JP4250814B2 - 3次元映像の送受信システム及びその送受信方法 - Google Patents

3次元映像の送受信システム及びその送受信方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、データ放送、音声放送、テレビジョン放送を統合するISDB(Integrated Services Digital Broadcasting)サービスや双方向サービス網を利用した次世代の3次元デジタル放送システムなどに適用して好適な3次元映像の送受信システム及びその送受信方法に関する。
【0002】
詳しくは、放送局などから送られてきた複数の映像素材情報に基づいて3次元映像を作成する映像作成手段を受信側に設け、その複数の映像素材情報から視聴者の好みに応じて選択された映像素材情報に基づいて視聴者固有の3次元映像を作成できるようにすると共に、自宅に居ながらにしてサッカー場でプレーする選手や、舞台で演ずる役者などの視線により認識される臨場感溢れた3次元映像を視聴できるようにしたものである。
【0003】
【従来の技術】
従来から、放送局で作成された番組などは、二次元の映像情報として1秒間に30フレーム分のアナログ映像信号を視聴者側に送信する方式が採用されている。この方式では多くの映像情報を送信できないことから、二次元の映像情報のデジタル信号に変調して放送するデジタル放送システムが普及されつつある。
【0004】
近年では、データ放送、音声放送、テレビジョン放送を統合するISDB(Integrated Services Digital Broadcasting)サービスも普及されてきている。この種のISDBサービスによれば、複数の番組を1画面内に「見出し画面」として表示し、この中から視聴者の好みに応じた「天気予報」、「ニュース」、「番組ガイド」、「映画」、「料理番組」、「スポーツ番組」・・・をいつでも視聴できるようになされる。これらの映像情報は放送局側から視聴者側へ多重化してデジタル送信される。従って、受信側では自分の好きな番組を選択して「天気予報」などをいつでも視聴することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来方式のデジタル放送システムによれば、放送局で作成された「天気予報」、「ニュース」、「番組ガイド」、「映画」、「料理番組」・・・などの二次元の映像情報を視聴者がそのまま消極的に視聴するものである。
【0006】
従って、視聴者が積極的に手がけた映像素材情報に基づく視聴者固有の「スポーツ番組」などの3次元映像を視聴することができない。例えば、サッカー場でプレーする選手や、舞台で演ずる役者などの視線により認識される臨場感溢れた3次元映像を自宅に居ながらにして視聴したいという要求があったときに、次のような問題がある。
【0007】
(1) 現行の多重放送システムでは、受信側で立体映像加工に必要な映像素材情報を放送局で準備していない。従って、放送局などから映像素材情報が送られてこないので、視聴者の好みに応じた映像素材情報を選択することができない。
【0008】
(2) これにより、視聴者の好みに応じた映像素材情報に基づく視聴者固有の3次元映像を作成することができない。従って、自宅に居ながらにしてサッカー場でプレーする選手や、舞台で演ずる役者などの視線により認識される臨場感溢れた3次元映像を視聴することができない。
【0009】
そこで、本発明は上記の課題に鑑み創作されたものであり、放送局などの送信側から送られてくる複数の映像素材情報の中から選択した視聴者の好みに応じた映像素材情報に基づいて視聴者固有の3次元映像を作成できるようにすると共に、自宅に居ながらにしてサッカー場でプレーする選手や、舞台で演ずる役者などの視線により認識される臨場感溢れた3次元映像を提供できるようにした3次元映像の送受信システム及びその送受信方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題は、少なくとも、3次元映像を作成するために予め準備された複数の2次元の映像素材情報を送信側から受信側へ送信する送信手段と、その送信手段によって送信された複数の2次元の映像素材情報を受信する受信手段と、この受信手段によって受信された複数の2次元の映像素材情報から任意の映像素材情報を選択する選択手段と、この選択手段によって選択された映像素材情報に基づいて3次元映像を作成する映像作成手段とを備え、映像素材情報の選択は視聴者によって行われ、送信手段が2次元及び3次元の映像情報を含む映像素材情報を送信した場合、受信手段は、映像作成手段によって作成された3次元映像の初期画面を表示する期間又は送信手段によって送信された2次元の映像情報の中で宣伝画面を表示する期間に送信手段から3次元の映像情報を取得する3次元映像の送受信システムによって解決される。
【0011】
本発明に係る3次元映像の送受信システムによれば、少なくとも、3次元映像を作成するために予め準備された複数の映像素材情報が送信手段によって送信側から視聴者側へ送信されると、受信側では、送信手段から送られてきた映像素材情報が受信手段によって受信される。この受信手段によって受信された映像素材情報から任意の映像素材情報が視聴者によって選択される。この際の映像素材情報の選択は選択手段を介して視聴者により行われる。この選択手段によって選択された映像素材情報に基づいて映像作成手段では3次元映像が作成される。
【0012】
従って、予め送信側で準備された複数の映像素材情報から視聴者の好みに応じて選択された映像素材情報に基づいて視聴者固有の3次元映像を作成することができる。これにより、放送局から与えられた映像をただ消極的に視聴者がそのまま視聴するのではなく、視聴者が積極的かつ独自に立体的に映像加工した3次元映像を視聴することができる。
【0013】
本発明に係る3次元映像の送受信方法は、少なくとも、3次元映像を作成するための複数の2次元の映像素材情報を予め送信側で準備し、この送信側で準備された複数の2次元の映像素材情報をその送信側から個々の視聴者側へ送信し、送信側から送信された複数の2次元の映像素材情報を視聴者側で受信し、視聴者側では複数の2次元の映像素材情報から任意の映像素材情報を選んで3次元映像を作成し、送信側が2次元及び3次元の映像情報を含む映像素材情報を送信した場合、視聴者側は、作成された3次元映像の初期画面を表示する期間又は送信側から送信された2次元の映像情報の中で宣伝画面を表示する期間に送信側から3次元の映像情報を取得するものである。
【0014】
本発明に係る3次元映像の送受信方法によれば、放送局から与えられた映像をただ消極的に視聴者がそのまま視聴するのではなく、視聴者が積極的かつ独自に立体的に映像加工した3次元映像を視聴することができる。従って、自宅に居ながらにしてサッカー場でプレーする選手や、舞台で演ずる役者などの視線により認識される臨場感溢れた3次元映像を視聴することができる。これにより、次世代の3次元デジタル放送システムなどを構築することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態としての3次元映像の送受信システム及びその送受信方法について説明をする。
(1)第1の実施形態
図1は本発明に係る実施形態としての3次元映像の送受信システム100の構成例を示す斜視図である。
この実施形態では、放送局などから送られてきた複数の映像素材情報に基づいて3次元映像を作成する映像作成手段を設け、その複数の映像素材情報から視聴者の好みに応じて選択された映像素材情報に基づいて視聴者固有の3次元映像を作成できるようにすると共に、自宅に居ながらにしてサッカー場でプレーする選手や、舞台で演ずる役者などの視線により認識される臨場感溢れた3次元映像を提供できるようにしたものである。
【0016】
図1に示す3次元映像の送受信システム100は、3次元デジタル放送システムなどに適用するために少なくとも送信手段1を備えている。この送信手段1は放送局などに設けられる。この例では予め準備された複数の映像素材情報D1i(i=1〜n)が送信手段1を使用して送信側から視聴者側へ送信される。ここで映像素材情報D1iとは3次元映像を作成するための情報をいう。この例で映像素材情報D1iには、少なくとも、映像の背景を表現する背景情報D11と、映像の背景内で動く物体を表現する物体情報D12と、背景に対する物体の初期の配置情報D13及び該物体の移動に伴う位置情報D14と、物体の動作に伴う動作情報とが付加される。これらの映像素材情報D1iは送信側で全て準備してもよく、もちろん、映像素材情報D1iの一部をCD−ROMなどの記憶媒体にして受信側で準備するようにしてもよい。例えば、サッカーゲームなどのサッカーゴールやフィールドをCD−ROMから読み出すようになされる。
【0017】
この送信手段1には多重化手段1Aが設けられ、3次元映像を作成するための二以上の映像素材情報D1iが多重化されて視聴者側に送信される。つまり、映像素材情報D1iは多重情報となって送信側から受信側へ複数のチャネルを使用して多重伝送される。例えば、デジタルテレビ放送網、ケーブルテレビ通信回線又はインターネット通信回線を使用して映像素材情報D1iが視聴者側に伝送される。デジタルテレビ放送網には地上波回線及び衛星回線が含まれる。これらの多重伝送媒体を総称し、以下で、ISDB(Integrated Service Digital Broad casting:)サービスという。
【0018】
この例でISDBサービスに係るチャネルの使用に伴う視聴者への料金設定に関しては、使用チャネル数とチャネル使用時間に基づいて課金するとよい。また、従量制を採る場合には、受信時間内における映像素材情報の量に応じて視聴者に課金するようにするとよい。このチャネルの使用に伴う料金設定に関しては、視聴者のみが対象となるとは限らない。例えば、テレビコマーシャルも3Dポリゴン映像によって作成することができるので、その場合には番組提供者(スポンサー)に対して使用チャネル数とチャネル使用時間に基づいて課金するようになされる。この際の料金設定に関しては、3Dコマーシャル映像の送信時間内における映像素材情報の量に応じて番組提供者に課金するとよい。
【0019】
この例では映像素材情報D1iは動画像圧縮基準であるMPEG−4(Moving Picture Experts Group−4)のデータ系列を持ったデータストリームにして送信される。これは限られたチャネルに多くの映像素材情報D1iを効率良く伝送するためである。チャネルは映像の背景の数量だけ予め準備される。これは映像の背景を基準にすることで、全てのチャネルを効率良く使用できるからである。この例では、送信側から受信側へ複数のチャネルを使用して映像素材情報D1iを伝送する場合であって、その複数のチャネルに映像素材情報D1iが割り振られる。例えば、動作情報D15と、その他の背景情報D11、物体情報D12、配置情報D13及び位置情報D14とは別々のチャネルに割り振られる。この場合に、動作情報D15は実時間で送信され、物体情報D12、配置情報D13及び位置情報D14は次の映像の背景情報D11と共に送信される。
【0020】
更に、上述したチャネルの1つを使用して通常のテレビ放送に係る二次元の映像情報を伝送したり、スポーツ選手や役者などの被写体から見た視点映像情報を映像素材情報D1iとしてチャネルの1つを使用して受信側に伝送するようになされる。その際に、被写体が映像の背景内に複数存在する場合には、被写体の視点映像情報毎にチャネルが割り当てられる。このように構成すると、被写体から見た視点映像と予め準備された合成画像とを受信側で合成することができる。
【0021】
この例では、映像の1場面を構成する映像素材情報D1iが膨大な量となる場合には、チャネルを増加して映像素材情報D1iを分割して受信側に送信するようにしてもよい。又は、分割した映像素材情報D1iを受信側に送信している期間に、残余のチャネルを使用して他の映像素材情報D1iを受信側に送信するようにしてもよい。これは、ある映像のラストシーンなどにおいて背景情報D11が膨大になる場合があることによる。
【0022】
一方、視聴者(受信)側には受信手段2が設けられ、放送局などの送信手段1から送られてきた映像素材情報D1iが受信される。受信手段2には情報分離手段2Aが設けられ、送信手段1から送られてきた多重化情報から二以上の映像素材情報D1iが分離される。この受信手段2には記憶手段3が接続され、映像素材情報D1iを一時記録するようになされる。記憶手段3には上述した背景情報D11に見合う分のメモリ容量が備えられる。これは背景情報D11が映像の1場面の背景を表現するものであることによる。
【0023】
この例では映像素材情報D1iの中で、頻繁に使用される3次元の映像情報に関しては、送信側において、当該映像の初期画面を表示する期間又は2次元の映像情報の中で宣伝画面を表示する期間に全てのチャネルに割り当てて送信される。これを受けた受信側ではこれらの期間中に取得した3次元の映像情報が記憶手段3に記憶される。
【0024】
例えば、背景情報D11、物体情報D12、配置情報D13、位置情報D14及び動作情報D15の一群のデータ取り込みが終了すると、他群のデータ取り込みのために受信側で当該チャネルを明け渡すようになされる。このように構成すると、受信側では3次元の映像素材情報D1iを予め取得できるし、送信側では効率良く映像素材情報D1iを送信することができる。
【0025】
この映像素材情報D1iに関しては映像の背景情報D11に変化があるものも変化がないものも全てを送信側から受信側へ送信されてくるので、受信側ではすぐに使用しない背景情報D11に関しては記憶手段3に一時記憶される。また、送信側から受信側へ送られたきた2次元及び3次元の映像情報を含む映像素材情報D1iを受信する場合に、最初の3次元の映像情報は当該映像の初期画面を表示する期間又は2次元の映像情報の中で宣伝画面を表示する期間に取得される。これは限られたチャネルに多重されてくる映像素材情報D1iを効率良く受信するためである。
【0026】
また、映像の1場面を構成する映像素材情報D1iが、ラストシーンなどにおいて背景情報D11が膨大な量となる場合には、余っているチャネルを使用して映像素材情報D1iが分割して送られてくるので、受信側では上述の期間中に取得したその映像素材情報D1iを記憶手段3に一時記憶するようになされる。この構成により、大量の映像素材情報D1iを効率良く受信側で受信することができる。
【0027】
この記憶手段3には選択手段4が接続され、受信された映像素材情報D1iから任意の映像素材情報D1iを選択するようになされる。映像素材情報D1iの選択は視聴者によって行われる。そのため選択手段4には押しボタンスイッチやジョグダイヤルなどの操作手段5が接続され、視聴者の好みに応じた映像素材情報D1iが選択できるようになされる。この例では操作手段5を操作することにより得られる操作情報D2に基づいて映像素材情報D1iに関する映像の背景又は物体の動きが変更される。
【0028】
この例で映像素材情報D1iが送信側で準備される場合であって、この映像素材情報D1iに関して、1画面を構成する3次元映像を「粗」に再生する粗再生モード又は「密」に再生する密再生モードのいずれかを受信側で選択するようにしてもよい。上述した従量制が採られる場合に、粗再生モードを選択すると、受信時間内における映像素材情報D1iの量が、密再生モードに比べて少なくなることから、視聴者にとって低料金となる。
【0029】
この選択手段4には映像作成手段6が接続され、視聴者によって選択された映像素材情報D1iに基づいて3次元映像が作成される。例えば、映像作成手段6では映像素材情報D1iに基づいて3次元映像の基礎となるステレオ画像を作成するようになされたり、3次元の映像情報を作成するソフトウエアにより仮想空間を表現するようになされる。その際の3D次元表現フォッマットにはVRML(Vertual Reality Modeling Language)方式を採用してもよい。
【0030】
この映像作成手段6には液晶ディスプレイ、CRTモニタ又は合成手段(以下でグラストロンともいう)などの図示しない表示手段が接続され、3次元映像が表示される。このグラストロンには視聴者の目の動きを検出する機構が設けられる場合がある。その場合には、視聴者の視点位置を検出した情報(以下視点位置検出情報という)D3に基づいて映像の中の物体の動きを変更するようになされる。例えば、映像の1画面の背景を表示する期間内に受信側に送信された物体の複数の動作情報D15と、グラストロンによる視点位置検出情報D3とに基づいて映像の中の物体の動きを変更するような表示制御が行われたり、その動作情報D15と、操作手段5による操作情報D2とに基づいて映像の中の物体の動きを変更するような表示制御が行われる。
【0031】
また、映像素材情報D1iに係る映像の背景又は物体の動きの変更は、一定のサイクルタイム内に割り込みが発生した場合によっても行われる。このサイクルタイム内の割り込み以外はデフォルトの3次元の映像情報に基づく映像が表示される。これにより、双方向テレビジョンの三次元版を構築することができる。
【0032】
続いて、本実施形態に係る3次元映像の送受信方法について、当該送受信システム100の処理例について説明をする。この例では、映像素材情報D1iが送信側で全て準備される場合を想定する。もちろん、映像素材情報D1iの一部をCD−ROM79などの記憶媒体にして受信側で準備するようにしてもよい。
【0033】
まず、図2に示すフローチャートのステップA1で3次元映像を作成するための複数の映像素材情報D1iが予め放送局などの送信側で準備される。映像素材情報D1iには、舞台やスポーツ競技場などの映像の背景を表現する背景情報D11と、映像の背景内で動く役者やスポーツ選手などの物体を表現する物体情報D12と、背景に対する物体の初期の配置情報D13及びその物体の移動に伴う位置情報D14と、物体の動作に伴う動作情報D15とが付加される。
【0034】
その後、送信側で準備された映像素材情報D1iがステップA2で送信手段1によって多重化された後に送信側から個々の視聴者側へ送信される。この際に、デジタルテレビ放送網、ケーブルテレビ通信回線又はインターネット通信回線を使用して映像素材情報D1iが視聴者側に伝送される。この例では映像素材情報D1iは動画像圧縮基準であるMPEG−4のデータ系列を持ったデータストリームにして受信側に伝送される。
【0035】
そして、送信側から送られてきた映像素材情報D1iはステップA3で視聴者側において、例えば、3Dポリゴン受信装置などを使用して受信される。この3Dポリゴン受信装置については実施例で説明をする。視聴者側では映像素材情報D1iから任意の映像素材情報D1iがステップA4で選択手段4を介して選択される。この際の映像素材情報D1iの選択は操作手段5を使用して視聴者により行われる。この操作手段5によって選択された映像素材情報D1iに基づいて映像作成手段6では3次元映像が作成される。
【0036】
