JP4250199B1 - 検査システム - Google Patents

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Abstract

S/N比が高く、精度の良い検査用のデータ等を、高い自由度で算出することができる検査システム100等を提供する。そのために、撮像タイミングを調整して、対象物Wの撮像素子22上での投影像がX方向にm画素(mは1以上の整数)移動する時間と、撮像時間間隔とを同期させるとともに、各撮像タイミングで撮像された各2次元画像データにおいて対象物Wがm画素ずつX方向にずれて現れることに基づき、前記対象物Wにおける同じ検査位置を撮像した部分画像データを各2次元画像データからそれぞれ特定し、前記各部分画像データに基づいて、当該検査位置におけるノイズ低減処理を施した検査用データを生成するようにした。
【選択図】図7

Description

この発明は、ガラス板等の透明板状体の内部に存在する歪みや鏡面仕上げされた板状体の表面に存在する欠点あるいは異物(以下、これらを総称して欠陥とも言う)を、撮像画像に基づいて抽出し検査する検査システム等に関するものである。
この種の検査システムに用いられるラインセンサには、CCDがよく利用されている。かかるラインセンサでは、複数のフォトダイオードを一列に並べるとともに、各フォトダイオードに対応させてCCDを並列に並べた構成となっている。そして、フォトダイオードが露光したことによって生じる電荷をCCDにチャージし、そのチャージされた電荷をそれぞれ読み出すことでライン画像データを生成するようにしている。
ところで、この種のラインセンサでは、CCDにチャージされた電荷を読み出してリセットしない限り、次の露光を行えないため、そのリセット時間等も含めると、露光間隔、すなわち撮像間隔を大きく縮めることは比較的難しいが、CCDがリセットしない限り電荷を貯め込んでいくという性質を逆に利用して、近時では、高精度で高速のセンシングが可能なTDI(Time Delay Integration)方式のラインセンサが開発されている。
TDI方式とは、2次元に配列したCCDにおいて、電荷を読み出す際に、列単位で電荷の垂直転送を行うことを利用して、CCDに投影される被写体の列方向の移動速度と電荷の垂直転送タイミングとを同期させ、垂直段数分(例えばM段)の積分露光を行うことによって、通常のリニアイメージセンサに比べてM倍の感度を実現できるようにしたものである。要すれば、被写体の同一箇所をM回撮像し、それを重ね合わせて感度向上を図ったものである。
特開2004−251878
しかしながら、このTDI方式では、各撮像タイミングでのCCDの電荷を単純に積算することしかできない。したがって、各撮像タイミングでの電荷量に何らかの演算を施した後、その演算結果を積算してS/N比を上げた有用な画像データ等を構築するような用途には、前述したTDIリニアイメージセンサを用いることはできない。また、TDIに用いられるCCDは価格が高いという問題もある。
例えば、本願発明者等が従前に出願し特許化した特許文献1に示す欠陥検出装置では、グリッドパターンを利用して、画像データ上にモアレ縞を形成し、そのモアレ縞に現れる正弦波の乱れから欠陥を検出するようにしているが、その際、CCD等の各撮像素子の出力値に所定の演算を施して、検査用のデータを生成することによって前記正弦波の乱れを検出するようにしている。かかる欠陥検出装置でS/N比を上げるためには、各撮像素子の出力値に所定の演算を施した結果を、複数回積算することが有用であるが、このような用途にTDIリニアイメージセンサを用いることは難しい。
本発明は、かかる問題点を鑑みてなされたものであって、S/N比が高く、精度の良い検査用のデータ等を、高い自由度で算出することができる検査システム等を提供すべく図ったものである。
すなわち本発明に係る検査システムは、直交する2つの仮想軸であるX軸及びY軸方向に沿って2次元に配列した複数の撮像素子と、それら撮像素子の全部又は一部からの光量信号を所定の撮像タイミングで受け付けて、それら光量信号が示す各検出光量値をメモリ上に設定した画像記憶領域に2次元画像データとして記憶させる撮像制御部と、前記2次元画像データに処理を施して検査用データを生成する画像処理部とを有する撮像装置を備えており、対象物を前記撮像装置に対して前記X方向に相対的に移動させながら該撮像装置で撮像するようにしたものである。
