以下、図を参照しながら、この発明による装置、方法の一実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態においては、ホームネットワークシステムなどと呼ばれる家庭内LANシステムのクライアント装置として用いられるネットワーク装置にこの発明を適用した場合を例にして説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、この実施の形態のLANシステムの概要を説明するための図である。図1に示すように、この実施の形態のLANシステムは、パーソナルコンピュータ1、ノート型パーソナルコンピュータ2、セットトップボックス3、ステレオシステム4、PDA5が接続されて構成されたものである。
パーソナルコンピュータ1、ノート型パーソナルコンピュータ2は、ハードディスクドライブを備えると共に、例えばモデムなどの外部ネットワークへの接続機能を備え、インターネット等に接続して、各種のデジタルコンテンツ(提供情報)を取得して蓄積することができるものである。
また、パーソナルコンピュータ1、ノート型パーソナルコンピュータ2は、CDプレーヤやMDプレーヤなどの外部機器との接続端を備え、それらの外部機器からデジタルコンテンツの提供を受けて、これをハードディスクに記録して、蓄積することもできるものである。
なお、パーソナルコンピュータ1、ノート型パーソナルコンピュータ2に蓄積されるデジタルコンテンツとしては、楽曲の音楽データなどの音声データ、静止画像データ、動画像データ、AVデータ(同期が取られている画像データと音声データ)、プログラムデータ、テキストデータ、キャラクタデータ、その他の種々データなどがある。
また、図1において、セットトップボックス3、ステレオシステム4、PDA5のそれぞれは、パーソナルコンピュータ1やノート型パーソナルコンピュータ2からデジタルコンテンツの提供を受けて、これを再生する装置である。したがって、セットトップボックス3、ステレオシステム4、PDA5のそれぞれは、パーソナルコンピュータ1、ノート型パーソナルコンピュータ2をサーバ装置とした場合のクライアント装置として位置付けられるものである。
そして、セットトップボックス3にはモニタ受像機が接続されており、ケーブルテレビ網などを通じて提供される放送番組データ(AVデータ)を受信してデコードし、音声と映像とを再生することができると共に、パーソナルコンピュータ1やノート型パーソナルコンピュータ2から、音声データ、静止画像データ、動画データ、AVデータ等の提供を受けて、これを再生することができるものである。
また、ステレオシステム4は、パーソナルコンピュータ1やノート型パーソナルコンピュータ2から、音声データの提供を受けて、これを再生することができるものである。また、PDA5は、パーソナルコンピュータ1やノート型パーソナルコンピュータ2から、音声データ、静止画像データ、動画データ、AVデータの提供を受けて、これを再生することができるものである。さらに、図1に示したように、セットトップボックス3とPDA5との間で、音声データ、静止画像データ、動画データ、AVデータの送受を行うこともできるようになっている。
なお、図1においては示さなかったが、ノート型パーソナルコンピュータ2とPDA5との間においても、音声データ、静止画像データ、動画データ、AVデータの送受が可能であるし、また、セットトップボックス3とステレオシステム4との間、ステレオシステム4とPDA5との間においても、音声データの送受を行うことができるようにしている。また、パーソナルコンピュータ1とノート型パーソナルコンピュータ2との間においても、音声データ、静止画像データ、動画データ、AVデータ等の送受を行うことができるようにしている。したがって、パーソナルコンピュータ1、ノート型パーソナルコンピュータ2のそれぞれは、クライアント装置として機能することも可能なものである。
また、図1においては、LANシステムの構成を概念的に示したが、図1のようなLANシステムは、バス型、リング型、スータ型のいずれのトポロジを用いて形成することが可能であるし、また、各トポロジを混合した形式を用いるようにして形成することも可能である。
そして、この実施の形態においては、図1に示したように形成されているLANシステムにおいて、例えば、パーソナルコンピュータ1からステレオシステム4やPDA5が音楽データなどのデジタルコンテンツのパケット配信を受けて、これをストリーミング再生する場合を考える。なお、この実施の形態においては、IP(Internet Protocol)パケットを用いて通信を行う場合を例にして説明する。
図2は、この実施の形態のLANシステムにおいて行うことが可能な例えば音楽データなどのデジタルコンテンツのストリーミング再生について説明するための図である。図2においてサーバ装置100は、図1に示したパーソナルコンピュータ1やノート型パーソナルコンピュータ2などの装置であり、多数のデジタルコンテンツを蓄積しているハードディスク103などの記録媒体を備えると共に、クライアント装置からの要求を受信したり、受信した要求に応じた情報を送信したりするための通信部102を備えたものである。
また、クライアント装置200は、上述もしたように、パーソナルコンピュータ1などのサーバ装置100からデジタルコンテンツの提供を受けるセットトップボックス3やPDA5などの装置であり、サーバ装置100に要求を送信したり、サーバ装置100から送信されてくる情報を受信したりする通信部202と、サーバ装置100からの映像データ(画像データ)を処理する映像信号処理部203やLCDなどの表示素子204、サーバ装置100からの音声データを処理する音声信号処理部205やスピーカー206を備えたものである。
そして、クライアント装置200は、サーバ装置100に対してIPパケットにより目的とするデジタルコンテンツの提供要求を生成して送信する。サーバ装置100は、クライアント装置200からの提供要求に応じて、要求されたデジタルコンテンツが提供可能な場合には、その旨の応答を返信すると共に、図2において点線矢印で示すように、要求されたデジタルコンテンツをIPパケットにより順次に送信し、要求元のクライアント装置200に提供する。
クライアント装置200は、サーバ装置100からのIPパケットを通信部202を通じて順次に受信し、映像信号処理部203、音声信号処理部205で処理して、表示部204、スピーカー206を通じて再生する。また、要求されたデジタルコンテンツの提供が何らかの原因により提供不能な場合には、その旨を通知する応答がサーバ装置100からクライアント装置200に返信されることになる。
なお、ここで用いるようにしたIPパケットは、インターネット上で送受信されるデータの単位であり、正式にはIPデータグラムと呼ばれるものである。サーバ装置などのいわゆるホストで動作するアプリケーション・プログラム間で通信されるデータは、「IPパケット」というデータの固まりの単位を用いて、送信ホストから適切な宛先ホストまで転送される。IPは上述もしたように、Internet Protocolの略であり、このInternet Protocolは、上位層からのデータを適切なサイズに分割したり、パケットを宛先に運んだりするための通信手順(プロトコル)である。
IPパケットは、(1)宛先ホストのIPアドレスや送信ホストのIPアドレスが書かれたヘッダ部と呼ばれる部分と、(2)アプリケーションのデータが格納されるデータ部と呼ばれる部分とからなっている。IPパケットは、ヘッダ部分に書き込まれている宛先ホストのIPアドレス情報を基に、宛先ホストまで転送される。このように、IPパケットを用いることにより、目的とする機器にデータを送信することができるようにされる。
また、IPパケットにより提供されるデジタルコンテンツのストリーミング再生は、ネットワークで、データを転送しながら順次再生可能にする技術である。インターネット上でオーディオやビデオなどのマルチメディア・コンテンツを伝送する方法には、ダウンロード型とストリーミング型がある。
ダウンロード型は、デジタルコンテンツそのものをファイルとして相手に転送する方法で、通常はダウンロードが終了するまでデジタルコンテンツの中身を再生することができないものである。これに対してストリーミング型は、送信サーバ側から逐次連続的にデジタルコンテンツのデータを細切れに送ることによって、受信側はデータをバッファリングしながら順次再生できるメカニズムを持つものである。このため、ダウンロード型では実現できなかったいわゆるライブ(生)映像のリアルタイム配信のほか、低速回線を使用している場合でも、簡易動画のリアルタイム再生ができるようにされる。
そして、サーバ装置100のハードディスクに記録されているコンテンツデータの中から、再生しようとするデジタルコンテンツを選択する場合には、サーバ装置100からコンテンツリスト(提供情報の一覧リスト)の提供を受け、そのコンテンツリストを表示手段に表示し、これを通じてデジタルコンテンツ選択を行うことが可能となる。
