスクとして、前記コンタクト領域の前記第2の絶縁膜、前記ゲート端子領域の前記第1の絶縁膜および前記第2の絶縁膜、前記ソース端子領域の前記第2の絶縁膜、並びに前記有機平坦化膜除去部の前記第1の絶縁膜および前記第2の絶縁膜をエッチング除去する工程と、金属膜を成膜したのちにフォトリソグラフィ法で前記金属膜をパターニングして、反射膜を形成する工程と、を少なくとも含むものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による半透過型液晶表示装置の液晶表示パネルを構成するTFTアレイ基板のTFT部の断面図である。図2は、本発明の実施の形態1による半透過型液晶表示装置の液晶表示パネルの平面図である。図3は、図2に示す液晶表示パネルの矢視III−IIIからみた断面図である。図4は、図2に示す液晶表示パネルの矢視IV−IVからみた断面図である。図1、図2、図3および図4において、1はガラスなどからなる透明絶縁性基板、2は透明絶縁性基板1上に複数本形成されたゲート配線で、一部がゲート電極2aおよび第1の表示引き出し配線2bとなる。3はゲート配線2とゲート絶縁膜4を介して交差するソース配線で、一部がソース電極3aおよび第2の表示引き出し配線3bとなる。5は半導体層で、ゲート電極2a上にゲート絶縁膜4を介して設けられ、ソース電極3aおよびドレイン電極3cに接続されている。6は層間絶縁膜、7は有機平坦化膜で、TFTに起因する段差を無くすと共に、表面に凹凸が形成されている。8は透明画素電極で、有機平坦化膜7上に設けられ、有機平坦化膜7に形成されたコンタクトホールによりドレイン電極3cに接続されている。9は反射膜で、1画素内において透過表示領域10を除く有機平坦化膜7または透明画素電極8上に形成されている。
【0025】
11a、11bは端子で、有機平坦化膜7上に設けられ、有機平坦化膜7に形成されたコンタクトホールによりゲート配線2またはソース配線3と電気的にそれぞれ接続されている。なお、端子11aはゲート配線2に接続されたゲート端子である。一方、端子11bはソース配線3に接続されたソース端子で、透明画素電極8および反射層9からなる。12は画像表示部、13はフィルムキャリアで、外部端子をACF等によってゲート端子11a、ソース端子11bに接続している。14は端子領域で、画像表示部12周辺でゲート端子11a、ソース端子11bを配列し、各端子11a,11bとフィルムキャリア13の外部端子との接続が行われる領域である。
【0026】
14aはゲート端子領域で、第1の引き出し配線2bと透明画素電極8とを接続するコンタクホールが形成された領域である。14bはソース端子領域で、第2の引き出し配線3bと透明画素電極8とを接続するコンタクホールが形成された領域である。15aは有機平坦化膜除去部で、フィルムキャリア13と端子領域14との重なり部分のうち、基板周縁部16から画像表示部12側にかけて有機平坦化膜を除去した部分である。17はコンタクト領域で、透明画素電極8とドレイン電極3cとを接続するコンタタクトホールが形成された領域である。
【0027】
つぎに、この実施の形態1におけるTFTアレイ基板の製造工程を説明する。
透明絶縁性基板1は、TFT、透過型画素電極および反射型画素電極が形成されるガラス、プラスチック等からなる光透過性の絶縁性基板である。この透明絶縁性基板1上にスパッタ法等を用いて、Al,Cr,Mo,W,Cu,Ta,Ti等からなる導電性膜を形成した後、フォトリソグラフィ法により形成したレジストを用いて導電性膜を所定形状にパターニングすることにより、ゲート配線2、ゲート配線2の一部である第1の表示引き出し配線2bおよびゲート電極2aが形成される。
【0028】
次に、プラズマCVD法等を用いて、ゲート絶縁膜4としてのシリコン窒化膜またはシリコン酸化膜、半導体層5としてのアモルファスシリコン膜、不純物がドープされた低抵抗アモルファスシリコン膜を順に成膜した後、フォトリソグラフィ法により形成したレジストを用いて、アモルファスシリコン膜および低抵抗アモルファスシリコン膜をパターニングし、島状に半導体層5および図示しないオーミックコンタクト層が形成される。
【0029】
次に、スパッタ法等によりAl,Cr,Mo,W,Cu,Ta,Ti等からなる導電性膜を成膜した後、フォトリソグラフィ法によるパターニングを行って、ソース配線3、ソース配線3の一部である第2の表示引き出し配線3b、ソース電極3aおよびドレイン電極3cを形成するとともに、ソース電極3aおよびドレイン電極3cに覆われていないオーミックコンタクト層をエッチングして、TFTが形成される。
【0030】
その後、プラズマCVD法等により層間絶縁膜6(パッシベーション膜)としてのシリコン窒化膜を形成した後、有機平坦化膜7が形成される。有機平坦化膜7は、透明絶縁性基板1上に感光性を有するアクリル系樹脂等からなるポジ型の感光性有機物を塗布し、露光処理、現像処理、焼成処理を順に行って形成される絶縁性膜である。
【0031】