従って、予め送信側で準備された複数の映像素材情報D1iから視聴者の好みに応じて選択された映像素材情報D1iに基づいて視聴者固有の3次元映像を作成することができる。これにより、放送局から与えられた映像をただ消極的に視聴者がそのまま視聴するのではなく、視聴者が積極的かつ独自に立体的に映像加工した3次元映像を視聴することができる。これにより、自宅に居ながらにしてサッカー場でプレーする選手や、舞台で演ずる役者などの視線により認識される臨場感溢れた3次元映像を視聴することができる。また、ISDBサービスを利用した次世代の3次元デジタル放送システムなどを構築することができる。
【0037】
(2)第1の実施例
図3は各実施例に係る3Dポリゴン放送システム200の構成例を示すブロック図である。この例では放送局から衛星回線を介して送られてきた複数の映像素材情報D1iに基づいて3次元映像を作成する3Dポリゴン受信装置202を設け、その複数の映像素材情報D1iから視聴者の好みに応じて選択された映像素材情報に基づいて視聴者固有の3次元映像を作成できるようにしたものである。
【0038】
第1の実施例では、特殊グラストロン203を装着した視聴者において、舞台で演ずる役者などの視線により認識される背景を3Dポリゴンで構成される「森」や「芝生」に置き換え、その「芝生」上に役者の3次元映像を表示できるようにしたものである。
【0039】
図3に示す3Dポリゴン放送システム200は3Dポリゴン送信装置201、3Dポリゴン受信装置202、特殊グラストロン203及びモニタ204を備えている。3Dポリゴン送信装置201は送信手段1の一例であり、放送局などに設置される。
【0040】
この放送システム200では3次元映像を作成するために予め準備された、例えば、「ロミオとジュリエット」の舞台中継に係るお城の背景、主人公としての男女の役者、この役者の動きなどの映像素材情報D1iが3Dポリゴン送信装置201によって放送局側から、衛星回線を通じて視聴者の所持する3Dポリゴン受信装置202へ送信される。受信側では、放送局から送られてきた映像素材情報D1iが3Dポリゴン受信装置202によって受信される。3Dポリゴン受信装置202によって受信された映像素材情報D1iから任意の映像素材情報D1iが視聴者によって選択されると、その選択された映像素材情報に基づいて視聴者の好みに合った3次元映像が作成される。
【0041】
この3Dポリゴン受信装置202では特殊グラストロン203やテレビモニタ204などの表示手段が使用され、3次元の映像が表示される。この例でテレビモニタ204には、客席から舞台を見ている二次元映像が表示される他、特殊グラストロン203を装着した視聴者には、3Dポリゴン10で構成される「森」や「芝生」上に役者が存在するような3次元映像を表示することができる。
【0042】
図4に示す3Dポリゴン送信装置201には音声映像取得装置211が設けられ、舞台やサッカー場などの番組中継対象から音声及び映像素材情報D1iが取得される。音声映像取得装置211には、ビデオカメラ、ステレオカメラ、マイクロフォン及びレンジファインダなどが使用される。ビデオカメラで映像素材情報D1iを取得する例については図6及び図7で説明する。
【0043】
この種の映像素材情報D1iに関してレンジファインダで取得する例については、図40〜図45で説明する。また、映像素材情報D1iに関して、撮像可能な任意の物体の特定の面に、点滅パターンが異なる複数の光源を取付け、その点滅パターンの異なった光源を所定の撮像方向に流すように撮像し、そこで撮像された光源の輝度情報を画像処理して光源の各々の位置情報を求めることにより物体の位置情報D14を得るようにしてもよい。
【0044】
例えば、ロミオやジュリエットを演ずる役者の衣装、靴、手袋、イヤリング、ネックレス、王冠などの装飾品に点滅パターンが異なる複数の光源を取付け、その点滅パターンの異なった光源を所定の撮像方向に流すように撮像し、そこで撮像された光源の輝度情報を画像処理して光源の各々の位置情報を求めることにより、ロミオやジュリエットの位置情報D14を得るようにする。この応用例については第2の実施例で説明する。
【0045】
この映像素材情報D1iに関しては、放送局側から視聴者側へ伝送するデータを低減するために、CD−ROM79などの記憶媒体に記録したものを受信側で予め準備するようにしてもよい。例えば、サッカーゴールやフィールドに係る3D映像情報をCD−ROM79から読み出すようになされる。この例については第2の実施例で説明する。
【0046】
この音声映像取得装置211にはコンピユータ212が接続され、コンピユータ212で加工形成された、「森」、「海」、「芝生」や「砂浜」などのコンピユータグラフィックデータ(以下CGデータという)D4が供給される場合もある。また、音声映像取得装置211で3DTVゲームや3D映画などのデータも取り扱うようにしてもよい。
【0047】
この音声映像取得装置211には各種情報を符号化するために音声符号化部213、映像符号化部214及びデータ符号化部215が接続される。音声符号化部213では役者や効果音などの音声が符号化され、音声符号化信号が発生される。映像符号化部214では1番組を構成する、例えば、舞台装置40の背景、物体の映像に係る背景情報D11、物体情報D12、配置情報D13、位置情報D14及び動作情報D15などの画像素材情報D1iが符号化され、映像符号化信号が発生される。データ符号化部215ではCGデータD4が符号化され、CGデータ符号化信号が発生される。
【0048】
また、音声符号化部213、映像符号化部214及びデータ符号化部215の出力には多重化手段1Aが接続され、音声符号化信号、映像符号化信号及びCGデータ符号化信号などの多種多様なサービスが多重化され、複数のトランスポートストリームパケットTSj(j=1〜m)が発生される。この例では、1番組を構成する符号化信号(映像素材情報D1i)はMPEG−4のデータ系列のビットストリームになるように符号化される。MPEG−4による符号化方法については図5で説明する。もちろん、MPEG−4の他にMPEG−2で規定される188バイト長のトランスポートストリーム(TS)パケットのペイロード部に多重してもよい。
【0049】
この多重化手段1Aの出力には伝送路符号化部216が接続され、トランスポートストリームTSjの合成、TMCC(Transmission & Multiplexing Configuration Cording)生成、誤り訂正及び変調などが行われる。例えば、伝送路符号化部216に、受信機への制御情報となる所定のTMCC情報が入力されると、このTMCC情報に基づいてTMCC信号が生成される。TMCC信号は一方で符号化されてTMCC伝送符号となる。
【0050】
他方で、TMCC信号に基づいてトランスポートストリームTSjが所定の順序に合成されると共に、リードソロモン符号などの外符号誤り訂正符号が付加される。その後、TMCC信号に基づいて伝送フレームが構成された後に、エネルギー拡散される。このエネルギー拡散は「0」又は「1」の信号が連続し変調後のスペクトルが集中するのを防ぐための処理である。エネルギー拡散された符号化信号はインターリーブ処理される。この処理は伝送路で発生するバースト状の誤りを分散させて誤り訂正能力を高めるためである。その後、インターリーブ処理された符号化信号はTMCC伝送符号に基づいて内符号誤り訂正符号が付加される。
【0051】
更に、伝送路符号化部216の出力には送信機217が接続され、内符号誤り訂正符号が付加された符号化信号がバースト信号によってデジタル変調される。この変調方式には高能率なTC8PSK(トレリス符号化8相位相変調:符号化率2/3)方式が採用され、34.5MHz帯域幅が使用される。伝送誤りに対して強いQPSK(4相位相変調:パンクチャド畳込み符号化率1/2、2/3、3/4、5/6、7/8)やBPSK(2相位相変調:1/2)もTC8PSKと時分割に使用してもよい。TC8PSK変調されたデジタル信号は衛星回線を通じて視聴者の受信装置に向けて発信される。
【0052】
ここで、映像素材情報D1iをMPEG−4で符号化する場合を説明する。図5に示すビデオエンコーダ300は入力端子313及び出力端子314を有している。入力端子313には動き補償部301、形状符号部302及び減算器303が接続されている。
【0053】
この動き補償部301では映像素材情報D1iに基づく映像のフレーム間の動き画像を補償するために時間方向の冗長度が削減される。つまり、動き補償部301では映像の動きをフレーム間で予測するための予測信号が発生される。この予測制御信号S10は形状符号部302及び後述する双方向予測メモリP3に出力される。
【0054】
この形状符号部302では映像素材情報D1iに基づく映像の動き形状を予測制御信号S10に基づいて符号化した後に、動き形状信号S2が発生される。減算器303では映像素材情報D1iに基づく現在映像と逆方向予測(過去参照)画像、順方向予測(未来参照)画像又は双方向予測画像との差を取るために、映像素材情報D1iに基づく入力画像から、これらの逆方向予測画像、順方向予測画像又は双方向予測画像に係るデータD21、D22、D23が減算される。
【0055】
この減算器303の出力には離散コサイン変換部(以下DCTという)304が接続され、映像の空間方向の冗長度を削減するために、例えば、映像素材情報D1iに基づく入力画像が8×8画素のブロックに分割される。このブロック単位にDCT演算が行われる。DCT304ではDC成分及びAC成分から成るDCT係数が得られる。
【0056】
このDCT304の出力には量子化部(Q)305が接続され、DC成分及びAC成分のDCT係数が量子化される。量子化部305には動きテキスト符号化部306が接続され、量子化されたDCT係数が動きテキストとして符号化された後に動きテキスト信号S11が発生される。また、量子化部305には逆量子化部306が接続され、量子化されたDCT係数がDC成分及びAC成分に逆量子化される。逆量子化部306の出力には逆離散コサイン変換部(以下IDCTという)307が接続され、逆DCT演算が行われる。
【0057】
このIDCT307には加算器308が接続され、逆方向予測画像、順方向予測画像又は双方向予測画像に係る各々のデータD21、D22、D23とIDCT307の出力画像に係るデータD24とを加算した後の合成画像データD20が出力される。加算器308の出力にはフレームメモリ309が接続され、加算器308による合成画像データD20が一時記憶される。フレームメモリの出力には逆方向予測メモリP1が接続され、逆方向予測画像に係るデータD21が保持される。フレームメモリには順方向予測メモリP2が接続され、順方向予測画像に係るデータD22が保持される。更にフレームメモリには双方向予測メモリP3が接続され、双方向予測画像に係るデータD23が予測制御信号S10に基づいて保持される。
【0058】
これらの逆方向予測メモリP1、順方向予測メモリP2及び双方向予測メモリP3の出力にはスイッチ(セレクタ)部310が接続され、順方向予測、逆方向予測又は双方向予測の各モード切り換えに基づいて逆方向予測画像、順方向予測画像又は双方向予測画像に係るデータD21、D22、D23のいずれかを選択するようになされる。スイッチ部310の出力は減算器303及び加算器308に接続される。
【0059】
一方、動きテキスト符号化部311及び形状符号化部302には映像多重部312が接続され、符号化された映像の動きテキスト信号S1と、符号化された動き形状信号S2とが多重化される。これにより、映像素材情報D1iをMPEG−4のビットストリームにすることができる。映像素材情報D1iのビットストリームは出力端子314から得られる。
【0060】
続いて、映像素材情報D1iの取得例について説明をする。図6に示す舞台装置40の例では客席に背景撮影用のビデオカメラ401が配置され、例えば、舞台上にセットされた第1幕のお城の背景などが撮影され、図7Aに示す役者A及びBを含むお城を表現する背景情報D11が取得される。
【0061】
また、舞台の左右には物体撮影用のビデオカメラ402、403が配置され、舞台装置40の左右から見た役者の動きが撮影され、図7Bに示す舞台内で動く役者A,Bを表現する物体情報D12が取得される。更に、舞台装置40の斜め右前方には物体位置撮影用のビデオカメラ404が配置され、舞台背景に対する役者の初期の配置情報D13及びその舞台内で動く役者A,Bの移動に伴う位置情報D14が取得される。
【0062】
この例では2名の役者(被写体)A及び他の役者Bの各々の頭部には小型のCCD撮像装置405、406が取り付けられ、一方の役者から他方の役者を見た視点映像が各々撮影され、双方の役者の動作に伴う動作情報D15が取得される。もちろん、舞台側にビデオカメラ407を設け、舞台側から客席上を見た背景などを撮影してもよい。別の例として、各役者A,Bの双方の頭部の動きのみを取得する位置に流し取りCCD装置(又は磁気センサ)を取り付け、視点方向のみの映像を取得するようにしてもよい。
【0063】
これらの映像素材情報D1iが予め放送局などで準備されると、上述した3Dポリゴン送信装置201によって多重化された後に、放送局から個々の視聴者側へ送信される。この際に、デジタルテレビ放送網、ケーブルテレビ通信回線又はインターネット通信回線を使用して映像素材情報D1iが視聴者側に伝送される。
【0064】
続いて、3Dポリゴン受信装置202の構成例について説明する。この例では上述した舞台映像に係る映像素材情報D1iが6チャネルに割り振られて送信される場合であって、その背景情報D11がチャネルch1に割り振られ、その物体情報D12がチャネルch2に割り振られ、その配置情報D13がチャネルch3に割り振られ、その位置情報D14がチャネルch4に割り振られ、その動作情報D15がチャネルch5に割り振られ、二次元の映像情報がチャネルch6に割り振られる場合を想定する。
【0065】
図8に示す3Dポリゴン受信装置202はTC8PSK変調方式のデジタル信号を受信するものであり、受信手段2、画像メモリ(記憶手段)3、セレクタ(選択手段)4、映像作成手段6、制御装置88及びジョグダイヤル89を備えている。
【0066】
受信手段2はチューナ部74、映像検波部75、ノイズ除去部76、誤り補正部77及び情報多重化解析部78を有している。チューナ部74では衛星回線から送られくるTC8PSK変調方式のデジタル信号が受信される。チューナ部74には映像検波部75が接続され、例えば、6チャネルに多重化されたTC8PSK変調方式のデジタル信号が検波される。映像検波部75にはノイズ除去部76が接続され、MPEG−4のデータ系列で送信されてきたデジタル信号がOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)復調される。
【0067】
このノイズ除去部76には誤り補正部77が接続され、OFDM復調されたデジタル信号の誤り符号が補正される。誤り補正部77には多重分離手段として情報多重化解析部78が接続され、誤り補正された6チャネルの映像素材情報D1iが多重分離される。背景情報D11はch1から得られ、物体情報D12はch2から得られ、配置情報D13はch3から得られ、位置情報D14はch4から得られ、動作情報D15はch5から得られ、及び、二次元の映像情報はch5から各々得られる。
【0068】
この情報多重化解析部78には画像メモリ3が接続され、ch1〜ch6から得られた背景情報D11、物体情報D12、配置情報D13、位置情報D14、動作情報D15及び二次元の映像情報などの映像素材情報D1iが一時記憶される。画像メモリ3にはセレクタ4が接続され、これらの映像素材情報D1iから任意の映像素材情報D1iが操作手段としてのジョグダイアル89などを使用して視聴者により選択される。
【0069】
このセレクタ4の出力には映像作成手段6が接続され、3次元映像が作成される。映像作成手段6は例えばジオメトリ部85、ラスター部86及びステレオ画像生成部87を有している。つまり、セレクタ4の出力にはジオメトリ部85が接続され、3次元映像を表現するためのグローバル座標系に背景情報D11、物体情報D12、配置情報D13、位置情報D14及び動作情報D15が表示(記述)される。例えば、図9に示す舞台で演ずる役者Bなどの視線により認識される背景が、3Dポリゴン10で構成される「森」や「芝生」に置き換えられ、その「芝生」上に役者Aの3次元映像が表示される。これらの映像合成信号が発生される。
【0070】
また、ジオメトリ部85にはCD−ROM79が接続され、予め受信側で準備された3Dサッカーゲームなどのソフト情報源から読み出した映像ソフトが合成される場合もある。ジオメトリ部85にはラスター部86が接続され、表示手段24の走査方式、例えば、NTSC方式又はPAL方式に合うように映像の水平走査期間及び垂直走査期間などを合わせ込むラスター処理がなされる。ラスター部86にはステレオ画像生成部87が接続され、表示手段24の走査方式に合うように走査処理された映像合成信号に基づいてステレオ画像が形成される。例えば、表示手段24が特殊グラストロン203の場合には、視聴者が見つめる視点位置を検出することができるので、その視点データに基づいてステレオ画像が形成される。
【0071】
このステレオ画像生成部87には特殊グラストロン203、TVモニタ204又は後述する液晶表示素子(LCD)などの表示手段24が接続され、視聴者の好みに応じて選択された映像素材情報D1iに基づく視聴者固有の3次元映像が表示される。上述の情報多重化解析部78、画像メモリ3、セレクタ4、CD−ROM79、ラスター部86及びステレオ画像生成部87には制御装置88が接続されると共に、この制御装置88にはジョグダイヤル89が接続される。視聴者はジョグダイアル89によって自分の好みに応じた映像素材情報D1iを選択するようになされる。この選択によって制御装置88では多重化解析部78、画像メモリ3、セレクタ4、CD−ROM79、ラスター部86及びステレオ画像生成部87の入出力が制御される。
【0072】
続いて、第1の実施例で使用する特殊グラストロン203の構成例について説明する。図10に示す特殊グラストロン203は合成手段を構成するものであり、例えば、非透過型のヘッドマウントディスプレイを成している。特殊グラストロン203は本体部21を有している。その本体部21にはベルト22が設けられ、眼鏡をかけるように本体部21が視聴者の顔面に装着されると共に、その視聴者の頭部外周部に沿ってベルト22が固定される。本体部21には第1の画像表示素子としての右眼表示用の液晶表示装置(以下LCDという)26と、第2の画像表示素子としての左眼表示用のLCD27とが設けられる。
【0073】
つまり、特殊グラストロン203内の視聴者の右目に相対する位置に取り付けられたLCD26には、例えば、図9に示した舞台で演ずる役者Bなどの視線により認識される役者Aの映像と、3Dポリゴン10で構成される「森」や「芝生」に置き換えられた背景の「芝生」上に存在する役者Aの映像とを合成したステレオ画像の一方が表示される。
【0074】
