JP4245283B2 - インサーション管からの分岐方法および分岐構造 - Google Patents

インサーション管からの分岐方法および分岐構造 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明はインサーション管からの分岐方法および分岐構造に関し、特にたとえば既設の老朽管等をその内側から更生(補修)・更新するために用いられるインサーション管からの分岐方法および分岐構造に関する。
【0002】
【従来技術】
従来より、埋設された既設の老朽管等をその内側から更生・更新するために、その既設管内に合成樹脂製のインサーション管を挿入するインサーション工法がある。ところで、既設管に分岐管が接続されている場合、既設管に挿入されたインサーション管の分岐を取り出す箇所に、新規分岐継手であるサドル分岐継手やT字形管継手等を取り付ける必要がある。しかし、新規分岐継手は、既設分岐管の内径よりも大きいので、既設分岐管内に通すことができない。したがって、たとえば既設管路上の土(道路)を開削して、さらに既設管の分岐部に開口部を形成し、この開口部から新規分岐継手を挿入してインサーション管に取り付けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、インサーション管に新規分岐継手を取り付けるために、既設管路上の道路を開削して、既設管の分岐部に対してたとえば孔を開けることや、新規分岐継手を取り付けた後で土の埋め戻しを行うことは、手間とコストが多くかかるという問題がある。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、手間とコストが少なくて済む、インサーション管からの分岐方法および分岐構造を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、分岐継手を介して接続された分岐管を有する既設管内にインサーション管が挿入され、分岐継手の部分においてインサーション管から分岐する分岐構造であって、分岐管から注入された樹脂が分岐継手とインサーション管との隙間、および少なくとも分岐継手に接合された分岐管の下端部に達する高さまでの分岐継手の内側空間に充填されて硬化することによって形成され、インサーション管の外面、分岐継手の内面、および分岐管の下端部の内面のそれぞれに密着した状態でそれらを接合する仕切り部材、ならびに仕切り部材における分岐管内に形成されている部分からインサーション管に亘って貫通する孔を備える、インサーション管からの分岐構造である。
【0006】
第2の発明は、分岐継手を介して接続された分岐管を有する既設管内にインサーション管が挿入され、分岐継手の部分においてインサーション管から分岐する分岐構造であって、分岐管からインサーション管に形成された孔、分岐管内に孔と位置合わせして挿入された新規分岐管、ならびに分岐管と新規分岐管との隙間から注入された樹脂が分岐継手とインサーション管との隙間、および少なくとも分岐継手に接合された分岐管の下端部に達する高さまでの分岐継手と新規分岐管との隙間に充填されて硬化することによって形成され、インサーション管の外面、分岐継手の内面、分岐管の下端部の内面、および新規分岐管の外面のそれぞれに密着した状態でそれらを接合する仕切り部材を備える、インサーション管からの分岐構造である。
【0007】
第3の発明は、第1の発明のインサーション管からの分岐構造の形成方法であって、(a)分岐管から樹脂を注入して、分岐継手とインサーション管との隙間、および少なくとも分岐継手に接合された分岐管の下端部に達する高さまでの分岐継手の内側空間に樹脂を充填するステップ、(b)樹脂を硬化させて、インサーション管の外面、分岐継手の内面、および分岐管の下端部の内面のそれぞれに密着した状態でそれらを接合するステップ、ならびに(c)分岐継手の内側空間および隙間に充填されて硬化した樹脂とともにインサーション管に穿孔するステップを含む、インサーション管からの分岐構造の形成方法である。
【0008】
第4の発明は、第2の発明の分岐構造の形成方法であって、(a)分岐管からインサーション管に穿孔するステップ、(b)分岐管内に孔と位置合わせして新規分岐管を挿入するステップ、(c)分岐管と新規分岐管との隙間から樹脂を注入して、分岐継手とインサーション管との隙間、および少なくとも分岐継手に接合された分岐管の下端部に達する高さまでの分岐継手と新規分岐管との隙間に樹脂を充填するステップ、ならびに(d)樹脂を硬化させて、インサーション管の外面、分岐継手の内面、分岐管の下端部の内面、および新規分岐管の外面のそれぞれに密着した状態でそれらを接合するステップを含む、インサーション管からの分岐構造の形成方法である。
【0010】
【作用】
第1の発明のインサーション管からの分岐構造によると、分岐管から流動性を有する樹脂を注入し、分岐継手とインサーション管との隙間および分岐継手に接合された分岐管の下端部に達する高さまでの分岐継手の内側空間に樹脂を充填して、この樹脂を硬化させることによって仕切り部材を形成しているので、たとえば既設管路上の土(道路)を開削することなく、仕切り部材をインサーション管に取り付けた状態に形成することができる。そして、この仕切り部材が、分岐継手および分岐管のそれぞれの内面、ならびにインサーション管の外面に密着した状態で接合しているので、分岐継手とインサーション管との隙間と、インサーション管および分岐管の各内側空間とを密封状態で仕切ることができる。これにより、分岐継手の部分においてインサーション管からこの既設分岐管に分岐させることができる。
【0011】
第2の発明のインサーション管からの分岐構造によると、既設の分岐管と新規分岐管との隙間から樹脂を注入し、分岐継手とインサーション管との隙間および分岐継手に接合された分岐管の下端部に達する高さまでの分岐継手と新規分岐管との隙間に樹脂を充填して、この樹脂を硬化させることによって仕切り部材を形成する。これにより、たとえば既設管路上の土(道路)を開削することなく、仕切り部材をインサーション管および新規分岐管に取り付けた状態に形成することができる。この仕切り部材により、インサーション管の内側空間と新規分岐管の内側空間とを互いに連通させた状態で、インサーション管と新規分岐管との接合部を密封することができ、両者を互いに強固に結合することができる。そして、これらインサーション管および新規分岐管を分岐継手および既設の分岐管にも強固に結合することができる。このようにして、分岐継手の部分においてインサーション管から新規分岐管に分岐させることができる。
