本発明の観点によれば、以下の構成の中継サーバが提供される。即ち、この中継サーバは、中継グループ情報登録部と、共有リソース情報登録部と、制御部と、を備える。中継グループ情報登録部は、自身との間で相互に接続可能な他の中継サーバを含む中継グループの情報を記憶する。共有リソース情報登録部は、前記中継グループ内において複数のクライアント端末間でリソースを共有させる場合に、共有リソース情報を記憶する。この共有リソース情報は、当該リソースに関する情報と、当該リソースに付与される名称で使用される文字コードの情報と、当該リソースを共有するクライアント端末であるリソース共有端末のアカウントの情報と、を含む。前記制御部は、文字コード情報管理部と、指示中継部と、を備える。前記文字コード情報管理部は、前記リソースに付与される名称の文字コードが指定されることにより、前記文字コードの情報を前記共有リソース情報に記録する。前記指示中継部は、前記クライアント端末が前記リソースを指定して操作を指示することにより、指定されたリソースの実体を操作可能なクライアント端末又は当該クライアント端末を配下に有する中継サーバへ当該指示を中継する。
この構成により、共有されたリソースを、クライアント端末が中継サーバを介して間接的に操作することができる。また、共有するリソースに付与する名称の文字コードを文字コード情報に基づいて管理できるので、リソース名の文字化け等を防止し、リソースの指定及び操作を容易かつ確実に行うことができる。
前記中継サーバにおいては、前記共有リソース情報において前記文字コードの情報は、前記リソース共有端末の構成が異なるグループごとに記述できるように構成されていることが好ましい。
前記中継サーバにおいては、前記クライアント端末は、自身が実体を操作できるリソースを複数のクライアント端末間で共有する場合に、当該リソースに付与すべき名称の指定を前記文字コードに合致するものに限って受け付けることが好ましい。
本発明の他の観点によれば、以下の構成の中継通信システムが提供される。即ち、この中継通信システムは、複数の中継サーバと、複数のクライアント端末と、を備える。前記中継サーバは、中継グループ情報登録部と、共有リソース情報登録部と、制御部と、を備える。前記中継グループ情報登録部は、自身との間で相互に接続可能な他の中継サーバを含む中継グループの情報を記憶する。前記共有リソース情報登録部は、前記中継グループ内において複数の前記クライアント端末間でリソースを共有させる場合に、共有リソース情報を記憶する。この共有リソース情報は、当該リソースに関する情報と、当該リソースに付与される名称で使用される文字コードの情報と、当該リソースを共有するクライアント端末であるリソース共有端末のアカウントの情報と、を含む。前記制御部は、文字コード情報管理部と、指示中継部と、を備える。前記文字コード情報管理部は、前記リソースに付与される名称の文字コードが指定されることにより、前記文字コードの情報を前記共有リソース情報に記録する。指示中継部は、前記クライアント端末がリソースを指定して操作を指示することにより、指定されたリソースの実体を操作可能なクライアント端末又は当該クライアント端末を配下に有する中継サーバへ当該指示を中継する。
この構成により、共有されたリソースを、クライアント端末が中継サーバを介して間接的に操作することができる。また、共有するリソースに付与する名称の文字コードを文字コード情報に基づいて管理できるので、リソース名の文字化け等を防止し、リソースの指定及び操作を容易かつ確実に行うことができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る中継通信システムの全体構成を示す説明図である。
図1に示すように、本実施形態の中継通信システムは、WANに接続された複数のLANで構成されている。この中継通信システムは、中継サーバ1、外部サーバ2、クライアント端末5、ファイルサーバ6等を備えている。
WAN(Wide Area Network)は、異なるLANを相互に接続するネットワークである。本実施形態ではWANとしてインターネットが使用されている。
LAN(Local Area Network)は、限定された場所で構築される比較的小規模なネットワークである。LANは複数存在し、互いに物理的に離れた場所に構築されている。本実施形態では、東京支社にLAN91が構築され、大阪支社、名古屋支社、福岡支社にLAN92,93,94がそれぞれ構築される場合を想定している。これら4つのLAN91,92,93,94は、グローバルなネットワークであるインターネットにそれぞれ接続されている。
次に、図2等を参照して外部サーバ2を説明する。図2は外部サーバ2の機能ブロック図である。この外部サーバ2は、各LANに配置された中継サーバ1間での通信に用いられる装置であり、インターネット上に設置されている。
図2に示す外部サーバ2は、SIP(Session Initiaion Protocol)サーバとしての機能を備えている。具体的には、外部サーバ2は、SIPメソッド及びレスポンス等を中継するSIPプロキシサーバとしての機能と、中継サーバ1のアカウントを登録するSIPレジストラサーバとしての機能を備える。
外部サーバ2は、図2に示すように、WANインタフェース201と、制御部202と、中継サーバアカウント情報データベース203と、を主要な構成として備えている。
WANインタフェース201は、グローバルIPアドレスを使用して、インターネットに接続された中継サーバ1等の各装置と通信を行うインタフェースである。
中継サーバアカウント情報データベース203は、登録要求のあった中継サーバ1のアカウントをグローバルIPアドレスと対応付けて管理するデータベースである。
制御部202は、WANインタフェース201を介して行う様々な通信を制御する処理部であり、TCP/IP、UDP又はSIP等のプロトコルに従った通信処理を制御する。この制御部202は、例えば、それぞれの中継サーバ1から当該中継サーバ1のアカウントを受信し、中継サーバアカウント情報データベース203に登録する処理を行う。また、中継サーバ1から送信された様々なSIPメソッド又はレスポンス等の通信データを他の中継サーバ1に中継する処理等を行う。
次に、図3等を参照してクライアント端末5を説明する。図3はクライアント端末5の機能ブロック図である。
このクライアント端末5はユーザが直接操作できる端末であり、例えばユーザによって日々の業務に使用されるパーソナルコンピュータ(PC)等が該当する。従って、LAN内には通常多数のクライアント端末5が存在する。本実施形態では図1に示すように、LAN91にクライアント端末11,12が、LAN92にクライアント端末21,22が接続されている。また、LAN93にクライアント端末31,32が、LAN94にクライアント端末41,42がそれぞれ接続されている。各クライアント端末5には、同一のLANの中で一意に管理されたプライベートIPアドレスが付与されている。
図3に示すように、クライアント端末5は、LANインタフェース601と、制御部602と、リソース記憶部603と、共有リソース情報データベース604と、を主要な構成として備えている。
LANインタフェース601は、前記プライベートIPアドレスを使用して、同一のLANに接続された中継サーバ1及びファイルサーバ6等の各装置と通信を行うインタフェースである。
リソース記憶部603は、そのクライアント端末5が操作可能なファイル又はフォルダ等のリソースの実体を記憶する。
共有リソース情報データベース604は、各クライアント端末5が保有している共有リソースの情報を記述した共有リソース情報を記憶する。
