JP4254975B2 - 低温焼成用無鉛緑釉 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は陶磁器製造分野の低温焼成用無鉛緑釉に関し、有害物質である鉛やカドミウムを含有しない低温焼成用無鉛緑釉に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、陶磁器は素地に下絵を介するか、または介さないで釉薬を施し、次いで釉薬上に上絵を施されて製造されるが、釉薬にあっては「三彩」として知られる黄色、緑、紫の三色に発色させる「交趾釉(こうちゆう)」が知られている。この交趾釉として、緑釉を使用して陶磁器を製造するにあたっては、陶磁器素地を無釉のままもしくは片側だけ施釉して締め焼き本焼成を行ったものに、緑釉を素地面、または下絵上に施釉して800℃〜900℃の低温で釉焼している。
【0003】
この釉焼温度は重要であり、緑釉の熔融性の保持と共に発色性、釉の透明性と光沢度を最大限に発揮させるものである。そのため低温焼成用緑釉は、
▲1▼ 800℃〜900℃の釉焼温度で、フリット成分が失透性を有せず優れた釉の透明性及び光沢度を発揮させるものである。
▲2▼ 800℃〜900℃の釉焼温度で、主たる発色成分である銅が優れた発色性を発揮させるものであること等が基本的に必要である。
【0004】
従来の低温焼成用緑釉は、珪石、カオリンなど由来の二酸化珪素、アルミナからなる主組成に、その熔融性と透明性を改善させるためにアルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、酸化硼素、また化学耐久性を向上させるために酸化ジルコニウム、酸化亜鉛を含有させてフリットとし、銅化合物を添加して調製されているが、熔融性と透明性を向上させるためにアルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、酸化硼素等の化合物を多量に添加され、また、これにより耐酸性を失うことから、熔融性、透明性及び光沢度を向上させることに優れた酸化鉛が必須成分として重用されており、この種の従来の低温焼成用緑釉は、酸化鉛を多いものでは70重量%も含有しているのが現状である。
【0005】
陶磁器は食器等として使用されることが多いが、使用中に釉中の鉛が溶出し、その有害性が指摘されている。そのため、鉛の溶出を抑制するために従来より多くの研究が進められており、例えば、耐酸性を向上させるための釉組成の検討を行ったり、或いは、その製造工程において、例えば、窯詰め方法を工夫したり、焼成温度を上昇させたり、さらに炉内温度の均一化を図ったりする等、その焼成条件を改良して耐酸性を向上させ、鉛の溶出を減少させる試みがなされている。
【0006】
しかしながら、従来の低温焼成用緑釉は、その化学組成において基本的に鉛を含有しているために、単なる耐酸成分の添加とか、焼成条件等の改良では基本的にその溶出をなくすことは不可能である。食品衛生法にかかわる厚生省告示第84号により、食品添加等の規格基準で定められている安全基準においては、4%酢酸水溶液に24時間浸漬した後に、浅型(容器の深さが25mm以下)容器で17μg/cm2 未満、深型(容器の深さが25 mm以上)で小型(内容積が1.1リットル未満)の容器で5ppm未満、深型(容器の深さが25 mm以上)で大型(内容積が1.1リットル以上)の容器で2.5ppm未満の溶出であることが定められているが、従来の低温焼成用緑釉は、僅かな製造条件(焼成条件等)の変化によっても安全基準値を上回る有害金属の溶出が見られることがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、鉛などの有害金属成分を一切含有せず、しかも耐酸性、耐アルカリ性を有し、優れた光沢度と透明性を有しつつも、従来の有鉛低温焼成用緑釉と同等の性能を有する低温焼成用緑釉の提供を課題とする。
【0008】
本発明の低温焼成用無鉛緑釉は、二酸化珪素、アルミナ、酸化硼素、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属酸化物の混合物に、希土類元素酸化物、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタルの少なくとも1種を混合したフリットに、銅化合物を混合し、酸化物基準で二酸化珪素を38〜48重量%、アルミナを7〜9重量%、酸化硼素を17〜20重量%、酸化亜鉛を2〜4重量%、酸化ジルコニウムを1.5〜7重量%、酸化チタンを0.5〜2.5重量%、アルカリ土類金属酸化物を1.5〜7重量%、アルカリ金属酸化物を11〜13重量%、希土類元素酸化物、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタルの少なくとも1種を0.2〜0.3重量%、銅化合物を1〜6重量%含有した緑釉であって、陶磁器素地面、または該陶磁器素地面に下絵を介して施釉された後、800℃〜900℃で釉焼されるものであることを特徴とする。
