JP4245542B2 - 多孔板吸音構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、騒音発生源からの音を低減する多孔板吸音構造体に関する。
特許文献1には、外装板と多数の貫通穴を有した内装板とが対向配置して構成された多孔質防音構造体が記載されている。この多孔質防音構造体における内装板は、板厚、穴径及び開口率が貫通穴を流通する空気に粘性作用を発生させる設計条件を満足するように設定されている。そのため、その粘性作用による空気振動の熱エネルギーへの変換が促進され、広い周波数帯域幅で十分な吸音性能を発揮する多孔質防音構造体になる。
特開2003−50586号公報
しかしながら、特許文献1に記載の多孔質防音構造体においては、外装板と内装板との間の空気層に貫通穴から進入した吸音する特定周波数の音波が、空気層内で平面波となって空気層の延在方向に沿って進む。このとき、空気層の延在方向の幅が特定周波数の音波の波長のほぼ1/2で等しくなると、空気層内で共鳴現象が発生し、空気層内の空気が空気層の延在方向のみ運動することになる。これにより、空気層内に貫通穴を介して音波が進入しにくくなり、多孔質防音構造体の吸音性能が低下する。
そこで、本発明の目的は、吸音性能の低下を抑制する多孔板吸音構造体を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の多孔板吸音構造体は、外装板と多数の貫通穴を有した内装板とが対向配置され、前記内装板の板厚、前記貫通穴の直径及び開口率が、前記貫通穴を通過する空気に粘性減衰作用を発生させるように設定された多孔板吸音構造体において、前記外装板と前記内装板との間には、両者を連結する複数の隔壁が形成されており、前記複数の隔壁が、前記両者間を前記内装板の面方向に平行な方向に沿って複数の空気室に仕切り、複数の前記空気室の幅をW、吸音する音の特定周波数の波長をλとするとき、0.5n(n:正の整数)+0.03<W/λ<0.5(n+1)−0.03の関係を満たす。
これによると、外装板と内装板との間を複数の空気室に仕切るように複数の隔壁が形成されているので、空気室の幅(隔壁間隔)が比較的短くなる。そのため、貫通穴から空気室に進入した吸音する特定周波数の音波による共鳴現象が、空気層の延在方向において生じなくなる。したがって、共鳴現象に起因した吸音性能の低下を抑制することができる。また、貫通穴から空気室に進入した吸音する特定周波数の音波による、空気室内での共鳴現象が確実に抑制されるとともに、効果的な吸音性能が得られる。
また、本発明において、複数の前記空気室が、吸音する音の複数の特定周波数の波長に対応してそれぞれ異なる幅を有していることが好ましい。これにより、複数の空気室内で同時に共鳴減少が発生しなくなり、吸音性能が効果的に向上する。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態の多孔板吸音構造体における外装板と内装板とが対向配置された状態を示す横断面図である。図1に示すように、本実施の形態の多孔板吸音構造体10は、遮音側に配置された外装板1と、音源側に配置された内装板2と、外装板1と内装板2との間に複数の空気層(空気室)3を介在させるように配置された複数の隔壁5とを有している。また、外装板1と内装板2は対向配置されている。外装板1及び内装板2は、内装板2の面方向に平行な図1中左右方向に沿って平行に延在された矩形平面形状を有しているが、例えば、円形形状、楕円形状、三角形状、多角形状の平面を有していてもよい。
外装板1、内装板2及び複数の隔壁5は、共に、鉄やアルミニウムなどの金属、樹脂、など、その他様々な材料からなっていてよい。なお、リサイクル時の分別処理が不要になるように、これら外装板1、内装板2及び複数の隔壁5が同一材料からなるのが望ましい。
吸音対象となる音源側に配置された内装板2には、円形平面形状の貫通穴4が多数形成されている。なお、貫通穴4の平面形状は、楕円形状、三角形状、多角形状であってもよい。そして、内装板2の板厚t、貫通穴4の直径φ、開口率β及び空気層3の層厚dは、貫通穴4を通過する空気に対して粘性減衰作用を生じさせるように設定されている。これにより、貫通穴4を通過する空気に粘性減衰作用が発生すると、空気振動が熱エネルギへと変換され、空気振動に減衰性が生じる結果、比較的広い周波数帯域で高い吸音効果を発揮できるようになる。
