JP4247782B2 - マイクロリアクター及び分析方法 - Google Patents
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Description
このような分析に用いられる方法としては、例えば、イオンクロマトグラフ法や原子吸光分析法、誘導結合プラズマ発光分光測定法等が挙げられる。
しかし、これらの分析方法は、高精度ではあるものの、専門の技術者と高価な専用の測定機器を必要し、分析を行うためには現場から検体を測定機器のある場所まで送付する必要があった。これらの制約から必然的に、分析を実施できる個人、団体は限られものとなり、測定を実施できない個人、団体は、測定サービスを利用することは可能であるが、その費用は高価であり、時間も必要であった。
しかしながら、この方法も簡便性の点では必ずしも充分ではなく、また、検体を測定機器のある場所まで送付する必要があるという問題点を解決することはできなかった。
以下に本発明を詳述する。
本明細書において濃縮部とは、液中の成分を分離して吸着する機能を有するマイクロリアクターの特定領域を意味する。
上記濃縮部において、液中に含まれる成分を迅速かつ簡便に分離し、吸着することにより、分析系から不要な物質を除くことができ、かつ、目的とする成分のみを高濃度に濃縮することができる。
上記濃縮部における液中の成分を分離して吸着する手段としては特に限定されないが、例えば、目的とする成分と相互作用する官能基等を有する分子を濃縮部に固定し、目的とする成分を吸着する方法や、液の溶媒又は分散媒を蒸発させて残存した目的とする成分を吸着する方法等が好適である。
上記目的とする成分と相互作用する基としては、例えば、スルホ基、第4級アンモニウム基、オクタデシル基、オクチル基、ブチル基、アミノ基、トリメチル基、シアノプロピル基、アミノプロピル基、ニトロフェニルエチル基、ピレニルエチル基、ジエチルアミノエチル基、スルホプロピル基、カルボキシル基、カルボキシメチル基、スルホキシエチル基、オルトリン酸基、ジエチル(2−ヒドロキシプロピル)アミノエチル基、フェニル基、イミノジ酢酸基、エチレンジアミン、硫黄原子を含むキレート形成基、例えば、各種メルカプト基、ジチオカルバミン酸基、チオ尿素基等が挙げられる。
上記担体としては特に限定されないが、例えば、スチレンジビニルベンゼン共重合体、ポリメタクリレート、ポリヒドロキシメタクリレート、ポリビニルアルコール、シリカ、アルミナ等の液体クロマトグラフィーで用いられる担体材料からなるもの;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体等のポリオレフィンからなるもの;エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体等のオレフィン−ハロゲン化オレフィン共重合体からなるもの;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のハロゲン化ポリオレフィン又はポリスルホン等からなるもの;セルロース系の多孔膜等の多孔質膜材料からなるもの;綿や麻等の植物性繊維、絹や羊毛等の動物性繊維、再生繊維、ポリエステル繊維やポリアミド繊維等の合成繊維等の繊維状材料からなるもの;多孔質セラミック、多孔質ガラス等の多孔質無機材料からなるもの;ポリアクリルアミドゲル等の多孔質有機材料からなるもの;スチレンジビニルベンゼン共重合体等のモノリス型多孔質カラム材料からなるもの等が挙げられる。
これらの担体は、耐薬品性の改善、圧力損失の低下、分離性能の改善等を目的にその表面が表面修飾剤で処理されていてもよい。また、これらの担体は単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
上記濃縮部は、複数あってもよい。この場合、各濃縮部で異なる目的とする成分に対応するようにすれば、多種の物質を同時に分離、分析することが可能となる。
本明細書において抽出部とは、液中の目的とする成分又は目的とする成分以外の成分を溶媒抽出する機能を有するマイクロリアクターの特定領域を意味する。また、本明細書において溶媒抽出とは、一般的な定義と同義である。即ち、被抽出液に対して溶解度が低く、かつ、抽出する成分を溶解可能な溶媒、又は、抽出する成分の錯体又はキレート化物を溶解可能な溶媒を用いて、被抽出液から目的とする成分又は目的とする成分以外の成分を分離することを意味する。
上記液中の成分を溶媒抽出する手段としては特に限定されないが、例えば、1つの流路内で抽出溶媒と被抽出液とを並行に流して接触させる方法が好適である。
