JP4254454B2 - 分光器の波長補正方法及び分光光度計 - Google Patents

分光器の波長補正方法及び分光光度計 Download PDF

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Description

本発明は、特定波長を有する単色光を取り出すための分光器の波長誤差を補正する波長補正方法、及びそうした分光器を具備する分光光度計に関する。
紫外可視光分光光度計や原子吸光分光光度計等の分光光度計では、所定波長の単色光を得るために分光器(モノクロメータ)が用いられる。分光器の一般的な構成としては、回折格子(波長分散素子)と、入射光に対して該波長分散素子の角度を変えるための回転駆動機構とを含み、その回転駆動機構により回折格子を適宜回転させることによって、位置が固定された出口スリットを通して所望波長の単色光を取り出す。したがって、この単色光の波長精度は回折格子の角度精度に大きく依存しており、波長精度を高めるには、回折格子を微小ピッチで精度良く回転駆動できる回転駆動機構が必要となる。
従来、こうした回転駆動機構としてサインバー機構を利用したものが知られている。また、減速ギアの一種であるハーモニックドライブ(登録商標)機構を用いたものも提案されている。ハーモニックドライブ機構は大きな減速比が得られる優れた減速装置であるが、その構造の特徴上、周期性の誤差が発生することが避けられない。こうした周期性誤差は、そのまま分光光度計の波長精度の低下を招く。そのため、本出願人は、そうした誤差を補正する方法を特許文献1で従来より提案している。この文献に記載の補正方法では、ハーモニックドライブ機構による誤差形状を予め測定し、その形状を近似する式を作成しておく。そして、実際に多数の輝線スペクトルの波長を測定し、近似式に含まれるパラメータの組み合わせを変えて最も波長ずれが小さくなるようなパラメータを決定している。こうした補正によってハーモニックドライブ機構の周期性誤差はかなり解消される。
こうした補正を行う場合、輝線スペクトルの数つまり参照可能な波長の数が多いほど近似式の精度は向上するが、実際には輝線スペクトルの数は限られており、そのことが近似式の精度向上の妨げとなっている。また、特許文献1に記載のように、始めに精密なエンコーダ等を用いてハーモニックドライブ機構の周期性誤差を綿密に測定しその結果に基づいて近似式を作成する場合、製造工程上での調整等の作業が非常に煩雑で手間が掛かり、コストが増加する可能性がある。
こうした課題を解決するため、本出願人は特願2002-326284号において新規な波長補正方法を提案している。この波長補正方法について概略的に説明する。
ハーモニックドライブ機構は一般に、サーキュラスプレインと呼ばれる内歯車状の部品の歯に、フレクスプレインと呼ばれる楕円形に弾性変形した歯車の長軸の2箇所付近のみが噛合する、という構造を有する。そのため、ハーモニックドライブ機構の周期性誤差は1つの周期の中に高さの異なる山(正のピーク)が2つ存在するような波形となり、その周期に関連するパラメータは減速比等の構造に依存した値になると看做せる。この場合、ハーモニックドライブ機構の周期性誤差波形はその入力軸1回転分に相当する周期を有する関数と看做すことができ、これは該周期の1/2の周期性を有する関数の線形結合で表現することが可能である。具体的には、例えば補正式は、ハーモニックドライブ機構の構造に依存する周期性誤差の1周期の波形を1つ以上の周期関数、例えば正弦関数又は余弦関数の線形結合で表現したものとすることができる。
そこで、ハーモニックドライブ機構の出力である回転角度θに対し例えば次のような補正式を設定する。
θ’=θ+Δθ
Δθ=A・sin(C1・θ+θa)+B・sin(C2・θ+θb)+θc …(1)
ここで、C1、C2はハーモニックドライブ機構(ハーモニックギア)の構造により理論的に決まる係数であり、A、B、θa、θb、θcはいずれも輝線スペクトルの測定結果に基づいて、つまり実験的に決まる係数である。そこで、波長がそれぞれ異なる既知の輝線スペクトルを順次測定して回転角度θとθ’とを求め、上記補正式に適用して係数を決める。そして、その係数を含む補正式をメモリに格納しておき、実際の試料の測定に際しては、目的波長が設定されると、その補正式を適用して目的波長に対応する回転角度θを補正して実際の回転角度θ’を算出する。
