JP4247782B2 - マイクロリアクター及び分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、検液中に含まれる目的とする成分を、採取した現場において、迅速かつ簡便に、しかも高い感度で分析することができるマイクロリアクター、及び、該マイクロリアクターを用いた分析方法に関する。
水環境や土壌環境を評価する方法として、その環境中に存在する各種物質を分析することが行われている。
このような分析に用いられる方法としては、例えば、イオンクロマトグラフ法や原子吸光分析法、誘導結合プラズマ発光分光測定法等が挙げられる。
しかし、これらの分析方法は、高精度ではあるものの、専門の技術者と高価な専用の測定機器を必要し、分析を行うためには現場から検体を測定機器のある場所まで送付する必要があった。これらの制約から必然的に、分析を実施できる個人、団体は限られものとなり、測定を実施できない個人、団体は、測定サービスを利用することは可能であるが、その費用は高価であり、時間も必要であった。
これに対して、比較的安価であり、かつ、簡便に分析方法として、吸光光度法がある。しかし、吸光光度法は、感度が低く、検体を機器のある場所まで送付する必要があるという問題点を解決することはできなかった。
一方、近年、マイクロリアクター又はμTAS(micro/miniaturized Total Analysis System)の技術が活発に研究されている。この技術は、微細加工技術を用いて、シリコン等の基板に微細な溝や、液貯めを作製し、それらを送液用の流路や反応槽として用いることにより、基板上で各種化学反応等を実施するものである。マイクロリアクター又はμTASを用いた分析方法は、反応が極めて微小な空間で実施されるため、反応温度の制御が容易であり、反応効率が高くて反応時間の短縮することができるという利点がある。μTASの例として、特許文献1には、幅500μm以下、深さ300μm以下のマイクロチャンネル内において相関分子輸送を行って溶媒抽出する分子輸送抽出方法が開示されており、マイクロチャンネル内で抽出された物質を光熱変換分光分析により検出する方法が開示されている。
しかしながら、この方法も簡便性の点では必ずしも充分ではなく、また、検体を測定機器のある場所まで送付する必要があるという問題点を解決することはできなかった。
特開2000−298079号公報
本発明は、上記現状に鑑み、検液中に含まれる目的とする成分を、採取した現場において、迅速かつ簡便に、しかも高い感度で分析することができるマイクロリアクター、及び、該マイクロリアクターを用いた分析方法を提供することを目的とする。
本発明は、1つの基板上に、少なくとも、液中の成分を分離して吸着する手段からなる濃縮部と、液中の成分を溶媒抽出する手段からなる抽出部とを有するマイクロリアクターである。
以下に本発明を詳述する。
本発明のマイクロリアクターは少なくとも、濃縮部と抽出部とを有する。
本明細書において濃縮部とは、液中の成分を分離して吸着する機能を有するマイクロリアクターの特定領域を意味する。
上記濃縮部において、液中に含まれる成分を迅速かつ簡便に分離し、吸着することにより、分析系から不要な物質を除くことができ、かつ、目的とする成分のみを高濃度に濃縮することができる。
上記濃縮部は、液中の成分を分離して吸着する手段からなる。
上記濃縮部における液中の成分を分離して吸着する手段としては特に限定されないが、例えば、目的とする成分と相互作用する官能基等を有する分子を濃縮部に固定し、目的とする成分を吸着する方法や、液の溶媒又は分散媒を蒸発させて残存した目的とする成分を吸着する方法等が好適である。
上記目的とする成分と、目的とする成分と相互作用する官能基等を有する分子との相互作用としては、例えば、物理的吸着のほか、イオン結合、配位結合、キレート結合、疎水性相互作用、分子内極性による相互作用等が挙げられる。
上記目的とする成分と相互作用する基としては、例えば、スルホ基、第4級アンモニウム基、オクタデシル基、オクチル基、ブチル基、アミノ基、トリメチル基、シアノプロピル基、アミノプロピル基、ニトロフェニルエチル基、ピレニルエチル基、ジエチルアミノエチル基、スルホプロピル基、カルボキシル基、カルボキシメチル基、スルホキシエチル基、オルトリン酸基、ジエチル(2−ヒドロキシプロピル)アミノエチル基、フェニル基、イミノジ酢酸基、エチレンジアミン、硫黄原子を含むキレート形成基、例えば、各種メルカプト基、ジチオカルバミン酸基、チオ尿素基等が挙げられる。
上記目的とする成分と相互作用する官能基等を有する分子は、基板に共有結合等により直接固定するか、又は、担体に結合して上記濃縮部に固定されることが好ましい。