そして、前記撮像制御部が、前記撮像タイミングを調整して、前記対象物の撮像素子上での投影像が前記X方向にm画素(mは1以上の整数)移動する時間である投影像単位移動時間と、前記撮像素子からの光量信号を受信して前記画像記憶領域に当該対象物に係る単一の2次元画像データとして記憶させる時間間隔である撮像時間間隔とを同期させるものであり、前記画像処理部が、各撮像タイミングで撮像された各2次元画像データにおいて対象物がm画素ずつX方向にずれて現れることに基づき、前記対象物における同じ検査位置を撮像した部分画像データを各2次元画像データからそれぞれ特定する特定部と、前記各部分画像データに基づいて、当該検査位置におけるノイズ低減処理を施した検査用データを生成するデータ生成部とを備えているものであることを特徴とする。
本発明の効果が特に顕著となる検査システムとしては、一定幅の明部及び暗部からなる単位グリッドを連続させたグリッドパターンを形成するグリッドパターン形成手段をさらに備えており、前記グリッドパターンを前記撮像装置の焦点位置に、前記対象物を前記グリッドパターンから撮像装置に至る光路上にそれぞれ配置するとともに、前記グリッドパターンの撮像素子上での投影像において、n個(nは1以上の整数)の単位グリッドが、Xn±α(X=4p(pは1以上の整数)、α≪n)個の撮像素子と対応するように構成したものであって、前記データ生成部が、前記グリッドパターンによって前記部分画像データ上に現れるモアレ縞から、前記検査位置における部分画像データの各部に生じている光学的歪量を算出する光学的歪算出部と、各部分画像データに係る光学的歪量を積算して(さらに平均化し)、前記検査用データを生成するノイズ低減部とを具備したものを挙げることができる。
前記光学的歪算出部の具体的構成としては、前記モアレ縞の画像データから90°ずつ位相のずれた複数種類の正弦波を抽出して生成する正弦波生成部と、前記各正弦波から各撮像素子でのモアレ縞の位相角度を算出する位相角度算出部と、前記撮像素子間の位相角度の差から前記光学的歪量を算出する歪量算出部とを備えたものを挙げることができる。
本発明は、検査システムのみならず、ノイズの少ない撮像装置としても適用することができる。
かかる撮像装置としては、直交する2つの仮想軸であるX軸及びY軸方向に沿って2次元に配列した複数の撮像素子と、それら撮像素子の全部又は一部からの光量信号を所定の撮像タイミングで受信して、それら光量信号が示す各光量値をメモリ上に設定した画像記憶領域に2次元画像データとして記憶させる撮像制御部と、前記2次元画像データに画像処理を施してノイズ低減データを生成する画像処理部とを備えており、対象物を前記X方向に相対的に移動させながら所定時間間隔で撮像するものであって、前記撮像制御部が、前記撮像タイミングを調整して、前記対象物の撮像素子上での投影像が前記X方向にm画素(mは1以上の整数)移動する時間である投影像単位移動時間と、前記撮像素子からの光量信号を受信して前記画像記憶領域に当該対象物に係る単一の2次元画像データとして記憶させる時間間隔である撮像時間間隔とを同期させるものであり、前記画像処理部が、各撮像タイミングで撮像された各2次元画像データにおいて対象物がm画素ずつX方向にずれて現れることに基づき、前記対象物の同じ位置を撮像した部分画像データを各2次元画像データからそれぞれ特定する特定部と、前記各部分画像データに基づいて、当該位置におけるノイズ低減処理を施したノイズ低減データを生成するデータ生成部とを備えているものを挙げることができる。
また本発明は、検査方法としても適用可能である。
