JP4254004B2 - 外部循環流動層ボイラにおける砂循環量推定方法及び装置並びに推定に基づく制御方法及び装置 - Google Patents
外部循環流動層ボイラにおける砂循環量推定方法及び装置並びに推定に基づく制御方法及び装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は都市ごみや産業廃棄物等の焼却処理、あるいは、RDF(ごみ固形化燃料)等の燃料の燃焼に際して発生する燃焼熱を回収するために用いる外部循環流動層ボイラにおける砂循環量推定方法及び装置並びに推定に基づく制御方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
外部循環流動層ボイラは、図7にその一例の概略を示す如く、蒸気ドラム2と接続された多数の水冷壁管3により火炉1の全体を構成し、該火炉1内の下部位置に一次燃焼室4を、又、その上方部に二次燃焼室5をそれぞれ設け、一次燃焼室4内には、一次空気管6に接続した空気分散管7を底部に配置して、流動媒体としての砂を充填して流動層を形成させ、一次空気管6を通して供給した一次空気を上記空気分散管7で分散させて該流動層を流動化させるようにし、一方、二次燃焼室5には、二次空気を導入するための二次空気管8を接続し、燃料バンカ9から供給された廃棄物や燃料を一次空気と二次空気とによって燃焼させるようにし、このとき発生した燃焼熱を、上記水冷壁管3部にて熱交換することにより回収するようにしてある。
【0003】
又、上記火炉1の外部に、ホットサイクロンの如き砂分離器10を設置して、該砂分離器10の上部と火炉1の頂部とを連通させ、且つ砂分離器10の下端部と一次燃焼室4とを砂循環用ダクト11にて連通させると共に、該砂循環用ダクト11の途中に、流動化空気管12に接続した空気分散管13の上部に蒸気管14を配してなる流動層型外部熱交換器(最終過熱器)15を設置して、火炉1内で吹き上げられた砂を、砂分離器10で分離捕集して砂循環用ダクト11を通し外部熱交換器15を経由させてから、一次燃焼室4の流動層へ戻すようにして循環させるようにすると共に、上記外部熱交換器15で定格温度の蒸気を得て熱回収を行うようにし、更に、上記砂分離器10で砂を分離した後の燃焼排ガスは、砂分離器10の頂部に接続された排ガスダクト16を通して、過熱器17や節炭器18、空気予熱器19等の各熱交換器を備えている後部伝熱部20へ導くようにしてある。
【0004】
なお、21は一次空気発生用の一次送風機、22は一次空気流量調整ダンパ、23は流動化空気発生用の流動化ファン、24は流動化空気流量調整ダンパ、25は外部熱交換器15の蒸気管14の入口部に接続した蒸気温度低減化用給水管、26は火炉1の底部から不燃物と共に排出されて不燃物が分離除去された後の砂を火炉1内へ戻すようにする砂投入バンカを示す。
【0005】
上記外部循環流動層ボイラの燃焼プロセスにおいて、砂の循環は最重要項目である。これは、砂循環量が安定化することで、炉内燃焼プロセスを安定化することができ且つ外部熱交換器15の出口蒸気温度を定格温度(たとえば、540℃)に安定化できるからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、火炉1内及び外部熱交換器15を含む砂循環系内は非常に高温(通常900℃の砂が流動している)のため、砂の流量を直接計測する方法がなく、したがって、砂循環量の計測が不可能であり、そのため、これまでは、砂循環量を自動制御することができなかった。又、砂の循環量は、基本的に一次空気流量と砂の粒度によって決まるため、従来では、運転員が設計計画値を頼りに運転を行っていたが、砂の粒度は図8の線aの如く、炉内燃焼状況や運転時間によって変化することが知られており、特に、熱応力が激しい場合には線bの如く変化するため、設計計画値にしたがった一次空気量では砂循環量を安定化させることはできず、したがって、従来では、蒸気温度を定格温度以下にしないように、外部熱交換器15に対して必要以上の砂を循環させるような運転が行われていた。
