JP4251523B2 - 毛を用いた乳がんのスクリーニング方法 - Google Patents
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Description
(技術分野)
本発明は、分子が規則的に配列している生体物質において、病理学的状態または病理学的状態自体の原因である遺伝子の存在を試験する方法に関する。詳細には、本発明は、BRCA I遺伝子の存在、乳がん自体の存在、前立腺がんの存在の検出およびアルツハイマー病の確定診断のために、毛を解析する方法に関する。
【0002】
乳がんは、いまだに、オーストラリアの女性の主要な死因である。オーストラリアの女性の約14%が一生の間に乳がんにかかるであろうということが立証されている。しかし、がんが、まだ乳房にある間に、十分に早期に診断されるならば、完全治癒が得られる約98%の見込みがある。迅速な低価格診断手数が、医学のこの領域での主要な打開策であろう。
【0003】
家族性乳がんの原因である遺伝子は、すでに突きとめられていて、家族の構成員がその遺伝子に対して陽性であることが試験で示された人々を綿密にモニターするために、診療所が作られつつある。しかし、試験は、完了までに数週間かかり、非常に高価で、そのため、全ての女性に広めることができず、また、現在は、母親が乳がんにかかった人々の高リスクグループに限られている。
【0004】
現在、非常に高価で、時間のかかる試験が、乳がん遺伝子のような遺伝子保有者の判定に使用されている。
【0005】
本発明の技術は、比較的低価格で、約1分の代替試験を提供する。また、本発明の技術は、サンプル収集および処理が容易な、たとえば、乳がん自体に対する、実行性のあるマススクリーニング技術を提供する。そうした試験は、高価で、種々の場所で付き添いが必要で、女性の見地から非常に苦痛であるばかりでなく、100%の信頼性がなく、また、解釈が非常に難しい場合がある、マモグラフィーに取って代わることができる。
【0006】
(発明の開示)
顕微鏡レベルで考えると、1本の毛は、中間層(皮質)、そして、薄い外皮(表皮)で囲まれたコア(髄質)から成る。皮質は、毛の長さ方向に平行に配列され、細胞膜複合体により保持されたαケラチン原繊維(フィブリル)の連続ネットワークと考えられる。小胞の角質化中に、個々の皮質細胞は、基本的にリン脂質の生体分子層であり、隣接細胞間の粘着剤として働く原形質膜に包まれている。こうした規則的な配列は、繊維X線回折解析に理想的に適している。そして、人の毛の超微細構造は、これまでに、物理的な膨化および伸張による実験と結び付けられた高輝度シンクロトロン放射散乱データから決定されている。これらデータは皮質の主成分が中間フィラメント(IFs)から成るαケラチン原繊維の六角形配列であることを示している。IFの基本ユニットは、二重らせんαケラチン鎖である。これらの2個が共にぐるぐる巻いて、しっかり結合した四量体を形成する。四量体の8個が緩いらせん状に巻いて、IFの外層を形成する。8個の四量体ユニットが互い違いに配列されるので、7番目の始まりが一番目の直上になり、全体アセンブリが角度7°で傾斜し、その結果、IFのまわりで、一回の完全なひと巻きに6個の結合が提供され、六角形配列が形成される。より短いリンカーユニットを持つIFのαらせんユニットは、繊維方向の47.0nmの反復に対応する311〜312あたりの残留物から成る。繊維方向に62.7nmで、非らせん尾部に対応する、結合取り付け点の軸反復は、傾斜した四量体ユニットに沿って繰り返す。4と80の年齢の間の正常な被検者から得られた通常のX線回折パターンは図2で与えられ、乳がんを持つ人々からのX線回折パターンは図3で与えられる。
【0007】
適当な解析を伴う低角度ファイバーX線回折は、規則正しい分子配列のある、あらゆる物質の分子構造を明らかにするであろう。毛は、αケラチンの規則正しい配列で特徴付けられる物質である。シンクロトロン放射を用いた研究は、αケラチン自体の構造および毛の特定αケラチンの構造を明らかにしたばかりでなく、インシュリン依存糖尿病の人毛に生じる分子変化を明らかにし、また、特定した。
【0008】
シンクロトロン放射を用いたファイバーX線回折の研究により、意外にも、乳がん患者からの毛の明白で一貫した超微細構造の変化が明らかにできることがわかった。
【0009】
本発明の第1の態様によれば、患者からの少なくとも1本の毛を繊維X線回折にさらすステップと、毛の超微細構造の変化を検出するステップとを有する、患者の病理学的状態または病理学的状態自体の原因である遺伝子の存在を検出する方法が提供される。