有機平坦化膜7が、TFT、電極配線(ゲート配線2、ソース配線3等)によって生じた透明絶縁性基板1上の段差を吸収することにより、透明絶縁性基板1の表面を平坦化させることができる。一方、反射表示領域における有機平坦化膜7の表面には凹凸を形成し、有機平坦化膜7上に形成される反射膜9に凹凸を設けることにより、反射表示領域において外来光を散乱させている。
【0032】
また、図1に示すように透過表示領域10およびコンタクト領域17において有機平坦化膜7を貫通させコンタクトホールを形成している。これらのコンタクトホールを介して、バックライトからの光を透過させ、あるいは、有機平坦化膜7上に形成される透明画素電極8および反射膜9をドレイン電極3cに導通させている。
【0033】
また、図2、図3および図4に示すように、ゲート端子領域14aおよびソース端子領域14bにおいて有機平坦化膜7を貫通させ、これらのコンタクトホールを形成している。このコンタクトホールを介して、有機平坦化膜7上に形成される透明画素電極8および反射膜9を第1の表示引き出し配線2bおよび第2の表示引き出し配線3bに導通させている。
【0034】
さらに、画像表示部12外の端子領域14では、端子領域14における有機平坦化膜除去部15aで、有機平坦化膜7を除去している。
なお、本願発明者は、基板周縁部16から画像表示部12側にかけて少なくとも50μmの領域で有機平坦化膜7を除去しておくことにより、フィルムキャリア13をTFTアレイ基板から引き剥がす際に、層間絶縁膜6から有機平坦化膜7の剥離がないことを、実験から明らかにした。
【0035】
次に、ドライエッチングにより、コンタクト領域17の層間絶縁膜6を除去してドレイン電極3cを露出させ、コンタクトホールを形成する。このとき、有機平坦化膜7がマスクとして用いられ、コンタクト領域17の層間絶縁膜6をエッチングする際、透過表示領域10の層間絶縁膜6およびゲート絶縁膜4も同時にエッチングされる。このため、透過表示領域10は、透明絶縁性基板1のみからなる光透過の可能な領域となる。また、有機平坦化膜7がマスクとして用いられ、ゲート端子領域14aの層間絶縁膜6およびゲート絶縁膜4も同時にエッチングされる。また、有機平坦化膜7がマスクとして用いられ、ソース端子領域14bの層間絶縁膜6も同時にエッチングされる。さらに、有機平坦化膜除去部15aの層間絶縁膜6およびゲート絶縁膜4も同時にエッチングされる。
【0036】
その後、透過表示領域10、コンタクト領域17、ゲート端子領域14a、ソース端子領域14bおよび有機平坦化膜7上にITO等からなる光透過性を有する透明導電性膜を成膜し、フォトリソグラフィ法によるパターニングを行って、透明画素電極8が形成される。透明画素電極8は、コンタクト領域17においてドレイン電極3cと導通し、透過表示領域10では画素電極として機能するとともに、反射表示領域において透明画素電極8上に形成される反射膜9とも導通される。
【0037】
最後に、有機平坦化膜7上、コンタクト領域17内、ゲート端子領域14aおよびソース端子領域14b内にAl等の高反射率の金属膜を成膜し、フォトリソグラフィ法によるパターニングを行って、反射膜9が形成される。反射膜9は、透明画素電極8を介してドレイン電極3cに導通し、反射表示領域の画素電極として機能する。また、反射膜9はゲート端子領域14aおよびソース端子領域14bにおいて透明画素電極8を介して第1の表示引き出し配線2bおよび第2の表示引き出し配線3bに導通し、FPC等のフィルムキャリア13の外部端子との接続端子となる。
【0038】
TFTは、ゲート電極2a、ゲート絶縁膜4、半導体層5、ソース電極3aおよびドレイン電極3cからなる。また、反射表示領域には画素電極としての反射膜9が形成され、透過表示領域には画素電極としての透明画素電極8が形成されている。これらの画素電極はいずれもドレイン電極3cに電気的に接続されている。
【0039】
ゲート電極2aは、透明絶縁性基板1上に形成され、ゲート配線2に電気的に接続されている。ゲート絶縁膜4は、ゲート電極2a上を含み、透過表示領域10およびゲート端子領域14a内を除く透明絶縁性基板1上に形成される。半導体層5はTFTのチャネル層であり、ゲート絶縁膜4を介してゲート電極2a上に形成される。
【0040】
ソース電極3aおよびドレイン電極3cはともに図示しないオーミックコンタクト層を介して半導体層5上に形成され、ソース電極3aはソース配線2に電気的に接続され、ドレイン電極3cは透明画素電極8に接続される。また、TFT上には層間絶縁膜6が形成されており、この層間絶縁膜6は、透明絶縁性基板1上の透過表示領域10、ゲート端子領域14aおよびソース端子領域14b内を除く領域に形成されている。
【0041】
有機平坦化膜7は、有機平坦化膜除去部15a、コンタクトホールが設けられた透過表示領域10、コンタクト領域17、ゲート端子領域14aおよびソース端子領域14b内を除く領域に形成され、透明絶縁性基板1上の凹凸を平坦化するとともに、外来光を乱反射するためのより細かな凹凸が形成されている。