制御部602は、LANインタフェース601を介して行う様々な通信を制御する処理部である。この制御部602は、TCP/IP、UDP又はSIP等のプロトコルに従った通信処理を制御する。
制御部602は、例えば、リソース記憶部603に記憶されているリソースの移動、変更又は削除等を制御する処理を行う。また制御部602は、中継サーバ1から共有リソース情報の変更通知を受信したときは、共有リソース情報データベース604に記憶されている共有リソース情報を更新する処理を行う。
次に、図4等を参照して中継サーバ1を説明する。図4は各中継サーバ1の機能ブロック図である。
中継サーバ1は、図1に示すように、LANのそれぞれに1台配置されている。具体的には、LAN91には中継サーバR1が、LAN92には中継サーバR2が、LAN93には中継サーバR3が、LAN94には中継サーバR4がそれぞれ配置されている。
中継サーバ1はLANに接続され、同一のLANに接続されている各クライアント端末5と通信可能になっている。また、中継サーバ1はインターネットにも接続されており、他のLANに接続された中継サーバ1と(前記外部サーバ2を介して)通信可能となっている。この通信のため、各中継サーバ1には、プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスの両方が付与されている。
中継サーバ1は、図4に示すように、LANインタフェース501と、WANインタフェース502と、制御部503と、アカウント情報データベース504と、中継グループ情報データベース505と、共有リソース情報データベース506と、を主要な構成要素として備えている。
LANインタフェース501は、自装置と同一のLANに接続されたクライアント端末5との通信を、プライベートIPアドレスを使用して行うインタフェースである。例えば、LAN91において中継サーバR1は、LANインタフェース501を使用して、各クライアント端末11,12と通信を行うことができる。
WANインタフェース502は、グローバルIPアドレスを使用して、インターネットに接続された外部サーバ2等の各装置と通信を行うインタフェースである。
各中継サーバ1はSIPレジストラサーバとしての機能を備えており、各中継サーバ1と各クライアント端末5との間の通信はSIPを使用して行われる。例えば、LAN92において中継サーバR2はSIPレジストラサーバとして機能し、LAN92に接続されている各クライアント端末21,22のアカウントを受信し、アカウント情報データベース504に登録する。
従って、中継サーバ1は図5に示すように、クライアント端末5との関係では、当該クライアント端末5からアカウントを受信して登録(REGISTER)するサーバとして機能する。また、外部サーバ2との関係では、中継サーバ1は、外部サーバ2に対してアカウントを送信して登録(REGISTER)するクライアントとして機能する。
図4のアカウント情報データベース504は、登録要求のあったクライアント端末5のアカウントをプライベートIPアドレスと対応付けて管理するデータベースである。
中継グループ情報データベース(中継グループ情報登録部)505は、アカウント情報データベース504に登録されているクライアント端末5が関連する中継グループ情報を管理するデータベースである。
共有リソース情報データベース(共有リソース情報登録部)506は、アカウント情報データベース504に登録されているクライアント端末5が関連する共有リソース情報を管理するデータベースである。
制御部503は、LANインタフェース501及びWANインタフェース502を介して行う様々な通信を制御する処理部であり、TCP/IP、UDP及びSIP等のプロトコルに従った様々な通信処理を制御する。
この制御部503は、例えば、自装置のアカウントを外部サーバ2に送信して登録を要求する処理、及び、中継グループ情報を作成して中継グループ情報データベース505に記憶する処理を実行する。また、制御部503は、共有リソース情報を作成して共有リソース情報データベース506に記憶する処理等を実行する。
また、前記制御部503は、文字コード情報管理部511と、指示中継部512と、を備えている。
文字コード情報管理部511は、共有リソース情報に共有リソースの名称が記述されるときに従うべき文字コードの情報を、クライアント端末5からの指示によって前記共有リソース情報に記述する。
指示中継部512は、共有リソースを開く等の操作指示をクライアント端末5等から受信したときに、当該操作指示を必要な相手(他の中継サーバ1等)に中継する。
次にファイルサーバ6を説明する。図1に示すように、このファイルサーバ6はLANに接続されて、同一のLANに接続されている各クライアント端末5と通信できるように構成されている。
ファイルサーバ6は、ファイル又はフォルダ等のリソースの実体を記憶できるように構成されており、各クライアント端末5が備えている前記リソース記憶部603(図3)に代わるリソース記憶手段として機能する。即ち、本実施形態において各クライアント端末5が操作可能なリソースは、そのクライアント端末5のローカルディスク内に格納されている場合と、ネットワークドライブとしてのファイルサーバ6内に格納されている場合が考えられる。このファイルサーバ6は各LANに必須ではなく、図1の例においてもLAN92,94では設置が省略されている。
次に、この中継通信システムで扱われる情報である中継グループ情報及び共有リソース情報について説明する。
最初に、図6を参照して中継グループ情報を説明する。図6は中継グループ情報の内容例を示す図である。
図6には、中継サーバR3における中継グループ情報データベース505の記憶内容例が示されている。この例では、中継グループ情報データベース505は2つの中継グループ情報100a,100bを記憶している。
それぞれの中継グループ情報100a,100bは、1つのグループ識別情報101と、相互に接続を許可することで中継グループを構成する中継サーバ1の情報(中継アカウント情報)102と、リソース共有可能端末情報110と、を含んでいる。
グループ識別情報101は、その中継グループ情報100を識別するための情報であり、中継グループ情報100が作成される度に、異なる識別IDが付与されて一意に識別できる構成となっている。これにより、オペレータ等は、グループ識別情報101に基づいて中継グループを特定することができ、グループ構成の変更等を簡単に行うことができる。
中継アカウント情報102は、相互に接続を許可することで中継グループを構成するそれぞれの中継サーバ1のアカウントの情報を含んでいる。例えば、図6の上側に示されている中継グループ情報100aにおいては、中継グループを構成する3つの中継サーバR1,R2,R3のアカウントが記述されている。また、図6の下側に示されている中継グループ情報100bにおいては、当該中継グループを構成する1つの中継サーバR3のアカウントが記述されている。
中継アカウント情報102においては、各中継サーバ1のアカウントに付与された具体的な名称が併せて登録され、ユーザの識別が容易になっている。例えば、中継サーバR1(relay−server1)の中継アカウント情報102aであれば、中継サーバR1のアカウント(relay−server1@net)に対して名称(支社A)が付与されている。
以上のように、中継グループ情報100a,100bは、中継グループごとに一意に識別可能に作成されている。また、中継グループ情報100a,100bには、相互に接続を許可することで一群(中継グループ)を構成する各中継サーバのアカウント(中継アカウント情報102)が含まれている。従って、中継グループ情報100a,100bを参照すれば、どのLANとどのLANがグループを構成しているのかを知ることができる。