【0010】
本発明の第2の態様によれば、X線放射ビームを発生するX線源と、前記ビーム内に前記毛のサンプルを位置決めするサンプルステージと、前記毛のサンプルにより生じる前記X線ビームの散乱を検出する検出器とさらにその出力を表示するための検出器に関連付けられた表示手段とを有し、それによって前記遺伝子または前記病理学的状態の存在に関連した出力パターンが解釈のために表示される、毛のサンプルを用いて病理学的状態または病理学的状態自体の原因である遺伝子の存在を検出する装置が提供される。
【0011】
使用されるX線は、5〜25keVのエネルギー範囲内のX線を提供する、シンクロトロン放射または他の単色X線源から取り出されるのが適当である。
【0012】
実際には、1本の毛は、頭皮の隣接部または人の恥骨領域のような他の領域から採取される。サンプルは、蒸留水で洗浄され、通常の状態(温度20℃で大気圧)下で乾燥させられ、約30mmの長さに切断される。標本は、配列を維持するために十分な張力の下で、小室内に取り付けられる。そして、小室は、サンプルがビームに対して垂直になるように、低角度回折計の上に配置される。サンプルとイメージングプレートの間の空間は、吸収損失および空気散乱を最小限にするように排気される。
【0013】
X線回折実験は、0.06〜0.20nmの間にわたるX線波長を持つ、たとえば、筑波のフォトンファクトリのB115の低角度シンクロトロン設備等のような単色X線源を用いて行われる。フォトンファクトリストレージリングがビーム電流145mAで、25GeVで動作する時、約8×1010光子(photons)/秒の標本での入射線束が生成される。この設備では、0.15nmの波長が使用された。X線パターンは、たとえば、Fuji Bas IIIイメージングプレートのようなイメージングプレート上に記録される。毛のサンプルに対する露光時間は、シンクロトロン光源を用いて、5秒〜5分の間であるのが適当であるが、他のX線源を用いる時は数日または数週間となるかもしれない。露光時間は、第二世代シンクロトロン光源上で約60秒、第三世代シンクロトロン光源上で20秒であることが好ましい。サンプルからイメージングプレートまでの距離は、約20mm〜3000mmである。400mmが使用されるのが適当である。記録されたパターンの解析は、2つのコンピュータパッケージを用いて実行される。経線データは、ブラッグ解析を用いて解析され、赤道データは、適当なベッセル関数(Bessel function)を用いて解析される。
本発明の多数の実施形態について、図を参照して説明する。
【0014】
(本発明を実施する最良および他の形態)
以下で本発明の一実施形態について説明するが、これは本発明の範囲を限定するものであると解釈すべきではない。
【0015】
図1は、本発明によって毛を解析するシステム1を示す。矢印2で概略的に表されるX線源は、毛3の1本の繊維を照射する照準を合わせた単色X線ビームである。参照番号4は、当技術分野では公知である、排気されたX線飛行経路と呼ばれる。この飛行経路内で、散乱されたX線5は、非散乱ビーム6の方向から偏向される。非散乱ビー6は、ビームステップ7により妨げられ、散乱X線がイメージングプレート8に達し、概略的に示されるように、参照番号9a、9b、9cおよび9dにより検出される。
前述したように、イメージングプレート上に現れるパターンは、当技術分野で公知の方法により解析される。
【0016】
こうして検査された全ての分娩後の人の正常な毛は、4歳〜80歳にわたる年齢に対してほんのわずかに変化する特徴のある繰り返しパターンを生じることが見い出された。正常な毛の通常のパターンが図2に示されている。これは、乳がんのない人について得られた、人の毛の通常のシンクロトロンX線回折パターンである。経線反射は、繊維の軸に沿ったらせん配置により生じる。赤道パターンは、皮質のαケラチン繊維の強い方向性を持った円筒形充填により生じる。挿入物は、背景補正後のパターンの中心部を示す。矢印で示される弧は、各皮質細胞を囲み、そのために、繊維に対して垂直である原形質膜により生じる第一次ブラッグ反射である。
【0017】
