(第1の実施形態)
本発明の電子装置は、カメラ付き携帯電話機、カメラ付き情報処理端末、ディジタルカメラ、各種の情報処理装置等を包含する。斯かる電子装置において、第1の実施形態では、カメラ機能を備える電子装置について、撮影報知部がカメラ動作モードを表す報知情報を発し、情報検出部がその報知情報を検出し、判定部が報知情報を利用し、撮影を許可するか否かを判定する構成としたものである。本発明において、判定の対象である「撮影の許可」又は「撮影の禁止」とは、撮影画像の表示から記憶部への保存の何れかの段階又は全てを指すものである。
図3は、本発明の電子装置の第1の実施形態として、携帯電話機を示している。この携帯電話機40において、制御部42は、撮影許可又は禁止の制御、画像の取込み制御、撮影の報知情報の出力制御、報知情報の収集制御、画像の保存制御又は消去制御等、各種の情報処理や制御を行う。この制御部42において、プロセッサ44は、CPU(Central Processing Unit )等からなる情報処理部であり、画像の表示制御、画像の保存制御や消去制御等、画像処理部としての機能の他、各種の制御を実行する。シャッター部46は、シャッターボタン48の操作を検出し、この場合、その半押し状態及び全押し状態を検出する。この検出出力はプロセッサ44に加えられ、シャッターボタン48の半押し状態でキャプチャーモードとなり、全押し状態で撮影処理が実行される。コーデック(CODEC:Compression/Decompression )部49は、報知情報を記憶する記憶部としての記憶装置50のFLASH(flash memory)52から読み出された原音情報を音声信号に再生させる復号化手段であって、この音声信号は撮影の報知情報として撮影報知部54に出力される。FLASH52には撮影の報知に用いられる報知情報が格納され、この場合、報知情報として例えば、シャッター音を表す原音情報が格納されている。比較部56はFLASH52からバス57を通してプロセッサ44に読み出された報知情報としての原音と、情報検出部58の検出情報である検出音とを比較し、その比較結果として検出音が原音と一致しているか否かを表す比較結果を出力する。画像を保存するか否かを判定する判定部としての画像出力判定部60は、報知情報を利用し、即ち、比較部56の比較結果を表す出力を利用し、カメラセンサ62から得られている画像の保存を許可するか、その保存を禁止するかを表す出力をプロセッサ44に加える。画像の保存を許可する出力が得られたとき、その画像は、バス57を通して画像記憶部でもある記憶装置50の読書き可能な記憶素子であるRAM(Random Access Memory)53に保存される。
撮影報知部54は、シャッター操作に基づき、撮影報知として報知情報を発し、この報知情報として例えば、シャッター音を発生する。この実施形態では、コーデック部49から出力された原音をディジタル・アナログ変換器(DAC: Digital Analog Converter )64によりアナログ信号に変換した後、増幅器(SPK−AMP:Speaker-Amplifier )66で増幅し、スピーカ68から撮影の報知情報としてシャッター音を再生させる。また、情報検出部58は、撮影報知部54から発せられた報知情報を検出し、その検出情報を比較部56に加える。この場合、この情報検出部58は、マイクロホン70でスピーカ68から発せられたシャッター音を検出し、その検出信号を増幅器(MIC−AMP:Microphone-Amplifier)72で増幅し、アナログ・ディジタル変換器(ADC:Analog Digital Converter)74によりディジタル信号に変換した後、比較部56に加える。
そして、カメラセンサ62には、カメラ動作モードにおいて、被写体の画像がレンズ76を通して結像され、その画像が検出される。この画像は、アナログ信号であるため、処理の便宜上、アナログ・ディジタル変換器(ADC)78によりディジタル信号に変換されてプロセッサ44に加えられ、バス57を通して画像表示部として例えば、LCD(Liquid Crystal Display)80に出力されて表示される。
この第1の実施形態に係る携帯電話機について、撮影時の撮影制御方法及び撮影制御プログラムの一例を図4を参照して説明する。図4は、カメラ撮影に係る撮影制御方法及びそのプログラムの一例であるフローチャートを示している。
カメラ動作モードに移行させると、ファインダーモードが実行され(ステップS11)、カメラセンサ62にレンズ76を通して結像している画像がLCD80に表示される。ここで、カメラ動作モードを維持するか終了させるかを判定し(ステップS12)、このカメラ機能付き携帯電話機では、例えば、電話モードへ移行させると、このカメラ動作モードが終了する。
また、カメラ動作モードが維持される場合には、キャプチャーモードに移行するか否かを判定する(ステップS13)。この場合、シャッターボタン48を半押し状態とすると、キャプチャーモードに移行する(ステップS14)。この状態で、シャッターボタン48の操作を打ち切ると、ファインダーモード(ステップS11)に戻る。
キャプチャーモード(ステップS14)では、ファインダーの画像が固定され、撮影か否かを判定する(ステップS15)。即ち、シャッターボタン48を全押し状態としたとき、撮影動作としてシャッター操作が完了し、撮影報知部54のスピーカ68からシャッター音が出力される(ステップS16)。この場合、このシャッター操作において、一回の操作で全押し状態とする場合には、その途上で半押し状態を通過し、途上の半押し状態でキャプチャーモードを通過し、撮影が行われる(ステップS13〜16)。
シャッター音は、マイクロホン70に集音されて検出され、原音と比較される(ステップS17)。即ち、シャッター音がディジタル信号に変換されて比較部56に加えられ、FLASH52から読み出されている原音と比較される。このシャッター音と原音は、周波数成分又はレベル、又はこれら双方を比較する。この比較結果により、撮影を許可するか否かが画像出力判定部60で判定される(ステップS18)。比較結果が一定の範囲内、シャッター音と原音の差分情報が一定範囲であれば、撮影を許可する判定をする。この判定結果により、撮影が許可された場合には、画像データを保存とし、RAM53に保存し(ステップS19)、ファインダーモード(ステップS11)に戻る。また、判定結果により撮影を禁止する場合には、画像の保存を禁止し、ファインダーモード(ステップS11)に戻る。
以上説明したように、この第1の実施形態では、カメラ動作モードにおいて、報知情報であるシャッター音により、撮影が許可された場合には、画像をRAM53に保存させ、撮影が禁止される場合には、その画像を消去する。カメラ動作モードにおいて、報知情報の検出により、撮影を許可するか否かを判定するので、不適正撮影の防止機能が強化され、悪意の撮影者による不適正撮影を思い止まらせる契機となる等、不適正撮影の防止を図ることができる。
この第1の実施形態では、撮影の許可として画像をRAM53に保存しているが、報知情報を利用して画像表示を許可するか否かを判定し、撮影を許可する場合にはLCD80に画像を表示し、撮影を許可しない場合には、その画像表示を禁止するようにしてもよい。このようにしても、不適正撮影の防止機能を強化することができる。
第1の実施形態では、報知情報としてシャッター音を用いているが、本発明における報知情報としての音には、メロディ、楽器音、動物の鳴き声、人の音声メッセージ等、各種の音情報を用いることができ、シャッター音に限定されるものではない。