すなわち、直交する2つの仮想軸であるX軸及びY軸方向に沿って2次元に配列した複数の撮像素子と、それら撮像素子の全部又は一部からの光量信号を所定の撮像タイミングで受信し、それら光量信号が示す各光量値を、メモリ上に設定した画像記憶領域に2次元画像データとして記憶させる撮像制御部とを有する撮像装置に対して、対象物を前記X方向に相対的に移動させながら該撮像装置で撮像し検査する検査方法であって、前記撮像タイミングを調整して、前記対象物の撮像素子上での投影像が前記X方向にm画素(mは1以上の整数)移動する時間である投影像単位移動時間と、前記撮像素子からの光量信号を受信して前記画像記憶領域に当該対象物に係る単一の2次元画像データとして記憶させる時間間隔である撮像時間間隔とを同期させる同期ステップと、各撮像タイミングで撮像された複数の2次元画像データの各々について前記対象物の同じ検査位置を撮像した部分画像データを、撮像時刻の違いから対象物が各2次元画像データ上でm画素ずつX方向にずれて現れることに基づいて特定する特定ステップと、前記各部分画像データに基づいて、前記検査位置におけるノイズ低減処理を施した検査用データを生成するデータ生成ステップと有していることを特徴とする検査方法でも構わない。
その場合、一定幅の明部及び暗部からなる単位グリッドを連続させたグリッドパターンを前記撮像装置の焦点位置に、前記対象物を前記グリッドパターンから撮像装置に至る光路上にそれぞれ配置するとともに、前記グリッドパターンの撮像素子上での投影像において、n個(nは1以上の整数)の単位グリッドが、Xn±α(X=4p(pは1以上の整数)、α≪n)個の撮像素子と対応するように構成しておき、前記データ生成ステップにおいて、前記グリッドパターンによって前記部分画像データ上に現れるモアレ縞から、当該部分画像データの各部に生じている光学的歪量を算出する光学的歪算出ステップと、各部分画像データに係る光学的歪量を積算して(さらに平均化し)、前記検査用データを生成するノイズ低減ステップとを行うようにすれば、なお好ましい。
このように本発明によれば、各撮像素子からの検出光量値を、撮像ごとに一旦は画像記憶領域に蓄え、その画像記憶領域に蓄積されたデータに演算処理を施すようにしているので、TDIのように、撮像毎のデータが自動的に積算されてしまうものに比べ、演算処理の自由度が高く、種々の処理を容易に行えるというメリットを享受できる。また、CMOSセンサなどの安価なエリアイメージセンサを撮像素子として用いることができるので、低コスト化も可能である。
さらに、対象物の同じ位置から算出した各光学的歪量は、それぞれグリッドパターンの違う部位で測定されたものであることから、それらを積算することで、前述したグリッドパターンの明部と暗部と幅のばらつき、単位グリッドの幅(ピッチ幅)のばらつき、グリッドパターン上の埃などのノイズ原因を低減させて、ガラス基板の光学的歪だけを強調することができ、S/N比を向上させて、精度の良い測定が可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係る検査システムの模式的全体図である。 図2は、同実施形態におけるグリッド形成手段の正面図である。 図3は、同実施形態における撮像素子群の正面図である。 図4は、同実施形態における単位グリッド幅と撮像素子数との関係を示す関係説明図である。 図5は、同実施形態における情報処理手段の物理的構成図である。 図6は、同実施形態における撮像装置の機能的内部構成図である。 図7は、同実施形態における検査位置の特定方法を説明するための検査位置特定方法説明図である。 図8は、同実施形態における画像データ及びモアレ縞を示すグラフである。 図9は、同実施形態においてモアレ縞から正弦波を抽出したグラフである。 図10は、同実施形態において正弦波から各撮像素子の位相角度を算出したグラフである。 図11は、同実施形態において、位相角度算出後に光学的歪を算出したグラフである。 図12は、本発明の他の実施形態における検査位置の特定方法を説明するための検査位置特定方法説明図である。 図13は、本発明のさらに他の実施形態における検査位置の特定方法を説明するための検査位置特定方法説明図である。 図14は、本発明のさらに他の実施形態における検査システムの模式的全体図である。
符号の説明
100・・・検査システム
1・・・グリッドパターン形成手段
11・・・グリッドパターン
1a・・・単位グリッド
2・・・撮像装置
22・・・撮像素子(CMOSセンサ)
232・・・メモリ
3・・・撮像制御部
4・・・画像処理部
41・・・特定部
42・・・データ生成部
421・・・光学的歪算出部
422・・・ノイズ低減部
421a・・・正弦波生成部
421b・・・位相角度算出部
421c・・・歪量算出部
D1・・・画像記憶領域
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