上記担体としては特に限定されないが、例えば、スチレンジビニルベンゼン共重合体、ポリメタクリレート、ポリヒドロキシメタクリレート、ポリビニルアルコール、シリカ、アルミナ等の液体クロマトグラフィーで用いられる担体材料からなるもの;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体等のポリオレフィンからなるもの;エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体等のオレフィン−ハロゲン化オレフィン共重合体からなるもの;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のハロゲン化ポリオレフィン又はポリスルホン等からなるもの;セルロース系の多孔膜等の多孔質膜材料からなるもの;綿や麻等の植物性繊維、絹や羊毛等の動物性繊維、再生繊維、ポリエステル繊維やポリアミド繊維等の合成繊維等の繊維状材料からなるもの;多孔質セラミック、多孔質ガラス等の多孔質無機材料からなるもの;ポリアクリルアミドゲル等の多孔質有機材料からなるもの;スチレンジビニルベンゼン共重合体等のモノリス型多孔質カラム材料からなるもの等が挙げられる。
これらの担体は、耐薬品性の改善、圧力損失の低下、分離性能の改善等を目的にその表面が表面修飾剤で処理されていてもよい。また、これらの担体は単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
上記担体の形状としては特に限定されないが、圧力損失の低下と、内部を流れる検体等の流体との接触効率を考慮した場合、粒状、多孔質膜状、モノリス状が好適である。上記担体が粒状である場合、その大きさは特に限定されないが、担体と目的とする成分を含む検液とを効率的に接触できることから、直径が100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。
上記目的とする成分と相互作用する基を有する分子と担体との結合方法としては特に限定されず、例えば、担体中に含まれる水酸基、カルボキシル基、アルデヒド基、アミノ基等の官能基と、上記目的とする成分と相互作用する基を有する分子とを直接反応させて結合する方法;酸無水物等の架橋剤で担体を処理し、該架橋剤と上記目的とする成分と相互作用する基を有する分子とを反応させて結合する方法等が挙げられる。
上記液の溶媒又は分散媒を蒸発させて残存した目的とする成分を吸着する方法としては特に限定されず、例えば、ヒーター等を用いる方法等が挙げられる。一般に、検液の溶媒又は分散媒を蒸発させるためには長時間を要するが、マイクロリアクターの流路上にヒーターを配置して蒸発を行う場合には、対象となる液の体積に比して形成する界面積を非常に大きくすることができるため、高速な蒸発速度を得ることができる。このように、通常は困難である機構であっても、マイクロ化することで好適に用いることができ、これも本発明のマイクロリアクターの効果の1つである。
上記濃縮部の形態としては特に限定されないが、目的とする成分を分離して吸着する手段として目的とする成分と相互作用する基を有する分子を固定した担体を用いる場合には、担体の流出を防ぐための突起が形成された堰状や、特定サイズ以上の粒子を通過しない膜/繊維構造のストッパー状が好適である。これらの堰やストッパーとして、担体は通過し得ないが混合物の流体は適宜通過する、高さ/大きさを設定することにより、上記濃縮部を形成することができる。
上記濃縮部の大きさとしては特に限定されないが、本発明のマイクロリアクターを使用する際に想定される目的とする成分の最大量より、濃縮部での分離、吸着可能量を大きくする必要がある。
上記濃縮部は、複数あってもよい。この場合、各濃縮部で異なる目的とする成分に対応するようにすれば、多種の物質を同時に分離、分析することが可能となる。
本発明のマイクロリアクターは、抽出部を有する。
本明細書において抽出部とは、液中の目的とする成分又は目的とする成分以外の成分を溶媒抽出する機能を有するマイクロリアクターの特定領域を意味する。また、本明細書において溶媒抽出とは、一般的な定義と同義である。即ち、被抽出液に対して溶解度が低く、かつ、抽出する成分を溶解可能な溶媒、又は、抽出する成分の錯体又はキレート化物を溶解可能な溶媒を用いて、被抽出液から目的とする成分又は目的とする成分以外の成分を分離することを意味する。
上記抽出部は、液中の成分を溶媒抽出する手段からなる。
上記液中の成分を溶媒抽出する手段としては特に限定されないが、例えば、1つの流路内で抽出溶媒と被抽出液とを並行に流して接触させる方法が好適である。
この場合、液の流れが層流となるように、流路の断面積は1mm以下であることが好ましい。1mmを超えると、流路内で安定した層流が形成できないため、溶媒抽出が困難となる場合がある。また、流路の長さとしては特に限定されず、流路中で抽出溶媒と被抽出液とが完全に混合する程度の流路長さを適宜設定することが好ましい。
上記抽出部は複数個あってもよく、各抽出部で異なる抽出溶媒を用いることで、種々の物質を同時に分析することが可能となる。