【0042】
透明画素電極8は、少なくとも透過表示領域10に形成される。この透明画素電極8はドレイン電極3cと導通させることにより、透過型表示装置における画素電極として機能する。反射膜9は、透過表示領域10を除く表示領域内であって、少なくとも透明画素電極8および有機平坦化膜7上に形成される。この反射膜9はドレイン電極3cと導通されることにより、反射型表示装置における画素電極(反射電極)として機能する。つまり、反射膜9が形成された領域が反射表示領域となる。
【0043】
以上の工程により、反射型液晶表示装置のTFTアレイ基板を作製する。
また、TFTアレイ基板と、他の絶縁性基板上に透明電極とカラーフィルタ等が形成された対向電極基板とを対向配置して、液晶をシール材および封止材により挟持することで液晶表示パネルを作製する。
また、ゲート端子11aおよびソート端子11bに、図示しない制御回路との接続をFPC等のフィルムキャリア13と図示しないACF等を介して接続され、バックライトユニットを備えることで半透過型液晶表示装置を完成する。
【0044】
なお、この実施の形態1では、図2に示すように、ゲート端子11aおよびソース端子11bがTFTアレイ基板の直交する二辺の周縁部に設けられた場合を示したが、この構成に限られるものではなく、例えば、ゲート端子11aを形成した辺にゲート端子11aおよびソース端子11bを設けることにより、ソース端子11bが形成されていた辺の狭額縁化を図ることが可能である。
【0045】
また、この実施の形態1では、1層の有機平坦化膜7の表面に凹凸を形成している。しかし、1層の有機平坦化膜7では表面の凹凸の差が大きくなる場合があり、有機平坦化膜7上の反射膜9で有効な外来光の散乱が得られない。この場合、有機平坦化膜を2層で形成することで、1層目で生じた有機平坦化膜表面の凹凸の大きな差を、2層目の有機平坦化膜で緩和できる。従って、反射膜9で有効な外来光の散乱が得ることが可能である。図5は、本発明の2層の有機平坦化膜からなる半透過型液晶表示装置の液晶表示パネルを構成するTFTアレイ基板のTFT部の断面図である。図6は、本発明の2層の有機平坦化膜からなる半透過型液晶表示装置の液晶表示パネルを構成するTFTアレイ基板のゲート端子部の断面図である。図7は、本発明の2層の有機平坦化膜からなる半透過型液晶表示装置の液晶表示パネルを構成するTFTアレイ基板のソース端子部の断面図である。図5、図6および図7において、図1〜図4と同じ符号は、同一または相当を示し、その説明を省略する。7aは第1の有機平坦化膜、7bは第2の有機平坦化膜で、第1の有機平坦化膜7a上に形成され、第1の有機平坦化膜7a表面の凹凸の差を緩和する。
【0046】
2層の有機平坦化膜からなる半透過型液晶表示装置の製造方法は、前述した1層の有機平坦化膜からなる半透過型液晶表示装置の製造方法において以下に示すように第2の有機平坦化膜を形成する工程を追加したものである。前述のようにプラズマCVD法等により層間絶縁膜6としてのシリコン窒化膜を形成した後に、透明絶縁性基板1上に感光性を有するアクリル系樹脂等からなるポジ型の感光性有機物を塗布し、露光処理、現像処理、焼成処理を順に行って第1の有機平坦化膜7aを形成する。さらに、感光性を有するアクリル系樹脂等からなるポジ型の感光性有機物を塗布し、露光処理、現像処理、焼成処理を順に行って第2の有機平坦化膜7bを形成する製造工程を加える。これにより、2層の有機平坦化膜からなる半透過型液晶表示装置を得ることができる。
【0047】
このように、有機平坦化膜を2層で形成することで、1層目で生じた有機平坦化膜表面の凹凸の大きな差を、2層目の有機平坦化膜で緩和でき、反射膜9で有効な外来光の散乱を得ることが可能である。しかしながら、第1の有機平坦化膜7aと第2の有機平坦化膜7bとは密着性がそれほど高くなく、フィルムキャリア13をTFTアレイ基板から引き剥がす際に、第1の有機平坦化膜7aから第2の有機平坦化膜7bの剥離が生じてしまう。このため、図6および図7に示すように、有機平坦化膜除去部15aで第2の有機平坦化膜7bを除去することで、フィルムキャリア13をTFTアレイ基板から引き剥がす際に、第1の有機平坦化膜7aから第2の有機平坦化膜7bの剥離が生じない。
なお、ここでは、第2の有機平坦化膜7bのみを有機平坦化膜除去部15aで除去しているが、第1の有機平坦化膜7aおよび第2の有機平坦化膜7bを有機平坦化膜除去部15aで除去しても同様の作用効果を奏する。
【0048】
また、この実施の形態1では、半透過型の液晶表示装置について説明してきたが、有機平坦化膜を用いる反射型の液晶表示装置においても、同様の作用効果を奏する。図8は、本発明の反射型液晶表示装置の液晶表示パネルを構成するTFTアレイ基板のTFT部の断面図、図9は、本発明の反射型液晶表示装置の液晶表示パネルを構成するTFTアレイ基板のゲート端子部の断面図、図10は、本発明の反射型液晶表示装置の液晶表示パネルを構成するTFTアレイ基板のソース端子部の断面図である。図8、図9および図10において、図1〜図4と同じ符号は、同一または相当を示し、その説明を省略する。
