JP4247398B2 - 局在化表面プラズモンセンサ - Google Patents

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本発明は局在化表面プラズモンセンサに関する。詳しくは、バイオセンシング等を行なう超小型、高感度のセンサにおいて、局在化表面プラズモン及び光第2高調波発生を用いて改良した、局在化表面プラズモンセンサに関する。また、局在化表面プラズモンを用いた新規な分子検出方法に関する。
遺伝子解析などの進歩に伴い、タンパクやDNAなど生体分子の検出方法の開発が重要となっている。これらの分子を検出する方法の一つにアフィニティーバイオセンシングがある。これは、分子間の相互作用を利用して検出対象分子を選択的に検出するものである。小型で高性能なバイオセンシング装置ができれば、生化学や遺伝子工学の分野をはじめ、製薬や医療、そして情報工学の分野で重要なツールとなる。
現在実用化されているアフィニティーバイオセンシングの手法に全反射減衰法(ATR法:Attenuated total reflection法)を利用した表面プラズモン共鳴(SPR:Surface plasmon resonance)がある。
図12は全反射減衰(ATR)法による表面プラズモンセンサを説明するための図である。図12(a)にその構成を概略的に示す。プリズム21の底面に金(Au)などの金属薄膜22を形成する。膜厚は例えば46.5nmである。全反射条件で単色光23を入射(入射角θ)するとある共鳴角θで金属薄膜22中の電子波の一種である表面プラズモンが励起される。図12(b)は表面プラズモンの反射光の検出例を示す。横軸に入射角θ(deg)を、縦軸に反射率を示す。共鳴角θでATR配置により生じる減衰波(エヴァネッセント光)24の波数が表面プラズモン波の波数と一致するため、共鳴吸収が生じ、反射光にディップが生じる。図12(a)にはエヴァネッセント光24が放射され、その電場Eが金属薄膜22からの距離zが遠ざかるにつれて減衰していく様子が示されている。共鳴角θは金属薄膜22上に結合している分子の数や屈折率、厚さなどに敏感である。そのため、分子間の相互作用を利用して検出対象分子を選択的に検出し、また、共鳴角θの変化やそれに伴って生じる反射率や偏光状態の変化を観測することにより、検出対象分子のアフィニティー(親和性)を知ることができる。
SPRを利用して多くの試料を一度に検出するマルチチャンネルバイオセンシングを行うためには、金属表面上に様々な分子をドット状に塗布して各々のドットにおける反射率変化を測定することになる。プラズマ波は金属薄膜中を伝搬するため、ドットを小さくした場合には、ドットの界面等でプラズマ波の干渉等が起きるためその測定は易しいものではない。波長や金薄膜の表面状態によっても異なるが、プラズモンの伝搬長は金の場合5μm〜10μm程度であり、実際には100μmを切るドットにおいては、干渉の効果により信頼性の高いセンシングは難しい。
これを解決するために、ナノ微粒子やナノ構造中で生じる局在化表面プラズモン(LSP:Localized surface plasmon)共鳴を利用したバイオセンシング手法がある。ATR条件を用いて表面プラズモン(SP:Surface plasmon)を励起する代わりに、ナノ構造による光の散乱時に生じるエヴァネッセント波によって表面プラズモンを励起する方法である。共鳴条件は金属薄膜上に結合している分子の数や屈折率、厚さなどに敏感であるため、これを利用したバイオセンシングも可能である。一般にLSPを励起するためにはどのような入射角で光を入射してもよく、共鳴条件の変化は散乱光や透過光の強度変化を検出することになる。LSPを用いたバイオセンシングの大きな特徴として、センシングプローブを小さくできる利点がある。たとえば、ナノ微粒子1つからの散乱光が観測可能であれば、原理的にはナノ微粒子1つでもセンシングプローブを作成することが可能である。(特許文献1参照)
特開2005−181296号公報(段落0038〜0066、図1〜6)
これまでバイオセンシング等の分野で、超小型、高感度のセンサを得る工夫が求められている。ところで、LSPを用いたバイオセンサは小型化が可能でありそれをアレイ化したマルチチャンネルバイオセンシングにおいて、単位面積あたりのドット数を飛躍的に大きくすることができる。
本発明は、小型、高感度のセンサにおいて、局在化表面プラズモン及び光第2高調波発生を用いてさらに高感度のセンサを提供することを目的とする。また、局在化表面プラズモンを用いる新規な分子検出方法を提供することを別の目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の局在化表面プラズモンセンサPS1は、例えば図1及び図4に示すように、金属層2上に光透過性絶縁性薄膜3を介して、局在化表面プラズモンが励起される寸法の金属微粒子4を固定化し、金属微粒子4の表面に検出対象分子9に相補的な分子の分子層7を形成し、金属微粒子4内の局在化表面プラズモンと金属微粒子4に入射された光6との相互作用に起因して生じる第2高調波8の変化を検出して、相補的な分子に吸着又は結合した検出対象分子9を検出する。