本発明のマイクロリアクターは、液中の成分を検出するための検出部を有することが好ましい。本明細書において検出部とは、マイクロリアクター中で流路内の物質の物理的、化学的状態を調べることを目的として、外部に置かれた検出器又は内部に集積化された検出器により各種検出作業を行う領域を意味する。例えば、吸光度測定に使用される流路等である。
上記外部に置かれた検出器としては、例えば、紫外検出器、赤外検出器、屈折検出器、蛍光検出器、誘導結合プラズマ発光分光器、原子吸光光度計、質量分析器、熱レンズ顕微鏡等が挙げられる。なかでも、本発明のマイクロリアクターを屋外で利用しようとする場合、現時点では携帯可能なの小型装置が市販されている紫外検出器、赤外検出器、蛍光検出器等が好適である。
上記内部に集積化された検出器とは、マイクロリアクターと同一基板上に設置された検出器を意味する。上記内部に集積化された検出器としては、例えば、質量分析器、熱レンズ顕微鏡等が挙げられる。
分析システム全体の取扱性の向上、小型化を考えた場合には、上記内部に集積化された検出器を用いることが好ましい。
本発明のマイクロリアクターは、液中の成分を酸化処理する手段からなる酸処理部を有することが好ましい。本明細書において酸処理部とは、液中の成分を酸化処理する機能を有するマイクロリアクター内の特定領域を意味する。
上述のように検液中の目的とする成分は、上記濃縮部又は上記抽出部で分離、吸着又は溶媒抽出されるが、目的とする物質が他の物質に吸着していたり、他の物質と化学的、物理的に結合していたりする場合には、上記濃縮部又は上記抽出部における処理に先立って、酸により分解して目的とする成分を単体化しておくことが好ましい。これにより濃縮部又は抽出部における処理が効率的に実施されるため、分析感度の向上や分析時間の短縮が可能となる。例えば、土壌中に存在する重金属イオンは、通常、腐食物質等と錯体を形成しているが、酸化処理を施すことにより、腐食物質を除くことができる。
上記液中の成分を酸化処理する手段としては特に限定されないが、目的とする成分を含む液の流路に対して、酸の流路を合流させて、液に酸を接触させる方法が好適である。また、流路内にピラー状のマイクロミキサー等を設置して液と酸との混合を促進することも好ましい。
このとき用いる酸としては特に限定されず、例えば、硝酸、塩酸、硫酸、酢酸、トリクロロ酢酸、クエン酸、コハク酸等が挙げられる。
本発明のマイクロリアクターは、液中の成分を熱処理する手段からなる加熱部を有する。本明細書において加熱部とは、液を加熱する機能を有するマイクロリアクターの特定領域である。
上述のように液中の目的とする成分は、上記濃縮部又は上記抽出部で分離、吸着又は溶媒抽出されるが、目的とする物質が他の物質に吸着していたり、他の物質と化学的、物理的に結合していたりする場合には、上記濃縮部又は上記抽出部における処理に先立って、熱処理により分解して目的とする成分を単体化しておくことが好ましい。これにより濃縮部又は抽出部における処理が効率的に実施されるため、分析感度の向上や分析時間の短縮が可能となる。
上記液中の成分を熱処理する手段としては特に限定されないが、マイクロリアクターの一部として当該処理用の流路又は処理槽を形成し、その流路等の表面に薄膜状のヒーター等を形成、又は、マイクロリアクター外部で同部分が接触する部分に設置したヒーター等の加熱源で加熱する方法が好適である。
上記加熱源としては特に限定されないが、例えば、ニクロムヒーター;Bi、Te、Se及びSb元素からなる群より選択された少なくとも2種類以上の元素を含有する合金に適当なドーパントを添加したP型又はN型熱電変換素子及びそれらをモジュール化した市販のペルチェ素子ペルチェ素子;薄膜形成技術で形成される微細ヒーター等が挙げられる。上記加熱源は、熱電対やサーミスタ等の温度制御用のセンサーにより制御されていることが好ましい。
上記加熱源は、マイクロリアクターの基板上に直接形成するか、又は、加熱部と接触するように外部に設置される。外部に設置する場合には、マイクロリアクターの基板材料にもよるが、加熱部である流路又は処理槽がリアクターの外部表面から2mm以内にあることが好ましい。これ以上離れると、温度制御が困難な場合があり、また断熱あるいは放熱機構を設けた場合でも、熱伝導がリアクターの他の部分に影響を及ぼす可能性が高い。
上記濃縮部、抽出部、検出部、酸処理部、及び、加熱部の設置位置としては特に限定されず、対象とする検液や目的とする成分の種類等、用途により適宜設計することができる。
例えば、検体の注入口から濃縮部、抽出部の順に設置した場合には、濃縮部において目的とする成分を迅速かつ簡便に混合物から分離するとともに、分析系から不要な物質を除き、目的とする成分のみを高濃度に濃縮し、次いで、抽出部において更に目的とする成分の純度を上げることができる。
例えば、検体の注入口から抽出部、濃縮部の順に設置した場合には、目的とする成分を検液から溶媒抽出することにより、目的とする成分のみを分離し、分析系に不要な物質を除き、更に、抽出液又は被抽出成分を濃縮部に通過させることにより、目的とする成分のみを高濃度に濃縮することが可能となる。