【0007】
そこで、本発明は、系内の砂循環量を安定化させることにより、炉内燃焼プロセスを安定化させ且つ外部熱交換器の出口蒸気温度を安定化させることを目的として、砂循環量を推定できるようにし、且つ砂循環量を制御できるようにしようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、火炉の下部位置に、一次空気の供給により砂を流動化させる流動層を形成するようにした一次燃焼室を設け、又、上記火炉の外部に、砂分離器を上部に備えた砂循環用ダクトを設けて、該砂分離器と火炉の頂部とを連通させると共に該砂循環用ダクトの下端を上記一次燃焼室に連通させ、且つ上記砂循環用ダクトの途中に、流動化空気の供給により砂を流動化させるようにした外部熱交換器を設置し、上記流動層から吹き上げられた砂を、火炉の頂部から取り出して砂分離器で分離捕集した後、上記砂循環用ダクトを通し外部熱交換器を経由させてから一次燃焼室へ戻すようにしてある砂循環系を有する外部循環流動層ボイラにおける上記外部熱交換器の砂入口、砂出口の圧力分布、温度分布及び上記外部熱交換器出口の蒸気温度、蒸気温度低減化用の給水量によって決まる外部熱交換器内砂循環量の程度を多数のモデルとして予め求めておき、運転時に、外部熱交換器の砂入口、砂出口の圧力分布、温度分布及び外部熱交換器出口の蒸気温度、蒸気温度低減化用の給水量を計測し、該計測値を上記モデルと照合して外部熱交換器内砂循環量を推定する外部循環流動層ボイラにおける砂循環量推定方法及び装置とする。
【0010】
外部熱交換器の砂入口、砂出口の圧力分布、温度分布及び外部熱交換器出口の蒸気温度、蒸気温度低減化用の給水量を計測し、該計測値を砂循環量のモデルと照合することにより、外部熱交換器内砂循環量を推定することができる。
【0011】
更に、火炉の下部位置に、一次空気の供給により砂を流動化させる流動層を形成するようにした一次燃焼室を設け、又、上記火炉の外部に、砂分離器を上部に備えた砂循環用ダクトを設けて、該砂分離器と火炉の頂部とを連通させると共に該砂循環用ダクトの下端を上記一次燃焼室に連通させ、且つ上記砂循環用ダクトの途中に、流動化空気の供給により砂を流動化させるようにした外部熱交換器を設置し、上記流動層から吹き上げられた砂を、火炉の頂部から取り出して砂分離器で分離捕集した後、上記砂循環用ダクトを通し外部熱交換器を経由させてから一次燃焼室へ戻すようにしてある砂循環系を有する外部循環流動層ボイラにおける上記火炉内の上下方向の圧力分布及び温度分布によって決まる炉内砂循環量の程度を多数のモデルとして予め求めておくと共に、上記外部熱交換器の砂入口、砂出口の圧力分布、温度分布及び上記外部熱交換器出口の蒸気温度、蒸気温度低減化用の給水量によって決まる外部熱交換器内砂循環量の程度を多数のモデルとして予め求めておき、運転時に、炉内の上下方向の圧力分布及び温度分布を計測し、該計測値を上記炉内砂循環量のモデルと照合して炉内の砂循環量を推定し、更に、外部熱交換器の砂入口、砂出口の圧力分布、温度分布及び外部熱交換器出口の蒸気温度、蒸気温度低減化用の給水量を計測し、該計測値を上記外部熱交換器内砂循環量のモデルと照合して外部熱交換器内の砂循環量を推定し、しかる後、上記両推定値を基に、火炉への一次空気量、外部熱交換器への流動化空気量を制御して砂循環系内の砂循環量を制御する外部循環流動層ボイラにおける砂循環量制御方法及び装置とすることにより、炉内砂循環量推定値と外部熱交換器内砂循環量推定値とを基に一次空気量と流動化空気量を制御して系内の砂循環量を過不足がない状態に維持させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0013】
