JP4249457B2 - 移動ロボット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動輪・従動輪間にクローラベルトが巻き掛けられたクローラを構体の左右に備えた移動ロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】
移動ロボットには、移動手段として車輪の代わりに推進力の大きいクローラを用いて、障害物の乗り越え性能を向上させた移動ロボットがある。このクローラは、クローラベルトを一つの駆動輪と複数の従動輪に逆台形状に巻き掛けたもので、構体の左右に一つずつ設けられている。
【0003】
上記クローラ型移動ロボットにおけるクローラ底面(クローラベルト下面)と床面との接触は面接触であり、クローラベルトが広幅であることと相俟って、その接触面積は大きい。このため、たとえば、構体の左右のクローラの駆動軸の回転速度を異ならせて左右に旋回させたり、構体の左右のクローラの駆動軸を逆方向に回転させ、移動ロボットをその場で回転させたり(信地旋回、超信地旋回とも呼ぶ)する場合、クローラベルト下面と床面との接触・滑り状態に応じて、クローラベルト下面における接地箇所(滑りが生じていない強い接触点)は、接地面(接触面)内で移動し、一点に定まらない。よって、同じだけ駆動輪が回転しても、移動ロボットが左右に旋回する際に意図した旋回角度に旋回しなかったり、旋回中心がずれるという事態が生じていた。
【0004】
この不都合を回避する移動ロボットとして、左右の旋回動作時にクローラを傾斜させて、クローラベルト下面と床面との接触面積を小さくしたものがある(たとえば、特許文献1参照)。この構造の特徴は、一般の走行は、図12(a)に示すように、床面1に対してクローラ2を平行状態にして行い、左右の旋回動作は、図12(b)に示すように、クローラ2を床面1に対して傾斜させた状態で行う点である。
【0005】
特許文献1におけるクローラ2は、クローラベルト3を一つの駆動輪4と三つの従動輪5〜7に逆台形状に巻き掛けたもので、具体的に示せば、一般の走行時には、図12(a)に示したように、クローラベルト3における前側従動輪6・後側従動輪7間の部位が、床面1に接触している(面接触)。一方、左右の旋回動作時には、図12(b)に示したように、前側従動輪6が浮き上がっており、クローラベルト3における後側従動輪7に巻き掛けられた部位のみが床面1に接触している(ほぼ線接触)。
【0006】
よって、このクローラを用いた移動ロボットでは、左右の旋回動作時におけるクローラベルト下面と床面との接触がほぼ線接触であるため、クローラベルト下面における接地箇所の変動は、クローラの進行方向に関してはなくなっている。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−66855号公報(第2〜4頁、図1、図3)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
左右に旋回動作時に移動ロボットを意図した旋回位置に旋回できれば、自己位置をデッドレコニングにより正確に把握でき、自己位置の同定作業をあまり行わなくても、移動ロボットを目標位置に正確に到達させることができる。
【0009】
逆に、左右に旋回する際に意図した旋回位置に旋回できないと、意図した旋回角度に到達しない状態または意図した旋回角度を行き過ぎた状態で、次の移動動作が開始されることになり、これを繰り返すと移動ロボットの目標位置への到達誤差が拡大してしまう。
【0010】
この到達誤差の拡大を避け、移動ロボットの自律移動を確保するには、デッドレコニングによる自己位置把握に代えて、自己位置の同定作業を頻繁に行う必要がある。しかし、自己位置の同定作業を頻繁に行うことは、移動ロボット全体のパフォーマンスに大きな悪影響を与えることになる。以上の点から、移動ロボットにおいて、左右に旋回する際に意図した旋回位置に旋回できる旋回性能は、デッドレコニング性能を高め、移動ロボット全体のパフォーマンスを向上させる上できわめて重要である。
【0011】
従来の構成の場合、上記の通り、クローラベルト下面における接地箇所の変動がクローラの進行方向に関してはなくなっている。しかし、クローラベルトの幅方向に関して、クローラベルトは幅方向の全範囲で均一の面圧で床面に接触しているので、この方向に関しては、クローラベルト下面における接地箇所の変動は依然大きい。このため、移動ロボットを左右に旋回させる際に意図した旋回位置に旋回させる精度は低かった。