ここにおいて、金属層には、金属基板、金属膜等が含まれる。また、必ずしも純金属である必要はなく。不純物や結晶欠陥があっても良い。また、金属層には合金層が含まれるものとする。また、光透過性絶縁性薄膜3は金属層2と金属微粒子4とを微小距離離すためのものであり、光透過性かつ絶縁性であれば良く、例えば高分子ポリマー、透明な誘電体等を使用できる。また、局在化表面プラズモンが励起される金属微粒子4の寸法は10〜150nm程度であり、金属微粒子4は、金、銀の球状微粒子が好ましいが、これに限定されず、任意の形状でも良い。また、金属層2上に固定化される金属微粒子4は単数でも複数でも良く、複数の金属微粒子4が例えばドット状に集められて固定化されても良い。また、局在化表面プラズモンと入射光との相互作用とは、入射光により局在化表面プラズモンが励起され、共鳴する相互作用をいう。その結果、金属微粒子4の表面近傍、特に金属層2と金属微粒子4の間に増強された光電場が発生し、光第2高調波発生(SHG:Second harmonic generation)の増強がもたらされる。また、検出対象分子に相補的な分子とは、検出対象分子(アナライト)と良く結合し、それ以外の分子とは結合し難い分子(リガンド)をいう。このように構成すると、小型、高感度のセンサにおいて、局在化表面プラズモンの第2高調波を用いてさらに高感度のセンサを提供できる。
また、請求項2に記載の局在化表面プラズモンセンサは、金属層2上に光透過性絶縁性薄膜3を介して、局在化表面プラズモンが励起される寸法で、検出対象分子9に相補的な分子の機能を有する金属微粒子4を固定化し、金属微粒子層4内の局在化表面プラズモンと金属微粒子4に入射された光6との相互作用に起因して生じる第2高調波8の変化を検出して、金属微粒子4に吸着又は結合した検出対象分子9を検出する。このように構成すると、金属微粒子が検出対象分子と直接結合できる場合にも適用できる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の局在化表面プラズモンセンサにおいて、第2高調波8の変化は、金属微粒子4から反射又は散乱された第2高調波8の強度、位相又は波長の変化である。このように構成すると、第2高調波8の変化を確実に検出でき、好適である。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の局在化表面プラズモンセンサにおいて、金属微粒子4が金を主成分とする直径10〜150nmの球状微粒子であり、光透過性絶縁性薄膜3の膜厚が0.3〜5nmである。このように構成すると、金属微粒子の鏡像ができやすく、第2高調波8の感度を向上するのに好適である。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の局在化表面プラズモンセンサにおいて、光透過性絶縁性薄膜3としてメロシアニン単分子膜又はヘミシアニン単分子膜等の非線形光学材料を用いる。このように構成すると、金属のみで発生するSHGに、非線形光学材料からのSHGが加わり信号強度が上がるため、S/N比や感度を向上でき好適である。非線型光学材料からのSHGは、局在化表面プラズモンと入射光との相互作用による強い増強電場により励起されるため、著しく増強されている。特にメロシアニン単分子膜又はヘミシアニン単分子膜が好適である。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の局在化表面プラズモンセンサにおいて、金属微粒子4がドットアレイ状に配置され、相補的な分子の種類がドット単位に定められている。ここにおいて、ドット単位とはドット内では同種の分子を用いるが、異なるドットについては異なる分子を用いても良い意味であり、ドット毎に全て異種の分子としても良く、複数のドットに同種の分子を用いても良い。このように構成すると、局在化表面プラズモンセンサの高感度性を利用して、単位面積あたりのドット数を飛躍的に大きくできる。
また、請求項7に記載の局在化表面プラズモンセンシング装置は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の局在化表面プラズモンセンサと、表面プラズモンを励起する光6を発光する光源と、第2高調波8を検出する光検出器と、第2高調波8の変化から相補的な分子に吸着又は結合した検出対象分子9の屈折率、吸着量、結合量又は膜厚を算定する演算装置とを備える。このように構成すると、高感度の局在化表面プラズモンを用いる高感度センシング装置を提供できる。