濃縮部の後に抽出部、検出部を設置した場合、又は、抽出部の後に濃縮部、検出部を設置した場合は、流路中での目的成分の不要な拡散を抑制できるので、分析精度、再現性等の更なる向上が期待できる。
上記濃縮部、抽出部、検出部、酸処理部、及び、加熱部は、流路により互いに接続される。上記流路の断面積は1mm以下であることが好ましい。1mmを超えると、濃縮部等において濃縮された目的とする成分が流路内で拡散してしまい、検出感度が低下することがある。より好ましくは0.09mm以下である。
本発明のマイクロリアクターは、各部を接続する流路の他に、更に、溶離液、中和液、pH調整液等を流すための流路を有していてもよい。また、抽出液、酸、溶離液等を貯留するための貯留部を有していてもよい。
本発明のマイクロリアクターは、更に、送液のためのポンプを有することが好ましい。
上記ポンプとしては特に限定されないが、例えば、ペリスタポンプ、ロータリーポンプ、シリンジポンプ、ダイアフラムポンプ等の機構からなる、駆動部の総体積が1cm以下のマイクロポンプを用いることができる。このようなマイクロポンプとしては、例えば、特開2001−132646号公報に記載されたダイヤフラム構造をMEMS加工技術によりそのまま小型化したダイアフラムポンプ;特開2002−021715号公報に記載された微小ピストンによる断続的に送液する構造;特開平10−010088号公報に記載された微細流路上に電気浸透流を発生させる方法による送液媒体の送液を行うポンプ等が挙げられる。
本発明のマイクロリアクターは、更に、マイクロバルブを有することが好ましい。上記マイクロバルブとしては、例えば、特開2000−120617号公報に記載された流体の動きを制御するために気体の作用を用いるマイクロバルブ等が挙げられる。
本発明のマイクロリアクターの大きさとしては特に限定されないが、ハンドリング性を考慮すると、400cm以下であることが好ましい。
本発明のマイクロリアクターの基板を構成する材料としては特に限定されず、例えば、ガラス、蛍光ガラス、セラミックス等の無機物;プラスッチックス等の有機化合物;金属等が挙げられる。リサイクル性を考慮する場合には、ガラス、熱可塑性プラスチックス又は金属が好適であり、一方、加工性及び廃棄を前提とした経済性を考慮する場合には、各種プラスチックスが好適である。
なかでも、環境計測等のような広範囲かつ不均一な測定対象についてその状態を正確に知るためには、測定箇所及び測定回数の増大が必須であることから、安価かつ携帯性、加工性に優れたプラスチックスが好適である。
上記プラスチックとしては特に限定されず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも用いることができる。なかでも、熱硬化性樹脂は、加熱により可塑化して簡単に表面加工するという利点は有さないものの、予め硬化剤等を混合した前駆体液を転写金型に導入してから硬化させることにより、樹脂表面を附形することが可能である。この場合、前駆体液が液状のため、転写金型の形状をより忠実に転写することができる。また、一般に、静的に硬化された樹脂は、低い線膨張率、低い成形収縮率を示すことからも有用である。
上記熱硬化性樹脂としては特に限定ないが、コストや易取扱い性の点からエポキシ樹脂が好適である。
また、検液や目的とする成分の種類によっては、様々のpHの流体を用いることがあり、この場合には、耐酸・アルカリ性を有するポリオレフィン系樹脂、アクリル樹脂等が好適である。これらの樹脂は、耐薬品性の改善、圧力損失の低減、流体制御等を目的として、その表面が各種試薬により改質されたものであってもよい。
本発明のマイクロリアクターを製造する方法としては特に限定されず、例えば、レーザー加工、切削加工等の各種機械加工;エッチング、原子線エッチング;流路部分がレーザー加工等により貫通孔、貫通溝となった基板の貼り合せ;射出成形等の従来公知の方法を用いて、流路や貯留部を形成する方法等が挙げられる。
また、流路や貯留部が形成された基板は、各種接着剤、陽極接合等により、別の基板と貼り合せる等して、試薬の導入部、外部ポンプの接続場所等を除いて密閉することが好ましい。また使用可能な材料に制限はあるももの、光造形技術を用いることにより、密閉工程を省略したリアクターを形成可能である。
本発明のマイクロリアクターにおいては、上記濃縮部、抽出部をはじめ、場合により検出部、酸処理部、加熱部が同一の基板上に形成されていることから、分析に関わる操作性の向上や、検体のロスの低減、検体の分子拡散時間の低減等による分析精度、再現性の向上等が容易となる。
本発明のマイクロリアクターを用いることにより、検液中に含まれる目的とする物質を、採取した現場において、迅速かつ簡便に、しかも高い感度で分析することができる。