図1は本発明の実施の一形態を示すもので、図7に示したと同様に、火炉1の下部位置に、一次送風機21の駆動で供給される一次空気により砂を流動化させる流動層を形成するようにした一次燃焼室4を設け、又、上記火炉1の外部に、上部に砂分離器10を備えた砂循環用ダクト11を設けて、該砂分離器10と火炉1の頂部とを連通接続すると共に砂循環用ダクト11の下端を一次燃焼室4に連通接続し、且つ上記砂循環用ダクト11の途中に、流動化ファン23の駆動により供給される流動化空気によって砂を流動化させるようにした外部熱交換器15を設置し、上記流動層から吹き上げられた砂を、火炉1の頂部から取り出して砂分離器10で分離捕集した後、上記砂循環用ダクト11を通し外部熱交換器15を経由させてから一次燃焼室4へ戻して循環させるようにしてある砂循環系を有する外部循環流動層ボイラにおいて、上記火炉1の上下方向各部(たとえば、10個所)に、圧力検出器27及び温度検出器28を所要間隔を隔てて設置し、且つ該各圧力検出器27及び温度検出器28にて計測した火炉1内の上下方向の温度分布及び圧力分布と、予め求めておいた火炉1内の上下方向の温度分布及び圧力分布に基づく炉内砂循環量の各種モデルとを照合して炉内砂循環量の推定値Sを算出するようにした炉内砂循環量推定器29を備える。
【0014】
又、外部熱交換器15の砂入口と砂出口の部分に、圧力検出器30a及び温度検出器31aと圧力検出器30b及び温度検出器31bとをそれぞれ設置すると共に、外部熱交換器15の蒸気管14の出口部に蒸気温度計32を、又、蒸気管14の入口側の給水管25に水量計33をそれぞれ設け、且つ上記圧力検出器30a,30b及び温度検出器31a,31b、蒸気温度計32、水量計33による計測値と、予め求めておいた外部熱交換器15の温度分布及び圧力分布、蒸気管14出口部の蒸気温度、蒸気管14への蒸気温度低減化用給水量に基づく外部熱交換器内砂循環量の各種モデルとを照合して外部熱交換器内砂循環量の推定値S´を算出するようにした外部熱交換器内砂循環量推定器29´を備える。
【0015】
更に、上記炉内砂循環量推定器29と外部熱交換器内砂循環量推定器29´の出力に基づいて一次空気管6の流量調整ダンパ22や流動化空気管12の流量調整ダンパ24へ制御指令C1やC2を送ったり、砂投入バンカ26からの砂投入量の制御指令C3を出力するようにした砂循環量制御器34を設ける。
【0016】
上記炉内砂循環量推定器29は、図2に詳細を示す如き構成としてある。すなわち、予め実験又は理論データを用いて火炉1内の圧力分布や温度分布で決まる砂循環量の程度(具体的には0〜1の正規化範囲で数値化したもの、あるいは、物理量)を多数のモデル1〜Mとして蓄積させるようにしてあるデータベース36と、該各モデル1〜Mと各圧力検出器27により求められた炉内圧力分布や各温度検出器28により求められた炉内温度分布である現状プロセス状態(正規化ブロック37にて正規化されたデータX1〜XN)との適合度(似ている度合)A1〜AMを計算するようにしたデータ比較評価ブロック38と、該データ比較評価ブロック38で計算された適合度A1〜AMと上記データベース36から出力された各モデル1〜Mに対応する砂循環量B1〜BMとを加重平均して評価を行うことで現状プロセスの炉内砂循環量推定値Sを算出(合成)するようにした評価結果合成ブロック39と、該炉内砂循環量推定値Sを逆正規化してモニター35に表示させるようにした逆正規化ブロック40とを備えた構成としてある。なお、上記データベース36では、運転毎の実データを基に旧データを更新・修正して(場合によっては自動学習して)精度の高いモデルにするようにしてある。
【0017】
又、上記外部熱交換器内砂循環量推定器29´は、現状プロセスとして圧力検出器30a,30b及び温度検出器31a,31b、蒸気温度計32、水量計33の計測値を用いる他は上記炉内砂循環量推定器29と同様なブロック構成としてあり、図3に示す如く、炉内砂循環量推定器29と対応する部分の符号にダッシュを付して示してある。
【0018】
