JP4245690B2 - 鉛の回収方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉛含有触媒を用いて、アルデヒドとアルコ−ルと酸素を反応させ、対応するカルボン酸エステルを製造する方法に於いて、触媒から一部剥離または溶出する極微量の鉛イオンや鉛化合物を効率よく回収すると共に、反応系内で副生する有用なカルボン酸および有機化合物を効率よく回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、酸素の存在下にアルデヒドとアルコ−ルを反応させてカルボン酸エステルを製造する技術が知られている。例えば、特公昭57−35856号、特公昭57−35857号、特公昭57−35859号、特公昭58−4704号、特公昭62−7902号などの各公報にその技術が開示されており、パラジウムと鉛を含有する触媒に於いてその性能の卓越さが記載されている。しかしながら、これらの開示された技術は、主として反応に使用される触媒の組成や性能に重きを置いたものであり、副反応によって生じる有用な副生成物の回収法や触媒から一部剥離または溶出する極微量の鉛イオンや鉛化合物の回収方法についての開示はない。
【0003】
主反応により発生する水とアルデヒドが反応して生じるカルボン酸は、たとえ少量であれ、効率良く回収できれば資源の有効利用に繋がる。また、環境にやさしい工業プロセスの重要性が唱えられている近年、本反応系で使用される触媒から剥離または溶出によって反応生成物系に漏洩する鉛分をほぼ完全に回収し、プロセス系外に鉛を漏出させない技術を確立させることは必須かつ緊急の要件となっている。
【0004】
鉛を回収する技術に於いても多くの技術が開示されており、例えば、特公昭54−22430号、特公昭56−41646号、特公昭59−1090号、特公平2−4353号、特開昭60−48139号、特開昭49−9857号、特開昭52−91707号、特開平58−68643号、特開平4−505639号、特開平6−500822号、特公平7−100135号などの各公報に報告されている。
【0005】
また、丸善株式会社が出版した「分析化学便覧」にも分析手法の一つとして鉛の分離技術が記載されている。
しかし、これら従来の鉛回収技術を本反応系に採用した場合、たとえ鉛を効率良く回収できたとしても、高価な重金属吸着剤や有機キレ−ト剤が必要であったり、また吸着剤やキレ−ト剤から鉛を脱離してリサイクルして使用しようした場合、経済的に見合わなかったりして実用面では難点があった。
【0006】
また、単に硫化鉛の溶解度積が小さいからと言って、硫化水素イオンやイオウイオンを発生する化合物を、α,β−不飽和カルボン酸エステルの様な二重結合を有する化合物系に添加し、共存する極微量の鉛イオンや鉛化合物の回収除去に利用しようとすると、重合反応が促進しやすいという難点があった。
反応生成物系から、効率良く目的とするカルボン酸エステルを回収するのみならず、有用な副生成物をも効率良く回収し、反応系内に漏洩した鉛を簡便な方法で、しかも経済的に、ほぼ完全に回収する技術の具現化が強く望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、鉛含有触媒を用いて、アルデヒドとアルコ−ルと酸素を反応させ、対応するカルボン酸エステルを工業的に製造するにあたって、経済面及び環境安全面に優れた、有効成分の効率的回収方法と鉛回収法の両者を同時に満足する鉛回収方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、鉛含有触媒を用いて、アルデヒドとアルコ−ルと酸素を反応させ、対応するカルボン酸エステルを合成するに当たり、得られた水を含む粗カルボン酸エステル溶液に硫酸イオンまたは燐酸イオン、あるいは両イオンを発生させ得る酸及び/又は化合物と硫化水素イオンやイオウイオンを発生させ得る酸及び/又は化合物を添加することで、油水分離が促進し、油相には有用な有機成分がより濃縮され、水相には鉛化合物がほぼ完全に、沈殿濃縮されることを見出した。