この場合、液の流れが層流となるように、流路の断面積は1mm2以下であることが好ましい。1mm2を超えると、流路内で安定した層流が形成できないため、溶媒抽出が困難となる場合がある。また、流路の長さとしては特に限定されず、流路中で抽出溶媒と被抽出液とが完全に混合する程度の流路長さを適宜設定することが好ましい。
上記抽出部は複数個あってもよく、各抽出部で異なる抽出溶媒を用いることで、種々の物質を同時に分析することが可能となる。
上記内部に集積化された検出器とは、マイクロリアクターと同一基板上に設置された検出器を意味する。上記内部に集積化された検出器としては、例えば、質量分析器、熱レンズ顕微鏡等が挙げられる。
分析システム全体の取扱性の向上、小型化を考えた場合には、上記内部に集積化された検出器を用いることが好ましい。
上述のように検液中の目的とする成分は、上記濃縮部又は上記抽出部で分離、吸着又は溶媒抽出されるが、目的とする物質が他の物質に吸着していたり、他の物質と化学的、物理的に結合していたりする場合には、上記濃縮部又は上記抽出部における処理に先立って、酸により分解して目的とする成分を単体化しておくことが好ましい。これにより濃縮部又は抽出部における処理が効率的に実施されるため、分析感度の向上や分析時間の短縮が可能となる。例えば、土壌中に存在する重金属イオンは、通常、腐食物質等と錯体を形成しているが、酸化処理を施すことにより、腐食物質を除くことができる。
このとき用いる酸としては特に限定されず、例えば、硝酸、塩酸、硫酸、酢酸、トリクロロ酢酸、クエン酸、コハク酸等が挙げられる。
上述のように液中の目的とする成分は、上記濃縮部又は上記抽出部で分離、吸着又は溶媒抽出されるが、目的とする物質が他の物質に吸着していたり、他の物質と化学的、物理的に結合していたりする場合には、上記濃縮部又は上記抽出部における処理に先立って、熱処理により分解して目的とする成分を単体化しておくことが好ましい。これにより濃縮部又は抽出部における処理が効率的に実施されるため、分析感度の向上や分析時間の短縮が可能となる。
例えば、検体の注入口から濃縮部、抽出部の順に設置した場合には、濃縮部において目的とする成分を迅速かつ簡便に混合物から分離するとともに、分析系から不要な物質を除き、目的とする成分のみを高濃度に濃縮し、次いで、抽出部において更に目的とする成分の純度を上げることができる。
例えば、検体の注入口から抽出部、濃縮部の順に設置した場合には、目的とする成分を検液から溶媒抽出することにより、目的とする成分のみを分離し、分析系に不要な物質を除き、更に、抽出液又は被抽出成分を濃縮部に通過させることにより、目的とする成分のみを高濃度に濃縮することが可能となる。
濃縮部の後に抽出部、検出部を設置した場合、又は、抽出部の後に濃縮部、検出部を設置した場合は、流路中での目的成分の不要な拡散を抑制できるので、分析精度、再現性等の更なる向上が期待できる。
本発明のマイクロリアクターは、各部を接続する流路の他に、更に、溶離液、中和液、pH調整液等を流すための流路を有していてもよい。また、抽出液、酸、溶離液等を貯留するための貯留部を有していてもよい。
上記ポンプとしては特に限定されないが、例えば、ペリスタポンプ、ロータリーポンプ、シリンジポンプ、ダイアフラムポンプ等の機構からなる、駆動部の総体積が1cm3以下のマイクロポンプを用いることができる。このようなマイクロポンプとしては、例えば、特開2001−132646号公報に記載されたダイヤフラム構造をMEMS加工技術によりそのまま小型化したダイアフラムポンプ;特開2002−021715号公報に記載された微小ピストンによる断続的に送液する構造;特開平10−010088号公報に記載された微細流路上に電気浸透流を発生させる方法による送液媒体の送液を行うポンプ等が挙げられる。
なかでも、環境計測等のような広範囲かつ不均一な測定対象についてその状態を正確に知るためには、測定箇所及び測定回数の増大が必須であることから、安価かつ携帯性、加工性に優れたプラスチックスが好適である。
上記熱硬化性樹脂としては特に限定ないが、コストや易取扱い性の点からエポキシ樹脂が好適である。
また、流路や貯留部が形成された基板は、各種接着剤、陽極接合等により、別の基板と貼り合せる等して、試薬の導入部、外部ポンプの接続場所等を除いて密閉することが好ましい。また使用可能な材料に制限はあるももの、光造形技術を用いることにより、密閉工程を省略したリアクターを形成可能である。
