JP4248054B2 - Pcvバルブの取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はPCVバルブの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンジン、特に自動車用エンジンでは、燃焼室からクランクケ−ス内に洩れ出たガスつまりブローバイガスを、セパレータによってオイルミストと分離させた後、エンジン吸気系に還流させて再燃焼させることが行われている。そして、セパレータとエンジン吸気系とを接続するブローバイガス還流通路には、ブローバイガスの還流をコントロールするためのPCVバルブ(Positive Crankcase Ventiration バルブ)が設けられており、通常PCVバルブはセパレータに取付、固定されることが多い。従来、PCVバルブをセパレータに取付けるには、ゴム製のグロメットをセパレータに形成された取付孔にきつく嵌合した状態で、グロメットに形成された取付孔にPCVバルブをきつく嵌合させることによって行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上来の取付手法では、ゴムの弾性力を利用した保持作用だけなので、取付の信頼性が必ずしも十分でないものとなる。また、グロメットは、PCVバルブの取付、保持の機能と、シール機能とを兼用しているため、シール性も必ずしも十分満足のいかないものであった。
【0004】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、セパレータに対するPCVバルブのしっかりとした取付と十分なシール性確保とを共に満足できるようにしたPCVバルブの取付構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
エンジンのオイルミストとブローバイガスとを分離するセパレータにブローバイガスを排出するブローバイガス排出孔が形成され、該ブローバイガス排出孔に合成樹脂製PCVバルブが取付けられ、該PCVバルブとエンジンの吸気系とがブローバイガス還流通路を介して接続されているPCVバルブの取付構造において、
前記セパレータに取付筒部が外部に突出するように設けられて、該取付筒部内と前記ブローバイガス排出孔内とにより連通路が形成され、
前記連通路の内面に段差面が、該連通路の内径を前記ブローバイガス排出孔内方側に向うに従って段階的に小さくすることにより形成され、
前記PCVバルブの外面に段差面が、前記連通路の内径に対応して該PCVバルブの外径を前記ブローバイガス排出孔内方側に向うに従って段階的に小さくすることにより形成され、
前記連通路内面の段差面に前記PCVバルブ外面の段差面が、該連通路内に該PCVバルブを嵌合することにより着座され、
前記PCVバルブと前記取付筒部とに、該取付筒部から外方への該PCVバルブの抜け止めを行う係脱自在な係合手段が、前記PCVバルブ外面の段差面の着座位置よりも前記ブローバイガス排出孔外方側においてそれぞれ一体成形され、
前記両係合手段が、外部から視認できる状態で互いに係合され、
前記連通路内面と前記PCVバルブ外面との間に、該連通路内面と該PCVバルブ外面との間をシールするシールリングが、前記着座位置よりも前記ブローバイガス排出孔内方側において介在されている、
ようにしてある。上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。
【0006】
【発明の効果】
請求項1によれば、PCVバルブをセパレータの取付筒部に嵌合させて、係合手段を利用してPCVバルブの取付筒部からの抜け止めを行うので、PCVバルブをしっかりとセパレータに取付けることができ、特に振動等を受けても長期に渡ってしっかりとした取付を維持することができる。また、シールリングによってPCVバルブのセパレータに対する取付部位がシールされるが、シールリングは専らシール作用のみを行えばよいので、シール性も十分確保されることになる。さらに、点検等のときに係合手段の係合解除を行ってPCVバルブをセパレータから容易に取外すことができ、整備性の点からも好ましいものとなる。以上に加えて、係合手段を取付筒部、PCVバルブに一体成形してあるので、部品点数削減の上で好ましいものとなる。