また、二重結合を有するカルボン酸エステルの場合、硫化物が存在すると重合を起こしやすい傾向が認められるが、油水二相分離した時の水相側のpHを6以下に、好ましくはpHを5以下になるように硫酸イオンや燐酸イオンを発生させ得る酸及び/又は化合物を添加することで、硫化物の存在下に於いても重合物の生成が抑制されるという利点が見出された。
【0009】
また、二重結合を有するカルボン酸エステルの場合、上記操作によって油相から鉛イオンや鉛化合物がほぼ完全に除去できるため、油相を加熱蒸留して精製カルボン酸エステルを得る過程での重合物の生成が抑制されるという利点も見出された。
一方、水相側に沈殿濃縮した鉛の形態は殆どが硫酸塩及び/又は燐酸塩及び/又は硫化物であるため、分離回収が容易である。これら硫酸塩、燐酸塩、硫化物の溶解度が小さい為、水相に残存溶解する鉛イオン濃度も低減する結果となり、鉛をほぼ全量沈殿物として回収除去することが可能であることを見出した。
本発明者は、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、鉛を含む触媒を用いて、アルデヒドとアルコールと酸素を反応させ、対応するカルボン酸エステルを製造するに当たり、得られた水を含む粗カルボン酸エステル溶液に含まれる鉛イオンや鉛化合物を除去する方法に於いて、粗カルボン酸エステル溶液中で硫酸イオンまたは燐酸イオン、あるいは両イオンを発生させ得る酸及び/又は化合物を粗カルボン酸エステル溶液に添加し、次いで粗カルボン酸エステル溶液中で硫化水素イオンやイオウイオンを発生させ得る酸及び/又は化合物を粗カルボン酸エステル溶液に添加し、油水二層分離した時の水相側のpHを6以下に、好ましくはpHを5以下に調整し、水相中の水溶性有機物を油相に移動させながら鉛化合物を水相に析出させる鉛を分離回収する方法である。
また、前記の方法によって得られる油相からα,β−不飽和カルボン酸エステルを分離・回収するα,β−不飽和カルボン酸エステルの製造方法である。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
アルデヒドとアルコ−ルと酸素を反応させる鉛含有触媒としては、鉛を含むものならば組成を特に規定する必要はないが、反応特性の観点から鉛の他にパラジウムを含み、パラジウムと鉛の原子比Pd/Pbが0.1から10の範囲にある組成を持つ触媒が好ましい。パラジウムと鉛の他に異種元素として、例えば水銀、タリウム、ビスマス、テルル、ニッケル、クロム、コバルト、インジウム、タンタル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ハフニウム、タングステン、マンガン、銀、レニウム、アンチモン、スズ、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、白金、金、チタン、アルミニウム、硼素、珪素などの元素を含んだ触媒についても本回収方法を適用することが可能である。また、触媒成分を活性炭、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、ゼオライト、マグネシア、水酸化マグネシウム、チタニア、炭酸カルシウムなどに担持させた触媒にも本回収方法を適用することができる。
【0012】