【0012】
第3の発明のインサーション管からの分岐構造の形成方法によると、分岐継手とインサーション管との隙間および分岐継手に接合された分岐管の下端部に達する高さまでの分岐継手の内側空間に樹脂を充填して、この樹脂を硬化させるとともに、インサーション管に穿孔することにより、インサーション管の内側空間と分岐管の内側空間とを互いに連通させることができる。この硬化した樹脂は、第1の発明の仕切り部材と同様に作用するのでその説明を省略する。
【0013】
第4の発明のインサーション管からの分岐構造の形成方法によると、まず、新規分岐管を分岐管に挿入してインサーション管に形成した孔に位置合わせをする。この状態で、分岐継手とインサーション管との隙間および分岐継手に接合された分岐管の下端部に達する高さまでの分岐管と新規分岐管との隙間に樹脂を充填して、この樹脂を硬化させる。この硬化した樹脂は、第2の発明の仕切り部材と同様に作用するのでその説明を省略する。
【0015】
【発明の効果】
この発明によれば、たとえば既設管路上の土(道路)を開削したり、土の埋め戻し行うことなく、インサーション管を既設分岐管の部分において分岐させることができる。したがって、インサーション管から分岐させるための手間およびコストを従来よりも低減することができる。
【0016】
そして、第1および第3の発明によれば、インサーション管により既設の老朽管をその内側から更生・更新することができる。第2,第4および第5の発明によれば、インサーション管および新規分岐管により既設の老朽管および老朽分岐管をその内側から更生・更新することができる。
【0017】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0018】
【実施例】
この発明の第1実施例のインサーション管からの分岐構造(以下、単に「分岐構造」と言うこともある。)は、図1に示すように、たとえば埋設された既設管10の老朽下水本管(以下、「既設下水本管」と言う。)11をその内側から更生または更新するために、図4に示すように、既設下水本管11内にインサーション管12を挿入するインサーション工法に適用することができるものである。この既設管10は、既設下水本管11、下水用分岐継手(以下、「既設分岐継手」と言う。)14および下水分岐管(以下、「既設分岐管」と言う。)16を備えている。この分岐構造によると、図4に示すように、既設下水本管11に既設分岐継手14を介して既設分岐管16が接続されている場合、この既設管路上の土(道路)等の開削や埋め戻しを行うことなく、インサーション管12から分岐させて、インサーション管12の内側空間12aと既設分岐管16の内側空間16aとを接続することができる。
【0019】
既設分岐継手14は、図1に示すように、内側空間を有する本体18を備えている。この本体18は、左右の各端部にゴム輪受口20,20が形成されており、これら左右の各ゴム輪受口20,20には既設下水本管11,11が接合されている。そしてこれら左右の既設下水本管11の各端部と突き合わせられている本体18の筒状部18aの内径は、既設下水本管11の内径と同一である。また、本体18の上部には、分岐用ゴム輪受口22が形成されており、この分岐用ゴム輪受口22には既設分岐管16が接合されている。そしてこの既設分岐管16の下端部と突き合わせられている本体18の上側筒状部18bの内径は、既設分岐管16の内径とほぼ同一である。
【0020】
これら既設下水本管11,11,既設分岐継手14および既設分岐管16は、道路の下に埋設されており、材質が塩化ビニル,ポリエチレン,ポリブテン等の合成樹脂である。なお、図1に示す既設下水本管11とゴム輪受口20、および既設分岐管16と分岐用ゴム輪受口22とのそれぞれの接合部は、接着剤により接着されて結合しており、ゴム輪により密封されている。
【0021】
インサーション管12は、図4に示すように、外径が既設下水本管11の内径よりも小さい円筒状体であり、材質が塩化ビニル,ポリエチレン,ポリブテン等の合成樹脂である。このインサーション管12は、既設下水本管11をその内側から更生・更新するために挿入されている。そして、インサーション管12の所定の箇所の管壁の上部に貫通孔26が形成されている。この貫通孔26および既設分岐管16のそれぞれの中心軸は、同一直線上にある。そして貫通孔26の直径は、既設分岐管16の内径よりも小さい寸法である。図4に示す28は、仕切り部材である。
【0022】
仕切り部材28は、図4に示すように、第1筒状部28aおよび第2筒状部28bを備えており、たとえばエポキシ樹脂で一体に形成されている。第1筒状部28aは、分岐継手本体18の筒状部18aとインサーション管12との間に形成されている隙間30、および左右の各既設下水本管11の端部とインサーション管12との間に形成されている隙間32にエポキシ樹脂が充填されて所定の厚みに形成されている。第2筒状部28bは、分岐継手本体18の上側筒状部18bと既設分岐管16の下端部のそれぞれの内面と密着して所定の厚みに形成されたものであり、材質はエポキシ樹脂である。そして、仕切り部材28の第2筒状部28bの内孔34の中心軸と一致させて、貫通孔36,26が形成されている。貫通孔36は、第1筒状部28aに形成され、貫通孔26はインサーション管12に形成されている。これら第2筒状部28bの内孔34,および貫通孔36,26を介してインサーション管12の内側空間12aと既設分岐管16の内側空間16aとが互いに連通している。そして、仕切り部材28は、各既設下水本管11,11の端部の内面、分岐継手本体18の内面、既設分岐管16の下端部の内面、およびインサーション管12の外面に密着した状態で接合している。