【0007】
請求項2によれば、係合手段を簡単な構成とすることができる。
請求項3によれば、PCVバルブを、所定方向に回転させた後取付筒部から引き抜くだけで容易に取付筒部から取外すことができる。
請求項4によれば、請求項3と同様の効果を得ることができる。また、PCVバルブに形成された脚部の大きな弾性変形を利用して、確実な係合状態を維持しつつ、係合解除を容易にする上で好ましいものとなる。
【0008】
請求項5によれば、各膨出部同士が嵌合されるようにPCVバルブを取付筒部に差し込むことにより、自動的に係合状態を得ることができる。また、PCVバルブに形成された膨出部の十分な弾性変形を利用して、確実な係合状態を維持しつつ、係合解除を容易にする上で好ましいものとなる。また、取付筒部に形成された係止孔を外部から目視することにより、係合状態であるか否かを容易に確認することができる。
【0009】
請求項6によれば、係合状態にあるPCVバルブを取付筒部から取外すには、互いに異なる方向の2つの動きが必要になるようにして、係合状態を確実に維持する上で極めて好ましいものとなる。
請求項7によれば、請求項6に対応した効果を得るためのより具体的な構成が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1において、エンジン1のうちクランクケ−ス2の側面には、当該クランクケ−ス2内で発生されたオイルミストとブローバイガスとを分離するセパレータ3が取付けられている。このセパレータ3は、合成樹脂により形成されて、その上部には取付筒部4が形成されている。この取付筒部4内に、シールリング(例えばOリング)5を介して、PCVバルブ6の一部が嵌合され、取付筒部5からのPCVバルブ6の抜け止めが、後述するように取付筒部4に一体成形された第1係合手段とPCVバルブ6に一体成形された第2係合手段とを互いに係合させることによって行われている。ブローバイガスが、PCVバルブ6を経てエンジン吸気系へと還流され、このため、PCVバルブ6とエンジン吸気系とがゴムホース等(図示略)によって接続される。
【0011】
図2〜図4に、取付筒部4に対するPCVバルブ6の取付態様の詳細が示される。まず、PCVバルブ6(のケーシング)は、その上方から下方へ順次、小径の流出筒部(第2筒部)6a、大径部6bと、中径部6c、流入筒部(第1筒部)6dとを有する。取付筒部4内の連通路、つまり取付筒部4を経てセパレータ3内部とを連通する連通路10のうち、外部への開口端部10dの内径は、上記大径部6bががたつきなく嵌合される大きさとされている。連通路10のうち、開口端部10dの下方側部分は、上方から下方へ順次、段階的に内径が小さくされた3つの部分10a、10b、10cにより構成されている。
【0012】
PCVバルブ6の大径部6bを取付筒部4(の内径部分10d)に嵌合させた状態で、中径部6cが10aにがたつきなく嵌合され、流入筒部6dが10cに緩く嵌合され、さらにシールリング5が10bに嵌合される。つまり、シールリング5は、10bと10cとの段差部によってセパレータ3内へ向けての抜け落ちが規制された状態で、流入筒部6d外周部分でのシール作用を行っている。
【0013】
取付筒部4の外周面には、周方向に間隔をあけて複数(実施形態では3つ)の係止爪部21が形成されている。係止爪部21は、その突出端面(取付筒部4の径方向外方側となる面)において、上方へ向うにつれて徐々に低くなる第1傾斜面21aが形成されている。また、係止爪部21のうち、取付筒部4の周方向一方側の面には、徐々に突出高さが低くなる第2傾斜面(側方傾斜面)21bが形成されている。
【0014】
PCVバルブ6には、大径部6bの上縁部において、キャップ部22が一体成形されている。キャップ部22は、大径部6bと面一とされた外周形状が円形の天板部(大径部6bのフランジ部)22aと、天板部22aのが外周縁部から円筒状に下方へ伸びる周壁部22bとを有し、周壁部22bの内径は取付筒部4の外周に対してがたつきなく嵌合できる大きさとされている。周壁部22bには、前記係止爪部21に対応して、周方向に間隔をあけて複数(実施形態では3つ)の係止孔(係止段部)23が形成されている。各係止孔23の内周面は、キャップ部22の径方向と平行になるように形成されて、PCVバルブ6を径方向2つ割りの金型によって形成できるようにされている(図4上下方向に2つ割り)。このようなキャップ部22を有するPCVバルブ6(のケーシング)は、キャップ部22を含めて合成樹脂による一体成形品とされている。