本発明に係る検査システム100は、図1に示すように、グリッドパターン形成手段1及び撮像装置2を備え、それらグリッドパターン形成手段1及び撮像装置2の間を図示しない搬送手段などにより、検査の対象物である透明ガラス基板Wを一方向に走査撮像のために移動させるように構成したものである。
グリッドパターン形成手段1は、図1、図2等に示すように、一定幅の明部及び暗部からなる単位グリッド1aを連続させたグリッドパターン11を形成するもので、ここでは、帯状板に前記グリッドパターン11を描画したものである。この他に、例えば前記帯状板を背後からバックライトで照らしてもよいし、LEDや蛍光灯などの光源と遮光部材とを交互に並べてグリッドパターンを形成するものでも構わない。かかるグリッドパターン形成手段1は、その明部及び暗部の繰り返し方向をガラス基板Wの移動方向と直交する向きにして、ガラス基板Wの背面に配置してある。
搬送手段は、図示していないが、例えばガラス基板Wの側縁部を厚み方向から挟みこんで一定速度で移動させるローラなどを利用したものである。この他に例えば、XYステージなどでも構わない。
撮像装置2は、図1、図5等に示すように、光学部材21と、その光学部材21の後方に設けられた複数の撮像素子22と、前記各撮像素子22からの光量信号を受信して処理する情報処理手段23とをボディ内部に備えたものであり、前記ガラス基板Wの表面(検査面)に撮像面を対向させて配置してある。
この撮像装置2について詳述すれば、光学部材21はレンズ等を組み合わせたものであり、その焦点は前記グリッドパターン11に合わせてある。
撮像素子22は、ここでは例えばCMOSセンサを用いている。その理由は、CMOSセンサは比較的安価であり、受光素子である各フォトダイオード(図示しない)にそれぞれ増幅器が一体に組み込まれて、光量信号を読み出しやすいからであるが、CCDなど、その他の撮像素子を用いても構わない。
撮像素子22は、図1、図3等に示すように、直交する2つの仮想軸であるX軸及びY軸方向に沿って2次元に配列して矩形板状の撮像素子群を形成している。そして、この実施形態では、前記X軸方向がガラス基板Wの移動方向に合致し、XY平面がガラス基板W面と平行になるように、当該撮像装置2の姿勢を設定している。また、前記グリッドパターン11の撮像素子22上での投影像において、n個(nは1以上の整数)の単位グリッド1aが、Xn±α(X=4p(pは1以上の整数)、α≪n)個の撮像素子22と対応するように当該撮像装置2とグリッドパターン11との距離あるいは光学部材21による撮像倍率を設定している。このように構成しておくことで、後述するが、ずれ分であるαの値で決まるモアレ縞が2次元画像データ上に現れる。ここで、理解のために、図4に撮像素子22とグリッドパターン11との関係を示しておく。なおこの撮像装置2は、上述したように2次元エリアセンサ(2次元配列した撮像素子22群)を具備するが、本検査システム100では、前記2次元エリアセンサのY軸方向に並ぶ1列の撮像素子22をラインセンサ的に用いるようにしている(詳細は後述する)。
情報処理手段23は、物理的には、図5に示すように、CPU231やメモリ232、あるいは通信用のI/Oポート233などからなるもので、撮像装置2のボディに組み込まれている。そして、前記メモリ232の所定領域に設定したプログラムにしたがって前記CPU231やその周辺機器が協働することにより、図6に示すように、撮像制御部3や画像処理部4等としての機能を発揮する。なお、情報処理手段23は、必ずしもその全てが装置ボディに組み込まれている必要はない。例えば他のコンピュータと通信可能に構成して、その一部機能(特に画像処理部4)を当該他のコンピュータに担わせるようにしてもよい。次に前述した各機能部について説明する。
前記撮像制御部3は、所定の撮像タイミングで前記各撮像素子22からの光量信号を受信し、それら光量信号が示す各光量値を前記メモリ上に設定した画像記憶領域D1に2次元画像データとして記憶させるものである。ここでは、その撮像タイミングを調整して前記対象物の撮像素子22上での投影像が前記X方向に1画素移動する時間である投影像単位移動時間と、前記撮像素子22からの光量信号を受信して前記画像記憶領域D1に当該対象物に係る単一の2次元画像データとして記憶させる時間間隔である撮像時間間隔とを同期させるようにしている。