毛のサンプルの第二セットは、(a)1つまたは他の家族性遺伝子を所有することが知られている、乳がんを持つ患者、(b)家族性遺伝子を所有しないことが知られている、乳がんを持つ患者、(c)乳がんの履歴を持つ家族の若い構成員から得られた毛を含んでいた。これら構成員は、乳がんになる4〜5のうちのおよそ1つの危険を持つ。全てのこうした毛のサンプルは、シンクロトロン回折研究において変化を生じた。その代表的な例が図3に与えられている。この図は、乳がん患者からの人毛の通常のシンクロトロンX線回折パターンである。リング構造が、コントロールについて得られた回折パターン上に重畳されている。挿入物は、背景補正後の内部を示しており、一次リングパターンが、コントロールの原形質膜から生じる一次ブラッグ反射と同じ間隔に対応していることを、明確に証明している。この結果は、観察された変化が乳がん自体に関連していることを示している。家族構成員の場合、1つの家族のうち2人の構成員が、変化を示したが、3人目は示さなかった。この事実が示すことは、乳がんの1つの遺伝子または複数の遺伝子を保持することによってこの異常を生じ得ること、および、この技術によって、家族のどの構成員が実際に異常を持つかを判断できる、ということである。
【0018】
我々が観察した変化は、乳がんを持つ女性から採取された頭皮および恥骨の毛の全てのサンプルによって明らかにされ、また、家族性BRCA遺伝子に対して陽性とテストされたが、まだがんになっていない人々に対しても観察された。そうした全ての場合において、正常の人毛についてのX線回折パターンは、4.44±0.06nmの間隔に対応するリングまたはリングのセットにより重畳されている。この粉状パターンの性質および位置は、外部物質が、小胞における繊維形成中に、完全にランダムな配列で細胞膜複合体上に結合されることを示している。これら変化の再現性は、ここに記載されているものと同様な毛の解析が、早期における、乳がんの簡単な無侵襲検出に適していることを示している。
【0019】
本発明について、以下の実施例によりさらに説明するが、これらの実施例もまた本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0020】
実施例1−頭皮の毛
二重盲検パイロット試験(日本)
フォトンファクトリ(日本)のビームライン15Aで行われた最初の二重盲検パイロット試験は、あるサンプルについてX線回折パターンの付加的な1つのリングまたは複数リングを示した。これらのサンプルを既知の患者データと相関させた後、変化が、悪性の傾向を示し、乳がん自体と関連しているかもしれないことが示唆された。
【0021】
実施例2−頭皮の毛
臨床試験(マンチェスター、英国)
実施例1でなされた観察を調査するために、さらなる二重盲検試験を行うためのより大きな臨床試験セットがクリスティーCRC研究センター(マンチェスター、英国)によって提供された。これは、フォトンファクトリ(日本)のオーストラリア国有ビームライン設備で行われ、結果がBIOCATで高解像度で証明された。
高度フォトン源(Advanced Photon Source)(シカゴ、米国)のビームライン。結果は、最初、あるあいまいさを示した。
【0022】
実施例3−頭皮の毛
さらなる調査
実施例2で明らかにされたあいまいさが調査され、パーマネントセットトリートメントが問題の原因であることが示された。こうした毛髪トリートメントは、必ず、構造上の改変不能性を生じる共有原子価結合の破壊および改造をもたらす。過去3カ月にわたってそうした毛髪トリートメントを受けた人からのサンプルが取り除かれ、元の大きなセットのサブセットが得られた。
【0023】
実施例4
恥骨の毛のX線回折研究(シドニー、オーストラリア)
実施例3により示された問題を取り除くために、恥骨の毛のセットが聖ジョージ病院(St.George Hospital)(シドニー、オーストラリア)の腫瘍学ユニット(Oncology Unit)により供給された。試験のために、毛の1本と複数の繊維を蒸留水で洗浄し、乾燥し、そしてそれらをピンと張った状態でX線ビームに垂直に保持するために特別に構成された小室に配置した。全ての設備で、X線散乱パターンはFuji−BASイメージングプレートを用いて記録された。照射波長は、400〜2400mmの範囲のカメラの長さと共に、1〜1.5Aに変化した。露光時間は、シンクロトロン光源およびX線光学構成に依存して、10秒〜10分の間で変化した。
【0024】
各設備からのデータの解析により、パターンが一貫していることが示され、αケラチンフィブリルの構造は変化しないことが明らかにされた。全てのサンプルの経線反射は、47.0nmと62.6nmの予想された無数の格子に対応する。充填パラメータは、赤道の最大値の完全ベッセル関数解析から得られ、全てのサンプルについて一貫していた。これらの値は、αケラチンらせんの半径を、0.92±0.02nmとして、四量体の半径を2.1±0.3nmとして、IFの半径を3.71±0.09nmとして、IFsの中心と中心の間隔をIFの半径の0.3±0.05倍として与えた。