【0023】
これにより、仕切り部材28は、インサーション管12の内側空間12aおよび既設分岐管16の内側空間16aと、既設下水本管11とインサーション管12との間の筒状の隙間38,38との間の仕切りとなり、両者を密封状態で仕切っている。そして、仕切り部材28の第2筒状部28bが既設分岐継手14の上側筒状部18bおよび既設分岐管16の下端部に嵌合されて結合していること、ならびに第1筒状部28aが分岐継手本体18,既設下水本管11の端部およびインサーション管12と結合しているので、インサーション管12が既設下水本管11の軸方向にずれないように確実に保持できるし、第2筒状部28bが分岐継手本体18の上側筒状部18bから下方に外れないように保持することができる。このように形成された分岐構造により、既設分岐継手14の部分(既設分岐管16の部分)においてインサーション管12から既設分岐管16に分岐させている。
【0024】
次に、図1〜図4を参照して、図4に示す分岐構造を製作するためのインサーション管からの分岐方法を説明する。今、図1に示すように、埋設された既設下水本管11,11に既設分岐継手14を介して既設分岐管16が接続されている。既設分岐管16は、たとえば宅内升や公共升(図示せず)に接続している。まず、図2に示すように、既設下水本管11、既設分岐継手14の筒状部18aおよび既設下水本管11内にインサーション管12を挿入する。このインサーション管12は、図には示さないが、所定の温度に加熱されて柔軟な状態でマンホール等から挿入すると挿入し易い。インサーション管12は、既設下水本管11および既設分岐継手14内に挿入された状態で、自然冷却されて硬化し、この硬化した状態でインサーション管12、既設下水本管11の端部および分岐継手本体18の筒状部18aの各中心軸が略一致するように保持部(図示せず)により保持されている。この状態で、既設下水本管11の端部とインサーション管12との間、および分岐継手本体18の筒状部18aとインサーション管12との間に円筒形の隙間32,30が形成されている。
【0025】
次に、図3に示すように、既設分岐管16の上側開口部から流動性を有する状態のたとえばエポキシ樹脂を所定の圧力で注入して、分岐継手本体18とインサーション管12との間に形成されている隙間30、左右の各ゴム輪受口20に接合する各既設下水本管11の端部とインサーション管12との間に形成されている隙間32,32、および既設分岐管16の下端部に達する高さまでの既設分岐継手14の内側空間40にこの樹脂を充填する。そして、所定時間の経過によってこの充填された流動性を有するエポキシ樹脂が硬化すると、仕切りブロック42が形成される。しかる後に、既設分岐管16内に穿孔工具を挿入して、この仕切りブロック42の既設分岐管16の内側空間40等に形成された円柱状部42aの上面の中心からインサーション管12まで貫通する内孔34、貫通孔36,26をこの穿孔工具を使用して形成する(図4参照)。この内孔34、貫通孔36,26は、円柱状部42aの直径よりも少し小さい内径であり、貫通孔36は第1筒状部28aに形成されており、貫通孔26はインサーション管12に形成されている。この貫通孔34,36,26が形成された仕切りブロック42が仕切り部材28である。これでインサーション管12からの分岐構造の製作が終了する。
【0026】
ここで、仕切り部材28を形成する材料としてエポキシ樹脂を使用したが、これ以外の接着剤、シーリング材、コーキング材等を使用してもよい。要は、それぞれの隙間30,32や空間40に行き渡り易いように充填時においては流動性が良く、そして硬化した状態では隙間30,32や空間40を確実に気密および水密封止することができ、さらに既設下水本管11、既設分岐管16、既設分岐継手14、およびインサーション管12に対する接着性にすぐれた接着剤、シーリング材、コーキング材等を使用することが好ましい。したがって、既設下水本管11、既設分岐管16、既設分岐継手14、およびインサーション管12の材質に応じて適切な材質の樹脂製の接着剤等を使用することが好ましい。
【0027】
上記のインサーション管からの分岐方法および分岐構造によると、既設分岐管16から流動性を有するエポキシ樹脂を注入して、分岐継手本体18の筒状部18aとインサーション管12との間に形成されている隙間30、左右の各既設下水本管11の端部とインサーション管12との間に形成されている隙間32、および既設分岐管16の端部に達する高さまでの既設分岐継手14および既設分岐管16の内側空間40,16aにこの樹脂を充填し、さらに内孔34および貫通孔36を設けることによって仕切り部材28を形成することができる。このようにして、仕切り部材28をインサーション管12等に密着させて取り付けた状態に形成することができる。
【0028】
これにより、たとえば既設管10上の土(道路)等の開削や土の埋め戻しを行うことなく、インサーション管12を既設分岐継手14の部分において既設分岐管16内に分岐させることができる。よって、インサーション管12から分岐させるための手間およびコストを従来よりも低減することができる。
【0029】
そして、図4に示す分岐構造は、流体(または気体)を通すための固定構造物としての機械的強度等をインサーション管12自体に持たせることができる。また、この機械的強度等をインサーション管12と既設下水本管11との組合わせによって持たせるようにすることもできる。つまり、既設下水本管11をインサーション管12によって更新または更生することができる。
【0030】
次に、第2実施例のインサーション管からの分岐構造(以下、単に「分岐構造」と言うこともある。)を図8を参照して説明する。図8に示す第2実施例の分岐構造は、図4に示す第1実施例において、既設分岐管16の内側に外径が既設分岐管16の内径よりも小さい新規分岐管44が挿入されており、その新規分岐管44の下端部の外周面が仕切り部材28の第2筒状部28bの内周面に密着した状態で接合したものであって、この新規分岐管44の下端面がインサーション管12の外面に当接している。したがって、第2実施例のインサーション管12の管壁に形成されている貫通孔46の内径は、第1実施例のインサーション管12に形成されている貫通孔26の内径よりも小さい寸法であり、この貫通孔46を形成する周縁の上面に新規分岐管44の下端面が当接している。図7は、新規分岐管44の下端面がインサーション管12に形成されている貫通孔46の周縁の上面に当接する状態を、インサーション管12の軸方向から見た縦断面図である。この縦断面図から分かるように、新規分岐管44の下端面は、インサーション管12の外面に沿うように内側に湾曲した形状に形成されている。