次に、この実施の形態で用いられるサーバ装置100とクライアント装置200との基本構成について説明する。まず、サーバ装置100について説明する。
図3は、サーバ装置100を説明するためのブロック図であり、サーバ装置100として機能する、例えばパーソナルコンピュータ1やノート型パーソナルコンピュータ等の基本構成を示すものである。
図3に示すように、サーバ装置100は、LANに接続するための接続端101と、通信部102と、多数のデジタルコンテンツ(提供情報)を蓄積するコンテンツ蓄積用ハードディスク103と、種々の処理において作業用エリアとして用いられる作業用ハードディスク104と、制御部150と、フォーマット変換部161と、キーインターフェース(以下、キーI/Fと略称する。)162、キー操作部163と、外部インターフェース(以下、外部I/Fと略称する。)164と、外部機器接続端165とを備えたものである。
制御部150は、サーバ装置100の各部を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)151と、ROM(Read Only Memory)152と、RAM(Random Access Memory)153と、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)154とが、CPUバス155を通じて接続されて形成されたマイクロコンピュータである。
ここで、ROM152は、CPU151において実行するプログラムや処理に必要なデータなどが記録されたものであり、RAM153は、主に各種に処理において作業領域として用いられるものである。EEPROM154は、いわゆる不揮発性メモリーであり、種々のパラメータなどが記憶されるものである。
また、フォーマット変換部161は、接続端101、通信部102を通じて受け付けたデジタルコンテンツや外部機器接続端165、外部I/F164を通じて受け付けたデジタルコンテンツのフォーマット変換を行ったり、コンテンツ蓄積用ハードディスク103に記録されているコンテンツデータのフォーマット変換を行ったりするものである。
したがって、このサーバ装置100に供給されたデジタルコンテンツのフォーマットを変換してコンテンツ蓄積用ハードディスク103に記録したり、コンテンツ蓄積用ハードディスクから読み出したデジタルコンテンツのフォーマットを変換して、このサーバ装置100から出力したりすることができるようにしている。なお、フォーマット変換部161は、ハードウエアとして形成することもできるし、制御部150において実行されるソフトウエアによっても実現することができる。
また、キー操作部163は、ユーザーからの操作入力を受け付けるものであり、カーソルを移動するための矢印キーや種々のファンクションキーなどが設けられたものである。このキー操作部163を通じて受け付けた操作入力に応じた電気信号は、キーI/F162を通じて制御部150に供給するようにされる。これにより、サーバ装置100は、ユーザーからの操作入力に応じた動作を行うことができるようにされる。
また、外部機器接続端165、外部I/F164は、デジタルインターフェースを構成し、外部機器接続端に接続されたデジタル電子機器から供給されるデジタル信号を受け付け、これをサーバ装置100において処理可能な形式の信号に変換し、これを制御部150に供給することができるものである。
そして、制御部150は、外部I/F162からのデジタルデータをコンテンツ蓄積用ディスク103に記録したり、通信部102を通じてネットワークに送出したり、フォーマット変換部161を通じてフォーマット変換した後のコンテンツ蓄積用ハードディスクに記録したり、変換後のデジタルコンテンツを通信部102を通じてネットワークに出力するようにしたりすることができるようにしている。
図4は、この図3に示したサーバ装置100のフォーマット変換機能を説明するための図である。例えば、ネットワークの接続端101あるいは外部機器接続端165を通じて、CD301、MD302、半導体メモリー303を記録媒体として用いる機器からのフォーマットAのデジタルコンテンツの提供を受けると、これをフォーマットAのままコンテンツ蓄積用ハードディスク103に記録したり、フォーマット変換部161の機能によりフォーマットBに変換してコンテンツ蓄積用ハードディスク103に記録したりすることができるようにしている。もちろん、フォーマットAのデジタルコンテンツをフォーマットAとフォーマットBとの両方で記録することができるようにしている。
また、この実施の形態のサーバ装置100は、コンテンツ蓄積用ハードディスク103に蓄積されているデジタルコンテンツをそのフォーマットのまま出力するようにしたり、また、フォーマット変換部161の機能により、フォーマットAやフォーマットBと波異なるフォーマットCに変換して出力することもできるようにしている。
なお、サーバ装置100へのデジタルコンテンツの入力時のフォーマット変換も、サーバ装置100からのデジタルコンテンツの出力時のフォーマット変換も、図3に示したサーバ装置100のフォーマット変換部161において行われることになる。このため、図4においては、フォーマット変換部161の機能として、フォーマット変換161(in)、161(out)というように、入力(in)と出力(out)とを分けて記載している。
そして、上述もしたように、サーバ装置100は、接続端101、通信部102を通じて、クライアント装置200からのコンテンツリスト(コンテンツ一覧リスト)の提供要求を受信し、制御部150に通知する。制御部150は、クライアント装置200からの要求に応じて、コンテンツ蓄積用ハードディスク103に蓄積されているデジタルコンテンツの一覧表(コンテンツリスト)を形成して、これを通信部102、接続端101を通じてIPパケットとしてLANに送出し、クライアント装置200に提供することができるようにしている。
また、制御部150は、クライアント装置200から送信されてくるデジタルコンテンツの提供要求を接続端101、通信部102を通じて受信し、受信した提供要求に応じたデジタルコンテンツをコンテンツ蓄積用ハードディスク103から読み出して、この読み出したデジタルコンテンツをそのまま、あるいは、読み出したデジタルコンテンツをフォーマット変換して、通信部102、接続端101を通じてIPパケットとしてLANに送出し、要求元のクライアント装置200に提供することができるようにしている。
なお、制御部150のCPU151で実行されるプログラムは、ROM152だけでなく、例えば、作業用ハードディスク104などにも記憶されており、制御部150のCPU151は、ハードディスク104に記憶されているプログラムを読み出してきて実行することもできるものである。
さらに、この実施の形態のサーバ装置100は、音声信号処理部や音声出力端、映像信号処理部や映像出力端を備え、コンテンツ蓄積用ハードディスク103に蓄積されているデジタルコンテンツを再生して出力したり、通信部102などを通じて受け付けたデジタルコンテンツに基づいて、ストリーミング再生をしたりすることもできるものである。すなわち、サーバ装置100は、以下に詳述するクライアント装置200としての機能をも兼ね備えたものである。
次に、クライアント装置200について説明する。図5は、クライアント装置200を説明するためのブロック図であり、クライアント装置200として機能する、例えば、PDA5等の基本構成を示すものである。
図5に示すように、クライアント装置200は、LANに接続するための接続端201と、通信部202と、映像信号処理部203と、表示部204と、音声信号処理部205と、スピーカー206と、制御部250と、キーインターフェース(以下、キーI/Fと略称する。)261と、キー操作部262と、リモコン信号受光部263とを備えたものである。
制御部250は、クライアント装置200の各部を制御するものであり、CPU251と、ROM252と、RAM253と、EEPROM254とが、CPUバス255を通じて接続されて形成されたマイクロコンピュータである。
ここで、ROM252は、CPU251において実行するプログラムや処理に必要なデータなどが記録されたものであり、RAM253は、主に各種に処理において作業領域として用いられるものである。EEPROM253は、いわゆる不揮発性メモリーであり、クライアント装置200の電源が落とされても保持しておくべき種々のデータが記録されるものである。
EEPROM253には、例えば、種々のパラメータなどが記憶されるほか、詳しくは後述もするが、サーバ装置100に対してデジタルコンテンツの提供を要求する場合に、デジタルコンテンツのフォーマットを指定するためのフォーマットの優先順位を示す情報を保持する優先順位テーブルなどが記録される。