θ及びθ’が与えられた状態で係数A、B、θa、θb、θcを算出するに際し、具体的な一方法として、非線形最小二乗法を用いたフィッティングを利用している。しかしながら、非線形最小二乗法では適切な初期値を与えないと発散してしまう場合がある。そのため、適切な初期値を見つけるためにオペレータが試行錯誤的に初期値を与えるという面倒な作業が必要である。
特開平01-221627号公報(第3頁右上欄第10行〜同頁右下欄第2行)
本発明はこうした課題を解決するために成されたものであり、その主な目的は、回転減速機構にハーモニックドライブを用いた分光器において、製造、組立及び調整のコストの増加を抑えつつ、ハーモニックドライブの周期性誤差を充分に補正し、高い波長精度での単色光の取り出しを行うことができる分光器の波長補正方法を提供することにある。また他の目的とするところは、波長補正に関する調整作業を簡略化し、ひいてはコストの低減に寄与する分光器の波長補正方法を提供することにある。
上記課題を解決するために成された第1発明は、モータと、該モータの回転を減速するハーモニックドライブ機構による減速手段と、該減速手段で減速された回転駆動力により駆動される波長分散素子と、を備える分光器により取り出される単色光の波長を補正するための波長補正方法であって、前記減速手段の周期性誤差波形を、該減速手段の入力軸側1回転分に相当する周期の1/n(nは減速手段の構造に依存する自然数)の周期性を有する2つ以上の周期関数の線形結合で表現した近似的な補正式を、フーリエ展開するとともに前記ハーモニックドライブ機構の構造により決まる2個の係数のうちの一方が他方の整数倍であることを考慮して変形補正式を設定し、既知波長の輝線スペクトルの測定結果に基づいて前記変形補正式の中の未知の係数をフーリエ積分法を適用して算出し、前記係数を含む変形補正式、又は前記係数を元の補正式中の係数に変換することにより得た係数を含む補正式を記憶しておき、実際の測定に際し目的波長が設定されたとき、前記変形補正式又は補正式を適用して該目的波長に対応する回転角度を補正し、該補正された回転角度を得るように前記モータを制御することで波長を補正することを特徴としている
また第発明は、上記第1発明に係る波長補正方法を適用した分光器を備える分光光度計であって、モータと、該モータの回転を減速するハーモニックドライブ機構による減速手段と、該減速手段で減速された回転駆動力により駆動される波長分散素子と、を含む分光器を具備する分光光度計において、a)前記減速手段の周期性誤差波形を、該減速手段の入力軸側1回転分に相当する周期の1/n(nは減速手段の構造に依存する自然数)の周期性を有する2つ以上の周期関数の線形結合で表現した近似的な補正式を、フーリエ展開するとともに前記ハーモニックドライブ機構の構造により決まる2個の係数のうちの一方が他方の整数倍であることを考慮して求めた変形補正式を記憶しておく記憶手段と、b)既知波長の輝線スペクトルの測定結果に基づいて前記変形補正式の中の未知の係数をフーリエ積分法を適用して算出し、これを記憶しておく係数取得手段と、c)実際の測定に際し目的波長が設定されたとき、前記変形補正式を適用して該目的波長に対応する回転角度を補正し、該補正された回転角度を得るように前記モータを制御する制御手段と、を備えることを特徴としている
発明の実施の形態、及び効果
第1、第2発明において、1つ以上の周期関数の線形結合で表現した近似的な補正式とは例えば上述した(1)式の補正式である。この補正式では周期関数(正弦波関数)の中に係数θa、θbが含まれる。そこで、周期関数中の係数を関数の外側に出すため、補正式をフーリエ級数に展開する。フーリエ展開により数学的には無限大に項が続くが、実用的には適宜の項で打ち切ることができる。例えば、(1)式中の誤差成分Δθを2次項までのフーリエ級数で表現すると、次の(2)式となる。
Δθ=(a0/2)+a1・cos(C1θ)+a2・cos(C2θ)+b1・sin(C1θ)+b2・sin(C2θ) …(2)
この(2)式では、a0、a1、a2、b1、b2が未知の係数であり、これらは周期関数である正弦関数及び余弦関数の外側に出ている。したがって、この(2)式を変形補正式とし、多変数線形最小二乗法を適用して各係数を求めることができる。線形最小二乗法では非線形最小二乗法と異なり、初期値は不要である。
記(2)式中では減速手段であるハーモニックギアに依存する係数がC1、C2の2個存在するが、多くのハーモニックギアではC2はC1の整数倍に設定されている。その場合には、C2=nC1(但しnは整数)と書くことでき、(2)式は次の(3)式に書き換えることができる。
Δθ=(a0/2)+a1・cos(C1θ)+a2・cos(nC1θ)+b1・sin(C1θ)+b2・sin(nC1θ) …(3)