上記のフリットとして、さらに、ビスマス化合物を混合したことを特徴とする。
上記の低温焼成用無鉛緑釉に、さらに、鉄化合物、クロミウム化合物の少なくとも1種を混合したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の低温焼成用無鉛緑釉はフリットと緑発色用の銅化合物とからなる。
フリットは、二酸化珪素、アルミナ、酸化硼素、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属酸化物の混合物、および、希土類元素酸化物、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタルの少なくとも1種を必須成分とする。
【0010】
主成分である二酸化珪素は、酸化物基準の緑釉組成で好ましくは38〜48重量%となるように含有させると良い。30重量%未満であると化学耐久性が劣化し、60重量%を越えると熔融温度が高すぎるという問題が生じる。
【0011】
アルミナは、フリットのガラスにおける分相抑制剤に使用されるもので、カオリン又は水酸化アルミニウム由来とすることによりフリットにする際の反応性をよくすることができる。アルミナ量は、緑釉組成で好ましくは7〜9重量%となるように含有させるとよく、15重量%を越えるとアルミナが結晶性となり、フリットが失透性となる。
【0012】
二酸化珪素及びアルミナは、天然原料である珪石及びニュージーランドカオリン又は、水酸化アルミニウムを使用して形成する。珪石はほとんどが二酸化珪素からなり、ニュージーランドカオリンは二酸化珪素重量51%、アルミナ36重量%からなり、水酸化アルミニウムは65重量%からなるものであり、他の同様のものでも不純物をできるだけ含有しないものであれば使用することができる。
【0013】
酸化硼素は、低温焼成用無鉛緑釉の製造に際して、例えばホウ酸を原料として形成される成分であり、フリットの熔融点を低下させることを目的として含有させるもので、緑釉組成で好ましくは17〜20重量%となるように含有するとよく、10重量%未満であると効果が少なく、40重量%を越えると耐酸性が悪くなるという問題が生じる。
【0014】
酸化亜鉛は、低温焼成用無鉛緑釉の製造に際して酸化亜鉛となるものでもよいが、酸化亜鉛の形で添加してもよく、フリットの化学安定性を付与することを目的として含有させる。その含有量は、緑釉組成で好ましくは2〜4重量%である。
【0015】
酸化ジルコニウムは、低温焼成用無鉛緑釉の製造に際してジルコニウム化合物を原料として形成される成分であり、化学安定性を付与することを目的として含有されるもので、例えば珪酸ジルコニウムをジルコニウム化合物として使用することによりフリットにする際の反応性をよくすることができる。その含有量は、緑釉組成で好ましくは1.5〜7重量%である。含有量が10重量%を越えると熔融温度が高くなりすぎ、またフリットが失透性となる。
【0016】
酸化チタンは、低温焼成用無鉛緑釉の製造に際して酸化チタンとなるものてもよいが、酸化チタンの形で添加してもよく、フリットの屈折率を大きくし光沢度を増すことを目的として含有させる。その含有量は、緑釉組成で好ましくは0.5〜2.5重量%である。含有量が5重量%を越えるとフリットが失透性となる。
【0017】
アルカリ土類金属酸化物は、低温焼成用無鉛緑釉の製造に際して酸化物の形態になるものであればよく、例えば炭酸塩の形で1種又は2種以上添加されるものであり、熔融点低下を目的として含有させるものであり、釉の熔融時の粘性を低下させることと光沢を付与するためにも含有させる。含有量は、トータルで緑釉組成で好ましくは1.5〜7重量%である。10重量%を越えると耐酸性がなくなる。
【0018】
アルカリ金属酸化物は、低温焼成用無鉛緑釉の製造に際して酸化物の形態になるものであればよく、例えば炭酸塩の形で1種又は2種以上添加されるものであり、熔融点低下を目的として含有させるが、トータルで緑釉組成で好ましくは11〜13重量%含有させる。20重量%を越えると耐酸性がなくなる。
【0019】
本発明の低温焼成用無鉛緑釉は、希土類元素酸化物、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタルの少なくとも1種が、化学的安定性、特に耐酸性向上を目的として添加される。
【0020】
希土類元素酸化物としては、酸化ランタンが例示されるが、他の希土類元素酸化物でもよい。また、酸化ハフニウムは上述した酸化ジルコニウムに付随した形で添加されてもよいが、酸化ハフニウム自体を添加してもよい。これら希土類元素酸化物、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタルは、単独、または二種以上添加されるが、緑釉組成で好ましくは0.2〜0.3重量%含有させるとよい。含有量が0.05重量%未満であると化学的安定性、特に耐酸性が劣化し、5重量%を越えると熔融温度が高すぎて熔融不足となったり、失透したりする。