なお、この設定を吸音率が0.3となる周波数帯域幅が共鳴周波数に対して10%以上になるという条件にするのが好ましく、これによってより高い吸音率が得られる。
層厚dが10mm〜50mmの場合において、開口率3%以下、板厚tが0.3mm以上及び貫通穴4の直径φが0.8mm以下の設計条件を基準として設定されている。なお、吸音率が0.3以上となる周波数帯域幅は、開口率βが小さく、板厚tが厚く、貫通穴4の直径φが小さくなるにつれて拡大する傾向にある。
具体的には、多孔板吸音構造体10が層厚dが25mm、開口率βが1%、板厚tが0.5mm及び貫通穴4の直径φが0.8mmに設定された場合、図2に示すような吸音特性となる。
複数の隔壁5は、外装板1と内装板2とを連結している。これら隔壁5は、外装板1及び内装板2の延在方向に平行な方向に沿って互いに離隔しており、隔壁5どうしの間隔が所定間隔Wとなるように配設されている。所定間隔Wは、外装板1、内装板2及び隔壁5によって囲まれた各空気層3の幅となる。各空気層3の幅Wは、吸音する音の特定周波数の波長をλとすると、W≠0.5n(n:正の整数)λを満たすことが好ましい。これは、各空気層3の幅Wを、吸音する音の特定周波数における波長の一端から共鳴点までの長さ、すなわちλ/2の整数倍以外の長さにすることで、各空気層3において、吸音する音の特定周波数における共鳴が抑制され、その結果、多孔板吸音構造体10の減音量が増加するという解析結果(図3参照)によるものである。図3は、本発明の一実施形態による多孔板吸音構造体10の外装板1と内装板2との間に空気層3が2〜5個形成された状態における減音特性と、従来の仕切られていない空気層が1個形成された状態における減音特性とを比較したグラフである。なお、表1には、図3に示す解析番号S1〜S5の諸条件を示している。また、解析番号S1が仕切られていない空気層を有する従来の多孔板吸音構造体であり、解析番号S2〜S5が本発明による多孔板吸音構造体10である。
Figure 0004245542
表1に示すように、解析番号S1〜S5は、全長Lが同じ多孔板吸音構造体において、外装板1と内装板2との間が隔壁5によって1〜5等分に仕切られた空気層をそれぞれ有する多孔板吸音構造体となっている。つまり、解析番号S1では、空気層が1つだけなので、その幅が全長Lとほぼ同じ825mmとなっており、解析番号S2では解析番号S1における空気層を2等分した2つの空気層となっているので、1つ当たりの空気層の幅Wが412.5mmとなっており、解析番号S3では解析番号S1における空気層を3等分した3つの空気層となっているので、1つ当たりの空気層の幅Wが275mmとなっており、解析番号S4、S5では、同様に解析番号S1における空気層を4等分、5等分しているので、1つ当たりの空気層の幅Wが206.25mm、165mmとなっている。解析番号S1〜S5の1つ当たりの空気層の幅Wは、吸音する音の特定周波数における波長のλ/2と、いずれも同じ値になっていない。例えば、吸音する音の特定周波数が、1000Hzの場合であれば、その波長の1/2長さ(λ/2)が170mmであり、いずれもW≠170mmとなっている。さらに、各解析番号S1〜S5における空気層の幅Wは、吸音する音の特定周波数におけるλ/2の整数倍以外の長さとなっており、W≠0.5n(n:正の整数)λを満たしている。これにより、W≠0.5n(n:正の整数)λを変換したW/λ≠0.5nも満たしていることになる。
なお、図3は、周波数を横軸に、その周波数に対する減音量を縦軸に示したグラフから、横軸の各周波数を波長λに変換しつつその波長λで空気層の幅Wを割った値(W/λ)を横軸に、そのW/λ値に対する減音量を縦軸に示したグラフである。このように整理した図3により、吸音する音の特定周波数における波長λの共鳴点となる0.5λの整数倍における減音量が一目で分かるようになっている。図3より、各解析番号S1〜S5は、W/λ=0.5n(例えば、n=1の場合では、W/λ=0.5となり、n=2,3,4・・と増加すれば、W/λ=1,1.5,2・・となる)のときに減音量が小さくなっているが、各解析番号S1〜S5はともに、ある程度の減音量を有している。解析番号S1においては、空気層の幅Wが全長Lと同じ長さであり非常に大きな幅となっているため、その多孔板吸音構造体における減音量の最大値が5dB以下という減音効果が小さなものとなっている。しかしながら、解析番号S2〜S5においては、それぞれの空気層の幅Wが全長Lを2〜5等分された長さとそれぞれ同じ長さとなっており、解析番号S1における空気層の幅Wよりも小さな幅Wとなっている。