また、この第1の実施形態の携帯電話機40において、情報検出部58及び比較部56の処理(図4に示すフローチャートのステップS17の処理)は、例えば、図5に示すように、検出した報知情報であるシャッター音の周波数成分の比較を行い、この比較結果を判定に用いることができる。マイクロホン70にシャッター音が検出されると、その入力信号の周波数成分を検出し、その周波数を演算し(ステップS1701)、その周波数パターンを検出する(ステップS1702)。この場合、シャッター音を構成する周波数範囲で周波数成分を検出し、周波数範囲は、予め原音から特定する。この周波数成分の検出により、シャッター音の周波数パターンを知ることができる。そして、比較データとして原音パターンと入力信号パターンとを比較し(ステップS1703)、この比較により、両者が一致又は同等であるか否かを知ることができる。この比較結果を判定し(ステップS1704)、ステップS18(図4)に戻る。この判定結果を画像保存の判定に用いれば、信頼性の高い処理が可能になる。
また、この第1の実施形態の携帯電話機40において、情報検出部58及び比較部56の処理(図4に示すフローチャートのステップS17の処理)は、例えば、図6に示すように、検出した報知情報であるシャッター音のレベル比較を行い、この比較結果を判定に用いることができる。マイクロホン70の入力信号レベルを検出し(ステップS1711)、この場合、入力信号から振幅情報(振幅パターン)を抽出する。次に、比較データとして原音パターンと入力信号パターンとを比較する(ステップS1712)。この場合、入力信号の振幅パターンと、抽出した原音の振幅パターンとを比較する。この比較により、両者が一致又は同等であるか否かを知ることができる。この比較結果を判定し(ステップS1713)、ステップS18(図4)に戻る。この判定結果を画像保存の判定に用いれば、信頼性の高い処理が可能になる。
また、図5に示す周波数比較又は図6に示すレベル比較の何れか一方を用いてもよいが、これら周波数比較及びレベル比較の双方を用いてもよく、これらを併用した処理では、検出した報知情報を用いることにより、例えば、シャッター音の認識率を高めることができ、画像保存の判定の信頼性をより高めることが可能になる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態は、カメラ機能を備える電子装置であって、画像を第1の記憶部に一時的に格納し、撮影が許可される場合に、その画像を第2の記憶部に保存するようにした構成である。報知情報が検出されない場合には、第1の記憶部の画像を消失させて、第1の記憶部から画像を出力すること、即ち、第2の記憶部への保存を禁止する構成としたものである。
図7は、本発明の電子装置の第2の実施形態である携帯電話機を示している。この携帯電話機40は、第1の実施形態に係る携帯電話機40において、記憶装置50の第1の記憶部としてのフレームバッファ82が付加されたものである。この実施形態の記憶装置50は、図8に示すように、第1の記憶部としてフレームバッファ82、第2の記憶部としてRAM53とともに、FLASH52で構成されている。フレームバッファ82は、制御部42に設置された例えば、RAM等で構成され、カメラセンサ62の撮影画像がADC78を介して加えられ、その画像の一時的な保存に用いられる。この実施形態では、ADC78からの画像入力をプロセッサ44に加えているが、破線で示すように、フレームバッファ82にADC78の画像入力を加えて格納するとともに、このフレームバッファ82を介してプロセッサ44に加えるようにしてもよい。その構成は、第1の実施形態(図3)と同一であるので、同一符号を付して各部分の説明を省略する。
この第2の実施形態に係る携帯電話機40について、撮影時の処理動作を図9を参照して説明する。図9は、盗撮防止に関する撮影制御方法及びそのプログラムの一例であるフローチャートを示している。
カメラ動作モードに移行させると、ファインダーモードが実行され(ステップS21)、画像がLCD80に表示される。ここで、カメラ動作モードを維持するか終了させるかを判定する(ステップS22)。
また、カメラ動作モードが維持される場合には、キャプチャーモードに移行するか否かを判定する(ステップS23)。この場合、シャッターボタン48を半押し状態とすると、キャプチャーモードに移行し(ステップS24)、この状態で、シャッターボタン48の操作を打ち切ると、ファインダーモード(ステップS21)に戻る。
キャプチャーモード(ステップS24)を経て、撮影か否かを判定する(ステップS25)。シャッターボタン48を全押し状態としたとき、撮影動作としてシャッター操作が完了し、撮影報知部54のスピーカ68からシャッター音が出力される(ステップS26)。このシャッター操作において、一回の操作で全押し状態とする場合には、その途上で半押し状態を通過し、途上の半押し状態でキャプチャーモードを通過し、撮影処理が行われる(ステップS23〜26)。そして、画像データは、フレームバッファ82に一時的に格納される(ステップS27)。
シャッター音は、マイクロホン70に集音されて検出され、原音と比較される(ステップS28)。即ち、シャッター音がディジタル信号に変換されて比較部56に加えられ、FLASH52から読み出されている原音と比較される。このシャッター音と原音は、周波数成分又はレベル、又はこれら双方を比較する。この比較結果により、撮影を許可するか否かが画像出力判定部60で判定される(ステップS29)。比較結果が一定の範囲内、シャッター音と原音の差分情報が一定範囲であれば、撮影を許可する判定をする。この判定結果により、撮影が許可された場合には、フレームバッファ82内の画像データを保存することとし、フレームバッファ82内の画像データをRAM53に保存し(ステップS30)、フレームバッファ82の画像データを消去し(ステップS31)、ファインダーモード(ステップS21)に戻る。また、判定結果により、撮影を禁止する場合にも、フレームバッファ82の画像データを消去し(ステップS31)、ファインダーモード(ステップS21)に戻る。
以上説明したように、シャッター操作により一時的にフレームバッファ82に格納された画像は、報知情報としてシャッター音を利用した判定結果により、撮影が許可される場合、RAM53に保存されるが、それ以外の場合には画像を消去するので、不適正撮影の防止機能の強化を図ることができる。
この場合、この第2の実施形態に係る携帯電話機40において、報知情報に光を使用して撮影を許可するか否か、即ち、第1の記憶部としてフレームバッファ82に格納した画像をRAM53に保存するか否かを判定する構成としてもよい。
(第3の実施形態)
本発明の電子装置の第3の実施形態は、カメラ機能を備える電子装置であって、撮影報知部からカメラ動作モードを表す報知情報として光を発し、情報検出部がこの光を検出し、判定部はその検出光を利用し、撮影を許可するか否かを判定する構成としたものであり、第1の実施形態の報知情報の音を光に代えた構成である。