【0049】
反射型液晶表示装置の製造方法を以下に説明する。前述した半透過型の液晶表示装置の製造方法における製造工程である透過表示領域10、コンタクト領域17、ゲート端子領域14a、ソース端子領域14bおよび有機平坦化膜7上にITO等からなる光透過性を有する導電性膜を成膜し、フォトリソグラフィ法によるパターニングを行って透明画素電極8を形成する製造工程を省いている。本製造方法では有機平坦化膜7上、コンタクト領域17内、ゲート端子領域14aおよびソース端子領域14b内にAl等の高反射率の金属膜を成膜し、フォトリソグラフィ法によるパターニングを行って、反射膜9を形成することで、反射型液晶表示装置を得ることができる。
なお、前述した半透過型液晶表示装置における透過表示領域10は、反射型液晶表示装置においては形成しない。
【0050】
以上のように、この実施の形態1によれば、半透過型液晶表示装置を構成するTFTアレイ基板において、基板周縁部16から画像表示部12側にかけて有機平坦化膜7を除去する。好ましくは、基板周縁部16から画像表示部12側にかけて少なくとも50μmの領域で有機平坦化膜7を除去しておくことにより、フィルムキャリア13をTFTアレイ基板から引き剥がす場合に、層間絶縁膜6から有機平坦化膜7の剥離をなくすことができ、液晶表示パネルのフィルムキャリア13等のリペアをスムースかつ確実に行うことできる。このことは液晶表示装置の歩留を向上させ、安価な液晶表示装置を得ることができる。また、端子部の接続強度を確保することができる。
【0051】
発明の実施の形態2.
本実施の形態にかかる半透過型液晶表示装置について図11から図13を用いて説明する。図11は、本発明の実施の形態2による半透過型液晶表示装置の液晶表示パネルの平面図である。図12は、図11に示す液晶表示パネルの矢視XII−XIIからみた断面図である。図13は、図11に示す液晶表示パネルの矢視XIII−XIIIからみた断面図である。図11、図12および図13において、図1〜図10と同じ符号は、同一または相当を示し、その説明を省略する。15bは有機平坦化膜が除去されている有機平坦化膜除去部で、フィルムキャリア13と端子領域14との重なり部分である。
【0052】
この実施の形態2と実施の形態1との差異は、フィルムキャリア13と端子領域14との重なり部分で有機平坦化膜を除去しているところのみであり、後述する有機平坦化膜除去部による作用効果以外は、実施の形態1と同様の作用効果を奏する。
【0053】
この実施の形態2においては、図12および図13に示すように、ゲート端子11aおよびソース端子11bである透明画素電極8および反射膜9の下層に、有機平坦化膜7が存在しない。そのため、反射膜9表面と透明絶縁性基板1表面とで実施の形態1に比べて段差が小さい。これにより、TFTアレイ基板とフィルムキャリア13との密着性を高め、反射膜9または有機平坦化膜7からフィルムキャリア13が剥離することを防ぎ、端子部の接続強度を確保することが可能である。
【0054】
発明の実施の形態3.
図14は、本発明の実施の形態3による半透過型液晶表示装置の液晶表示パネルの平面図である。図14おいて、図1〜13と同じ符号は、同一または相当を示し、その説明を省略する。15cは有機平坦化膜が除去されている有機平坦化膜除去部で、基板周縁部16から画像表示部12側にかけての領域で除去されている。
【0055】
この実施の形態3と実施の形態1および実施の形態2との差異は、フィルムキャリア13と端子領域14との重なり部分に関係無く、基板周縁部16に沿って有機平坦化膜を除去しているところのみである。後述する有機平坦化膜除去部による作用効果以外は、実施の形態1および実施の形態2と同様の作用効果を奏する。
【0056】
この実施の形態3においては、図14に示すように、基板周縁部16に沿って有機平坦化膜7を除去している。これにより、フィルムキャリア13とTFTアレイ基板との位置ずれが生じた場合においても、フィルムキャリア13はTFTアレイ基板の基板周縁部16で有機平坦化膜を除去した有機平坦化膜除去部15cに常に位置することとなる。よって、リペア等のフィルムキャリア13のTFTアレイ基板からの引き剥がしを行った場合に、層間絶縁膜6から有機平坦化膜7の剥離は起こらず、液晶表示パネルのフィルムキャリア等のリペアをスムースかつ確実に行うことできる。これにより、液晶表示装置の歩留を向上させ、安価な液晶表示装置を得ることができる。
【0057】
なお、この実施の形態3におけるTFTアレイ基板においては、基板周縁部16に沿って有機平坦化膜7を除去しているが、基板周縁部16から画像表示部12側にかけて少なくとも50μmの領域で有機平坦化膜7を除去しておくことにより、フィルムキャリア13をTFTアレイ基板から引き剥がす際に、層間絶縁膜6から有機平坦化膜7の剥離が生じないので好ましい。
【0058】
発明の実施の形態4.
