JP4254837B2 - ファイル転送サーバ - Google Patents

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Description

本発明は、異なるネットワーク上に存在するファイルにアクセスする技術に関する。
SIP(Session Initiation Protocol)などの呼制御プロトコルや、DDNS(Dynamic Domain Name System)を利用して、異なるLANに存在する通信端末同士が、WANを越えて直接通信することが可能である。いわゆるVPN(Virtual Private Network)と呼ばれる技術であり、遠隔地にある異なるLANを、あたかも直接接続されているネットワークのように利用することができる。
このような技術を利用することで、たとえば、本社と支社の間のLANを接続し、それぞれのLANに接続された端末間で、インターネットを越えた通信などを行うことが可能である。
特許文献1では、インターネットを越えて、異なるLANに接続された通信端末同士が通信を行うことを可能としている。この技術では、異なるLANに接続されている異なる通信端末が、それぞれゲートウェイを経由してインターネットに接続された中継サーバに対してログインし、中継サーバとの間でそれぞれ通信経路を確立するようにしている。そして、この通信経路を利用して、通信端末間でインターネットを越えて通信することを可能としている。この特許文献1の技術は、WAN上に存在する中継サーバを利用して、LAN間で通信を可能とする技術である。
また、異なるLANに存在するファイルを共有する技術が存在する。たとえば、社内の異なるフロアに構築されたLAN間で、ファイル共有を行うことが可能である。あるフロアの社員は、ネットワーク共有フォルダを参照することで、別のフロアのLANに存在するファイルなどにアクセスすることが可能である。
特開2002−217938号公報
上記のように、異なるLAN間でファイルを共有することは可能であったが、インターネットなどを越えて異なるLAN間で安全にファイルを共有するには様々な障害があった。つまり、ファイルの共有情報をそのままインターネットなどを経由して参照可能とすることはセキュリティ上の問題が多いため、別の仕組みが必要であった。
また、現状のファイル共有システムでは、共有状態とされているフォルダやファイルが多数存在する場合に、参照性が悪いという問題があった。つまり、多数のフォルダやファイルが共有リストに表示されると、その中から目的のフォルダやファイルを探し出す作業が煩雑になるという問題があった。
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、インターネットなどのワイドエリアネットワークを越えてファイルを安全に、且つ、実用的に共有できる仕組みを構築し、ユーザ毎に必要なフォルダやファイルだけを参照、アクセス可能とする技術を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、ローカルエリアネットワークに配置され、ワイドエリアネットワークに配置された外部サーバと通信可能なファイル転送サーバであって、ローカルエリアネットワーク内のファイル情報を収集して、ファイルリストを作成するリスト作成手段と、自装置のアカウント情報を前記外部サーバに登録する手段と、ローカルエリアネットワーク内の通信端末によって指定され、前記外部サーバに登録されている他のファイル転送サーバから、前記外部サーバを介して前記他のファイル転送サーバが作成したファイルリストを取得する手段と、取得した前記他のファイル転送サーバが作成したファイルリストを要求元の通信端末と対応付けて記憶する手段と、ローカルエリアネットワーク内の通信端末から前記他のファイル転送サーバが作成したファイルリストの参照要求を受けると、要求元の通信端末と対応付けられている前記他のファイル転送サーバが作成したファイルリストを提示する手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のファイル転送サーバにおいて、ローカルエリアネットワーク内の通信端末から、当該通信端末に対応付けられたファイルリストに含まれるファイルの取得要求を受けると、指定されたファイルが登録されているファイル転送サーバとの間で中継用の通信セッションを確立して、当該ファイル転送サーバに対して指定されたファイルの取得要求を送信することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、ローカルエリアネットワークに配置され、ワイドエリアネットワークに配置された外部サーバと通信可能なファイル転送サーバであって、ローカルエリアネットワーク内のファイル情報を収集して、ファイルリストを作成するリスト作成手段と、自装置のアカウント情報を前記