第1、第2発明ではこの(3)式によ、未知の係数を線形最小二乗法の代わりにフーリエ積分法によって求めるその場合にも試行錯誤的な初期値の設定は不要になる。
このように第1発明に係る分光器の波長補正方法及び第発明に係る分光光度計によれば、ハーモニックドライブ機構に特有の周期性誤差を軽減することができるので、分光器から取り出す単色光の波長精度を向上させることができる。また、補正式を作成する際にハーモニックドライブ機構の実際の周期性誤差の形状を綿密に測定する必要がなく、しかも、補正式に含まれる係数を算出する際に、オペレータが試行錯誤的に初期値を与える必要がなく、一連の演算処理を自動的に行うことができる。それによって、係数を含む補正式の決定作業を省力化でき、コストの低減にも貢献する。
以下、本発明に係る分光器の波長補正方法、及びその分光器を用いた分光光度計の一例について説明する。図1は本実施例の波長補正方法を適用して波長補正を行う分光器を備える分光光度計の概略構成図である。
図1において、光源1から発せられた光は幅広い又は多数の波長を含む光であり、分光器2においてそのうちの1つの波長が選択されて単色光として取り出される。分光器2は、所定角度範囲で回転する回折格子21と、回転駆動源であるモータ(例えばパルスモータ)23と、そのモータ軸の回転を所定の減速比で減速させて回折格子21を回転駆動する、ハーモニックドライブによる減速機構22とを含む。分光器2で取り出された単色光は試料3に照射され、試料3で反射した又は試料3を透過した光が光検出器4に導入されて、その光強度に応じた検出信号が出力される。この検出信号は処理・制御部6に入力され、ここで所定の演算処理が行われることによって吸光度や反射率等が計算される。
処理・制御部6は上記のような信号の演算処理機能の他に分光器制御部61を含み、分光器制御部61は与えられた目標波長に基づいて後述のような所定の処理を行い、その結果によりモータ駆動部5を介してモータ23を制御する。こうした処理を行うために、分光器制御部61は回転角補正処理部62、波長/回転角変換部63及び補正式記憶部64を機能として含む。
上記構成において、波長分散素子である回折格子21の回転駆動機構の伝達誤差を補正し、ひいてはこの誤差に起因する波長誤差を解消する原理について説明する。
分光器2で取り出したい単色光の波長値をモータ23の出力側の回転角θに変換するための理論式は、次のようになる。
θ=sin-1〔mλ/(2d・cosK)〕 …(4)
ここで、mは使用する回折光の次数、dは回折格子の格子溝間隔(nm)、Kは分光器偏角(回折格子の入射光と出射光との成す角)の1/2(rad)を表す。分光器制御部61は、基本的な動作として、回折格子21で設定すべき目標波長λに関する指令を受けると、上記(4)式に基づいてモータ23の回転角θを求め、更にその回転角θをモータ制御のためのパルス数に換算して該数のパルスをモータ23へと送出する。(4)式の逆関係は、
λ=(2d・cosK/m)・sinθ
である。dやKが製造・組立工程時の誤差等によってばらついた場合、取り出される単色光の波長は(2d・cosK/m)の変化に伴って一次的に変化する。モータ23の回転角のオフセット量も考慮し、分光器制御部61は与えられた目標波長λに対して、次の(5)式による一次変換を施す。
λ’=a・λ+b …(5)
以降、λに代えてこのλ'を用い(4)式によるλ→θ換算を行えば、上記のようなd、Kの誤差に起因する波長の不正確さは除去される。なお、(5)式における係数a、bは、波長が既知である輝線スペクトルの測定結果から直線回帰に基づいて決定することができる。
しかしながら、この段階では、未だ減速機構22におけるハーモニックドライブ特有の周期性誤差に伴う不正確さは残存する。そこで、本実施例では、ハーモニックドライブの周期性誤差を補正するための補正式を別途用いる。補正式のモデルは次のようにして求める。図2はハーモニックドライブギアの周期性誤差の実際の測定結果の一例である。図2において、横軸はギア出力軸の実際の回転角度、縦軸は実際の回転角度と理想的な(つまり誤差が全く存在しない場合)回転角度との差を表す。これは減速比が1/100のギアの測定例であり、入力軸1回転つまり出力軸1/100回転(=3.6deg)で1つの周期を成す周期関数とみることができ、1つの周期の中に高さの異なる2つの山が存在している。これは、ハーモニックドライブギアの原理から考えて、充分に説明がつく現象である。