図10は、本発明の電子装置の第3の実施形態である携帯電話機を示している。この携帯電話機40の制御部42では、撮影報知部54から発生する報知情報に光を用いており、その光源としてフォトライト84が設置され、発光動作を切り換える手段としてスイッチ部86が設置されている。そこで、情報検出部58には、フォトライト84の光を受光する光センサ88が設置され、この光センサ88の受光出力が持つ受光レベルを検出するため、レベル検出部としての光パワーメータ(optical power meter )90が設置されている。FLASH52には光の比較データが格納され、この比較データが比較部56の比較処理に用いられる。比較部56では、FLASH52から所定値である比較データと、情報検出部58の検出情報である検出光とが比較される。その比較結果が一定範囲内であれば、画像出力判定部60が撮影を許可する判定結果をプロセッサ44に入力し、それ以外の場合には撮影を禁止する判定結果をプロセッサ44に入力する。その他の構成は、第1の実施形態(図3)と同一であるので、同一符号を付して説明を省略する。
この第3の実施形態に係る携帯電話機40について、撮影時の処理動作を図11を参照して説明する。図11は、盗撮防止に関する撮影制御方法及びそのプログラムの一例であるフローチャートを示している。
カメラ動作モードに移行させると、ファインダーモードが実行され(ステップS41)、カメラセンサ62にレンズ76を通して結像している画像がLCD80に表示される。ここで、カメラ動作モードを維持するか終了させるかを判定し(ステップS42)、このカメラ機能付き携帯電話機では、例えば、電話モードへ移行させると、このカメラ動作モードが終了する。
また、カメラ動作モードが維持される場合には、キャプチャーモードに移行するか否かを判定する(ステップS43)。この場合、シャッターボタン48を半押し状態とすると、キャプチャーモードに移行する(ステップS44)。この状態で、シャッターボタン48の操作を打ち切ると、ファインダーモード(ステップS41)に戻る。
キャプチャーモード(ステップS44)では、ファインダーの画像が固定され、撮影か否かを判定する(ステップS45)。即ち、シャッターボタン48を全押し状態としたとき、撮影動作としてシャッター操作が完了し、撮影報知部54のフォトライト84が発光する(ステップS46)。この場合、このシャッター操作において、一回の操作で全押し状態とする場合には、その途上で半押し状態を通過し、その半押し状態でキャプチャーモードを通過し、撮影が行われる(ステップS43〜46)。
フォトライト84の光は、光センサ88に集光されて検出され、光パワーメータ90でレベル変換された後、FLASH52から読み出された比較データと比較される(ステップS47)。この比較結果により、撮影を許可するか否かが画像出力判定部60で判定される(ステップS48)。比較結果が一定の範囲内、検出光と比較データの差分情報が一定範囲であれば、撮影を許可する判定をする。この判定結果により、撮影が許可された場合には、画像データを保存とし、その画像をRAM53に保存し(ステップS49)、ファインダーモード(ステップS41)に戻る。また、判定結果により、撮影を禁止する場合には、画像の保存を禁止し、その画像データを消去した後、ファインダーモード(ステップS41)に戻る。
以上説明したように、この第3の実施形態では、カメラ動作モードにおいて、報知情報に光を使用し、その光の検出により、撮影が許可された場合には、画像をRAM53に保存させ、撮影が禁止される場合には、その画像を消去するので、不適正撮影の防止機能が強化され、悪意の撮影者による不適正撮影を思い止まらせる契機となる等、第1の実施形態と同様に、不適正撮影の防止を図ることができる。
この第3の実施形態においても、撮影の許可として画像をRAM53に保存しているが、報知情報を利用して画像表示を許可するか否かを判定し、撮影を許可する場合にはLCD80に画像を表示し、撮影を許可しない場合には、その画像表示を禁止するようにしてもよい。このようにしても、不適正撮影の防止機能の強化を図ることができる。
(第4の実施形態)
本発明の電子装置の第4の実施形態は、カメラ機能を備える電子装置であって、撮影報知部からカメラ動作モードを表す報知情報として光と音とを使用し、一方の情報検出部が音を検出し、他方の情報検出部が光を検出し、判定部はその検出音及び検出光を利用し、撮影を許可するか否かを判定する構成であり、第1及び第3の実施形態の機能を併用した構成である。
図12は、本発明の電子装置の第4の実施形態である携帯電話機を示している。この携帯電話機40では、カメラ動作モードの報知情報としてシャッター音を用いる第1の撮影報知部54A、この撮影報知部54Aに対応して報知情報を検出する第1の情報検出部58A、その報知情報として光を用いる第2の撮影報知部54B、この撮影報知部54Bに対応して報知情報を検出する第2の情報検出部58Bを備え、制御部42には第1及び第2の比較部56A、56B、各比較部56A、56Bの比較結果から撮影を許可するか否かを判定する画像出力判定部60を備えている。撮影報知部54Aは第1又は第2の実施形態の撮影報知部54(図3、図7)、撮影報知部54Bは第3の実施形態の撮影報知部54(図10)、情報検出部58Aは第1又は第2の実施形態の情報検出部58(図3、図7)、情報検出部58Bは第3の実施形態の情報検出部58(図10)と同一の構成である。この場合、FLASH52には2つの記憶部52A、52Bが設定され、記憶部52Aにはシャッター原音、記憶部52Bには光の比較データが格納されている。その他の構成は、第1ないし第3の実施形態と同一であり、同一符号を付してその説明を省略する。
この第4の実施形態に係る携帯電話機40について、撮影時の処理動作を図13を参照して説明する。図13は、盗撮防止に関する撮影制御方法及びそのプログラムの一例であるフローチャートを示している。
カメラ動作モードに移行させると、ファインダーモードが実行され(ステップS51)、カメラセンサ62にレンズ76を通して結像している画像がLCD80に表示される。ここで、カメラ動作モードを維持するか終了させるかを判定する(ステップS52)。
また、カメラ動作モードが維持される場合には、キャプチャーモードに移行するか否かを判定する(ステップS53)。この場合、シャッターボタン48を半押し状態とすると、キャプチャーモードに移行する(ステップS54)。この状態で、シャッターボタン48の操作を打ち切ると、ファインダーモード(ステップS51)に戻る。
キャプチャーモード(ステップS54)では、ファインダーの画像が固定され、撮影か否かを判定する(ステップS55)。即ち、シャッターボタン48を全押し状態としたとき、撮影動作としてシャッター操作が完了し、撮影報知部54Bのフォトライト84が発光する(ステップS56)。この場合、このシャッター操作において、一回の操作で全押し状態とする場合には、その途上で半押し状態を通過し、途上の半押し状態でキャプチャーモードを通過し、撮影が行われる(ステップS53〜56)。
フォトライト84の光は、光センサ88に集光されて検出され、光パワーメータ90のレベル検出の後、比較部56Bに加えられ、FLASH52から読み出された光の比較データと比較される(ステップS57)。この比較結果により、撮影を許可するか否かが画像出力判定部60で判定される(ステップS58)。比較結果が一定の範囲内、検出光と比較データの差分情報が一定範囲であれば、撮影を許可する判定をし、それ以外の場合には、撮影を禁止し、ファインダーモード(ステップS51)に戻る。この判定結果により、撮影が許可された場合には、撮影報知部54Aのスピーカ68から報知情報としてシャッター音を出力する(ステップS59)。