映像信号処理部203は、所定のフォーマットのデジタル静止画データ、デジタル動画データの供給を受けて、これをデコードし、表示部204に供給するアナログ映像信号を形成して、これを表示部204に供給するものである。表示部204は、例えば、LCD、CRT(Cathode-Ray Tube)、有機EL(Electronic Luminescence)、プラズマディスプレイなどであり、映像信号処理部203からの映像信号の供給を受け、これに応じた画像を自己の表示画面に表示する。
また、音声信号処理部205は、所定のフォーマットのデジタル音声信号の供給を受けて、これをデコードし、スピーカー206に供給するアナログ音声信号を形成し、これをスピーカー206に供給する物である。スピーカー206は、音声信号処理部からの音声信号に応じた音声を放音する。
このように、クライアント装置200は、映像信号処理部203と表示部204とからなる画像再生系と、音声信号処理部205とスピーカー206とからなる音声再生系とを備えるものである。
そして、制御部250には、図5に示したように、キーI/F261を通じてキー操作部262が接続されている。キー操作部262は、種々の操作キーを備えたものであり、ユーザーからの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた電気信号を形成し、これをキーI/F261を通じて制御部250に供給することができるものである。
また、リモコン信号受光部263は、リモートコマンダ(以下、リモコンという。)270からの例えば赤外線のリモコン信号を受光し、これを電気信号に変換して制御部250に供給することができるものである。リモコン270は、種々の操作キーを備え、ユーザーからの操作入力を受け付けて、これに応じたリモコン信号を形成して送出するものである。
キー操作部262、リモコン270は、いずれもカーソル移動のための矢印キーや決定キー、その他の操作キーを備えたものであり、コンテンツリストを要求したり、コンテンツリストから目的とするデジタルコンテンツを選択して目的とするコンテンツを要求したりするなどの種々の操作を受け付けることができるものである。
そして、クライアント装置200の制御部250は、キー操作部262、あるいは、リモコン270を通じて受け付けたユーザーからのコンテンツリストの表示指示に応じて、コンテンツリストの提供要求を形成し、これを通信部202、接続端201を通じてIPパケットとしてLANに送出し、サーバ装置100に送信する。
これに応じて、サーバ装置100から送信されてくるコンテンツリストが、接続端201、通信部202を通じて受信されて、制御部250に供給され、RAM253に一時記憶される。このRAM253に記憶されたコンテンツリストが、映像信号処理部203を通じて表示部204に供給され、表示部204の表示画面にコンテンツリストが表示され、ユーザーは目的とするデジタルコンテンツの選択を行うことができるようにされる。
そして、目的とするデジタルコンテンツがコンテンツリスト上に見つかった時には、上述もしたように、その目的とするデジタルコンテンツの情報の表示欄(例えば、デジタルコンテンツのタイトルやアーチスト名の表示欄)にカーソルを位置付け、決定キーを操作することにより、そのデジタルコンテンツの識別IDを含む提供要求が制御部250において形成され、通信部202、接続端201を通じてIPパケットとしてLANに送出され、サーバ装置100に送信される。
これに応じて、サーバ装置100から目的とするデジタルコンテンツがIPパケットとして送信されてくるので、これが接続端201、通信部202を通じて受信され、この例の場合には、制御部250を通じて画像パケットは、映像信号処理部203に、音声パケットは、音声信号処理部205に供給される。
そして、上述もしたように、映像信号処理部203においては、これに供給された画像データからアナログ映像信号が形成されて、これが表示部204に供給されることによりデジタルコンテンツの映像が表示部204の表示画面に表示される。また、音声信号処理部205においては、これに供給された音声データからアナログ音声信号が形成されて、これがスピーカーに供給されることにより、デジタルコンテンツの音声がスピーカーから放音される。このようにして、サーバ装置100からのデジタルコンテンツのクライアント装置200におけるストリーミング再生が行うようにされる。
また、この実施の形態のクライアント装置200の映像信号処理部203、音声信号処理部205は、複数の異なるフォーマットに対応することができるものである。例えば、音声信号の場合には、LPCM、ATRAC、MP3等に対応可能であり、映像信号についても、MPEG1、MPEG2等に対応可能である。
そして、どのフォーマットを用いるようにするかは、上述したEEPROM254に形成される優先順位テーブルによって、用いるフォーマットの優先順位が指示するようにされ、優先順位の高いフォーマットでサーバ装置100からデジタルデータの提供を受けて利用することができるようにされる。
そして、目的とするフォーマットのデジタルコンテンツが存在しない場合には、優先順位の低いフォーマットでデジタルコンテンツの提供を要求するようにしたり、ネットワークに利用可能な空き帯域が少ない場合には、帯域の狭いフォーマットでデジタルコンテンツの提供を受けたりすることができるようにしている。
なお、図5に示したクライアント装置200は、上述もしたように、映像信号処理部203と表示部204とからなる画像処理系と、音声信号処理部205とスピーカー206とからなる音声処理系とを備えるものである。しかし、図1に示したステレオシステム4の場合には、図5に示したクライアント装置200の画像処理系を備えない構成がその基本構成となる。この場合、ステレオシステム4が、LCDなどを備え、コンテンツリストなどの表示が可能なものである場合には、図5に示した構成と同様の構成になる。
また、図5に示したクライアント装置200の表示部204とスピーカー205の機能を外部のモニタ受像やスピーカーに持たせるようにしたものが図1に示したセットトップボックス3の基本構成となる。
また、上述したクライアント装置200の映像信号処理部203と音声信号処理部205とは例えば制御部250において実行されるソフトウエアによって実現することも可能である。
そして、上述もしたように、この実施の形態のクライアント装置100は、複数のフォーマットに対応することができるものであり、どのフォーマットを用いるか、すなわち、サーバ装置100に対して要求するデジタルコンテンツのフォーマットをどれにするかについては、予め決めておき、EEPROM254に優先順位テーブルとして登録するようにしている。
図6は、優先順位テーブルの一例を説明するための図である。ここでは、処理対象のデジタルコンテンツが音声データである場合を例にして説明する。そして、ここでは、優先種別として、「音質優先」と「帯域優先」とを設けるようにしている。「音質優先」は、再生時の音質を優先することを意味するものであり、また、「帯域優先」は、ネットワークの空き帯域を考慮し、途切れることなく適正に音声データを伝送することを優先することを意味するものである。
したがって、「音質優先」の場合には、非圧縮フォーマットであり忠実に原音再生の可能なLPCM方式を優先順位1位のフォーマットとし、以降、可逆性の高い順に、クライアント装置200において利用可能なフォーマットを順位付けるようにする。また、「帯域優先」の場合には、圧縮率の高い順に、クライアント装置200において利用可能なフォーマットを順位付けるようにする。
図6に示す例の場合には、「音質優先」の場合には、優先順位1がフォーマットA、優先順位2がフォーマットB、…というように設定されている場合を示している。また、「帯域優先」の場合には、優先順位1がフォーマットB、優先順位2位がフォーマットA、…というように、設定されている場合を示している。また、図6に示したように、優先順位テーブルには、選択フラグが設けられており、「音質優先」と「帯域優先」の内のどちらを用いるかを選択することができるようにしている。図6に示した例の場合には、「音質優先」が選択されていることを示している。
図7、図8は、優先順位テーブルの登録情報を考慮したデジタルコンテンツの提供を要求する場合の処理について説明するための図である。例えば、図6に示したように、登録されている優先順位テーブルの「音質優先」が選択されているものとする。この場合に、クライアント装置200のユーザーがサーバ装置100に提供を要求するデジタルコンテンツを選択して、確定すると、クライアント装置200の制御部250は、EEPROM254に形成されている図6に示した優先順位テーブルを参照し、図7(A)に示すように、優先種別が「音質優先」の場合の優先順位1位のフォーマットAによりデジタルコンテンツの提供が可能か否かをサーバ装置100に確認する。