また、請求項8に記載の局在化表面プラズモンを用いるセンシング方法は、例えば図5に記載のように、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の局在化表面プラズモンセンサPS1を準備する(S001)工程と、局在化表面プラズモンセンサPS1の金属微粒子4内に局在化表面プラズモンを励起し(S002)、金属微粒子4内の局在化表面プラズモンと金属微粒子4に入射された光6との相互作用に起因して生じる第2高調波8を検出する(S003)工程と、局在化表面プラズモンセンサPS1に検出対象分子9を吸着又は結合させる(S004)工程と、局在化表面プラズモンセンサPS1の金属微粒子4内に局在化した表面プラズモン共鳴を励起し(S005)、金属微粒子4内の局在化表面プラズモンと金属微粒子4に入射された光6との相互作用に起因して生じる第2高調波8の変化を検出する(S006)工程と、第2高調波8の変化から吸着又は結合した検出対象分子9を検出する(S007)工程とを備える。
ここにおいて、工程S002における、局在化表面プラズモンの励起を工程S005まで持続したまま、工程S004で検出対象分子9を吸着又は結合させても良い。このように構成すると、小型、高感度のセンサの分野において、局在化表面プラズモンの第2高調波を用いてさらに高感度のセンシング方法を提供できる。
また、請求項9に記載の局在化表面プラズモンを用いる分子検出方法は、例えば図11に記載のように、金属層12上に検出対象分子14に相補的な分子13の分子層を形成する工程(S011)と、相補的な分子13の分子層に検出対象分子14を吸着又は結合させて検出対象分子層を形成する工程(S012)と、検出対象分子層に局在化表面プラズモンが励起される寸法の金属微粒子15を吸着または結合させて、金属層12の表面に薄膜14を介して金属微粒子15を固定化した金属微粒子固定化構造を形成する工程(S013)と、金属微粒子固定化構造に光を入射して、金属微粒子15と金属層12との間に生じる相互作用により生じる反射光の吸収や散乱の変化を検出することにより、吸着又は結合した検出対象分子14を検出する工程(S014)とを備える。このように構成すると、検出対象分子層の膜厚を高感度で測定できる新規な分子検出方法を提供できる。
また、請求項10に記載の局在化表面プラズモンを用いる分子検出方法は、金属層12上に検出対象分子14に相補的な分子13の分子層を形成する工程(S011)と、相補的な分子13の分子層に検出対象分子14を吸着又は結合させて検出対象分子層を形成する工程(S012)と、検出対象分子層に局在化表面プラズモンが励起される寸法の金属微粒子15を吸着または結合させて、金属層12の表面に薄膜14を介して金属微粒子15を固定化した金属微粒子固定化構造を形成する工程(S013)と、金属微粒子固定化構造に光を入射して、金属微粒子15と金属層12との間に生じる相互作用に起因して生じる第2高調波を検出することにより、吸着又は結合した検出対象分子14を検出する工程(S015)とを備える。このように構成すると、超小型、高感度のセンサにおいて、局在化表面プラズモンの第2高調波を用いてさらに高感度の分子検出方法を提供できる。
本発明のセンサによれば、小型、高感度のセンサにおいて、局在化表面プラズモン及び光第2高調波発生を用いてさらに高感度のセンサを提供できる。また、本発明の分子検出方法によれば、局在化表面プラズモンセンサを用いた新規な分子検出方法を提供できる。
〔発明の要点〕
まず、本発明の原理的側面を説明する。LSPバイオセンシング材料として金属基板表面に固定化された金ナノ微粒子を用いる。ナノ微粒子の形状はどのようなものでも良いが、球状のナノ微粒子はよく規定された材料が入手できるので、球状とするのは現実的な選択である。また、微粒子の固定化には、数ナノメートル以下で、かつ、微粒子と結合するような材料を用いる。結合は、共有結合、静電的結合等どのようなものでも良い。ここでは、末端をアミノ基やチオール基などの含窒素化合物、電荷を有する基などで修飾された自己組織化単分子膜を用いる。自己組織化単分子膜(SAM:Self assembled monolayer)は、基板を試料溶液に浸積するだけで形成できるため簡単なプロセスで作製が可能である。
図1に、金属微粒子固定化構造を概略的に示す。基板1上に金(Au)などの金属層として金属膜2が形成され、その上に光透過性絶縁性薄膜として膜厚0.3〜5nmの薄い自己組織化単分子膜3が形成されている。更にその上に、直径数10〜150nm程度の金ナノ微粒子4が固定されている。金属膜2は約50nm以上が好ましく、基板1と金属膜2の代わりに金属基板を用いても良い。ここにおいて、このような金属層2の表面に薄膜3を介して金属微粒子4を固定化した構造を金属微粒子固定化構造と称することとする。