使用するアルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、イソブチルアルデヒドなどの脂肪族アルデヒド;アクロレン、メタクロレン、クロトンアルデヒドなどの脂肪族α,β−不飽和アルデヒド;ベンズアルデヒド、ベンジルアルデヒド、フタルアルデヒドなどの芳香族アルデヒド;並びにこれらの誘導体などが挙げられる。勿論、これらのアルデヒド化合物は単独もしくは任意の2種以上の混合物として用いることができる。
【0013】
また、使用するアルコ−ルとしては、例えば、メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロパノ−ル、オクタノ−ルなどの脂肪族飽和アルコ−ル;エチレングリコ−ル、ブタンジオ−ルなどのジオ−ル;アリルアルコ−ル、メタリルアルコ−ルなどの脂肪族不飽和アルコ−ル;ベンジルアルコ−ルなどの芳香族アルコ−ルやフェノ−ル類が挙げられる。もちろん、これらのアルコ−ル化合物は単独もしくは任意の2種以上の混合物として用いることができる。特に工業的に有用な炭素数8以下のアルコ−ル類を用いることが好ましい。
【0014】
粗カルボン酸エステル溶液に添加すべき硫酸イオンまたは燐酸イオン、あるいは両イオンを発生させ得る酸及び/又は化合物としては、例えば硫酸、硫酸水素化合物、硫酸塩またはそれらの水溶液;燐酸、燐酸一水素化合物、燐酸二水素化合物、燐酸塩またはそれらの水溶液などが挙げられる。もちろん、これらの酸や化合物を単独もしくは任意に混合して使用することも可能であるが、使用時は粗カルボン酸エステル溶液の水相のpHを6以下に、好ましくはpH5以下の範囲に調整することが必要である。pHが6を越えると、鉛の沈殿分離除去が不十分になるだけでなく、有用なカルボン酸、例えばメタクリル酸等が油相に濃縮され難くなると言う問題が生じる。
【0015】
pH調整に際しては、前記の粗カルボン酸エステル溶液に添加すべき酸や化合物を用いただけではpH6以下が達成できない場合は、塩酸、硝酸、酸性塩、カルボン酸等の併用が可能である。
水相のpHが6以下の条件下で、前記の粗カルボン酸エステル溶液に添加すべき酸や化合物として、硫酸水素化合物、硫酸塩、燐酸一水素化合物、燐酸二水素化合物、燐酸塩またはそれらの水溶液を用いることは、油水分離を促進させ、油水界面の分離を明瞭化する上で効果的である。
【0016】
また、カルボン酸エステル合成反応系の安定化のため、pH調整用に使用するアルカリ金属化合物が、予め粗カルボン酸エステル中に含まれる場合は、これらアルカリ金属化合物由来のアルカリ金属イオンが硫酸及び/又は燐酸の使用によって水相に抽出されるので、上記の硫酸塩や燐酸塩を使用したのと同じ効果が得られる。この様な場合は、粗カルボン酸エステル溶液に添加すべき酸や化合物として、硫酸及び/又は燐酸を使用するだけで良い。
【0017】
硫酸イオンまたは燐酸イオン、あるいは両イオンを発生させ得る酸及び/又は化合物を粗カルボン酸エステル溶液に添加する際の添加量は、粗カルボン酸エステル溶液中に含まれる全鉛量に対して、1倍当量以上の前記の酸及び/又は化合物を添加するのが好ましい。例えば、硫酸について言えば、全鉛量と等モル量以上に、燐酸について言えば0.67モル量以上を添加するのが好ましい。尚、粗カルボン酸エステル溶液に添加すべき酸や化合物を水溶液として使用する場合は、できるだけ濃縮した状態とし、系内への水の持ち込みを最小限にすることが好ましい。
【0018】
硫酸イオンまたは燐酸イオン、あるいは両イオンを発生させ得る酸及び/又は化合物を粗カルボン酸エステル溶液に添加する際の温度条件は、氷点から150℃の範囲が好ましく、10℃から100℃の範囲が更に好ましい。圧力条件は減圧下、大気圧下、加圧下の何れの条件でもかまわない。二重結合を有する化合物含む系に於いては、本操作時にハイドロキノン、メトキシキノン、その他の重合抑制剤を系内に存在させておくことが効果的である。