上記データベース36や36´に蓄積させる砂循環量のモデルとしては、物理的な例を示すと、表1、表2、表3、表4、表5に示す如くである。なお、表1、表2は火炉1の部分について、表3、表4、表5は外部熱交換器15の部分について示している。
【0019】
又、表1の状態を具体的な圧力分布として対応させて示すと図4(イ)(ロ)(ハ)(二)(ホ)の如くであり、表2の状態を具体的な温度分布として対応させて示すと図5(イ)(ロ)(ハ)(二)(ホ)の如くである。
【0020】
更に、上記砂循環量制御器34は、図6に詳細を示す如き構成としてある。すなわち、炉内砂循環量推定値Sと砂循環量目標値S0とを比較する比較ブロック41と、外部熱交換器内砂循環量推定値S´と砂循環量目標値S0とを比較する比較ブロック42と、両比較ブロック41,42からの信号を基に流量調整ダンパ22や24へPID制御の単ループで制御指令C1やC2を送る空気量補正演算ブロック43と、上記推定値SとS´のバランスを評価する砂循環量評価ブロック44と、上記制御指令C1とC2を基に空気量のバランスを評価する空気量評価ブロック45と、これら2つのブロック44と45の結果を基に砂循環量と空気量のバランスを判定してアンバランスが過大のときに比較的応答の遅い上記PID制御の空気量補正演算ブロック43に直接補正値を加重すること並びに、空気量を増やしてもそれ以上砂循環量が増えない、又は、空気量を減らしても、それ以上砂循環量が減らない等、空気量補正演算ブロック43の制御が飽和した場合に、補正ブロック46を介して目標砂循環量を補正することで速かにアンバランスを解決させるようにする系内砂量バランス評価ブロック47とを有し、且つ上記制御指令C1やC2によって空気量を増やしても砂循環量が増えないときに、上記系内砂量バランス評価ブロック47から砂投入バンカ26へ砂量追加補正指令C3を出力するようにしてある。
【0021】
外部循環流動層ボイラの運転時に、各圧力検出器27による圧力計測値と各温度検出器28による温度計測値が炉内砂循環量推定器29に入力されると、該炉内砂循環量推定器29では、火炉1内の上下方向の圧力分布及び温度分布と、炉内砂循環量の各種モデルとが照合されることにより、炉内砂循環量が推定される。すなわち、図2に示す如く、正規化ブロック37にて正規化された火炉1における現状プロセス状態のデータX1〜XNとデータベース36に蓄積されている各モデル1〜Mとの適合度A1〜AMがデータ比較評価ブロック38にて計算され、次に、この適合度A1〜AMと各モデル1〜Mに対応する砂循環量B1〜BMとが評価結果合成ブロック39で評価されることにより、炉内砂循環量推定値Sが算出される。
【0022】
又、圧力検出器30a,30b、温度検出器31a,31b、蒸気温度計32、水量計33による各計測値が外部熱交換器内砂循環量推定器29´に入力されると、該外部熱交換器内砂循環推定器29´では、外部熱交換器15の砂入口、砂出口の圧力分布、温度分布及び外部熱交換器15出口の蒸気温度、蒸気温度低減化用給水量と、外部熱交換器内砂循環量の各種モデルとが照合されることにより、外部熱交換器内砂循環量が推定される。すなわち、図3に示す如く、正規化ブロック37´にて正規化された最終過熱器15における現状プロセス状態のデータX1〜XNとデータベース36´に蓄積されている各モデル1〜Mとの適合度A1〜AMがデータ比較評価ブロック38´にて計算され、次に、この適合度A1〜AMと各モデル1〜Mに対応する砂循環量B1〜BMとが評価結果合成ブロック39´で評価されることにより、外部熱交換器内砂循環量推定値S´が算出される。
【0023】
更に、上述したように炉内砂循環量推定値Sと外部熱交換器内砂循環量推定値S´とが求められると、これら推定値S,S´が砂循環量制御器34に入力され、推定値S,S´を基に火炉1への一次空気量と外部熱交換器15への流動化空気量が制御されることにより、砂循環系内の砂循環量が制御される。
【0024】