【0015】
PCVバルブ6の取付筒部4に対する取付は、次のような手順で行われる。まず、PCVバルブ6の流入筒部6d外周にシールリング5を嵌合、保持させた状態で、当該流入筒部6d側からPCVバルブ6を取付筒部4内に嵌合つまり挿入していく。このとき、PCVバルブ6の取付筒部4に対する相対回転位置は、係止爪部21の周方向位置と係止孔23の周方向位置とが一致するようにされる。
【0016】
キャップ部22の周壁部22b(の下方への開口端面)が、取付筒部4の係止爪部21に当接すると、嵌合方向への抵抗が増大されるが、第1傾斜面21aのガイド作用(カム作用)によって、係止爪部21に当接する付近が部分的に拡径方向へ強制的に弾性変形されつつ、嵌合が進行される。嵌合の進行により、やがて、係止爪部21が係止孔23に進入つまり係合されて、図3、図4の取付完了状態となる(係止爪部21と係止孔23との係合によるキャップ部22つまりPCVバルブ6の取付筒部4からの抜け止め)。係止爪部21と係止孔23とがきちんと係合しているか否かの確認が、外部から係止孔23を目視することにより容易に確認される。
【0017】
前述のように、PCVバルブ6の取付に際しては、PCVバルブ6を取付筒部4に対してその軸線方向から押圧していくだけでよいので、取付が極めて簡単となる。なお、キャップ部22(特に天板部22a)によって、取付筒部4の外部開口端が完全に施蓋されて、この部分からの取付筒部4内への異物侵入を防止する上で好ましいものとなる。
【0018】
図3、図4の取付完了状態から、PCVバルブ6を取付筒部4から取外すには、次のような手順で行われる。まず、PCVバルブ6を、図4反時計方向に回転させる。これにより、係止爪部21の第2傾斜面21bのガイド作用(カム作用)によって、キャップ部22の周壁部22bのうち係止孔23付近が拡径方向へ強制的に弾性変形されつつ、係止孔23と係止爪部21との係合が解除される。この後は、PCVバルブ6を取付筒部4から引き抜けばよい。このように、PCVバルブ6の取外しは、キャップ部材7の周方向所定方向の回転と、その後の引き抜きという2モーションの簡単な操作によって行なうことができる。
【0019】
側方傾斜面としての第2傾斜面21bは、係止爪部21に形成する代わりに、あるいはこれに加えて、係止孔23の周方向一方側の内周面に形成するようにすることができる。また、係止爪部21が係合される係止段部としては、係止孔23のように孔の形式でなく、奥壁(底壁)を有する凹部として形成することもできる。なお、係止爪部21をPCVバルブ6に形成すると共に、係止段部を取付筒部4に形成するようにしてもよい。
【0020】
図5、図6は、本発明の第2の実施形態を示すもので、前記実施形態と同一要素には同一符合を付してある(このことは、以下のさらに別の実施形態についても同じ)。本実施形態では、係止段部としての係止凹部25を、取付筒部4の外側面に形成してある。係止凹部25の底面25aは、取付筒部4の直径方向と平行に伸びるようにされて、その一端は取付筒部外周面と面一となるように、取付筒部4の周方向一方側へ向けて傾斜された傾斜面とされている(係止凹部25が、上記周方向一方側へ向けて徐々に浅くされている)。
【0021】
一方、PCVバルブ6には、大径部4bから下方へ伸びる脚部26が一体成形されて、この脚部26の先端部(下端部)に係止爪部27が一体成形されている。なお、実施形態では、係止凹部25と係止爪部27(脚部26)とは1組のみ設けた場合を示してあるが、係止凹部25と係止爪部27(脚部26)とを周方向に間隔を開けて複数組設けることもできる。
【0022】
本実施形態においても、PCVバルブ6の取付筒部4への取付け、取外しの作業は、前記実施形態の場合と同じような要領でもって行われる。すなわち、取付けに際しては、係止爪部27と係止凹部25との周方向位置が一致するようにして、PCVバルブ6を取付筒部4に嵌合させることにより行われる。また、取外しの際は、PCVバルブ6を図6反時計方向に回転させて、係止凹部25の底面25aによるカム作用によって係止爪部27を係止凹部25から係合解除させた後、PCVバルブ6を取付筒部4から引き抜くことにより行われる(2モーションによる取外し)。