このシャッター音は、マイクロホン70に集音されて検出され、原音と比較される(ステップS60)。この場合、シャッター音がディジタル信号に変換されて比較部56Aに加えられ、FLASH52から読み出されている原音と比較される。このシャッター音と原音は、周波数成分又はレベル、又はこれら双方を比較する。この比較結果により、撮影を許可するか否かが画像出力判定部60で判定される(ステップS61)。比較結果が一定の範囲内、シャッター音と原音の差分情報が一定範囲であれば、撮影を許可する判定をする。この判定結果により、撮影が許可された場合には、画像データの保存を許可し、画像をRAM53に保存し(ステップS62)、ファインダーモード(ステップS51)に戻る。また、判定結果により、撮影を禁止する場合には、画像の保存を禁止し、ファインダーモード(ステップS51)に戻る。
以上説明したように、この第4の実施形態では、カメラ動作モードにおいて、報知情報に光とシャッター音を使用し、シャッター操作により第1段階として発光させ、その検出光により、撮影が許可された場合にはシャッター音を出力し、その集音により、撮影が許可された場合には、画像をRAM53に保存させ、撮影が禁止される場合には、その画像を消去するので、不適正撮影の防止機能が更に強化され、悪意の撮影者による不適正撮影を思い止まらせる契機となる等、不適正撮影の防止を図ることができる。
この場合、この第4の実施形態において、報知情報に光と音とを使用することにより、第2の実施形態(図7、図8及び図9)で説明したように、第1の記憶部としてフレームバッファ82に格納した画像を第2の記憶部としてRAM53に保存するか否かを判定する構成としてもよい。
また、この第4の実施形態において、撮影の許可として画像をRAM53に保存しているが、報知情報を利用して画像表示を許可するか否かを判定し、撮影を許可する場合にはLCD80に画像を表示し、撮影を許可しない場合には、その画像表示を禁止するようにしてもよい。このようにしても、不適正撮影の防止機能の強化を図ることができる。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態は、カメラ機能を備える電子装置であって、画像を第1の記憶部に一時的に格納し、撮影が許可される場合に、その画像を第2の記憶部に保存するようにした電子装置において、撮影を許可しないと判定されるとき、第1の記憶部に格納されている画像を改変して第2の記憶部に保存する構成としたものである。即ち、不適正画像を適正化して保存する構成である。
図14は、本発明の電子装置の第5の実施形態である携帯電話機を示している。この第5の実施形態に係る携帯電話機40では、第2の実施形態(図7)のFLASH52の記憶部52Aにシャッター原音、その記憶部52Bにモザイク画像を格納したものであり、撮影に係る原画像に上記モザイク画像を重畳する画像処理部が例えば、制御部42のプロセッサ44によって構成される。その他の構成は、第2の実施形態と同一であるので、同一符号を付し、その説明を省略する。
この第5の実施形態に係る携帯電話機40について、撮影時の処理動作を図15を参照して説明する。図15は、盗撮防止に関する撮影制御方法及びそのプログラムの一例であるフローチャートを示している。
この実施形態においても、カメラ動作モードに移行させると、ファインダーモードが実行され(ステップS71)、画像がLCD80に表示される。ここで、カメラ動作モードを維持するか終了させるかを判定する(ステップS72)。
また、カメラ動作モードが維持される場合には、キャプチャーモードに移行するか否かを判定する(ステップS73)。この場合、シャッターボタン48を半押し状態とすると、キャプチャーモードに移行し(ステップS74)、この状態で、シャッターボタン48の操作を打ち切ると、ファインダーモード(ステップS71)に戻る。
キャプチャーモード(ステップS74)を経て、撮影か否かを判定する(ステップS75)。シャッターボタン48を全押し状態としたとき、撮影動作としてシャッター操作が完了し、撮影報知部54のスピーカ68からシャッター音が出力される(ステップS76)。このシャッター操作において、一回の操作で全押し状態とする場合には、その途上で半押し状態を通過し、途上の半押し状態でキャプチャーモードを通過し、撮影処理が行われる(ステップS73〜76)。そして、画像データは、フレームバッファ82に一時的に格納される(ステップS77)。
シャッター音は、マイクロホン70に集音されて検出され、原音と比較される(ステップS78)。即ち、シャッター音がディジタル信号に変換されて比較部56に加えられ、FLASH52の記憶部52Aから読み出されているシャッター原音と比較される。このシャッター音と原音は、周波数成分又はレベル、又はこれら双方を比較する。この比較結果により、撮影を許可するか否かが画像出力判定部60で判定される(ステップS79)。比較結果が一定の範囲内、シャッター音と原音の差分情報が一定範囲であれば、撮影を許可する判定をする。この判定結果により、撮影が許可された場合には、フレームバッファ82内の画像データを保存することとし、フレームバッファ82内の画像データをRAM53に保存し(ステップS80)、画像データがRAM53に格納されたとき、フレームバッファ82の画像データは消去される(ステップS82)。
また、判定結果により、撮影を禁止する場合には、FLASH52の記憶部52Bから読み出したモザイク画像をフレームバッファ82の画像データに重畳させ、フレームバッファ82の原画像データを改変させる(ステップS81)。この改変画像をRAM53に保存した後(ステップS80)、フレームバッファ82の改変画像を消去し(ステップS82)、ファインダーモード(ステップS71)に戻る。
以上説明したように、シャッター操作により一時的にフレームバッファ82に格納された画像は、報知情報としてシャッター音を利用した判定結果により、撮影が許可される場合、RAM53に保存されるが、それ以外の場合には画像を消去することなく、モザイク画像を重畳する等して改変させた後、記憶部として例えば、RAM53に保存させる。原画像を例えば、図16に示す画像とすれば、モザイク画像を重畳させた改変画像は例えば、図17に示すように変化させる。このような画像改変による保存を行えば、不適正撮影の防止機能の強化を図ることができるとともに、画像が保存されない場合にユーザが故障と誤認する不都合を防止できる。
この第5の実施形態に係る携帯電話機40において、報知情報に光を使用して撮影を許可するか否か、即ち、第1の記憶部としてフレームバッファ82に格納した画像をRAM53に保存するか否かを判定する構成としてもよい。
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態は、カメラ機能を備える電子装置であって、画像を第1の記憶部に一時的に格納し、撮影が許可される場合に、その画像を第2の記憶部に保存するようにした電子装置において、撮影を許可しないと判定されるとき、第1の記憶部に格納されている画像をダミー画像に変更して第2の記憶部に保存する構成としたものである。
図18は、本発明の電子装置の第6の実施形態である携帯電話機を示している。この第6の実施形態に係る携帯電話機40では、第2の実施形態(図7)のFLASH52の記憶部52Aにシャッター原音、その記憶部52Bにダミー画像を格納したものである。この場合、ダミー画像のLCD80への出力表示や、フレームバッファ82、RAM53へのダミー画像の格納処理は画像処理部によって実行され、この画像処理部は例えば、制御部42のプロセッサ44で構成される。その他の構成は、第2の実施形態と同一であるので、同一符号を付し、その説明を省略する。