詳述すると、図6に示す如く、砂循環量制御器34では、炉内砂循環量推定値Sと砂循環量目標値S0とが比較ブロック41で比較されることによりその差が求められると共に、外部熱交換器内砂循環量推定値S´と砂循環量目標値S0とが比較ブロック42で比較されることによりその差が求められ、次に、これら比較ブロック41,42からの信号が空気量補正演算ブロック43に入れられ、上記差に基づくPID制御の単ループで火炉1への一次空気量を調整する流量調整ダンパ22と、外部熱交換器15への流動化空気量を調整する流量調整ダンパ24へ制御指令C1とC2が送られる。これにより、炉内砂循環量と外部熱交換器内砂循環量が制御される。又、この際、上記推定値SとS´のバランスが砂循環量評価ブロック44で評価されると共に、制御指令C1とC2を基に空気量のバランスが空気量評価ブロック47で評価され、次いで、これら2つのブロック44,45での評価結果を基に系内砂量バランス評価ブロック47で砂循環量と空気量のバランスが判定され、アンバランスが過大のときには、補正ブロック46に指令が与えられて砂循環量目標値S0が変更されること並びに上記空気量補正演算ブロック43でのPID制御に直接補正値が加重されることでアンバランスが速やかに補正される。更に、上記制御指令C1やC2によって空気量が増大させられても砂循環量が増えないときには、系内砂量バランス評価ブロック47にて、系内の砂量が全体的に少なくなったと判断され、砂投入バンカ26へ砂量追加補正指令C3が出力されることで、系内の砂量が速やかに増やされる。
【0025】
上記のようにして、砂の循環量を安定化させることができるので炉内燃焼プロセスを安定化させることができ、且つ外部熱交換器15の出口蒸気温度を安定化させることができる。
【0026】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明によれば、火炉の下部位置に、一次空気の供給により砂を流動化させる流動層を形成するようにした一次燃焼室を設け、又、上記火炉の外部に、砂分離器を上部に備えた砂循環用ダクトを設けて、該砂分離器と火炉の頂部とを連通させると共に該砂循環用ダクトの下端を上記一次燃焼室に連通させ、且つ上記砂循環用ダクトの途中に、流動化空気の供給により砂を流動化させるようにした外部熱交換器を設置し、上記流動層から吹き上げられた砂を、火炉の頂部から取り出して砂分離器で分離捕集した後、上記砂循環用ダクトを通し外部熱交換器を経由させてから一次燃焼室へ戻すようにしてある砂循環系を有する外部循環流動層ボイラにおける上記外部熱交換器の砂入口、砂出口の圧力分布、温度分布及び上記外部熱交換器出口の蒸気温度、蒸気温度低減化用の給水量によって決まる外部熱交換器内砂循環量の程度を多数のモデルとして予め求めておき、運転時に、外部熱交換器の砂入口、砂出口の圧力分布、温度分布及び外部熱交換器出口の蒸気温度、蒸気温度低減化用の給水量を計測し、該計測値を上記モデルと照合して外部熱交換器内砂循環量を推定する外部循環流動層ボイラにおける砂循環量推定方法及び装置としてあるので、これまでは計測することができなかった外部熱交換器内砂循環量を推定することができる。
【0028】
更に、火炉の下部位置に、一次空気の供給により砂を流動化させる流動層を形成するようにした一次燃焼室を設け、又、上記火炉の外部に、砂分離器を上部に備えた砂循環用ダクトを設けて、該砂分離器と火炉の頂部とを連通させると共に該砂循環用ダクトの下端を上記一次燃焼室に連通させ、且つ上記砂循環用ダクトの途中に、流動化空気の供給により砂を流動化させるようにした外部熱交換器を設置し、上記流動層から吹き上げられた砂を、火炉の頂部から取り出して砂分離器で分離捕集した後、上記砂循環用ダクトを通し外部熱交換器を経由させてから一次燃焼室へ戻すようにしてある砂循環系を有する外部循環流動層ボイラにおける上記火炉内の上下方向の圧力分布及び温度分布によって決まる炉内砂循環量の程度を多数のモデルとして予め求めておくと共に、上記外部熱交換器の砂入口、砂出口の圧力分布、温度分布及び上記外部熱交換器出口の蒸気温度、蒸気温度低減化用の給水量によって決まる外部熱交換器内砂循