また、その視聴者の左目に相対する位置に取り付けられたLCD27には、上述の舞台で演ずる役者Bなどの視線により認識される役者Aの映像と、3Dポリゴン10で構成される「森」や「芝生」に置き換えられた背景の映像とを合成したステレオ画像の他方が表示される。この特殊グラストロン203は視聴者の顔面又は頭部に装着され、上述のLCD26のステレオ画像と、LCD27のステレオ画像とが視聴者の眼球に導くようになされる。従って、舞台で演ずる役者Bなどの視線により認識される役者Aの映像と、3Dポリゴン10で構成される「森」や「芝生」に置き換えられた背景の「芝生」上に存在する役者Aの映像とが視聴者の頭の中で合成される。
【0075】
この特殊グラストロン203には、図11に示す右眼表示用のLCD26と、左眼表示用のLCD27の表示面内にフィルム状の電荷結合素子(以下フィルムCCDという)4R(右)、4L(左)が配置され、基準面を注視する観測者の眼球運動を撮像してその観測者の注視点pが検出される。この例では、フィルムCCD4R、4Lは、視聴者の眼球に相対するLCD26及びLCD27上に分散して配置されている。
【0076】
このフィルムCCD4R、4Lでは、図12Aに示す例えば、4×6画素のマトリクスの全体画素に対して歯抜け状(斜線部分)に撮像素子4Aが配置されている。従って、白抜き部分には撮像素子4Aが配置されておらず、LCD26及びLCD27による映像を通すようになされる。フィルムCCD4R、4Lは、フィルム上に部分的にシリコン膜を形成して光電変換素子などのCCDを歯抜け状に作成し、このフィルムCCD4R、4LをLCD26及びLCD27の前方に張り合わせるなどして形成される。
【0077】
なお、フィルムCCD4R、4Lは、サファイヤを基礎材料にして、シリコン膜を部分的に形成することができるので、LCD26及びLCD27と歯抜け状のフィルムCCD4R、4Lとを1チップ化することもできる。ただし、チップの透明性(光透過率)は薄いサングラス程度となる。
【0078】
このフィルムCCD4Rでは、図12Bに示す観測者の眼の瞳の動きや、その瞳孔の絞り状態が撮像され、フィルムCCD4Lでは、同図に示す観測者の眼の瞳の動きや、その瞳孔の絞り状態が撮像される。従って、特殊グラストロン(合成手段)203を装着した視聴者が特定位置に視点を合わせることにより、フィルムCCD4R、4Lから得られたカメラ出力信号(視点位置検出情報)に基づいて映像素材情報D1iに関する映像の背景又は物体の動きを変更することができる。
【0079】
この特殊グラストロン203は図13に示す視聴者の顔面又は頭部に装着され、上述のLCD26のステレオ画像と、LCD27のステレオ画像とが視聴者の眼球に導くようになされる。図13において、特殊グラストロン203を装着した視聴者の両目の光軸が重なったところが、注視点pである。この注視点pを基準にして、役者Aの映像のステレオ画像と、3Dポリゴン10で構成される「森」や「芝生」の仮想映像のステレオ画像とが頭の中で合成される。
【0080】
ここで、視聴者の眼球表面から注視点pに至る離隔距離をShとし、LCD26、LCD27の表示面から注視点pに至る距離をSとし、視聴者の眼球表面とLCD26、LCD27の表示面との間のオフセット距離をSoffとすると、Sh=S+Soffにより、視点位置を検出することができる。この例では、視聴者の眼球運動から黒目と瞳孔の位置関係及び瞳孔の形状を認識し、その認識情報から注視点pの方向と離隔距離Shとを求め、その離隔距離Shに基づいて背景情報などを切り換えるようになされる。
【0081】
この視聴者の眼球映像は、上述したように左右のLCD26、27の前面にフィルムCCD4R、4Lを設ける場合に限られることはなく、左眼表示用のLCD27から背景映像を出力し、右眼表示用のLCD26上にフィルムCCD4R目を設け、そのCCD4Rによって眼球映像を取得してもよい。この逆の方法でもよい。
【0082】
続いて、第1の実施例に係る3Dポリゴン放送システムにおける処理例について説明をする。この例では放送局から衛星回線を介して送られてきた複数の映像素材情報D1iに基づいて3次元映像を作成する3Dポリゴン受信装置202を各家庭に設置し、その複数の映像素材情報D1iから視聴者の好みに応じて選択された映像素材情報に基づいて視聴者固有の3次元映像を作成することを前提とする。もちろん、視聴者は図10に示した特殊グラストロン203を頭部に装着する。
【0083】
更に、特殊グラストロン203を装着した視聴者において、舞台で演ずる役者などの視線により認識される背景を3Dポリゴン10で構成される「森」や「芝生」に置き換え、その「芝生」上に役者の3次元映像を表示することを想定する。
【0084】
これらを前提として、図14に示すフローチャートのステップB1で3次元映像を作成するための複数の映像素材情報D1iが予め放送局で準備される。例えば、図4に示した音声映像取得装置211によって、「ロミオとジュリエット」の舞台中継に係るお城の背景を表現する背景情報D11と、映像の背景内で動く男女の役者A,Bを表現する物体情報D12と、背景に対する役者A,Bの初期の配置情報D13及びその役者A,Bの移動に伴う位置情報D14と、役者A,Bの動作に伴う動作情報D15とにより映像素材情報D1iが取得される。その他にコンピユータ212で加工形成された、「森」、「海」、「芝生」や「砂浜」などのコンピユータグラフィックデータ(以下CGデータという)D4が映像素材情報D1iに含まれる。
【0085】
その後、放送局側で準備された映像素材情報D1iがステップB2で3Dポリゴン送信装置201により多重化される。図4に示した3Dポリゴン送信装置201では、例えば、ステップB21で音声映像取得装置211から得られた映像素材情報D1iが音声符号化部213、映像符号化部214及びデータ符号化部215に出力される。音声符号化部213では役者や効果音などの音声が符号化され、音声符号化信号が発生される。映像符号化部214では1番組を構成する、例えば、舞台装置の背景、物体の映像に係る背景情報D11、物体情報D12、配置情報D13、位置情報D14及び動作情報D15などの画像素材情報D1iが符号化され、映像符号化信号が発生される。データ符号化部215ではCGデータD4が符号化され、CGデータ符号化信号が発生される。
【0086】
また、音声符号化部213、映像符号化部214及びデータ符号化部215の出力に接続された多重化手段1Aにより、音声符号化信号、映像符号化信号及びCGデータ符号化信号などの多種多様なサービスが多重化され、複数のトランスポートストリームパケットTSj(j=1〜m)が発生される。そして、ステップB22では上述した舞台映像に係る背景情報D11がチャネルch1に割り振られ、その物体情報D12がチャネルch2に割り振られ、その配置情報D13がチャネルch3に割り振られ、その位置情報D14がチャネルch4に割り振られ、その動作情報D15がチャネルch5に割り振られ、二次元の映像情報がチャネルch6に割り振られる。この映像情報は1chでもよい。
【0087】
この例では、1番組を構成する符号化信号(映像素材情報D1i)は図5に示したようにMPEG−4のデータ系列のビットストリームになるように符号化される。この多重化手段1Aの出力は伝送路符号化部216で、トランスポートストリームTSjの合成、TMCC生成、誤り訂正及び変調などのOFDM処理がステップB23で施される。
【0088】
このOFDM処理後の符号化信号は、送信機217において、TC8PSK方式のデジタル変調がなされ、34.5MHz帯域幅を使用して、ステップB24で衛星回線を通じて視聴者の受信装置に向けて発信される。この際に、デジタルテレビ放送網を使用して映像素材情報D1iが視聴者側に伝送される。もちろん、ケーブルテレビ通信回線又はインターネット通信回線を使用してもよい。
【0089】
そして、放送局側から送られてきた映像素材情報D1iはステップB3で視聴者側に設置された3Dポリゴン受信装置202によって受信される。例えば、図8に示した3Dポリゴン受信装置202のチューナ部では、衛星回線から送られくるTC8PSK変調方式のデジタル信号が受信される。
【0090】
このチューナ部74に接続された映像検波部75では、6チャネルに多重化されたTC8PSK変調方式のデジタル信号が検波される。この映像検波部75に接続されたノイズ除去部76では、MPEG−4のデータ系列で送信されてきたデジタル信号がノイズ除去されると共にOFDM復調される。このノイズ除去部76に接続された誤り補正部77では、OFDM復調されたデジタル信号の誤り符号が補正される。
【0091】
この誤り補正部77に接続された情報多重化解析部78では、誤り補正された6チャネルの映像素材情報D1iが多重分離される。背景情報D11はch1から得られ、物体情報D12はch2から得られ、配置情報D13はch3から得られ、位置情報D14はch4から得られ、動作情報D15はch5から得られ、及び、二次元の映像情報はch5から各々得られる。これらの背景情報D11、物体情報D12、配置情報D13、位置情報D14、動作情報D15及び二次元の映像情報などの映像素材情報D1iは画像メモリ3に一時記憶される。
【0092】
その後、ステップB4では映像素材情報D1iから任意の映像素材情報D1iがジョグダイアル89などを使用して視聴者により選択される。このジョグダイアル89によって制御装置88及びセレクタ4を通じて選択された映像素材情報D1iは、映像作成手段6に出力される。映像作成手段6のジオメトリ部85では、3次元映像を表現するためのグローバル座標系に背景情報D11、物体情報D12、配置情報D13、位置情報D14及び動作情報D15が表示(記述)される。例えば、図6に示した舞台で演ずる役者Bなどの視線により認識される背景が、3Dポリゴン10で構成される「森」や「芝生」に置き換えられ、その「芝生」上に役者Aの3次元映像が合成され、これらの映像合成信号が作成される。
【0093】
また、ジオメトリ部85に接続されたラスター部86では、表示手段24の走査方式に合うようにラスター処理が施される。その後、ラスター部86に接続されたステレオ画像生成部87では、視点データに基づいてステレオ画像が形成される。
【0094】
このステレオ画像はステップB5で特殊グラストロン203に供給される。特殊グラストロン203内のLCD26には、図9に示した舞台で演ずる役者Bなどの視線により認識される役者Aの映像と、3Dポリゴン10で構成される「森」や「芝生」に置き換えられた背景の「芝生」上に存在する役者Aの映像とを合成したステレオ画像の一方が表示される。
【0095】
また、そのLCD27には、上述の舞台で演ずる役者Bなどの視線により認識される役者Aの映像と、3Dポリゴン10で構成される「森」や「芝生」に置き換えられた背景の映像とを合成したステレオ画像の他方が表示される。上述のLCD26のステレオ画像と、LCD27のステレオ画像とが視聴者の眼球に導くようになされる。これにより、舞台で演ずる役者Bなどの視線により認識される役者Aの映像と、3Dポリゴン10で構成される「森」や「芝生」に置き換えられた背景の「芝生」上に存在する役者Aの映像とが視聴者の頭の中で合成される。
【0096】
このように、第1の実施例に係る3でポリゴン放送システムによれば、予め放送局側で準備された複数の映像素材情報D1iから視聴者の好みに応じて選択された映像素材情報D1iに基づいて視聴者固有の3次元映像を作成することができる。特殊グラストロン203を装着した視聴者には、図9に示した3Dポリゴン10で構成される「森」や「芝生」上に役者Aが存在するような3次元映像を楽しむことができる。
【0097】
従って、放送局側から与えられた映像をただ消極的に視聴者がそのまま視聴するのではなく、視聴者が積極的かつ独自に立体的に映像加工した3次元映像を視聴することができる。これにより、自宅に居ながらにして舞台で演ずる役者A,Bなどの視線により認識される臨場感溢れた3次元映像を視聴することができる。また、ISDBサービスを利用した次世代の3次元デジタル放送システムを提供することができる。
【0098】
なお、3Dポリゴン受信装置202では特殊グラストロン203を装着しない場合には、客席から舞台を見ている場合の二次元映像がテレビモニタ204に表示される。この他に、ジョグダイアル89の切り換えによってテレビモニタ204に、3Dポリゴン10で構成される「森」や「芝生」上に役者Aが存在するような3次元の合成映像を表示することができる。
【0099】
(3)第2の実施例
図15は第2の実施例に係る3Dポリゴン放送システム400の構成例を示すブロック図である。
この例では第1の実施例に係る3Dポリゴン放送システム300にゲーム装置205が接続され、放送局から衛星回線を介して送られてきた、例えば、サッカー中継に係る複数の映像素材情報D1iに基づいて3Dポリゴン受信装置202により3次元映像が作成され、その複数の映像素材情報D1iから視聴者の好みに応じて選択された映像素材情報に基づいて視聴者固有の3次元映像を作成できるようにしたものである。これと共に、特殊グラストロン206を装着した視聴者において、ゲーム装置205から提供された映像ソフトによるサッカーコートに、3Dポリゴン10で構成されるサッカー選手の3次元映像を合成表示できるようにしたものである。
【0100】
図15に示す3Dポリゴン放送システム400は3Dポリゴン送信装置201、3Dポリゴン受信装置202、TVモニタ204、ゲーム装置205及び特殊グラストロン206を備えている。なお、第1の実施例と同じ名称及び同じ符号のものは同じ機能を有するためその説明を省略する。
【0101】
この放送システム400では3次元映像を作成するために予め準備された、例えば、「ワールドカップサッカー」の衛星中継に係るサッカーコートの背景、プレーヤーとしてのサッカー選手、このサッカー選手の動きなどの映像素材情報D1iが取得される。
【0102】
これらの映像素材情報D1iは客席に背景撮影用のビデオカメラが配置され、例えば、サッカーコートの全体の背景などが撮影され、審判員やサッカー選手を含むサッカーコートを表現する背景情報D11が取得される。また、サッカーコートの左右には物体撮影用のビデオカメラが配置され、サッカーコートを左右から見たサッカー選手の動きが撮影され、サッカーコート内でボールを追って動くサッカー選手を表現する物体情報D12が取得される。更に、サッカーコートの周辺には物体位置撮影用のビデオカメラが配置され、サッカーコートの全体背景に対するサッカー選手の初期の配置情報D13及びそのサッカーコート内で動くサッカー選手の移動に伴う位置情報D14が取得される。
【0103】
この例で、特定のサッカー選手(被写体)の頭部に小型のCCD撮像装置を取り付け、当該サッカー選手からゴールを見た視点映像を撮影したり、他のサッカー選手の動作に伴う動作情報D15を取得するようにしてもよい。もちろん、CCD撮像装置は全プレーヤーに取り付けてもよい。また、ゴール側にビデオカメラを設け、ゴール側からフィールド上を見た背景などを撮影するようにしてもよい。
【0104】
これらの映像素材情報D1iが予め放送局などで準備されると、上述した3Dポリゴン送信装置201によって多重化された後に、衛星回線を通じて視聴者の所持する3Dポリゴン受信装置202へ送信される。この際に、デジタルテレビ放送網、ケーブルテレビ通信回線又はインターネット通信回線を使用して映像素材情報D1iが視聴者側に伝送される。
【0105】
受信側では、放送局から送られてきた映像素材情報D1iが3Dポリゴン受信装置202によって受信される。3Dポリゴン受信装置202によって受信された映像素材情報D1iから任意の映像素材情報D1iが視聴者によって選択されると、その選択された映像素材情報に基づいて視聴者の好みに合った3次元映像が作成される。
【0106】
この3Dポリゴン受信装置202では特殊グラストロン206やテレビモニタ204などの表示手段が使用されると共にゲーム装置205が使用される。この例でテレビモニタ204には、客席からサッカーコートを見ている二次元映像が表示される他、特殊グラストロン206を装着した視聴者には、3Dポリゴン10で構成されるサッカー選手が、ゲーム装置205の例えば、CD−ROM79から提供された映像ソフトによるサッカーコートに、3Dポリゴン10で構成されるサッカー選手の3次元映像を合成表示される。放送局から視聴者側へ伝送される映像素材情報のデータ量を低減することができる。
【0107】
このゲーム装置205は画像処理手段の一例であり、3Dポリゴン受信装置202、特殊グラストロン206及びTVモニタ204などに接続される。ゲーム装置205にはプレイ・ステーション(ソニー(株):商標名)などを使用する。例えば、サッカーゲームなどの映像ソフトが記録されたCD−ROM79がゲーム装置205に装着される。このゲーム装置205ではCD−ROM79からゲームソフトが読み出されると、そのゲームソフトに基づいてTVモニタ204にサッカーコートが表示され、そのコート上にサッカー選手などのキャラクタを表示させてサッカーゲームを競うようにプレイされるものである。
【0108】
この例で図15に示すゲーム装置205の四隅には、複数の光源としてそれぞれ発光ダイオード(LED1〜LED4)が取付けられ、「ワールドカップサッカー」の衛星中継に係るサッカー選手などの仮想体を飛び出せようとする基準面が設定される。この基準面には、4つの点P1〜P4の座標として(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、(x4,y4)が与えられる(仮想空間上では画像を合成しようとする基準面に相当する)。
【0109】
この4個の発光ダイオードLED1〜LED4は、そのマーク部としての機能を発揮するために、つまり、その取付け位置が明らかになるように、少なくとも、点滅パターンが異なるように点滅される。
【0110】
この発光ダイオードLED1〜LED4の発光は特殊グラストロン206に取付けられた流し撮りCCD装置により、所定の撮像方向に流すように撮像される。この流し撮りは4個の発光ダイオードLED1〜LED4の取付け位置から基準面を特定するためである。この基準面の特定については図23で説明をする。
【0111】
このゲーム装置205には制御手段として図16に示す点滅制御回路13が設けられ、発光ダイオードの入出力が制御される。例えば、点滅制御回路13では、画像処理系に当該ゲーム装置205の位置を再現性良く認識させるために、発光ダイオードの点滅パターンが異なるように点滅制御される。
【0112】
この例では、点滅制御回路13によって、4個の発光ダイオードLED1〜LED4に所定の電圧が印加されて点滅制御される。この点滅制御回路13は例えばクロック発生部61を有している。クロック発生部61には1/2分周回路62、1/3分周回路63、1/4分周回路64が接続されており、所定周波数のクロック信号CLK1と、このクロック信号CLK1を1/2分周回路62で1/2分周したクロック信号CLK2と、1/3分周回路63で1/3分周したクロック信号CLK3と、1/4分周回路64で1/4分周したクロック信号CLK4とが出力される。