この例において、サーバ装置100のコンテンツ蓄積用ハードディスク103には、同じデジタルコンテンツにつき、図7(A)に示したように、フォーマットAとフォーマットBとのそれぞれでフォーマットされたデータを保持しているとする。この場合、サーバ装置100は、要求されたフォーマットAでのデジタルコンテンツの提供が可能である旨の応答を返信する。
フォーマットAでデジタルコンテンツの提供が可能であるとの応答を受信したクライアント装置200は、目的とするデジタルコンテンツをフォーマットAで提供するようにする提供要求を形成し、これをサーバ装置に送信する。この提供要求に応じて、サーバ装置100は、コンテンツ蓄積用ハードディスク103から目的とするフォーマットAのデジタルコンテンツを読み出し、これを要求元のクライアント装置200に提供し、デジタルコンテンツの高品質再生ができるようにしている。
なお、サーバ装置100に要求されたフォーマットAのデジタルコンテンツが蓄積されておらず、提供不能な場合には、要求されたフォーマットAでの提供はできない旨の応答を返信してくるので、クライアント装置200は、優先順位テーブルを参照し、優先区分が「音質優先」の場合の優先順位が2位のフォーマットBでのデジタルコンテンツの提供が可能か否かを確認し、提供可能である場合には、フォーマットBで目的とするデジタルコンテンツの提供を要求し、提供不能である場合には、さらに順位の低いフォーマットで提供可能か否かを確認することになる。
また、図6に示したように、登録されている優先順位テーブルの「帯域優先」が選択されているにおいて、クライアント装置200のユーザーがサーバ装置100に提供を要求するデジタルコンテンツを選択して、確定すると、クライアント装置200の制御部250は、EEPROM254に形成される図6に示した優先順位テーブルを参照し、図7(B)に示すように、優先種別が「帯域優先」の場合の優先順位1位のフォーマットBによりデジタルコンテンツの提供が可能か否かをサーバ装置100に確認する。
この例において、サーバ装置100のコンテンツ蓄積用ハードディスク103には、同じデジタルコンテンツにつき、図7(B)に示したように、フォーマットAとフォーマットBとのそれぞれでフォーマットされたデータを保持しているとする。この場合、サーバ装置100は、要求されたフォーマットBでのデジタルコンテンツの提供が可能である旨の応答を返信する。
フォーマットBでデジタルコンテンツの提供が可能であるとの応答を受信したクライアント装置200は、目的とするデジタルコンテンツをフォーマットBで提供するようにする提供要求を形成し、これをサーバ装置に送信する。この提供要求に応じて、サーバ装置100は、コンテンツ蓄積用ハードディスク103から目的とするフォーマットBのデジタルコンテンツを読み出し、これを要求元のクライアント装置200に提供し、デジタルコンテンツの高品質再生ができるようにしている。
なお、サーバ装置100に要求されたフォーマットBのデジタルコンテンツが蓄積されておらず、提供不能な場合には、要求されたフォーマットBでの提供はできない旨の応答を返信してくるので、クライアント装置200は、優先順位テーブルを参照し、優先区分が「帯域優先」の場合の優先順位が2位のフォーマットAでのデジタルコンテンツの提供が可能か否かを確認し、提供可能である場合には、フォーマットAで目的とするデジタルコンテンツの提供を要求し、提供不能である場合には、さらに順位の低いフォーマットで提供可能か否かを確認することになる。
図8は、サーバ装置100においてデジタルコンテンツのフォーマット変換を伴うデジタルコンテンツの提供処理を説明するための図である。例えば、図7(A)を用いて説明した場合と同様に、EEPROM254の優先順位テーブルにおいては、「音質優先」が選択されており、クライアント装置200のユーザーがサーバ装置100に提供を要求するデジタルコンテンツを選択して、確定すると、クライアント装置200の制御部250は、EEPROM254に形成されている図6に示した優先順位テーブルを参照し、図8(A)に示すように、優先種別が「音質優先」の場合の優先順位1位のフォーマットAによりデジタルコンテンツの提供が可能か否かをサーバ装置100に確認する。
この例において、サーバ装置100のコンテンツ蓄積用ハードディスク103には、図8(A)に示ように、フォーマットBでフォーマットされたデータしか保持していないとする。この場合、サーバ装置100は、フォーマットBのデジタルコンテンツをフォーマットAに変換して、提供可能な場合には、要求されたフォーマットAでのデジタルコンテンツの提供が可能である旨の応答を返信する。
フォーマットAでデジタルコンテンツの提供が可能であるとの応答を受信したクライアント装置200は、目的とするデジタルコンテンツをフォーマットAで提供するようにする提供要求を形成し、これをサーバ装置100に送信する。この提供要求に応じて、サーバ装置100は、コンテンツ蓄積用ハードディスク103から目的とするフォーマットBのデジタルコンテンツを読み出し、これをフォーマットAに変換してから要求元のクライアント装置200に提供することによって、デジタルコンテンツの高品質再生ができるようにしている。
また、図7(B)を用いて説明した場合と同様に、EEPROM254の優先順位テーブルにおいては、「帯域優先」が選択されており、クライアント装置200のユーザーがサーバ装置100に提供を要求するデジタルコンテンツを選択して、確定すると、クライアント装置200の制御部250は、EEPROM254に形成されている図6に示した優先順位テーブルを参照し、図8(B)に示すように、優先種別が「帯域優先」の場合の優先順位1位のフォーマットBによりデジタルコンテンツの提供が可能か否かをサーバ装置100に確認する。
この例において、サーバ装置100のコンテンツ蓄積用ハードディスク103には、図8(B)に示ように、フォーマットAでフォーマットされたデータしか保持していないとする。この場合、サーバ装置100は、フォーマットAのデジタルコンテンツをフォーマットBに変換して、提供可能な場合には、要求されたフォーマットBでのデジタルコンテンツの提供が可能である旨の応答を返信する。
フォーマットBでデジタルコンテンツの提供が可能であるとの応答を受信したクライアント装置200は、目的とするデジタルコンテンツをフォーマットBで提供するようにする提供要求を形成し、これをサーバ装置100に送信する。この提供要求に応じて、サーバ装置100は、コンテンツ蓄積用ハードディスク103から目的とするフォーマットAのデジタルコンテンツを読み出し、これをフォーマットBに変換してから要求元のクライアント装置200に提供することによって、デジタルコンテンツの高品質再生ができるようにしている。
このように、サーバ装置100は、要求されたフォーマットのデジタルコンテンツが自己のコンテンツ蓄積用ハードディスク103に存在しない場合であっても、自己のフォーマット変換部261の機能により、要求されたフォーマットに変換して提供することが可能である場合には、要求されたフォーマットでのデジタルコンテンツの提供が可能である旨の応答を返信し、クライアント装置200からの提供要求に応じて、要求されたデジタルコンテンツを要求されたフォーマットに変換して出力することもできるものである。
次に、クライアント装置200からデジタルコンテンツの提供をサーバ装置100に要求して目的とするデジタルコンテンツの提供を要求する場合の処理を、ユーザー、クライアント装置200、サーバ装置100それぞれで行われる処理について説明する。図9は、「音質優先」としてデジタルコンテンツを利用する場合の例を説明するための図である。
クライアント装置200のユーザーは、目的とするデジタルコンテンツの提供をサーバ装置100に要求する以前に、優先順位テーブルの作成および優先区分の選択をクライアント装置200に対して行っておくようにする(ステップS1)。これにより、クライアント装置200のEEPROM254には、図9に示したように、優先区分が「音質優先」とされ、優先順位1位がフォーマットA、2位がフォーマットBとされた優先順位テーブルが形成される。
そして、クライアント装置200のユーザーは、クライアント装置200に対して、クライアント装置200のキー操作部262あるいはリモコン270を操作することにより、コンテンツリストを表示するように指示し、表示されたコンテンツリストを通じて、目的とするデジタルコンテンツの選択および選択したデジタルコンテンツの再生を指示するようにする(ステップS2)。
この再生指示を受け付けると、クライアント装置200は、優先順位テーブルを参照し、優先区分が「音質優先」における優先順位の高いフォーマットから順に、そのフォーマットでのデジタルコンテンツの提供が可能か否かを確認するようにし、これに応じて、サーバ装置100は、自己が保持するデジタルコンテンツのフォーマットおよび自己のフォーマット変換機能に基づいて、確認が指示されたフォーマットでのデジタルコンテンツの提供が可能か否かの応答を返信する(ステップS3)。