外部サーバに登録する手段と、ローカルエリアネットワーク内の通信端末からファイル検索指示を受けると、前記外部サーバに登録されている他のファイル転送サーバであって、要求元の通信端末により指定された、あるいは、あらかじめ設定されたファイル転送サーバから、前記外部サーバを介して前記他のファイル転送サーバが作成したファイルリストを取得する手段と、取得した前記他のファイル転送サーバが作成したファイルリストに検索対象のファイルが含まれている場合、前記他のファイル転送サーバが作成したファイルリストを要求元の通信端末に提示する手段と、を備えることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3に記載のファイル転送サーバにおいて、ローカルエリアネットワーク内の通信端末から検索されたファイルの取得要求を受けると、指定されたファイルが登録されているファイル転送サーバとの間で中継用の通信セッションを確立して、当該ファイル転送サーバに対して指定されたファイルの取得要求を送信することを特徴とする。
本発明のファイル転送サーバは、通信端末から指定されたファイル転送サーバに対してファイルリストを要求し、受信したファイルリストを要求元の通信端末と対応付けて管理する。これにより、通信端末は、インターネットなどを越えて、他のLANなどに存在するファイルを共有することができる。ファイルリストは、受信したファイル転送サーバが管理するので、セキュリティ上も安心である。さらに、ファイルリストが通信端末と対応付けて管理されているので、各通信端末に専用のファイルリストを提示することができる。各通信端末は、頻繁に参照するような専用の共有リストを利用することが可能である。
また、本発明のファイル転送サーバは、通信端末からファイルの検索要求を受けると、他のファイル転送サーバからファイルリストを取得し、検索結果を通信端末に提示する。これにより、通信端末は、インターネットなどを越えて、他のLANなどに存在するファイルを検索して利用することが可能である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係る通信システムの全体図である。この通信システムは、インターネット3と、インターネット3に接続された3つのLAN1,2,5とから構成されている。LAN1,2,5とは、物理的に離れた場所に構築されたネットワークである。たとえば、LAN1が本社ビルに構築されたローカルネットワークであり、LAN2,5が支社ビルに構築されたローカルネットワークであり、それら3つのLAN1,2,5が、グローバルなネットワークであるインターネット3にそれぞれ接続されている。
LAN1には、図に示すように、通信端末11とファイルサーバ12とが接続されている。通信端末11とファイルサーバ12には、それぞれプライベートIPアドレスが付与されている。このように、一般には、LANに接続される端末には、LANの中でのみユニークに管理されたプライベートIPアドレスが付与されている。また、LAN1には、ファイル転送サーバ13が接続されている。ファイル転送サーバ13は、LAN1に接続されるとともに、インターネット3にも接続されている。ファイル転送サーバ13には、LANインタフェース用のプライベートIPアドレスとWANインタフェース用のグローバルIPアドレスが付与されている。
LAN2には、プライベートIPアドレスが付与された通信端末21とファイルサーバ22が接続されている。また、LAN2には、ファイル転送サーバ23が接続されている。ファイル転送サーバ23は、LAN2に接続されるとともに、インターネット3にも接続され、LANインタフェース用のプライベートIPアドレスとWANインタフェース用のグローバルIPアドレスが付与されている。同様に、LAN5には、通信端末51、ファイルサーバ52、ファイル転送サーバ53が接続されている。
さらに、インターネット3には、SIPサーバ4が接続されている。SIPサーバ4は、ファイル転送サーバ13,23,53がSIP(Session Initiation Protocol)を利用した通信を行うときに、SIPメソッドやレスポンスなどを中継するプロキシーサーバとしての機能や、ファイル転送サーバ13,23,53のアカウントを登録するSIPレジストラサーバとしての機能を備えている。
図2は、ファイル転送サーバ13,23,53の機能ブロック図である。ファイル転送サーバ13,23,53は、同様の機能を備えているので、同じ図面を用いて説明する。ファイル転送サーバ13,23,53は、LANインタフェース101、WANインタフェース102、通信制御部103、ファイルリストデータベース104、ファイルリスト管理部105を備えている。