次に、前記中継グループ情報100に含ませることが可能なリソース共有可能端末情報110について説明する。
図6に示すように、リソース共有可能端末情報110は、各中継グループ情報100に対応して登録されている。例えば、リソース共有可能端末情報110aは中継グループ情報100aに対応して登録され、リソース共有可能端末情報110bは中継グループ情報100bに対応して登録されている。
それぞれのリソース共有可能端末情報110a,110bは、対応する中継グループ情報100a,100bに係る中継グループにおいてリソースの共有が許可されたクライアント端末5を記述した個別端末情報111を含んでいる。この個別端末情報111は、リソースの共有が可能なクライアント端末5それぞれのアカウントを記述した情報である。
例えば、図6の上側のリソース共有可能端末情報110aに対応する中継グループ情報100aは、3つの中継サーバR1,R2,R3で構成される中継グループを定義する。図1に示すように、中継サーバR1が接続されているLAN91には、2台のクライアント端末11,12が存在する。図6の上側のリソース共有可能端末情報110aの例では、この2台の両方が上記中継グループでリソースを共有可能な端末として選択され、そのアカウント情報が個別端末情報111として登録されている。同様に、中継サーバR2が接続されているLAN92ではクライアント端末21,22の両方がリソース共有可能端末として選択されている。中継サーバR3が接続されているLAN93にはクライアント端末31,32が存在するが、リソース共有可能端末情報110aの例ではクライアント端末31のみがリソース共有可能端末として選択され、アカウント情報が個別端末情報111として登録されている。
図6の下側のリソース共有可能端末情報110bに対応する中継グループ情報100bは、中継サーバR3のみで構成される中継グループを定義する。このリソース共有可能端末情報110bの例では、中継サーバR3が接続されているLAN93において、2台のクライアント端末31,32が両方ともリソース共有可能端末として選択され、そのアカウント情報が個別端末情報111として登録されている。
個別端末情報111においては、各リソース共有可能端末のアカウントのほか、当該アカウントに付与された具体的な名称が登録され、ユーザの識別が容易になっている。例えば、クライアント端末11の場合、そのアカウント(例えば、client11@relay−server1.net)に対して付与された名称(client11)が記述されている。更に、個別端末情報111には、営業部及び開発部等、そのリソース共有可能端末の所属を示す所属識別データ112が記述されている。
なお、リソース共有可能端末情報110においてそれぞれの個別端末情報111は、リソース共有可能端末と同一のLANに接続されている中継サーバの中継アカウント情報102と関連付けて記述されている。例えばクライアント端末11に関する個別端末情報111は、中継サーバR1の中継アカウント情報102aと関連付けた形で記述されている。
また、図6の例で示すように、中継グループ情報データベース505は、中継グループ情報100及びリソース共有可能端末情報110をそれぞれ複数記憶することができる。また、クライアント端末31は、2つの中継グループにおけるリソース共有可能端末情報110a,110bの両方においてリソース共有可能端末とされ、その個別端末情報111が記述されている。このように、1つのクライアント端末5を複数の中継グループにおいてリソース共有端末として選択し、その旨のリソース共有可能端末情報110を中継グループ情報データベース505に記憶できるようになっている。
それぞれの中継グループ情報100は、中継グループを構成している各中継サーバ1間で交換される。例えば、図6の上側の中継グループ情報100aは、3つの中継サーバR1,R2,R3で交換され、それぞれの中継サーバR1,R2,R3の中継グループ情報データベース505に記憶される。また、図6の下側の中継グループ情報100bは、中継サーバR3のみで保持され、中継サーバR3の中継グループ情報データベース505に記憶される。
次に、共有リソース情報の内容について、図7及び図8を参照して説明する。図7は、クライアント端末21の共有リソース情報データベース604に記憶される共有リソース情報120を例示したものである。なお、これと同じ情報が、クライアント端末21と同一のLANに接続されている中継サーバR2の共有リソース情報データベース506にも記憶される。
共有リソース情報120は、クライアント端末21に関する共有リソース情報であることを示すアカウント識別情報121と、そのクライアント端末11が関連する個別共有リソース情報122と、で構成されている。
アカウント識別情報121は、クライアント端末5ごとに共有リソース情報120が作成されるため、それを識別するための情報である。
個別共有リソース情報122は、共有リソース識別情報123、ファミリアカウント情報124、ファミリリソース情報125、文字コード情報127等で構成されている。
共有リソース識別情報123は、その個別共有リソース情報122を識別するための情報であり、個別共有リソース情報122が作成される度に、異なるIDが付与されて一意に識別できる構成となっている。ここでは共有リソース識別情報123は、共有リソース情報120の作成要求のあったクライアント端末5と関連付けられたIDと、その識別を容易にするための名称とで構成されている。前記IDは例えば20071001150032client11@relay−server1等とすることができ、識別を容易にする名称は例えばworkspace1等とすることができる。
これにより、ユーザ等は、共有リソース識別情報123に基づいて個別共有リソース情報122を特定することができるため、簡単にその内容を編集等することができる。
図7の上側の個別共有リソース情報122aに記述されるファミリリソース情報125の具体的な内容を図8に示す。また、図7の下側の個別共有リソース情報122bに記述されるファミリリソース情報125の具体的な内容を図9に示す。図8及び図9に示すように、ファミリリソース情報125は、クライアント端末5が保有しているファイル又はフォルダ(ディレクトリ)等のリソースの実体を示すリソース情報126の集合体である。
例えば図8に示すように、それぞれのリソース情報126は、共有するリソースの名称の情報と、そのリソースの実体の操作が可能なクライアント端末5(オーナクライアント端末)のアカウントの情報と、そのリソースの実体の所在を示すアドレスの情報と、そのリソースについてのステータス情報と、で構成されている。
共有するリソースの名称とは、リソースを複数のクライアント端末5で共有するにあたって当該リソースに付与される名称であり、例えば、name=”folderA”と記述される。オーナクライアント端末のアカウントの情報には、オーナクライアント端末を識別するアカウントが、例えば、owner=”client11@relay−server1.net”のように記述される。リソースの実体の所在を示すアドレスは、共有リソースがリソース記憶部603(又はファイルサーバ6)に実際に記憶されている場所を示すものであり、例えばフルパスを用いてvalue=”c:/folderA”等と記述される。ステータス情報は、そのリソースの状態を示す情報であり、例えば、status=”ok”等と記述される。
図7のファミリアカウント情報124は、ファミリリソース情報125で示されているリソースの実体を共有するクライアント端末5のアカウント(例えば、client11@relay−server1.net)の情報の集合体である。