【0113】
各々のクロック信号CLK1〜CLK4は安定化用の抵抗Rを通して各々の発光ダイオードLED1、LED2、LED3及びLED4に供給されている。このクロック発生部61には直流電源VCCが接続される。
【0114】
この例では、図16に示したクロック発生部61に電源が供給されると、発光ダイオードLED1にはクロック信号CLK1が供給され、発光ダイオードLED2にはクロック信号CLK2が供給され、発光ダイオードLED3にはクロック信号CLK3が供給され、発光ダイオードLED4にはクロック信号CLK4が供給される。従って、図17に示す4つの発光ダイオードLED1、LED2、LED3及びLED4の点滅パターンを異なるように制御することができる。
【0115】
このように、基準面設定付きのゲーム装置205の4つの発光ダイオードLED1〜LED4が、点滅制御回路13によって点滅パターンを異ならせるように点滅制御されるので、流し撮りCCD装置のような特殊撮影装置でそのゲーム装置205を流し撮りした場合に、その4つの発光ダイオードLED1〜LED4の点灯パターンを非点滅制御した場合に比べてその4つの発光ダイオードLED1〜LED4の輝点位置を容易に特定することができる。従って、その4つの発光ダイオードLED1〜LED4の位置からゲーム装置205の位置を画像処理系に容易に認識させることができる。
【0116】
続いて、特殊グラストロン206について説明する。図18に示す特殊グラストロン206には少なくとも流し撮りCCD装置23及び表示手段24が設けられている。特殊グラストロン206の機種によっては通常のCCD撮像装置25が設けられる。上述のゲーム装置205、流し撮りCCD装置23及び特殊グラストロン206内の画像処理部によって面認識手段が構成され、視聴者の属する実空間上で任意の基準面を認識できるようになされている。ここで、流し撮りとは、流し撮りCCD装置23において、同一フィールド期間中に複数回、光電変換素子(フォトダイオードなど)から信号電荷を読み出す撮影モードをいう。
【0117】
この例で流し撮りCCD装置23として垂直転送部を有するインターライン転送方式の二次元撮像デバイスを使用した場合には、同一フィールド期間中に複数回、光電変換素子から垂直転送部に信号電荷が読み出される。また、流し撮りCCD装置23として電荷蓄積部を有するフレーム転送方式の二次元撮像デバイスを使用した場合には、同一フィールド期間中に複数回、光電変換素子から電荷蓄積部に信号電荷が読み出される。
【0118】
更に、特殊グラストロン206内には画像処理部が設けられ、流し撮りCCD装置23から出力された画像データに基づいて基準面などを認識する画像処理がなされる。この画像処理部には表示手段24が接続され、面認識手段により認識された基準面が表示される。この特殊グラストロン206内には偏光ビームスプリッタなどの光学手段が設けられる場合があり、表示手段24によって表示された仮想空間の基準面上で仮想体の画像が合成される。この例では、実空間上の基準面の属する位置に、ゲーム装置205から提供された映像ソフトによるサッカーコートが表示され、このサッカーコート上に、3Dポリゴン10で構成されるサッカー選手の3次元映像を合成表示される。
【0119】
つまり、視聴者の眉間に相当する位置には、通常のCCD撮像装置25と、流し撮りCCD装置23とが並べて配置され、前者によって視聴者の属する外界像が撮像され、後者によってゲーム装置205の4個の発光ダイオードLED1〜LED4が流し撮りされる。従って、視聴者が基準面設定付きのゲーム装置205に目を向けると、その基準面の方向に流し撮りCCD装置23が向くようになる。
【0120】
続いて、他の特殊グラストロン207について説明する。図19に示す特殊グラストロン207は透過型のヘッドマウントディスプレイを構成しており、通常のCCD撮像装置25は搭載されていない。従って、透過型のヘッドマウントディスプレイは、流し撮りCCD装置23と、外界像取り込み用の液晶シャッタ28と、画像表示素子としてのLCD29から構成される。
【0121】
例えば、視聴者の眉間に相当する位置には、流し撮りCCD装置23が配置され、視聴者が上述のゲーム装置205に目を向けると、ゲーム装置205の4個の発光ダイオードLED1〜LED4が流し撮りされる。そして、視聴者の左目及び右目に相当する位置には液晶シャッタ28が設けられ、例えば、液晶シャッタ28が開かれると、その液晶シャッタ28を通過した視聴者のゲーム装置205の実像が直接眼球に導かれる。
【0122】
また、特殊グラストロン207内の視聴者の左目又は右目の脇に位置する部分には、LCD29が取付けられ、上述の特殊グラストロン206と同様にしてキャラクタ画像が表示される。図示しないが、液晶シャッタ28と、LCD29との間には偏光ビームスプリッタなどの光学手段が設けられ、ゲーム装置205から提供された映像ソフトによるサッカーコートの画像と、このサッカーコート上に、3Dポリゴン10で構成されるサッカー選手の3次元映像とが視聴者の眼球に導くようになされている。これにより、視聴者の属するゲーム装置205上の仮想画像と3Dポリゴン10によるサッカー選手の3次元映像とが頭の中で合成される。
【0123】
続いて、流し撮りCCD装置23の内部構成例について説明する。図20に示す流し撮りCCD装置23は基板31を有している。その基板31上には、1画素を構成する光電変換素子としてフォトダイオードPHij(i=1〜n、j=1〜m)がn列×m行のマトリクス状に配置されている。
【0124】
この基板の列方向には電荷転送部としてm本の垂直転送部32が設けられ、フォトダイオードPHijから読み出した信号電荷が垂直読み出し信号S1に基づいて垂直方向(流し撮り方向)に転送される。この垂直転送部32には水平転送部33が接続され、その信号電荷が水平読み出し信号S2に基づいて水平方向に転送されるので、出力端子34に流し撮り信号SOUTが出力される。この例では、流し撮りをするために、少なくとも、同一フィールド期間中に複数回、フォトダイオードPHijから垂直転送部32に信号電荷が転送される。
【0125】
また、流し撮りCCD装置23は図21に示す魚眼レンズ35を有している。魚眼レンズ35は例えばCCD撮像素子36の光軸上に設けられる。この魚眼レンズ35によって上述のゲーム装置205などを広範囲に撮像できるようになる。もちろん、通常のレンズでも構わないが、視野が狭くなるので、視聴者はゲーム装置205に向けてより多く頭部を傾けなければならない。
【0126】
続いて、非透過型の特殊グラストロン206の回路構成について説明する。図22に示す特殊グラストロン206は上述した流し撮りCCD装置23、通常のCCD撮像装置25、右眼表示用のLCD26、左眼表示用のLCD27及び画像処理装置9を有している。この画像処理装置9は図8に示した映像作成手段6に含めて構成する場合には、特殊グラストロン206内から画像処理装置9を削除してもよい。
【0127】
この例で画像処理装置9は内部バス41を有している。内部バス41には内部インタフェース(I/O)42、画像キャプチャ部43、画像処理部44、CPU45、ROM46、RAM47、E2PROM(電気的な書き込み及び消去が可能な読み出し専用メモリ)48及び外部インタフェース49が接続されている。流し撮りCCD装置23、通常のCCD撮像装置25、右眼表示用のLCD26及び左眼表示用のLCD27は内部インタフェース42を介して内部バス41に接続される。
【0128】
この内部バス41には記録媒体としてE2PROM48が接続され、ゲーム装置205上に基準面を設定するようなアルゴリズムが格納されている。従って、このアルゴリズムを実行することによって、簡易に、しかも、少ない計算量で実空間上のゲーム装置205の基準面などをCPU45などに認識させることができる。これにより、サッカーコートでプレーするサッカー選手などの視線により認識される臨場感溢れた3次元映像をゲーム装置205上の基準面に出現させるような3Dポリゴン放送システムを再現性良く構成することができる。
【0129】
この例では、内部バス41に外部インタフェース49が接続されている。この外部インタフェース49には外部入力端子410が設けられ、上述した3Dポリゴン受信装置202を直接接続して、RS−232C通信プロトコルによるビデオ信号やデジタル放送信号などが入力できるようになされている。この外部入力端子410の他には、ゲーム装置205に接続できる外部入力端子411が設けられ、ゲーム装置205で再生されたサッカーゲームに係る3Dポリゴン10のステレオ画像が3Dポリゴン受信装置202の映像作成手段6を介して供給される。
【0130】
更に、内部バス41にはROM46が接続され、この特殊グラストロン206を制御するためのシステムプログラムや、メモリの読み出し手順などの制御情報などが格納される。内部バス41にはワーキング用のRAM47が接続され、システムプログラムや3Dポリゴン10の画像を表示する表示情報が一時記録される。また、内部バス41にはCPU45が接続され、内部インタフェース42、画像キャプチャ部43、画像処理部44、ROM46、RAM47及びE2PROM48の入出力の制御や、流し撮りCCD装置23、CCD撮像装置25、LCD26及びLCD27の入出力の制御が行われる。
【0131】
この内部インタフェース42には演算手段として画像処理部44が接続され、例えば、図15に示した通常のCCD撮像装置25によってゲーム装置205の映像が取得され、基準面認識用の4つの発光ダイオードLED1〜LED4が流し撮りCCD装置23で撮像されると、このCCD装置23から得られた点滅パターンに係る画像データが、CPU45の制御命令と共に内部インタフェース42を介して、画像キャプチャ部43に取り込まれる。画像キャプチャ部43では、流し撮りCCD装置23から入力した4つの発光ダイオードLED1〜LED4に係る画像データを獲得する所定のキャプチャ処理がなされる。この点滅パターンの画像データは時間経過に対応する輝度の変化として表現されている。
【0132】
この画像キャプチャ部43には内部バス41を介して画像処理部44が接続され、所定の画像処理が施された画像データに関して、点滅パターンの同期ずれが補正されたり、視聴者の注視するゲーム装置205の映像が求められる。これにより、所定の撮像方向に流すように撮像された発光ダイオードLED1〜LED4の点滅パターンに関して、その点滅パターンに係る輝度信号SOUTが画像処理部44で画像処理され、その発光ダイオードLED1〜LED4の位置が求められるので、そのゲーム装置205の位置を容易に特定することができる。
【0133】
例えば、画像処理部44では流し撮りCCD装置23から出力された流し撮り信号(輝度信号)SOUTの点滅パターンに関して、図23に示すウインドウWにより画定された画像領域内で、4つの流し撮り輝点P1〜P4を含むXY平面を成す空間的な配置パターンに変換される。その後、その配置パターン上を走査して、少なくとも、4つの輝点P1〜P4の位置座標(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)が求められる。この4つの輝点P1〜P4は視聴者が注視するゲーム装置205上の基準面設定用の4つの発光ダイオードLED1〜LED4である。実空間上のゲーム装置205の4つの発光ダイオードLED1〜LED4の位置座標は既知であり、その位置座標は(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、(x4,y4)である。
【0134】
従って、上述の実空間上のゲーム装置205の取得映像は4つの発光ダイオードLED1〜LED4の取付け位置に射影する変換行列を演算することにより得られる。ここで実空間の平面上の点(xi,yi,0)をある並進・回転運動によって移動し、それを透視変換で画像座標系に射影した点を(Xi,Yi)で示すと、
両者の間には(1)式なる関係がある。
【0135】
【数3】
Figure 0004250814
【0136】
但し、a1・・・・a8は未知の係数でCCD撮像装置25などの外部パラメータ(位置と方向)及び焦点距離などの内部パラメータである。これらのパラメータは実空間の既知の点の位置座標(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、(x4,y4)と、それらに対応する4組の画像処理系の位置座標(X1,Y1)、(Y2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)が存在すれば、(2)式の方程式を解くことにより得られる。
【0137】
【数4】
Figure 0004250814
【0138】
ここで得られた4点の位置座標(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)を結ぶことにより、図15に示した実空間上のゲーム装置205が認識される。
【0139】
具体的には、図23に示す配置パターン上で流し撮像方向をY軸とし、そのY軸に直交する方向をX軸としたときに、画像処理部44によって流し撮像方向と同一方向又はその反対方向に輝度信号値が加算される。この加算値がX軸上にプロットされると、そのX軸にプロットされた輝度信号値が最大となる4つの位置が検出され、この4つの位置に対応するX座標値X1、X2、X3、X4が求められる。また、その配置パターン上で取得画像をY方向に走査したときに、そのY方向に並んだ複数の輝点のうち、最初に発光した輝点位置が各々X座標値に対応したY座標値Y1、Y2、Y3、Y4として求められる。
【0140】
ここで、実空間上の4つの発光ダイオードLED1〜LED4の位置座標をwi(i=1〜4)とし、その4つの発光ダイオードLED1〜LED4の位置座標wiのカメラ座標系上での表現ベクトルをCiとし、その4つの発光ダイオードLED1〜LED4のLCD画面上での位置座標をPiとし、流し撮りCCD装置23の回転マトリクスをR、その移動ベクトルをTとすると、(3)式、すなわち、
Ci=R・wi+T ・・・(3)
但し、Ci=Pi・ki(kiはスカラー)
という関係がある。従って、通常のCCD撮像装置25の回転マトリクスRとその移動ベクトルTとを演算し、これをパラメータとして実空間と仮想空間との間で座標変換を容易に行うことができるので、仮想空間上のゲーム装置205の映像に3Dポリゴン10によるサッカー選手の映像を合成することができる。この画像処理部44で所定の画像処理がなされた合成映像は、再び、内部インタフェース42を介して特殊グラストロン206内のLCD26及びLCD27などに転送される。
【0141】
続いて、第2の実施例に係る3Dポリゴン放送システム400における処理例について説明をする。この例では放送局から衛星回線を介して送られてきたサッカー中継に係る複数の映像素材情報D1iに基づいて3Dポリゴン受信装置202により3次元映像を作成し、その複数の映像素材情報D1iから視聴者の好みに応じて選択された映像素材情報に基づいて視聴者固有の3次元映像を作成することを前提とする。もちろん、視聴者は図15に示した特殊グラストロン206を頭部に装着する。これと共に、特殊グラストロン206を装着した視聴者において、ゲーム装置205から提供された映像ソフトによるサッカーコートに、3Dポリゴン10で構成されるサッカー選手の3次元映像を合成表示することを想定する。
【0142】
これらを前提として、図24に示すフローチャートのステップC1で3次元映像を作成するための複数の映像素材情報D1iが予め放送局で準備される。例えば、図示しない「ワールドカップサッカー」の衛星中継に係るサッカーコートの全体を表現する背景情報D11と、この映像の背景内で動くサッカー選手を表現する物体情報D12と、サッカーコート対する複数のサッカー選手の初期の配置情報D13及びこれらのサッカー選手の移動に伴う位置情報D14と、サッカー選手の動作に伴う動作情報D15とにより映像素材情報D1iが取得される。その他に第1の実施例で説明したようなコンピユータ212で加工形成された、「森」、「海」、「芝生」や「砂浜」などのCGデータD4を映像素材情報D1iに含めてもよい。
【0143】
その後、放送局側で準備された映像素材情報D1iがステップC2で3Dポリゴン送信装置201により多重化される。図15に示した3Dポリゴン送信装置201では、例えば、ステップC21で音声映像取得装置211から得られたサッカー中継に係る映像素材情報D1iが音声符号化部213、映像符号化部214及びデータ符号化部215に出力される。音声符号化部213ではサッカー選手や審判の笛、応援団の音声などの符号化され、音声符号化信号が発生される。映像符号化部214では1番組を構成するサッカー中継に係るサッカーコートの背景に係る背景情報D11、サッカー選手の映像に係る物体情報D12、その配置情報D13、その位置情報D14及びその動作情報D15などの画像素材情報D1iが符号化され、映像符号化信号が発生される。データ符号化部215では得点経過などのCGデータD4が符号化され、CGデータ符号化信号が発生される。
【0144】
また、音声符号化部213、映像符号化部214及びデータ符号化部215の出力に接続された多重化手段1Aにより、音声符号化信号、映像符号化信号及びCGデータ符号化信号などの多種多様なサービスが多重化され、複数のトランスポートストリームパケットTSj(j=1〜m)が発生される。そして、ステップC22では上述したサッカー中継に係る背景情報D11がチャネルch1に割り振られ、そのサッカー選手に係る物体情報D12がチャネルch2に割り振られ、その配置情報D13がチャネルch3に割り振られ、その位置情報D14がチャネルch4に割り振られ、その動作情報D15がチャネルch5に割り振られ、二次元の映像情報がチャネルch6に割り振られる。
【0145】
この例では、1番組を構成する符号化信号(映像素材情報D1i)は図5に示したようにMPEG−4のデータ系列のビットストリームになるように符号化される。この多重化手段1Aの出力は伝送路符号化部216で、トランスポートストリームTSjの合成、TMCC生成、誤り訂正及び変調などのOFDM処理がステップC23で施される。
【0146】
このOFDM処理後の符号化信号は、送信機217において、TC8PSK方式のデジタル変調がなされ、34.5MHz帯域幅を使用して、ステップC24で衛星回線を通じて視聴者の受信装置に向けて発信される。この際に、デジタルテレビ放送網を使用して映像素材情報D1iが視聴者側に伝送される。もちろん、ケーブルテレビ通信回線又はインターネット通信回線を使用してもよい。
【0147】
受信側では、ステップC3でゲーム装置205が起動された後に、ステップC4で4つの発光ダイオードLED1〜LED4の点滅制御を開始する。この際に、CD−ROM79内の3D映像データはジオメトリー部85へ転送される。これは受信信号がゲーム装置205で処理し切れない場合があるからである。