LANインタフェース101は、プライベートIPアドレスを利用して、LANに接続された端末との通信を行うインタフェースである。つまり、ファイル転送サーバ13は、LANインタフェース101を利用して、通信端末11やファイルサーバ12と通信を行い、ファイル転送サーバ23,53は、LANインタフェース101を利用して、通信端末21,51やファイルサーバ22,52と通信を行う。
WANインタフェース102は、グローバルIPアドレスを利用して、グローバルネットワークであるインターネット3に接続されたSIPサーバ4や、インターネット3に接続されたその他の通信サーバ、通信端末と通信を行うインタフェースである。なお、本実施の形態においては、ファイル転送サーバがWANインタフェースを備える構成としているが、WANとの接続はルータが行い、その配下にファイル転送サーバを設置する形態であってもよい。
通信制御部103は、LANインタフェース101およびWANインタフェース102を介して行う様々な通信を制御する処理部である。通信制御部103は、TCP/IPや、UDP、SIPなどのプロトコルに従った様々な通信処理を制御する。
通信制御部103の1つの機能は、SIPサーバ4に対してファイル転送サーバ自身のアカウント登録を行うための登録要求(REGISTER)を送信する機能を備える。
通信制御部103は、また、相手側のファイル転送サーバ13,23,53との間で、メディアセッションを確立して通信を行う機能を備えている。つまり、ファイル転送サーバは、SIPのINVITEメソッドを送信することで、他のファイル転送サーバとの間でメディアセッションを確立することができる。ファイル転送サーバ13,23,53の通信制御部103は、この確立されたメディアセッションを利用することで、ファイル転送サーバ間でデータ通信を行うことを可能としている。
ファイル管理部105は、LANの中で共有されているファイルのリストを管理する機能部である。ファイル管理部105は、ファイルサーバにアクセスし、LANの中で共有されているファイルのリストを作成する。また、ファイル管理部105にファイルサーバの特定の共有フォルダを登録しておくことができる。これにより、ファイル管理部105が定期的に登録されている共有フォルダを監視し、当該フォルダ内のファイルが追加・削除された場合に、自動的にファイルリストを更新することができる。たとえば、ファイル転送サーバ13が備えるファイル管理部105は、ファイルサーバ12に定期的にアクセスし、ファイルサーバ12に蓄積された共有ファイルのリストを作成して、ファイルリストデータベース104に格納する。
また、ファイル管理部105は、LANに接続された通信端末からの指定を受けて、他のファイル転送サーバからファイルリストを取得する機能を備えている。ファイルリストの取得を行うために、ファイル転送サーバ13,23,53は、SIPのSUBSCRIBEメソッドを利用する。つまり、一方のファイル転送サーバから他方のファイル転送サーバにSUBSCRIBEメソッドが送信されると、SUBSCRIBEメソッドを受信したファイル転送サーバが、自装置のファイルリストデータベース104に格納されているファイルリストであって、自装置が接続されているLANにおいて共有されているファイルのリストを、要求元に送信するのである。そして、要求元のファイル転送サーバは、ファイルリストを受信すると、そのファイルリストを送信元のファイル転送サーバのアカウントおよび要求元の通信端末のアカウントと対応付けてファイルリストデータベース104に格納する。
たとえば、通信端末11がファイル転送サーバ23を指定したファイルリストの取得要求を行ったとする。この場合、ファイル転送サーバ13からファイル転送サーバ23にSUBSCRIBEメソッドが送信されると、ファイル転送サーバ23は、LAN2で共有されているファイルのリストをファイル転送サーバ13に転送するのである。そして、ファイル転送サーバ13は、受信したファイルリストをファイル転送サーバ23のアカウントおよび通信端末11のアカウントと対応付けてファイルリストデータベース104に格納する。
逆に、ファイル転送サーバは、他のファイル転送サーバからSUBSCRIBEメソッドによりファイルリストの送信要求を受けると、その後、ファイルリストに更新が生じた場合には、継続的に、要求元に対してファイルリストの変更通知と更新後のファイルリストを送信するのである。つまり、ファイルリストに変更が生じた場合には、要求元に対して、常に最新のファイルリストを送信するように設定されるのである。
図3は、SIPサーバ4の機能ブロック図である。SIPサーバ4は、図に示すように、WANインタフェース41、通信制御部42、アカウント情報データベース43を備えている。
WANインタフェース41は、グローバルIPアドレスを利用して、インターネット3に接続されたサーバ、端末との間で通信を行うインタフェースである。SIPサーバ4は、WANインタフェース41を利用して、ファイル転送サーバ13,23,53と通信可能としている。