図8のファミリリソース情報125aの例では、オーナクライアント端末は11である。そして、このオーナクライアント端末11を介して間接的にリソースの実体を操作可能なクライアント端末(ユーザクライアント端末)は、図7の上側の個別共有リソース情報122aにおいてファミリアカウント情報124に記述されたクライアント端末のうちオーナクライアント端末11以外のものである。即ち、この例ではクライアント端末21がユーザクライアント端末である。
図8及び図9に示すようにファミリリソース情報125は複数記述することができ、それぞれのファミリリソース情報125に記述されたオーナクライアント端末は互いに異なっていても良い。従って、オーナクライアント端末とユーザクライアント端末の関係は固定的なものではなく、ファミリアカウント情報124に記述されたクライアント端末はどれでもオーナアカウント端末となることができる。なお、以降の説明において、このファミリアカウント情報124に記述されたクライアント端末を共有メンバ端末と呼ぶことがある。
図7の文字コード情報127は、前記リソース情報126で記述される共有リソースの名称が従うべき文字コードを示すものである。例えば、図7の上側の個別共有リソース情報122aにおいては、文字コード情報127がcharset=”us−ascii”と記述されている。これは、当該個別共有リソース情報122aにおいては(即ち、クライアント端末11,21間のリソース共有を行う場合は)、共有リソースの名称が半角英数字のみの文字コードに従うべきことを意味する。
一方、図7の下側の個別共有リソース情報122bにおいては、文字コード情報127がcharset=”Shift_JIS”と記述されている。これは、当該個別共有リソース情報122bにおいては(即ち、クライアント端末21,31間のリソース共有を行う場合は)、共有リソースの名称がいわゆるシフトJISの文字コードに従うべきことを意味する。このように本実施形態では、リソース共有端末の構成が異なるグループごとに(個別共有リソース情報122ごとに)文字コードを記述できるように構成されている。
図7の上側の個別共有リソース情報122aにおける共有メンバ端末であるクライアント端末11,21は、何れも、図6の中継グループ情報100aで記述された中継グループを構成する3台の中継サーバR1,R2,R3の何れかと同一のLANに接続されている。図7の下側の個別共有リソース情報122bにおける共有メンバ端末であるクライアント端末21,31のそれぞれも、3台の中継サーバR1,R2,R3の何れかと同一のLANに接続されている。また、上記クライアント端末11,21,31は、当該中継グループにおけるリソース共有可能端末情報110aにおいて、何れもリソース共有可能端末として個別端末情報111が記述されているクライアント端末である。
前記共有メンバ端末のそれぞれは、以上で説明した内容の個別共有リソース情報122を持った共有リソース情報120を、共有リソース情報データベース604に記憶している。
次に、図10のシーケンス番号11〜19を参照して、中継グループの生成及び登録段階を説明する。図10に示すシーケンス番号11〜19の処理は、一般に、ユーザ及びオペレータによってネットワークの初期設定として行われる。
まず、中継サーバR1において、中継サーバR2との間で中継グループを新規に形成するメソッド(createGroupメソッド)がオペレータによって実行される。このcreateGroupメソッドでは、中継グループを形成する相手の中継サーバR2のアカウント(relay−server2@net)が指定される。
すると、中継サーバR1において中継グループ情報100aが新たに作成される。このとき、識別ID(0001@relay−server1)が当該中継グループ情報に付与され、グループ識別情報101に記述される。
次に、中継サーバR1においてメッセージ送信コマンド(MESSAGEメソッド)が実行され、相手となる中継サーバR2に対するgroup−infoメッセージが外部サーバ2に送信される(シーケンス番号11)。このメッセージには、前記createGroupメソッドで作成された中継グループ情報の識別ID等が含まれている。
このMESSAGEメソッドでは、メッセージ送信先の中継サーバR2のアカウント(sip:relay−server2@net)が指定されている。外部サーバ2は、中継サーバアカウント情報データベース203を参照することで中継サーバR2のグローバルIPアドレスを取得し、中継サーバR1からのgroup−infoメッセージを中継サーバR2に中継する。メッセージを受信した中継サーバR2は、外部サーバ2を介して中継サーバR1へOKレスポンスを返す。
以上のように、本実施形態の各中継サーバ1間の通信は外部サーバ2を経由して行われ、以下においても同様である。従って、以後の説明では、外部サーバ2を経由する通信処理の具体的な説明を省略する。
次に、中継サーバR1が、中継サーバR2に対し、サーバ情報の送信要求メッセージ(request−server−infoメッセージ)を送信する(シーケンス番号12)。このメッセージを受信した中継サーバR2は、OKレスポンスとともに、自身に関する情報(server−info)を中継サーバR1に返す。
今度は反対に、中継サーバR2が中継サーバR1に対するrequest−server−infoメッセージを送信し(シーケンス番号13)、中継サーバR1は自身に関する情報(server−info)を中継サーバR2に返信する。
以上のように互いのサーバに関する情報を交換することで、両中継サーバR1,R2の情報が中継グループ情報100に含まれる中継アカウント情報102に記述され、各中継サーバR1,R2の中継グループ情報データベース505に記憶される。
次に、中継サーバR2において、先ほど作成した中継グループ(中継サーバR1,R2で構成される中継グループ)に新たに中継サーバR3を加えるメソッド(addGroupメソッド)がオペレータによって実行される。このaddGroupメソッドでは、加入させる中継サーバR3のアカウント(relay−server3@net)、加入させる中継グループの識別ID(0001@relay−server1)が指定される。
すると中継サーバR2は、加入させる相手となる中継サーバR3に対し、group−infoメッセージを送信する(シーケンス番号14)。このメッセージには、前記addGroupメソッドで指定された中継グループの識別ID等が含まれている。これを受信した中継サーバR3は、中継サーバR2へOKレスポンスを返す。次に、シーケンス番号12,13で説明したのと全く同様に、中継サーバR2と中継サーバR3との間でサーバ情報が交換される(シーケンス番号15,16)。
次に、中継サーバR2は、中継グループに中継サーバR3が加わったことを知らせるupdate−group−infoメッセージを、中継サーバR1に送信する(シーケンス番号17)。これを受信した中継サーバR1は、中継サーバR2へOKレスポンスを返す。その後、中継サーバR3と中継サーバR1との間でサーバ情報が交換される(シーケンス番号18,19)。
以上により、3つの中継サーバR1,R2,R3が中継グループを形成している旨の中継グループ情報100(具体的には、図6の符号100aで示した内容の情報)が、各中継サーバR1,R2,R3の中継グループ情報データベース505に記憶される。
なお、図10では図示しないが、中継サーバR3において更に、中継グループを形成する他の中継サーバを指定せずにcreateGroupメソッドが実行される。これにより中継サーバR3のみから形成される中継グループ情報100bが作成され、識別ID(0002@relay−server2)が付与され、R3の中継グループ情報データベース505に記憶される。