そして、クライアント装置200は、最初に提供が可能であると確認が取れたフォーマットでデジタルコンテンツを提供するように要求する提供要求を形成し、これをサーバ装置200に送信する(ステップS4)。サーバ装置100は、クライアント装置200からの提供要求を受信すると、提供要求に含まれる情報に基づいて、提供が要求された所定のフォーマットのデジタルコンテンツをコンテンツ蓄積用ハードディスク103から読み出して、あるいは、読み出したデジタルコンテンツを指示されたフォーマットに変換して、クライアント装置200に送信する(ステップS5)。
クライアント装置200は、サーバ装置100からの指示したフォーマットの目的とするデジタルコンテンツのIPパケットを順次に受信し、これを再生するようにする(ステップS6)。これにより、ユーザーが目的とするデジタルコンテンツをクライアント装置200がサーバ装置100から提供を受けて、これを利用することができるようにされる。
なお、ステップS1において形成するようにした優先順位テーブルは、クライアント装置200のEEPROM254に記憶保持されるので、クライアント装置200の利用態様が変わるなどしない限り変更する必要はない。したがって、一度、優先順位テーブルを形成してしまえば、その後においては、ステップS2からの処理を繰り返すことにより、目的とするデジタルコンテンツをフォーマットAで提供を受けて再生することができるようにされる。
図10は、「帯域優先」としてデジタルコンテンツを利用する場合の例を説明するための図である。図9に示した音質優先の場合と同様に、クライアント装置200のユーザーは、目的とするデジタルコンテンツの提供をサーバ装置100に要求する以前に、優先順位テーブルの作成および優先区分の選択をクライアント装置200に対して行っておくようにする(ステップS11)。これにより、クライアント装置200のEEPROM254には、図10に示したように、優先区分が「帯域優先」とされ、優先順位1位がフォーマットB、2位がフォーマットAとされた優先順位テーブルが形成される。
そして、クライアント装置200のユーザーは、クライアント装置200に対して、クライアント装置200のキー操作部262あるいはリモコン270を操作することにより、コンテンツリストを表示するように指示し、表示されたコンテンツリストを通じて、目的とするデジタルコンテンツの選択および選択したデジタルコンテンツの再生を指示するようにする(ステップS12)。
この再生指示を受け付けると、クライアント装置200は、優先順位テーブルを参照し、優先区分が「帯域優先」における優先順位の高いフォーマットから順に、そのフォーマットでのデジタルコンテンツの提供が可能か否かを確認するようにし、これに応じて、サーバ装置100は、自己が保持するデジタルコンテンツのフォーマットおよび自己のフォーマット変換機能に基づいて、確認が指示されたフォーマットでのデジタルコンテンツの提供が可能か否かの応答を返信する(ステップS13)。
そして、クライアント装置200は、最初に提供が可能であると確認が取れたフォーマットでデジタルコンテンツを提供するように要求する提供要求を形成し、これをサーバ装置200に送信する(ステップS14)。サーバ装置100は、クライアント装置200からの提供要求を受信すると、提供要求に含まれる情報に基づいて、提供が要求された所定のフォーマットのデジタルコンテンツをコンテンツ蓄積用ハードディスク103から読み出して、あるいは、読み出したデジタルコンテンツを指示されたフォーマットに変換して、クライアント装置200に送信する(ステップS15)。
クライアント装置200は、サーバ装置100からの指示したフォーマットの目的とするデジタルコンテンツのIPパケットを順次に受信し、これを再生するようにする(ステップS16)。これにより、ユーザーが目的とするデジタルコンテンツをクライアント装置200がサーバ装置100から提供を受けて、これを利用することができるようにされる。
なお、この場合においても、図9に示した音質優先の場合と同様に、ステップS11において形成するようにした優先順位テーブルは、クライアント装置200のEEPROM254に記憶保持されるので、クライアント装置200の利用態様が変わるなどしない限り変更する必要はない。したがって、一度、優先順位テーブルを形成してしまえば、その後においては、ステップS12からの処理を繰り返すことにより、目的とするデジタルコンテンツをフォーマットAで提供を受けて再生することができるようにされる。
次に、図9、図10に示したクライアント装置200、サーバ装置100のそれぞれで行われる処理の詳細について、図11、図12、図13のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、図9のステップS1、図10のステップS11において説明したように、クライアント装置200で行うようにされる優先順位テーブルの設定処理について、図11のフローチャートを参照しながら説明する。クライアント装置200のキー操作部263やリモコン270を操作することにより、実行可能な処理の一覧リスト(メニューリスト)から「優先順位テーブルの設定」という項目が選択されると、制御部250は、図11に示す優先順位テーブル設定処理を実行する。
まず、制御部250は、図6に示したように、選択フラグ、優先区分、優先順位の入力ができるようにされた優先順位設定画面を表示し(ステップS101)、優先順位設定画面の該当箇所に、キー操作部263やリモコン270を通じて入力される選択フラグ、優先区分、優先順位毎のフォーマット指示のそれぞれを受け付ける(ステップS102)。そして、入力が完了し、確認入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS103)。
ステップS103の判断処理において、確認入力を受け付けていないと判断したときには、終了指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS104)。ステップS104の判断処理において、終了指示を受け付けていないと判断したときには、ステップS102からの処理を繰り返し、優先順位テーブルについての情報の入力を行うことができるようにされ、また、終了指示を受け付けたと判断したときには、優先順位テーブルは形成せずに、図11に示す処理を終了する。
ステップS103の判断処理において、確認入力を受け付けたと判断したときには、受け付けた情報に基づいて、図6に示したような優先順位テーブルを形成し、EEPROM254に記録して(ステップS105)、この図11に示す処理を終了する。
このように、ユーザーは適宜のときに、優先順位テーブルを形成してクライアント装置200のEEPROM254に登録しておくことができるようにされる。なお、図6においては、「音質優先」と「帯域優先」の場合を示したが、いずれか一方だけを登録しておくようにすることももちろんできる。
次に、図9のステップS2、ステップS3、ステップS4、ステップS6を通じて、あるいは、図10に示したステップS12、ステップS13、ステップS14、ステップS16を通じて、クライアント装置200において行われるようにされるデジタルコンテンツのストリーミング再生処理について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。
例えば、サーバ装置100から提供を受けるようにするコンテンツリストをクライアント装置200の表示部204に表示するようにして、再生しようとするデジタルコンテンツの選択入力を受け付ける(ステップS201)。このステップS201の処理においては、キー操作部263、リモコン270を通じて受け付けるユーザーからの操作入力に応じて、コンテンツリストの改ページやカーソル移動が行われるとともに、再生指示入力や終了指示入力が受け付けられるようにされる。
そして、制御部250は、再生指示入力を受け付けたか否か判断し(ステップS202)、受け付けていないと判断したときには、終了指示入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS203)。ステップS203の判断処理において、終了指示入力を受け付けていないと判断したときには、ステップS201からの処理を繰り返すようにし、デジタルコンテンツの選択入力を受け付けるようにする。また、ステップS203の判断処理において、終了指示入力を受け付けたと判断したときには、この図12に示す処理を終了する。
ステップS202の判断処理において、再生指示入力、すなわち、再生使用とするデジタルコンテンツの選択確定入力を受け付けたと判断したときには、制御部250は、EEPROM254に記憶されている優先順位テーブルを参照し、フォーマット形式の初期設定を行う(ステップS204)。このステップS204の処理は、優先順位テーブルに応じたフォーマット(選択されている優先区分の優先順位第1位のフォーマット)を用いるように設定する処理である。