この第6の実施形態に係る携帯電話機40について、撮影時の処理動作を図19を参照して説明する。図19は、盗撮防止に関する撮影制御方法及びそのプログラムの一例であるフローチャートを示している。
この実施形態においても、カメラ動作モードに移行させると、ファインダーモードが実行され(ステップS91)、画像がLCD80に表示される。ここで、カメラ動作モードを維持するか終了させるかを判定する(ステップS92)。
また、カメラ動作モードが維持される場合には、キャプチャーモードに移行するか否かを判定する(ステップS93)。この場合、シャッターボタン48を半押し状態とすると、キャプチャーモードに移行し(ステップS94)、この状態で、シャッターボタン48の操作を打ち切ると、ファインダーモード(ステップS91)に戻る。
キャプチャーモード(ステップS94)を経て、撮影か否かを判定する(ステップS95)。シャッターボタン48を全押し状態としたとき、撮影動作としてシャッター操作が完了し、撮影報知部54のスピーカ68からシャッター音が出力される(ステップS96)。このシャッター操作において、一回の操作で全押し状態とする場合には、その途上で半押し状態を通過し、途上の半押し状態でキャプチャーモードを通過し、撮影処理が行われる(ステップS93〜96)。そして、画像データは、フレームバッファ82に一時的に格納される(ステップS97)。
シャッター音は、マイクロホン70に集音されて検出され、原音と比較される(ステップS98)。即ち、シャッター音がディジタル信号に変換されて比較部56に加えられ、FLASH52から読み出されているシャッター原音と比較される。このシャッター音と原音は、周波数成分又はレベル、又はこれら双方を比較する。この比較結果により、撮影を許可するか否かが画像出力判定部60で判定される(ステップS99)。比較結果が一定の範囲内、シャッター音と原音の差分情報が一定範囲であれば、撮影を許可する判定をする。この判定結果により、撮影が許可された場合には、フレームバッファ82内の画像データを保存することとし、フレームバッファ82内の画像データをRAM53に保存し(ステップS100)、画像データがRAM53に格納されたとき、フレームバッファ82の画像データは消去される(ステップS102)。
また、判定結果により、撮影を禁止する場合には、FLASH52から読み出したダミー画像をフレームバッファ82の画像に重畳させ、又は原画像に代えてそのダミー画像をフレームバッファ82に格納させる(ステップS101)。この改変画像をRAM53に保存した後(ステップS100)、フレームバッファ82の改変画像を消去し(ステップS102)、ファインダーモード(ステップS91)に戻る。
以上説明したように、シャッター操作により一時的にフレームバッファ82に格納された画像は、報知情報としてシャッター音を利用した判定結果により、撮影が許可される場合、RAM53に保存されるが、それ以外の場合には画像を消去し、ダミー画像に変換した後、記憶部として例えば、RAM53に保存させる。このような画像改変による画像の保存を行えば、不適正撮影の防止機能を強化することができるとともに、画像が保存されない場合にユーザが故障と誤認する不都合を防止できる。
この第6の実施形態に係る携帯電話機40において、報知情報に光を使用して撮影を許可するか否か、即ち、第1の記憶部としてフレームバッファ82に格納した画像をRAM53に保存するか否かを判定する構成としてもよい。
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態は、カメラ機能を備える電子装置であって、画像を第1の記憶部に一時的に格納し、撮影が許可される場合に、その画像を第2の記憶部に保存するようにした電子装置において、撮影を許可しない場合には、不適正撮影である等の表示をする構成としたものである。
図20は、本発明の電子装置の第7の実施形態である携帯電話機を示している。この第7の実施形態に係る携帯電話機40では、第2の実施形態(図7)のFLASH52の記憶部52Aにシャッター原音、その記憶部52Bに表示情報を格納したものである。不適正撮影である旨の表示はLCD80に提示されるが、この表示処理は表示処理部としての制御部42によって実行される。その他の構成は、第2の実施形態と同一であるので、同一符号を付し、その説明を省略する。
この第7の実施形態に係る携帯電話機40について、撮影時の処理動作を図21を参照して説明する。図21は、盗撮防止に関する撮影制御方法及びそのプログラムの一例であるフローチャートを示している。
この実施形態においても、カメラ動作モードに移行させると、ファインダーモードが実行され(ステップS111)、画像がLCD80に表示される。ここで、カメラ動作モードを維持するか終了させるかを判定する(ステップS112)。
また、カメラ動作モードが維持される場合には、キャプチャーモードに移行するか否かを判定する(ステップS113)。この場合、シャッターボタン48を半押し状態とすると、キャプチャーモードに移行し(ステップS114)、この状態で、シャッターボタン48の操作を打ち切ると、ファインダーモード(ステップS111)に戻る。
キャプチャーモード(ステップS114)を経て、撮影か否かを判定する(ステップS115)。シャッターボタン48を全押し状態としたとき、撮影動作としてシャッター操作が完了し、撮影報知部54のスピーカ68からシャッター音が出力される(ステップS116)。このシャッター操作において、一回の操作で全押し状態とする場合には、その途上で半押し状態を通過し、途上の半押し状態でキャプチャーモードを通過し、撮影処理が行われる(ステップS113〜116)。そして、画像データは、フレームバッファ82に一時的に格納される(ステップS117)。
シャッター音は、マイクロホン70に集音されて検出され、原音と比較される(ステップS118)。即ち、シャッター音がディジタル信号に変換されて比較部56に加えられ、FLASH52から読み出されているシャッター原音と比較される。このシャッター音と原音は、周波数成分又はレベル、又はこれら双方を比較する。この比較結果により、撮影を許可するか否かが画像出力判定部60で判定される(ステップS119)。比較結果が一定の範囲内、シャッター音と原音の差分情報が一定範囲であれば、撮影を許可する判定をする。この判定結果により、撮影が許可された場合には、フレームバッファ82内の画像データを保存することとし、フレームバッファ82内の画像データをRAM53に保存する(ステップS120)。
また、判定結果により、撮影を禁止する場合には、FLASH52から読み出した表示情報によりLCD80に不適正撮影である旨の表示をする(ステップS121)。この不適正撮影の表示としては、LCD80の表示面に、例えば、図22に示すように、「不適正撮影」、「撮影を許可しません」等の表示をする。
そして、フレームバッファ82からRAM53に画像データを保存したとき(ステップS120)、フレームバッファ82の画像を消去し(ステップS122)、ファインダーモード(ステップS111)に戻る。また、判定結果により、撮影を禁止し、LCD80に不適正撮影である旨の表示をしたときにも(ステップS121)、フレームバッファ82の画像データを消去し(ステップS122)、ファインダーモード(ステップS111)に戻る。
以上説明したように、シャッター操作により一時的にフレームバッファ82に格納された画像は、報知情報としてシャッター音を利用した判定結果により、撮影が許可される場合、RAM53に保存されるが、それ以外の場合には画像を消去するとともに、不適正撮影である旨の画像表示を行うので、不適正撮影の防止機能の強化を図ることができる。