【0031】
このように、新規分岐管44の下端面が貫通孔46を形成する周縁の上面で保持されており、新規分岐管44の外周面が仕切り部材28の第2筒状部28bの内周面に結合した状態で保持されているので、新規分岐管44の貫通孔46に対しての、それぞれの中心軸が互いに離れる方向への位置ずれ、および中心軸方向の位置ずれを防止することができる。そして、仕切り部材28の第2筒状部28bは、新規分岐管44およびインサーション管12の内側空間44a,12aと、既設分岐管16と新規分岐管44との間の筒状の隙間48との間の仕切りとなり、両方の空間を密封状態で仕切っている。
【0032】
この分岐構造によると、第1実施例と同様に、たとえば既設管10上の土(道路)等の開削や埋め戻しを行うことなく、インサーション管12の内側空間12aと、既設分岐管16内に挿入されている新規分岐管44の内側空間44aとを互いに連通させることができる。このように形成された分岐構造により、既設分岐継手14の部分(既設分岐管16の部分)においてインサーション管12から新規分岐管44に分岐させている。そして、既設下水本管11内にインサーション管12を挿入した構成としたことにより、既設下水本管11を更新または更生することができる。そして、既設分岐管16内に新規分岐管44を挿入する構成としたことにより既設分岐管16も更新または更生することができる。ただし、第1実施例では、既設分岐管16内に新規分岐管44を挿入していないので、既設分岐管16を更新または更生していない。これ以外は、第1実施例の分岐構造と同等であり、同等部分を同一の図面符号で示しそれらの詳細な説明を省略する。
【0033】
次に、図1,図5〜図8を参照して、図8に示す分岐構造を製作するためのインサーション管からの分岐方法を説明する。今、図1に示すように第1実施例と同様に、埋設された既設下水本管11に既設分岐継手14を介して既設分岐管16が接続されている。まず、図5に示すように、既設下水本管11、既設分岐継手14の筒状部18aおよび既設下水本管11内にインサーション管12を挿入する。インサーション管12は、既設下水本管11および既設分岐継手14内に挿入された状態で、インサーション管12、既設下水本管11の端部および分岐継手本体18の筒状部18aの各中心軸が略一致するように保持部(図示せず)により保持されている。この状態で、既設下水本管11の端部とインサーション管12との間、および分岐継手本体18の筒状部18aとインサーション管12との間に円筒形の隙間32,30が形成されている。
【0034】
次に、既設分岐管16内にホールソ等の穿孔工具を挿入して、図5に示すように、インサーション管12の管壁の上側部分に貫通孔46をこの穿孔工具を使用して形成する。この貫通孔46は、その中心軸が既設分岐管16の中心軸と一致しており、内径が新規分岐管44の内径よりも小さい寸法である(図8参照)。
【0035】
次に、図6に示すように、既設分岐管16の内径よりも小さい外径の新規分岐管44を既設分岐管16内に挿入して、この新規分岐管44の下端面を貫通孔46の周縁の上面に位置合わせして押し付ける。この押し付けた状態で、新規分岐管44および貫通孔46のそれぞれの中心軸が一致している。また、新規分岐管44の下端面は、図7に示すように、内側に円弧状に湾曲した形状であり、その下端面の全体がインサーション管12に形成された貫通孔46の周縁の上面に密着している。
【0036】
次に、図8に示すように、既設分岐管16と新規分岐管44との隙間48の上側開口部から流動性を有する状態のたとえばエポキシ樹脂を所定の圧力で注入して、分岐継手本体18の筒状部18aとインサーション管12との間に形成されている隙間30、左右の各既設下水本管11の端部とインサーション管12との間に形成されている隙間32、ならびに既設分岐管16および既設分岐継手14と新規分岐管44との隙間48であって既設分岐管16の下端部に達する高さまでの内側空間にこの樹脂を充填する。
【0037】
なお、エポキシ樹脂を充填する際は、新規分岐管44の下端面をインサーション管12の外面に所定の力で押し付けておき、エポキシ樹脂がその接合部分からインサーション管12内に流入しないようにすることが必要である。もちろん、新規分岐管44の下端面とインサーション管12の外面とを接着剤で接着しても良い。そして、所定時間の経過によってこの充填された流動性を有するエポキシ樹脂が硬化すると、仕切り部材28が形成される。これでインサーション管からの分岐構造の製作が終了する。
【0038】
ここで、仕切り部材28を形成する材料としてエポキシ樹脂を使用したが、第1実施例と同様に、既設分岐継手14等の材質に応じてこれ以外の樹脂であって接着剤、シーリング材、コーキング材等を使用してもよい。
【0039】
上記のインサーション管からの分岐方法および分岐構造によると、既設分岐管16と新規分岐管44との隙間48の上側開口部から流動性を有するエポキシ樹脂を注入し、分岐継手本体18の筒状部18aとインサーション管12との間に形成されている隙間30、各既設下水本管11の端部とインサーション管12との間に形成されている隙間32、ならびに既設分岐管16および既設分岐継手14と新規分岐管44との隙間48であって既設分岐管16の下端部に達する高さまでの内側空間にこの樹脂を充填することによって仕切り部材28を形成することができる。このようにして、仕切り部材28をインサーション管12および新規分岐管44に密着させて取り付けた状態に形成することができる。
【0040】