【0148】
これと並行して、放送局側から送られてきた映像素材情報D1iはステップC5で視聴者側に設置された3Dポリゴン受信装置202によって受信される。例えば、図8に示した3Dポリゴン受信装置202のチューナ部では、衛星回線から送られくるTC8PSK変調方式のデジタル信号が受信される。
【0149】
このチューナ部74に接続された映像検波部75では、6チャネルに多重化されたTC8PSK変調方式のデジタル信号が検波される。この映像検波部75に接続されたノイズ除去部76では、MPEG−4のデータ系列で送信されてきたデジタル信号がノイズ除去されると共にOFDM復調される。このノイズ除去部76に接続された誤り補正部77では、OFDM復調されたデジタル信号の誤り符号が補正される。
【0150】
この誤り補正部77に接続された情報多重化解析部78では、誤り補正された6チャネルの映像素材情報D1iが多重分離される。背景情報D11はch1から得られ、物体情報D12はch2から得られ、配置情報D13はch3から得られ、位置情報D14はch4から得られ、動作情報D15はch5から得られ、及び、二次元の映像情報はch5から各々得られる。これらの背景情報D11、物体情報D12、配置情報D13、位置情報D14、動作情報D15及び二次元の映像情報などの映像素材情報D1iは画像メモリ3に一時記憶される。
【0151】
その後、ステップC6では映像素材情報D1iから任意の映像素材情報D1iがジョグダイアル89などを使用して視聴者により選択される。このジョグダイアル89によって制御装置88及びセレクタ4を通じて選択された映像素材情報D1iは、映像作成手段6に出力される。映像作成手段6のジオメトリ部85では、3次元映像を表現するためのグローバル座標系に、ステップC3のCD−ROM79から転送されたサッカーコートなどの3D映像データ、放送局からの背景情報D11、サッカー選手に係る物体情報D12、その配置情報D13、その位置情報D14及びその動作情報D15が表示(記述)される。
【0152】
この例では、ゲーム装置205から、例えば、CD−ROM79により再生されるサッカーゲームの映像ソフトに基づくサッカーコートが、「ワールドカップサッカー」の中継に係るサッカーコートと置き換えられ、3Dポリゴン10で構成されるサッカー選手をそのサッカーゲームソフトに基づくサッカーコート上に存在するように3次元映像が合成され、これらの映像合成信号が作成される。
【0153】
また、ジオメトリ部85に接続されたラスター部86では、表示手段24の走査方式に合うようにラスター処理が施される。その後、ラスター部86に接続されたステレオ画像生成部87では、視点データに基づいてステレオ画像が形成される。
【0154】
このステレオ画像はステップC7で特殊グラストロン206に供給される。特殊グラストロン206では、例えば、図25に示す第1のサブルーチンをコールして、そのフローチャートのステップD1で視聴者の属する実空間上でゲーム装置205上に基準面を設定するために、視聴者は、流し撮りCCD装置23をゲーム装置205に向くようにする。その後、図16に示した点滅制御回路13を通じて4つの発光ダイオードLED1〜LED4に所定の電圧を供給して所定の点滅パターンで点滅する。
【0155】
この例では、所定周波数のクロック信号CLK1が抵抗Rを通して発光ダイオードLED1に供給され、このクロック信号CLK1を1/2分周したクロック信号CLK2が抵抗Rを通して発光ダイオードLED2に供給され、そのCLK1を1/3分周したクロック信号CLK3が抵抗Rを通して発光ダイオードLED3に供給され、そのCLK1を1/4分周したクロック信号CLK4が抵抗Rを通して発光ダイオードLED4に供給される。
【0156】
次に、ステップD2において、一方で通常のCCD撮像装置25を使用して実空間上の基準面を撮影してLCD26及びLCD27にステレオ画像を表示する。他方で、流し撮りCCD装置23を使用して実空間上の基準面を流し撮りする。例えば、3Dポリゴン10のサッカー選手を合成させようとするゲーム装置205の所定位置に取付けられた4つの発光ダイオードLED1〜LED4が、点滅パターンが異なるように点滅されるので、その点滅パターンが所定の撮像方向に流すように撮像される。
【0157】
その後、ステップD3で視聴者の属する実空間上に任意に設定された基準面を認識するために画像処理する。画像処理部44では、例えば、図26に示す第2のサブルーチンをコールしてステップE1でビデオキャプチャ処理を実行する。そして、ステップE2で四隅の発光ダイオードLED1〜LED4を認識する。具体的には、流し撮りCCD装置23で撮像された4つの発光ダイオードLED1〜LED4による輝度信号の点滅パターンが、4つの輝点P1〜P4を含むXY平面を成す空間的な配置パターンに変換される。
【0158】
その後、その配置パターン上を走査して、少なくとも、4つの輝点P1〜P4の位置座標(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)が求められ、上述した(1)式及び(2)式が演算され、実空間上の4つの発光ダイオードLED1〜LED4の取付け位置と、画像処理系の4点の位置座標(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)との関係が求められ、この4点を結ぶことにより基準面が求められる。そして、ステップE3で画像処理部44では上述の(3)式に基づいて演算処理が行われ、流し撮りCCD装置23と基準面との位置関係が検出される。
【0159】
その後、図25の第1のサブルーチンのステップD4にリターンして仮想空間の基準面上にCD−ROM79によるゲーム用のサッカーコートの映像を表示する。そして、上述の(2)式に基づいて、仮想空間の基準面上に3Dポリゴン10によるサッカー選手の映像が合成される。
【0160】
このとき、視聴者が装着した特殊グラストロン206では、「ワールドカップサッカー」の中継に係るサッカーコートでサッカーボールを蹴る3Dポリゴン10のサッカー選手が、サッカーゲームソフトに基づくサッカーコート10Bでプレーするように合成したステレオ画像の一方が表示される。また、そのLCD27には、その3Dポリゴン10のサッカー選手が、サッカーゲームソフトに基づくサッカーコート10Bでプレーするように合成したステレオ画像の他方が表示される。
【0161】
上述のLCD26のステレオ画像と、LCD27のステレオ画像とが視聴者の眼球に導くようになされる。これにより、実際は「ワールドカップサッカー」に係るコート上でサッカーボール10Aを蹴るサッカー選手が、サッカーゲーム上のコート10Bでプレーしているように3次元映像が視聴者の頭の中で合成される。
【0162】
従って、図27に示す実空間上では基準面上に3Dポリゴン10によるサッカー選手やサッカーボール10A及びゲームソフトによるサッカーコート10Bが出現していないのに、図28に示す仮想空間ではその基準面上にサッカーコート10Bが出現し、しかも、3Dポリゴン10によるサッカー選手やサッカーボール10Aを出現させることができる。
【0163】
このように、第2の実施例に係る3Dポリゴン放送システム400によれば、予め放送局側で準備された複数の映像素材情報D1iから視聴者の好みに応じて選択された映像素材情報D1iに基づいて視聴者固有の3次元映像を作成することができる。特殊グラストロン206を装着した視聴者においては、ゲームソフトによるサッカーコート上で、サッカーボール10Aを蹴る3Dポリゴン10によるサッカー選手をプレイさせるようなゲームを行わせることができる。
【0164】
従って、放送局側から与えられた映像をただ消極的に視聴者がそのまま視聴するのではなく、視聴者が積極的かつ独自に立体的に映像加工した3次元映像を視聴することができる。これにより、自宅に居ながらにして「ワールドカップサッカー」に係るサッカー選手の視線により認識される臨場感溢れた3次元映像を視聴することができる。また、第1の実施例と同様にしてISDBサービスを利用した次世代の3次元デジタル放送システムを構築することができる。
【0165】
なお、特殊グラストロン206を装着しない場合には、客席からサッカーコートを見ている場合の二次元映像がテレビモニタ204に表示される。この他に、ジョグダイアル89の切り換えによってテレビモニタ204に、3Dポリゴン10で構成されるサッカー選手が、サッカーゲーム上のコート10Bでプレーしている3次元の合成映像を表示することができる。このサッカーゲーム上のコート10BはCD−ROM79から読み出されるので、放送局から視聴者側へ伝送される映像素材情報のデータ量を低減することができる。
【0166】
(4)第3の実施例
図29は第3の実施例としての3Dポリゴン受信処理システム500の構成例を示す斜視図である。この例では、点滅パターンの異なる光源画像をTVモニタ204の特定位置に表示し、その光源画像の位置からTVモニタ204の位置を画像処理系に認識させて、視聴者の視聴する二次元映像に仮想体の画像を再現性良く立体的に合成できるようにしたものである。なお、第2の実施例と同じ名称及び同じ符号のものは同じ機能を有するためその説明を省略する。
【0167】
図29に示す3Dポリゴン受信処理システム500では、視聴者の聴取するテレビ画像、例えば、先の例の「ワールドカップサッカー」の中継映像にその試合でプレイをするサッカー選手の映像をTVモニタ204上に飛び出させて、立体的に合成表示するようになされる。
【0168】
この3Dポリゴン受信処理システム500は基準面設定用のTVモニタ204及び特殊グラストロン206を有している。このTVモニタ204は例えば視聴者が視聴できる位置であって、特殊グラストロン206の撮影範囲内に入るように配置される。
【0169】
このTVモニタ204は仮想体の画像を合成しようとする基準面を提供するために、図29に示す画面内の四隅に予め光源画像LPiが表示される。この例では、3Dポリゴン10によるサッカー選手を飛び出せようとするTV画面の4つの点P1〜P4の座標として(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、(x4,y4)が与えられる(仮想空間上では画像を合成しようとするTV画面の位置に相当する)。この4個の光源画像LP1〜LP4は、そのマーク部としての機能を発揮するために、かつ、TVモニタ204で表示位置が明らかになるように、点滅パターンが異なるように表示される。
【0170】
この光源画像LP1〜LP4は特殊グラストロン206内の流し撮りCCD装置23により、所定の流し撮像方向に流すように撮像される。この流し撮りは4個の光源画像PL1〜PL4の表示位置からTV画面を特定するためである。このTV画面の特定については図23で説明した通りである。
【0171】
この特殊グラストロン206の本体部21内には第2の実施例で説明した画像処理装置9が設けられ、流し撮りCCD装置23から出力された画像データに基づいて光源画像LPiを含んだTV画面などを認識する画像処理がなされる。この例でも、特殊グラストロン206内には画像処理装置9の他に流し撮りCCD装置23及び表示手段24が設けられる。
【0172】
特殊グラストロン206の機種によっては通常のCCD撮像装置25が設けられる。この基準面設定用のTVモニタ204に表示された4個の光源画像LPi、流し撮りCCD装置23及び画像処理装置9によって位置認識機構(面認識手段)7が構成され、視聴者の視聴するTVモニタ204の表示画面を認識できるようになされる。この位置認識機構7の主要部を成す流し撮りCCD装置23では、TVモニタ204の画面内の四隅で、点滅パターンが異なるように表示された光源画像LPiを所定の撮像方向に流すように撮像される。この流し撮りに関しては第2の実施例で説明した通りである。
【0173】
上述の画像処理装置9には第2の実施例で説明した表示手段24が接続され、位置認識機構7により認識されたTV画面が表示される。この特殊グラストロン206内には偏光ビームスプリッタなどの光学手段が設けられる場合があり、表示手段24によって表示された仮想空間のTV画面上で仮想体の画像が合成される。この例では、実空間上のTV画面の属する位置に、あたかも、仮想体としての3Dポリゴン10によるサッカー選手が存在するようになされる。
【0174】
続いて、TVモニタ204の構成例について説明する。この例では、点滅パターンの異なる光源画像をブラウン管(以下CRTという)の特定位置に表示し、その光源画像の位置からTVモニタ204の位置を画像処理系で容易に認識できるようにしたものである。
【0175】
図30に示すTVモニタ204は撮像可能な任意の画面を有した表示手段8を備えている。この表示手段8には陰極線管(以下CRT8’という)、液晶表示パネル、プラズマ・ディスプレイパネル及び平面表示パネルなどが使用される。もちろん、TVモニタ204はカラー表示形式又は白黒表示形式であり、TV放送を受信して二次元映像を表示したり、3Dポリゴン10による映像信号を受けて3次元映像を表示するものである。これらのTVモニタ204の画面内であって、少なくとも、その画面内の特定の位置に3点以上の光源画像が表示される。
この例では、表示手段8の表示映像画面の四隅に矩形状の光源画像LP1〜LP4が表示される。この光源画像LP1〜LP4は予めTV放送局側で準備され、映像素材情報D1iと同じように専用チャネルに割り振り、多重化して送信するようにするとよい。受信機側で選択された映像素材情報D1iに係るカラー映像信号に光源画像LP1〜LP4を重畳する方法も考えられる。ここでは、後者の場合であって表示手段8にCRT8’を使用する場合について説明をする。
【0176】
図31に示すTVモニタ204はCRT8’、画像処理手段90及び制御手段66を有している。例えば、画像処理手段90には映像検波回路91が設けられ、図示しない前段の映像中間増幅回路から出力されたカラー映像中間信号Sinからカラー映像信号SCが検出される。この映像検波回路91の出力段には加算回路92が接続され、カラー映像信号SCの所定表示期間に点滅パターンの異なる光源画像信号SPi(i=1〜4)を加算するようになされる。
【0177】
つまり、加算回路92の入力段には制御手段66が接続され、CRT8’の画面内に表示される光源画像LP1〜LP4を各々点滅パターンが異なるように点滅制御される。この例の制御手段66は光源画像発生部61を有しており、所定周波数のパルス状の光源画像信号SP1が発生される。光源画像信号SP1は30〜50Hzを除いた低域の周波数が好ましい。これは、30〜50Hzで点滅する光では、視聴者が光てんかん発作を引き起こすおそれがあるからである。
【0178】
この光源画像発生部61’には第2の実施例で説明したクロック発生回路61が応用され、1/2分周回路62、1/3分周回路63、1/4分周回路64が接続される。光源画像発生部61’による所定周波数の光源画像信号SP1と、この光源画像信号SP1を1/2分周回路62で1/2分周した光源画像信号SP2と、1/3分周回路63で1/3分周した光源画像信号SP3と、1/4分周回路64で1/4分周した光源画像信号SP4とが出力される。
【0179】
この光源画像発生部61’、1/2分周回路62、1/3分周回路63及び1/4分周回路64の出力段には出力回路65が接続され、垂直同期信号SV及び水平同期信号SHに基づいて、各々の光源画像信号SP1〜SP4を選択して加算回路92に出力するようになされている。
【0180】
この加算回路92の出力段には、映像増幅回路93が接続され、カラー映像信号SCの所定表示期間に加算された点滅パターンの異なる光源画像信号SPiが増幅される。この加算回路92は図31の破線で示すように映像増幅回路93の出力段に接続してもよい。映像増幅回路93の出力段にはカラー処理回路94及び走査処理回路95が接続されている。カラー処理回路94では、カラー映像信号SC及び光源画像信号SPiが所定の階調処理などが施された後に、CRT8’のカソード及びグリッドに駆動電圧VK、VGとなって供給される。
【0181】
また、映像増幅回路93に接続された走査処理回路95では同期信号SSが検出され、1周期が16.6msecの垂直同期信号SV及び1周期63μsecが水平同期信号SHが上述の出力回路65に出力される。更に、この垂直同期信号SV及び水平同期信号SHに基づいて発生した水平偏向電圧VV、垂直偏向電圧VHが偏水平・垂直向コイルに供給され、同様にして発生した高電圧VHHがCRT8’のアノードに供給される。
【0182】
これにより、CRT8’に表示された任意の受信画面上に光源画像LPiを合成表示することができ、光源画像LPiを点滅させることができる。この例では、特定の波長Xの可視光が光源画像LPiから放出される状態、又は、それが放出されない状態を作ることができる。
【0183】
この可視光は人間の目では認識できないような色差にすることが好ましい。例えば、光源画像LPiが点滅される位置に、x,yマトリクスフィルムを貼るようにする。このフィルムにはガルバゾール及びその誘導体などから成る透過域変動高分子材料を使用するよい。例えば、この種の緑色のフィルムを通った特定の波長の光は、人間の目には緑一色に見えるが、流し撮りCCD装置23のような特殊撮像装置で特定の透過帯域の薄膜フィルタを通すと、この光を検出することができる。従って、光源画像を30〜50Hzで点滅させても、上述の光てんかん発作を防止することができる。
【0184】
続いて、TVモニタ204の光源画像信号の挿入時の動作例を説明する。この例では、TVモニタ204のCRT8’で表示される上下の5ラインの左右数画素を使用して光源画像LPiを表示する場合であって、カラー映像信号SCの1水平期間の両縁に図32に示す光源画像信号SPi(i=1,3)、SPj(j=2,4)を重畳する場合を想定する。例えば、NTCS方式で走査線が525本の場合であって、飛越走査方式の場合に、奇数フレームの第1、第3及び第5ラインの左端部に光源画像LP1を表示し、同じラインの右端部に光源画像LP2を表示する。その第521、第523及び第525ラインの左端部に光源画像LP3を表示し、同じラインの右端部に光源画像LP4を表示する。
【0185】
また、偶数フレームのラインの第2及び第4ラインの左端部に光源画像LP1を表示し、同じラインの右端部に光源画像LP2を表示する。その第522及び第524ラインの左端部に光源画像LP3を表示し、同じラインの右端部に光源画像LP4を表示する。
【0186】
これら前提条件の下に、上述の制御手段66では、1垂直期間の奇数フレームにおいて、第1、第3及び第5ラインに関して、走査処理回路95からの垂直同期信号SV及び水平同期信号SHに基づいて、数画素の表示に対応した時間間隔で光源画像信号SP1を選択した後に、その1水平期間の終了直前に光源画像信号SP2を選択する。この結果で、図33に示すカラー画像信号SCの1水平期間の左縁側に光源画像信号SP1を重畳することができ、その右縁側に光源画像信号SP2を重畳することができる。従って、図30に示した表示画面の左上端に光源画像LP1を表示することができ、その右上端に光源画像LP1を表示することができる。