【0023】
図7、図8は、本発明の第3の実施形態を示すものである。本実施形態では、取付筒部4のうち、周方向の一部をその全長に渡って径方向外方側へ膨出させた膨出部31が形成されている。そして、この膨出部31の突出側の面(取付筒部4の径方向もっとも遠い側の面で、取付筒部4の周方向に沿う面)に、係止段部としての係止孔32が形成されている。膨出部31は、取付筒部4の軸線と平行に伸びており、この膨出部31を形成することに伴って、取付筒部4の内径部分には、嵌合溝部33が形成されることになる。
【0024】
一方、PCVバルブ6のうち、大径部6bの側面には、当該大径部6bのほぼ全長に渡って突出部34が形成されている。そして、突出部34の突出側の面には、係止爪部35が一体成形されている。突出部34の断面外周形状は、前記嵌合溝部33の断面形状に対応していて、当該嵌合溝部33にほぼがたつきなく嵌合可能とされている。なお、突出部34の背後(大径部6bとの間)には、隙間つまり空間36が形成されて、突出部34のうち少なくとも係止爪部35部分は、大径部6bの径方向に十分弾性変形できるようにされている。
【0025】
本実施形態においては、PCVバルブ6の取付筒部4への取付けに際しては、係止爪部35と係止孔32との周方向位置が一致するようにして、PCVバルブ6を取付筒部4に嵌合させることにより行われる。すなわち、膨出部31(嵌合溝部33)に突出部34を嵌合させつつ、PCVバルブ56の取付筒部4への嵌合が行われる。そして、嵌合が進行して、係止爪部35が係止孔32に係合した状態で、取付完了状態となる(図8参照)。
【0026】
PCVバルブ6の取外しの際は、取付筒部4の外部から、先細の工具等によって係止孔32を通して係止爪部35を押圧することにより、係止爪部35と係止孔32との係合を解除した状態で、PCVバルブ6を取付筒部4から引き抜くことにより行われる。突出部34は、PCVバルブ6の径方向に十分な弾性変形が可能とされているので、上記押圧による係止爪部35の係止孔32からの係合解除が、PCVバルブ6を損傷させることなく行われる。
【0027】
図9、図10は、本発明の第4の実施形態を示すものである。本実施形態では、PCVバルブ6の取付筒部4からの抜け防止を、PCVバルブ6を取付筒部4に対して所定相対回転位置から所定方向へ所定角度相対回転させることにより得るようにし(第1係合手段)、この所定角度相対回転された状態から上記所定相対回転位置へ向けて戻り回転しまうのを係止爪部を利用して防止するようにしてある(第2係合手段)。
【0028】
より具体的には、取付筒部4の頂面つまり開口端面には、複数(実施形態では2つ)の逃げ部41が形成されると共に、各逃げ部41から所定方向(図10反時計方向へ所定角度だけずらした位置において係止壁部42が形成されている。逃げ部41は取付筒部4の頂面側へ開口(露出)された形式となるが、係止壁部42は、取付筒部4の外周縁部からその径方向内方側へ向けて伸びるヒサシの形式として構成されている。つまり、係止壁部42の下方空間43は、取付筒部4の周方向において逃げ部41と連通する状態とされている。取付筒部4の頂面には、さらに、係止段部44が形成されている。
【0029】
一方、PCVバルブ6には、その大径部4bの上端縁部付近において、径方向外方側へ突出された複数(実施形態では2つ)の突起部45が形成されている。この突起部45は、前記逃げ部41に対応しているもので、PCVバルブ6を取付筒部4に対して所定相対回転位置とすることにより、突起部45が逃げ部41に整合される。そして、突起部45の突出量(PCVバルブ6の径方向長さ)および厚さは、上記所定相対回転位置からPCVバルブ6を取付筒部4に対して図10反時計方向(係止壁部42へ向う方向)へ相対回転させたときに、係止壁部42との干渉を避けつつ、当該係止壁部42の下方へ位置されることが可能なように設定されている。
【0030】
PCVバルブ6には、さらに、大径部6bのほぼ上端縁部付近から、当該大径部6bとほぼ同心状に細長く伸びる脚部46が一体成形され、この脚部46の先端部下面に、係止爪部47が一体成形されている。係止爪部47は、係止段部44に対応するもので、突起部45を逃げ部41に整合させた図10の状態では、係止段部44に対して係合解除され、突起部45が係止壁部42の下方に位置されたときに係止段部44と係合されるようにされている。
