JP4253098B2 - 携帯電話機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電磁波障害を軽減する装置を設けた携帯電話機に関する。
【0002】
【従来の技術】
PHS等で用いられる携帯電話機は、頭部に近づけて使用するため、送信時に発射される電磁波の人体頭部に対する悪影響が懸念されている。
【0003】
そこで、電磁波の人体頭部への影響を緩和するために、先端部にアンテナ素子を有し、その下に接続された給電線を含めた外囲の一部あるいは全体が、樹脂等の非導電物質で覆われ、伸縮の機能を備えたアンテナが提案されている(特開平10−13124号公報)。これを第1の従来技術という。
【0004】
また、アンテナと使用者の頭部との間に介在する板状の電磁波シールド・プレートを電話機のボックスに付設したものが、特開平9−168043号公報で公知である。これを第2の従来技術という。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記第1の従来技術では、使用者の頭部を貫通する電磁波が、アンテナ素子や給電線の外囲を非導電物質で覆うことで人体への悪影響を防止できるか疑問で、かつアンテナ効率が良くないという問題点がある。
【0006】
また、第2の従来技術ではボックスに付設したシールド・プレートのためにアンテナの指向性が発生して、電話機の使い勝手が良くないという通信上の問題点がある。
【0007】
そこで、本発明はこれらの問題点を解消できる携帯電話機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1の発明は、2つの部材(3a)(3b)からなる伸縮可能な第1のアンテナ素子(3)と、該アンテナ素子(3)に先端が電気的に接続されかつ第1のアンテナ素子(3)と一直線上に延在する、2つの部材(4a)(4b)からなる伸縮可能な内導体(4)と、該内導体(4)の外周を囲みかつ内導体(4)と電気的に絶縁された2つの部材(5a)(5b)からなる伸縮可能な筒状の外導体(5)と、前記伸縮可能な筒状の外導体(5)の基部外周に設けた環状のフェライト部材(6)とを備え、前記内導体(4)と外導体(5)の基端に高周波電力を給電すると共に、前記第1のアンテナ素子(3)と、内導体(4)と、外導体(5)とからなるアンテナ部(2)が伸縮可能な構造であり、アンテナ部(2)を伸長した状態では、第1のアンテナ素子(3)の長さと、第2のアンテナ素子として作用する外導体(5)の長さが、それぞれ使用電波のほぼ1/4波長であることを特徴とする携帯電話機である。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好ましい実施の形態を図面の実施例に従って説明する。
【0012】
図1は電話機のケース1にアンテナ部2を収納した状態である。押しボタンPを押すと、アンテナ部2は伸長して、図2のように上方に飛び出る。
【0013】
アンテナ部2は、図2,3のように、第1のアンテナ素子3と、該アンテナ素子3に先端が電気的に接続され、かつ第1のアンテナ素子3と一直線上に延在する内導体4と、該内導体4の外周を同心円状に囲み、かつ内導体4と電気的に絶縁された円筒状の外導体5とからなり、第1のアンテナ素子3と、内導体4と、外導体5はそれぞれ2つずつの部材3a,3b,4a,4b及び5a,5bとで構成され、図2,図3の伸長状態と、図1の縮小状態とに伸縮可能に構成されている。なお、縮小状態では、部材3bと5b自体は図2,図3に示す位置よりも図示下方に移動することで、アンテナ部2全体が図1に示すようにケース1内にほとんど収納される状態となる。
【0014】
6は図3に示すように外導体5を構成する部材5bの基部に緩く嵌合した環状のフェライト部材である。
【0015】
図2,図3のようにアンテナ部2を伸長した状態では、第1のアンテナ素子3の長さは使用波長のほぼ1/4で、外導体5の伸長状態の長さも同様に使用波長のほぼ1/4に定めてある(特に図2参照)。なお、図面では、これらの長さをほぼλ/4で示しているが、λは使用波長である。
【0016】
送信時は、内導体4の下端(基端)と外導体5の下端(基端)との間に図3に示すように高周波電力を給電してアンテナ部2を励磁する。こうして基端に注入された高周波電力は、内導体4と外導体5からなる同軸ケーブル様の給電線を介して第1のアンテナ素子3に給電される。
【0017】
また、このアンテナ素子3と外導体5はそれぞれほぼλ/4の長さであり、かつ外導体5の基部外周に設けた環状のフェライト部材6のインピーダンスの作用とにより、いわゆる垂直タブレット・アンテナとして働く。換言すれば、周知の簡易ダイポールと同様に働く。外導体5はいわば第2のアンテナ素子として機能する。
【0018】