【0187】
また、その奇数フレームの第521、第523及び第525ラインに関して、走査処理回路95からの垂直同期信号SV及び水平同期信号SHに基づいて、上述したように光源画像信号SP3を選択した後に光源画像信号SP4を選択する。この結果で、図33に示すカラー画像信号SCの1水平期間の左縁側に光源画像信号SP3を重畳することができ、その右縁側に光源画像信号SP4を重畳することができる。従って、図30に示した表示画面の左下端に光源画像LP3を表示することができ、その右下端に光源画像LP4を表示することができる。
【0188】
更に、1垂直期間の偶数フレームにおいて、第2及び第4ラインに関して、走査処理回路95からの垂直同期信号SV及び水平同期信号SHに基づいて、光源画像信号SP1を選択した後に光源画像信号SP2が選択されるので、図33に示すカラー画像信号SCの1水平期間の左縁側に光源画像信号SP1を重畳することができ、その右縁側に光源画像信号SP2を重畳することができる。従って、図30に示す表示画面の左上端に光源画像LP1を表示することができ、その右上端に光源画像LP1を表示することができる。
【0189】
また、その偶数フレームの第522及び第524ラインに関して、走査処理回路95からの垂直同期信号SV及び水平同期信号SHに基づいて、光源画像信号SP3を選択した後に光源画像信号SP4が選択されるので、図33に示すカラー画像信号SCの1水平期間の左縁側に光源画像信号SP3を重畳することができ、その右縁側に光源画像信号SP4を重畳することができる。従って、図30に示した表示画面の左下端に光源画像LP3を表示することができ、その右下端に光源画像LP4を表示することができる。
【0190】
これにより、当該TVモニタ204で、視聴者の視聴する任意の受信画面上に予め光源画像LP1〜LP4を合成表示するようになされたときに、そのTVモニタ204に表示された光源画像LP1〜LP4を流し撮りCCDのような特殊撮影装置23で所定の撮像方向に流すように撮像した場合に、その4つの光源画像LP1〜LP4を一律に点灯した場合に比べてその光源画像LP1〜LP4の位置を容易に特定することができる。従って、その光源画像LP1〜LP4の位置から当該TVモニタ204の表示画面の位置を特殊グラストロン206などの画像処理系に容易に認識させることができる。
【0191】
続いて、流し撮りCCD装置23の光学系の他の構成例について説明する。この例の流し撮りCCD装置23には第2の実施例と同様にして図34に示す魚眼レンズ35が設けられる。この魚眼レンズ35の前面には薄膜フィルタ37が取付けられ、CRT8’の表示画面の4つの光源画像PL1〜4から放出される特定波長Xの光が取り込まれ、CCD撮像素子36に導くようになされる。この薄膜フィルタ37はIRフィルタのようなものである。このIRフィルタはTiO2膜又はSiO2膜を多層に積み上げた構造を有しており、その一層の厚みを制御することで、赤色、緑色、青色などを通す光透過帯域(透過率対波長)を自由に設定できるようになされている。
【0192】
実際のテレビではCRT8’の表面から微細ながら赤外線や紫外線が放出されている。この赤外線や紫外線によって光源画像LPiから放出される光の波長帯域が変動する。この例では、光源画像LPiが点滅される位置に、x,yマトリクスフィルムが貼られている。このx,yマトリクスフィルムには上述した透過域変動高分子材料が使用される。この材料は電圧及び電流が変化することで波長帯域が変動するものである。
【0193】
上述の流し撮りCCD装置23に薄膜フィルタを使用したり、CRT8’にx,yマトリクスフィルムを使用する場合には、CRT8’(又はLCD)の色調誤差と薄膜フィルタの製造バラツキによるフィルタ特性との色のキャリブレーションを行う必要がある。この合わせ込みには、例えば、光源画像LPiをデフォルト色で表示して、流し撮りCCD装置23で光源画像LPiによる光を受光できるか否かを検出する。
【0194】
その光源画像LPiによる光が受光できる場合には、そのデフォルト色による光を撮像し、この光源画像LPiによる光が受光できない場合には、そのデフォルト色を変更する。そして、変更した色の光を撮像し、その光源画像LPiによる光が受光できた場合には、その変更後の色による光を撮像するようにする。
【0195】
これにより、人間の目では認識できないような色差の可視光であって上述の特定の波長Xに近い波長の光で、流し撮りCCD装置23に取り付けられた薄膜フィルタ37の透過帯域から外れた光を光源画像LPiから放出させることができる。視聴者の光てんかん発作を防止できる。
【0196】
続いて、第3の実施例に係る3Dポリゴン放送システム400による処理例について先に説明した図24、図25及び図26を再び参考にして説明をする。この例では、TVモニタ204の表示画面内に4つの光源画像LP1〜LP4が所定の点滅パターンで表示される場合であって、視聴者の聴取するTVモニタ204のテレビ映像(二次元画像表示)から飛び出した3Dポリゴン10によるサッカー選手の映像を仮想空間上で立体的に合成する場合を想定する。もちろん、視聴者は図29に示した特殊グラストロン2を頭部に装着する。
【0197】
これを前提にして、図24に示すフローチャートのステップC1で3次元映像を作成するための複数の映像素材情報D1iが予め放送局で準備される。例えば、図示いない「ワールドカップサッカー」の衛星中継に係るサッカーコートの全体を表現する背景情報D11と、この映像の背景内でサッカーボール10Aを追いかけ、それを蹴るサッカー選手を表現する物体情報D12と、サッカーコート対する複数のサッカー選手の初期の配置情報D13及びこれらのサッカー選手の移動に伴う位置情報D14と、サッカー選手の動作に伴う動作情報D15とにより映像素材情報D1iが取得される。その他に第1及び第2の実施例で説明したようなコンピユータ212で加工形成された、「森」、「海」、「芝生」や「砂浜」などのCGデータD4を映像素材情報D1iに含めてもよい。
【0198】
その後、放送局側で準備された映像素材情報D1iがステップC2で3Dポリゴン送信装置201により多重化される。この際の多重化に関しては、図24に示した3Dポリゴン送信装置201の動作例を参照されたい。
【0199】
受信側では、ステップC3でゲーム装置205に代わってTVモニタ204が起動された後に、ステップC4で4つの光源画像LP1〜LP4の点滅制御が開始される。これと並行して、放送局側から送られてきた映像素材情報D1iはステップC5で視聴者側に設置された3Dポリゴン受信装置202によって受信される。この際の3Dポリゴン受信装置202の受信動作に関しては図24で説明した通りである。
【0200】
その後、ステップC6では映像素材情報D1iから任意の映像素材情報D1iがジョグダイアル89などを使用して視聴者により選択される。このジョグダイアル89によって制御装置88及びセレクタ4を通じて選択された映像素材情報D1iは、映像作成手段6に出力される。映像作成手段6のジオメトリ部85では、3次元映像を表現するためのグローバル座標系にサッカーコートなどの背景情報D11、サッカー選手に係る物体情報D12、その配置情報D13、その位置情報D14及びその動作情報D15が表示(記述)される。
【0201】
この例では、サッカーボール10Aを蹴るサッカー選手が多重分離される。「ワールドカップサッカー」の中継に係る二次元映像がTVモニタ204で表示され、3Dポリゴン10で構成されるサッカー選手がTVモニタ204から飛び出した状態で、TVモニタ204に向かってサッカーボール10Aを蹴るような3次元映像が合成され、これらの映像合成信号が作成される。
【0202】
また、ジオメトリ部85に接続されたラスター部86では、表示手段24の走査方式に合うようにラスター処理が施される。その後、ラスター部86に接続されたステレオ画像生成部87では、視点データに基づいてステレオ画像が形成される。
【0203】
このステレオ画像はステップC7で特殊グラストロン203に代わって特殊グラストロン206に供給される。特殊グラストロン206では、例えば、図25に示した第1のサブルーチンをコールして、そのフローチャートのステップD1で視聴者の属する実空間上でTVモニタ204上に基準面を設定するために、視聴者は、流し撮りCCD装置23をTVモニタ204に向くようにする。その後、図30に示した制御手段66を通じて4つの光源画像LP1〜LP4が所定の点滅パターンで点滅される。
【0204】
次に、ステップD2において、一方で通常のCCD撮像装置25を使用して実空間上のTV映像を撮影してLCD26及びLCD27にステレオ画像を表示する。他方で、流し撮りCCD装置23を使用して実空間のTVモニタ204上の基準面を流し撮りする。その後、ステップD3で視聴者の属する実空間上に任意に設定された基準面を認識するために画像処理する。画像処理部44では、例えば、図26に示す第2のサブルーチンをコールしてステップE1でビデオキャプチャ処理を実行する。そして、ステップE2で四隅の光源画像PL1〜PL4を認識する。具体的には、流し撮りCCD装置23で撮像された4つの光源画像PL1〜PL4による輝度信号の点滅パターンが、4つの輝点P1〜P4を含むXY平面を成す空間的な配置パターンに変換される。
【0205】
その後、その配置パターン上を走査して、少なくとも、4つの輝点P1〜P4の位置座標(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)が求められ、上述した(1)式及び(2)式が演算され、実空間上の4つの光源画像PL1〜PL4の発光位置と、画像処理系の4点の位置座標(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)との関係が求められ、この4点を結ぶことにより基準面が求められる。そして、ステップE3で画像処理部44では上述の(3)式に基づいて演算処理が行われ、流し撮りCCD装置23と基準面との位置関係が検出される。
【0206】
その後、図25の第1のサブルーチンのステップD4にリターンして、TVモニタ204で表示される「ワールドカップサッカー」の中継に係る二次元映像と、上述の(2)式に基づく仮想空間の基準面上でサッカーボールを追いかけ、それを蹴る3Dポリゴン10によるサッカー選手の映像とが合成される。
【0207】
このとき、視聴者が装着した特殊グラストロン206では、「ワールドカップサッカー」の中継に係る二次元映像と、TVモニタ204に向かってサッカーボール10Aを蹴る3Dポリゴン10のサッカー選手とを合成したステレオ画像の一方が表示される。また、そのLCD27には、その中継に係る二次元映像と、その3Dポリゴン10のサッカー選手とを合成したステレオ画像の他方が表示される。
【0208】
上述のLCD26のステレオ画像と、LCD27のステレオ画像とが視聴者の眼球に導くようになされる。これにより、実際は「ワールドカップサッカー」に係るコート上でサッカーボール10Aを蹴るサッカー選手が、仮想空間上ではTVモニタ204に向かってサッカーボール10Aを蹴るような3次元映像が視聴者の頭の中で合成される。
【0209】
つまり、図35に示す視聴者30の視聴するTVモニタ204の受信画面上では、図36に示す「ワールドカップサッカー」に係る、例えば、フィールド側からゴールを見た二次元画像が表示されているだけである。これに対して、図37に示す特殊グラストロン206を装着した場合には、そのTVモニタ204上の仮想空間でその受信画面から外部へ、サッカーボール10Aを蹴る3Dポリゴン10によるサッカー選手を出現させることができる。
【0210】
このように、第3の実施例に係る3Dポリゴン放送システム500によれば、予め放送局側で準備された複数の映像素材情報D1iから視聴者の好みに応じて選択された映像素材情報D1iに基づいて視聴者固有の3次元映像を作成することができる。
【0211】
しかも、特殊グラストロン206を装着した視聴者においては、視聴者30の視聴するTVモニタ204の受信画像と、仮想空間上に出現したサッカーボール10Aを蹴る3Dポリゴン10によるサッカー選手とが頭の中で合成されるので、実空間上のTV画面の中に表示されている、サッカーボール10Aを蹴るサッカー選手が、3Dポリゴン10のサッカー選手となって画面外へ、あたかも、飛び出すような画像を立体的に合成することができる。
【0212】
従って、放送局側から与えられた映像をただ消極的に視聴者がそのまま視聴するのではなく、視聴者が積極的かつ独自に立体的に映像加工した3次元映像を視聴することができる。これにより、自宅に居ながらにして「ワールドカップサッカー」に係るサッカー選手の動きをリアルに再現した臨場感溢れる3次元映像を視聴することができる。
【0213】
また、第1、第2の実施例と同様にしてISDBサービスを利用した次世代の3次元デジタル放送システムを構築することができる。第3の実施例では光源画像LP1〜LP4の発光位置にx,yマトリクスフィルムを取り付けることにより、通常のTV映像に関する情報とは別に、光源画像LP1〜LP4の点滅パターンを制御することができる。
【0214】
(5)第4の実施例
図38は第4の実施例で使用するTVモニタ208の構成例を示す正面図である。この例では、4つの光源画像LP1〜LP4に代わって、図38に示す二次元バーコード画像50を表示手段8に表示してTVモニタ208のTV画面の位置が認識されるものである。もちろん、視聴者は少なくとも図19に示した通常の撮像装置25を有した特殊グラストロン206を装着することが前提となる。
【0215】
この例のTVモニタ208は飛越走査方式で、1フレーム(1/30sec)毎に、図38に示す2次元マトリクスコード画像50を表示するものである。この2次元マトリクスコード画像50は実空間上のTVモニタ204のTV画面の位置を認識するために使用される。2次元バーコード画像50は少なくとも、白地に黒で表示されたn行×m列の白黒マトリクスから成る。
【0216】
この二次元バーコード画像50は流し撮りCCD装置23に代わって図19に示した通常のCCD撮像装置25で撮像される。この撮像装置25の出力段には、図22で説明したような画像処理装置9が接続される。その画像処理装置9には演算手段が設けられ、CCD撮像装置25から出力された撮像信号(輝度信号)を画像処理して二次元マトリクスコード画像50からTVモニタ208のTV画面の位置が求められる。
【0217】
例えば、画像処理部44では前処理が施される。この処理では、まず、取得画像が適当な閾値で2値化される。バーコード画像部分は白と黒の市松模様状に表示されているので、固定閾値によって、かなり安定的に背景画像とコード画像領域とを分離することができる。次に、黒ピクセルの連結領域毎にラベル付けが施される。2次元バーコード画像50はラベル付けされた連結領域のいずれかに含まれることとなる。従って、連結領域の外接四角形の大きさと縦横比を考慮して、コード画像領域部が含まれている可能性の低い背景画像(領域)は除去するようになされる。
【0218】
その後、前処理の結果得られた連結領域の各要素に対してバーコード画像枠の当てはめを行う。例えば、外接四角形の各辺から内側に向かって、市松模様の領域を探索し、その市松模様の輪郭部の点列を得る。この点列に対して最小二乗法で線分を当てはめることにより、当該二次元バーコード画像50を認識する。
【0219】
上述のTV画面は長方形の二次元バーコード画像50の四隅の4頂点を、正方形の頂点に射影する変換行列を演算することにより得られる。ここで実空間のTVモニタ208の表示画面上の点(xi,yi,0)をある並進・回転運動によって移動し、それを透視変換で画像座標系に射影した点を(Xi,Yi)で示すと、両者の間には第1の実施形態で説明した(1)式と同様な関係がある。
【0220】
従って、これらのパラメータは実空間の既知の点の位置座標(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、(x4,y4)と、それらに対応する4組の画像処理系の位置座標(X1,Y1)、(Y2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)が存在すれば、先に説明した(2)式の方程式を解くことにより得られる。
【0221】
ここで得られた位置座標(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、(x4,y4)に関して、一辺の長さを「1」とする正方形の4頂点とすると、この4頂点を結ぶ面が実空間上のTVモニタ208のTV画面の位置となる。これにより、二次元マトリクスコード画像50の四隅の位置情報からTVモニタ208の位置を画像処理装置9などに容易に認識させることができる。
【0222】
なお、TVモニタ208の二次元バーコード画像50はCCD撮像装置25の姿勢や、透視投影によって歪んでいるが、外部パラメータ及び内部パラメータによって、画面上の矩形頂点を正方形の各頂点に射影することができる。従って、図39に示す仮想空間上の二次元バーコード画像50の四隅の位置座標から正立方体51を作成することができるので、その正立方体51に3Dポリゴン10によるサッカー選手などを合成することができる。また、図38に示す二次元バーコード画像50をx,yマトリクスフィルムで出力すると、通常のTV映像に関する情報とは別に画像処理することができる。
【0223】
(6)映像素材情報の取得例(その1)
図40は各実施例に係る映像素材取得用の物体形状計測装置600の構成例を示す斜視図である。
この例では、比較的小さな物体(被写体)に係る三次元形状情報を受信側に提供するために、シリコンレンジファインダが用いられ、これを用いて取得された映像素材情報D1iを放送局から視聴者側へ多重放送するようにしたものである。
【0224】
図40に示す物体形状計測装置600は、基準面から任意の対象物体までの3次元高さ形状を測定するものである。この例で、物体形状計測装置600は図40に示す発光部11及び受光部12を有している。発光部11と受光部12とはヒンジ(蝶番)54により開閉可動自在な状態で係合されている。例えば、当該物体形状計測装置600を使用するときは、発光部11と受光部12との間の成す角度が所定の位置で固定されるまで開かれ、当該装置600を使用しないときは発光部11と受光部12とが重なるように閉じられる。あたかも、発光部11が蓋体の如く受光部12に覆い被された状態の収納形状になる。
【0225】
この受光部12は基準面を兼用するものである。受光部12の大きさは例えば、その一辺の長さは30cm〜50cm程度である。容易に持ち運びできる大きさを考慮するならば、受光部12の一辺の長さを35cm程度に形成することが好ましい。もちろん、この受光部12の大きさはほんの一例であり、放送局で使用する場合を考慮すると、何らこの大きさに制限されるものではない。
【0226】