【0021】
上述したフリット組成に、更に酸化ビスマスを釉の熔融点を下げると共に緑色発色をさせる際の補助成分として添加してもよい。酸化ビスマスは、低温焼成用無鉛緑釉の製造に際して酸化物の形態になるものを添加してもよいが、酸化物の形態で添加してもよい。酸化ビスマスの含有量は、緑釉組成で20重量%以下、好ましくは10重量%以下である。20重量%を越えると耐酸性が低下する。
【0022】
本発明の低温焼成用無鉛緑釉が陶磁器素地上、または下絵上に適用されるにあたり、30℃〜400℃での熱膨張係数が7×10-6程度(以下、温度を省略する)の素地であれば、フリットとしての熱膨張係数は6.0×10-6〜8.0×10-6、好ましくは6.5×10-6〜7.5×10-6の範囲のものとするとよい。この場合、熱膨張係数が6×10-6以下のものであると、釉焼に際して、所謂「釉とび」現象が生じるので好ましくなく、また、8×10-6以上であると剥離したり、また、「ひび割れ」等の現象が生じる。しかし、8×10-6以上であっても、釉薬に関しては、美術的観点から積極的にひび割れ等を生じさせる場合もあり、所望する熱膨張係数となるようにフリット組成が調整される。また、陶磁器素地の熱膨張係数が6×10-6程度であれば、フリットとしての熱膨張係数が5×10-6〜7×10-6の範囲のものとなるように、フリット組成が調整されるとよく、その熱膨張係数の範囲は、釉焼に際して、所謂「釉とび」現象が生じないものとされるとよい。なお、下絵は、溶融温度が高いものが選択され、釉焼により溶融等の影響を受けないものである。
【0023】
フリットにおける熱軟化温度としては、550℃〜700℃、好ましくは600℃〜650℃であり、ガラス転移温度は500℃〜600℃、好ましくは530℃〜570℃の範囲とされるとよい。
【0024】
本発明の低温焼成用無鉛緑釉は、上述した組成のフリットに、銅化合物を添加することにより、緑発色を呈させる。銅化合物としては、無鉛緑釉の低温焼成時または無鉛緑釉の製造時に酸化され酸化銅となるものであればよく、例えば炭酸銅等が挙げられるが、酸化銅を添加してもよい。含有量は、酸化銅換算で緑釉組成で好ましくは1〜6重量%加えるとよい。添加量が1重量%未満であると充分な発色を得ることができず、10重量%を越えると銅が釉表面で金属化し、耐酸性が劣化する。
【0025】
また、釉の緑の色調を調整する目的で、酸化第二鉄、酸化クロミウム、または無鉛緑釉の低温焼成時または無鉛緑釉の製造時に酸化され酸化第二鉄、酸化クロミウムとなる鉄化合物やクロミウム化合物を必要に応じて添加してもよい。酸化第二鉄の含有量は、緑釉組成で5重量%以下、好ましくは4重量%以下である。5重量%を越えると酸化第二鉄が熔融せず赤色を呈する。また、酸化クロミウムの含有量は、緑釉組成で1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下である。1重量%を越えると釉が熔融不足になり透明性が損なわれる。
【0026】
次に、低温焼成用無鉛緑釉の製造方法は、まず、珪石、カオリン等の天然原料とその他のフリット材料を混合し、混合物を60メッシュ以下の粉末状とし、フリット熔融坩堝において1000℃〜1400℃、好ましくは1250℃〜1350℃、0.5時間〜2時間で熔融し、熟成させた後、水中に落下させることにより急冷し、数μm径の微粒子に粉砕して低温焼成用無鉛緑釉用のフリットとし、ついで、銅化合物を混合することにより低温焼成用緑釉とされる。なお、酸化銅等の銅化合物や酸化第二鉄、酸化クロミウム成分を、フリットを調製する際に同時に添加し、発色剤を含有したフリットとしてもよい。
【0027】
本発明の低温焼成用無鉛緑釉は、水又は有機溶媒、例えば陶磁器加飾用メジウムやグリセリン等に分散させて、本焼きすることにより締め焼きした素地上に筆やスプレーにより塗布され、800℃〜900℃、好ましくは、840℃程度で焼成されるものである。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
【0028】
【実施例1】
天然原料として日ノ岡珪石、ニュージーランドカオリンを使用し、これに珪酸ジルコニウム(和光純薬工業(株)製)、硼酸(同製)、炭酸カルシウム(同製)、炭酸バリウム(同製)、酸化亜鉛(同製)、炭酸ナトリウム(同製)、炭酸カリウム(同製)、酸化ランタン(同製)、酸化チタン(同製)、水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)製)を焼成したときに下記表1の組成割合となるように添加し、1バッチ200gとし、プラスチックポットで混合した。
【0029】