これにより、インサーション管12の内側空間12aと新規分岐管44の内側空間44aとを互いに連通させた状態で、インサーション管12と新規分岐管44との接合部を仕切り部材28によって密封することができ、両者を互いに強固に結合することができる。そして、仕切り部材28によってこれらを既設下水本管11,既設分岐継手14および既設分岐管16にも強固に結合することができる。
【0041】
したがって、第1実施例と同様に、たとえば既設管10上の土(道路)等の開削や埋め戻しを行うことなく、インサーション管12を既設分岐継手14の部分において新規分岐管44に分岐させることができる。よって、インサーション管12から分岐させるための手間およびコストを従来よりも低減することができる。
【0042】
そして、図8に示す分岐構造は、流体(または気体)を通すための固定構造物としての機械的強度等をインサーション管12および新規分岐管44のそれぞれに持たせることができる。また、この機械的強度等をインサーション管12と既設下水本管11との組合わせ、および既設分岐管16と新規分岐管44との組合わせによって持たせるようにすることもできる。つまり、既設下水本管11および既設分岐管16をインサーション管12および新規分岐管44によって更新または更生することができる。
【0043】
次に、第3実施例のインサーション管からの分岐構造(以下、単に「分岐構造」と言うこともある。)を図11を参照して説明する。図11に示す第3実施例の分岐構造は、図4に示す第1実施例において、既設分岐管16の内側に外径が既設分岐管16の内径よりも小さい新規分岐管52を挿入して、その新規分岐管52の下端部の外周面を仕切り部材28の第2筒状部28bの内周面に密着した状態で接合したものである。そして、インサーション管12の管壁に形成された貫通孔54の周縁54aは、インサーション管12の外側に突出した状態で屈曲しており、仕切り部材28の内部に埋め込まれた状態となっている。この貫通孔54の周縁54aの内径は、仕切り部材28の第2筒状部28bの内径に一致している。
【0044】
また、新規分岐管52の下端部は、貫通孔54に挿入されており、その下端部の外周面が貫通孔54の周縁54aの内面(インサーション管12の内面)に密着した状態で接着剤を介して接合している。さらに、新規分岐管52の下端部の周縁に環状の鍔状部56が形成されており、この鍔状部56の上側の外周縁が貫通孔54を形成する周縁54aの屈曲部の内側面に当接している。したがって、第3実施例のインサーション管12に形成されている貫通孔54の内径は、新規分岐管52が挿入される前の図9に示す状態で、第1実施例のインサーション管12に形成されている貫通孔26の内径よりも小さい寸法である。そして、新規分岐管52の下端面および鍔状部56は、第2実施例と同様に、インサーション管12の内面に沿うように内側に湾曲した形状に形成されている。
【0045】
このように、新規分岐管52の下端部の外周面が貫通孔54を形成する周縁54aの内周面に接着された状態で保持されており、さらにその上側部分の外周面が仕切り部材28の第2筒状部28bの内周面に結合した状態で保持されている。これにより、新規分岐管52の貫通孔54に対してのそれぞれの中心軸の互いに離れる方向の位置ずれ、および中心軸方向の位置ずれを防止することができる。そして、仕切り部材28の第2筒状部28bは、新規分岐管52およびインサーション管12の内側空間52a,12aと、既設分岐管16と新規分岐管52との間の筒状の隙間48との間の仕切りとなり、両方の空間を密封状態で仕切っている。
【0046】
この分岐構造によると、第1実施例と同様に、たとえば既設管10上の土(道路)等の開削や埋め戻しを行うことなく、インサーション管12の内側空間12aと、既設分岐管16内に挿入されている新規分岐管52の内側空間52aとを互いに連通することができる。このように形成された分岐構造により、既設分岐継手14の部分(既設分岐管16の部分)においてインサーション管12から新規分岐管52に分岐させている。そして、既設下水本管11内にインサーション管12を挿入する構成としたことにより、既設下水本管11を更新または更生することができるし、既設分岐管16内に新規分岐管52を挿入する構成としたことにより既設分岐管16も更新または更生することができる。これ以外は、第1実施例の分岐構造と同等であり、同等部分を同一の図面符号で示しそれらの詳細な説明を省略する。
【0047】
次に、図1,図9〜図11を参照して、図11に示す分岐構造を製作するためのインサーション管からの分岐方法を説明する。今、図1に示すように第1実施例と同様に、埋設された既設下水本管11に既設分岐継手14を介して既設分岐管16が接続されている。まず、図9に示すように、既設下水本管11、既設分岐継手14の筒状部18aおよび既設下水本管11内にインサーション管12を挿入する。インサーション管12は、既設下水本管11および既設分岐継手14内に挿入された状態で、インサーション管12、既設下水本管11の端部および分岐継手本体18の筒状部18の各中心軸が略一致するように保持部(図示せず)により保持されている。この状態で、既設下水本管11とインサーション管12との間、および分岐継手本体18の筒状部18aとインサーション管12との間に円筒形の隙間32,30が形成されている。
【0048】
次に、既設分岐管16内にホールソ等の穿孔工具を挿入して、図9に示すように、インサーション管12の管壁の上側部分に貫通孔54をこの穿孔工具を使用して形成する。この貫通孔54および既設分岐管16の中心軸は、同一軸線上にあり、貫通孔54の内径が新規分岐管52の内径よりも小さい寸法である。
【0049】
次に、図10に示すように、既設分岐管16の内径よりも小さい外径の新規分岐管52を既設分岐管16内に挿入し、そして新規分岐管52の下端部を貫通孔54内に通してインサーション管12の内側に挿入する。このとき、貫通孔54の周縁54aは、拡径されてインサーション管12の内側に向かって屈曲変形し、突出した状態となっている。そして、貫通孔54の内周面(インサーション管12の外面)は、新規分岐管52の外周面と密着している。ただし、この新規分岐管52の下端部の外周面には接着剤を塗布してある。