その結果、解析番号S2〜S5は、解析番号S1の減音量におけるよりも最大値が大幅に増大しており、解析番号S2〜解析番号S4までは、その空気層の数が多くなる方(すなわち、各解析番号S2〜S4における1つ当たりの空気層の幅Wが小さくなる方)が減音量が大きくなっている。そして、解析番号S5においては、解析番号S4ほど減音量の最大値が大きくないが、解析番号S3よりは減音量の最大値が大きくなっている。図3に示す結果より、多孔板吸音構造体10は、空気層3の幅WがW≠0.5nλを満たし、且つ、外装板1と内装板2との間が複数の隔壁5によって複数の空気層3が形成されるように仕切られることで、空気層3内での共鳴が抑制され、吸音性能が向上する。
また、各空気層3の幅Wは、吸音する音の特定周波数の波長をλとすると、0.5n(n:正の整数)+0.03<W/λ<0.5(n+1)−0.03を満足することがより好ましい。これは、図3に示すように、解析番号S1〜S5は、W/λ=0.5nを基準として、その両側に減音量が増大する。つまり、W/λ=0.5nに向かって減音量が減少していくことになる。ここで、解析番号S1〜S5において、1dB以上減音することが可能な領域を設定すると、図3に示すように、n=1のときにW/λが0.47及び0.53となり、n=2のときにW/λが0.97及び1.03となり、n=3,4・・のときに、W/λが1.47,1.97・・及び1.53,2.03・・となり、これらのときにおいて減音量が1dB以上となるので、W/λが、0.5n−0.03〜0.5n+0.03の範囲内に属さないことが好ましい。つまり、上述したように0.5n+0.03<W/λ<0.5(n+1)−0.03を満足する空気層3の幅Wを設定することで、減音量が1dB以下となる領域がほとんど存在しない吸音性能を有する多孔板吸音構造体10となる。したがって、多孔板吸音構造体10は、W/λ≠0.5nの式を満足するよりも0.5n+0.03<W/λ<0.5(n+1)−0.03を満足する方が、より一層吸音性能が向上する。
続いて、外装板1と内装板2との間に隔壁5によって仕切られていない1つの空気層を有する従来の多孔板吸音構造体15と、外装板1と内装板2との間に複数の隔壁5によって5つの空気層3が介在するように等分に仕切られた多孔板吸音構造体10′との一端部側の検査面7上における音圧について、以下に説明する。
図4(a)は、表1に示す解析番号S1の諸条件に該当する多孔板吸音構造体15の模式図を示しており、(b)は表1に示す解析番号S5の諸条件に該当する多孔板吸音構造体10の模式図を示している。なお、図4(a)、(b)に示す多孔板吸音構造体10′,15は前述した多孔板吸音構造体10とほぼ同じ構成であり、空気層の形成数が異なるだけである。図4(a)、(b)に示すように、解析番号S1,S5のそれぞれの多孔板吸音構造体10′,15において、左下端部の加振点11から100Hzから1000Hzまでの単一周波数を図中の厚みRが45mmの吸音対象空間6に加え、右端部の音圧検査面(無反射端面)7における音圧積分値を数値解析で求めた。その結果を図5に示す。図5に示すように、解析番号S1の諸条件を満たす多孔板吸音構造体15では、1次共鳴数端数である206Hz付近とその整数倍の周波数において、外装板1と内装板2との間の空気層16での共鳴の影響により、音圧検査面7での減音量がほとんど0dBとなって管内の音圧がほとんど減音されていないが、解析番号S5の諸条件を満たす多孔板吸音構造体10´では、複数の隔壁5が設けられていることで共鳴発生周波数が高周波方向へシフトするため、特に800Hz前後の周波数域での音圧検査面7における減音量は30dB程度と大きくなり、管内の音圧がよく減音されている。図5より、外装板1と内装板2との間に複数の隔壁5が設けられ、複数の空気室3が両者間に介在されるように仕切られていることで、多孔板吸音構造体10′の吸音性能が向上する。