このように、粗カルボン酸エステル溶液に硫酸イオンまたは燐酸イオン、あるいは両イオンを発生させ得る酸及び/又は化合物を添加し、pHを6以下、好ましくはpH5以下に維持することによって、粗カルボン酸エステル溶液をより二相に分離しやすくし、水相側に鉛イオンや鉛化合物を抽出あるいは沈殿移動させる一方、水相中の水溶性有機物を油相に移動させることができる。
【0019】
本発明で用いられる硫化水素イオンまたはイオウイオン、あるいは両イオンを発生させ得る酸及び/又は化合物としては、例えば硫化水素、硫化水素アルカリ、硫化アルカリ等の水溶性の硫化物やそれらの水溶液などが挙げられる。もちろん、これらの酸や化合物を単独もしくは任意に混合して使用することも可能である。
硫化水素イオンまたはイオウイオン、あるいは両イオンを発生させ得る酸及び/又は化合物の添加方法としては、直接粗カルボン酸エステル溶液に添加してもよいし、硫酸イオンまたは燐酸イオン、あるいは両イオンを発生させ得る酸及び/又は化合物を粗カルボン酸エステル溶液に添加した後、二相分離させて取り分けた水相側のみに添加してもよい。イオウ元素の混入を極微量なりとも避ける必要のあるカルボン酸エステルを所望する場合は、二相分離させて取り分けた水相側のみに添加することが望ましい。
【0020】
硫化水素イオンまたはイオウイオン、あるいは両イオンを発生させ得る酸及び/又は化合物を粗カルボン酸エステル溶液に直接添加して使用する場合は、油水二相分離した時の粗カルボン酸エステル溶液の水相部のpHを6以下に調整する必要があり、好ましくはpH5以下に調整するのが良い。また油水二相分離させた後、水相部を取り分けて水相部のみに硫化水素イオンまたはイオウイオン、あるいは両イオンを発生させ得る酸及び/又は化合物を添加する場合には、該化合物添加前の粗カルボン酸エステル溶液の水相部のpHを6以下に調整しておく必要があり、好ましくはpH5以下に調整しておくのが良い。pHが6を越えると、鉛の沈殿分離除去が不十分になるだけでなく、有用なカルボン酸が油相に濃縮され難くなると言う問題が生じ、さらには粗カルボン酸エステルが二重結合を有する場合、重合反応が促進されやすくなる。
水相部では鉛の硫酸塩、燐酸塩、硫化物等の析出物が観察されるが、析出物の一部がコロイド粒子として水相中に分散するような場合は、凝集剤の併用が効果をもたらす。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【実施例1】
担体として富士シリシア社製のシリカゲル(キャリアクト10;商品名)にパラジウム5重量%、鉛5重量%、マグネシウム4重量%を担持した触媒150gを触媒分離器を備え、液相部が1.2リットルのステンレス製気泡塔反応器に仕込み、34重量%のメタクロレン/メタノ−ルを0.54リットル/hr、NaOH/メタノ−ルを0.06リットル/hrで供給し、温度80℃、圧力5.03kg/cm2 で空気を供給しながら反応を行った。反応液のpHが7.0から7.5となるようにNaOH濃度を調整し、また、反応液中の鉛濃度が20ppmとなるように酢酸鉛をメタクロレン/メタノ−ルに溶かして連続的に供給した。一方、反応器出口酸素濃度が4容量%となるように空気を調整供給しながら反応を維持した。連続的に抜き出している反応液の組成が定常になった時点から反応液を溜め始め、2℃以下で冷蔵保存した。この時、メタクロレンの転化率は60%から65%の幅で推移し、メタクリル酸メチルの選択率は85%から90%の幅で推移した。
【0022】