そして、ステップS204で設定したフォーマットでデジタルコンテンツの提供が可能か否かを問い合わせる要求を形成して送信し(ステップS205)、これに応じたサーバ装置100からの応答を受信して、目的とするフォーマットでデジタルコンテンツの提供か可能か否かを判断する(ステップS206)。
ステップS206の判断処理において、目的とするフォーマットのデジタルコンテンツの提供が可能であると判断したときには、制御部250は、ユーザーにより選択されたデジタルコンテンツを目的とするフォーマットで提供するように要求する提供要求を生成し、これを通信部202、接続端201を通じてネットワークに送出してサーバ装置100に送信する(ステップS207)。
そして、サーバ装置100からネットワークを通じてIPパケットの形式で送信されてくるデジタルコンテンツを接続端201、通信部202を通じて受信し、これを制御部205を通じて音声データについては、音声信号処理部205に供給し、また、映像データについては、映像信号処理部203に供給して、順次に再生することにより、ストリーミング再生を行うようにし(ステップS208)、再生終了後にこの図12に示した処理を終了する。
ステップS206の判断処理において、目的とするフォーマットのデジタルコンテンツの提供が不能であると判断したときには、制御部250は、EEPROM254に記憶されている優先順位テーブルを参照し、優先順位が1つ下位のフォーマットを用いるようにフォーマット形式の設定を変更し(ステップS209)、ステップS205からの処理を繰り返すようにする。
なお、ステップS209のフォーマット形式の変更処理に先立って、現在設定されているフォーマットよりも、下位のフォーマットが優先順位テーブルに存在するか否かを確認し、存在しない場合には、下位フォーマットの設定がないことを通知するメッセージを表示するなどして、サーバ装置100からデジタルコンテンツの提供を受けられないことを通知するようにすることもできる。
このように、クライアント装置200は、予め設定された優先順位テーブルを用いることによって、ユーザーにはデジタルコンテンツのフォーマットを特に意識させることなく、優先順位が決められたフォーマットで目的とするデジタルコンテンツの提供を要求し、これを再生するようにすることができる。この場合、どのフォーマットでデジタルコンテンツの提供を要求したかをクライアント装置200把握しているので、再生ができなくなるなどということもない。
次に、図9のステップS4、図10のステップS14において説明したように、サーバ装置100で行われるデジタルコンテンツの提供処理を図13のフローチャートを参照しながら説明する。
サーバ装置100は、自機あての要求を受信したか否かを監視しており(ステップS301)、自機あての要求を受信したと判断したときには、それがコンテンツの提供要求か否かを判断する(ステップS302)。ステップS302の判断処理において、コンテンツの提供要求であると判断したときには、制御部150は、受信した提供要求に含まれる情報に基づいて、要求されたデジタルコンテンツと、そのフォーマットとを判別する(ステップS303)。
そして、制御部150は、ステップS303において判別したフォーマットのデジタルコンテンツをコンテンツ蓄積用ハードディスク103から読み出して、これを要求元のクライアント装置に送信し(ステップS304)、この図13の処理を終了する。
ステップS302の判断処理において、受信した要求は、コンテンツの提供要求ではないと判断したときには、受信した要求は、フォーマットの確認要求か否かを判断する(ステップS305)。
ステップS305の判断処理において、フォーマットの確認要求であると判断したときには、コンテンツ蓄積用ハードディスク103に蓄積されているデジタルコンテンツのフォーマット、および、自己のフォーマット変換機能に基づいて、要求されたフォーマットでデジタルコンテンツの提供が可能か否かを確認する(ステップS306)。
そして、ステップS306の確認の結果、確認が要求されたフォーマットでデジタルコンテンツの提供が可能か否かを判断する(ステップS307)。ステップS307の判断処理において、確認が要求されたフォーマットでデジタルコンテンツの提供が可能であると判断したときには、可能応答を形成し、これを要求元のクライアント装置に送信して(ステップS308)、この図13の処理を終了する。
また、ステップS307の判断処理において、確認が要求されたフォーマットでデジタルコンテンツの提供が不能であると判断したときには、不可能応答を形成し、これを要求元のクライアント装置に送信し(ステップS309)、この図13に示す処理を終了する。
また、ステップS305の判断処理において、フォーマットの確認要求ではないと判断したときには、サーバ装置100は、受信した要求に応じたその他の処理、例えば、コンテンツリスト(提供可能なデジタルコンテンツの一覧リスト)等の処理が行われることになる(ステップS310)。
このように、サーバ装置100は、クライアント装置200からのフォーマットの確認要求に応答することができると共に、デジタルコンテンツの提供要求に応じて、要求されたデジタルコンテンツを要求されたフォーマットで提供することができるものである。
[第2の実施の形態]
上述した第1の実施の形態においては、EEPROM254に形成された優先順位テーブルを用いることによって、ユーザーにデジタルコンテンツのフォーマットを意識させることなく、デジタルコンテンツの提供を受けることができるようにした。しかし、サーバ装置100およびクライアント装置200が接続されるネットワークの通信上状況によっては、優先順位の高いフォーマットでのデジタルコンテンツの提供に支障が生じる場合もあると考えられる。
例えば、ネットワークにおいて、他のネットワーク機器が通信を行っている場合には、ネットワークの利用可能帯域が狭くなる。この場合に、広い伝送帯域が必要であるが、最も音質のよいLPCM形式のフォーマットのデジタルコンテンツを要求し、ストリーミング再生を行うようにすると、ネットワークの利用帯域が不足するために、いわゆる音飛びの原因になりかねない。
そこで、以下に説明する第2の実施の形態においては、クライアント装置200において、ネットワークの通信状況(利用状況)を確認し、予定するフォーマットでデジタルコンテンツの伝送を行うために充分な帯域が確保できないと判断した場合に、優先順位の低いフォーマット(この場合には、利用帯域が狭くて済むフォーマット)でデジタルコンテンツの提供を要求するようにしている。
なお、この第2の実施の形態においても、LANシステム、サーバ装置100、クライアント装置200の構成および機能は、図1〜図5を用いて説明した第1の実施の形態の場合と同様である。そして、この第2の実施の形態の場合には、クライアント装置200におけるデジタルコンテンツの再生処理が上述した第1の実施の形態の場合とは異なることになる。
図14は、この第2の実施の形態におけるユーザー、クライアント装置200、サーバ装置100のそれぞれで行われる処理について説明するための図である。この図14の例は、「音質優先」としてデジタルコンテンツを利用する場合の例である。
クライアント装置200のユーザーは、目的とするデジタルコンテンツの提供をサーバ装置100に要求する以前に、優先順位テーブルの作成および優先区分の選択をクライアント装置200に対して行っておくようにする(ステップS21)。これにより、クライアント装置200のEEPROM254には、図14に示したように、優先区分が「音質優先」とされ、優先順位1位がフォーマットA、2位がフォーマットBとされた優先順位テーブルが形成される。
そして、クライアント装置200のユーザーは、クライアント装置200に対して、クライアント装置200のキー操作部262あるいはリモコン270を操作することにより、コンテンツリストを表示するように指示し、表示されたコンテンツリストを通じて、目的とするデジタルコンテンツの選択および選択したデジタルコンテンツの再生を指示するようにする(ステップS22)。
この再生指示を受け付けると、クライアント装置200の制御部250は、EEPROM254に形成された優先順位テーブルを参照し、優先区分が「音質優先」における優先順位の高いフォーマットから順に、当該フォーマットのデジタルコンテンツを伝送するために充分な帯域が確保できるか否かを確認する伝送路(ネットワーク)の通信状況の確認処理を行い(ステップS23)、充分な帯域が確保できることが確認できた場合には、当該フォーマットのデジタルコンテンツを提供することができるか否かをサーバ装置100に問い合わせる提供の確認処理を行うようにする(ステップS24)。