【0050】
次に、図11に示すように、下降位置にある新規分岐管52を上方に向かって引き上げる。このとき、新規分岐管52の下端部に形成されている鍔状部56がインサーション管12の内側に向って突出している貫通孔54の周縁54aを変形させて上方に引き上げることとなり、この周縁54aがインサーション管12の外側に突出する状態に変形する。この状態で、新規分岐管52の下端部は、その外周面が貫通孔54の周縁54aの内面(インサーション管12の内面)に密着して、新規分岐管52の下端部の外周面に塗布されている接着剤を介してその内面に接合することとなる。貫通孔54の内周面と新規分岐管52の外周面との接合部分は、インサーション管12の管壁の弾性力と接着剤とにより密封される。そして、新規分岐管52の鍔状部56は、内側に円弧状に湾曲した形状であり、その上側の外側縁の全体がインサーション管12に形成された貫通孔54の周縁54aの屈曲部の内側面に密着している。
【0051】
次に、図11に示すように、既設分岐管16と新規分岐管52との隙間48の上側開口部から流動性を有する状態のたとえばエポキシ樹脂を所定の圧力で注入して、分岐継手本体18の筒状部18aとインサーション管12との間に形成されている隙間30、左右の各既設下水本管11の端部とインサーション管12との間に形成されている隙間32,32、ならびに既設分岐管16および既設分岐継手14と新規分岐管52との隙間48であって既設分岐管16の下端部に達する高さまでの内側空間にこの樹脂を充填する。そして、所定時間の経過によってこの充填された流動性を有するエポキシ樹脂が硬化すると、仕切り部材28が形成される。これでインサーション管12からの分岐構造の製作が終了する。
【0052】
ここで、仕切り部材28を形成する材料としてエポキシ樹脂を使用したが、第1実施例と同様に、既設分岐継手14等の材質に応じてこれ以外の樹脂であって、接着剤、シーリング材、コーキング材等を使用してもよい。
【0053】
上記のインサーション管12からの分岐方法および分岐構造によると、既設分岐管16と新規分岐管52との隙間48の上側開口部から流動性を有するエポキシ樹脂を注入し、分岐継手本体18の筒状部18aとインサーション管12との間に形成されている隙間30、各既設下水本管11の端部とインサーション管12との間に形成されている隙間32、ならびに既設分岐管16および既設分岐継手14と新規分岐管52との隙間48であって既設分岐管16の下端部に達する高さまでの内側空間にこの樹脂を充填することによって仕切り部材28を形成することができる。これにより、仕切り部材28をインサーション管12および新規分岐管52に密着させて取り付けた状態に形成することができる。
【0054】
このようにして、インサーション管12の内側空間12aと新規分岐管52の内側空間52aとを互いに連通させた状態で、インサーション管12と新規分岐管52の接合部を仕切り部材28によって密封することができ、両者を互いに強固に結合することができる。そして、仕切り部材28によってこれらを既設下水本管11,既設分岐継手14および既設分岐管16にも強固に結合することができる。
【0055】
したがって、第1実施例と同様に、たとえば既設管10上の土(道路)等の開削や埋め戻しを行うことなく、インサーション管12を既設分岐継手14の部分において新規分岐管52に分岐させることができる。よって、インサーション管12から分岐させるための手間およびコストを従来よりも低減することができる。
【0056】
そして、図11に示す分岐構造は、流体(または気体)を通すための固定構造物としての機械的強度等をインサーション管12および新規分岐管52のそれぞれに持たせることができる。また、この機械的強度等をインサーション管12と既設下水本管11との組合わせ、および既設分岐管16と新規分岐管52との組合わせによって持たせるようにすることもできる。つまり、既設下水本管11および既設分岐管16をインサーション管12および新規分岐管52によって更新または更生することができる。
【0057】
ただし、上記第1〜第3実施例において、図3,図8および図11に示すように、既設下水本管11の各端部および分岐継手本体18の筒状部18aとインサーション管12との間の隙間32,30にエポキシ樹脂を所定の圧力で充填しているが、この充填された流動性を有するエポキシ樹脂が、それぞれの図に示すように、それらの予め定めた隙間32,30の範囲内の全体に確実に行き渡るようにするために、および既設下水本管11の各端部とインサーション管12との間の隙間32,32の予め定めた箇所からそれよりも外側に流れ出にくくするために、図12に示すゴム輪(流れ止め部材)60,60をインサーション管12の所定の2個所の位置に取り付けてもよい。このゴム輪60は、インサーション管12を既設下水本管11内に挿入する前に、インサーション管12の図12に示す所定の2個所の位置にその外周面にたとえば接着して取り付けておくか、またはインサーション管12の外周面に環状の溝を設けてその溝に嵌合させておく。そして、インサーション管12を既設下水本管11に挿入して、図12に示すように、各ゴム輪60をたとえば既設下水本管11の各端部と対応する位置に配置する。しかる後に、各実施例で説明したようにしてエポキシ樹脂を所定の圧力で充填する。このとき、図12に示す既設下水本管11の内面とゴム輪60との隙間62から、その充填されてきたエポキシ樹脂により押しのけられてきた空気が隙間38側に流出するが、エポキシ樹脂は、ゴム輪60により塞き止められてその隙間62からの流出が抑制される。これによってエポキシ樹脂が、図3,図8および図11に示すように、それらの予め定めた隙間30,32の範囲内の全体に確実に行き渡るようにすることができる。
【0058】