環量の程度を多数のモデルとして予め求めておき、運転時に、炉内の上下方向の圧力分布及び温度分布を計測し、該計測値を上記炉内砂循環量のモデルと照合して炉内の砂循環量を推定し、更に、外部熱交換器の砂入口、砂出口の圧力分布、温度分布及び外部熱交換器出口の蒸気温度、蒸気温度低減化用の給水量を計測し、該計測値を上記外部熱交換器内砂循環量のモデルと照合して外部熱交換器内の砂循環量を推定し、しかる後、上記両推定値を基に、火炉への一次空気量、外部熱交換器への流動化空気量を制御して砂循環系内の砂循環量を制御する外部循環流動層ボイラにおける砂循環量制御方法及び装置としてあるので、砂循環系内の砂循環量を安定化させることができることにより、炉内燃焼プロセス及び外部熱交換器の出口蒸気温度を安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す概要図である。
【図2】炉内砂循環量推定器のブロック図である。
【図3】外部熱交換器内砂循環量推定器のブロック図である。
【図4】データベースに蓄積させるモデルの例を物理的に示すもので、(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)はいずれも火炉の異なる圧力分布を示す図である。
【図5】データベースに蓄積させるモデルの別の例を物理的に示すもので、(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)はいずれも火炉の異なる温度分布を示す図である。
【図6】砂循環量制御器のブロック図である。
【図7】外部循環流動層ボイラの一例を示す概略図である。
【図8】火炉の運転時間と砂の粒度との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 火炉
4 一次燃焼室
10 砂分離器
11 砂循環用ダクト
14 蒸気管
15 外部熱交換器
22,24 流量調整ダンパ
25 給水管
27 圧力検出器
28 温度検出器
29 炉内砂循環量推定器
29´ 外部熱交換器内砂循環量推定器
30a,30b 圧力検出器
31a,31b 温度検出器
32 蒸気温度計
33 水量計
34 砂循環量制御器
Claims (4)
- 火炉の下部位置に、一次空気の供給により砂を流動化させる流動層を形成するようにした一次燃焼室を設け、又、上記火炉の外部に、砂分離器を上部に備えた砂循環用ダクトを設けて、該砂分離器と火炉の頂部とを連通させると共に該砂循環用ダクトの下端を上記一次燃焼室に連通させ、且つ上記砂循環用ダクトの途中に、流動化空気の供給により砂を流動化させるようにした外部熱交換器を設置し、上記流動層から吹き上げられた砂を、火炉の頂部から取り出して砂分離器で分離捕集した後、上記砂循環用ダクトを通し外部熱交換器を経由させてから一次燃焼室へ戻すようにしてある砂循環系を有する外部循環流動層ボイラにおける上記外部熱交換器の砂入口、砂出口の圧力分布、温度分布及び上記外部熱交換器出口の蒸気温度、蒸気温度低減化用の給水量によって決まる外部熱交換器内砂循環量の程度を多数のモデルとして予め求めておき、運転時に、外部熱交換器の砂入口、砂出口の圧力分布、温度分布及び外部熱交換器出口の蒸気温度、蒸気温度低減化用の給水量を計測し、該計測値を上記モデルと照合して外部熱交換器内砂循環量を推定することを特徴とする外部循環流動層ボイラにおける砂循環量推定方法。