図2は、金属微粒子固定化構造の作用を説明するための図である。図1と同じ部位については同一の符号を付して重複する説明を省略する(以下の図面について同じ)。なお、金属膜2の表面に対して金ナノ微粒子4の鏡像5が生じるため、2連球と同様の光学応答を示す。このため、孤立球に対してレッドシフトした強い共鳴吸収線が生じ、また、ギャップ中(SAM3の部分)には増強磁場が生じる。これらの性質を積極的に利用することにより、孤立球を用いた場合より高感度の局在化表面プラズモン(LSP)バイオセンシングを行うことができる。なお、10はエヴァネッセント光、Rは金ナノ微粒子4の半径である。
LSPバイオセンシングの原理は、アナライトと呼ばれる検出対象分子に対してリガンドと呼ばれる相補的な分子を固体基板表面上に塗布し、それをアナライトを含む試料溶液に浸漬することによりそれらの間の相互作用を検出する。アナライトとリガンドの関係はちょうど鍵と鍵穴の関係になっており、適切なリガンドを用いるとアナライトとの強い相互作用を有するが、アナライト以外の分子との相互作用が弱いため吸着速度や吸着量は小さく、これにより分子の選択的な認識を行うことができる。リガンド層へのアナライトの吸着は、光学的には表面における誘電体層の膜厚の増加に対応する。そのため、それを高い感度でリアルタイムにセンシングできれば試料溶液の分析や分子間の相互作用についての議論を行うことができる。例えば、アナライトとしての塩基配列に相補的なDNAをリガンドとして用いれば、そのDNAは2量体化を起こして検出される。また、リガンドとして抗原を用いると対応する抗体を検出することになる。同様の原理で、DNA、脂質、糖、タンパク間の相互作用を利用してこれらの分子を測定することが可能である。
しかしながら、相互作用を起こして吸着する分子の量は高々単分子層程度でありその計測には工夫が必要である。すなわち、一般に10pg/mm程度の吸着分子量が検出できる感度が必要である。高い感度を実現するひとつの方法としては、蛍光分子などによりアナライトを標識する方法があり、現在使われているDNAチップの検出システムは、蛍光標識されたDNAが相補的な塩基配列で修飾された基板表面へ吸着する様子を蛍光顕微鏡を使って検出するものである。しかしながら、検出対象を標識することなく高い感度で検出する手法が実現できれば汎用性やコストの点で有利である。他方、非標識のバイオセンシング手法として、上述の全反射減衰法を用いた表面プラズモン共鳴を利用した手法や水晶振動子を利用した手法が開発されている。これらは優れた手法でありすでに実用化もされている。しかし、光学配置や試料構造上の制限が厳しいため微小化することは容易ではない。もし、単純な光学配置でセンシング部分が構築できれば、微小なセンサの作成やそれを2次元的に配列した高密度センシングアレイの作製が可能となる。
また、共鳴状態の変化を検出する具体的な方法としては、反射吸収スペクトルや散乱スペクトルを測定してそのピーク位置を測定する方法や変化量の大きいある波長に注目してその波長における反射や吸収スペクトルの変化量を読み取る方法がある。しかしながら、ドットからの散乱を利用したLSPバイオセンシングは感度の点で満足できないことが多く、これを改善する方法が望まれている。本発明では、2次の非線形光学効果の一種である光第2高調波発生(SHG)を用いてLSPの状態を検出することによりバイオセンシングができる手法を開発した。以下、この手法をSH−LSPバイオセンシングと称することとする。線形光学を利用したセンシングでは、微粒子近傍の増強電場に比例した線形分極が生じ、検出の際に生じる増強電場の変化を反射光や散乱光で検出する。一方、非線形光学を利用したセンシングでは、増強電場の2乗に比例した非線形分極が生じるため、変化量が大きく、上述のLSPセンサの問題点を解決できるという特徴がある。以下に光第2高調波発生(SHG)を用いる局在化表面プラズモンセンサの実施の形態及び局在化表面プラズモンを用いる分子検出方法の実施の形態について説明する。
〔第1の実施の形態〕
以下に図面に基づき本発明の第1の実施の形態について説明する。センサとして図1に記載の金属微粒子固定化構造を用い、金ナノ微粒子4にリガンドとしてビオチンを修飾し、アナライトとしてアビジンを結合する例を説明する。