前記画像処理部4は、画像記憶領域D1上にある前記2次元画像データに画像処理を施して、検査用データを生成するものであり、より具体的には、図6に示すように、前記各撮像タイミングで撮像された、つまり画像記憶領域D1に記憶された各2次元画像データにおいて、ガラス基板Wの像が1画素ずつX方向にずれて現れることに基づき、前記ガラス基板Wの同じ検査位置を撮像した部分画像データを各2次元画像データからそれぞれ特定する特定部41と、前記各部分画像データに基づいて、当該検査位置におけるノイズ低減処理を施した検査用データを生成するデータ生成部42とを備えている。
また、このデータ生成部42は、前記グリッドパターン11によって前記部分画像データ上に現れるモアレ縞(図8に示す)から、前記検査位置における当該部分画像データの各部に生じている光学的歪量を算出する光学的歪算出部421と、各部分画像データに係る光学的歪量を積算して平均化し、前記検査用データを生成するノイズ低減部422とからなるものである。
さらに前記光学的歪算出部421を詳述すれば、この光学的歪算出部421は、前記モアレ縞の画像データから90°ずつ位相のずれた複数種類の正弦波を抽出生成する正弦波生成部421aと、前記各正弦波から各撮像素子22におけるモアレ縞の位相角度を算出する位相角度算出部421bと、前記撮像素子22間の位相角度の差から前記光学的歪量を算出する歪量算出部421cとを備えたものである。
次に、このように構成した本検査システム100について、撮像装置2を中心にその動作を図7等を参照しながら説明する。
ガラス基板Wが搬送されてくると、撮像装置2は、グリッドパターン11及びその上を通過するガラス基板Wの一定領域を撮像した2次元画像データを、ガラス基板Wの移動速度と同期した撮像タイミングで次々と取得し、画像記憶領域D1に転送して記憶させる。2次元画像データの記憶枚数は、撮像素子22上に現れるグリッドパターン像のX軸方向幅内の撮像素子22の個数である。ここではそれをM個とする。
次に、最初の2次元画像データにおいて、Y軸方向に沿った所定の1列の撮像素子22から得られる部分画像データ、つまり各撮像素子22の光量検出値に画像処理を施す。
具体的に説明すると、ここでの1列の撮像素子22は、図7(a)の黒枠で示すように、グリッドパターン像の最も端に位置する1列の撮像素子22のことである。以下区別が必要なときは、この撮像素子列を22(1)などと表記する。この1列の撮像素子22(1)において、横軸に撮像素子の番号、縦軸に各撮像素子からの光量検出値をとったグラフ(すなわち部分画像データ)を作成すると、前記グリッドパターン11による帯状の線となり、その帯幅が一定の周期で変動して、図8に示すようなモアレ縞が現れる。
次に、このモアレ縞から90°ずつ位相のずれた複数種類の正弦波を抽出生成する(図9参照)。そして、各正弦波から各撮像素子22の光量検出値に現れるモアレ縞の位相角度を算出する(図10参照)。そして、前記撮像素子22間の位相角度の差から前記光学的歪量を算出する。
ここで撮像素子22間の位相角度の差から光学的歪量を算出できる点につき、その原理を概念的に説明しておく(詳細は特許文献1を参照されたい)。
仮にガラス基板Wに欠陥が無く、そこで光学的歪みが生じないのであれば、モアレ縞は綺麗な正弦波となり、各撮像素子22の光量検出値の位相角度は該正弦波にしたがって一定に増えていく。実際には0°から359°まで位相角度が進んで、次に0°に戻るため、各撮像素子22での理想的な位相角度をグラフにすると図10のような三角波状のものとなる。そして、隣り合う撮像素子22間の差分を縦軸、横軸に撮像素子22の順番をとるとともに、359°から0°への変化を考慮に入れた演算を施すと、水平直線状のグラフとなる。
一方、ガラス基板Wの欠陥によって光学的歪が生じると、モアレ縞に乱れが生じ、その乱れが、最終的には、前記水平直線状のグラフに、図11に示すようなピークが現れる。このピーク量から光学的歪量を算出することができる。
ところで、実際には撮像素子22のホワイトノイズや、グリッドパターン11の明部と暗部と幅のばらつき、単位グリッド1aの幅(ピッチ幅)のばらつき、グリッドパターン11上の埃などによってノイズが生じる。このノイズは図11のグラフに示すように、細かい波となって現れる。しかして、ガラス基板Wの微小なうねりや表面凹凸などは、この波の高さよりも小さいピークとして現れることから、ノイズに埋もれてこれを検出できない場合がある。