冷蔵保存した反応液には未反応のメタクロレンとメタノ−ルが存在するため、ヘリパックを充填した蒸留塔を用いて連続蒸留し、メタクロレンとメタノ−ルを主として塔頂部より抜き出した。また、塔底部からは粗メタクリル酸メチル溶液を連続的に抜き出して放置したところ、油水二相分離した溶液が得られた。この粗メタクリル酸メチル溶液をよく撹拌した状態で5kg分取し、150gの濃硫酸をゆっくり撹拌しながら添加し、続けて5wt%の硫化ナトリウム水溶液5gをゆっくり攪拌しながら添加した。溶液を静置したところ油水二相分離時間が著しく短くなり、油水界面が明瞭になることが観察された。また、水溶性の有機化合物が水相から油相により多く移行したため、油相の体積が増大する現象が観察された。一方、水相には硫酸鉛と思われる微粒子と硫化鉛と思われる黒色沈殿物が析出しているのが観察された。
【0023】
つぎに、油相と水相をデカンテ−ションにより分離した後、各々500gずつ分取し、日立工機株式会社製の遠心分離器SCR−18Bを用いて7000rpm、15分間の条件下で固液分離を行った。遠心分離操作処理後の油相には沈殿物は観察されなかったが、遠心分離操作後の水相には黒色をした沈殿物の堆積が認められた。遠心分離処理した両液をICP測定装置(理学電気グル−プ製JY−138機種)で分析した結果、油相及び水相中に検知された鉛は0.1ppm以下であった。粗メタクリル酸メチル中のほぼ全量の鉛成分が水相に沈殿移動し固液分離されたことがわかる。また、この時の水相のpHは2.0であった。
【0024】
遠心分離操作処理後の油相及び水相中のメタクリル酸メチル、メタクリル酸、鉛の各濃度を測定した結果を表1に示した。表1中でMMAはメタクリル酸メチルを、MAAはメタクリル酸を、Pbは鉛を表している。表1中の比較例1の値に対して、実施例1のMMAの濃度(wt%)が低い値となっているのは、水相中の有機物が油相に抽出され、油相の体積が増加したためである。表1中の分配率で明らかなように、硫酸と硫化ナトリウム水溶液を添加した後の油相中には絶対量としてMMA、MAAが濃縮されていることがわかる。油相および水相中に検知される鉛濃度からわかるように、粗メタクリル酸メチル中のほぼ全量の鉛成分が水相に沈殿移動し、遠心分離操作によって固液分離されたことがわかる。
【0025】
一方、鉛を除去した油相に関しては、重合抑制剤としてハイドロキノンを1000ppm添加した後、ヘリパックを充填した蒸留塔2塔を用いて、メタクリル酸メチルに対し低沸点化合物と高沸点化合物をそれぞれの塔で分離除去し、精製メタクリル酸メチルと粗メタクリル酸を得た。両蒸留塔での重合物の発生は極めて僅少であり、メタクリル酸メチルの重合ロスは1%以下であった。
粗メタクリル酸メチル溶液中に含まれるMAA、MMA量を基準とした粗メタクリル酸及び精製メタクリル酸メチルの回収率を表2に示した。
【0026】
【実施例2】
実施例1で得られた粗メタクリル酸メチル溶液5kgに対して濃硫酸を添加する代わりに、85重量%濃度の燐酸120gをゆっくり撹拌しながら添加した以外は実施例1と同様な操作を行った。その結果、実施例1で観察された現象と同様に燐酸鉛および硫化鉛と思われる析出物が生じ、油水分離時間の短縮化が観察された。実施例1と同様にデカンテ−ションにより油相と水相を分離した。この時の水相のpHは2.2であった。次に、この油相と水相の各々を遠心分離した後、水相中のPb濃度を測定したところ両相とも0.1ppm以下であった。
【0027】
また、鉛を除去した後の油相を実施例1で用いた蒸留塔を使用し、同様の操作で蒸留精製した結果、蒸留過程で生じたメタクリル酸メチルの重合ロスは1%以下であった。
遠心分離操作後の油相および水相中のMMA、MAA、Pbの分析値を表1に、鉛分を除去した油相の蒸留精製過程に於ける重合ロスと粗メタクリル酸メチル溶液中に含まれるMAA、MMA量を基準とした粗メタクリル酸及び精製メタクリル酸メチルの回収率を表2に示した。