次に、混合物を60メッシュの篩を通してからフリット熔融坩堝に移し、20kWのシリコニット発熱体を有する熔融炉により、1300〜1350℃、1時間熔融熟成した後、水中に熔融物を落下させ、急冷させ、次いで振動ミルにより10μm〜500μm程度の粒径に粉砕した。更に、酸化銅を下記表1の組成割合となるように添加して自動乳鉢で約10μm程度まで湿式粉砕することにより灰色の低温焼成用無鉛緑釉を調製した。
【0030】
得られた各釉を水に分散させ、締め焼きした磁器素地上にそれぞれ塗布し、820℃で焼成した。その結果、各釉は、青又は青緑から緑の発色を呈した。
【0031】
焼成後の各試料について、耐酸性、耐アルカリ性、自動食器洗浄機による500回洗浄後について、外観所見により変化あり、なしの評価を行い、また、光沢度、釉の透明度についての評価結果を表1に同様に示す。
【0032】
なお、耐酸性は、試料を3%苛性ソーダ水溶液に1日間浸漬した後の状態について、また、耐アルカリ性は、試料を4%酢酸水溶液中に1日間浸漬した後の状態について評価した。また、自動食器洗浄機は、約70℃のpH11のアルカリ洗剤で洗浄するものである。光沢度は日本電色工業(株)製「光沢度計(グロスメーター)」により測定したものである。
【0033】
【表1】
【0034】
【実施例2】
実施例1における表1のNo.3の組成を基準とし、酸化ビスマス、または発色調整剤をそれぞれ添加して表2に示す低温焼成用無鉛緑釉を調製した。表2の低温焼成用無鉛緑釉におけるNo.1〜No.4は赤色、No.5〜No.8は緑がかった灰色、No.9〜No.10は黄色がかった灰色である。この各釉を水に分散させ、締め焼きした磁器素地上に塗布し、820℃で焼成した。その結果、青緑から緑の発色を呈した。焼成後の各試料について、実施例1同様に評価した。その結果を表2に同様に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
【実施例3】
実施例1における表1のNo.3の組成の酸化ランタンに代えて、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化ハフニウムを同様に添加して灰色の低温焼成用無鉛緑釉をそれぞれ調製した。この各釉を水に分散させ、締め焼きした磁器素地上に塗布し、820℃で焼成した。その結果、青緑から緑の発色を呈した。焼成後の各試料について、実施例1同様に評価した。その結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】
【発明の効果】
本発明の低温焼成用無鉛緑釉は、従来の低温焼成用緑釉のように、鉛を含有させなくても耐酸性、耐アルカリ性を有し、優れた光沢度と透明性を有する低温焼成用緑釉とすることができ、従来の低温焼成用緑釉に匹敵するものとなしえるものである。即ち、本発明の低温焼成用無鉛緑釉は、光沢度が100〜120とでき、従来の有鉛の低温焼成用緑釉の120と比較して遜色ない。また、焼成温度範囲を800℃〜900℃とすることができ、有鉛の低温焼成用緑釉と同等である。また、釉の透明性においても釉下の模様などが鮮明に見ることができ、有鉛の低温焼成用緑釉と同等である。更に、耐酸・耐アルカリ性に関しても、外観上全く変化せず、また、鉛分は全く検出されない。また、自動食器洗浄機における洗浄においても、最低連続500回洗浄後でも外観上変化せず、通常1000回以上の洗浄後も大きな外観の変化がないものであり、すぐれた耐熱アルカリ侵食性を示すものである。
Claims (3)
- 二酸化珪素、アルミナ、酸化硼素、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属酸化物の混合物に、希土類元素酸化物、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタルの少なくとも1種を混合したフリットに、銅化合物を混合し、酸化物基準で二酸化珪素を38〜48重量%、アルミナを7〜9重量%、酸化硼素を17〜20重量%、酸化亜鉛を2〜4重量%、酸化ジルコニウムを1.5〜7重量%、酸化チタンを0.5〜2.5重量%、アルカリ土類金属酸化物を1.5〜7重量%、アルカリ金属酸化物を11〜13重量%、希土類元素酸化物、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタルの少なくとも1種を0.2〜0.3重量%、銅化合物を1〜6重量%含有した緑釉であって、陶磁器素地面、または該陶磁器素地面に下絵を介して施釉された後、800℃〜900℃で釉焼されるものであることを特徴とする低温焼成用無鉛緑釉。
- 請求項1に記載のフリットとして、さらに、ビスマス化合物を混合したことを特徴とする低温焼成用無鉛緑釉。
- 請求項1、または請求項2に記載の低温焼成用無鉛緑釉に、銅化合物と共に、さらに鉄化合物、クロミウム化合物の少なくとも1種を混合したことを特徴とする低温焼成用無鉛緑釉。
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