本発明のマイクロリアクターを用いることにより、検液中に含まれる目的とする物質を、採取した現場において、迅速かつ簡便に、しかも高い感度で分析することができる。
近年、種々の統計から明らかなように、揮発性有機塩素化合物や重金属イオンによる土壌汚染問題は深刻化しているが、本発明のマイクロリアクターは、現場で迅速な分析が可能であることから、土壌中の重金属イオンの分析に特に有用である。
このような分析方法もまた、本発明の1つである。
次いで、濃縮部に吸着した目的とする成分を溶離液に溶解する工程を行う。これにより、目的とする成分が高濃度に溶解した溶液を調製することができる。
上記溶離液としては、目的とする成分を高濃度に溶解できるものであれば特に限定されず、例えば、検液と異なるpH又は塩濃度、組成を持つ水溶液、有機溶媒、又は、これらの混合溶媒等が挙げられる。具体的には、例えば、水、トルエン、アセトン、アセトニトリル、ベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、ジクロロメタン、1,4−ジオキサン、エタノール、メタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチルアセテート、ヘキサン、ピリジン、テトラヒドロフラン等及びこれらの混合溶媒が挙げられる。上記溶離液の選定にあたっては、本発明のマイクロリアクターの基板や濃縮部に用いられた担体を溶解したり、膨潤させたりしないことが必要である。また、溶離液の温度を変えることも効果的な場合がある。
上記溶媒抽出を行うための溶媒としては、上記溶離液に対して溶解度が低く、かつ、目的とする成分のみを溶解可能な溶媒が挙げられる。具体的には、例えば、4−メチル−2−ペンタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、アセチルアセトン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルム、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、リン酸トリブチル、ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、オクタノール、ベンゼン、トルエン、キシレンが挙げられる。
抽出系を構築するに当たっては、環境的側面を考慮し、毒性の低い各種試薬及び溶媒の使用が好ましい。例えば、ジチゾン−オクタノールの抽出系を挙げることができる。また抽出溶媒の選定に当たっては、マイクロリアクターの基板や抽出部の膨潤又は溶解等が起こらないよう注意する必要がある。
上記キレート剤としては、例えば、ジチゾン(ジフェニルチオカルバゾン)、オキシン(8−キノリノール)、DDTC(ジエチルジチオカルバミン酸塩)、3,3−ジアミノベンジジン、N−ベンゾイルフェニルヒドロキシルアミン、クルクミン、ジメチルグリオキシム、TOPO(トリオクチルホスフィンオキシド)、TTA(テノイルトリフルオロアセトン)等が挙げられる。なかでも、ジチゾンが好適である。ジチゾンは、カドミウムイオン(II)、銅イオン(I及びII)、水銀イオン(II)、鉛イオン(II)等の各種有害とされる重金属イオンと結合し、呈色する。これらの最大吸光波長における吸光度を吸光光度法で測定することにより、各キレート化物の定量が可能となる。
上記マスキング剤としては、例えば、シアン化物イオン、チオシアン化物イオン、臭化物イオン、チオ硫酸イオン等を生成する塩類;EDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸塩)、クエン酸塩、酒石酸塩が挙げられる。
上記酸化防止剤としては、例えば、塩化ヒドロキシルアンモニウム等が挙げられる。
また、本発明の分析方法は、更に、酸処理部において検液を酸化処理する工程を有することが好ましく、また、加熱部において検液を熱処理する工程を有することが好ましい。これらの工程を加えることにより、より高い感度で分析を行うことができる。
この場合には、抽出部において、目的とする成分を溶解した溶離液中から目的とする成分以外の成分が抽出され除かれることから、残った被抽出液には、目的とする成分が高い純度で高濃度に含まれる。
この場合には、検液から目的とする成分を溶媒抽出して、目的とする成分以外の成分から分離し、この抽出液を濃縮部において濃縮してから、溶離液に溶解させることから、溶離液中には、目的とする成分が高い純度で高濃度に含まれる。