図2から、この周期性誤差はギアが如何なる回転状態であっても存在することが分かる。すなわち、この周期性誤差は、ハーモニックドライブの入力軸1回転分に相当する周期の1/2の周期性を有する関数の線形結合によって表現できる。ここでは、この周期性関数として正弦関数を用いることとする(余弦関数で表現してもよい)。すなわち、(4)式により得られた回転角θに対し、上記周期性誤差を補正するための補正式として上述した(1)式をたてることができる。すなわち、
θ’=θ+Δθ
Δθ=A・sin(C1・θ+θa)+B・sin(C2θ+θb)+θc …(1)
である。上述したように、C1、C2は減速機構22の減速比から決まる既知の係数であり、A、B、θa、θb、θcは減速機構毎(つまり分光器毎又は分光光度計毎)に相違する装置固有の係数である。(1)式の右辺第2項、第3項及び第4項がギアの周期性誤差成分を表している。C1及びC2は周期に関係するパラメータであって、例えば減速比が1/100であるハーモニックドライブギアの場合には、C1及びC2の値はそれぞれ200及び100となる。
(1)式においてC1及びC2はギアの種類が決まりさえすれば個体差には依存しない係数であるが、係数A、B、θa、θb、θcは実測値から推測しなければならない未知のパラメータであり、各分光光度計毎に求める必要がある。(5)式中の補正係数a、bを決定するために測定した既知波長の輝線スペクトルの結果を基に、上記補正式の係数群を求めることが可能である。しかしながら、誤差Δθを実測した上で非線形最小二乗法によって未知係数を決定する方法では、適切な初期値を与えないと収束しない。そこで、ここでは、以下のような手順で波長補正の式を確定する。
すなわち、多変数線形最小二乗法を適用可能とするためには、変数として求める対象である係数A、B、θa、θb、θcが周期関数に含まれないようにする必要がある。ここではフーリエ展開法により(1)式を変形する。フーリエ展開を行うと数学的には項が無限に続くが、実用的には適宜に項を打ち切っても支障がない。そこで、2次項までで打ち切るものとすると、既に述べた(2)式が求まる。
Δθ=(a0/2)+a1・cos(C1θ)+a2・cos(C2θ)+b1・sin(C1θ)+b2・sin(C2θ) …(2)
この式では、a0、a1、a2、b1、b2が未知係数であり、これらはいずれも周期関数の外側に出ている。ここで、(1)式と(2)式の未知係数の間には次のような関係がある。
A=(a1 2+b1 21/2
B=(a2 2+b2 21/2
θa=arctan(b1/a1
θb=arctan(b2/a2
θc=a0/2
したがって、一方の未知係数を求めれば他方の係数も容易に計算できることになる。
こうして求めた変形補正式を完成するために、既知波長の多数の輝線スペクトルの測定結果を基に多変数線形最小二乗法のフィッティング手法を用いて未知係数a0、a1、a2、b1、b2を算出する。線形最小二乗法は一般に知られている各種のアルゴリズムに従って計算を行えばよく、初期値は不要である。輝線スペクトルの数が多いほどフィッティングは良好に行え、係数の精度は高くなる。こうして求められた係数を変形補正式に導入することで式が完成する。
また、ハーモニックギアではC2がC1の整数倍になっていることが多く、その場合、上述したように(2)式は(3)式で表すことができる。
Δθ=(a0/2)+a1・cos(C1θ)+a2・cos(nC1θ)+b1・sin(C1θ)+b2・sin(nC1θ) …(3)
この(3)式によれば、線形最小二乗法の代わりにフーリエ積分法によって未知係数を求めるようにすることができる。この場合でも初期値は適宜に定めればよく、計算を自動的に行うことが可能である。
図1に示した構成の分光光度計では、補正式記憶部64に上記のような手法で計算された係数を含む変形補正式を格納する。例えば、本分光光度計の工場出荷前の調整工程において、オペレータが所定の指令を与えると、処理・制御部6が外部のコンピュータと連動して自動的に調整を実行する。すなわち、複数の輝線スペクトルを含む光源1を点灯させ、各輝線に対する測定を試験的に実行する。その測定結果を受けた外部のコンピュータでは上述したように変形補正式の係数を計算し、これら係数を含む変形補正式を補正式記憶部64に書き込む。なお、こうした変形補正式が後で書き換えられるということがない場合には、変形補正式を構成するデータを書換え不可能なメモリに格納すればよい。一方、後で係数を書き換える可能性がある場合には書換え可能なメモリを利用すればよい。