- 火炉の下部位置に、一次空気の供給により砂を流動化させる流動層を形成するようにした一次燃焼室を設け、又、上記火炉の外部に、砂分離器を上部に備えた砂循環用ダクトを設けて、該砂分離器と火炉の頂部とを連通させると共に該砂循環用ダクトの下端を上記一次燃焼室に連通させ、且つ上記砂循環用ダクトの途中に、流動化空気の供給により砂を流動化させるようにした外部熱交換器を設置し、上記流動層から吹き上げられた砂を、火炉の頂部から取り出して砂分離器で分離捕集した後、上記砂循環用ダクトを通し外部熱交換器を経由させてから一次燃焼室へ戻すようにしてある砂循環系を有する外部循環流動層ボイラにおける上記火炉内の上下方向の圧力分布及び温度分布によって決まる炉内砂循環量の程度を多数のモデルとして予め求めておくと共に、上記外部熱交換器の砂入口、砂出口の圧力分布、温度分布及び上記外部熱交換器出口の蒸気温度、蒸気温度低減化用の給水量によって決まる外部熱交換器内砂循環量の程度を多数のモデルとして予め求めておき、運転時に、炉内の上下方向の圧力分布及び温度分布を計測し、該計測値を上記炉内砂循環量のモデルと照合して炉内の砂循環量を推定し、更に、外部熱交換器の砂入口、砂出口の圧力分布、温度分布及び外部熱交換器出口の蒸気温度、蒸気温度低減化用の給水量を計測し、該計測値を上記外部熱交換器内砂循環量のモデルと照合して外部熱交換器内の砂循環量を推定し、しかる後、上記両推定値を基に、火炉への一次空気量、外部熱交換器への流動化空気量を制御して砂循環系内の砂循環量を過不足がない状態に維持させるようにすることを特徴とする外部循環流動層ボイラにおける砂循環量制御方法。
- 火炉の下部位置に、一次空気の供給により砂を流動化させる流動層を形成するようにした一次燃焼室を設け、又、上記火炉の外部に、砂分離器を上部に備えた砂循環用ダクトを設けて、該砂分離器と火炉の頂部とを連通させると共に該砂循環用ダクトの下端を上記一次燃焼室に連通させ、且つ上記砂循環用ダクトの途中に、流動化空気の供給により砂を流動化させるようにした外部熱交換器を設置し、上記流動層から吹き上げられた砂を、火炉の頂部から取り出して砂分離器で分離捕集した後、上記砂循環用ダクトを通し外部熱交換器を経由させてから一次燃焼室へ戻すようにしてある砂循環系を有する外部循環流動層ボイラにおける上記外部熱交換器の砂入口、砂出口の部分に、圧力検出器及び温度検出器をそれぞれ設置すると共に、外部熱交換器の蒸気管出口部に蒸気温度計を、又、蒸気管入口部の給水管に水量計をそれぞれ設置し、且つ上記圧力検出器及び温度検出器、蒸気温度計、水量計による計測値と予め求めておいた外部熱交換器内砂循環量の多数のモデルとを照合して外部熱交換器内砂循環量の推定値を算出する外部熱交換器内砂循環量推定器を備えた構成を有することを特徴とする外部循環流動層ボイラにおける砂循環量推定装置。
- 火炉の下部位置に、一次空気の供給により砂を流動化させる流動層を形成するようにした一次燃焼室を設け、又、上記火炉の外部に、砂分離器を上部に備えた砂循環用ダクトを設けて、該砂分離器と火炉の頂部とを連通させると共に該砂循環用ダクトの下端を上記一次燃焼室に連通させ、且つ上記砂循環用ダクトの途中に、流動化空気の供給により砂を流動化させるようにした外部熱交換器を設置し、上記流動層から吹き上げられた砂を、火炉の頂部から取り出して砂分離器で分離捕集した後、上記砂循環用ダクトを通し外部熱交換器を経由させてから一次燃焼室へ戻すようにしてある砂循環系を有する外部循環流動層ボイラにおける上記火炉内の上下方向各部に、圧力検出器及び温度検出器を設置し、且つ該圧力検出器及び温度検出器による計測値と予め求めておいた炉内砂循環量の多数のモデルとを照合して炉内砂循環量の推定値を検出する炉内砂循環量推定器を備え、更に、上記外部熱交換器の砂入口、砂出口の部分に、圧力検出器及び温度検出器をそれぞれ設置すると共に、外部熱交換器の蒸気管出口部に蒸気温度計を、又、蒸気管入口部の給水管に水量計をそれぞれ設置し、且つ上記圧力検出器及び温度検出器、蒸気温度計、水量計による計測値と予め求めておいた外部熱交換器内砂循環量の多数のモデルとを照合して外部熱交換器内砂循環量の推定値を算出する外部熱交換器内砂循環量推定器を備え、該両砂循環量推定器の出力を基に炉内への一次空気量と外部熱交換器への流動化空気量を制御するための制御指令を出力するようにした砂循環量制御器を備えた構成を有することを特徴とする外部循環流動層ボイラにおける砂循環量制御装置。
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