図6は図4(a)における多孔板吸音構造体15内における音圧の大きさを示す説明図である。図7は図4(b)における多孔板吸音構造体10´内における音圧の大きさを示す説明図である。なお、音圧の大きさは円で示しており、円が大きくなるに連れて音圧が上昇している。図6に示すように、解析番号S1の諸条件を満たす多孔板吸音構造体15は、左端部(加振点11側)から右端部(検査面7側)に亘る全域において、音圧の大きさに比例する円が無数に存在し、その円の大きさが左端から右端に向けて大きくなったり小さくなったり変化している。図6中の音圧を示す円が比較的大きな円となっている場所は、空気層16内で生じる共鳴発生部分であり、吸音対象空間6の音を空気層16内でほとんど吸音できていないことを表している。このように、多孔板吸音構造体15は、空気層16内での共鳴により音圧がほとんど低下していないことがわかる。これに対して、図7に示すように、解析番号S5の諸条件を満たす多孔板吸音構造体10′は、左端部(加振点側)から右端部(検査面側)に近づくに連れて、音圧が極めて小さくなり、その途中からは音圧を示す円が無くなっている。これは、5つの空気層3が、その内部で共鳴の発生が抑制されるように形成されているので、図7中左端に存在する空気層3から順に吸音対象空間6の音を吸音しているからである。このように、空気層3の内部での共鳴が抑制されると、空気層3内に吸音対象空間6の音が進入しやすくなり、吸音対象空間6の音を多数の貫通穴4を有した内装板2と空気層3からなる多孔板吸音構造で吸音する。
以上のように、多孔板吸音構造体10、10´によると、外装板1と内装板2との間に複数の隔壁5によって複数の空気層3が形成されていることで、空気層3の幅Wが比較的短くなる。そのため、貫通穴4から複数の空気層3に進入した吸音する特定周波数の音波による共鳴現象が、空気層3の延在方向において生じにくくなる。したがって、空気層3内の共鳴現象に起因した吸音性能の低下を抑制することができる。また、複数の空気層3の幅をW、吸音する音の特定周波数の波長をλとするとき、W/λ≠0.5nの関係を満たしているので、吸音する特定周波数の音波による、空気層3内での共鳴現象がより抑制される。加えて、多孔板吸音構造体10、10´が、0.5n+0.03<W/λ<0.5(n+1)−0.03の関係を満すことで、減音量が1dB以上となる吸音性能が得られる。
本実施の形態における多孔板吸音構造体10の空気層3の幅Wは、当該多孔板吸音構造体10内において、すべて同じ長さとなっているが、図8に示すように空気層30の幅Wが互いに異なっていてもよい。図8は、本発明の一実施形態の多孔板吸音構造体の変形例を示す横断面図である。図8に示すように、本変形例における多孔板吸音構造体20は、空気層30の幅がすべて異なる長さに形成されているだけで、その他は前述した多孔板吸音構造体10とほぼ同様である。なお、前述したものと同様なものについては同符号で示し説明を省略する。
多孔板吸音構造体20は、外装板1と内装板2との間に4つの隔壁5が配置されており、これら隔壁5によって5つの空気層30が外装板1と内装板2との間に介在している。5つの空気層30の幅Wは、左端から順に、85mm、120mm、160mm、210mm、250mmとされており、多孔板吸音構造体20の全長Lが825mmとなっている。そして、空気層30の厚層dが25mm、吸音対象空間6の厚みRが45mmとなっている。このように、多孔板吸音構造体20の空気層30の幅Wが互いに異なる幅となっていることで、5つの空気層30において同時に共鳴が発生しなくなる。
本実施の形態において、5つの空気層30の幅Wは、吸音する5つの特定周波数における波長の1/2長さといずれも異なる長さとなっており、W≠0.5nλを満たしている。つまり、多孔板吸音構造体20は、上述の多孔板吸音構造体10のようにW/λ≠0.5nを満たしていることになるので、多孔板吸音構造体10と同様な効果を得ることができる。
また、空気層30の幅Wが互いに異なる幅とされ、且つ吸音する5つの特定周波数に対応した波長の1/2長さと、いずれも異なる長さにすることが好ましい。これは、広帯域の周波数特性を有する音に対して、急激な減音量の落込がなくなるという実験結果(図9参照)によるものである。
図9は、解析番号S1の諸条件を満たす多孔板吸音構造体15、解析番号S5の諸条件を満たす多孔板吸音構造体10′及び本変形例による多孔板吸音構造体20の減音特性を示すグラフである。図8に示す、多孔板吸音構造体20の左下端の加振点11から100Hzから1500Hzまでの単一周波数を図8中の吸音対象空間6に加え、右端部の音圧検査面(無反射端面)7における音圧積分値を数値解析で求め、その結果を図9に示す。また、これと同様な数値解析を図4(a)、(b)に示す2つの多孔板吸音構造体10′,15に行い、その結果を図9に併せて示す。図9に示すように、解析番号S1の諸条件を満たす多孔板吸音構造体15では、上述と同様な現象が繰り返されており、検査面音圧がほとんど減音されていない。