この分光光度計で実際の測定を行う際には、処理・制御部6により目標波長が設定されると、波長/回転角変換部63は、その目標波長に対し(5)式に基づく補正を行った後に(4)式に基づいて回転角θへの変換を実行する。その後に、回転角補正処理部62は補正式記憶部64に格納されている変形補正式を読み出し、(2)式に基づいて回転角θを補正してθ’を得る。分光器制御部61には回転角とモータ23に与えるパルス数との対応関係を示す換算テーブルが予め用意されており、このテーブルを参照して回転角θ’からパルス数を算出する。そして、算出されたパルス数分のパルス信号をモータ駆動部5を介してモータ23へと送出する。これによりモータ23は回転し、減速機構22により減速されて回折格子21は回動する。このようにして、回折格子21は目標波長を有する単色光が取り出されるような角度に正確に設定される。
上記のような減速機構22の周期性誤差について、その機構部品の経時変化(摩耗など)による影響は無視できる程度であると考えられる。したがって、ハーモニックドライブギアの交換等を行わない限り上記周期性誤差の再現性は高く、一旦作成した補正式を継続して利用することができる。すなわち、例えば、この分光光度計を製造工場で組み立て調整する工程において、複数の輝線スペクトルに対する測定を試験的に実行してその測定結果を利用して補正式の係数を求めて記憶させておけば、これを購入したユーザ自身は特にそうした調整を行う必要はない。また、ギアの交換などの修理を行ったときには再び係数を求め直す必要があるが、通常、メーカの保守担当者等に修理を依頼するため、やはりユーザ自身が調整を行わなくてもよい。
なお、上記実施例は一例であって、本発明の趣旨の範囲で適宜変形や修正を行なえることは明らかである。
本発明の一実施例による分光光度計の要部の構成図。 ハーモニックドライブギアの周期性誤差の実際の測定例を示す図。
符号の説明
1…光源
2…分光器
21…回折格子
22…減速機構
23…モータ
4…光検出器
5…モータ駆動部
6…処理・制御部
61…分光器制御部
62…回転角補正処理部
63…波長/回転角変換部
64…補正式記憶部

Claims (2)

  1. モータと、該モータの回転を減速するハーモニックドライブ機構による減速手段と、該減速手段で減速された回転駆動力により駆動される波長分散素子と、を備える分光器により取り出される単色光の波長を補正するための波長補正方法であって、
    前記減速手段の周期性誤差波形を、該減速手段の入力軸側1回転分に相当する周期の1/n(nは減速手段の構造に依存する自然数)の周期性を有する2つ以上の周期関数の線形結合で表現した近似的な補正式を、フーリエ展開するとともに前記ハーモニックドライブ機構の構造により決まる2個の係数のうちの一方が他方の整数倍であることを考慮して変形補正式を設定し、
    既知波長の輝線スペクトルの測定結果に基づいて前記変形補正式の中の未知の係数をフーリエ積分法を適用して算出し、
    前記係数を含む変形補正式、又は前記係数を元の補正式中の係数に変換することにより得た係数を含む補正式を記憶しておき、
    実際の測定に際し目的波長が設定されたとき、前記変形補正式又は補正式を適用して該目的波長に対応する回転角度を補正し、該補正された回転角度を得るように前記モータを制御することで波長を補正することを特徴とする分光器の波長補正方法。
  2. モータと、該モータの回転を減速するハーモニックドライブ機構による減速手段と、該減速手段で減速された回転駆動力により駆動される波長分散素子と、を含む分光器を具備する分光光度計において、
    a)前記減速手段の周期性誤差波形を、該減速手段の入力軸側1回転分に相当する周期の1/n(nは減速手段の構造に依存する自然数)の周期性を有する2つ以上の周期関数の線形結合で表現した近似的な補正式を、フーリエ展開するとともに前記ハーモニックドライブ機構の構造により決まる2個の係数のうちの一方が他方の整数倍であることを考慮して求めた変形補正式を記憶しておく記憶手段と、
    b)既知波長の輝線スペクトルの測定結果に基づいて前記変形補正式の中の未知の係数をフーリエ積分法を適用して算出し、これを記憶しておく係数取得手段と、
    c)実際の測定に際し目的波長が設定されたとき、前記変形補正式を適用して該目的波長に対応する回転角度を補正し、該補正された回転角度を得るように前記モータを制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする分光光度計。
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