次に、図11のシーケンス番号21〜29を参照して、中継グループに対するリソース共有可能端末の登録段階を説明する。
中継サーバR1において、3台の中継サーバR1,R2,R3で構成される中継グループに、リソース共有可能端末としてクライアント端末11を登録するメソッド(addTerminalメソッド)がオペレータによって実行される。このaddTerminalメソッドでは、クライアント端末11のアカウント、及び、登録先の中継グループを示す識別ID(0001@relay−server1)が指定される。
このaddTerminalメソッドが実行されると、中継サーバR1は、自身の中継グループ情報データベース505を検索する。そして、指定された識別IDの中継グループ情報に対応するリソース共有可能端末情報110に、前記クライアント端末11の個別端末情報111を追加する。
その後直ちに、中継サーバR1は、中継グループ情報データベース505の記憶内容から中継グループ情報100を前記識別IDによって特定し、当該中継グループがどの中継サーバ1によって構成されているかを調べる。すると、図6の中継グループ情報100aにより、対象となる中継グループは、自身(中継サーバR1)と、2台の中継サーバR2,R3とで構成されていることが判る。
従って、中継サーバR1は、まず中継サーバR2に対し、中継グループへのリソース共有可能端末の追加を要求するadd−group−infoメッセージを送信する(シーケンス番号21)。このメッセージには、対象となるクライアント端末11のアカウント、及び登録先の中継グループの識別ID等が含まれている。これを受信した中継サーバR2は、中継グループ情報データベース505に記憶されているリソース共有可能端末情報110に前記クライアント端末11の個別端末情報111を追加した後、OKレスポンスを返す。
次に、中継サーバR1は、クライアント端末11に対してgroup−infoメッセージを送信する(シーケンス番号22)。このメッセージには、クライアント端末11の個別端末情報111が追加されたリソース共有可能端末情報110が含まれている。これを受信したクライアント端末11は、受信したリソース共有可能端末情報110の内容を適宜の記憶手段に記憶する。
続いて、中継サーバR1は、中継サーバR3に対しても、中継グループへのリソース共有可能端末の追加を要求するadd−group−infoメッセージを送信する(シーケンス番号23)。これを受信した中継サーバR3は、中継グループ情報データベース505に記憶されているリソース共有可能端末情報110に前記クライアント端末11の個別端末情報111を追加した後、OKレスポンスを返す。
以上により、3つの中継サーバR1,R2,R3の中継グループ情報データベース505に記憶されている中継グループ情報100の中のリソース共有可能端末情報110に、リソース共有可能端末としてクライアント端末11の個別端末情報111が登録される。
次に、中継サーバR2において、前述の中継グループの識別IDを指定して、リソース共有可能端末としてクライアント端末21を登録するメソッド(addTerminalメソッド)がオペレータによって実行される。
すると中継サーバR2は、自身の中継グループ情報データベース505を検索し、識別IDで指定された中継グループ情報に対応するリソース共有可能端末情報110に、前記クライアント端末21の個別端末情報111を追加する。
次に、中継サーバR2は、中継サーバR1に対し、中継グループへのリソース共有可能端末の追加を要求するadd−group−infoメッセージを送信する(シーケンス番号24)。このメッセージには、対象となるクライアント端末21のアカウント、登録先の中継グループの識別ID等が含まれている。
これを受信した中継サーバR1は、中継グループ情報データベース505に記憶されているリソース共有可能端末情報110に、前記クライアント端末21の個別端末情報111を追加する。更に中継サーバR1は、自身と同一のLANに接続されており、既にリソース共有可能端末として記憶されているクライアント端末11に対し、add−group−infoメッセージを送信する(シーケンス番号24.1)。このメッセージを受信したクライアント端末11は、適宜の記憶手段に、前記クライアント端末21の個別端末情報111を記憶する。その後、クライアント端末11は中継サーバR1へOKレスポンスを返し、これを受信した中継サーバR1は中継サーバR2に対しOKレスポンスを返す。
更に、中継サーバR2は、クライアント端末21に対してgroup−infoメッセージを送信する(シーケンス番号25)。このメッセージには、クライアント端末11及び21の個別端末情報111が追加されたリソース共有可能端末情報110が含まれている。これを受信したクライアント端末21は、受信したリソース共有可能端末情報110の内容を、適宜の記憶手段に記憶する。
続いて、中継サーバR2は、中継サーバR3に対しても、中継グループへのリソース共有可能端末の追加を要求するadd−group−infoメッセージを送信する(シーケンス番号26)。これを受信した中継サーバR3は、中継グループ情報データベース505に記憶されているリソース共有可能端末情報110に前記クライアント端末21の個別端末情報111を追加した後、OKレスポンスを返す。
以上により、3つの中継サーバR1,R2,R3の中継グループ情報データベース505に記憶されている中継グループ情報100の中のリソース共有可能端末情報110に、リソース共有可能端末として、クライアント端末11及び21の個別端末情報111が登録された状態となる。
次に、中継サーバR3において、前述の中継グループの識別IDを指定して、リソース共有可能端末としてクライアント端末31を登録するメソッド(addTerminalメソッド)がオペレータによって実行される。
すると中継サーバR3は、自身の中継グループ情報データベース505を検索し、識別IDで指定された中継グループに関するリソース共有可能端末情報110に、前記クライアント端末31の個別端末情報111を追加する。
更に、中継サーバR3は、中継サーバR1に対し、中継グループへのリソース共有可能端末の追加を要求するadd−group−infoメッセージを送信する(シーケンス番号27)。このメッセージには、対象となるクライアント端末31のアカウント、登録先の中継グループの識別ID等が含まれている。
これを受信した中継サーバR1は、中継グループ情報データベース505に記憶されているリソース共有可能端末情報110に、前記クライアント端末31の個別端末情報111を追加する。更に中継サーバR1は、自身と同一のLANに接続されており、既にリソース共有可能端末として記憶されているクライアント端末11に対し、add−group−infoメッセージを送信する(シーケンス番号27.1)。このメッセージを受信したクライアント端末11は、適宜の記憶手段に、前記クライアント端末31の個別端末情報111を記憶する。その後、クライアント端末11は中継サーバR1へOKレスポンスを返し、これを受信した中継サーバR1は中継サーバR3に対しOKレスポンスを返す。
次に、中継サーバR3は、クライアント端末31に対してgroup−infoメッセージを送信する(シーケンス番号28)。このメッセージには、クライアント端末31の個別端末情報111が追加されたリソース共有可能端末情報110が含まれている。これを受信したクライアント端末31は、受信したリソース共有可能端末情報110の内容を、適宜の記憶手段に記憶する。