この第7の実施形態に係る携帯電話機において、報知情報に光を使用して撮影を許可するか否か、即ち、第1の記憶部としてフレームバッファ82に格納した画像をRAM53に保存するか否かを判定する構成としてもよい。
(第8の実施形態)
本発明の第8の実施形態は、カメラ機能を備える電子装置であって、画像を第1の記憶部に一時的に格納し、撮影が許可される場合に、その画像を第2の記憶部に保存するようにした電子装置において、撮影を禁止する場合に、不適正撮影である旨の音声メッセージを出力する構成としたものである。
図23は、本発明の電子装置の第8の実施形態である携帯電話機を示している。この第8の実施形態に係る携帯電話機40では、第2の実施形態(図7)のFLASH52の記憶部52Aにシャッター原音、その記憶部52Bに音声報知情報を格納したものである。その他の構成は、第2の実施形態と同一であるので、同一符号を付し、その説明を省略する。
この第8の実施形態に係る携帯電話機について、撮影時の処理動作を図24を参照して説明する。図24は、盗撮防止に関する撮影制御方法及びそのプログラムの一例であるフローチャートを示している。
この実施形態においても、カメラ動作モードに移行させると、ファインダーモードが実行され(ステップS131)、画像がLCD80に表示される。ここで、カメラ動作モードを維持するか終了させるかを判定する(ステップS132)。
また、カメラ動作モードが維持される場合には、キャプチャーモードに移行するか否かを判定する(ステップS133)。この場合、シャッターボタン48を半押し状態とすると、キャプチャーモードに移行し(ステップS134)、この状態で、シャッターボタン48の操作を打ち切ると、ファインダーモード(ステップS131)に戻る。
キャプチャーモード(ステップS134)を経て、撮影か否かを判定する(ステップS135)。シャッターボタン48を全押し状態としたとき、撮影動作としてシャッター操作が完了し、撮影報知部54のスピーカ68からシャッター音が出力される(ステップS136)。このシャッター操作において、一回の操作で全押し状態とする場合には、その途上で半押し状態を通過し、途上の半押し状態でキャプチャーモードを通過し、撮影処理が行われる(ステップS133〜136)。そして、画像データは、フレームバッファ82に一時的に格納される(ステップS137)。
シャッター音は、マイクロホン70に集音されて検出され、原音と比較される(ステップS138)。即ち、シャッター音がディジタル信号に変換されて比較部56に加えられ、FLASH52から読み出されているシャッター原音と比較される。このシャッター音と原音は、周波数成分又はレベル、又はこれら双方を比較する。この比較結果により、撮影を許可するか否かが画像出力判定部60で判定される(ステップS139)。比較結果が一定の範囲内、シャッター音と原音の差分情報が一定範囲であれば、撮影を許可する判定をする。この判定結果により、撮影が許可された場合には、フレームバッファ82内の画像データを保存することとし、フレームバッファ82内の画像データをRAM53に保存した後(ステップS140)、フレームバッファ82の画像データを消去し(ステップS142)、ファインダーモード(ステップS131)に戻る。
また、判定結果により、撮影を禁止する場合には、FLASH52から読み出した音声報知情報を撮影報知部54に加え、スピーカ68から音声により、不適正撮影である旨の音声報知をし(ステップS141)、フレームバッファ82の画像データを消去した後(ステップS142)、ファインダーモード(ステップS131)に戻る。
以上説明したように、シャッター操作により一時的にフレームバッファ82に格納された画像は、報知情報としてシャッター音を利用した判定結果により、撮影が許可される場合、RAM53に保存されるが、それ以外の場合には画像を消去するとともに、不適正撮影である旨の音声報知を行うので、不適正撮影の防止機能の強化を図ることができる。
この第8の実施形態に係る携帯電話機において、報知情報に光を使用して撮影を許可するか否か、即ち、第1の記憶部としてフレームバッファ82に格納した画像をRAM53に保存するか否かを判定する構成としてもよい。
(第9の実施形態)
本発明の第9の実施形態は、カメラ機能を備える電子装置であって、画像を第1の記憶部に一時的に格納し、撮影が許可される場合に、その画像を第2の記憶部に保存するようにした電子装置において、撮影を許可する場合において、撮影の許可、画像保存等のメッセージを出力する構成としたものである。
図25は、本発明の電子装置の第9の実施形態である携帯電話機を示している。この第9の実施形態に係る携帯電話機40では、第2の実施形態(図7)のFLASH52の記憶部52Aにシャッター原音、その記憶部52Bにメッセージ情報を格納したものである。この場合、メッセージ情報は、撮影の許可又は画像保存を報知する音声やメロディ等である。その他の構成は、第2の実施形態と同一であるので、同一符号を付し、その説明を省略する。
この第9の実施形態に係る携帯電話機40について、撮影時の処理動作を図26を参照して説明する。図26は、盗撮防止に関する撮影制御方法及びそのプログラムの一例であるフローチャートを示している。
この実施形態においても、カメラ動作モードに移行させると、ファインダーモードが実行され(ステップS151)、画像がLCD80に表示される。ここで、カメラ動作モードを維持するか終了させるかを判定する(ステップS152)。
また、カメラ動作モードが維持される場合には、キャプチャーモードに移行するか否かを判定する(ステップS153)。この場合、シャッターボタン48を半押し状態とすると、キャプチャーモードに移行し(ステップS154)、この状態で、シャッターボタン48の操作を打ち切ると、ファインダーモード(ステップS151)に戻る。
キャプチャーモード(ステップS154)を経て、撮影か否かを判定する(ステップS155)。シャッターボタン48を全押し状態としたとき、撮影動作としてシャッター操作が完了し、撮影報知部54のスピーカ68からシャッター音が出力される(ステップS156)。このシャッター操作において、一回の操作で全押し状態とする場合には、その途上で半押し状態を通過し、途上の半押し状態でキャプチャーモードを通過し、撮影処理が行われる(ステップS153〜156)。そして、画像データは、フレームバッファ82に一時的に格納される(ステップS157)。
シャッター音は、マイクロホン70に集音されて検出され、原音と比較される(ステップS158)。即ち、シャッター音がディジタル信号に変換されて比較部56に加えられ、FLASH52から読み出されているシャッター原音と比較される。このシャッター音と原音は、周波数成分又はレベル、又はこれら双方を比較する。この比較結果により、撮影を許可するか否かが画像出力判定部60で判定される(ステップS159)。比較結果が一定の範囲内、シャッター音と原音の差分情報が一定範囲であれば、撮影を許可する判定をする。この判定結果により、撮影が許可された場合には、フレームバッファ82内の画像データを保存することとし、フレームバッファ82内の画像データをRAM53に保存する(ステップS160)。
RAM53に画像を保存したとき、FLASH52から読み出したメッセージ情報を撮影報知部54に出力し、スピーカ68から音声又はメロディ等により、画像を保存する旨の音声報知をし(ステップS161)、フレームバッファ82の画像を消去し(ステップS162)、ファインダーモード(ステップS151)に戻る。