そして、図12では、インサーション管12の所定の2個所にゴム輪60を取り付けた構成としたが、これに代えて、図13に示すように、この2つのゴム輪60を取り付けた個所にゴム輪60と対応する形状の環状の突起64をそのインサーション管12に設けた構成としてもよい。突起64を予めインサーション管12に一体に設けておくことにより、インサーション管12を既設下水本管11に挿入する際に、この突起64がインサーション管12から外れることがなく、挿入作業をスムースに行うことができる。図13に示すインサーション管12は、外周面に多数の環状のリブ66、…が形成されているが、各リブ66の高さは、突起64の高さよりも低く形成されている。各突起64は、ゴム輪60と同様に作用するのでその説明を省略する。
【0059】
また、図12および図13では、インサーション管12の所定の2個所にゴム輪60や突起64を設けた構成としたが、これに以外の方法によってもエポキシ樹脂が予め定めた隙間30,32の範囲内の全体に確実に行き渡るようにすることができる。つまり、仕切り部材28を形成する際に、まず、たとえば適当な速乾性の樹脂(接着剤、シーリング材、コーキング材等)を図3、図8および図11に示す既設下水本管11の端部とインサーション管12との隙間32,32に所定の圧力をかけて充填して、ゴム輪60や突起64に相当する流れ止め部材を形成する。ただし、既設下水本管11の内面とこの流れ止め部材との間に図12に示すような隙間62を形成する。次に、流動性の良いエポキシ樹脂を充填して仕切り部材28を形成する。これにより、エポキシ樹脂が予め定めた隙間30,32の範囲内の全体に確実に行き渡らせることができる。
【0060】
また、第2実施例では、図6および図7に示すように、新規分岐管44の下端面をインサーション管12の外面に直接に当接させたが、これに代えて、図14に示すように、新規分岐管44の下端面に軟質ゴム、たとえばスポンジゴムからなる環状の軟質部材68を接着して取り付けても良い。このように、環状の軟質部材68を新規分岐管44の下端面に取り付けることにより、新規分岐管44の下端面とインサーション管12の外面との接合部分をこの軟質部材68により密封することができ、充填されてきたエポキシ樹脂がこの接合部分を通ってインサーション管12の内側に流入しないようにすることができる。なお、新規分岐管44は、インサーション管12に押し付けられていて、軟質部材68は圧縮されているので、エポキシ樹脂がこの圧縮された軟質部材68を通り抜けることはない。
【0061】
更に、第2実施例では、図6および図7に示すように、新規分岐管44の下端面をインサーション管12の外面に直接に当接させたが、これに代えて、図15に示すようにして新規分岐管44の下端部をインサーション管12に形成された貫通孔70の周縁に嵌合させて取り付けてもよい。つまり、新規分岐管44の下端部にこの新規分岐管44の外径よりも小さい外径の小径部72を形成し、この小径部72の外周にゴム輪74を取り付ける。この小径部72の外径は、貫通孔70の内径と略等しくする。図15に示す状態は、この小径部72が貫通孔70に挿入されて、小径部72の上端に形成されている段部の下面76とインサーション管12の外面との間にゴム輪74が挟み込まれた状態となっている。これにより、新規分岐管44の下端部とインサーション管12に形成された貫通孔70の周縁との接合部分をこのゴム輪74により密封することができ、充填されてきたエポキシ樹脂がこの接合部分を通ってインサーション管12の内側に流入しないようにすることができる。そして、小径部72を貫通孔70に嵌合させているので、新規分岐管44の貫通孔70に対する取付位置の位置決めを確実に行うことができ、予め定めた形状の仕切り部材28を確実に形成することができる。
【0062】
そして、第3実施例の鍔状部56は、図11に示すように、新規分岐管52の下端縁に円環状の突起として形成したが、これ以外の形状としてもよい。要は、インサーション管12の内側に突出する貫通孔54の周縁54aを(図10参照)、新規分岐管52を引き上げるときに、図11に示すようにインサーション管12の外側に突出させるように変形させることができるものであればよい。たとえば、新規分岐管52の下端縁の外周に沿って、所定の角度ごとの位置に半径方向の外側に突出する突起(図示せず)を設けた構成としてもよい。
【0063】
また、第3実施例の分岐方法および分岐構造において、図11に示す仕切り部材28を省略してもよい。新規分岐管52の下端部の外周面と、インサーション管12に形成された貫通孔54の周縁54aの内周面とは、接着剤により互いに接着されており、両者の接合部が密封されているからである。そして、第3実施例の分岐方法および分岐構造において、新規分岐管52の下端部の外周面と、インサーション管12に形成された貫通孔54の周縁54aの内周面とを、接着剤により互いに接着したが、この接着剤を省略してもよい。もちろん、接着剤を省略する場合は、仕切り部材28を省略しない。
【0064】
さらに、第1〜第3実施例では、合成樹脂製の既設管路にこの発明を適用したが、これ以外にもたとえば鋳鉄製や鋼製の既設管路にこの発明を適用することができる。
【0065】
そして、第1〜第3実施例では、管内の圧力が大気圧である下水用の既設管路にこの発明を適用したが、これ以外にもたとえば管内の圧力が大気圧を超えるガス用または上水用の既設管路などにもこの発明を適用することができる。この場合には、既設分岐継手14と既設本管11および既設分岐管16との接合は、ゴム輪接合のみではなく、接着接合や他の耐圧接合となることがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の図4第1実施例の分岐構造が適用される既設管を示す縦断面図である。
【図2】図4第1実施例の分岐構造を製作する手順において既設下水本管にインサーション管を挿入した状態を示す縦断面図である。
【図3】図4第1実施例の分岐構造を製作する手順において既設分岐継手とインサーション管との隙間および所定の隙間にエポキシ樹脂を充填した状態を示す縦断面図である。
【図4】この発明の第1実施例の分岐構造を製作する手順において仕切りブロックに貫通孔を形成して分岐構造が出来上がった状態を示す縦断面図である。
【図5】この発明の図8第2実施例の分岐構造を製作する手順において既設下水本管にインサーション管を挿入してそのインサーション管に貫通孔を形成した状態を示す縦断面図である。