続いて、中継サーバR3は、中継サーバR2に対しても、中継グループへのリソース共有可能端末の追加を要求するadd−group−infoメッセージを送信する(シーケンス番号29)。これを受信した中継サーバR2は、中継グループ情報データベース505に記憶されているリソース共有可能端末情報110に、前記クライアント端末31の個別端末情報111を追加する。更に中継サーバR2は、自身と同一のLANに接続されており、既にリソース共有可能端末として記憶されているクライアント端末21に対し、add−group−infoメッセージを送信する(シーケンス番号29.1)。このメッセージを受信したクライアント端末21は、適宜の記憶手段に、前記クライアント端末31の個別端末情報111を記憶する。その後、クライアント端末21は中継サーバR2へOKレスポンスを返し、これを受信した中継サーバR2は中継サーバR3に対しOKレスポンスを返す。
以上により、3つの中継サーバR1,R2,R3の中継グループ情報データベース505に記憶されている中継グループ情報100の中のリソース共有可能端末情報110に、リソース共有可能端末としてクライアント端末11,21及び31の個別端末情報111が登録された状態となる。
また、図11では図示していないが、この後、クライアント端末12,22を前記中継グループ情報(識別IDは0001@relay−server1)に追加する操作が更に行われる。これにより、中継グループ情報100の中のリソース共有可能端末情報110に、リソース共有可能端末としてクライアント端末11,12,21,22及び31の個別端末情報111が登録される(図6の符号110aを参照)。更に、中継サーバR3において、クライアント端末31,32を他の中継グループ情報(識別IDは0002@relay−server2)に追加する操作が引き続き行われる。
なお、図11ではリソース共有可能端末としてクライアント端末を登録する処理を説明したが、中継サーバ1は、クライアント端末5のリソース共有可能端末としての登録を外す処理(deleteTerminalメソッド)も行うことができる。この場合は、リソース共有可能端末情報110から、指定されたクライアント端末5の個別端末情報111を削除することになる。
次に、クライアント端末5のリソースを実際に共有させる場合の動作を、図12を参照して説明する。ここでは、クライアント端末21が実体を操作可能なファイル”日本語.txt”を、識別IDが0001@relay−server1である中継グループにおいてクライアント端末11と共有させる場合を例に説明する。このファイルは、クライアント端末21のリソース記憶部603に作成されたフォルダ”c:/document/”(以下、実体格納フォルダ21fと称する)に保存されている。
ユーザはクライアント端末11を操作し、識別IDが0001@relay−server1である中継グループを指定した上で、当該中継グループにおけるリソース共有可能端末を表示させる指示をクライアント端末11に対して行う。クライアント端末11は中継サーバR1との通信によりリソース共有可能端末の情報を取得し、指定された中継グループにおけるリソース共有可能端末の一覧を画面に表示する。
ここでは識別IDが0001@relay−server1の中継グループが指定されているので、図6の上側に示すリソース共有可能端末情報110aに基づき、4台のクライアント端末12,21,22及び31がリソース共有可能端末として表示される。ユーザは、リソースを共有させる端末として、表示されたクライアント端末21を指定する。なお、今回の説明ではリソースを共有させる端末を1台のみ指定したが、表示されたリソース共有可能端末の一覧から複数又は全てを指定しても良い。
次に、クライアント端末11は、リソースを共有するときのリソース名称の文字コードをユーザに問い合わせる。図12の例において、クライアント端末21で実行されるオペレーティングシステムはシフトJISの文字コードに対応しており、ファイル及びフォルダの名称を含めて、半角英数文字のほか日本語を使用することができる。一方、クライアント端末11ではクライアント端末21とは異なるオペレーティングシステムが実行されており、半角英数文字(us−ascii)を使用することはできるが、日本語を使用することはできない。ユーザは上記の問合せに対し、以上の事情を考慮して、半角英数字のみの文字コード(us−ascii)を指定したとする。
すると、クライアント端末11は、共有リソースの作成要求(createSharedResourceコマンド)を中継サーバR1に送信する(図12のシーケンス番号31)。このコマンドには、中継グループの識別ID、指定されたクライアント端末21の情報、及び前記文字コードの情報が含まれている。
これを受信した中継サーバR1は、共有リソース情報120を作成し、自身の共有リソース情報データベース506に記憶する。このとき作成された共有リソース情報120には1つの個別共有リソース情報122が含まれ、この個別共有リソース情報122には、適宜作成された共有リソース識別情報123と、2台のクライアント端末11,21のアカウントが記述されたファミリアカウント情報124と、共有リソースの名称はus−asciiに従う旨の文字コード情報127と、が含まれる。
続いて、中継サーバR1は、指定されたクライアント端末21を配下に有する他の中継サーバR2に対しupdateResourceメッセージを送信し、作成された共有リソース情報120を通知する(シーケンス番号31.1)。メッセージを受信した中継サーバR2は、自身の共有リソース情報データベース506にその共有リソース情報120を記憶する。また、中継サーバR2は、指定されたクライアント端末21に対してupdateResourceコマンドを送信し、共有リソース情報120を通知する(シーケンス番号31.1.1)。
このupdateResourceコマンドを受信したクライアント端末21は、自身の共有リソース情報データベース604に記憶されている共有リソース情報120の変更を行う。その後、送信元の中継サーバR2にOKレスポンスを返す。OKレスポンスを受信した中継サーバR2は中継サーバR1にOKレスポンスを返し、それを受信した中継サーバR1はクライアント端末11にOKレスポンスを返す。
以上により、中継サーバR1,R2の共有リソース情報データベース506に記憶される共有リソース情報120(個別共有リソース情報122a)には、共有リソース識別情報123、ファミリアカウント情報124、及び文字コード情報127が記述されることになる。クライアント端末11,21の共有リソース情報データベース604に記憶される共有リソース情報120にも、同じ内容が記述される。
次に、クライアント端末21をユーザが操作してaddResourceメソッドを実行することによって、共有するリソースの実体を示すリソース情報(図8の符号126)を共有リソース情報120に加える処理が行われる。今回の説明では、クライアント端末21のリソース記憶部603に記憶されているリソースの実体の中から”日本語.txt”というファイルを選択し、これを他のクライアント端末11と共有させる旨を指定したとする。
この指定を受けたクライアント端末21は、最初にReadFileコマンドを実行して実体格納フォルダ21fにアクセスし、指定されたファイルが存在するか否かを確認する(シーケンス番号32)。次にクライアント端末21は、自身の共有リソース情報データベース604に登録された共有リソース情報120の文字コード情報127を参照し、仮に共有リソースの名称を実体ファイルの名称と同じ”日本語.txt”とした場合に、前記文字コード情報127で指定されている文字コードと合致するか否かを調べる。