図3に金属微粒子固定化構造の反射吸収スペクトルの例を示す。金属微粒子固定化構造の金ナノ微粒子の表面にはリガンドとしてビオチンが修飾され、これにアナライトとして生体由来分子であるアビジン蛋白質を吸着させた。実線はビオチンにアビジン吸着前のスペクトルを、破線はビオチンにアビジン吸着後のスペクトルを示す。p−偏光の反射吸収スペクトルでは孤立金微粒子球の共鳴バンドである520nm付近の吸収に対して、600nm付近にレッドシフトした強い吸収バンドがあらわれる。このバンドは金微粒子4と金属層2の相互作用によるものと考えられている。s−偏光や垂直入射光の場合にはこのバンドはあらわれず、このことから、基板表面法線方向の励起電場に対して共鳴するバンドであることがわかる。アビジン吸着後は、吸収強度が大きくなっていること、ピーク波長がレッドシフトしていることがわかる。これらの測定から、金微粒子表面における分子の量を知ることができるため、センサとして使用できることがわかる。
共鳴状態の変化は反射吸収スペクトルの変化としてあらわれたが、非線形感受率の変化として観測することにより高感度なセンシングを実現できる。金属微粒子固定化構造は反転中心を有さないためそれ自身が2次の非線形光学活性である。また、金属層表面と金ナノ微粒子間のギャップにおいて50倍以上の増強電場が生じているため、強いSHGが観測される。さらに、SH−LSPバイオセンシングでは、光透過性絶縁性薄膜としてメロシアニンチオールなどの非線形光学効果を示す材料を用いて、直径80〜150nmの球状金ナノ微粒子を金表面に固定化した金属微粒子固定化構造が最適であるとの結果を得た。メロシアニンチオールの膜厚は約1〜2nmが好ましく、また、SHG観測には波長約700〜900nmの基本光で、波長約350〜450nmの第2高調波を観測することが好ましい。
図4に、この系を用いて、SH−LSPセンシングを行った結果を示す。図4(b)に本実施の形態における局在化表面プラズモンセンサ(センサ部を金属微粒子固定化構造とした)PS1の模式図を示す。上図では金ナノ微粒子4の表面にリガンド7が修飾されている。この局在化表面プラズモンセンサPS1をアナライト9を含む試料溶液に浸漬し、角周波数ωの入射光6を照射すると、金属微粒子固定化構造において光第2高調波発生SHGが生じ、当該金属微粒子固定化構造から角周波数2ωの第2高調波8が反射方向に放射される。下図ではリガンド7にアナライト9が結合され、結合後の金属微粒子固定化構造から反射方向に放射される角周波数2ωの第2高調波8を検出する。図4(a)は第2高調波検出信号(以下、SHG信号という)によるビオチン−アビジン反応の検出経過を示す。縦軸はSHG信号の相対的強度を、横軸は経過時間(s)を示す。アビジンの注入(図中矢印で示す)と同時にビオチンへの結合が起こり、約30分(1800秒)後に反応が終了して一定値となる。このとき、水中で第2高調波光強度が16%減少していることがわかる。これはアビジンの結合によるLSPのわずかな共鳴波長変化により、基本光(λ=800nm)に対する共鳴効果が小さくなり、第2高調波光強度が大きく減少したと考えられる。この過程は、単純な反射スペクトルでも追跡できるが、その変化量はこの3分の1程度である。なお50分後に水洗(図中矢印で示す)により、溶液中のアナライトが除去されている。
図5に本実施の形態における局在化表面プラズモンを用いるセンシングの処理フロー例を示す。まず、局在化表面プラズモンセンサPS1を準備する(S001)。次に、局在化表面プラズモンセンサPS1の金属微粒子4内に局在化表面プラズモンを励起し(S002)、金属微粒子4内の局在化表面プラズモンと金属微粒子4に入射された光6との相互作用に起因して生じる第2高調波8を検出する(S003)。次に、局在化表面プラズモンセンサPS1に検出対象分子9を吸着又は結合させる(S004)。次に、局在化表面プラズモンセンサPS1の金属微粒子4内に局在化した表面プラズモン共鳴を励起し(S005)、金属微粒子4内の局在化表面プラズモンと金属微粒子4に入射された光6との相互作用に起因して生じる第2高調波8の変化を検出する(S006)。次に、第2高調波8の変化から吸着又は結合した検出対象分子9を検出する(S007)。ここにおいて、工程S002における、局在化表面プラズモンの励起を工程S005まで持続した状態で、工程S004で検出対象分子9を吸着又は結合させても良い。
以上により、本実施の形態によれば、小型、高感度のセンサにおいて、局在化表面プラズモンの第2高調波を用いてさらに高感度のセンサを提供できる。
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態は、SHG顕微鏡を用いた光第2高調波発生(SHG)バイオセンシングについて説明する。ドット状の複数の金属微粒子による金属微粒子固定化構造をアレイ状に配列し、多種のアナライトを含む試料溶液に対しチップ毎(ドット毎)に異なるリガンドを用いて、結合を生じさせ、顕微鏡で反射光の変化を観察する方法である。
前述のように、メロシアニンを使った金属微粒子固定化構造がSH−LSPバイオセンシングに最適であることがわかったので、これを用いてチップ化を行った。