図15は、この実施の形態4による半透過型液晶表示装置の液晶表示パネルの平面図である。図15おいて、図1〜14と同じ符号は、同一または相当を示し、その説明を省略する。15dは有機平坦化膜7が除去されている有機平坦化膜除去部で、基板周縁部16から画像表示部12側にかけてフィルムキャリア13が形成される部分を含む領域で除去されている。
【0059】
この実施の形態4と実施の形態1、実施の形態2および実施の形態3との差異は、基板周縁部16から画像表示部12側にかけてフィルムキャリア13が形成される部分を含む領域で有機平坦化膜7を除去しているところのみである。後述する有機平坦化膜除去部による作用効果以外は、実施の形態1、実施の形態2および3と同様の作用効果を奏する。
【0060】
この実施の形態4においては、実施の形態2と同様に、ゲート端子11aおよびソース端子11bである透明画素電極8および反射膜9の下層に、有機平坦化膜7が存在しないために、反射膜9表面と透明絶縁性基板1表面とで実施の形態1および実施の形態3に比べて段差が小さい。これにより、TFTアレイ基板とフィルムキャリア13との密着性を高め、反射膜9または有機平坦化膜7からフィルムキャリア13が剥離することを防ぎ、端子部の接続強度を確保することが可能である。
【0061】
また、実施の形態3と同様に、基板周縁部16に沿って有機平坦化膜7を除去している。これにより、フィルムキャリア13とTFTアレイ基板との位置ずれが生じた場合においても、フィルムキャリア13はTFTアレイ基板の基板周縁部16で有機平坦化膜を除去した有機平坦化膜除去部15dに常に位置することとなる。よって、リペア等のフィルムキャリア13のTFTアレイ基板からの引き剥がしを行った場合に、層間絶縁膜6から有機平坦化膜7の剥離は起こらず、液晶表示パネルのフィルムキャリア等のリペアをスムースかつ確実に行うことできる。従って、液晶表示装置の歩留を向上させ、安価な液晶表示装置を得ることができる。
【発明の効果】
【0062】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0063】
この発明に係るTFTアレイ基板においては、絶縁性基板上に複数本形成されたゲート電極を備えたゲート配線と、ゲート配線と交差する複数本のソース電極を備えたソース配線と、ゲート電極上にゲート絶縁膜を介して設けられた半導体層と、この半導体層に接続されたソース電極およびドレイン電極よりなるTFTと、透明絶縁性基板上に設けられ、TFTに起因する段差を無くすと共に、表面に凹凸が形成された有機平坦化膜と、有機平坦化膜上に設けられ、有機平坦化膜に形成されたコンタクトホールによりドレイン電極とに接続された画素電極と、有機平坦化膜上に設けられ、有機平坦化膜に形成されたコンタクトホールによりゲート配線又はソース配線と電気的に接続された端子が透明絶縁性基板の画像表示部周辺に配列され、各端子と外部端子との接続が行われる端子領域を備えたTFTアレイ基板において、有機平坦化膜は、端子領域における基板周縁部から画像表示部側にかけての領域で除去されていることにより、フィルムキャリアをTFTアレイ基板から引き剥がす場合に、有機平坦化膜の剥離をなくすことができ、TFTアレイ基板のリペアをスムースかつ確実に行うこと可能である。
【0064】
また、透明絶縁性基板上に複数本形成されたゲート電極を備えたゲート配線と、ゲート配線と交差する複数本のソース電極を備えたソース配線と、ゲート電極上にゲート絶縁膜を介して設けられた半導体層と、半導体層に接続されたソース電極およびドレイン電極よりなるTFTと、透明絶縁性基板上に設けられ、TFTに起因する段差を無くすと共に、表面に凹凸が形成された有機平坦化膜と、有機平坦化膜上に設けられ、有機平坦化膜に形成されたコンタクトホールによりドレイン電極とに接続された画素電極と、有機平坦化膜上に設けられ、有機平坦化膜に形成されたコンタクトホールによりゲート配線又はソース配線と電気的に接続された端子が透明絶縁性基板の画像表示部周辺に配列され、各端子と外部端子との接続が行われる端子領域を備えたTFTアレイ基板において、有機平坦化膜は、第1の有機平坦化膜と、第1の有機平坦化膜上に形成された第2の有機平坦化膜からなり、第2の有機平坦化膜が、端子領域における基板周縁部から画像表示部側にかけての領域で除去されていることにより、1層目で生じた有機平坦化膜表面の凹凸の差を、2層目の有機平坦化膜で緩和でき、有効な外来光の散乱を得ることが可能である。また、フィルムキャリアをTFTアレイ基板から引き剥がす場合に、有機平坦化膜の剥離をなくすことができ、TFTアレイ基板のリペアをスムースかつ確実に行うこと可能である。