【0031】
PCVバルブ6の取付けに際しては、PCVバルブ6を、突起部45が逃げ部41と整合するように取付筒部4に対して所定相対回転位置として、突起部45の下面を取付筒部4の頂面に着座させる。この状態から、PCVバルブ6を取付筒部4に対して図10反時計方向に回転させて、係止爪部47が係止段部44と係合される状態とする。この係止爪部47が係止段部44と係合された状態のときには、突起部45が係止壁部42の下方に位置されて、PCVバルブ6の取付筒部4からの抜けが規制される。なお、係止爪部47が係止段部44と丁度係合された状態で、突起部45が、取付筒部4の頂面に形成されたストッパ壁部48に当接されて、PCVバルブ6がこれ以上図10反時計方向へ回転することが規制される。
【0032】
PCVバルブ6の取外しの際は、手指あるいは工具等を利用して、係止爪部47を係止段部44から係合解除させた状態で、PCVバルブ6を取付筒部4に対して図10時計方向へ回転させて、突起部45が係止壁部42とずれた位置つまり逃げ部41に整合された前記所定相対回転位置へ復帰させ、この状態からPCVバルブ6を取付筒部4から引き抜けばよい。
【0033】
本実施形態では、PCVバルブ6の取付筒部4からの抜け防止は、もっぱら係止壁部42によって突起部45を押さえておくことにより行われ、係止爪部47(係止段部44)は抜け方向の外力に対抗する必要のないものとなる(係止爪部47、係止段部44は、もっぱら、所定相対回転位置へ向けてのPCVバルブ6の回転防止の機能を果たすだけでよい)。なお、係止爪部47(係止段部44)は、取付筒部4の頂面側ではなくて側面側に位置するように設定することもでき、また係止爪部47と係止段部44とは取付筒部4の周方向に間隔をあけて複数組設けることもできる。
【0034】
以上実施形態について説明したが、PCVバルブ6の内部構造(弁構造)は、従来既知の適宜のものを採択することができ、また、PCVバルブ6の外部形状(ケーシング形状)は、取付筒部4に嵌合できる形状であれば、実施形態に示すようなものに限定されないものである。本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す全体分解斜視図。
【図2】第1の実施形態における要部分解斜視図。
【図3】第1の実施形態におけるPCVバルブの取付完了状態を示す要部側面断面図。
【図4】取付筒部の係止爪部とPCVバルブの係止孔との係合関係を示すもので、図3のX4ーX4線相当での要部断面図。
【図5】本発明の第2の実施形態を示す要部分解斜視図。
【図6】本発明の第2の実施形態を示すもので、図4に対応した要部断面図。
【図7】本発明の第3の実施形態を示す要部分解斜視図。
【図8】本発明の第3の実施形態を示すもので、図3に対応した要部側面断面図。
【図9】本発明の第4の実施形態を示す要部分解斜視図。
【図10】本発明の第4の実施形態を示すもので、突起部と逃げ部とが整合された所定相対回転位置での要部上面図。
【符号の説明】
1:エンジン
3:セパレータ
4:取付筒部
5:シールリング
6:PCVバルブ
6a:流出筒部
6b:大径部
6c:中径部
6d:流入筒部
21:係止爪部
21a:第1傾斜面
21b:第2傾斜面(側方傾斜面)
22:キャップ部
23:係止孔
25:係止凹部
26:脚部
27:係止爪部
31:膨出部
32:係止孔
33:嵌合溝部
34:突出部
35:係止爪部
36:空間
41:逃げ部
42:係止壁部
43:下方空間
44:係止段部
45:突起部
46:脚部
47:係止爪部
Claims (7)
- エンジンのオイルミストとブローバイガスとを分離するセパレータにブローバイガスを排出するブローバイガス排出孔が形成され、該ブローバイガス排出孔に合成樹脂製PCVバルブが取付けられ、該PCVバルブとエンジンの吸気系とがブローバイガス還流通路を介して接続されているPCVバルブの取付構造において、
前記セパレータに取付筒部が外部に突出するように設けられて、該取付筒部内と前記ブローバイガス排出孔内とにより連通路が形成され、