今回の例では、文字コードとしてus−ascii(半角英数字のみ)が指定されているので、英数字以外の文字を含む”日本語.txt”という名称は、当該文字コードで表現することができない。そこで、クライアント端末21はユーザに、共有リソースの名称として半角英数字のみの名称を指定することを要求する。これに対し、ユーザは例えば”asciiname.txt”という名称を指定したとする。するとクライアント端末21はChangeFileNameメソッドを実行し、共有リソースの名称を、指定された名称”asciiname.txt”に変更する。
次に、クライアント端末21は、自身の共有リソース情報データベース604に記憶されている共有リソース情報120(個別共有リソース情報122a)に、リソース情報126を追加する。このリソース情報126には、上記のようにして決定された共有リソースの名称の情報(”asciiname.txt”)と、当該共有リソースの実体の位置の情報(”c:/document/日本語.txt”)と、が含まれている。
次に、クライアント端末21は、共有リソース追加要求(addResourceコマンド)を中継サーバR2に送信する(シーケンス番号33)。この共有リソース追加要求には、共有リソースの名称の情報と、当該共有リソースの実体の位置の情報と、が含まれている。この共有リソース追加要求を受信した中継サーバR2は、自身の共有リソース情報データベース506に記憶されている共有リソース情報120を更新し、”asciiname.txt”に関するリソース情報126を追加する。
そして中継サーバR2は、ユーザクライアント端末11が接続されている中継サーバR1にaddResourceメッセージを送信する(シーケンス番号33.1)。このメッセージを受け取った中継サーバR1は、中継サーバR2と同様に、自身の共有リソース情報データベース506に記憶されている共有リソース情報120を更新する。更に中継サーバR1は、自身の配下のユーザクライアント端末11に対してaddResourceコマンドを送信し、共有リソース情報120の追加を通知する(シーケンス番号33.1.1)。
addResourceコマンドを受信した各ユーザクライアント端末11は、自身の共有リソース情報データベース604に記憶されている共有リソース情報120の変更を行う。その後、送信元の中継サーバR1にOKレスポンスを返す。OKレスポンスを受信した中継サーバR1は中継サーバR2にOKレスポンスを返し、それを受信した中継サーバR2はクライアント端末21にOKレスポンスを返す。以上の処理により、”asciiname.txt”(実体のファイル名は”日本語.txt”)に関するリソース情報126(図8を参照)が共有リソース情報120に追加される。
次に、図13のシーケンス番号35〜35.2.1.1を参照して、登録した”asciiname.txt”をユーザクライアント端末11が開く処理について説明する。
クライアント端末11は、ファイルオープン要求(OpenFileコマンド)を中継サーバR1に送信する(シーケンス番号35)。このOpenFileコマンドには、オーナクライアント端末の指定(即ち、クライアント端末21)と、開きたい共有リソースの指定(”asciiname.txt”)が含まれている。なお、上述のとおりクライアント端末11のオペレーティングシステムは日本語を使用することはできないが、共有リソースの名称が半角英数字のみで構成されているため、文字化け等の表示の不具合もなく、共有リソースをスムーズに指定することができる。
前記OpenFileコマンドを受け取った中継サーバR1は、中継サーバR2に対して接続要求(INVITEメソッド)を送信する(シーケンス番号35.1)。接続要求を受信した中継サーバR2は、クライアント端末21に対しファイルオープン要求(OpenFile)を送信する(シーケンス番号35.1.1)。ファイルオープン要求を受信したクライアント端末21は、対象となるリソースの操作が可能であることを確認してOKレスポンスを中継サーバR2に返し、中継サーバR2は中継サーバR1へOKレスポンスを返す。
OKレスポンスを受信した中継サーバR1は中継サーバR2に対してMediaSessionコマンドを送信し、これにより中継サーバR1,R2間に通信経路が確立される(シーケンス番号35.2)。MediaSessionコマンドを受信した中継サーバR2は、クライアント端末21に対しMediaSessionコマンドを送信し、これにより中継サーバR2とクライアント端末21の間に通信経路が確立される(シーケンス番号35.2.1)。その後、クライアント端末21はReadFileコマンドを実行し(シーケンス番号35.2.1.1)、実体格納フォルダ21fから対象リソースを読み出して中継サーバR2に送信する。なお、読み出されるファイルの実体の名称は、前述のとおり”日本語.txt”である。対象リソースは中継サーバR2から中継サーバR1に転送され、更にクライアント端末11へ転送される。以上により、共有リソースの実体のデータがクライアント端末11に送信され、クライアント端末11は当該データをオープンする処理を行う。
次に、図14を参照して、クライアント端末21が実体を操作可能なファイル”在庫管理.xls”を、クライアント端末31と共有させる場合を例に説明する。このファイルは、前述の例で説明したファイル”日本語.txt”と同様に、クライアント端末21のリソース記憶部603に作成されたフォルダ”c:/document/”(実体格納フォルダ21f)に保存されている。
ユーザはクライアント端末31を操作し、クライアント端末21との間でリソースを共有する旨の指示を行う。これに対し、クライアント端末31は前回の説明と同様に、リソースを共有するときのリソース名称の文字コードをユーザに問い合わせる。今回の例では、クライアント端末31のオペレーティングシステムはクライアント端末21と同様に、シフトJISの文字コードを使用することができる。ユーザは上記の問合せに対し、以上の事情を考慮して、シフトJISの文字コード(Shift_JIS)を指定したとする。
すると、クライアント端末31は、共有リソースの作成要求(createSharedResourceコマンド)を中継サーバR3に送信する(図14のシーケンス番号34)。このメッセージには、指定されたクライアント端末21の情報、及び指定された前記文字コードの情報等が含まれている。以後の処理(シーケンス番号34〜34.1.1)は、図12のシーケンス番号31〜31.1.1と実質的に同様であるので、説明を省略する。以上により、中継サーバR3,R2の共有リソース情報データベース506に記憶される共有リソース情報120(個別共有リソース情報122b)には、共有リソース識別情報123、ファミリアカウント情報124、及び文字コード情報127が記述されることになる。クライアント端末31,21の共有リソース情報データベース604に記憶される共有リソース情報120にも、同じ内容が記述される。
次に、クライアント端末21をユーザが操作してaddResourceメソッドを実行することによって、リソース情報を共有リソース情報120に加える処理が行われる。今回の説明では、クライアント端末21のリソース記憶部603に記憶されているリソースの実体の中から”在庫管理.xls”というファイルを選択し、これを他のクライアント端末31と共有させる旨を指定したとする。また、ユーザは、当該ファイルを共有する際の名称として、実体のファイル名と同じ”在庫管理.xls”という名称を指定したとする。