これに対して、解析番号S5の諸条件を満たす多孔板吸音構造体10′では、複数の隔壁5が設けられていることで共鳴発生周波数が高周波方向へシフトするため、特に800Hz前の周波数域での検査面音圧はよく減音されているが、1030Hzの周波数域で急激な減音量の落込が生じている。一方、本変形例による多孔板吸音構造体20では、解析番号S5の諸条件を満たす多孔板吸音構造体10′と同様に複数の隔壁5が設けられ且つ空気層30の幅Wが互いに異なっていることで共鳴発生周波数が高周波方向へシフトし、特に800Hz〜1300Hzの周波数域での検査面音圧がよく減音されている。つまり、多孔板吸音構造体20の空気層30の幅Wを互いに異なる幅にすることで、各空気層30内で共鳴が発生しなくなり、1030Hz近傍の減音量の急激な落込がなくなる。
以上のように、多孔板吸音構造体20によると、外装板1と内装板2との間の複数の空気層30の幅Wが、互いに異なる幅とされ、且つ吸音する5つの特定周波数に対応した波長の1/2長さと、いずれも異なる長さになっているので、吸音する音の5つの特定周波数において、対応するそれぞれの空気層30内で同時に共鳴現象が生じなくなる。そのため、いずれかの空気層30において共鳴現象が発生しても、その他の空気層30で吸音されるため、広い周波数帯域に関して吸音することが可能になり、多孔板吸音構造体20の吸音性能が向上する。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述した実施形態における多孔板吸音構造体10においては、各空気層3の幅Wが、当該多孔板吸音構造体10内において互いに同じ幅Wを有しているが、少なくとも2以上が同じ幅Wとなる組になった空気層組を有していてもよい。つまり、仮に10個の空気層を有する多孔板吸音構造体においては、同じ幅Wを有する空気層が2つずつ形成され、5種類の空気層の幅Wが存在していてもよい。したがって、空気層の幅Wの種類は様々なバリエーションが考えられ、またそれを適用することができる。これにより、吸音する音の種々の特定周波数に対応させることが可能になり、対応するそれぞれの空気層内での共鳴の同時発生を抑制することができる。
また、本実施の形態における多孔板吸音構造体10,20の空気層の幅Wは、空気層3の延在方向に沿った幅Wとなっているが、その延在方向と交差する方向に関する空気層の幅についても、上述と同様に吸音する音の特定周波数の波長のλ/2の整数倍以外の長さにすることで、上述した実施形態と同様な効果を得ることが可能となる。
本発明の一実施形態の多孔板吸音構造体における外装板と内装板とが対向配置された状態を示す横断面図である。 吸音特性を示すグラフである。 本発明の一実施形態による多孔板吸音構造体の外装板と内装板との間に空気層が2〜5個形成された状態と、従来の仕切られていない空気層が1個形成された状態とにおける減音特性を示したグラフである。 (a)は、表1に示す解析番号S1の諸条件に該当する多孔板吸音構造体の模式図を示しており、(b)は表1に示す解析番号S5の諸条件に該当する多孔板吸音構造体の模式図を示している。 減音特性を示すグラフである。 図4(a)における多孔板吸音構造体内における音圧の大きさを示す説明図である。 図4(b)における多孔板吸音構造体内における音圧の大きさを示す説明図である。 本発明の一実施形態の多孔板吸音構造体の変形例を示す横断面図である。 減音特性を示すグラフである。
符号の説明
1 外装板
2 内装板
3,30 空気層(空気室)
4 貫通穴
5 隔壁
10,10´,20 多孔板吸音構造体

Claims (2)

  1. 外装板と多数の貫通穴を有した内装板とが対向配置され、前記内装板の板厚、前記貫通穴の直径及び開口率が、前記貫通穴を通過する空気に粘性減衰作用を発生させるように設定された多孔板吸音構造体において、
    前記外装板と前記内装板との間には、両者を連結する複数の隔壁が形成されており、
    前記複数の隔壁が、前記両者間を前記内装板の面方向に平行な方向に沿って複数の空気室に仕切り、
    複数の前記空気室の幅をW、吸音する音の特定周波数の波長をλとするとき、0.5n(n:正の整数)+0.03<W/λ<0.5(n+1)−0.03の関係を満たすことを特徴とする多孔板吸音構造体。
  2. 複数の前記空気室が、吸音する音の複数の特定周波数の波長に対応してそれぞれ異なる幅を有していることを特徴とする請求項に記載の多孔板吸音構造体。
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