【0028】
【実施例3】
実施例1で得られた粗メタクリル酸メチル溶液5kgに対して濃硫酸を添加する代わりに、硫酸水素ナトリウム100gと燐酸二水素カリウム70gの25℃に於ける飽和混合水溶液をゆっくり撹拌しながら添加した以外は実施例1と同様な操作を行った。ただし、硫化ナトリウム水溶液をこの時点では添加しなかったが、実施例1で観察された現象と同じ様に硫酸鉛と燐酸鉛の混合物と思われる鉛化合物の析出現象と油水分離時間の短縮化が観察された。さらに硫酸を添加し、水相のpHを1.8に調整した後、実施例1と同様にデカンテ−ションにより油相と水相を分離した。ついで水相のみに5wt%の硫化ナトリウム水溶液5gをゆっくり攪拌しながら添加した。その後は、実施例1と同様な遠心分離操作を施した結果、最終的に得られた油相及び水相中の鉛濃度は0.1ppm以下であった。
【0029】
また、鉛を除去した後の油相を実施例1で用いた蒸留塔を使用し、同様の操作で蒸留精製した結果、蒸留過程で生じたメタクリル酸メチルの重合ロスは1%以下であった。
遠心分離操作後の油相および水相中のMMA、MAA、Pbの分析値を表1に、鉛分を除去した油相の蒸留精製過程に於ける重合ロスと粗メタクリル酸メチル溶液中に含まれるMAA、MMA量を基準とした粗メタクリル酸及び精製メタクリル酸メチルの回収率を表2に示した。
【0030】
【実施例4】
実施例1で得られた粗メタクリル酸メチル溶液5kgに対して硫酸ナトリウム100gを加え、ゆっくり撹拌しながら水相のpHが5.0になるまで硫酸を添加した以外は実施例3と同様な操作を行った。その結果、実施例1で観察された現象と同じ様に硫酸鉛の析出現象が観察された。実施例3と同様にデカンテ−ションにより油相と水相を分離した後、水相のみに5wt%の硫化ナトリウム水溶液10gをゆっくり撹拌しながら添加した。ついで水相をブフナ−ロ−ト内に厚み約5cmに堆積させた珪藻土層を通過させ、硫酸鉛と硫化鉛を含む水相500gを濾過した。最終的に得られた濾液中の鉛濃度は0.1ppm以下であった。一方、デカンテ−ション操作で得られた油相中の鉛濃度も0.1ppm以下であった。
【0031】
また、鉛を除去した後の油相を実施例1で用いた蒸留塔を使用し、同様の操作で蒸留精製した結果、蒸留過程で生じたメタクリル酸メチルの重合ロスは1%以下であった。
デカンテ−ションにより得られた油相および濾過操作を施した水相中のMMA、MAA、Pbの分析値を表1に、鉛分を除去した油相の蒸留精製過程に於ける重合ロスと粗メタクリル酸メチル溶液中に含まれるMAA、MMA量を基準とした粗メタクリル酸と精製メタクリル酸メチルの回収率を表2に示した。
【0032】
【実施例5】
実施例1で得られた粗メタクリル酸メチル溶液5kgに対して硫酸ナトリウム120gを加え、ゆっくり撹拌しながら水相のpHが6.0になるまで硫酸を添加した以外は実施例4と同様な操作を行った。その結果、実施例4で観察された現象と同じ様に硫酸鉛の析出現象が観察された。実施例4と同様にデカンテ−ションにより油相と水相を分離した後、水相のみに5wt%の硫化ナトリウム水溶液10gをゆっくり撹拌しながら添加した。ついで水相をブフナ−ロ−ト内に厚み約5cmに堆積させた珪藻土層を通過させ、硫酸鉛と硫化鉛を含む水相500gを濾過した。最終的に得られた濾液中の鉛濃度は0.3ppmであった。一方、デカンテ−ション操作で得られた油相中の鉛濃度は0.2ppmであった。
【0033】
また、鉛を除去した後の油相を実施例1で用いた蒸留塔を使用し、同様の操作で蒸留精製した結果、蒸留過程で生じたメタクリル酸メチルの重合ロスは約2%であった。実施例4と比較すると油相および水相中の残存鉛濃度も重合ロスも若干、多い結果となった。