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、移動ロボットを意図した旋回位置に移動させることができるクローラベルトを実現することである。さらに、本発明が解決しようとする他の課題は、意図した旋回位置に移動できる移動ロボットを実現することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1に係る発明は、駆動輪・従動輪間にクローラベルトが巻き掛けられたクローラが、構体の左右に一つずつ、かつ前記駆動輪の回転中心軸と垂直な平面内で回転可能に設けられ、前記クローラベルトにおける前記駆動輪との接触状態にある部位の外周面が床面に接触したクローラ倒立状態にて前記駆動輪を回転させることにより信地旋回を行い、前記クローラを回転させることにより障害物の乗り越えを行うことが可能な移動ロボットであって、前記クローラベルトとして、外周面に、クローラベルトの巻き掛け方向に延びた一つのリングを形成するように、隆起状突起が設けられているクローラベルトを用いたことを特徴とするものである。
たとえば図1および図2を用いて示すと、クローラの駆動輪・従動輪間に巻き掛けられるクローラベルト10として、外周面には、クローラベルト10の巻き掛け方向に延びた一つのリングを形成するように、隆起状突起11が設けられているものを用いたことを特徴とするものである。
【0014】
このクローラベルト10を移動ロボットに装着した場合、クローラベルト10は、その外周面を床面に接触(ほぼ線接触)して、回転することになるが、その際、移動ロボットの自重により仮に隆起状突起11であるL1部分が弾性変形により潰れて他のL2,L3部分と面一状態で床面に接触した場合であっても、クローラベルト10の外周面は、隆起状突起11の位置(L1部分)において強い面圧を床面から受けることになる。
【0015】
この状態では、クローラベルト10は、隆起状突起11にて床面から大きな摩擦力を受け、隆起状突起11と床面との間では滑りが生じない。よって、隆起状突起11による線接触部分だけが床面との実質的な接地箇所になる。このため、事前にクローラベルト10上の接地箇所を狭い範囲に特定でき、意図した旋回位置に移動ロボットを移動させることが可能になる。言い換えれば、旋回後の自己位置を正確に予測でき、自己位置の同定作業をあまり行わなくても、移動ロボットを目標位置に正確に到達させることができる。
【0016】
請求項2に係る発明は、駆動輪・従動輪間にクローラベルトが巻き掛けられたクローラが、構体の左右に一つずつ、かつ前記駆動輪の回転中心軸と垂直な平面内で回転可能に設けられ、前記クローラベルトにおける前記駆動輪との接触状態にある部位の外周面が床面に接触したクローラ倒立状態にて前記駆動輪を回転させることにより信地旋回を行い、前記クローラを回転させることにより障害物の乗り越えを行うことが可能な移動ロボットであって、前記クローラベルトとして、外周面に、幅方向に向いた溝がクローラベルトの巻き掛け方向に等間隔に形成され、隣り合う前記溝の間に形成され床面に接触可能な突起には、さらに隆起状突起が設けられているクローラベルトを用いたことを特徴とするものである。
【0017】
このように構成すれば、不整地の床面にも吸着でき、移動ロボットの不整地での旋回も確実に行えるようになり、意図した旋回位置に移動ロボットを正確に移動させることができる。
【0018】
請求項3に係る発明は、駆動輪・従動輪間にクローラベルトが巻き掛けられたクローラが、構体の左右に一つずつ、かつ前記駆動輪の回転中心軸と垂直な平面内で回転可能に設けられ、前記クローラベルトにおける前記駆動輪との接触状態にある部位の外周面が床面に接触したクローラ倒立状態にて前記駆動輪を回転させることにより信地旋回を行い、前記クローラを回転させることにより障害物の乗り越えを行うことが可能な移動ロボットであって、前記クローラベルトは前記駆動輪に装着される前は平ベルト状の形状でありかつ弾性を有するクローラベルトであり、前記駆動輪はその外周面に周方向に環状突起が形成された駆動輪であり、弾性を有する上記クローラベルトを該駆動輪に装着すると、上記クローラベルトはその弾性により該駆動輪の外周面に沿った形状となり、上記クローラベルトの外周面には隆起状突起が形成されることを特徴とするものである。