そこで、この実施形態では、次の撮像タイミングで取得した2次元画像データにおいて、ガラス基板Wの像が最初の2次元画像データでの像からは1画素だけX方向にずれて現れる(図7(b)参照)ことから、光学的歪の算出に用いた最初の1列の撮像素子22(1)の隣の列の撮像素子22(2)が、ガラス基板Wの同じ部分を撮像した部分画像データであると特定し、当該隣の列の撮像素子22(2)から得られる部分画像データ、つまり各撮像素子22の光量検出値から、前述同様の手順を経て、光学的歪量を算出する。その次は、3枚目の2次元画像データにおける撮像素子22(3)からの光量検出値に基づいて光学的歪量を算出する。
しかして、グリッドパターン11はX方向に複数画素(例えばM画素)の幅を有していることから、M枚の連続して撮像した2次元画像データについて、同様の手順を施して光学的歪量を算出する。
そして、算出したM個の光学的歪量を積算し、これを平均化することで、ノイズを低減した最終的な光学的歪量に係るデータ、つまり検査用データを生成する。
しかして、ガラス基板Wの同じ部位から算出した各光学的歪量は、それぞれグリッドパターン11の違う部位で測定されたものであり、それらを積算することで、前述したグリッドパターン11の明部と暗部と幅のばらつき、単位グリッド1aの幅(ピッチ幅)のばらつき、グリッドパターン11上の埃などのノイズ原因を低減させて、ガラス基板Wの光学的歪だけを強調することができ、S/N比を向上させて、精度の良い測定が可能となる。
また、この実施形態によれば、各撮像素子22からの検出光量値を、撮像ごとに一旦は画像記憶領域D1に蓄え、その画像記憶領域D1に蓄積されたデータに演算処理を施すようにしているので、前記TDIのように、撮像毎のデータが自動的に積算されてしまうものに比べ、演算処理の自由度が高く、種々の処理を容易に行える。
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、前記実施形態では、1列の撮像素子22のみに着目して光学的歪を算出したが、図12に示すように、複数列(例えば2列)の撮像素子22について、並列処理することで、より広い範囲に亘って光学的歪を算出することもできる。この複数列は離散していても連続していても構わない。
また、グリッドパターン11における明暗の繰り返し方向が、図13に示すように、ガラス基板Wの相対的移動方向に合致するように、該グリッドパターン11を配置しても構わない。この場合、図13の黒枠に示すように、X方向に沿った1列の撮像素子22の一部又は全部を用いて、前述同様の手順で光学的歪を算出する。なお、グリッドパターン11のX方向の撮像素子22上での長さは、前記歪算出に用いる1列の撮像素子22の数よりも大きくする必要がある。
さらに、前記実施形態では、全ての撮像素子からの光量信号を2次元画像データとして、各撮像タイミング毎に画像記憶領域に転送し記憶させていたが、例えば、部分画像データのみを画像記憶領域に転送して記憶させてもよい。その場合は、対象物の同じ位置を撮像している部分画像データのみを(前記第1実施形態の例をとれば、一列の撮像素子22からのデータのみを一列ずつずらせて)記憶領域に転送し、それぞれについて画像処理を施して光学的歪を算出するようにしても構わない。このようなものであれば、前記画像記憶領域に転送するデータ量を削減できるので、撮像タイミングの間隔を狭めて、撮像の高速化を図ることができる。
また、前記実施形態では対象物が透明基板であったが、不透明で鏡面仕上げされた対象物でも、本発明を適用することはできる。この場合、図14に示すように、対象物の同じ側に撮像装置2とグリッド形成手段を配置し、グリッドパターン11からの光が、対象物の検査面で反射して撮像装置2に取り込まれるように構成すればよい。
加えて、本発明に係る撮像装置は検査用に限られるものではない。すなわち、各部分画像データから光学的歪量を算出せず、ノイズを低減した画像データ(ノイズ低減データ)を出力するようにしても構わない。
その他、本発明は前記実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