この指定を受けたクライアント端末21は、最初にReadFileコマンドを実行して実体格納フォルダ21fにアクセスし、指定されたファイルが存在するか否かを確認する(シーケンス番号35)。次にクライアント端末21は、自身の共有リソース情報データベース604に登録された共有リソース情報120の文字コード情報127を参照し、仮に共有リソースの名称を”在庫管理.xls”とした場合に、前記文字コード情報127で指定されている文字コードと合致するか否かを調べる。
今回の例では、文字コードとしてシフトJISが指定されているので、”在庫管理.xls”という名称は当該文字コードにより表現することができる。そこで、クライアント端末21は、自身の共有リソース情報データベース604に記憶されている共有リソース情報120(個別共有リソース情報122a)に、リソース情報126を追加する。このリソース情報126には、指定された共有リソースの名称の情報(”在庫管理.xls”)と、当該共有リソースの実体の位置の情報(”c:/document/在庫管理.xls”)と、が含まれている。
次に、クライアント端末21は、共有リソース追加要求(addResourceコマンド)を中継サーバR2に送信する(シーケンス番号36)。この共有リソース追加要求には、共有リソースの名称の情報と、当該共有リソースの実体の位置の情報と、が含まれている。以後の処理(シーケンス番号36.1、36.1.1)は、図12のシーケンス番号33.1、33.1.1と実質的に同様であるので、説明を省略する。
以上により、クライアント端末31,21の共有リソース情報データベース604に記憶される共有リソース情報120には、”在庫管理.xls”という名称の共有リソースに係るリソース情報126が記述されることになる。中継サーバR3,R2の共有リソース情報データベース506に記憶される共有リソース情報120にも、同様のリソース情報126が記述される。こうして追加された共有リソースは、ユーザクライアント端末31が共有時のリソース名称(”在庫管理.xls”)を指定して開くことができる。このときの処理は図13で説明したものと実質的に同様であるので、説明を省略する。
次に、図15を参照して、クライアント端末5の動作の詳細について説明する。図15は、本実施形態の中継通信システムにおけるクライアント端末5の動作を示すフローチャートである。なお、図15に示すフローチャートは、実質的に、図12のクライアント端末21におけるシーケンス番号32以降の処理、及び、図14のクライアント端末21におけるシーケンス番号35以降の処理に相当している。
図15に示すように、クライアント端末5は共有リソースの追加指示が発行されるまで待機し(S101)、追加指示が出された場合は、追加したいリソースをユーザに問い合わせる(S102)。この問合せに対し、ユーザは共有したいリソース(実体ファイル)のパスを指定する。このとき、クライアント端末5は指定されたパスに実際にアクセスし、実体ファイルが実際にあるか否かを確認する。
次に、クライアント端末5は、指定したリソースを共有するときの名称を特に指定したいか否かをユーザに問い合わせる(S103)。この問合せに対し、名称を特に指定しない旨をユーザが選択した場合、クライアント端末5は、S102の処理で指定されたパスから共有リソース名を自動的に作成する(S104)。例えば、実体ファイルのパスが”c:/document/日本語.txt”であった場合、そこからフォルダ部分の記述を取り除いた”日本語.txt”を、共有リソースの名称として採用する。S103の問合せに対し、ユーザが名称を特に指定した場合は、S104の処理をスキップし、ユーザが指定した名称を共有リソース名として用いる。
次に、クライアント端末5は、上記のようにして決定された共有リソースの名称を、前記文字コード情報127で指定された文字コードで取り扱うことができるか否かを調べる(S105)。共有リソースの名称が文字コードに合致しない場合は、その名称の文字コードは利用できず、共有リソース名を指定し直す必要がある旨をユーザに通知する(S106)。その後、共有リソース名称の入力を待機し(S107)、入力されたら再びS105の判断に戻って、入力された共有リソース名称が前記文字コード情報127の文字コードに合致するか否かを再び検査する。
S105の判断で共有リソース名が文字コードに合致していた場合には、S102の処理でユーザが選択したリソースを、当該共有リソース名で共有リソース情報120に追加する(S108)。その後、共有リソース情報の更新コマンドを、自身を配下に有する中継サーバ1へ送信する(S109)。
以上に示すように、本実施形態の中継サーバ1は、中継グループ情報データベース505と、共有リソース情報データベース506と、制御部503と、を備える。中継グループ情報データベース505は、自身との間で相互に接続可能な他の中継サーバを含む中継グループの情報(中継グループ情報100)を記憶する。共有リソース情報データベース506は、前記中継グループ内において複数のクライアント端末5間でリソースを共有させる場合に、共有リソース情報120を記憶する。この共有リソース情報120は、当該リソースの情報であるファミリリソース情報125と、当該リソースに付与される名称で使用される文字コードの情報である文字コード情報127と、当該リソースを共有するクライアント端末であるリソース共有端末のアカウントの情報(ファミリアカウント情報124)と、を含む。前記制御部503は、文字コード情報管理部511と、指示中継部512と、を備える。そして、例えば図12に示すように、前記リソースに付与される名称の文字コードがクライアント端末11により指定されると、中継サーバR1の文字コード情報管理部511は、前記文字コード情報127を前記共有リソース情報120に記録する。また、図13に示すように、前記クライアント端末11がリソースを指定して操作を指示することにより、中継サーバR1の指示中継部512は、指定されたリソースの実体を操作可能なクライアント端末21を配下に有する中継サーバR2へ当該指示を中継する。
これにより、共有されたリソースを、クライアント端末5が中継サーバ1を介して間接的に操作することができる。また、共有するリソースに付与する名称の文字コードを文字コード情報127に基づいて管理できるので、リソース名の文字化け等を防止し、リソースの指定及び操作を容易かつ確実に行うことができる。
また、本実施形態の中継サーバ1は、前記共有リソース情報120において前記文字コード情報127を、前記リソース共有端末の構成が異なるグループごと(個別共有リソース情報122ごと)に記述できるように構成されている。
これにより、リソース共有端末の構成が異なるのに応じて文字コードを変更し、リソースの名称の文字コードを適切に管理することができる。
また、本実施形態において前記クライアント端末5は、自身が実体を操作できるリソースを複数のクライアント端末5間で共有する場合には、当該リソースに付与すべき名称の指定を、前記文字コード情報127で指定された前記文字コードに合致するものに限って受け付けるように構成されている(図15のS105)。
これにより、リソースの名称にクライアント端末が取り扱うことができない文字コードが用いられて、文字化け等の原因になることを未然に防止できる。
以上に本発明の好適な実施形態を説明したが、以上の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記実施形態ではSIPサーバである外部サーバ2を介して各中継サーバ1間での通信を行ったが、これに代えて、外部サーバ2を介さずに中継サーバ1間で直接通信する構成に変更することができる。
文字コードの指定は、us−ascii、Shift_JISに限定されず、例えばeuc−jp、UTF−8、UTF−16等を採用することができる。