本発明のマイクロリアクターによる分析対象となる検液としては特に限定されず、例えば、水、有機溶媒又はこれらの混合液に、各種の無機塩、無機イオン、有機イオン、有機モノマー、有機ポリマー等が溶解又は懸濁したもの等がある。具体的には、例えば、特定のpHを有する水溶液;特定の無機塩を溶かした各種緩衝液に各種イオン、塩類が溶けたもの;水−メタノール溶媒に各種イオン等が溶けたもの;有機溶媒に各種有機モノマー、有機ポリマーが溶けたもの等が挙げられる。また、水道水、河川水、海水、湖沼水や、土壌を水等に分散し固形物をろ過等により取り除いた土壌ろ過水等の環境から採取したものも用いることができる。
近年、種々の統計から明らかなように、揮発性有機塩素化合物や重金属イオンによる土壌汚染問題は深刻化しているが、本発明のマイクロリアクターは、現場で迅速な分析が可能であることから、土壌中の重金属イオンの分析に特に有用である。
本発明のマイクロリアクターを用いて検液中の目的とする成分を分析する方法としては特に限定されないが、例えば、濃縮部において検液中の目的とする成分を分離して吸着する工程と、濃縮部に吸着した目的とする成分を溶離液に溶解する工程と、抽出部において溶離液から目的とする成分を溶媒抽出する工程とを有する方法が好適である。
このような分析方法もまた、本発明の1つである。
本発明の分析方法では、まず、濃縮部において検液中の目的とする成分を分離して吸着する。これにより、分析系から不要な物質を除くことができ、目的とする成分のみを高濃度に濃縮することができる。
次いで、濃縮部に吸着した目的とする成分を溶離液に溶解する工程を行う。これにより、目的とする成分が高濃度に溶解した溶液を調製することができる。
上記溶離液としては、目的とする成分を高濃度に溶解できるものであれば特に限定されず、例えば、検液と異なるpH又は塩濃度、組成を持つ水溶液、有機溶媒、又は、これらの混合溶媒等が挙げられる。具体的には、例えば、水、トルエン、アセトン、アセトニトリル、ベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、ジクロロメタン、1,4−ジオキサン、エタノール、メタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチルアセテート、ヘキサン、ピリジン、テトラヒドロフラン等及びこれらの混合溶媒が挙げられる。上記溶離液の選定にあたっては、本発明のマイクロリアクターの基板や濃縮部に用いられた担体を溶解したり、膨潤させたりしないことが必要である。また、溶離液の温度を変えることも効果的な場合がある。
上記溶離液に溶解された目的とする成分は、必要に応じて各種処理が施されてもよい。例えば、後述するよように溶離後にジチゾンを含有する溶媒を用いて溶媒抽出を行う場合には、ジチゾンによる各種イオンの抽出率はpHの影響を受けるため、好適pHに調整することが好ましい。また、塩濃度の調整等も挙げられる。上記処理の方法としては、例えば、pH調整用の緩衝液等を流す流路と目的とする成分を溶解した溶離液が流れる流路とを合流させる方法が挙げられる。
濃縮部の後工程に抽出部がある場合、溶離液に溶解された目的とする成分は、抽出部において溶離液から目的とする成分を溶媒抽出する工程により、更に、不純物を除かれ、濃縮される。
上記溶媒抽出を行うための溶媒としては、上記溶離液に対して溶解度が低く、かつ、目的とする成分のみを溶解可能な溶媒が挙げられる。具体的には、例えば、4−メチル−2−ペンタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、アセチルアセトン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルム、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、リン酸トリブチル、ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、オクタノール、ベンゼン、トルエン、キシレンが挙げられる。
抽出系を構築するに当たっては、環境的側面を考慮し、毒性の低い各種試薬及び溶媒の使用が好ましい。例えば、ジチゾン−オクタノールの抽出系を挙げることができる。また抽出溶媒の選定に当たっては、マイクロリアクターの基板や抽出部の膨潤又は溶解等が起こらないよう注意する必要がある。
目的とする成分が重金属イオンである場合には、上記溶媒抽出を行うための溶媒は、キレート剤を含有することが好ましい。キレート剤を含有する溶媒を用いることにより、抽出部で各種重金属イオンを選択的に抽出することが容易になり、更に、キレートされた物質が吸光度等を有する場合には、キレート化された物質を簡便に検出することが可能となる。