本発明によれば、各撮像素子からの検出光量値を、撮像ごとに一旦は画像記憶領域に蓄え、その画像記憶領域に蓄積されたデータに演算処理を施すようにしているので、TDIのように、撮像毎のデータが自動的に積算されてしまうものに比べ、演算処理の自由度が高く、種々の処理を容易に行える検査システムを安価で提供できる。


Claims (7)

  1. 直交する2つの仮想軸であるX軸及びY軸方向に沿って2次元に配列した複数の撮像素子(22)と、それら撮像素子(22)の全部又は一部からの光量信号を所定の撮像タイミングで受け付けて、それら光量信号が示す各検出光量値をメモリ上に設定した画像記憶領域(D1)に2次元画像データとして記憶させる撮像制御部(3)と、前記2次元画像データに処理を施して検査用データを生成する画像処理部(4)とを有する撮像装置(2)を備えており、対象物(W)を前記撮像装置(2)に対して前記X方向に相対的に移動させながら該撮像装置(2)で撮像するようにした検査システム(100)であって、
    前記撮像制御部(3)は、
    前記撮像タイミングを調整して、前記対象物(W)の撮像素子(22)上での投影像が前記X方向にm画素(mは1以上の整数)移動する時間である投影像単位移動時間と、前記撮像素子(22)からの光量信号を受信して前記画像記憶領域(D1)に当該対象物(W)に係る単一の2次元画像データとして記憶させる時間間隔である撮像時間間隔とを同期させるものであり、
    前記画像処理部(4)は、
    各撮像タイミングで撮像された各2次元画像データにおいて対象物(W)がm画素ずつX方向にずれて現れることに基づき、前記対象物(W)における同じ検査位置を撮像した部分画像データを各2次元画像データからそれぞれ特定する特定部(41)と、
    前記各部分画像データに基づいて、当該検査位置におけるノイズ低減処理を施した検査用データを生成するデータ生成部(42)とを備えているものであることを特徴とする検査システム(100)。
  2. 一定幅の明部及び暗部からなる単位グリッド(1a)を連続させたグリッドパターン(11)を形成するグリッドパターン形成手段(1)をさらに備えており、前記グリッドパターン(11)を前記撮像装置(2)の焦点位置に、前記対象物(W)を前記グリッドパターン(11)から撮像装置(2)に至る光路上にそれぞれ配置するとともに、前記グリッドパターン(11)の撮像素子(22)上での投影像において、n個(nは1以上の整数)の単位グリッド(1a)が、Xn±α(X=4p(pは1以上の整数)、α≪n)個の撮像素子(22)と対応するように構成したものであって、
    前記データ生成部(42)が、
    前記グリッドパターン(11)によって前記部分画像データ上に現れるモアレ縞から、前記検査位置における部分画像データの各部に生じている光学的歪量を算出する光学的歪算出部(421)と、
    各部分画像データに係る光学的歪量を積算して、前記検査用データを生成するノイズ低減部(422)とを具備したものである請求項1記載の検査システム(100)。
  3. 前記光学的歪算出部(421)が、
    前記モアレ縞の画像データから90°ずつ位相のずれた複数種類の正弦波を抽出して生成する正弦波生成部(421a)と、
    前記各正弦波から各撮像素子(22)でのモアレ縞の位相角度を算出する位相角度算出部(421b)と、
    前記撮像素子(22)間の位相角度の差から前記光学的歪量を算出する歪量算出部(421c)とを備えたものである請求項2記載の検査システム(100)。
  4. 直交する2つの仮想軸であるX軸及びY軸方向に沿って2次元に配列した複数の撮像素子(22)と、それら撮像素子(22)の全部又は一部からの光量信号を所定の撮像タイミングで受信して、それら光量信号が示す各光量値をメモリ上に設定した画像記憶領域(D1)に2次元画像データとして記憶させる撮像制御部(3)と、前記2次元画像データに画像処理を施してノイズ低減データを生成する画像処理部(4)とを備えており、対象物(W)を前記X方向に相対的に移動させながら所定時間間隔で撮像する撮像装置(2)であって、
    前記撮像制御部(3)は、