【0019】
本発明では、クローラベルトの外周面は、隆起状突起の位置において強い面圧を床面から受けるので、隆起状突起にて床面から大きな摩擦力を受け、隆起状突起と床面との間では滑りが生じない。よって、隆起状突起による線接触部分だけが床面との実質的な接地箇所になるため、事前にクローラベルト上の接地箇所を狭い範囲に特定できる。このため、旋回後の自己位置を正確に予測でき、自己位置の同定作業をあまり行わなくても、目標位置に正確に到達できる。
【0020】
【実施の形態】
本発明に係る移動ロボットで使用するクローラベルトの実施の形態例(第1の実施の形態例)を図1および図2を用いて説明する。ここで、図1は、図2におけるA−A断面の拡大図である。このクローラベルト10は、クローラの駆動輪・従動輪間に巻き掛けられるものであって、外周面には、クローラベルト10の巻き掛け方向に延びた一つのリングを形成するように、隆起状突起11が設けられている。クローラベルト10は、たとえば、ゴム等の弾性を有する材料で構成される。隆起状突起11とその他の部分とは、同一材料で一体に構成しても、別体で構成してもよい。
【0021】
このクローラベルト10を移動ロボットに装着し、たとえば後述の図4に示すような状態で移動ロボットを旋回させる場合、クローラベルト10の外周面は床面に接触し、回転することになる。その際、隆起状突起11であるL1部分がまず弾性変形するが、移動ロボットの自重や隆起状突起11の高さHによっては、隆起状突起11であるL1部分が潰れて他のL2,L3部分と面一状態で床面に接触する場合がある。このような場合であっても、クローラベルト10の外周面は、隆起状突起11の位置(L1部分)において強い面圧を床面から受けることになる。
【0022】
摩擦力は、摩擦係数×垂直抗力であるから、この状態でのクローラベルト10は、隆起状突起11にて床面から大きな摩擦力を受けることになり、隆起状突起11と床面との間では滑りは生じないことになる。よって、隆起状突起11による線接触部分だけが床面との実質的な接地箇所になるので、事前にクローラベルト10上の接地箇所を狭い範囲に特定でき、意図した旋回位置に移動ロボットを移動させることが可能になる。言い換えれば、旋回後の自己位置を正確に予測でき、自己位置の同定作業をあまり行わなくても、移動ロボットを目標位置に正確に到達させることができる。
【0023】
なお、図1および図2では、隆起状突起11をクローラベルト10の幅方向の中央に設けたが(L2=L3)、クローラベルト10の幅方向に片寄らせて設けたり(L2>L3あるいはL2<L3)、クローラベルト10の幅方向の端部に設けてもよい(L2=0あるいはL3=0)。しかし、隆起状突起11をクローラベルト10の幅方向の中央に設けたものを用いた方が、クローラの左右での装着方向を異ならせる必要がなく、好ましい。
【0024】
また、クローラの駆動輪や従動輪の外周にスリップ防止用の歯車が切られている場合、これらに巻き掛けるクローラベルト10としては、駆動輪の外周面に形成された歯と噛み合う歯が内周面に形成されたものを用いる。さらに、クローラベルト10の外周面に、隆起状突起11よりも低い突起であって、床面に接触可能な突起を形成すれば、床面への吸着力を高めることができる(後述の図9参照)。
本発明に係る移動ロボットの全体構成に関する実施の形態例(第2の実施の形態例)を図3〜図8を用いて説明する。ここで、図3は前側の斜め上方から見た一部破断斜視図、図4は前側の斜め下方から見た斜視図、図5はカバーを除いた状態を後側の斜め上方から見た斜視図である。
【0025】
まず、図3〜図5において、駆動輪21・従動輪22間に後述のクローラベルト23を巻き掛けたクローラ25が、構体26の左右に、一つずつ設けられている。構体26上部はカバー27で覆われており、前部には、障害物検出センサとして、障害物を検知するスイッチ31が設けられている。
【0026】
さらに構体26には、構体26の前後左右方向の移動を許容しながら、クローラ25と協働して構体26を支える脚部28が設けられている。この脚部28として、本形態例では回転自在の球状体(鋼球)を用いているが、滑動部材でなる半球状の突起であってもよいし、キャスターであってもよい。本形態例のように脚部28が一つの場合、二つの駆動輪21と脚部28とを結ぶ三角形内に移動ロボットの重心が位置するように、脚部28を配置する必要がある。