通信制御部42は、WANインタフェース41を介して行う様々な通信を制御する処理部である。通信制御部42は、TCP/IPやUDP、SIPなどのプロトコルに従った通信処理を制御する。
通信制御部42の1つの機能は、インターネット3に接続されているファイル転送サーバから、アカウントの登録要求(REGISTER)を受信し、当該ファイル転送サーバのアカウント情報をアカウント情報データベース43に登録することである。たとえば、SIPサーバ4は、ファイル転送サーバ13からアカウントの登録要求(REGISTER)を受信し、ファイル転送サーバ13のアカウント情報をアカウント情報データベース43に登録する。
通信制御部42は、他にも、ファイル転送サーバ13,23,53から送信された様々なSIPメソッドやレスポンスなどの通信データを他方のファイル転送サーバに中継する機能を備える。
以上の通り構成された通信システムにおける通信処理の流れについて、図4ないし図6の処理シーケンス図を参照しながら説明する。なお、図4は、ステップS1からステップS7までのシーケンスを示し、それに続くステップS8からステップS9までを図5、ステップS10を図6に示す。
まず、ファイル転送サーバ13が、SIPサーバ4に対してアカウントの登録要求(REGISTER)を送信する(ステップS1)。図に示すように、ここでは、ファイル転送サーバ13が、自身のアカウント(SIP:relay-server1@sip.srv)の登録要求を行う。SIPサーバ4は、OKレスポンスをファイル転送サーバ13に返信し、ファイル転送サーバ13のアカウントとファイル転送サーバ13のグローバルIPアドレスとを対応付けてアカウント情報データベース43に登録する。パスワード認証を行う場合には、あらかじめアカウント情報データベース43に、ファイル転送サーバのアカウントとパスワードとを対応付けて登録しておく。この場合、ユーザは、登録要求時に合わせてパスワードを送信するのである。そして、パスワード認証が成功した場合に、IPアドレスと対応付けられてアカウントが登録されることになる。
続いて、ファイル転送サーバ23が、SIPサーバ4に対してアカウントの登録要求(REGISTER)を送信する(ステップS2)。図に示すように、ここでは、ファイル転送サーバ23が、自身のアカウント(SIP:relay-server2@sip.srv)の登録要求を行う。SIPサーバ4は、OKレスポンスをファイル転送サーバ23に返信し、ファイル転送サーバ23のアカウントとファイル転送サーバ23のグローバルIPアドレスとを対応付けてアカウント情報データベース43に登録する。同様に、パスワード認証を行うようにしてもよい。
次に、ファイル転送サーバ23が、ファイルサーバ22にアクセスし、ファイルサーチを行う(ステップS3)。ここでは、ファイル転送サーバ23には、ファイルサーチの対象として、ファイルサーバ22の共有フォルダ(folder002)が登録されているものとする。そこで、ファイル転送サーバ23は、このフォルダ(folder002)に対するファイルサーチを行っている。ファイル転送サーバ23は、ファイルサーバ22からファイルサーチ結果としてファイルリストを受信し、自装置が備えるファイルリストデータベース104に格納する。
続いて、ファイル転送サーバ53が、SIPサーバ4に対してアカウントの登録要求(REGISTER)を送信する(ステップS4)。これにより、ファイル転送サーバ53のアカウント(SIP:relay-server3@sip.srv)が登録される。
次に、ファイル転送サーバ53が、ファイルサーバ52の共有フォルダ(folder003)にアクセスし、ファイルサーチを行う(ステップS5)。つまり、ファイル転送サーバ53には、サーチ対象としてファイルサーバ52の共有フォルダ(folder003)が登録されている。ファイル転送サーバ53は、ファイルサーチ結果としてファイルリストを受信し、自装置が備えるファイルリストデータベース104に格納する。図では示していないが、ファイル転送サーバ13についても、同様に、LAN1における共有ファイルのリストを作成する。
次に、通信端末11が、共有フォルダリストの取得要求を行う(ステップS6)。そして、この取得要求には、リストを要求するファイル転送サーバが指定される。この例では、ファイル転送サーバ23のアカウント(SIP:relay-server2@sip.srv)が指定されている。
これに従い、ファイル転送サーバ13からファイル転送サーバ23に対して、ファイルリストの転送要求(SUBSCRIBE)が送信される(ステップS6.1)。これに対して、ファイル転送サーバ23は、NOTIFYメソッドにより、ファイルリストを返送する。つまり、LAN2において共有されているファイルのリストを返送する。返送されるファイルリストFL1を図4に示している。ファイルリストFL1には、ファイルサーバ22の共有フォルダ(folder002)に格納されている3つのファイル(file004〜file006.pdf)が記録されている。