デカンテ−ションにより得られた油相および濾過操作を施した水相中のMMA、MAA、Pbの分析値を表1に、鉛分を除去した油相の蒸留精製過程に於ける重合ロスと粗メタクリル酸メチル溶液中に含まれるMAA、MMA量を基準とした粗メタクリル酸と精製メタクリル酸メチルの回収率を表2に示した。
【0034】
【比較例1】
実施例1で得られた粗メタクリル酸メチル溶液に対して、硫酸イオンまたは燐酸イオン、あるいは両イオンを発生させ得る酸及び/又は化合物を添加せずにそのまま放置して、相分離してくる油相と水相をデカンテ−ションにより分離した。この時の水相のpHは7.2であった。
得られた油相中の鉛濃度は19.4ppmであり、この油相を実施例1で用いた蒸留塔を用いて、同様な操作で蒸留精製した結果、蒸留過程で生じたメタクリル酸メチルの重合ロスは10%以上になってしまい、塔内に重合物が蓄積してくる現象が観察され、蒸留操作を途中で断念せざるを得なかった。蒸留精製の途中、重合抑制剤の濃度を1000ppmから3000ppmに増加させても重合ロスを抑制させることはできなかった。重合物の発生は各塔底部のみならず蒸留液供給位置より下部の塔内でも確認された。
【0035】
また、水相に関しては実施例1と同様な遠心分離操作を施した結果、最終的に得られた水相中の鉛濃度として135ppmが検出された。
デカンテ−ション後の油相および遠心分離操作後の水相中のMMA、MAA、Pbの分析値を表1に、鉛を含む油相の蒸留精製過程に於ける重合ロスと、蒸留精製を断念するに至るまでの、粗メタクリル酸メチル溶液中に含まれるMAA、MMA量を基準とした粗メタクリル酸と精製メタクリル酸メチルの回収率を表2に示した。
【0036】
【比較例2】
実施例1で得られた粗メタクリル酸メチル溶液5kgに対して、硫酸イオンまたは燐酸イオン、あるいは両イオンを発生させ得る酸及び/又は化合物を添加せずに、5wt%の硫化ナトリウム水溶液5gをゆっくり撹拌しながら添加した後、放置することによって相分離してくる油相と水相をデカンテ−ションにより分離した。この時の水相のpHは7.3であった。
得られた油相中の鉛濃度は0.7ppmであり、この油相を実施例1で用いた蒸留塔を用いて、同様な操作で蒸留精製した結果、蒸留過程で生じたメタクリル酸メチルの重合ロスは10%以上になってしまい、塔内に重合物が蓄積してくる現象が観察され、蒸留操作を途中で断念せざるを得なかった。蒸留精製の途中、重合抑制剤の濃度を1000ppmから3000ppmに増加させても重合ロスを抑制させることはできなかった。重合物の発生は各塔底部のみならず蒸留液供給位置より下部の塔内でも確認された。
【0037】
また、水相に関しては実施例1と同様な遠心分離操作を施した結果、最終的に得られた水相中には鉛濃度として2.8ppmが検出された。
デカンテ−ション後の油相および遠心分離操作後の水相中のMMA、MAA、Pbの分析値を表1に、鉛を含む油相の蒸留精製過程に於ける重合ロスと、蒸留精製を断念するに至るまでの、粗メタクリル酸メチル溶液中に含まれるMAA、MMA量を基準とした粗メタクリル酸と精製メタクリル酸メチルの回収率を表2に示した。
【0038】
【比較例3】
実施例1で得られた粗メタクリル酸メチル溶液5kgに対して硫酸ナトリウム120gを加え、ゆっくり撹拌しながら水相のpHを7.0になるように2規定の硫酸水溶液と2規定の水酸化ナトリウム水溶液の両者を用いて調整した以外は実施例1と同様な操作を行った。その結果、実施例1で観察された現象と同じ様に硫酸鉛の析出現象が観察された。実施例1と同様にデカンテ−ションにより油相と水相を分離した。
【0039】