すなわち、ステップS23、ステップS24の確認処理において、ネットワークの利用可能帯域が充分でなかったり、あるいは、サーバ装置100が目的とするフォーマットでデジタルコンテンツを提供できなかったりすることが確認された場合には、優先順位テーブルの情報に基づいて、優先順位の低いフォーマットに変更し、伝送に要するネットワークの帯域も充分に確保でき、かつ、サーバ装置100も対応可能なフォーマットを選択するようにする。
なお、ステップS23において行われる通信状況の確認処理は、クライアント装置200から小数の計測用パケットを一定速度でプロービングし、そのRTT(Round Trip Time)の計測結果から利用可能帯域を求めるようにしたり、ICMP(Internet Control Message Protocol)エコーパケットを利用したpingのようなエコーッパケットをデータを送受する機器間(この例の場合、クライアント装置200とサーバ装置100との間)で往復させ、それにかかる時間によって、ネットワークの通信状況を確認したりするなど、種々の方法を用いることが可能である。
そして、クライアント装置200は、伝送に要するネットワークの帯域も充分に確保でき、かつ、サーバ装置100も対応可能なフォーマットで目的とするデジタルコンテンツを提供するように要求する提供要求を生成してサーバ装置100に送信する(ステップS25)。
サーバ装置100は、クライアント装置200からの提供要求を受信すると、提供要求に含まれる情報に基づいて、提供が要求された所定のフォーマットの目的とするデジタルコンテンツをコンテンツ蓄積用ハードディスク103から読み出して、あるいは、読み出したデジタルコンテンツを指示されたフォーマットに変換して、クライアント装置200に送信する(ステップS26)。
クライアント装置200は、サーバ装置100からの指示したフォーマットの目的とするデジタルコンテンツのIPパケットを順次に受信し、これを再生するようにする(ステップS27)。これにより、ユーザーが目的とするデジタルコンテンツをクライアント装置200がサーバ装置100から提供を受けて、これを利用することができるようにされる。
次に、図14のステップS22、ステップS23、ステップS24、ステップS25、ステップS26を通じて、クライアント装置200において行われるようにされるデジタルコンテンツのストリーミング再生処理について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。
例えば、サーバ装置100から提供を受けるようにするコンテンツリストをクライアント装置200の表示部204に表示するようにして、再生しようとするデジタルコンテンツの選択入力を受け付ける(ステップS401)。このステップS401の処理においては、キー操作部263、リモコン270を通じて受け付けるユーザーからの操作入力に応じて、コンテンツリストの改ページやカーソル移動が行われるとともに、再生指示入力や終了指示入力が受け付けられるようにされる。
そして、制御部250は、再生指示入力を受け付けたか否か判断し(ステップS402)、受け付けていないと判断したときには、終了指示入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS403)。ステップS403の判断処理において、終了指示入力を受け付けていないと判断したときには、ステップS401からの処理を繰り返すようにし、デジタルコンテンツの選択入力を受け付けるようにする。また、ステップS403の判断処理において、終了指示入力を受け付けたと判断したときには、この図15に示す処理を終了する。
ステップS402の判断処理において、再生指示入力、すなわち、再生しようとするデジタルコンテンツの選択確定入力を受け付けたと判断したときには、制御部250は、ネットワークの通信状況を確認することにより、利用可能帯域を調査する処理を行う(ステップS404)。そして、デジタルコンテンツを伝送するために最低限の帯域が空いているか否かを判断し(ステップS405)、帯域が不足していると判断したときには、帯域不足をユーザーに通知し(ステップS406)、提供要求を送信することなく、この図15に示す処理を終了する。
なお、ステップS405の判断処理においては、上述もしたように、最低限の空き帯域が存在しているか否かを確認するものである。ここで最低減の空き帯域は、優先順位テーブルに登録するようにされたフォーマットの中で、最も帯域を使用しないフォーマットの使用帯域である。
ステップS405の判断処理において、帯域が不足している(最低限の帯域が確保できない)と判断したときには、制御部250は、EEPROM254に記憶されている優先順位テーブルを参照し、フォーマット形式の初期設定を行う(ステップS407)。このステップS407の処理は、優先順位テーブルに応じたフォーマット(選択されている優先区分の優先順位第1位のフォーマット)を用いるように設定する処理である。
そして、ステップS407で設定したフォーマットでデジタルコンテンツの伝送をする場合に十分な帯域が空いているか否かを判断する(ステップS408)。ここで、充分な帯域は、優先順位テーブルに登録されたフォーマットの中で、最も帯域をしようとするフォーマットの使用帯域である。
ステップS408の判断処理において、充分な帯域が空いていると判断したときには、ステップS407で設定したフォーマットでデジタルコンテンツの提供が可能か否かを問い合わせる要求を形成して送信し(ステップS409)、これに応じたサーバ装置100からの応答を受信して、目的とするフォーマットでデジタルコンテンツの提供か可能か否かを判断する(ステップS410)。
ステップS410の判断処理において、目的とするフォーマットのデジタルコンテンツの提供が可能であると判断したときには、制御部250は、ユーザーにより選択されたデジタルコンテンツを目的とするフォーマットで提供するように要求する提供要求を生成し、これを通信部202、接続端201を通じてネットワークに送出してサーバ装置100に送信する(ステップS411)。
そして、サーバ装置100からネットワークを通じてIPパケットの形式で送信されてくるデジタルコンテンツを接続端201、通信部202を通じて受信し、これを制御部205を通じて音声データについては、音声信号処理部205に供給し、また、映像データについては、映像信号処理部203に供給して、順次に再生することにより、ストリーミング再生を行うようにし(ステップS412)、再生終了後にこの図12に示した処理を終了する。
また、ステップS408の判断処理において、充分な帯域が空いていないと判断した場合、または、ステップS410の判断処理において、目的とするフォーマットのデジタルコンテンツの提供が不能であると判断したときには、制御部250は、EEPROM254に記憶されている優先順位テーブルを参照し、優先順位が1つ下位のフォーマットを用いるようにフォーマット形式の設定を変更し(ステップS413)、ステップS408からの処理を繰り返すようにする。
なお、ステップS209のフォーマット形式の変更処理に先立って、現在設定されているフォーマットよりも、下位のフォーマットが優先順位テーブルに存在するか否かを確認し、存在しない場合には、下位フォーマットの設定がないことを通知するメッセージを表示するなどして、サーバ装置100からデジタルコンテンツの提供を受けられないことを通知するようにすることもできる。
このように、この第2の実施の形態の場合にも、クライアント装置200は、予め設定された優先順位テーブルを用いることによって、ユーザーにはデジタルコンテンツのフォーマットを特に意識させることなく、優先順位が決められたフォーマットで目的とするデジタルコンテンツの提供を要求し、これを再生するようにすることができる。この場合、どのフォーマットでデジタルコンテンツの提供を要求したかをクライアント装置200把握しているので、再生ができなくなるなどということもない。
しかも、この第2の実施の形態の場合には、ネットワークの利用可能帯域をもチェックしているので、ネットワークの伝送帯域が不足した状態でデジタルコンテンツの提供を受けるようにすることを回避することができる。したがって、いわゆる音飛びの発生する可能性のあるストリーミング再生を行うことを防止し、信頼性の高いネットワーク利用環境を整えることができる。
すなわち、この第2の実施の形態のクライアント装置200の場合には、装置内部に各フォーマットの優先順位を記したテーブルを複数もち、ユーザーは好みのテーブルが有効となるように選択できる。そして、クライアント装置はデジタルコンテンツの情報については表示し、デジタルコンテンツのフォーマットの情報については特にユーザーの指示のない限り表示しない。
ユーザーがデジタルコンテンツの再生を指示した直後、クライアント装置200は、
(1)使用可能なネットワークの帯域を調査する。
(2)最低限の帯域が存在しない状態であることを確認した場合は、その旨ユーザーに通知し、送信装置に送信を要求しない。最低限の帯域とは、上述もしたように、テーブルに記載されたフォーマットのなかで、もっとも帯域を使用しないフォーマットの使用帯域である。