【0025】
乳がん組織を特徴付ける、赤道の位置に直接配置させる4.44±0.06nmの間隔に対応するリングは、正常の毛のパターンの原形質膜を表している。リングは、たぶん、何かの物質が膜の外部層に結合することにより、何らかのしわ寄り、または、配向の乱れを受けたことを意味している。この余分の物質の性質および位置がどんなものであるかを決定するために、さらに研究が行われている。
【0026】
実施例5
頭皮の毛および恥骨の毛の結果の概要
乳がんを持つ患者からの、恥骨の毛の8サンプルの全てと頭皮の毛の15サンプルの全ては変化を示したが、正常な対照標準からの恥骨の毛の4サンプルの全てと頭皮の毛の16サンプルのうちの13は変化を示さなかった。さらなる頭皮の毛のサンプルのセットが、乳がんの家族履歴を持ち、それゆえに、ウィシングトンおよびクリスティー病院(Withington and Christie Hospital,Manchester)に附属のがん診療室(Cancer Clinics)でBRCA遺伝子について試験された人々のグループから採取された。BRCA遺伝子に対して陽性と試験されたことが知られている人々の中で、5人のうちの3人が明確な変化を示し、5人のうちの残る2人が、部分的な変化を示す同じ場所での拡散リングを示した。遺伝子について陰性と試験された人々の8人のうち、ただ一人が変化を示し、残りは正常であった。恥骨の毛のサンプルは、乳がんの家族履歴を持つ患者からのものはなかった。
【0027】
実施例6−頭皮および恥骨の毛
さらなる調査(ポートランド、オレゴン州)
これは、オレゴン州、ポートランドのイーストモーランド病院から得られた19サンプルのセットであった。これら患者のただ一人が非常に強い乳がんの家族性履歴を持っていたが、まだ、診断できるがんはなかった。この患者は正確に特定された。この人を、また、この人だけを正確に特定する機会は、約500,000のうちの1である。これらサンプルは、ビームライン施設(フォトンファクトリ、日本)で研究され、フォトンファクトリ(日本)のビームライン15Aでチェックされた。
【0028】
実施例7
ノックアウトマウス
確認調査
BRCA1遺伝子に関連付けられ、そして前述の場合で観察された特定の変化は、トランスジェニックマウスの個別調査で確認された。BRCA1ノックアウトマウス(ヘテロ接合体)は、メリーランド州、ベテスダの国立衛生研究所の国立ヒトゲノム研究所の分子病原部(Molecular Pathogenesis Section,National Human Genome Research Institute,National Institute of Health,Bethesda,Maryland)から得られた。6匹のBRCA1ノックアウトマウスは全て図6の弱いリングを示した。このリングは、6匹の正常マウスでは見られなかった。
【0029】
実施例8−恥骨の毛
さらなる調査(シドニー、オーストラリア)
これに加えて、我々は、聖ジョージ病院(シドニー、オーストラリア)の腫瘍学ユニットから得られた150サンプルの混合セットにおいて、22人の乳がん患者から21人のサブセットを正確に分離することができた。
【0030】
このセットにおいて特定されなかった人は、5年以上にわたって赦免状態であり、腫瘍学者は、彼女が完全に潔白であろうと信じている。同様な状況下の人は我々の初期の調査では潔白であることが示されており、さらに同様な8つのケースが我々の最新の調査で例証されている。
【0031】
実施例9
前立腺がん
前述の150サンプルのうちの20のさらなるサブセットは、前立腺がんを持つ男性からであり、正確に分離された。これら男性の年齢は50〜90歳の範囲であった。図7は、これら男性のそれぞれから得られたパターンを示している。
【0032】
実施例10
アルツハイマー病(パース、オーストラリア)
アルツハイマー病を持つ25人全ての患者は、パースの西オーストラリア大学の外科部門(The Department of Surgery,The University of Western Australia,Perth)からの毛の50人のセットから正確に特定された。アルツハイマー病を持つと診断された人々の年齢は、44と93の間の範囲であった。アルツハイマー病を特定するパターンは、図8で与えられる。赤道方向に見られるスポットパターンは、結晶物質が、図9と同様に正常に配列された四量体に結合され、その結果、それらを押し分けていることを示唆している。