また、撮影を禁止する場合には(ステップS159)、撮影禁止処理を実行する(ステップS163)。この撮影禁止処理としては、例えば、フレームバッファ82の原画像にモザイク画像の重畳(第5の実施形態)、フレームバッファ82の原画像に代えてダミー画像の格納(第6の実施形態)、不適正撮影表示(第7の実施形態)、音声報知(第8の実施形態)等の何れかの処理又はこれら処理から選択された2以上の処理を実行し、フレームバッファ82に格納されている画像を消去した後(ステップS162)、ファインダーモード(ステップS151)に戻る。
以上説明したように、シャッター操作により一時的にフレームバッファ82に格納された画像は、報知情報としてシャッター音を利用した判定結果により、撮影が許可される場合、RAM53に保存されるが、それ以外の場合には画像を消去するとともに、画像が保存される場合、それを表すメッセージを出力するので、不適正撮影の防止機能の強化を図ることができる。
(第10の実施形態)
本発明の第10の実施形態は、カメラ機能を備える電子装置において、対向側の電子装置に対し、撮影の報知、撮影許可等を求める報知情報を無線により送信する構成、撮影の可否を表す通知情報を受信する構成、その受信部が受信した通知情報を利用し、撮影を許可するか否かを判定する構成としたものである。また、この電子装置の対向側の電子装置は、前記報知情報を受信部で受信することにより、その報知情報を情報提示部に提示する構成としたものである。
図27は、本発明の電子装置の第10の実施形態である携帯電話機を示している。この第10の実施形態に係る携帯電話機40Aにおいて、Bluetooth 無線送受信部100は、撮影を表す報知情報、又は撮影許可を求める報知情報を無線により送信する送信部であるとともに、撮影許可通知等の通知情報を無線により受信する受信部を構成し、報知情報を表す信号による搬送波の変調、受信信号から通知情報の復調等の処理が行われ、報知信号の送受が行われる。Bluetooth は、近距離間の無線通信規格であって、データ通信機能を無線で実現したものであり、伝送媒体には電波、超音波、音波、光等の無線媒体が用いられる。電波の送受信は入出力部102に接続されたアンテナ104を通して行われる。制御部42にはBluetooth ベースバンド部106が設置され、このBluetooth ベースバンド部106では、Bluetooth における信号処理により、送信すべき報知情報、復調された通知情報の処理が行われる。Bluetooth 無線送受信部100にはプロセッサ44から送信情報として、撮影を表す情報、又は撮影許可を求める情報等の報知情報が加えられ、Bluetooth 無線送受信部100から受信情報として撮影の可否を表す通知情報が取り出される。また、制御部42には、撮影可否の判定手段として例えば、画像出力判定部108が設置され、この画像出力判定部108には、Bluetooth ベースバンド部106の出力が加えられている。画像出力判定部108では例えば、撮影の可否を表す通知情報を利用し、撮影の可否判定として、画像出力の判定が行われ、その判定出力がプロセッサ44に加えられている。この実施形態では、画像出力判定部108の判定出力により、画像出力の可否を決定しているが、撮影の可否を決定するようにしてもよい。その他の構成は第1の実施形態(図3)と同様であり、同一符号を付してその説明を省略する。この場合、携帯電話機40Aに、第1の実施形態ないし第9の実施形態に記載した構成を併設してもよい。
また、図28は、本発明の電子装置の第10の実施形態である携帯電話機として、携帯電話機40Aの対向側の携帯電話機40Bを示している。この携帯電話機40Bには、対向側の携帯電話機40A側と同様のBluetooth 無線送受信部100、入出力部102、アンテナ104、バス57、LCD80を備え、制御部42にBluetooth ベースバンド部106及びプロセッサ44を備えている。この場合、LCD80や図示しないスピーカ(例えば、図3に示すスピーカ68)は、通知情報を被撮影者110に提示する情報提示部を構成する。報知情報を表すメッセージを認識した被撮影者110が発する撮影の許可や禁止を表す通知情報はキー112によりプロセッサ44に加えられる。
この第10の実施形態に係る携帯電話機40A、40Bについて、撮影時の処理動作を図29を参照して説明する。図29は、盗撮防止に関する撮影制御方法及びそのプログラムの一例であるフローチャートを示している。
この実施形態においても、カメラ動作モードに移行させると、ファインダーモードが実行され(ステップS171)、画像がLCD80に表示される。ここで、カメラ動作モードを維持するか終了させるかを判定する(ステップS172)。
また、カメラ動作モードが維持される場合には、キャプチャーモードに移行するか否かを判定する(ステップS173)。この場合、シャッターボタン48を半押し状態とすると、キャプチャーモードに移行し(ステップS174)、この状態で、シャッターボタン48の操作を打ち切ると、ファインダーモード(ステップS171)に戻る。
キャプチャーモード(ステップS174)を経て、撮影か否かを判定する(ステップS175)。シャッターボタン48を全押し状態にしたとき、撮影が開始される。このシャッター操作において、一回の操作で全押し状態とする場合には、その途上で半押し状態を通過し、途上の半押し状態でキャプチャーモードを通過し、撮影処理が行われる(ステップS173〜176)。このとき、撮影許可確認の処理が行われ(ステップS176)、即ち、携帯電話機40A側(図27)のプロセッサ44から撮影を表す情報、又は撮影の許可を求める情報等の報知情報が出力され、Bluetooth ベースバンド部106及びBluetooth 無線送受信部100を通してアンテナ104から送信される。対向側の携帯電話機40B(図28)では、その撮影の問合せを受信し(ステップS177)、その受信信号がBluetooth 無線送受信部100及びBluetooth ベースバンド部106を通して報知情報として復調され、その報知情報がプロセッサ44に加えられる。この報知情報により、携帯電話機40BのLCD80には、撮影情報又は撮影の許可を求める報知情報が提示され、被撮影者110が確認可能である。
この報知情報を受けた被撮影者110からキー112等により、撮影を許可するか否かを表す通知情報が発せられ、この通知情報が制御部42、Bluetooth 無線送受信部100を通じて携帯電話機40Bから携帯電話機40Aに送信される。
携帯電話機40Aでは、撮影の可否を表す通知情報を受信し(ステップS178)、この通知情報により撮影を許可するか否かの判定が行われる(ステップS179)。この場合、撮影の可否を表す通知情報としては、積極的な応答として撮影許可又は撮影禁止を表す可否情報の他、応答しない通知の場合もあり、応答がない場合には被撮影者110の保護の立場から、例えば、撮影禁止とする。そこで、撮影が禁止される場合には、ファインダーモード(ステップS171)に戻り、撮影が許可される場合には、画像データを保存することとし、その画像データをRAM53に保存する(ステップS180)。撮影を禁止する場合には、既述の第5又は第7の実施形態と同様に、例えば、フレームバッファ82の原画像にモザイク画像の重畳等の画像の改変や不適正撮影表示等の後、フレームバッファ82に格納されている画像を消去した後、ファインダーモード(ステップS171)に移行してもよい。