【図6】図8第2実施例の分岐構造を製作する手順においてインサーション管に形成された貫通孔の位置に新規分岐管を押し付けた状態を示す縦断面図である。
【図7】図6に示すインサーション管および新規分岐管をインサーション管の軸方向から見た状態を示す縦断面図である。
【図8】この発明の第2実施例の分岐構造を製作する手順において既設分岐継手とインサーション管との隙間および所定の隙間にエポキシ樹脂を充填して分岐構造が出来上がった状態を示す縦断面図である。
【図9】この発明の図11第3実施例の分岐構造を製作する手順において既設下水本管にインサーション管を挿入してそのインサーション管に貫通孔を形成した状態を示す縦断面図である。
【図10】図11第3実施例の分岐構造を製作する手順においてインサーション管に形成された貫通孔内に新規分岐管の下端部を挿入した状態を示す縦断面図である。
【図11】この発明の第3実施例の分岐構造を製作する手順において新規分岐管を引き上げて既設分岐継手とインサーション管との隙間および所定の隙間にエポキシ樹脂を充填して分岐構造が出来上がった状態を示す縦断面図である。
【図12】この発明の第1〜第3実施例の分岐方法および分岐構造において既設下水本管とインサーション管との隙間からエポキシ樹脂が流れ出ないようにするためのゴム輪を設けた例を示す縦断面図である。
【図13】この発明の第1〜第3実施例の分岐方法および分岐構造において既設下水本管とインサーション管との隙間からエポキシ樹脂が流れ出ないようにするための突起をインサーション管に設けた例を示す縦断面図である。
【図14】この発明の第2実施例の分岐方法および分岐構造において新規分岐管の下端面の全周に亘ってに環状の軟質ゴムを設けた例を示す縦断面図である。
【図15】この発明の第2実施例の分岐方法および分岐構造において新規分岐管の下端部に小径部を形成しその小径部の外周にゴム輪を設けた例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 …既設管
11 …既設下水本管
12 …インサーション管
14 …既設分岐継手
16 …既設分岐管
18 …既設分岐継手の本体
18a …既設分岐継手の筒状部
26、46、54 …貫通孔
28 …仕切り部材
30、32、48 …隙間
34 …仕切り部材の内孔
36 …仕切り部材の貫通孔
42 …仕切りブロック
44、52 …新規分岐管
56 …鍔状部
60 …ゴム輪
68 …軟質部材
72 …小径部

Claims (6)

  1. 分岐継手を介して接続された分岐管を有する既設管内にインサーション管が挿入され、前記分岐継手の部分において前記インサーション管から分岐する分岐構造であって、
    前記分岐管から注入された樹脂が前記分岐継手と前記インサーション管との隙間、および少なくとも前記分岐継手に接合された前記分岐管の下端部に達する高さまでの前記分岐継手の内側空間に充填されて硬化することによって形成され、前記インサーション管の外面、前記分岐継手の内面、および前記分岐管の下端部の内面のそれぞれに密着した状態でそれらを接合する仕切り部材、ならびに
    前記仕切り部材における前記分岐管内に形成されている部分から前記インサーション管に亘って貫通する孔を備える、インサーション管からの分岐構造。
  2. 分岐継手を介して接続された分岐管を有する既設管内にインサーション管が挿入され、前記分岐継手の部分において前記インサーション管から分岐する分岐構造であって、
    前記分岐管から前記インサーション管に形成された孔、
    前記分岐管内に前記孔と位置合わせして挿入された新規分岐管、ならびに
    前記分岐管と前記新規分岐管との隙間から注入された樹脂が前記分岐継手と前記インサーション管との隙間、および少なくとも前記分岐継手に接合された前記分岐管の下端部に達する高さまでの前記分岐継手と前記新規分岐管との隙間に充填されて硬化することによって形成され、前記インサーション管の外面、前記分岐継手の内面、前記分岐管の下端部の内面、および前記新規分岐管の外面のそれぞれに密着した状態でそれらを接合する仕切り部材を備える、インサーション管からの分岐構造。
  3. 注入した樹脂が前記分岐継手と前記インサーション管との隙間から流れ出すのを防止する流れ止め部材をさらに備える、請求項1または2記載のインサーション管からの分岐構造。
  4. 請求項1記載の分岐構造の形成方法であって、
    (a)分岐管から樹脂を注入して、分岐継手とインサーション管との隙間、および少なくとも前記分岐継手に接合された分岐管の下端部に達する高さまでの前記分岐継手の内側空間に樹脂を充填するステップ、
    (b)前記樹脂を硬化させて、前記インサーション管の外面、前記分岐継手の内面、および前記分岐管の下端部の内面のそれぞれに密着した状態でそれらを接合するステップ、ならびに
    (c)前記硬化させた樹脂とともに前記インサーション管に穿孔するステップを含む、インサーション管からの分岐構造の形成方法。
  5. 請求項2記載の分岐構造の形成方法であって、
    (a)分岐管からインサーション管に穿孔するステップ、
    (b)前記分岐管内に孔と位置合わせして新規分岐管を挿入するステップ、
    (c)前記分岐管と前記新規分岐管との隙間から樹脂を注入して、分岐継手と前記インサーション管との隙間、および少なくとも前記分岐継手に接合された前記分岐管の下端部に達する高さまでの前記分岐継手と前記新規分岐管との隙間に樹脂を充填するステップ、ならびに
    (d)前記樹脂を硬化させて、前記インサーション管の外面、前記分岐継手の内面、前記分岐管の下端部の内面、および前記新規分岐管の外面のそれぞれに密着した状態でそれらを接合するステップを含む、インサーション管からの分岐構造の形成方法。
  6. 請求項4のステップ(a)または請求項5のステップ(c)は、さらに、注入した樹脂が前記分岐継手と前記インサーション管との隙間から流れ出すのを防止するステップを含 む、請求項4または5記載のインサーション管からの分岐構造の形成方法。
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