(3)最低限の帯域があることを確認できたら、テーブルの優先順位の順番にもとづき、送信可能かどうかをサーバ装置に問い合わせる。この場合、ネットワーク上に所定の帯域が空いていることも確認する。
(4)送信可能なフォーマットのうち、最優先のフォーマットでデジタルコンテンツの送信を要求する。
このようにすることにより、クライアント装置のユーザーが希望するフォーマットの優先順位の制約下で、ネットワークの実際に使用可能な帯域を最大限考慮してフォーマットを決定し、サーバ装置にデジタルコンテンツの提供の要求を行うため、音切れなど生じさせること無く、ユーザー希望の品質でデジタルコンテンツをストリーミング再生することができる。
なお、この第2の実施の形態におけるサーバ装置100の動作は、図13を用いて説明した第1の実施の形態のサーバ装置100の動作と同じである。
また、この第2の実施の形態の場合、デジタルコンテンツの提供を要求する直前にネットワークの通信状況を確認し、空き帯域が十分か否かを確認するようにしたが、デジタルコンテンツの提供がサーバ装置100から開始された後においても、例えば、所定のタイミングでネットワークの通信状況を確認するようにし、空き帯域が不足してきた場合には、提供途中のデジタルコンテンツのフォーマットを変更するようにしてもよい。この場合、ネットワークの通信状況の確認は、クライアント装置200が実行して、サーバ装置100に通知するようにしてもよいし、サーバ装置100において実行し、クライアント装置に通知するようにしてもよい。
また、第1、第2の実施の形態においては、上述の説明からも分かるように、優先順位記憶手段は、EEPROM254が実現し、形成手段は制御部250が実現し、送信手段および受信手段は、主に通信部202が実現している。また、問合せ手段、帯域確認手段は、制御部250と通信部202とが協働することにより実現している。
[変形例]
上述した実施の形態においては、優先順位テーブルに基づいて、提供を要求するデジタルコンテンツについてのフォーマットを自動的に決定し、用いようとするフォーマットでデジタルコンテンツの提供が可能か否かをサーバ装置100に問い合わせるようにした。このようにすることにより、サーバ装置100が確実に対応可能なフォーマットで目的とするデジタルコンテンツの提供を要求するようにすることができる。しかし、これに限るものではない。
例えば、優先順位の高いフォーマット順に目的とするデジタルコンテンツの提供を要求する提供要求を形成し、これを送信して、提供不能である応答が返ってきた場合に、優先順位を下げたフォーマットで目的とするデジタルコンテンツの提供を要求する提供要求を形成して送信するようにすることを繰り返すようにしてもよい。
この場合には、図12に示した処理において、ステップS205の処理を省略し、ステップS206、ステップS209の処理をステップS207の処理の後に行うようにすればよい。この場合のステップS206の判断処理は、クライアント装置200からの提供要求に対応可能か否かを示すサーバ装置100からの応答を確認すればよいことになる。
同様に、図15に示した処理の場合には、ステップS409の処理を省略し、ステップS410、ステップS413の処理をステップS411の処理の後に行うようにすればよい。この場合のステップS410の判断処理は、クライアント装置200からの提供要求に対応可能か否かを示すサーバ装置100からの応答を確認すればよいことになる。
また、上述したように、優先順位テーブルの情報に基づいて、用いようとするフォーマットを変える毎に、サーバ装置に対応可能なフォーマットか否かを問い合わせるようにしたり、フォーマット毎に提供要求を形成して送信するようにしたりすることが可能であることを説明したが、これに限るものではない。
例えば、優先順位テーブルに登録するようにされている情報の全部を、あるいは、選択されている優先区分についての情報の全部をサーバ装置100に送信するようにし、サーバ装置100において、対応可能であって、できるだけ優先順位の高いフォーマットを選択して、クライアント装置200からの要求に応じたデジタルコンテンツを提供するようにしてもよい。
すなわち、クライアント装置200からは、提供を要求する目的とするデジタルコンテンツの識別IDと優先順位テーブルの優先順位情報とを、例えば、提供要求として送信する。そして、サーバ装置100において、提供を要求されたデジタルコンテンツについて、クライアント装置200からの優先順位情報に基づいて、自機が対応可能なフォーマットのうち、できるだけ優先順位の高いフォーマットを選択し、そのフォーマットで要求されたデジタルコンテンツを要求元のクライアント装置200に提供するようにすればよい。
この場合、クライアント装置200は、どのフォーマットでデジタルコンテンツが提供されるかが分からないことになるが、サーバ装置100からどのフォーマットを用いるかの通知を受けるようにしたり、あるいは、サーバ装置100から提供されたデジタルコンテンツを分析したりするなどして、サーバ装置100において選択されたフォーマットを特定して、遅滞なくデコード処理を行うようにすることが可能である。
また、この場合、サーバ装置においては、優先順位の高いフォーマットのデジタルコンテンツがなければ、フォーマット変換して優先順位の高いフォーマットのデジタルコンテンツを形成するようにしてもよいし、単純に、優先順位の下位のフォーマットのデジタルコンテンツがあれば、これを出力するようにすることも可能である。
また、上述の実施の形態においては、デジタルコンテンツのストリーミング再生を行う場合を例にして説明したが、これに限るものではない。すなわち、デジタルコンテンツをクライアント装置にダウンロードする場合にも、この発明を用いることができる。この場合には、ネットワークの空き帯域を考慮するとともに、ダウンロードしようとするデジタルコンテンツのフォーマットを上述したように、クライアント装置とサーバ装置との間で確認して決めるようにすることができる。
具体的には、例えば、1時間に10曲の音楽データ(デジタルコンテンツ)をダウンロードしたい場合には、ネットワークの空き帯域と、1時間という時間制限、および、音楽データ10曲分というデータ量とを考慮して、適宜のフォーマットを選択するようにすることも可能である。
なお、上述した実施の形態において、フォーマットは、音声データコンテンツについて言えば、LPCM、ATRAC、MP3、映像データコンテンツについて言えば、MPEG、MPEG2、JPEGなどとして説明したが、これに限るものではなく、種々のフォーマットが対象であることは言うまでもない。
また、例えば、LPCMやATRACであっても、ビットレートが異なるものも存在する。すなわち、この発明は、名称の異なるフォーマットだけを対象にするものではなく、基本原理は同じフォーマットであっても、ビットレートが異なるものも、フォーマットの異なるものとして扱うことができるものである。
また、この発明は、PDA、ステレオシステム、セットトップボックス、パーソナルコンピュータ等、LANシステム等のネットワークに接続が可能な種々のネットワーク機器に適用可能である。
また、上述した実施の形態においては、IPパケットにより通信を行うものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394デジタルインターフェースを通じて接続され、IEEE1394で規定されているパケットにより通信を行う電子機器にこの発明を適用することが可能である。IEEE1394では、ネットワークを利用するにあたり利用予定の帯域を各機器がネットワーク上で一意に決定された機器に登録する。この場合には帯域についての情報は上述のように一意に決定された登録先機器から取得しても良い。そのほか、パケット通信に限らず、ネットワークを通じて接続可能な種々の電子機器にこの発明を適用することができる。
また、デジタルコンテンツなどの伝送路(ネットワーク)は、無線、有線どちらであってもよいことは言うまでもない。
100…サーバ装置、101…接続端、102…通信部、103…コンテンツ蓄積用ハードディスク、104…作業用ハードディスク、150…制御部、151…CPU、152…ROM、153…RAM、154…EEPROM、155…CPUバス、161…フォーマット変換部、162…キーインターフェース(キーI/F)、163…キー操作部、164…外部インターフェース(外部I/F)、165…外部機器接続端、200…クライアント装置、201…接続端、202…通信部、203…映像信号処理部、204…表示部、205…音声信号処理部、206…スピーカー、250…制御部、251…CPU、252…ROM、253…RAM、254…EEPROM、255…CPUパス、261…キーインターフェース(キーI/F)、262…キー操作部、263…リモコン信号受光部、270…リモートコマンダ(リモコン)