なお、共有ファイルにアクセス権を設定することもできる。この場合には、ステップS6.1の転送要求において、要求元の通信端末11のアカウント(client-pc1)が指定される。ファイル転送サーバ23は、通信端末11にアクセスの権のあるファイルリストのみを返送するのである。また、通信端末11から、ファイルリストに含めるフォルダやフィルを指定するようにしてもよい。この場合、ファイル転送サーバ13あるいはファイル転送サーバ23は、指定されたフォルダやファイルと一致するリストのみを通信端末11に返送するのである。
ファイル転送サーバ13は、受信したリストを、ファイル転送サーバ23のアカウント(relay-server2.@sip.srv)および要求元の通信端末11のアカウント(client-pc1)と対応付けて、ファイルリストデータベース104に格納する。格納されたファイルリストFL2の内容を図に示す。つまり、このファイルリストは、通信端末11に専用のファイルリストである。
ファイル転送サーバ13は、通信端末11と対応付けたファイルリストを記録した後、そのファイルリストに含まれるフォルダリストを通信端末11に送信する。この例であれば、ファイルリストFL2には、フォルダ(folder002)が含まれているので、この情報が通信端末11に送信される。
続いて、通信端末11は、ファイル転送サーバ13に対して、「folder002」のファイル情報の参照要求を行う(ステップS7)。この要求を受けて、ファイル転送サーバ13は、ファイルリストデータベース104に格納されている「folder002」のファイルリストFL3を返送する。これにより、通信端末11において、「folder002」内のファイルを一覧することが可能となる。
次に、通信端末11が、参照したファイルリストの中に含まれるファイル(file004.pdf)の取得要求をファイル転送サーバ13に送信する(ステップS8)。
この取得要求を受けたファイル転送サーバ13は、要求対象であるファイルが、どのファイル転送サーバから取得したファイルリストに登録されているかを確認する。つまり、この例であれば、ファイル(file004.pdf)は、ファイル転送サーバ23から取得したファイルリストに登録されているので、ファイルの要求先としてファイル転送サーバ23を特定する。
なお、図中で示すファイルリストFL2には、ファイル転送サーバ23に対応したファイルリストのみが記録されている。しかし、通信端末11が複数のファイル転送サーバに対してステップS6と同様のリスト要求を行うことで、このファイルリストFL2内に複数のファイル転送サーバに対応したリストが追加されることになる。
次に、ファイル転送サーバ13が、ファイルの要求先として特定したファイル転送サーバ23に対する接続要求コマンド(INVITEメソッド)を、SIPサーバ4に送信する(ステップS8.1)。このINVITEメソッドでは、接続要求先の中継サーバ23のアカウント(SIP:relay-sever2@sip.srv)が指定されている。SIPサーバ4は、アカウント情報データベース43を参照することで、ファイル転送サーバ23のグローバルIPアドレスを取得する。そして、SIPサーバ4は、ファイル転送サーバ13から送信されたINVITEメソッドをファイル転送サーバ23に中継する。
このようにして、接続要求コマンドがファイル転送サーバ13からファイル転送サーバ23に送信されると、SIPサーバ4を介してファイル転送サーバ23からファイル転送サーバ13に対してOKレスポンスが転送される。このようにして、接続要求コマンドが受け入れられると、ファイル転送サーバ13,23間でメディアセッションが確立される(ステップS8.2)。
メディアセッションが確立されると、ファイル転送サーバ13からファイル転送サーバ23に対して、ファイルの取得指示が行われる。ファイル転送サーバ23は、この指示に従って、ファイルサーバ22からファイルを取得する(ステップS8.2.1)。つまり、ファイル転送サーバ23は、ファイルサーバ22の共有フォルダ(folder002)に格納されているファイル(file004.pdf)を取得する。そして、ファイル転送サーバ23は、メディアセッションを利用して、ファイルサーバ22から取得したファイルをファイル転送サーバ13に転送する。
ファイル転送サーバ13は、ファイル転送サーバ23からファイルを受信すると、ファイル転送サーバ23に対して、セッション終了要求(BYE)を送信する(ステップS8.3)。これにより、ファイル転送サーバ間のメディアセッションが切断される。
そして、ファイル転送サーバ13は、ファイル転送サーバ23から受信したファイル(file004.pdf)を通信端末11に送信するのである。このようにして、通信端末11は、遠隔地にあるLAN2で共有されているファイルを取得することができる。なお、上記において、通信端末11とファイル転送サーバ13との間、ファイル転送サーバ23とファイルサーバ22との間の通信は、例えばNFSやSMBなどのプロトコルを使用すればよい。