図6に金属微粒子固定化構造のアレイチップを用いたセンシングの例を示す。図6(a)はアレイチップの顕微鏡写真であり、120μmの金属微粒子固定化構造のチップが4列×4行のドットアレイ状に配列されている。ドットB2にはあらかじめビオチンが結合されており、これに対して特異結合したアビジンが検出されていることがわかる。図6(b)に各バイオチップにおける局在化表面プラズモンセンサ(センサ部を金属微粒子固定化構造とした)PS2の模式図を示す。図4(b)と同様であり説明を省略する。金属微粒子固定化構造を構成する金属微粒子は数10nm〜150nmの球状の金ナノ微粒子であり、複数の金ナノ微粒子をドット状にグループ化したチップをアレイ状に配置した。また、相補的な分子の種類がドット単位に定められている。すなわち、同一ドット内では同種の分子が用いられ、ドット毎に全て異種の分子としても良く、複数のドットに同種の分子を用いても良い。ビオチン−アビジン反応が進むと、センサ表面からの反射光に変化が生じる。
図7に、金属微粒子固定化構造のアレイチップを用いた顕微鏡イメージングを示す。図7(a)に4×4配列の直径120μmのLSPドットアレイの顕微鏡イメージングを、図7(b)に光第2高調波強度(SHG強度)のドットA1からA4に対する位置依存性((a)の破線に沿って測定)の結果を示す。図7(a)の4×4配列のうち、3ドット(A1、B2、C3)にアビジンを吸着させ、これを第2高調波(SH)顕微鏡測定した。図7(a)によればA1、B2、C3の3ドットにおいて周囲のドットに比べて第2高調波光強度が低下しており、図7(b)によれば、A1について低下が約30%であることが観測された。同様にしてB2、C3についても30%の低下が観測された。これにより、この手法が誘電体の結合や吸着の検出に対して高感度であることが示された。
図8に金属微粒子固定化構造のアレイチップの他の例を示す。直径30μmの金属微粒子固定化構造のチップがアレイ状に高密度に配列されている。このように微小ドットのアレイも形成可能である。
〔第3の実施の形態〕
第3の実施の形態では、金属微粒子固定化構造を利用し、検出対象分子を検出する例を説明する。
図9は第3の実施の形態における局在化表面プラズモンセンサPS3の構成を説明するための図である。金属層として金(Au)などの金属基板12上にリガンド13を塗布すると、これに特異結合するタンパク分子が結合する。一般にタンパク分子は金などの金属微粒子と相互作用を起こして結合するため、さらに金属微粒子15を固定化することができる。その結果、タンパク分子を光透過性絶縁性薄膜3とする金属微粒子固定化構造が形成される。図9では、金基板12上に、リガンドとしてビオチン13を用いて検出対象分子としてアビジン14を結合し、さらにその上に直径数10〜150nmの金ナノ微粒子15を吸着し、金属微粒子固定化構造を形成している。この金属微粒子固定化構造をチップ毎にグループ化して、例えばその120μm大のチップをドットアレイ状に配列する。また、相補的な分子の種類がドット単位に形成され、これによりアナライトの種類もドット単位に形成される。また、金属微粒子固定化構造の共鳴条件は金ナノ微粒子15の金属層12表面からの距離に依存する。そのため、金属微粒子固定化構造からの反射スペクトルや第2高調波スペクトルを測定することによりたとえば、生物由来分子の結合構造、吸着構造に関する知見を得ることができる。
図10に金属微粒子固定化構造を用いた分子検出の例を示す。図9のように金基板12上に結合したアビジン14にさらに金ナノ微粒子15を吸着した金属微粒子固定化構造の反射スペクトルを図10(a)に示す。金属微粒子固定化構造に由来する吸収バンドの位置(約600nm)から金ナノ微粒子15と基板12表面のギャップの大きさdを計算することができる。図10(a)の例では、これをもとにアビジン層14の厚さdがおよそ2nmであると見積もられた。実際の大きさより小さいので、吸着による構造変化がおこっていると考えられる。また、この系は金属微粒子固定化構造を形成しているため、強い第2高調波光を得ることができる。これを利用して、平坦な金属基板上に固定化されたリガンドアレイに結合したタンパク分子を金属微粒子固定化構造による電場増強を用いて高コントラストでイメージングしたものが図10(b)である。3ドット(A3、B2、C1)以外のドットにタンパク分子が結合されている。金ナノ微粒子15は多くのタンパク分子と相互作用して吸着し、タンパク分子を光透過性絶縁性薄膜3とする金属微粒子固定化構造が形成される。その結果、3ドット(A3、B2、C1)以外のドットで光第2高調波が強くなっているのがわかる。多くのタンパクは金と相互作用することから、タンパクがある部分には金ナノ微粒子が結合する。これを利用するとSH光のみでなくSERS(Surface enhanced Raman spectroscopy)等にも適用できるため、さらに多くの情報を得ることができると考えられる。