【0065】
また、第1の有機平坦化膜が、端子領域における基板周縁部から画像表示部側にかけての領域で除去されていることにより、1層目で生じた有機平坦化膜表面の凹凸の差を、2層目の有機平坦化膜で緩和でき、有効な外来光の散乱を得ることが可能である。また、フィルムキャリアをTFTアレイ基板から引き剥がす場合に、有機平坦化膜の剥離をなくすことができ、TFTアレイ基板のリペアをスムースかつ確実に行うこと可能である。
【0066】
また、画素電極が透明画素電極であり、反射膜が1画素内において透過表示領域を除く、有機平坦化膜または透明画素電極上に形成されていることにより、フィルムキャリアをTFTアレイ基板から引き剥がす場合に、有機平坦化膜の剥離をなくすことができ、TFTアレイ基板のリペアをスムースかつ確実に行うこと可能である。
【0067】
また、画素電極が反射膜であることにより、フィルムキャリアをTFTアレイ基板から引き剥がす場合に、有機平坦化膜の剥離をなくすことができ、TFTアレイ基板のリペアをスムースかつ確実に行うこと可能である。
【0068】
さらに、有機平坦化膜は、端子領域における基板周縁部から画像表示部側にかけて少なくとも50μmの領域で除去されていることにより、フィルムキャリアをTFTアレイ基板から引き剥がす場合に、有機平坦化膜の剥離をなくすことができ、TFTアレイ基板のリペアをスムースかつ確実に行うこと可能である。
【0069】
また、有機平坦化膜は、基板周縁部から画像表示部側にかけてフィルムキャリアが形成される部分を含む領域で除去されていることにより、TFTアレイ基板とフィルムキャリアとの密着性を高め、端子部の接続強度を確保することが可能である。
【0070】
また、有機平坦化膜は、フィルムキャリアと端子領域との重なり部分のうち、基板周縁部から画像表示部側にかけて除去されていることにより、フィルムキャリアをTFTアレイ基板から引き剥がす場合に、有機平坦化膜の剥離をなくすことができ、TFTアレイ基板のリペアをスムースかつ確実に行うこと可能である。また、TFTアレイ基板とフィルムキャリアとの密着性を高め、端子部の接続強度を確保することが可能である。
【0071】
この発明に係る半透過型液晶表示装置においては、TFTアレイ基板と、透明電極を有する対向電極基板との間隙に液晶が配置されていることにより、フィルムキャリアをTFTアレイ基板から引き剥がす場合に、有機平坦化膜の剥離をなくすことができ、液晶表示装置のリペアをスムースかつ確実に行うこと可能であり、液晶表示装置の歩留を向上させ、安価な液晶表示装置を得ることが可能である。
【0072】
この発明に係る反射型液晶表示装置においては、TFTアレイ基板と、透明電極を有する対向基板との間隙に液晶が挟持されていることにより、フィルムキャリアをTFTアレイ基板から引き剥がす場合に、有機平坦化膜の剥離をなくすことができ、液晶表示装置のリペアをスムースかつ確実に行うこと可能であり、液晶表示装置の歩留を向上させ、安価な液晶表示装置を得ることが可能である。
【0073】
この発明に係るTFTアレイ基板の製造方法においては、絶縁性基板上に第1の導電性膜を成膜したのちに、フォトリソグラフィ法で第1の導電性膜をパターニングしてゲート配線、ゲート配線の一部である第1の表示引き出し配線およびTFTのゲート電極を形成する工程と、第1の絶縁膜と半導体層とオーミックコンタクト層とを成膜したのちに、フォトリソグラフィ法で半導体層とオーミックコンタクト層とを、島状にパターニングする工程と、第2の導電性膜を成膜したのちにフォトリソグラフィ法で第2の導電性膜をパターニングしてソース配線、ソース電極の一部である第2の表示引き出し配線、TFTのソース電極およびドレイン電極を形成し、さらに、ソース電極およびドレイン電極に覆われていないオーミックコンタクト層をエッチング除去する工程と、第2の絶縁膜を成膜したのちに、感光性有機物を塗布し、露光処理、現像処理および焼成処理で有機平坦化膜を、反射表示領域における有機平坦化膜の表面には凹凸を形成し、透明絶縁性基板表面にまで貫通する透過表示領域、ドレイン電極表面にまで貫通するコンタクト領域、第1の表示引き出し配線表面にまで貫通するゲート端子領域、第2の表示引き出し配線表面にまで貫通するソース端子領域、および端子領域における有機平坦化膜除去部を形成し、有機平坦化膜をマスクとして、コンタクト領域の第2の絶縁膜、透過表示領域の第1の絶縁膜および第2の絶縁膜、ゲート端子領域の第1の絶縁膜および第2の絶縁膜、ソース端子領域の第2の絶縁膜、並びに有機平坦化膜除去部の第1の絶縁膜および第2の絶縁膜をエッチング除去する工程と、透明導電性膜を成膜したのちにフォトリソグラフィ法で透明導電性薄膜をパターニングして、少なくとも透過表示領域に透明画素電極を形成する工程と、金属膜を成膜したのちにフォトリソグラフィ法で金属膜をパターニングして、一画素内における透過表示領域以外に反射膜を形成する工程と、を少なくとも含むことにより、フィルムキャリアをTFTアレイ基板から引き剥がす場合に、有機平坦化膜の剥離をなくすことができ、TFTアレイ基板のリペアをスムースかつ確実に行うこと可能である。