【0027】
カバー27で覆われたクローラ25は、駆動輪21の回転中心軸と垂直な平面内で回転可能に設けられている。これは、クローラ25の回転により、障害物の乗り越えを可能にするためである。図3,図4,図5におけるクローラ25の構体26に対する姿勢は、それぞれ、異なる場合が図示されており、図3は、クローラ25がカバー27内に収納され、クローラベルト23における駆動輪21との接触状態にある部位の外周面が床面に接触したクローラ倒立状態(後述の図6(a)に近い状態)を示している。また、図4は、クローラ25がカバー27から突き出た状態(図6(b)と図6(c)との中間位置にある状態)を示し、図5は、クローラ25がカバー27に入る直前の状態(図6(e)の状態から180°回転した状態)を示している。
【0028】
次に、図7および図8を用いて、クローラ25の構造を詳細に説明する。図3〜図5には示していないが、クローラ25は、図7および図8に示すように、駆動輪21の回転中心軸を中心に駆動輪21の回転中心軸と垂直な平面内で無限回転可能な長尺の支持アーム33,34を有しており、従動輪22はこの支持アーム33,34にピン38でもって回転可能に取り付けられている。
【0029】
また、クローラベルト23の外周面には、第1の実施の形態例で示したクローラベルト10と同様、クローラベルト23の巻き掛け方向に延びた一つのリングを形成するように、隆起状突起23aが設けられている。さらに、クローラベルト23の内周面には、クローラ25の駆動輪21,従動輪22の各外周面に形成された平歯車状の歯21a,22aと噛み合うための歯23bが形成されている。
【0030】
中心部に貫通穴36aが穿設された歯車36は、駆動輪21と同軸的に配置され、この歯車36およびこれに外接した駆動歯車37を介して、回転用モータ41(図5参照)から、歯車36に連結された支持アーム33,34に回転駆動力が伝達される。図示しないが、本形態例では、構体26の左右のクローラ25は、左右対称に配置され、上記回転用モータ41により同期して駆動される。また、歯車36の貫通穴には、駆動輪21に連結される駆動軸42を回転可能に挿入されている。構体26の左右に位置する各駆動輪21は、それぞれ第1,第2駆動モータ43,44(図5参照)により独立に回転駆動される。
【0031】
本形態例に係る移動ロボットでは、クローラベルト23における駆動輪21との接触状態にある部位の外周面が床面に接触したクローラ倒立状態にて駆動輪21を回転させることにより、一般走行及び信地旋回を行い、一般走行時に乗り越えられない障害物の乗り越えは、クローラ25を回転させることにより行う。具体的には、構体26の左右のクローラ25を同方向に駆動することにより前進あるいは後退でき、左右のクローラ25を異なる速度(零を含む)で駆動したり、左右のクローラ25を逆方向に駆動することにより、左右に向きを変えることができる。
【0032】
本形態例では、一般走行及び信地旋回時にはクローラ25が倒立状態にあり、あたかも左右の車輪(駆動輪21)で動いているかのように振る舞う。この時のクローラベルト23は、床面との接触がほぼ線接触状態になるだけでなく、第1の実施の形態例の場合と全く同様に、隆起状突起23a部分が弾性変形した状態で接地する。なお、移動ロボットの自重や隆起状突起23aの高さによっては、隆起状突起23a部分が潰れて他の部分と面一状態で床面に接触する場合もある。しかし何れの場合であっても、クローラベルト23の外周面は、隆起状突起23aの位置において強い面圧を床面から受けることになる。
【0033】
よって、クローラベルト23は、隆起状突起23aにて床面から大きな摩擦力を受けることになり、隆起状突起23aと床面との間では滑りは生じないことになる。このため、隆起状突起23aによる線接触部分だけが床面との実質的な接地箇所になるので、事前にクローラベルト23上の接地箇所を狭い範囲に特定でき、駆動輪21を所定量回転させることで意図した旋回位置に移動ロボットを移動させることが可能になる。言い換えれば、旋回後の自己位置を正確に予測でき、自己位置の同定作業をあまり行わなくても、移動ロボットを目標位置に正確に到達させることができる。なお、急坂等で登坂力が必要な場合には、クローラ25を横臥させて(図5および図6(e)に示す状態)、広範囲の部分を床面に接触させることも可能である。
【0034】