上記キレート剤としては、例えば、ジチゾン(ジフェニルチオカルバゾン)、オキシン(8−キノリノール)、DDTC(ジエチルジチオカルバミン酸塩)、3,3−ジアミノベンジジン、N−ベンゾイルフェニルヒドロキシルアミン、クルクミン、ジメチルグリオキシム、TOPO(トリオクチルホスフィンオキシド)、TTA(テノイルトリフルオロアセトン)等が挙げられる。なかでも、ジチゾンが好適である。ジチゾンは、カドミウムイオン(II)、銅イオン(I及びII)、水銀イオン(II)、鉛イオン(II)等の各種有害とされる重金属イオンと結合し、呈色する。これらの最大吸光波長における吸光度を吸光光度法で測定することにより、各キレート化物の定量が可能となる。
上記溶媒抽出を行うための溶媒は、マスキング剤、酸化防止剤等を含有してもよい。
上記マスキング剤としては、例えば、シアン化物イオン、チオシアン化物イオン、臭化物イオン、チオ硫酸イオン等を生成する塩類;EDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸塩)、クエン酸塩、酒石酸塩が挙げられる。
上記酸化防止剤としては、例えば、塩化ヒドロキシルアンモニウム等が挙げられる。
本発明の分析方法は、更に、検出部において目的とする成分を検出する工程を有することが好ましい。
また、本発明の分析方法は、更に、酸処理部において検液を酸化処理する工程を有することが好ましく、また、加熱部において検液を熱処理する工程を有することが好ましい。これらの工程を加えることにより、より高い感度で分析を行うことができる。
本発明のマイクロリアクターを用いて検液中の目的とする成分を分析する方法であって、濃縮部において検液中の目的とする成分を分離して吸着する工程と、濃縮部に吸着した目的とする成分を溶離液に溶解する工程と、抽出部において溶離液中の目的とする成分以外の成分を溶媒抽出する工程とを有する分析方法もまた、本発明の1つである。
この場合には、抽出部において、目的とする成分を溶解した溶離液中から目的とする成分以外の成分が抽出され除かれることから、残った被抽出液には、目的とする成分が高い純度で高濃度に含まれる。
本発明のマイクロリアクターを用いて検液中の目的とする成分を分析する方法であって、抽出部において検液中の目的とする成分を溶媒抽出する工程と、濃縮部において抽出液中の目的とする成分を分離して吸着する工程と、濃縮部に吸着した目的とする成分を溶離液に溶解する工程とを有する分析方法もまた、本発明の1つである。
この場合には、検液から目的とする成分を溶媒抽出して、目的とする成分以外の成分から分離し、この抽出液を濃縮部において濃縮してから、溶離液に溶解させることから、溶離液中には、目的とする成分が高い純度で高濃度に含まれる。
本発明のマイクロリアクターを用いて検液中の目的とする成分を分析する方法であって、抽出部において検液中の目的とする成分以外の成分を溶媒抽出する工程と、濃縮部において被抽出液中の目的とする成分を分離して吸着する工程と、濃縮部に吸着した目的とする成分を溶離液に溶解する工程とを有する分析方法もまた、本発明の1つである。
この場合には、検液から目的とする成分以外の成分を溶媒抽出して、目的とする成分から分離し、この被抽出液を濃縮部において濃縮してから、溶離液に溶解させることから、溶離液中には、目的とする成分が高い純度で高濃度に含まれる。
本発明の分析方法においては、各工程の少なくとも一部が、自動されることが好ましい。自動化可能な工程としては、例えば、濃縮部に検液を通過/分離する工程、濃縮部で分離された物質を溶離液に溶解する工程、抽出部に抽出用溶媒を導入し溶媒抽出する工程等が挙げられる。また、それ以外にもマイクロリアクターの構成に応じた各工程、例えば、検出部に被測定物を導入し検出する工程、酸処理部に酸を導入し混合物と反応させる工程、溶出に用いる溶媒のpHや、塩濃度、組成を調製する工程、溶出した物質の組成、pH、塩濃度を調製する工程等も自動化の対象となり得る。
自動化は、送液ポンプや吸引ポンプを用いて行うことができる。送液の速度、容量、時間等が予めプログラミングされていれば、人為作業無しに、各工程を行うことができる。
本発明の分析方法を屋外において実施しようとする場合、送液ポンプとしてマイクロポンプを用い、携帯型の小型装置が市販されている紫外検出器や、赤外検出器、蛍光検出器と組み合わせ、上記のように各工程を自動化することにより、簡便かつ活用範囲の広い分析を行うことができる。
本発明によれば、検液中に含まれる目的とする成分を、採取した現場において、迅速かつ簡便に、しかも高い感度で分析することができるマイクロリアクター、及び、該マイクロリアクターを用いた分析方法を提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)検液の調製
大阪府下の某所にて土壌サンプル10gを採取した。純水に塩酸を加えてpH5.8としたものを溶媒として、その場で溶媒を50mL加えて手で10分間振とうした。これを60分間静置後に、上澄み液10mLをシリンジで採取し、孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、このろ液を検液とした。
(2)マイクロリアクターの製造