    前記撮像タイミングを調整して、前記対象物(W)の撮像素子(22)上での投影像が前記X方向にm画素(mは1以上の整数)移動する時間である投影像単位移動時間と、前記撮像素子22からの光量信号を受信して前記画像記憶領域(D1)に当該対象物(W)に係る単一の2次元画像データとして記憶させる時間間隔である撮像時間間隔とを同期させるものであり、
    前記画像処理部(4)は、
    各撮像タイミングで撮像された各2次元画像データにおいて対象物(W)がm画素ずつX方向にずれて現れることに基づき、前記対象物(W)の同じ位置を撮像した部分画像データを各2次元画像データからそれぞれ特定する特定部(41)と、
    前記各部分画像データに基づいて、当該位置におけるノイズ低減処理を施したノイズ低減データを生成するデータ生成部(42)とを備えているものであることを特徴とする撮像装置(2)。
  5. 一定幅の明部及び暗部からなる単位グリッド(1a)を連続させたグリッドパターン(11)を形成するグリッドパターン形成手段(1)とともに用いられ、前記グリッドパターン(11)を当該撮像装置(2)の焦点位置に、前記対象物(W)を前記グリッドパターン(11)から撮像装置(2)に至る光路上にそれぞれ配置するとともに、前記グリッドパターン(11)の撮像素子(22)上での投影像において、n個(nは1以上の整数)の単位グリッド(1a)が、Xn±α(X=4p(pは1以上の整数)、α≪n)個の撮像素子(22)と対応するように設定した撮像装置(2)であって、
    前記データ生成部(42)が、
    前記グリッドパターン(11)によって前記部分画像データ上に現れるモアレ縞から、前記位置における部分画像データの各部に生じている光学的歪量を算出する光学的歪算出部(421)と、
    各部分画像データに係る光学的歪量を積算して、前記ノイズ低減データを生成するノイズ低減部(422)とを具備したものである請求項4記載の撮像装置(2)。
  6. 直交する2つの仮想軸であるX軸及びY軸方向に沿って2次元に配列した複数の撮像素子(22)と、それら撮像素子(22)の全部又は一部からの光量信号を所定の撮像タイミングで受信し、それら光量信号が示す各光量値を、メモリ上に設定した画像記憶領域(D1)に2次元画像データとして記憶させる撮像制御部(3)とを有する撮像装置(2)に対して、対象物(W)を前記X方向に相対的に移動させながら該撮像装置(2)で撮像し検査する検査方法であって、
    前記撮像タイミングを調整して、前記対象物(W)の撮像素子(22)上での投影像が前記X方向にm画素(mは1以上の整数)移動する時間である投影像単位移動時間と、前記撮像素子(22)からの光量信号を受信して前記画像記憶領域(D1)に当該対象物(W)に係る単一の2次元画像データとして記憶させる時間間隔である撮像時間間隔とを同期させる同期ステップと、
    各撮像タイミングで撮像された複数の2次元画像データの各々について前記対象物(W)の同じ検査位置を撮像した部分画像データを、撮像時刻の違いから対象物(W)が各2次元画像データ上でm画素ずつX方向にずれて現れることに基づいて特定する特定ステップと、
    前記各部分画像データに基づいて、前記検査位置におけるノイズ低減処理を施した検査用データを生成するデータ生成ステップと有していることを特徴とする検査方法。
  7. 一定幅の明部及び暗部からなる単位グリッド(1a)を連続させたグリッドパターン(11)を前記撮像装置(2)の焦点位置に、前記対象物(W)を前記グリッドパターン(11)から撮像装置(2)に至る光路上にそれぞれ配置するとともに、前記グリッドパターン(11)の撮像素子(22)上での投影像において、n個(nは1以上の整数)の単位グリッド(1a)が、Xn±α(X=4p(pは1以上の整数)、α≪n)個の撮像素子(22)と対応するように構成しておき、
    前記データ生成ステップにおいて、
    前記グリッドパターン(11)によって前記部分画像データ上に現れるモアレ縞から、当該部分画像データの各部に生じている光学的歪量を算出する光学的歪算出ステップと、
    各部分画像データに係る光学的歪量を積算して、前記検査用データを生成するノイズ低減ステップとを行うようにした請求項6記載の検査方法。
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