また、本形態例では、前進時に、構体26下面よりも高い障害物に構体26(スイッチ31)が接触し、前進を妨げられた場合には、駆動輪21を中心にクローラ25(支持アーム33,34)を垂直面内で回転させることにより、構体26を上方および前方に移動でき、障害物を乗り越えることができる。この乗り越え動作を概念的に示したのが図6である。
【0035】
図6(a)は障害物(段差)50に構体26(スイッチ31)が接触し、前進が阻まれた状態を示している。移動ロボットはこの状態をスイッチ31の出力信号から検知すると、図6(b)に示すように、支持アーム33,34を駆動輪21を中心に垂直面内で反時計方向に回転させる。
【0036】
従動輪22周辺のクローラベルト23が床面に接触し、この状態で支持アーム33,34がさらに回転することにより、図6(c)に示すように、構体26は、その前部が浮き上がり、構体26は障害物50との接触状態が解消される。そして、前方への移動を開始し、図6(d)に示す状態に移行する。
【0037】
この状態から支持アーム33,34がさらに回転するとともに、必要に応じて駆動輪21を前進方向に回転することにより、図6(e)に示す状態を経て、図6(f)に示す状態に移り、障害物50の乗り越えを完了する。
【0038】
この形態例では、支持アーム33,34が無限回転でき、クローラ25も無限回転できるため、多様な障害物乗り越えシーケンスを設定することが可能になり、より一層効率のよい障害物乗り越えを行うことができる。たとえば、クローラ25全体を大径の車輪として連続回転させることで、連続した高い障害物を次々と乗り越えることができる。
【0039】
また、図7に示したように、駆動輪21と同軸的に配置された歯車36を介して、支持アーム33,34への回転駆動力の伝達を行うように構成するとともに、歯車36の中心部に穿設した貫通穴36aに、駆動輪21に連結される駆動軸42を回転可能に挿入したので、機構の小型化を図れる。さらに、回転用モータ41をクローラ25側ではなく、構体26内に配置できるため、クローラ25回転時に回転用モータ41の配線が絡まることを防止できる。
【0040】
なお、クローラベルト23としては、たとえば図9に示すように、その外周面に、幅方向を向いた溝を巻き掛け方向に等間隔に形成し、隆起状突起23aよりも低い突起であって、床面に接触可能な突起23cを形成したクローラベルト23を用いることができる。このように構成すれば、図10に示すように、不整地の床面51にも吸着でき、移動ロボットの不整地での旋回も確実に行えるようになり、意図した旋回位置に移動ロボットを正確に移動させることができる。
【0041】
上記第2の実施の形態例では、クローラベルト23として、その外周面に、クローラベルト23の巻き掛け方向に延びた一つのリングを形成するように、隆起状突起23aが設けられたものを用いた。このクローラベルト23は、駆動輪21に装着された状態においても、その外周面には、隆起状突起23aが突き出ている。
【0042】
本発明の効果は、駆動輪21に装着された状態において、クローラベルト23の外周面から隆起状突起23aが突き出ている構成を有していれば得られる。そこで、第3の実施の形態例では、クローラベルト23としては、駆動輪21に装着前は単純な平ベルト状の形状をしているものを用い、駆動輪21としては、外周面に周方向に環状突起21cが形成されたものを用いている。このクローラベルト23を駆動輪21に装着すると、クローラベルト23はその弾性により駆動輪21の外周面に沿った形状となり、図11に示すように、クローラベルト23の外周面には隆起状突起23aが生じることになる。
【0043】
本発明は上記形態例の構成に限られるものではない。たとえば、従動輪の数や支持脚の数については、上記形態例のものに限定されない。また、左右の駆動輪を同軸的に配置し、同期して回転駆動する場合を示したが、独立に駆動するようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、クローラベルトの外周面は、隆起状突起にて床面から大きな摩擦力を受け、隆起状突起による線接触部分だけが床面との実質的な接地箇所になる。このため、事前にクローラベルト上の接地箇所を狭い範囲に特定でき、意図した旋回位置に移動ロボットを移動させることが可能になる。言い換えれば、旋回後の自己位置を正確に予測でき、自己位置の同定作業をあまり行わなくても、移動ロボットを目標位置に正確に到達させることができる。