得られた油相中の鉛濃度は0.3ppmであり、この油相を実施例1で用いた蒸留塔を用いて、同様な操作で蒸留精製した結果、蒸留過程で生じたメタクリル酸メチルの重合ロスは10%以上になってしまい、塔内に重合物が蓄積してくる現象が観察され、蒸留操作を途中で断念せざるを得なかった。蒸留精製の途中、重合抑制剤の濃度を1000ppmから3000ppmに増加させても重合ロスを抑制させることはできなかった。重合物の発生は各塔底部のみならず蒸留液供給位置より下部の塔内でも確認された。
【0040】
また、水相に関しては実施例1と同様な遠心分離操作を施した結果、最終的に得られた水相中には鉛濃度として1.1ppmが検出された。
デカンテ−ション後の油相および遠心分離操作後の水相中のMMA、MAA、Pbの分析値を表1に、鉛を含む油相の蒸留精製過程に於ける重合ロスと、蒸留精製を断念するに至るまでの、粗メタクリル酸メチル溶液中に含まれるMAA、MMA量を基準とした粗メタクリル酸と精製メタクリル酸メチルの回収率を表2に示した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】
本発明によって、触媒から一部剥離または溶出する極微量の鉛イオンや鉛化合物を効率よく回収することが可能になるだけでなく、生成カルボン酸エステルや反応系内で副生する有用なカルボン酸および有機化合物を効率よく回収でき、しかも、鉛イオンや鉛化合物をほぼ完全に除去することによって、目的生成物であるカルボン酸エステルが二重結合を有する場合には、蒸留精製時に重合反応を抑制できるという工業的実用価値が高く、経済性に優れたカルボン酸エステルの製造法を提供することができる。
Claims (4)
- 鉛含有触媒を用いて、アルデヒドとアルコールと酸素を反応させ、対応するカルボン酸エステルを製造するに当たり、得られる水を含む粗カルボン酸エステル溶液に含まれる鉛イオンや鉛化合物を除去する方法に於いて、粗カルボン酸エステル溶液中で硫酸イオンまたは燐酸イオン、あるいは両イオンを発生させ得る酸及び/又は化合物を粗カルボン酸エステル溶液に添加し、次いで粗カルボン酸エステル溶液中で硫化水素イオンやイオウイオンを発生させ得る酸及び/又は化合物を粗カルボン酸エステル溶液に添加し、油水二相分離した時の水相側のpHを6以下に調整し、水相中の水溶性有機物を油相に移動させながら鉛化合物を水相に析出させて分離回収することを特徴とする鉛回収方法。
- 鉛含有触媒を用いて、アルデヒドとアルコ−ルと酸素を反応させ、対応するカルボン酸エステルを製造するに当たり、得られる水を含む粗カルボン酸エステル溶液に含まれる鉛イオンや鉛化合物を除去する方法に於いて、▲1▼ 粗カルボン酸エステル溶液中で硫酸イオンまたは燐酸イオン、あるいは両イオンを発生させ得る酸及び/又は化合物を粗カルボン酸エステル溶液に添加し、油水二相分離した時の水相側のpHを6以下に調整し、水相中の水溶性有機物を油相に移動させながら、析出する鉛化合物や油相に溶解する微量の鉛イオンを水相に移行させ、
▲2▼ さらに水相と油相とを分離した後、硫化水素イオンやイオウイオンを発生させ得る酸及び/又は化合物を水相に添加し、水相に溶解している微量の鉛イオンを硫化鉛として析出させ、▲1▼で析出した鉛化合物と共に水相から沈殿分離して回収することを特徴とする鉛回収方法。 - 該油水二相分離した時の水相側のpHが5以下である請求項1または2記載の鉛回収方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の方法によって得られる油相からα,β−不飽和カルボン酸エステルを分離・回収することを特徴とするα,β−不飽和カルボン酸エステルの製造方法。
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