この例では、発光部11内には光源としての面光源6を有している。この面光源6によって対象物体30に照射するための被測定光が発生される。対象物体30はボール、人形、ロボット及び小動物などである。この面光源6の上部には液晶シャッタ17が設けられ、その面光源6による被測定光がスリット光に整形されると共に、そのスリット光が対象物体30に走査される。この例では、液晶シャッタ17の開閉タイミンングを制御するようになされている。例えば、受光部12に設けられた画像処理装置98によって1ライン単位に液晶シャッタ17を開いては閉じるような垂直走査がなされる。この画像処理装置98については図42において説明をする。
【0227】
図41は上述の面光源6に関して、レーザ光源とスリットレンズとプリズムとを使用した物体形状計測装置600の構成例を示す断面図である。この例では発光部11内にレーザ光源14が取付けられる。レーザ光源14には波長780μm、出力30mWの近赤外光半導体レーザなどを使用する。
【0228】
レーザ光源14から発生されたレーザ光(被測定光)がスリットレンズ15でスリット光L0に整形され、このスリット光L0の向きが複数のプリズム16によって90°に偏光されるものである。このプリズム16は液晶シャッタ17の下に取付けられる。
【0229】
つまり、図41に示す物体形状計測装置600の発光部11は、ヒンジ54に取付けられた上部用の筐体96を有している。この筐体96内にはレーザ光源14が設けられ、レーザ光が発生される。このレーザ光源14の下流側にはスリットレンズ15が設けられ、レーザ光がシート状のスリット光L0に成形される。スリットレンズ15の下流側には複数のプリズム16がマトリクス状に配置され、スリット光L0の進行方向が直角方向、すなわち、筐体96の出射面側に偏光される。
【0230】
このプリズム16の上面に位置する部位であって、筐体96の上部には液晶シャッタ(マスクLCD)17が取付けられ、プリズム16からのスリット光L0が、液晶シャッタ17の開閉によって選択的に通過するようになされている。この複数のプリズム16及び液晶シャッタ17は走査手段を構成し、スリット光L0を対象物体30に走査するようになされる。
【0231】
この液晶シャッタ17を通過したスリット光L0は発光部上の任意の対象物体30で反射すると、その戻り光L0’が受光部12に到達する。受光部12はヒンジ54に取付けられた下部用の筐体97を有している。この筐体97上には受光レンズ18が設けられ、戻り光L0’が筐体97内に取り込まれる。受光レンズ18の下側にはシリコンレンジファインダ19が設けられ、対象物体30から反射されてくる戻り光(スリット光)L0’が各画素Pij毎に検出される。ここで、画素Pijはシリコンレンジファインダ19上の任意の位置(i,j)に存在する画素を示す。
【0232】
このシリコンレンジファインダ19では、各画素Pijを通過する戻り光L0’のタイミングが計測され、そのときの液晶シャッタ17が開かれたプリズム16によるスリット光L0の出射角となる基準面とスリット光L0との間を成す角度αijが求められる。そして、基準面と画素Pijの視線方向との成す角度をβijとし、基準面と発光部11の中心位置の液晶シャッタ17とのオフセット距離をAとし、画素Pijとその中心位置の液晶シャッタ17とのオフセット距離をBijとしたときに、基準面と対象物体30との3次元高さ情報Zijは、(4)式により求められる。
【0233】
【数5】
Figure 0004250814
【0234】
これにより、スリット光L0の1回の走査のみで基準面から対象物体30までの3次元高さ形状をシリコンレンジファインダ19内の全画素について並列かつ実時間で距離計測を行うことができる。
【0235】
続いて、物体形状計測装置600の回路構成例について説明する。図42に示す物体形状計測装置600は大きく分けて3つの回路ブロックから成る。第1の回路ブロックは液晶シャッタ17である。液晶シャッタ17では走査信号SCに基づいてその液晶シャッタ17が開閉制御されることにより、プリズム16による面状の被測定光が、スリット光L0に整形されると共に、そのスリット光L0が対象物体30に走査される。
【0236】
第2の回路ブロックはシリコンレンジファインダ19である。シリコンレンジファインダでは、図示しないフォトダイオードから読み出した信号電荷が、垂直読み出し信号及び水平読み出し信号に基づいて読み出されることにより、光通過タイミング情報を含んだ並列距離画像計測情報が出力される。
【0237】
第3の回路ブロックは画像処理装置98であり、走査信号SCや並列距離画像計測情報を転送するための内部バス41を有している。内部バス41にはインタフェース(I/O)42、画像キャプチャ部43、画像処理部44、CPU45、ROM46及びRAM47が接続されている。上述の液晶シャッタ17及びシリコンレンジファインダ19はインタフェース42を介して内部バス41に接続される。
【0238】
この内部バス41にはROM46が接続され、この物体形状計測装置600を制御するためのシステムプログラムや、メモリの読み出し手順などの制御情報などが格納される。内部バス41にはワーキング用のRAM47が接続され、システムプログラムや並列距離画像計測情報が一時記録される。また、内部バス41にはCPU45が接続され、インタフェース42、画像キャプチャ部43、画像処理部44、ROM46及びRAM47の入出力の制御や、液晶シャッタ17及びシリコンレンジファインダ19の入出力の制御が行われる。
【0239】
このインタフェース42には画像キャプチャ部43が接続され、CPU45の制御命令を受けて、シリコンレンジファインダ19から入力した並列距離画像計測情報を画像データとして獲得する所定のキャプチャ処理がなされる。この画像キャプチャ部43には内部バス41を介して画像処理部44が接続され、所定の画像処理が施された並列距離画像計測情報に基づいて3次元高さ形状情報Zijが演算される。具体的には、上述した算出式に基づいて3次元高さ情報Zijが求められる。
【0240】
なお、インタフェース42にはRSー232Cの通信プロトコルに基づく外部出力端子68が接続され、上位のコンピユータなどに接続して画像通信ができるようになされている。また、図42に示す破線で示したCCD装置69は物体の映像を撮影するものである。
【0241】
次に、物体形状計測装置600の動作例を説明する。この例では、図43に示す発光部11が、その受光部12と発光部11との間の成す角度αijが所定の位置で固定されるまで開かれており、この状態で、受光部12上に存在する、例えば、テニスボールなどの球体30’の3次元形状を計測する場合を前提とする。また、基準面は受光部12に設定されるものとする。
【0242】
これを前提にして、図43に示す発光部11では画像処理装置98からの走査信号SCに基づいてその液晶シャッタ17が開閉制御されることにより、プリズム16による面状の被測定光が、スリット光L0に整形されると共に、そのスリット光L0が図43に示す球体30’に走査される。
【0243】
この球体30’に照射されたスリット光L0の、ある走査タイミングにおける照射位置は、例えば、図44に示す照射位置丸付き数字「1」から丸付き数字「5」ようになる。この照射位置丸付き数字「1」から丸付き数字「5」による戻り光L0’は受光部12のシリコンレンジファインダ19によって検出される。この際に、受光レンズ18によって反転した球体30’がシリコンレンジファインダ19上に結像される。
【0244】
従って、シリコンレンジファインダ19から得られた並列距離画像計測情報が画像処理装置98に出力されると、この並列距離画像計測情報に基づいて基準面から球体30’までの3次元高さ形状情報Zijが演算される。具体的には、上述した算出式に基づいて3次元高さ情報Zijが求められる。
【0245】
例えば、球体30’のX1−X2のライン上を着目した場合に、その立体形状を反映するように、丸付き数字「1」のスリット光L0の戻り光L0’に対して3次元高さ情報Zx1が演算され、丸付き数字「2」のスリット光L0の戻り光L0’に対して3次元高さ情報Zx2が演算され、丸付き数字「3」のスリット光L0の戻り光L0’に対して3次元高さ情報Zx3が演算され、丸付き数字「4」のスリット光L0の戻り光L0’に対して3次元高さ情報Zx4が演算され、丸付き数字「5」のスリット光L0の戻り光L0’に対して3次元高さ情報Zx5が実時間で演算される。これらの高さ形状情報Zx1〜Zx5をつなぎ合わせると、球体30’のX1−X2の立体形状を求めることができる。
【0246】
これにより、実空間上の物体の三次元形状情報(連続性のある高さ情報H)を取得することができるので、その三次元形状情報Zijを送信側から視聴者側へ送信することができる。もちろん、対象物体30の周りに物体形状計測装置600を周回させて三次元形状情報Zijを取得するようにしてもよい。従って、第1〜第3の実施例において、予め放送局で準備された各種対象物体に係る三次元形状情報Zijに基づいて受信側で仮想空間上に3Dポリゴン10の映像を合成することができる。
【0247】
(7)映像素材情報の取得例(その2)
図45は各実施例に係る映像素材取得用の三次元形状取得機構60の構成例を示す斜視図である。この例では、物体30にスリット光を走査するときに、ミラー73を使用するものである。この三次元形状取得機構60は図示しない放送局などに設けられる。
【0248】
この三次元形状取得機構60には図45に示すレーザ光源71が設けられ、レーザ光L0が発生される。このレーザ光源71の下流側にはシリンドリカルレンズ72が設けられ、レーザ光L0がシート状のスリット光に成形される。シリンドリカルレンズ72の下流側には走査手段としてミラー73が配置され、スリット光L0の偏光角を変化させることにより、そのスリット光L0が物体30に走査される。
【0249】
このスリット光L0が視聴者の身体部位の一部や、その視聴者の保持する物体30で反射すると、その戻り光L0’が受光レンズ84で取り込まれる。受光レンズ84の下側にはシリコンレンジファインダ59が設けられ、物体30から反射されてくる戻り光(スリット光)L0’がシリコンレンジファインダ59上の任意の位置に存在する各画素Pij毎に検出される。
【0250】
このシリコンレンジファインダ59では、各画素Pijを通過する戻り光L0’のタイミングが計測され、そのときの各画素Pijを通過する戻り光L0’のタイミングが計測され、そのときのミラー73の偏光角となる基準面とスリット光L0との間を成す角度αijが求められる。ここで、基準面と画素Pijの視線方向との成す角度をβijとし、基準面とミラー73の回転中心とのオフセット距離をAとし、画素Pijとミラー73の回転中心とのオフセット距離をBijとしたときに、基準面と物体30との三次元形状情報Zijは上述した(4)式により求められる。
【0251】
これにより、実空間上の物体の三次元形状情報(連続性のある高さ情報H)を取得することができるので、その三次元形状情報Zijを送信側から視聴者側へ送信することができる。従って、第1〜第3の実施例において、予め放送局で準備された各種対象物体に係る三次元形状情報Zijに基づいて受信側で仮想空間上に3Dポリゴン10の映像を合成することができる。
【0252】
この例では、物体形状取得手段に関してシリコンレンジファインダ19、59を用いる場合について説明したが、これに限られることはなく、物体の基準画像を撮影する基準用のカメラと、その物体の参照画像を撮影する検出用のカメラとを有した多眼ステレオカメラを使用してもよい。この基準用のカメラ及び検出用のカメラから得られる視差情報に基づいて物体の三次元形状情報Zijを取得することができる。
【0253】
各実施例に係る特殊グラストロン203、206は、特開平10−123453号、特開平9−304727号、特開平9−304730号、特開平9−211374号、特開平8−160348号、特開平8−94960号、特開平7−325265号、特開平7−270714号及び特開平7−67055号に記載される透過型のヘッドマウントディスプレイに適用することができる。
【0254】
各実施例に係る流し撮りCCD23に関しては、インターライン転送方式の二次元撮像デバイスを使用する場合について説明したが、これに限られることはなく、フレーム転送方式の二次元撮像デバイスを使用する場合であっても同様な効果が得られる。
【0255】
上述した実施例では放送局側から視聴者側への一方向によるマルチメディアサービスについて説明したが、これに限られることはなく、送信側と視聴者側との間に通信手段、例えば、電話回線やインターネット網を接続し、これらの通信手段を使用して視聴者側から放送局や番組提供者(スポンサー)へ視聴者による意見・感想・再放送などのリクエスト情報(個別情報)を送信する双方向サービス網を構築することもできる。
【0256】
この双方向サービス網が構築される場合であって、映像素材情報として買い物情報を送信するようにしてもよい。その場合には、買い物情報に対して視聴者がテレビショッピングを行ったとき、その買い物情報に係る注文情報が番組提供者(地域商店など)に転送されると共に、その買い物情報に係る商品代金が、視聴者のチャネルの使用に伴う料金に加算されるようにするとよい。IDカードによる銀行一括引き落としが可能となる。
【0257】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る3次元映像の送受信システムによれば、3次元映像を作成するために送信側から受信側に送られてきた複数の映像素材情報の中から任意に選択された映像素材情報に基づいて3次元映像を作成する映像作成手段を備え、映像素材情報の選択が視聴者によって行われるものである。
【0258】
この構成によって、予め送信側で準備された複数の映像素材情報から視聴者の好みに応じて選択された映像素材情報に基づいて視聴者固有の3次元映像を作成することができる。従って、放送局から与えられた映像をただ消極的に視聴者が視聴するのではなく、視聴者が積極的かつ独自に立体的に映像加工した3次元映像を視聴することができる。また、視聴者側は、限られたチャネルに多重されてくる映像素材情報を効率良く受信することができる。
【0259】
本発明に係る3次元映像の送受信方法によれば、3次元映像を作成するための複数の映像素材情報を送信側で準備し、映像素材情報を送信側から個々の視聴者側へ送信し、送信側から送られてきた映像素材情報を視聴者側で受信し、その視聴者側では映像素材情報から任意の映像素材情報を選んで三次元映像を作成するようになされる。
【0260】
この構成によって、放送局などから与えられた映像をただ消極的に視聴者が視聴するのではなく、視聴者が積極的かつ独自に立体的に映像加工した3次元映像を視聴することができる。これにより、自宅に居ながらにしてサッカー場でプレーする選手や、舞台で演ずる役者などの視線により認識される臨場感溢れた3次元映像を視聴することができる。また、視聴者側は、限られたチャネルに多重されてくる映像素材情報を効率良く受信することができる。
この発明は、ISDBサービスや双方向サービスを利用した次世代の3次元デジタル放送システムなどに適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態としての3次元映像の送受信システム100の構成例を示す斜視図である。
【図2】3次元映像の送受信システム100の処理例を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施例としての3Dポリゴン放送システム200の構成例を示すブロック図である。
【図4】各実施例に係る3Dポリゴン送信装置201の構成例を示すブロック図である。
【図5】MPEG−4方式のビデオエンコーダ300の構成例を示すブロック図である。
【図6】舞台装置40における映像素材情報D1iの取得例を示す斜視図である。
【図7】A及びBは映像素材情報D1iの取得例を示す舞台正面及び側面のイメージ図である。
【図8】各実施例に係る3Dポリゴン受信装置202の構成例を示すブロック図である。
【図9】役者Bの視線によって認識される背景を3Dポリゴン10の「森」や「芝生」に置き換えた表示例を示すイメージ図である。
【図10】特殊グラストロン203の構成例を示す正面図である。
【図11】特殊グラストロン203の内部構成例を示す一部破砕の上面から見た概念図である。
【図12】AはフィルムCCD4R、4Lの構成例を示す上面から見た概念図、Bは左右の瞳の位置例を示す概念図である。
【図13】特殊グラストロン203の装着時の注視点pの位置関係例を示す概念図である。
【図14】第1の実施例に係る3Dポリゴン放送システム200における処理例を示すフローチャートである。
【図15】第2の実施例としての3Dポリゴン放送システム400の構成例を示すブロック図である。
【図16】ゲーム装置205に取り付けられる点滅制御回路13の内部構成例を示すブロック図である。
【図17】その4つの発光ダイオードLED1〜LED4の電圧供給例を示す波形図である。
【図18】3Dポリゴン放送システム400で使用する特殊グラストロン206の構成例を示す正面図である。
【図19】他の特殊グラストロン207の構成例を示す正面図である。
【図20】特殊グラストロン206等に搭載される流し撮りCCD装置23の内部構成例を示す平面図である。
【図21】流し撮りCCD装置23の光学系の構成例を示す断面図である。
【図22】特殊グラストロン206の内部構成例を示すブロック図である。
【図23】ゲーム装置205に係る基準面の位置座標の算出例を示す模式図である。
【図24】3Dポリゴン放送システム400における処理例(メインルーチン)を示すフローチャートである。
【図25】特殊グラストロン206の動作例(第1のサブルーチン)を示すフローチャートである。
【図26】特殊グラストロン206の動作例(第2のサブルーチン)を示すフローチャートである。
【図27】実空間におけるゲーム装置205の画像例を示す斜視図である。
【図28】仮想空間における基準面上の仮想画像の合成例を示す斜視図である。
【図29】第3の実施例としての3Dポリゴン受信処理システム500の構成例を示す斜視図である。
【図30】TVモニタ204の内部構成例を示す正面図である。
【図31】TVモニタ204の内部構成例を示すブロック図である。
【図32】光源画像信号SP1〜SP4の波形例を示すイメージ図である。
【図33】映像信号SCに対する光源画像信号SPi、SPjの重畳例を示す波形図である。
【図34】流し撮りCCD装置23の光学系の他の構成例を示す断面図である。
【図35】視聴者(特殊グラストロン206の非装着時)の実像例を示す斜視図である。
【図36】TVモニタ204で表示されるフィールドからゴールを見た二次元映像の表示例を示す正面図である。
【図37】視聴者(特殊グラストロン206の装着時)の仮想画像例を示す斜視図である。
【図38】第4の実施例で使用するTVモニタ208の構成例を示す正面図である。