【0045】
請求項2に係る発明によれば、不整地の床面にも吸着でき、移動ロボットの不整地での旋回も確実に行えるようになり、意図した旋回位置に移動ロボットを正確に移動させることができる。
【0046】
請求項3に係る発明によれば、隆起状突起による線接触部分だけが床面との実質的な接地箇所になるため、事前にクローラベルト上の接地箇所を狭い範囲に特定でき、旋回後の自己位置を正確に予測できるので、自己位置の同定作業をあまり行わなくても、目標位置に正確に到達できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態例(クローラベルト)を示す断面図(図2のA−A切断線)である。
【図2】 第1の実施の形態例を示す斜視図である。
【図3】 第2の実施の形態例を前側の斜め上方から見た一部破断斜視図である。
【図4】 第2の実施の形態例を前側の斜め下方から見た斜視図である。
【図5】 カバーを除いた状態の第2の実施の形態例を後側の斜め上方から見た斜視図である。
【図6】 障害物の乗り越え動作を示す図である。
【図7】 支持アーム周辺の構造を示す断面図である。
【図8】 クローラの構造を示す一部分解斜視図である。
【図9】 クローラベルトの他の形状を示す図である。
【図10】 図9に示したクローラベルトの走行を説明する図である。
【図11】 第3の実施の形態例の主要部を示す図である。
【図12】 従来のクローラ型移動ロボットの作動を示す図である。
【符号の説明】
10 クローラベルト
11 隆起状突起
21 駆動輪
21a,22a 歯
21c 環状突起
22 従動輪
23 クローラベルト
23a 隆起状突起
23b 歯
23c 突起
25 クローラ
26 構体
27 カバー
28 脚部
33,34 支持アーム
Claims (3)
- 駆動輪・従動輪間にクローラベルトが巻き掛けられたクローラが、構体の左右に一つずつ、かつ前記駆動輪の回転中心軸と垂直な平面内で回転可能に設けられ、
前記クローラベルトにおける前記駆動輪との接触状態にある部位の外周面が床面に接触したクローラ倒立状態にて前記駆動輪を回転させることにより信地旋回を行い、前記クローラを回転させることにより障害物の乗り越えを行うことが可能な移動ロボットであって、
前記クローラベルトとして、外周面に、クローラベルトの巻き掛け方向に延びた一つのリングを形成するように、隆起状突起が設けられているクローラベルトを用いたことを特徴とする移動ロボット。 - 駆動輪・従動輪間にクローラベルトが巻き掛けられたクローラが、構体の左右に一つずつ、かつ前記駆動輪の回転中心軸と垂直な平面内で回転可能に設けられ、
前記クローラベルトにおける前記駆動輪との接触状態にある部位の外周面が床面に接触したクローラ倒立状態にて前記駆動輪を回転させることにより信地旋回を行い、前記クローラを回転させることにより障害物の乗り越えを行うことが可能な移動ロボットであって、
前記クローラベルトとして、外周面に、幅方向に向いた溝がクローラベルトの巻き掛け方向に等間隔に形成され、隣り合う前記溝の間に形成され床面に接触可能な突起には、さらに隆起状突起が設けられているクローラベルトを用いたことを特徴とする移動ロボット。 - 駆動輪・従動輪間にクローラベルトが巻き掛けられたクローラが、構体の左右に一つずつ、かつ前記駆動輪の回転中心軸と垂直な平面内で回転可能に設けられ、
前記クローラベルトにおける前記駆動輪との接触状態にある部位の外周面が床面に接触したクローラ倒立状態にて前記駆動輪を回転させることにより信地旋回を行い、前記クローラを回転させることにより障害物の乗り越えを行うことが可能な移動ロボットであって、
前記クローラベルトは前記駆動輪に装着される前は平ベルト状の形状でありかつ弾性を有するクローラベルトであり、
前記駆動輪はその外周面に周方向に環状突起が形成された駆動輪であり、
弾性を有する上記クローラベルトを該駆動輪に装着すると、上記クローラベルトはその弾性により該駆動輪の外周面に沿った形状となり、上記クローラベルトの外周面には隆起状突起が形成されることを特徴とする移動ロボット。
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JP2004136704A (ja) | 2004-05-13 |
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