アクリル樹脂を基板材料として、図1に示した構成のマイクロリアクターを製造した。
流路や濃縮部の堰等を射出成形により形成した基板の濃縮部の位置に、イオン交換樹脂(昭和電工社、SP−130ゲル)を充填した。イオン交換樹脂は、予め10−3Nの硝酸で再生し、蒸留水で洗浄しておいた。また、各流路の幅は300μm、深さは50μmである。
なお、図面には示していないが、マイクロリアクターは蓋部を有し、各液が気散したり外部からゴミ等が混入したりすることを防いでいる。
(3)検液中の鉛イオンの分析
1mLの検液を1mLディスポーザブルシリンジ(テルモ社製)とシリンジポンプ(KDS社、モデル210)とを用いて1mL/minの流速で検液注入口11から注入した。濃縮部3において鉛イオンをイオン交換樹脂に吸着した後、溶離液注入口1から2.7μL/minの流量で10−3N硝酸を注入して濃縮部に吸着された鉛イオンを溶離した。次いで、pH調整液注入口12から溶離液に0.3μL/minの流量で0.2MのClark−Lubs緩衝液(pH6.0)を加えてpHを調整した。そして、pHを調整した溶出液に対して、抽出溶媒注入口6からジチゾン−オクタノールを注入して抽出部において溶媒抽出を行った。このとき、溶離液の流量は3μL/min、抽出溶媒の流量は21μL/minであった。
溶媒抽出を経て形成された鉛−ジチゾンのキレート化物の最大吸光波長は515nmであることから、検出部9において小型分光器(オーシャンオプティクス社、USB2000)及び光源(オーシャンオプティクス社、LS−1)を用いて波長515nmにおける吸光度を測定して、鉛の濃度を算出した。
分析に要した時間及び測定した鉛イオンの濃度を表1に示した。
(実施例2)
(1)マイクロリアクターの製造
ガラスを基板材料として、図2に示した構成のマイクロリアクターを製造した。
濃縮部においては実施例1で用いたマイクロリアクターと同様のイオン交換樹脂を充填した。
(2)検液中の鉛イオンの分析
検液としては、実施例1で調製したものと同じものを用いた。
1mLの検液を1mLディスポーザブルシリンジ(テルモ社製)とシリンジポンプ(KDS社、モデル210)とを用いて1mL/minの流速で検液注入口11から注入した。同時に酸処理液注入口15から10N硝酸を50μL/minの流量で注入し、検液を酸処理部16において酸処理した。酸処理部を通過後の検液には、中和液注入口17から5N水酸化ナトリウムを100μL/minの流量で注入し、混合して中和を行った。中和された検液を濃縮部3において鉛イオンをイオン交換樹脂に吸着した後、溶離液注入口1から2.7μL/minの流量で10−3N硝酸を注入して濃縮部に吸着された鉛イオンを溶離した。次いで、pH調整液注入口12から溶離液に0.3μL/minの流量で0.2MのClark−Lubs緩衝液(pH6.0)を加えてpHを調整した。そして、pHを調整した溶出液に対して、抽出溶媒注入口6からジチゾン−オクタノールを注入して抽出部において溶媒抽出を行った。このとき、溶離液の流量は3μL/min、抽出溶媒の流量は21μL/minであった。
溶媒抽出を経て形成された鉛−ジチゾンのキレート化物の最大吸光波長は515nmであることから、検出部9において小型分光器(オーシャンオプティクス社、USB2000)及び光源(オーシャンオプティクス社、LS−1)を用いて波長515nmにおける吸光度を測定して、鉛の濃度を算出した。
分析に要した時間及び測定した鉛イオンの濃度を表1に示した。
(実施例3)
(1)マイクロリアクターの製造
ガラスを基板材料として、図3に示した構成のマイクロリアクターを製造した。
このマイクロリアクターは、酸処理部と同一位置に外部にヒーター設置した加熱部を有する以外は、実施例2で用いたマイクロリアクターと同様である。
(2)検液中の鉛イオンの分析
ヒーター温度を85℃に設定し、加熱しながら酸処理を行った以外は実施例2と同様に分析を行った。
分析に要した時間及び測定した鉛イオンの濃度を表1に示した。
(比較例1)
検液としては、実施例1で調製したものと同じものを用いた。この検液を研究室まで運搬し、原子吸光装置(パーキンエルマー社製、ZL−4000型)を用いて原子吸光法によりで鉛イオン濃度を分析した。
分析に要した時間及び測定した鉛イオンの濃度を表1に示した。
Figure 0004247782
本発明によれば、検液中に含まれる目的とする成分を、採取した現場において、迅速かつ簡便に、しかも高い感度で分析することができるマイクロリアクター、及び、該マイクロリアクターを用いた分析方法を提供できる。
実施例1において用いたマイクロリアクターの模式図である。 実施例2において用いたマイクロリアクターの模式図である。 実施例3において用いたマイクロリアクターの模式図である。
符号の説明
1 溶離液注入口
2 流路
3 濃縮部
41 堰
42 堰
5 イオン交換樹脂
6 抽出溶媒注入口
7 抽出部
8 検出部の液排出口
9 検出部
10 被抽出液排出口
11 検液注入口