図3で、符号7で示す電気力線は、長さλ/4の第1のアンテナ素子3と、長さλ/4の外導体5の間に発生する電界の様子を示す。
【0019】
電話機を使用する時は、図2,図3のようにアンテナ部2を伸長して用いるため、使用者の頭部8の耳9は図3のように内導体4の部材4bの基端付近となり、強い電磁波を受けることを防止できる。
【0020】
通話終了後は、アンテナ部2は、図1に示すように縮小してケース1内に収納する。
【0021】
なお、上記実施例では、第1のアンテナ素子3と、第2のアンテナ素子として作用する外導体5の長さをそれぞれほぼ使用波長の1/4に定めたが、これらの長さをλ/4とすることで使用波長に共振させて、効率を良くするのが望ましいが、必ずしもλ/4に定める必要はなく、λ/4からずれていても通話できなくなるわけではない。効率が落ちたり、電磁波が人体を貫通する割合が増すだけである。
【0022】
【発明の効果】
本発明の携帯電話機は上述のように構成されているので、使用時にはアンテナ部、特に電波を放射するエレメント部が頭部から離れるため、人体への電磁波の悪影響を防止できる。
【0023】
また、内導体と外導体が同軸ケーブル様の給電線として作用し、かつ外導体が第2の放射エレメントとなって、全体が垂直タブレット・アンテナとして電波を放射する。
【0024】
そして、使用電波にアンテナが共振してアンテナ効率を最高にできる。
【0025】
また、携帯時にはアンテナ部をケースに収納して携帯容易にし、使用時にはアンテナ効率を上げ、かつ人体頭部への悪影響を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のアンテナ部を収納した状態の正面図である。
【図2】本発明の実施例のアンテナ部を伸長した状態の正面図である。
【図3】本発明の実施例で、アンテナ部を伸長した状態の要部縦断面図である。
【符号の説明】
1 ケース
2 アンテナ部
3 第1のアンテナ素子
3a,3b 部材
4 内導体
4a,4b 部材
5 外導体
5a,5b フェライト部材
Claims (1)
- 2つの部材(3a)(3b)からなる伸縮可能な第1のアンテナ素子(3)と、該アンテナ素子(3)に先端が電気的に接続されかつ第1のアンテナ素子(3)と一直線上に延在する、2つの部材(4a)(4b)からなる伸縮可能な内導体(4)と、該内導体(4)の外周を囲みかつ内導体(4)と電気的に絶縁された2つの部材(5a)(5b)からなる伸縮可能な筒状の外導体(5)と、前記伸縮可能な筒状の外導体(5)の基部外周に設けた環状のフェライト部材(6)とを備え、前記内導体(4)と外導体(5)の基端に高周波電力を給電すると共に、前記第1のアンテナ素子(3)と、内導体(4)と、外導体(5)とからなるアンテナ部(2)が伸縮可能な構造であり、アンテナ部(2)を伸長した状態では、第1のアンテナ素子(3)の長さと、第2のアンテナ素子として作用する外導体(5)の長さが、それぞれ使用電波のほぼ1/4波長であることを特徴とする携帯電話機。
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JP2000019478A JP4253098B2 (ja) | 2000-01-28 | 2000-01-28 | 携帯電話機 |
Applications Claiming Priority (1)
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2000019478A Expired - Fee Related JP4253098B2 (ja) | 2000-01-28 | 2000-01-28 | 携帯電話機 |
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Families Citing this family (1)
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EP1989755B1 (en) * | 2006-02-21 | 2012-06-13 | Rosemount, Inc. | Adjustable industrial antenna mount |
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2000
- 2000-01-28 JP JP2000019478A patent/JP4253098B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2001211016A (ja) | 2001-08-03 |
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