【図39】二次元バーコード画像50上の3Dポリゴン10の合成例を示す斜視図である。
【図40】各実施例に係る映像素材取得用の物体形状計測装置600の外観例を示す斜視図である。
【図41】物体形状計測装置600の内部構成例を示す断面図である。
【図42】物体形状計測装置600の回路例を示すブロック図である。
【図43】物体形状計測装置600による球体30’の計測例(その1)を示す斜視図である。
【図44】物体形状計測装置600による球体30’の計測例(その2)を示す概念図である。
【図45】各実施例に係る映像素材取得用の三次元形状取得機構60の構成例を示す概念図である。
【符号の説明】
1・・・送信手段、1A・・・多重化手段、2・・・受信手段、2A・・・多重分離手段、3・・・記憶手段、4・・・選択手段、5・・・操作手段、6・・・映像作成手段、7・・・位置認識機構、8,24・・・表示手段、9,98・・・画像処理装置、10・・・3Dポリゴン、23・・・流し撮りCCD装置、25・・・CCD撮像装置、26・・・右眼表示用のLCD(第1の画像表示素子)、27・・・左眼表示用のLCD(第2の画像表示素子)、32・・・垂直転送部(電荷転送部)、33・・・水平転送部、50・・・2次元バーコード、66・・・制御手段、88・・・制御装置、89・・・ジョグダイアル(操作手段)、100・・・送受信システム、200,400・・・3Dポリゴン放送システム、201・・・3Dポリゴン送信装置(送信手段)、202・・・3Dポリゴン受信装置(受信手段)、203,206,207・・・特殊グラストロン、204,208・・・TVモニタ、205・・・ゲーム装置、300・・・ビデオエンコーダ

Claims (54)

  1. 少なくとも、3次元映像を作成するために予め準備された複数の2次元の映像素材情報を送信側から受信側へ送信する送信手段と、
    前記送信手段によって送信された複数の2次元の映像素材情報を受信する受信手段と、
    前記受信手段によって受信された複数の2次元の映像素材情報から任意の映像素材情報を選択する選択手段と、
    前記選択手段によって選択された映像素材情報に基づいて3次元映像を作成する映像作成手段とを備え、
    前記映像素材情報の選択は視聴者によって行われ
    前記送信手段が2次元及び3次元の映像情報を含む映像素材情報を送信した場合、
    前記受信手段は、
    前記映像作成手段によって作成された3次元映像の初期画面を表示する期間又は前記送信手段によって送信された2次元の映像情報の中で宣伝画面を表示する期間に前記送信手段から3次元の映像情報を取得する3次元映像の送受信システム。
  2. 前記映像素材情報を送信側から受信側へ複数のチャネルを使用して伝送する場合であって、
    前記受信側に前記映像素材情報を一時記録する記憶手段が設けられる請求項1に記載の3次元映像の送受信システム。
  3. 前記記憶手段は、背景情報に見合う分のメモリ容量を有する請求項に記載の3次元映像の送受信システム。
  4. 前記映像素材情報の中で、頻繁に使用される3次元の映像情報に関しては、前記送信側において、当該映像の初期画面を表示する期間又は2次元の映像情報の中で宣伝画面を表示する期間に全てのチャネルに割り当てて送信され、
    前記受信側では前記期間中に取得した3次元の映像情報が前記記憶手段に記憶される請求項に記載の3次元映像の送受信システム。
  5. 映像の1場面を構成する前記映像素材情報が膨大な量となる場合には、チャネルを増加して前記映像素材情報を分割して前記受信側に送信する請求項に記載の3次元映像の送受信システム。
  6. 映像の1場面を構成する前記映像素材情報が膨大な量となる場合には、分割した前記映像素材情報を送信している期間に残余のチャネルを使用して他の前記映像素材情報を受信側に送信し、
    前記受信側では前記期間中に取得した前記映像素材情報が前記記憶手段に記憶される請求項に記載の3次元映像の送受信システム。
  7. 前記映像素材情報に関して映像の背景情報に変化があるものも変化がないものも全てを前記送信側から前記受信側へ送信し、
    前記受信側ではすぐに使用しない前記背景情報に関しては前記記憶手段に一時記憶される請求項に記載の3次元映像の送受信システム。
  8. 記送信手段には、
    3次元映像を作成するための二以上の前記映像素材情報を多重化する多重化手段が設けられ、
    前記受信手段には
    前記送信手段から送信された前記多重化手段によって多重化された二以上の映像素材情報を分離する情報分離手段が設けられる請求項1に記載の3次元映像の送受信システム。
  9. 前記映像素材情報は、
    デジタルテレビ放送網を使用して受信側に伝送される請求項1に記載の3次元映像の送受信システム。
  10. 前記映像素材情報は、
    ケーブルテレビ通信回線を使用して受信側に伝送される請求項1に記載の3次元映像の送受信システム。
  11. 前記映像素材情報は、
    インターネット通信回線を使用して受信側に伝送される請求項1に記載の3次元映像の送受信システム。
  12. 前記映像素材情報は、
    動画像圧縮基準であるMPEGのデータ系列を持ったデータストリームにして伝送される請求項1に記載の3次元映像の送受信システム。
  13. 前記映像素材情報は、
    前記送信側から前記受信側へ複数のチャネルを使用して伝送される請求項1に記載の3次元映像の送受信システム。
  14. 前記映像素材情報を送信側から受信側へ複数のチャネルを使用して伝送する場合であって、
    複数のチャネルに前記映像素材情報が割り振られる請求項13に記載の3次元映像の送受信システム。
  15. 前記映像素材情報には、
    少なくとも、映像の背景を表現する背景情報と、
    前記映像の背景内で動く物体を表現する物体情報と、
    前記背景に対する物体の初期の配置情報及び該物体の移動に伴う位置情報と、
    前記物体の動作に伴う動作情報とが付加される請求項1に記載の3次元映像の送受信システム。
  16. 前記映像素材情報を伝送するチャネルは、映像の背景の数だけ予め準備される請求項15に記載の3次元映像の送受信システム。
  17. 前記映像素材情報を送信側から受信側へ複数のチャネルを使用して伝送する場合であって、
    前記動作情報と、その他の背景情報、物体情報、配置情報及び位置情報とは別々のチャネルに割り振られ、
    前記動作情報は実時間で送信され、
    前記物体情報、配置情報及び位置情報は次の映像の背景情報と共に送信される請求項15に記載の3次元映像の送受信システム。
  18. 前記動作情報、背景情報、物体情報、配置情報及び位置情報の一群のデータ取り込みが終了すると、他群のデータ取り込みのために受信側で当該チャネルを明け渡すようになされる請求項15に記載の3次元映像の送受信システム。
  19. 前記映像素材情報を送信側から受信側へ複数のチャネルを使用して伝送する場合であって、
    前記チャネルの1つを使用して通常のテレビ放送に係る次元の映像情報を伝送するようになされた請求項13に記載の3次元映像の送受信システム。
  20. 前記映像素材情報を送信側から受信側へ複数のチャネルを使用して伝送する場合であって、
    被写体から見た視点による映像情報を前記映像素材情報として前記チャネルの1つを使用して受信側に伝送するようになされた請求項13に記載の3次元映像の送受信システム。
  21. 前記被写体が映像の背景内に複数存在する場合であって、
    前記被写体の視点映像情報毎に前記チャネルが割り当てられる請求項20に記載の3次元映像の送受信システム。
  22. 前記映像素材情報に関して、
    撮像可能な任意の物体の特定の面に点滅パターンが異なる複数の光源を取付け、
    前記点滅パターンの異なった光源を所定の撮像方向に流すように撮像し、
    撮像された前記光源の輝度情報を画像処理して前記光源の各々の位置情報を求めることにより前記物体の位置情報を得るようになされた請求項1に記載の3次元映像の送受信システム。
  23. 前記映像素材情報に関して物体の三次元形状情報を取得する物体形状取得手段が設けられる請求項1に記載の3次元映像の送受信システム。
  24. 前記物体形状取得手段は、
    前記物体に照射するためのスリット光を発生する光源と、
    前記光源によるスリット光を前記物体に走査するために複数のプリズム及び液晶シャッタを有した走査手段と、
    前記物体から反射されてくるスリット光を各画素毎に検出する光検出手段とを有し、
    前記光検出手段では、
    前記各画素Pを通過するスリット光のタイミングが計測され、そのときの液晶シャッタが開かれたプリズムによるスリット光の出射角となる前記基準面とスリット光との間を成す角度αが求められ、
    前記基準面と画素Pの視線方向との成す角度をβとし、前記基準面と走査手段の中心位置の液晶シャッタとのオフセット距離をAとし、前記画素Pと走査手段の中心位置の液晶シャッタとのオフセット距離をBとしたときに、前記基準面と物体との3次元形状情報Zは、次式、すなわち、
    Figure 0004250814
    により求められる請求項23に記載の3次元映像の送受信システム。
  25. 前記物体形状取得手段は、
    前記物体に照射するためのスリット光を発生する光源と、
    前記光源によるスリット光を前記物体に走査するためにミラーを有した走査手段と、
    前記物体から反射されてくるスリット光を各画素毎に検出する光検出手段とを有し、
    前記光検出手段では、
    前記各画素Pを通過するスリット光のタイミングが計測され、そのときのミラーの偏光角となる前記基準面とスリット光との間を成す角度αが求められ、
    前記基準面と画素Pの視線方向との成す角度をβとし、前記基準面とミラーの回転中心とのオフセット距離をAとし、前記画素Pとミラーの回転中心とのオフセット距離をBとしたときに、前記基準面と物体との距離情報Zは、次式、すなわち、
    Figure 0004250814
    により求められる請求項23に記載の3次元映像の送受信システム。
  26. 前記物体形状取得手段には、
    前記物体の基準画像を撮影する基準用のカメラと、前記物体の参照画像を撮影する検出用のカメラとを有した多眼ステレオカメラが使用され、
    前記基準用のカメラ及び検出用のカメラから得られる視差情報に基づいて前記物体の3次元形状情報が取得される請求項23に記載の3次元映像の送受信システム。
  27. 前記映像作成手段は、
    前記映像素材情報に基づいて3次元映像の基礎となるステレオ画像を作成するようになされる請求項1に記載の3次元映像の送受信システム。
  28. 前記映像素材情報は、
    3次元の映像情報を作成するソフトウエアにより仮想空間を表現するようになされる請求項27に記載の3次元映像の送受信システム。
  29. 前記3次元映像を表示する表示手段が設けられ、
    前記表示手段は、
    当該表示手段の撮像可能な任意の画面内であって、少なくとも、前記画面内の特定の位置に3点以上の光源画像が表示されると共に、該光源画像の各々の点滅パターンが異なるように点滅制御される請求項1に記載の3次元映像の送受信システム。
  30. 記表示手段に表示された任意の画面上に前記光源画像を合成表示する画像処理手段が設けられる請求項29に記載の3次元映像の送受信システム。
  31. 記光源画像の表示部分の画面上に任意の透過特性のフィルムが取付けられ、
    前記光源画像から放出される光の特定の波長を通すようになされる請求項29に記載の3次元映像の送受信システム。
  32. 前記表示手段の位置を認識する位置認識手段が設けられ、
    前記位置認識手段は、
    前記表示手段で表示される画面内の光源画像を所定の撮像方向に流すように撮像し、
    撮像された前記光源画像の輝度情報を画像処理して前記光源画像の各々の位置情報を求めるようになされた請求項29に記載の3次元映像の送受信システム。
  33. 前記3次元映像を表示する表示手段が設けられ、
    前記表示手段は、
    当該表示手段の任意の表示画像の特定の表示期間内に、少なくとも、白地に黒で表示されたn行×列の白黒マトリクスと、該白黒マトリクスと同じ太さの黒枠から成る次元マトリクスコード画像が表示され、
    前記二次元マトリクスコード画像を撮像し、
    撮像された前記二次元マトリクスコード画像による輝度信号を画像処理して前記二次元マトリクスコード画像の四隅の位置情報を求めることにより、当該表示手段の位置を認識するようになされる請求項に記載の3次元映像の送受信システム。
  34. 前記表示手段を含む仮想空間の基準面上で仮想体の画像を合成する合成手段が設けられ、
    前記合成手段は、
    前記視聴者が視聴する二次元のテレビ映像に仮想体の画像を立体的に合成するようになされる請求項29に記載の3次元映像の送受信システム。
  35. 前記合成手段は、
    前記表示手段の2次元のテレビ画像を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段によるテレビ画像と予め作成された仮想体の画像と合成したステレオ画像の一方を表示する第1の画像表示素子と、
    前記ステレオ画像の他方を表示する第2の画像表示素子とを有したヘッドマウントディスプレイであり、
    前記ヘッドマウントディスプレイは、視聴者の顔面又は頭部に装着され、
    前記第1の画像表示素子によるステレオ画像と、前記第2の画像表示素子によるステレオ画像とを重ね合わせて視聴者の眼球に導くようになされる請求項34に記載の3次元映像の送受信システム。
  36. 前記合成手段は、
    視聴者の視聴する前記表示手段のテレビ画像を取り込むために入射光の開閉をする液晶シャッタと、
    前記外界像に合成するため作成された仮想体の画像を表示する画像表示素子と、
    前記画像表示素子による仮想体の画像と、前記液晶シャッタを通過した前記表示手段のテレビ画像とをその視聴者の眼球に導く光学手段とを有したヘッドマウントディスプレイであり、
    前記ヘッドマウントディスプレイは、視聴者の顔面又は頭部に装着され、
    前記液晶シャッタを開いたときは、
    前記液晶シャッタを通過した前記表示手段のテレビ画像に、前記画像表示素子による仮想体の画像を重ね合わせて視聴者の眼球に導くようになされる請求項34に記載の3次元映像の送受信システム。
  37. 前記合成手段を装着した視聴者が特定位置に視点を合わせることにより得られる視点位置検出情報に基づいて、前記映像素材情報に関する映像の背景又は物体の動きが変更される請求項34に記載の3次元映像の送受信システム。
  38. 前記映像の1画面の背景を表示する期間内に受信側に送信された複数の動作情報と、前記合成手段による視点位置検出情報とに基づいて映像の中の物体の動きを変更する表示制御を行う請求項37に記載の3次元映像の送受信システム。
  39. 前記選択手段を操作する操作手段が設けられ、
    前記操作手段を操作することにより得られる操作情報に基づいて前記映像素材情報に関する映像の背景又は物体の動きが変更される請求項1に記載の3次元映像の送受信システム。
  40. 前記映像の1画面の背景を表示する期間内に受信側に送信された複数の動作情報と、前記操作手段による操作情報とに基づいて映像の中の物体の動きを変更する表示制御を行う請項39に記載の3次元映像の送受信システム。
  41. 前記映像素材情報に係る映像の背景又は物体の動きの変更は一定のサイクルタイム内に割り込みが発生した場合に行われる請求項1に記載の3次元映像の送受信システム。
  42. 前記サイクルタイム内の割り込み以外はデフォルトの3次元の映像情報に基づく映像が表示される請求項41に記載の3次元映像の送受信システム。
  43. 前記送信側と視聴者側との間に通信手段が接続され、
    前記通信手段を使用して前記視聴者側から送信側へ視聴者による個別情報を送信する双方向サービス網が構築される請求項に記載の3次元映像の送受信システム。
  44. 少なくとも、3次元映像を作成するための複数の2次元の映像素材情報を予め送信側で準備し、
    前記送信側で準備された複数の2次元の映像素材情報を該送信側から個々の視聴者側へ送信し、
    前記送信側から送信された複数の2次元の映像素材情報を前記視聴者側で受信し、
    前記視聴者側では複数の2次元の映像素材情報から任意の映像素材情報を選んで3次元映像を作成し、
    前記送信側が2次元及び3次元の映像情報を含む映像素材情報を送信した場合、
    前記視聴者側は、
    作成された3次元映像の初期画面を表示する期間又は前記送信側から送信された2次元の映像情報の中で宣伝画面を表示する期間に前記送信側から3次元の映像情報を取得する3次元映像の送受信方法。
  45. 前記映像素材情報は、
    前記送信側から前記視聴者側へ複数のチャネルを使用して多重伝送される請求項44に記載の3次元映像の送受信方法。
  46. 前記映像素材情報は、
    前記送信側で全て準備される請求項44に記載の3次元映像の送受信方法。
  47. 前記映像素材情報の一部が視聴者側で準備される請求項44に記載の3次元映像の送受信方法。
  48. 前記映像素材情報が前記送信側で準備される場合であって、
    前記映像素材情報に関して、
    1画面を構成する3次元映像を「粗」に再生する粗再生モード又は「密」に再生する密再生モードのいずれかを前記視聴者側で選択するようになされる請求項46に記載の3次元映像の送受信方法。
  49. 前記チャネルの使用に伴う料金設定に関しては、使用チャネル数とチャネル使用時間に基づいて視聴者へ課金する請求項45に記載の3次元映像の送受信方法。
  50. 前記視聴者への料金設定に関しては、前記受信時間内における映像素材情報の量に応じて課金する請求項49に記載の3次元映像の送受信方法。
  51. 前記チャネルの使用に伴う料金設定に関しては、使用チャネル数とチャネル使用時間に基づいて番組提供者へ課金する請求項45に記載の3次元映像の送受信方法。
  52. 前記番組提供者への料金設定に関しては、送信時間内における映像素材情報の量に応じて課金する請求項51に記載の3次元映像の送受信方法。
  53. 通信手段を使用して前記視聴者側から前記送信側へ視聴者による個別情報を送信する双方向サービス網が構築される場合であって、
    前記映像素材情報に買い物情報が送信される請求項44に記載の3次元映像の送受信方法。
  54. 前記双方向サービス網が構築される場合であって、
    前記買い物情報に対して視聴者がテレビショッピングを行ったとき、
    前記買い物情報に係る注文情報が番組提供者に転送されると共に、該買い物情報に係る商品代金が、視聴者のチャネルの使用に伴う料金に加算される請求項53に記載の3次元映像の送受信方法。
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