図11に本実施の形態における分子検出方法の処理フロー例を示す。図11(a)に反射スペクトル又は散乱スペクトルの変化により検出する例を示す。まず、金属層12上に検出対象分子14に相補的な分子の分子層13を形成する(S011)。次に、相補的な分子13の分子層に微小膜厚の検出対象分子層14を吸着又は結合させて形成する(S012)。次に、検出対象分子層14上に局在化した表面プラズモン共鳴が励起される寸法の金属微粒子15を吸着または結合させて固定化する(S013)。これにより、金属層12、相補的な分子13の分子層、検出対象分子層14及び金属微粒子15からなる金属微粒子固定化構造が形成される。次に、金属微粒子固定化構造に光を入射して、金属微粒子15内に局在化した表面プラズモンと金属微粒子15に入射された光との相互作用における反射スペクトル又は散乱スペクトルの変化を検出する(S014)。これにより、検出対象分子を検出できる。
また、図11(b)に第2高調波の変化により検出する例を示す。図11(a)の検出方法において、反射スペクトル、散乱スペクトルの変化を検出する工程S014に代えて、第2高調波8の変化を検出する(S015)。その他の工程は図11(a)と同様である。この方法はSHGを利用しており、より高感度の検出が可能である。
この方法は、タンパクの検出や吸着構造の研究に有力な方法であり、単純なアフィニティーバイオセンシングと異なり様々な情報を得ることができる。
このように、本実施の形態によれば検出対象分子を高感度で検出できる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態に種々変更を加えられることは明白である。
例えば、以上の実施の形態においては、金属層が金であり、金属微粒子が球状の金ナノ微粒子である例を説明したが、銀でも局在化プラズモンを励起できるので使用可能であり、形状も球状に限られず任意で良い。また、以上の実施の形態では、光透過性絶縁性薄膜としてメロシアニンを使用する例を説明したが、その他の微小膜厚の光透過性絶縁性薄膜を使用しても良い。また、以上の実施の形態ではリガンドを介して金属微粒子にアナライトを結合させる例を説明したが、金属微粒子に直接アナライトを結合させても良く、また、アナライトとリガンドの組み合わせも、アビジン−ビオチンの組み合わせに限られず、オクタデカンチオールと金、DNA−DNA、DNA−RNA(リボ核酸)、DNA−タンパク質、DNA−糖、DNA−有機化合物、タンパク質−タンパク質、脂質−タンパク質、糖−タンパク質、タンパク質−有機化合物、金、銀−チオールやジスルフィド基を持つ有機硫黄化合物、アミノ基を持つ1級アミン、2級アミン、3級アミン化合物等の組み合わせも可能である。また、以上の実施の形態に記載の局在化表面プラズモンセンサに、表面プラズモンを励起する光を発光する光源と、第2高調波を検出する光検出器と、第2高調波の変化から相補的な分子に吸着又は結合した検出対象分子の屈折率、吸着量、結合量又は膜厚を算定する演算装置と組み合わせることにより、局在化表面プラズモンセンシング装置を構成できる。また、入射光の波長、金属微粒子の寸法、ドットアレイの配列等は種々選択可能である。
本発明は、高感度のバイオセンシング等に利用される。
金属微粒子固定化構造を概略的に示す図である。 金属微粒子固定化構造の作用を説明するための図である。 金属微粒子固定化構造の反射吸収スペクトルの例を示す図である。 SH−LSPセンシングを行った結果を示す図である。 第1の実施の形態における局在化表面プラズモンを用いるセンシングの処理フロー例を示す図である。 金属微粒子固定化構造のアレイチップを用いたセンシングの例を示す図である。 第2の実施の形態における金属微粒子固定化構造のアレイチップを用いた顕微鏡イメージングを示す図である。 第2の実施の形態における金属微粒子固定化構造アレイチップの他の例を示す図である。 第3の実施の形態における局在化表面プラズモンセンサの構成を説明するための図である。 金属微粒子固定化構造を用いた分子検出の例を示す図である。 第3の実施の形態における分子検出方法の処理フロー例を示す図である。 全反射減衰(ATR)法による表面プラズモンセンサを説明するための図である。
符号の説明
1 基板
2 金属層(金属膜、金属基板)
3 光透過性絶縁性薄膜(自己組織化膜)
4 金属微粒子(金ナノ微粒子)
5 鏡像
6 入射光
7 リガンド
8 第2高調波
9 アナライト
10 エヴァネッセント光
12 金基板
13 リガンド
14 検出対象分子
15 金ナノ微粒子
21 プリズム
22 金属薄膜
23 入射光
24 エヴァネッセント光
d 膜厚
PS1〜PS3 局在化表面プラズモンセンサ
θ 入射角
θ 共鳴角

Claims (10)