この場合、RAM53に画像を保存したとき、第9の実施形態(図25)のように、撮影報知部54を備えることにより、撮影報知部54にFLASH52から読み出したメッセージ情報を出力し、スピーカ68から音声又はメロディ等により、画像を保存する旨の音声報知をし、フレームバッファ82の画像を消去し、ファインダーモード(ステップS171)に戻るようにしてもよい。
また、携帯電話機40Bからの撮影の可否を表す通知情報に基づき、そのメッセージを携帯電話機40AのスピーカやLCD80に提示してもよい。
以上説明したように、無線により対向側の携帯電話機40Bに撮影を問い合わせ、その可否の通知情報を携帯電話機40A側で受け、その通知情報により撮影が許可されたか否かを判定し、撮影の可否、画像の保存の可否を決定するので、不適正撮影の防止機能の強化を図ることができる。
この第10の実施形態に係る携帯電話機において、報知情報に光を使用して撮影を許可するか否か、第2の実施形態のように、第1の記憶部としてフレームバッファ82に格納した画像をRAM53に保存するか否かを判定する構成としてもよい。
(第11の実施形態)
本発明の第11の実施形態に係る電子装置として、例えば、図30及び図31に示す折畳み式の携帯電話機40を構成してもよい。図30は携帯電話機40の開状態を示す図、図31はその背面図を示している。
この携帯電話機40は、本体部114とカバー部116とをヒンジ部118を介して開閉可能にしたものであり、本体部114には複数のキー112等からなる入力操作部120、マイクロフォン70等が設けられているとともに、各実施形態で既述した制御部42、撮影報知部54、情報検出部58、カメラセンサ62、RAM53等、その他電話機能部等が内蔵されている。カバー部116にはスピーカ68、表示部、情報提示部としての第1の表示部であるLCD80、第1のカメラ122が設置されるとともに、光センサ88が設置されている。その背面部には表示部、情報提示部としての第2の表示部であるLCD124が設置されるとともに、第2のカメラ126が設置されている。また、本体部114の背面部には、第2のスピーカ128が設置されている。
このような構成によれば、この携帯電話機40において、各実施形態で既述したように、撮影に際して発せられる報知情報である光やシャッター音を受信し、これら報知情報を利用し、撮影を許可するか否か、画像を保存するか否かを判定し、その判定により撮影を可能にし、画像の保存を可能にするので、スピーカ68の配線を断線する等の改造では不適正撮影の防止機能を解除することが困難であり、盗撮等の不適正撮影の防止を強化することができる。
また、この実施形態において、例えば、背面側のLCD124から発せられる光を光センサ88で検出し、この光を撮影を許可するか否かの判定に利用してもよい。即ち、シャッター音や撮影のフラッシュ光を報知情報に用いるだけでなく、携帯電話機40が正常時に発せられる光や音を報知情報として利用し、撮影の可否の判定に利用すれば、悪意の撮影者による盗撮等の不適正撮影を防止する契機とすることができ、不適正撮影の防止機能の強化を図ることができる。
(第12の実施形態)
本発明の第12の実施形態に係る電子装置として、例えば、図32に示すノート型パーソナルコンピュータ等の情報処理装置を構成してもよい。図32はノート型パーソナルコンピュータ130の斜視図を示している。
このノート型パーソナルコンピュータ130は、本体部132とカバー部134とをヒンジ部136を介して開閉可能にしたものであり、本体部132には複数のキー138等からなる入力操作部140、マイクロフォン70、スピーカ68等が設けられているとともに、カメラ142が設置されている。このようなノート型パーソナルコンピュータ130においても、各実施形態で既述した撮影報知部54、情報検出部58、制御部42等を備えて同様の処理を実行させれば、盗撮等の不適正撮影を防止できるとともに、その防止機能を強化することができる。
(第13の実施形態)
既述の通り、本発明の電子装置にはディジタルカメラが包含されており、例えば、図33及び図34に示すように、ディジタルカメラを構成することができる。図33はディジタルカメラの前面側の斜視図であり、図34はその背面側の斜視図である。
このディジタルカメラ144において、既述の実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。この場合、ディジタルカメラ144の前面側にスピーカ68やマイクロフォン70が配置されている。
このように構成されたディジタルカメラ144においても、既述の処理及び制御を実現でき、盗撮等の不適正撮影を抑制することができる。そして、スピーカ68の接続線の切断する改造等による不適正撮影の防止対策の無力化を阻止することができる。
(第14の実施形態)
既述の通り、本発明の電子装置には情報処理装置が包含され、例えば、図35に示すように、カメラ機能を搭載したPDA(Personal Digital Assistants )として構成することができる。
このPDA146において、既述の実施形態と同様の構成を搭載しており、同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。このPDA146では、前面側に情報提示部としてのLCD80、背面側にレンズ76、スピーカ68、マイクロフォン70、側面側にシャッターボタン48が設置されているとともに、その内側にカメラセンサ62、その他、既述の実施形態に係る構成が設置されている。
斯かる構成のPDA146においても、既述の処理及び制御を実現でき、盗撮等の不適正撮影を抑制することができ、スピーカ68の接続線の切断する改造等による不適正撮影の防止対策の無力化を阻止することができる。
(その他の実施形態)
各実施形態では、シャッター音や、シャッター操作により発せられた光を報知情報とし、その報知情報を検出することにより、その判定結果を利用し、撮影を許可するか否か、画像を保存するか否かを判定しているが、報知情報には、シャッター音や、シャッター操作により発せられた光以外の音や光等の通常発せられる情報を報知情報に用いて撮影の可否や、画像の取込みの可否の判定に利用してもよい。斯かる構成とすれば、電子装置の改造による盗撮行為の防止機能を高め、セキュリティ機能の高い電子装置を提供することができる。
また、第10の実施形態の電子装置(図28)では、被撮影者110が撮影の許可を求める報知情報に対し、その可否を表す通知情報を発する構成としたが、本発明は、携帯電話機40A(図27)側から撮影を表す報知情報を受信した携帯電話機10Bがその撮影報知を提示するだけの構成とし、その可否を通知しない構成としてもよい。
また、盗撮等の不適正撮影の痕跡を残すためには、表示部に表示される不適正撮影等の表示を撮影画像としてフレームバッファ82やRAM53に格納するようにしてもよい。
また、実施形態には、電子装置として携帯電話機、ノート型パーソナルコンピュータ、ディジタルカメラ、PDAを例示したが、本発明は、例示した機器以外のカメラ機能を搭載する各種の電子装置に適用可能である。
以上述べたように、本発明の最も好ましい実施形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、請求の範囲に記載され、又は発明を実施するための最良の形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。