前記連通路の内面に段差面が、該連通路の内径を前記ブローバイガス排出孔内方側に向うに従って段階的に小さくすることにより形成され、
前記PCVバルブの外面に段差面が、前記連通路の内径に対応して該PCVバルブの外径を前記ブローバイガス排出孔内方側に向うに従って段階的に小さくすることにより形成され、
前記連通路内面の段差面に前記PCVバルブ外面の段差面が、該連通路内に該PCVバルブを嵌合することにより着座され、
前記PCVバルブと前記取付筒部とに、該取付筒部から外方への該PCVバルブの抜け止めを行う係脱自在な係合手段が、前記PCVバルブ外面の段差面の着座位置よりも前記ブローバイガス排出孔外方側においてそれぞれ一体成形され、
前記両係合手段が、外部から視認できる状態で互いに係合され、
前記連通路内面と前記PCVバルブ外面との間に、該連通路内面と該PCVバルブ外面との間をシールするシールリングが、前記着座位置よりも前記ブローバイガス排出孔内方側において介在されている、
ことを特徴とするPCVバルブの取付構造。 - 請求項1において、
前記係合手段が、前記PCVバルブと取付筒部とのいずれか一方に形成された係止爪部と、他方に形成されて該係止爪部が係脱される係止段部とから構成され、
前記PCVバルブを前記取付筒部に対して所定相対回転位置でもって嵌合させることにより、前記係止爪部が前記係合段部に対して係合されるように設定されている、
ことを特徴とするPCVバルブの取付構造。 - 請求項2において、
前記PCVバルブに、前記取付筒部の外周に嵌合されるキャップ部が形成され、
前記キャップ部と前記取付筒部とのいずれか一方に前記係止段部が形成されると共に、他方に前記係止爪部が形成され、
前記係止爪部の側面に側方傾斜面が形成されて、前記PCVバルブを前記取付筒部に対して該側方傾斜面側から前記係止段部に乗り上げる方向に回転させることによって、該係止爪部と前記係止段部との係合が解除される、
ことを特徴とするPCVバルブの取付構造。 - 請求項2において、
前記PCVバルブに前記取付筒部に対する嵌合方向に伸びる脚部に形成されて、該脚部に前記係止爪部が形成され、
前記係止段部が、前記取付筒部の外周面に形成された係止凹部として形成され、
前記係止凹部の底面が、前記取付筒部の周方向のうち所定の一方向に向けて徐々に該係止凹部の深さが浅くなるような傾斜面として形成され、
前記PCVバルブを前記取付筒部に対して前記所定の一方向へ回転させることによって、前記係止爪部の前記係止凹部に対する係合が解除される、
ことを特徴とするPCVバルブの取付構造。 - 請求項2において、
前記取付筒部の側壁の一部に、径方向外方側へ向けて膨出された膨出部が形成され、
前記膨出部に、前記係止段部としての係止孔が形成され、
前記PCVバルブに、前記膨出部にほぼがたつきなく嵌合される突出部が形成され、
前記突出部の外周面に、前記係止爪部が形成され、
前記係止孔に前記係止爪部が係合されている状態において、前記取付筒部の外方側から前記係止爪部に外力を加えることにより、該係止孔と係止爪部との係合が解除される、
ことを特徴とするPCVバルブの取付構造。 - 請求項1において、
前記係合手段が、前記PCVバルブを前記取付筒部に対して所定相対回転位置で嵌合させた後、該所定相対回転位置から所定方向へ回転させたときに、該PCVバルブの該取付筒部からの抜け規制されると共に該所定方向とは反対方向への回転が規制されるように設定されている、
ことを特徴とするPCVバルブの取付構造。 - 請求項6において、
前記係合手段が、
前記PCVバルブの外周に形成された突起部と、
前記PCVバルブに形成された係止爪部と、
前記取付筒部の頂面に形成され、前記所定相対回転位置において前記突起部が整合される逃げ部と、
前記取付筒部の頂面に形成され、前記所定相対回転位置から前記所定方向へPCVバルブを回転させたときに、前記突起部を覆って該PCVバルブの該取付筒部からの抜けを防止する係止壁部と、
前記取付筒部に形成され、前記係止壁部によって前記突起部が係止されているときに、前記係止爪部が係合されて前記PCVバルブが前記取付筒部に対して前記所定方向とは反対方向へ回転するのを規制するた係止段部と、
から構成されている、
ことを特徴とするPCVバルブの取付構造。
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