【0074】
この発明に係る反射型液晶表示装置においては、絶縁性基板上に第1の導電性膜を成膜したのちに、フォトリソグラフィ法で第1の導電性膜をパターニングしてゲート配線、ゲート配線の一部である第1の表示引き出し配線およびTFTのゲート電極を形成する工程と、第1の絶縁膜と半導体層とオーミックコンタクト層とを成膜したのちに、フォトリソグラフィ法で半導体層とオーミックコンタクト層とを、島状にパターニングする工程と、第2の導電性膜を成膜したのちにフォトリソグラフィ法で第2の導電性膜をパターニングしてソース配線、ソース電極の一部である第2の表示引き出し配線、TFTのソース電極およびドレイン電極を形成し、さらに、ソース電極およびドレイン電極に覆われていないオーミックコンタクト層をエッチング除去する工程と、第2の絶縁膜を成膜したのちに、感光性有機物を塗布し、露光処理、現像処理および焼成処理で有機平坦化膜を、反射表示領域における有機平坦化膜の表面には凹凸を形成し、ドレイン電極表面にまで貫通するコンタクト領域、第1の表示引き出し配線表面にまで貫通するゲート端子領域、第2の表示引き出し配線表面にまで貫通するソース端子領域、および端子領域における有機平坦化膜除去部を形成し、有機平坦化膜をマスクとして、コンタクト領域の第2の絶縁膜、ゲート端子領域の第1の絶縁膜および第2の絶縁膜、ソース端子領域の第2の絶縁膜、並びに有機平坦化膜除去部の第1の絶縁膜および第2の絶縁膜をエッチング除去する工程と、金属膜を成膜したのちにフォトリソグラフィ法で金属膜をパターニングして、反射膜を形成する工程と、を少なくとも含むことにより、フィルムキャリアをTFTアレイ基板から引き剥がす場合に、有機平坦化膜の剥離をなくすことができ、TFTアレイ基板のリペアをスムースかつ確実に行うこと可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による半透過型液晶表示装置の液晶表示パネルを構成するTFTアレイ基板のTFT部の断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1による半透過型液晶表示装置の液晶表示パネルの平面図である。
【図3】 図2に示す液晶表示パネルの矢視III−IIIからみた断面図である。
【図4】 図2に示す液晶表示パネルの矢視IV−IVからみた断面図である。
【図5】 本発明の2層の有機平坦化膜からなる半透過型液晶表示装置の液晶表示パネルを構成するTFTアレイ基板のTFT部の断面図である。
【図6】 本発明の2層の有機平坦化膜からなる半透過型液晶表示装置の液晶表示パネルを構成するTFTアレイ基板のゲート端子部の断面図である。
【図7】 本発明の2層の有機平坦化膜からなる半透過型液晶表示装置の液晶表示パネルを構成するTFTアレイ基板のソース端子部の断面図である。
【図8】 本発明の反射型液晶表示装置の液晶表示パネルを構成するTFTアレイ基板のTFT部の断面図である。
【図9】 本発明の反射型液晶表示装置の液晶表示パネルを構成するTFTアレイ基板のゲート端子部の断面図である。
【図10】 本発明の反射型液晶表示装置の液晶表示パネルを構成するTFTアレイ基板のソース端子部の断面図である。
【図11】 本発明の実施の形態2による半透過型液晶表示装置の液晶表示パネルの平面図である。
【図12】 図11に示す液晶表示パネルの矢視XII−XIIからみた断面図である。
【図13】 図11に示す液晶表示パネルの矢視XIII−XIIIからみた断面図である。
【図14】 本発明の実施の形態3による半透過型液晶表示装置の液晶表示パネルの平面図である。
【図15】 この実施の形態4による半透過型液晶表示装置の液晶表示パネルの平面図である。
【符号の説明】
1 透明絶縁性基板、2 ゲート配線、2a ゲート電極、
2b 第1の表示引き出し配線、
3 ソース配線、3a ソース電極、3b 第2の表示引き出し配線、
3c ドレイン電極、
4 ゲート絶縁膜、5 半導体層、6 層間絶縁膜
7 有機平坦化膜、 7a 第1の有機平坦化膜、7b 第2の有機平坦化膜、
8 透明画素電極、9 反射膜、10透過表示領域、