12 pH調整液注入口
13 基板
15 酸処理液注入口
16 酸処理部
17 中和液注入口
18 加熱部

Claims (8)

  1. 1つの基板上に、少なくとも、検液注入口、溶離液注入口、検液中の金属化合物のイオンを分離して吸着するためのイオン交換樹脂を充填した濃縮部、検液中の金属化合物の吸光度を測定するための検出部、並びにこれらを連結する流路を有する金属化合物濃度測定用マイクロリアクターにおいて、
    (1)検液を該検液注入口から注入して、検液中の金属化合物のイオンを該濃縮部のイオン交換樹脂に吸着させ、
    (2)前記吸着後、該溶離液注入口から溶離液を注入して該濃縮部に吸着された金属化合物のイオンを溶離し、
    (3)前記溶離から得られた抽出液中の金属化合物の吸光度を該検出部にて測定する、
    ことを特徴とするマイクロリアクター。
  2. 1つの基板上に、少なくとも、検液注入口、溶離液注入口、検液中の金属化合物のイオンを分離して吸着するためのイオン交換樹脂を充填した濃縮部、pH調整液注入口、抽出溶媒注入口、検液中の金属化合物の錯体又はキレート化物質を溶媒抽出するための抽出部、検液中の金属化合物の吸光度を測定するための検出部、並びにこれらを連結する流路を有する金属化合物濃度測定用マイクロリアクターにおいて、
    (1)検液を該検液注入口から注入して、検液中の金属化合物のイオンを該濃縮部のイオン交換樹脂に吸着させ、
    (2)前記吸着後、該溶離液注入口から溶離液を注入して該濃縮部に吸着された金属化合物のイオンを溶離し、
    (3)前記溶離後、該pH調整液注入口からpH調整液を注入して前記溶離液のpHを調整し、
    (4)該抽出溶媒注入口から抽出溶媒を注入して該抽出部においてpHを調整した溶出液の溶媒抽出を行い、
    (5)前記溶媒抽出から得られた抽出液中の金属化合物の吸光度を該検出部にて測定する、
    ことを特徴とするマイクロリアクター。
  3. 1つの基板上に、少なくとも、検液注入口、酸処理液注入口、酸処理部、中和液注入口、溶離液注入口、検液中の金属化合物のイオンを分離して吸着するためのイオン交換樹脂を充填した濃縮部、検液中の金属化合物の吸光度を測定するための検出部、並びにこれらを連結する流路を有する金属化合物濃度測定用マイクロリアクターにおいて、
    (1)検液を該検液注入口から注入すると同時に該酸処理液注入口から酸処理液を注入して、前記検液が前記酸処理液と接触して前記酸処理部で酸処理され、
    (2)前記中和液注入口から中和液を注入して、前記酸処理部を通過した検液に中和を行い、
    (3)前記中和後の検液の金属化合物のイオンを該濃縮部のイオン交換樹脂に吸着させ、
    (4)前記吸着後、該溶離液注入口から溶離液を注入して該濃縮部に吸着された金属化合物のイオンを溶離し、
    (5)前記溶離から得られた抽出液中の金属化合物の吸光度を該検出部にて測定する、
    ことを特徴とするマイクロリアクター。
  4. 1つの基板上に、少なくとも、検液注入口、酸処理液注入口、酸処理部、中和液注入口、溶離液注入口、検液中の金属化合物のイオンを分離して吸着するためのイオン交換樹脂を充填した濃縮部、pH調整液注入口、抽出溶媒注入口、検液中の金属化合物の錯体又はキレート化物質を溶媒抽出するための抽出部、検液中の金属化合物の吸光度を測定するための検出部、並びにこれらを連結する流路を有する金属化合物濃度測定用マイクロリアクターにおいて、
    (1)検液を該検液注入口から注入すると同時に該酸処理液注入口から酸処理液を注入して、前記検液が前記酸処理液と接触して前記酸処理部で酸処理され、
    (2)前記中和液注入口から中和液を注入して、前記酸処理部を通過した検液に中和を行い、
    (3)前記中和後の検液の金属化合物のイオンを該濃縮部のイオン交換樹脂に吸着させ、
    (4)前記吸着後、該溶離液注入口から溶離液を注入して該濃縮部に吸着された金属化合物のイオンを溶離し、
    (5)前記溶離後、該pH調整液注入口からpH調整液を注入して前記溶離液のpHを調整し、
    (6)該抽出溶媒注入口から抽出溶媒を注入して該抽出部においてpHを調整した溶出液の溶媒抽出を行い、
    (7)前記溶媒抽出から得られた抽出液中の金属化合物の吸光度を該検出部にて測定する、
    ことを特徴とするマイクロリアクター。
  5. 前記酸処理部と同一位置に加熱部を有する請求項3又は4に記載のマイクロリアクター。
  6. 前記抽出溶媒には、キレート剤を含むことを特徴とする請求項2又は4に記載のマイクロリアクター。
  7. 前記キレート剤がジチゾンであることを特徴とする請求項6に記載のマイクロリアクター。
  8. 請求項1〜7のいずれか1に記載のマイクロリアクターを用いて検液中の金属化合物濃度を測定する方法。
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