上述したように、ファイル転送サーバが、他のファイル転送サーバに対してSUBSCRIBEメソッドを送信し、ファイルリストの転送要求を行うと、転送要求を受け取ったファイル転送サーバは、継続的に、ファイルリストの変更通知と更新後のリストを要求元に送信する。つまり、自装置が接続されているLANの中で共有されているファイルの追加や削除が行われると、要求元に対して、その更新情報を送信するのである。そして、SUBSCRIBEを送信して転送要求を行っているファイル転送サーバは、送信されてきたファイルリストを、要求元の通信端末に対応付け管理している。したがって、その通信端末は、これ以降(SUBSCRIBEが有効な期間)、どのタイミングでファイル転送サーバにアクセスしても、自装置に専用に用意された共有ファイルリストを参照可能となるのである。
次に、ファイル検索処理について説明する。あるタイミングで、通信端末11が、ファイル転送サーバ13に対してファイル検索要求を行う(ステップS9)。図に示すように、この検索要求には、検索対象のファイル(file00C.pdf)と、検索先のファイル転送サーバ23および53(SIP:relay-server2@sip.srvおよびSIP:relay-server3@sip.srv)が指定されている。
なお、この実施の形態では、検索先のファイル転送サーバを、検索要求元の通信端末11が指定しているが、検索先のファイル転送サーバを、あらかじめファイル転送サーバ13に設定しておいてもよい。この場合には、通信端末は検索対象ファイルだけを指定すればよい。ファイル転送サーバは、あらかじめ設定されたファイル転送サーバに対して検索要求を行うのである。
ファイル転送サーバ13は、通信端末11の指定に従って、まず、ファイル転送サーバ23に対して、ファイルリストの取得要求(SUBSCRIBE)を行う(ステップS9.1)。ファイル転送サーバ23は、これに応答してファイルリストFL4を返送する。なお、ステップS9以降は、ステップS8以前の処理と切り離して説明している。もし、ステップS6におけるSUBSCRIBEがまだ有効である場合には、ステップS9.1の処理は不要である。ステップS6以降、ファイル転送サーバ13には、常に最新のファイルリストがファイル転送サーバ23から送信されてくるからである。
同様に、ファイル転送サーバ13は、ファイル転送サーバ53にファイルリストの取得要求を行う(ステップS9.2)。ファイル転送サーバ53は、ファイルリストFL5を返送する。このファイルリストFL5には、ファイルサーバ52の共有フォルダ(folder003)に格納されている3つのファイル(file00A〜file00C.pdf)が記録されている。
ファイル転送サーバ13は、各ファイル転送サーバ23,53から取得したファイルリストを検索し、検索対象のファイル(file00C.pdf)の存在を確認する。ここでは、ファイル転送サーバ53から取得したファイルリストFL5に検索対象のファイル(file00C.pdf)が存在するので、そのファイルリストFL6を通信端末11に返送するのである。
次に、通信端末11が、取得したファイルリストに記録されているファイル(file00C.pdf)の取得要求をファイル転送サーバ13に送信する(ステップS10)。
この取得要求を受けたファイル転送サーバ13は、接続要求コマンド(INVITEメソッド)を送信し(ステップS10.1)、ファイル転送サーバ13,53間でメディアセッションを確立する(ステップS10.2)。そして、ファイル転送サーバ13からファイル転送サーバ53に対して、ファイルの取得指示が行われる。ファイル転送サーバ53は、この指示に従って、ファイルサーバ52からファイル(file00C.pdf)を取得する(ステップS10.2.1)。そして、ファイル転送サーバ53は、メディアセッションを利用して、ファイルサーバ52から取得したファイルをファイル転送サーバ13に転送する。続いて、ファイル転送サーバ13は、ファイル転送サーバ53に対して、セッション終了要求(BYE)を送信する(ステップS10.3)。
そして、ファイル転送サーバ13は、ファイル転送サーバ53から受信したファイル(file00C.pdf)を通信端末11に送信するのである。このようにして、通信端末11は、検索対象としてファイル名を指定することにより、遠隔地にあるLAN2で共有されているファイルを取得することができる。なお、上記において、通信端末11とファイル転送サーバ13との間、ファイル転送サーバ53とファイルサーバ52との間の通信は、例えばNFSやSMBなどのプロトコルを使用すればよい。