  1. 金属層上に光透過性絶縁性薄膜を介して、局在化表面プラズモンが励起される寸法の金属微粒子を固定化し、前記金属微粒子の表面に検出対象分子に相補的な分子の分子層を形成し、前記金属微粒子内の局在化表面プラズモンと前記金属微粒子に入射された光との相互作用に起因して生じる第2高調波の変化を検出して、前記相補的な分子に吸着又は結合した検出対象分子を検出する;
    局在化表面プラズモンセンサ。
  2. 金属層上に光透過性絶縁性薄膜を介して、局在化表面プラズモンが励起される寸法の、検出対象分子に相補的な分子の機能を有する金属微粒子を固定化し、前記金属微粒子内の局在化表面プラズモンと前記金属微粒子に入射された光との相互作用に起因して生じる第2高調波の変化を検出して、前記金属微粒子に吸着又は結合した検出対象分子を検出する;
    局在化表面プラズモンセンサ。
  3. 前記第2高調波の変化は、前記金属微粒子から反射又は散乱された前記第2高調波の強度、位相又は波長の変化である;
    請求項1又は請求項2に記載の局在化表面プラズモンセンサ。
  4. 前記金属微粒子が金を主成分とする直径10〜150nmの球状微粒子であり、前記光透過性絶縁性薄膜の膜厚が0.3〜5nmである;
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の局在化表面プラズモンセンサ。
  5. 前記光透過性絶縁性薄膜としてメロシアニン単分子膜又はヘミシアニン単分子膜等の非線形光学材料を用いる;
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の局在化表面プラズモンセンサ。
  6. 前記金属微粒子がドットアレイ状に配置され、前記相補的な分子の種類がドット単位に定められている;
    請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の局在化表面プラズモンセンサ。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の局在化表面プラズモンセンサと、前記表面プラズモンを励起する光を発光する光源と、前記第2高調波を検出する光検出器と、前記第2高調波の変化から前記相補的な分子に吸着又は結合した検出対象分子の屈折率、吸着量、結合量又は膜厚を算定する演算装置とを備える;
    局在化表面プラズモンセンシング装置。
  8. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の局在化表面プラズモンセンサを準備する工程と、
    前記局在化表面プラズモンセンサの前記金属微粒子内に局在化表面プラズモンを励起し、前記金属微粒子内の局在化表面プラズモンと前記金属微粒子に入射された光との相互作用に起因して生じる第2高調波を検出する工程と、
    前記局在化表面プラズモンセンサに前記検出対象分子を吸着又は結合させる工程と、
    前記局在化表面プラズモンセンサの前記金属微粒子内に局在化した表面プラズモン共鳴を励起し、前記金属微粒子内の局在化表面プラズモンと前記金属微粒子に入射された光との相互作用に起因して生じる第2高調波の変化を検出する工程と、
    前記第2高調波の変化から前記検出対象分子を検出する工程とを備える;
    局在化表面プラズモンを用いるセンシング方法。
  9. 金属層上に検出対象分子に相補的な分子の分子層を形成する工程と、前記相補的な分子の分子層に検出対象分子を吸着又は結合させて検出対象分子層を形成する工程と、前記検出対象分子層に局在化表面プラズモンが励起される寸法の金属微粒子を吸着または結合させて、金属層の表面に薄膜を介して金属微粒子を固定化した金属微粒子固定化構造を形成する工程と、前記金属微粒子固定化構造に光を入射して、前記金属微粒子と前記金属層との間に生じる相互作用により生じる反射光の吸収や散乱の変化を検出することにより、前記吸着又は結合した検出対象分子を検出する工程とを備える;
    局在化表面プラズモンを用いる分子検出方法。
  10. 金属層上に検出対象分子に相補的な分子の分子層を形成する工程と、前記相補的な分子の分子層に検出対象分子を吸着又は結合させて検出対象分子層を形成する工程と、前記検出対象分子層に局在化表面プラズモンが励起される寸法の金属微粒子を吸着または結合させて、金属層の表面に薄膜を介して金属微粒子を固定化した金属微粒子固定化構造を形成する工程と、前記金属微粒子固定化構造に光を入射して、前記金属微粒子と前記金属層との間に生じる相互作用に起因して生じる第2高調波を検出することにより、前記吸着又は結合した検出対象分子を検出する工程とを備える;
    局在化表面プラズモンを用いる分子検出方法。

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