【0033】
1999年3月の採集時にアルツハイマー病を持つとして、パースに保存されたコード上に記しを付けられた一サンプルは、私の結果においては正常であると考えられた。観察された変化の程度と病気の段階とを相関させるために、特別アルツハイマー看護ホームで調査が行われた時、この人についての初期の診断が暦年の半ばで変わったことが明らかになった。
【0034】
(議論)
これまで調査されたサンプル数は、全部で400を超えるが、結果の再現性は非常に有望である。本技術の柔軟性およびシンクロトロン光源を用いて各サンプルが計測に数秒、解釈にほんの数分しかかからないという事実により、乳がん、前立腺がんおよびアルツハイマー病の迅速で正確な診断手段としてのその使用が可能となる。
【0035】
(産業への適用)
本発明は、医療分野、特に、乳がん、前立腺がんおよびアルツハイマー病への被検者の傾向を検出することに捧げられた領域で広い適用を見出すであろうことは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のX線解析システムの概略図である。
【図2】 正常な毛から得られたX線回折パターンである。
【図3】 乳がんを持つ患者の毛から得られた代表的なX線回折パターンである。
【図4】 正常な毛から得られた別のX線回折パターンである。
【図5】 乳がんを持つ患者から得られた別のX線回折パターンである。
【図6】 非常に弱いリング(矢印で示される)を示すBRCA1ノックアウトマウスから得られたX線回折パターンである。
【図7】 余分な反射(図上に矢印で示される)を示す前立腺がんを持つ人の毛から得られたX線回折パターンである。
【図8】 余分な反射(図上に矢印で示される)を示すアルツハイマー病を持つ人の毛から得られたX線回折パターンである。
【図9】 正常なマウスの毛の四量体のらせん配置を示す図である。
Claims (18)
- 患者から前もって採取した毛を分析して、病理学的状態の原因であるがんに関連する家族性遺伝子または病理学的状態自体が患者に存在することを確認するための資料を得る方法であって、患者からの少なくとも1本の毛を繊維X線回折にさらすステップと、該遺伝子または病理学的状態が患者に存在することを示す、毛の超微細構造の変化を検出するステップとを有し、該病理学的状態が(a)毛の超微細構造に変化を生じるがん、または(b)アルツハイマー病であることを特徴とする方法。
- 病理学的状態が乳がんである、請求項1に記載の方法。
- 毛が患者の頭皮または恥骨領域から採取したものである、請求項2に記載の方法。
- 毛を蒸留水で洗浄し、そしてX線にさらすステップの前に乾燥する、請求項2に記載の方法。
- X線回折が低角度シンクロトロン設備を用いて行われる、請求項2に記載の方法。
- X線回折が約0.15mmの波長を持つX線を用いて行われる、請求項2に記載の方法。
- 毛を、約5秒から約5分の期間X線にさらす、請求項2に記載の方法。
- X線にさらす時間が約60秒である、請求項7に記載の方法。
- 病理学的状態が前立腺がんまたはアルツハイマー病である、請求項1に記載の方法。
- X線回折が、5〜25keVの間のエネルギーを持つシンクロトロン放射または他の単色X線源から取り出されるX線を用いて行うものである、請求項9に記載の方法。
- 0.06〜0.20nmの間の波長を持つ単色X線を使用する、請求項10に記載の方法。
- 低角度シンクロトロン設備から発せられるシンクロトロン放射を使用する、請求項9に記載の方法。
- 毛が患者の頭皮または恥骨領域から採取したものである、請求項9に記載の方法。
- 毛を蒸留水で洗浄し、乾燥し、ビームの方向に垂直に配置し、X線にさらすステップ中ぴんと張った状態に保持する、請求項9に記載の方法。
- 毛を、第三または第二世代のシンクロトロンからのX線に、それぞれ約20秒または60秒の期間さらす、請求項9に記載の方法。
- 毛を、約5秒から約5週の期間X線にさらす、請求項9に記載の方法。
- 病理学的状態が前立腺がんである、請求項9に記載の方法。
- 病理学的状態がアルツハイマー病である、請求項9に記載の方法。
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