このように、本発明によれば、インターネットなどを越えて、遠隔地にあるLAN間でファイル共有を行うことが可能である。そして、別のLANのファイル転送サーバから取得したファイルリストは、LAN内のファイル転送サーバに保持され、外部からは参照できないので、安全である。つまり、LANに接続された各端末は、異なるLANにおいて共有されているファイルリストを直接参照するのではなく、ファイル転送サーバが取得したファイルリストを参照することで、あたかも、遠隔地にあるLANのファイルを共有しているように利用することができるのである。
また、ファイル転送サーバが取得したファイルリストは、要求元の通信端末と対応付けて管理されている。上記の実施の形態では、ファイル転送サーバ13が通信端末11に専用のファイルリストを管理する場合を例に説明したが、同様に、ファイル転送サーバ13は、LAN1に接続された複数の通信端末について、それぞれに専用のファイルリストを管理するのである。したがって、各通信端末は、たとえば頻繁に参照する共有ファイルリストなどを専用に利用することができる。さらには、通信端末において検索ファイルを指定することで、ファイル転送サーバが、他のLANで共有されているファイルリストの中から、検索対象を見つけ出して、結果を提供する。これにより、インターネットなどを越えて他のLANに存在するファイルも検索して利用することが可能である。
本実施の形態に係る通信システムのネットワーク構成図である。 ファイル転送サーバの機能ブロック図である。 SIPサーバの機能ブロック図である。 通信処理のシーケンス図である。 通信処理のシーケンス図である。 通信処理のシーケンス図である。
符号の説明
1,2,5 LAN(ローカルネットワーク)
3 インターネット(グローバルネットワーク)
4 SIPサーバ
11,21,51 通信端末
12,22,52 ファイルサーバ
13,23,53 ファイル転送サーバ

Claims (4)

  1. ローカルエリアネットワークに配置され、ワイドエリアネットワークに配置された外部サーバと通信可能なファイル転送サーバであって、
    ローカルエリアネットワーク内のファイル情報を収集して、ファイルリストを作成するリスト作成手段と、
    自装置のアカウント情報を前記外部サーバに登録する手段と、
    ローカルエリアネットワーク内の通信端末によって指定され、前記外部サーバに登録されている他のファイル転送サーバから、前記外部サーバを介して前記他のファイル転送サーバが作成したファイルリストを取得する手段と、
    取得した前記他のファイル転送サーバが作成したファイルリストを要求元の通信端末と対応付けて記憶する手段と、
    ローカルエリアネットワーク内の通信端末から前記他のファイル転送サーバが作成したファイルリストの参照要求を受けると、要求元の通信端末と対応付けられている前記他のファイル転送サーバが作成したファイルリストを提示する手段と、
    を備えることを特徴とするファイル転送サーバ。
  2. 請求項1に記載のファイル転送サーバにおいて、
    ローカルエリアネットワーク内の通信端末から、当該通信端末に対応付けられたファイルリストに含まれるファイルの取得要求を受けると、指定されたファイルが登録されているファイル転送サーバとの間で中継用の通信セッションを確立して、当該ファイル転送サーバに対して指定されたファイルの取得要求を送信することを特徴とするファイル転送サーバ。
  3. ローカルエリアネットワークに配置され、ワイドエリアネットワークに配置された外部サーバと通信可能なファイル転送サーバであって、
    ローカルエリアネットワーク内のファイル情報を収集して、ファイルリストを作成するリスト作成手段と、
    自装置のアカウント情報を前記外部サーバに登録する手段と、
    ローカルエリアネットワーク内の通信端末からファイル検索指示を受けると、前記外部サーバに登録されている他のファイル転送サーバであって、要求元の通信端末により指定された、あるいは、あらかじめ設定されたファイル転送サーバから、前記外部サーバを介して前記他のファイル転送サーバが作成したファイルリストを取得する手段と、
    取得した前記他のファイル転送サーバが作成したファイルリストに検索対象のファイルが含まれている場合、前記他のファイル転送サーバが作成したファイルリストを要求元の通信端末に提示する手段と、
    を備えることを特徴とするファイル転送サーバ。
  4. 請求項3に記載のファイル転送サーバにおいて、
    ローカルエリアネットワーク内の通信端末から検索されたファイルの取得要求を受けると、指定されたファイルが登録されているファイル転送サーバとの間で中継用の通信セッションを確立して、当該ファイル転送サーバに対して指定されたファイルの取得要求を送信することを特徴とするファイル転送サーバ。
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