11aゲート端子、11b ソース端子、12 画像表示部、
13 フィルムキャリア、
14 端子領域、14a ゲート端子領域、 14b ソース端子領域、
15、15a,15b,15c,15d 有機平坦化膜除去部、
16 基板周縁部、17 コンタクト領域

Claims (2)

  1. 絶縁性基板上に第1の導電性膜を成膜したのちに、フォトリソグラフィ法で前記第1の導電性膜をパターニングしてゲート配線、前記ゲート配線の一部である第1の表示引き出し配線およびTFTのゲート電極を形成する工程と、
    第1の絶縁膜と半導体層とオーミックコンタクト層とを成膜したのちに、フォトリソグラフィ法で前記半導体層と前記オーミックコンタクト層とを、島状にパターニングする工程と、
    第2の導電性膜を成膜したのちにフォトリソグラフィ法で前記第2の導電性膜をパターニングしてソース配線、前記ソース電極の一部である第2の表示引き出し配線、前記TFTのソース電極およびドレイン電極を形成し、さらに、前記ソース電極および前記ドレイン電極に覆われていない前記オーミックコンタクト層をエッチング除去する工程と、
    第2の絶縁膜を成膜したのちに、感光性有機物を塗布し、露光処理、現像処理および焼成処理で有機平坦化膜を、反射表示領域における前記有機平坦化膜の表面には凹凸を形成し、前記絶縁性基板表面にまで貫通する透過表示領域、前記ドレイン電極表面にまで貫通するコンタクト領域、前記第1の表示引き出し配線表面にまで貫通するゲートコンタクトホールを有するゲート端子領域、前記第2の表示引き出し配線表面にまで貫通するソースコンタクトホールを有するソース端子領域、および端子領域の前記ゲートコンタクトコンタクトホール及び前記ソースコンタクトホールより縁側における有機平坦化膜除去部を形成し、前記有機平坦化膜をマスクとして、前記コンタクト領域の前記第2の絶縁膜、前記透過表示領域の前記第1の絶縁膜および前記第2の絶縁膜、前記ゲート端子領域の前記第1の絶縁膜および前記第2の絶縁膜、前記ソース端子領域の前記第2の絶縁膜、並びに前記有機平坦化膜除去部の前記第1の絶縁膜および前記第2の絶縁膜をエッチング除去する工程と、
    透明導電性膜を成膜したのちにフォトリソグラフィ法で前記透明導電性薄膜をパターニングして、少なくとも透過表示領域に透明画素電極を形成する工程と、
    金属膜を成膜したのちにフォトリソグラフィ法で前記金属膜をパターニングして、一画素内における透過表示領域以外に反射膜を形成する工程と、
    を少なくとも含むことを特徴とするTFTアレイ基板の製造方法。
  2. 絶縁性基板上に第1の導電性膜を成膜したのちに、フォトリソグラフィ法で前記第1の導電性膜をパターニングしてゲート配線、前記ゲート配線の一部である第1の表示引き出し配線およびTFTのゲート電極を形成する工程と、
    第1の絶縁膜と半導体層とオーミックコンタクト層とを成膜したのちに、フォトリソグラフィ法で前記半導体層と前記オーミックコンタクト層とを、島状にパターニングする工程と、
    第2の導電性膜を成膜したのちにフォトリソグラフィ法で前記第2の導電性膜をパターニングしてソース配線、前記ソース電極の一部である第2の表示引き出し配線、前記TFTのソース電極およびドレイン電極を形成し、さらに、前記ソース電極および前記ドレイン電極に覆われていない前記オーミックコンタクト層をエッチング除去する工程と、
    第2の絶縁膜を成膜したのちに、感光性有機物を塗布し、露光処理、現像処理および焼成処理で有機平坦化膜を、反射表示領域における前記有機平坦化膜の表面には凹凸を形成し、前記ドレイン電極表面にまで貫通するコンタクト領域、前記第1の表示引き出し配線表面にまで貫通するゲートコンタクトホールを有するゲート端子領域、前記第2の表示引き出し配線表面にまで貫通するソースコンタクトホールを有するソース端子領域、および端子領域の前記ゲートコンタクトホール及び前記ソースコンタクトホールより縁側における有機平坦化膜除去部を形成し、前記有機平坦化膜をマスクとして、前記コンタクト領域の前記第2の絶縁膜、前記ゲート端子領域の前記第1の絶縁膜および前記第2の絶縁膜、前記ソース端子領域の前記第2の絶縁膜、並びに前記有機平坦化膜除去部の前記第1の絶縁膜および前記第2の絶縁膜をエッチング除去する工程と、
    金属膜を成膜したのちにフォトリソグラフィ法で前記金属膜をパターニングして、反射膜を形成する工程と、
    を少なくとも含むことを特徴とするTFTアレイ基板の製造方法。
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