この場合には、検液から目的とする成分以外の成分を溶媒抽出して、目的とする成分から分離し、この被抽出液を濃縮部において濃縮してから、溶離液に溶解させることから、溶離液中には、目的とする成分が高い純度で高濃度に含まれる。
自動化は、送液ポンプや吸引ポンプを用いて行うことができる。送液の速度、容量、時間等が予めプログラミングされていれば、人為作業無しに、各工程を行うことができる。
(1)検液の調製
大阪府下の某所にて土壌サンプル10gを採取した。純水に塩酸を加えてpH5.8としたものを溶媒として、その場で溶媒を50mL加えて手で10分間振とうした。これを60分間静置後に、上澄み液10mLをシリンジで採取し、孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、このろ液を検液とした。
アクリル樹脂を基板材料として、図1に示した構成のマイクロリアクターを製造した。
流路や濃縮部の堰等を射出成形により形成した基板の濃縮部の位置に、イオン交換樹脂(昭和電工社、SP−130ゲル)を充填した。イオン交換樹脂は、予め10−3Nの硝酸で再生し、蒸留水で洗浄しておいた。また、各流路の幅は300μm、深さは50μmである。
なお、図面には示していないが、マイクロリアクターは蓋部を有し、各液が気散したり外部からゴミ等が混入したりすることを防いでいる。
1mLの検液を1mLディスポーザブルシリンジ(テルモ社製)とシリンジポンプ(KDS社、モデル210)とを用いて1mL/minの流速で検液注入口11から注入した。濃縮部3において鉛イオンをイオン交換樹脂に吸着した後、溶離液注入口1から2.7μL/minの流量で10−3N硝酸を注入して濃縮部に吸着された鉛イオンを溶離した。次いで、pH調整液注入口12から溶離液に0.3μL/minの流量で0.2MのClark−Lubs緩衝液(pH6.0)を加えてpHを調整した。そして、pHを調整した溶出液に対して、抽出溶媒注入口6からジチゾン−オクタノールを注入して抽出部において溶媒抽出を行った。このとき、溶離液の流量は3μL/min、抽出溶媒の流量は21μL/minであった。
分析に要した時間及び測定した鉛イオンの濃度を表1に示した。
(1)マイクロリアクターの製造
ガラスを基板材料として、図2に示した構成のマイクロリアクターを製造した。
濃縮部においては実施例1で用いたマイクロリアクターと同様のイオン交換樹脂を充填した。
検液としては、実施例1で調製したものと同じものを用いた。
1mLの検液を1mLディスポーザブルシリンジ(テルモ社製)とシリンジポンプ(KDS社、モデル210)とを用いて1mL/minの流速で検液注入口11から注入した。同時に酸処理液注入口15から10N硝酸を50μL/minの流量で注入し、検液を酸処理部16において酸処理した。酸処理部を通過後の検液には、中和液注入口17から5N水酸化ナトリウムを100μL/minの流量で注入し、混合して中和を行った。中和された検液を濃縮部3において鉛イオンをイオン交換樹脂に吸着した後、溶離液注入口1から2.7μL/minの流量で10−3N硝酸を注入して濃縮部に吸着された鉛イオンを溶離した。次いで、pH調整液注入口12から溶離液に0.3μL/minの流量で0.2MのClark−Lubs緩衝液(pH6.0)を加えてpHを調整した。そして、pHを調整した溶出液に対して、抽出溶媒注入口6からジチゾン−オクタノールを注入して抽出部において溶媒抽出を行った。このとき、溶離液の流量は3μL/min、抽出溶媒の流量は21μL/minであった。
分析に要した時間及び測定した鉛イオンの濃度を表1に示した。
(1)マイクロリアクターの製造
ガラスを基板材料として、図3に示した構成のマイクロリアクターを製造した。
このマイクロリアクターは、酸処理部と同一位置に外部にヒーター設置した加熱部を有する以外は、実施例2で用いたマイクロリアクターと同様である。
ヒーター温度を85℃に設定し、加熱しながら酸処理を行った以外は実施例2と同様に分析を行った。
分析に要した時間及び測定した鉛イオンの濃度を表1に示した。
検液としては、実施例1で調製したものと同じものを用いた。この検液を研究室まで運搬し、原子吸光装置(パーキンエルマー社製、ZL−4000型)を用いて原子吸光法によりで鉛イオン濃度を分析した。
分析に要した時間及び測定した鉛イオンの濃度を表1に示した。
2 流路
3 濃縮部
41 堰
42 堰
5 イオン交換樹脂
6 抽出溶媒注入口
7 抽出部
8 検出部の液排出口
9 検出部
10 被抽出液排出口
11 検液注入口
12 pH調整液注入口
13 基板
15 酸処理液注入口
16 酸処理部
17 中和液注入口
18 加熱部
Claims (8)
- 1つの基板上に、少なくとも、検液注入口、溶離液注入口、検液中の金属化合物のイオンを分離して吸着するためのイオン交換樹脂を充填した濃縮部、検液中の金属化合物の吸光度を測定するための検出部、並びにこれらを連結する流路を有する金属化合物濃度測定用マイクロリアクターにおいて、
(1)検液を該検液注入口から注入して、検液中の金属化合物のイオンを該濃縮部のイオン交換樹脂に吸着させ、
(2)前記吸着後、該溶離液注入口から溶離液を注入して該濃縮部に吸着された金属化合物のイオンを溶離し、
(3)前記溶離から得られた抽出液中の金属化合物の吸光度を該検出部にて測定する、
ことを特徴とするマイクロリアクター。 - 1つの基板上に、少なくとも、検液注入口、溶離液注入口、検液中の金属化合物のイオンを分離して吸着するためのイオン交換樹脂を充填した濃縮部、pH調整液注入口、抽出溶媒注入口、検液中の金属化合物の錯体又はキレート化物質を溶媒抽出するための抽出部、検液中の金属化合物の吸光度を測定するための検出部、並びにこれらを連結する流路を有する金属化合物濃度測定用マイクロリアクターにおいて、
(1)検液を該検液注入口から注入して、検液中の金属化合物のイオンを該濃縮部のイオン交換樹脂に吸着させ、
(2)前記吸着後、該溶離液注入口から溶離液を注入して該濃縮部に吸着された金属化合物のイオンを溶離し、
(3)前記溶離後、該pH調整液注入口からpH調整液を注入して前記溶離液のpHを調整し、
(4)該抽出溶媒注入口から抽出溶媒を注入して該抽出部においてpHを調整した溶出液の溶媒抽出を行い、
(5)前記溶媒抽出から得られた抽出液中の金属化合物の吸光度を該検出部にて測定する、
ことを特徴とするマイクロリアクター。 - 1つの基板上に、少なくとも、検液注入口、酸処理液注入口、酸処理部、中和液注入口、溶離液注入口、検液中の金属化合物のイオンを分離して吸着するためのイオン交換樹脂を充填した濃縮部、検液中の金属化合物の吸光度を測定するための検出部、並びにこれらを連結する流路を有する金属化合物濃度測定用マイクロリアクターにおいて、
(1)検液を該検液注入口から注入すると同時に該酸処理液注入口から酸処理液を注入して、前記検液が前記酸処理液と接触して前記酸処理部で酸処理され、
(2)前記中和液注入口から中和液を注入して、前記酸処理部を通過した検液に中和を行い、
(3)前記中和後の検液の金属化合物のイオンを該濃縮部のイオン交換樹脂に吸着させ、
(4)前記吸着後、該溶離液注入口から溶離液を注入して該濃縮部に吸着された金属化合物のイオンを溶離し、
(5)前記溶離から得られた抽出液中の金属化合物の吸光度を該検出部にて測定する、
ことを特徴とするマイクロリアクター。 - 1つの基板上に、少なくとも、検液注入口、酸処理液注入口、酸処理部、中和液注入口、溶離液注入口、検液中の金属化合物のイオンを分離して吸着するためのイオン交換樹脂を充填した濃縮部、pH調整液注入口、抽出溶媒注入口、検液中の金属化合物の錯体又はキレート化物質を溶媒抽出するための抽出部、検液中の金属化合物の吸光度を測定するための検出部、並びにこれらを連結する流路を有する金属化合物濃度測定用マイクロリアクターにおいて、
(1)検液を該検液注入口から注入すると同時に該酸処理液注入口から酸処理液を注入して、前記検液が前記酸処理液と接触して前記酸処理部で酸処理され、
(2)前記中和液注入口から中和液を注入して、前記酸処理部を通過した検液に中和を行い、
(3)前記中和後の検液の金属化合物のイオンを該濃縮部のイオン交換樹脂に吸着させ、
(4)前記吸着後、該溶離液注入口から溶離液を注入して該濃縮部に吸着された金属化合物のイオンを溶離し、
(5)前記溶離後、該pH調整液注入口からpH調整液を注入して前記溶離液のpHを調整し、
(6)該抽出溶媒注入口から抽出溶媒を注入して該抽出部においてpHを調整した溶出液の溶媒抽出を行い、
(7)前記溶媒抽出から得られた抽出液中の金属化合物の吸光度を該検出部にて測定する、
ことを特徴とするマイクロリアクター。 - 前記酸処理部と同一位置に加熱部を有する請求項3又は4に記載のマイクロリアクター。
- 前記抽出溶媒には、キレート剤を含むことを特徴とする請求項2又は4に記載のマイクロリアクター。
- 前記キレート剤がジチゾンであることを特徴とする請求項6に記載のマイクロリアクター。
- 請求項1〜7のいずれか1に記載のマイクロリアクターを用いて検液中の金属化合物濃度を測定する方法。
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