JP4245168B2 - 交換局、移動通信システム、一斉呼び出し方法、そのプログラム及び記憶媒体 - Google Patents

交換局、移動通信システム、一斉呼び出し方法、そのプログラム及び記憶媒体 Download PDF

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Description

本発明は、携帯電話、簡易型携帯電話(PHS:Personal Handy-phone System)あるいは自動車電話等の移動端末同士又は移動端末と固定電話との間の通信を無線基地局を介して中継する交換局、移動端末、無線基地局及び交換局を含む移動通信システム、上記交換局が所定の無線基地局に着信先の移動端末を一斉に呼び出させる一斉呼び出し方法、一斉呼び出しプログラム及び一斉呼び出しプログラムが記憶された記憶媒体に関する。
従来の移動通信システムでは、移動端末が位置登録を行った無線エリアの属する一斉呼び出しエリア(ゾーン)を中心として、この位置登録を行った一斉呼び出しエリアの周辺の一斉呼び出しエリアと、上記位置登録を行った無線エリアの属する一斉呼び出しエリアとを含めて一斉呼び出し用位置登録有効範囲として構成している。ここで、位置登録とは、移動端末が当該移動端末が存在する無線エリアの無線基地局に対し、自機が存在する無線エリアを登録することをいう。そして、この一斉呼び出し用位置登録有効範囲内で移動端末が移動した場合には一斉呼び出し用位置登録有効範囲の変更を行わず、一斉呼び出し用位置登録有効範囲外に移動端末が移動した場合に、移動端末と無線基地局との通信により、新たな移動端末の位置での一斉呼び出し用位置登録有効範囲を再構成している(例えば、特許文献1参照。)。以下、この技術を第1の従来例と呼ぶ。
また、従来の移動端末には、過去に訪れたことのあるエリアの訪問履歴、及び/又は、過去にあるエリアからあるエリアへと移動した履歴を移動端末中に記憶し、これを基に独自の位置登録エリアを形成し、これを無線基地局へ登録するものがある(例えば、特許文献2参照。)。以下、この技術を第2の従来例と呼ぶ。
特開平6−327048号公報(請求項1,[0041]〜[0050],[0057]〜[0072],[0082]、図1) 特開2001−119742号公報(請求項1,[0016],[0019],[0095],[0096]、図9)
上記した第1の従来例では、無線基地局に接続された回線制御局ごとに複数の一斉呼び出しエリアを統括しており、回線制御局が統括する一斉呼び出しエリアは、予め設定され、固定されている(段落[0059]〜[0061]参照)。また、各一斉呼び出しエリアの呼び出し順位は、統計的な手法により予め順位づけられている。従って、ある移動端末が、優先順位の高い一斉呼び出しエリアで位置登録した後、地域として隣接しているが、優先順位は離れている一斉呼び出しエリアに移動した場合には、呼び出しを受けられないか、呼び出しを受けても時間がかかってしまうという課題があった。特に、移動端末の所持者が高速道路や電車など高速で移動する車両等に搭乗している場合には、呼び出しを受けられない確率が高い。
一方、上記した第2の従来例では、移動端末が次に訪れるエリアを予測し、訪れる可能性が高いエリアに対してのみ位置登録を行い、予測が外れ、登録していないエリアへ移動した場合は従来法に基づき位置登録を行っている。しかし、人間の行動は、複雑であって、統計的処理でパターン化できるほど単純ではない。従って、ほとんどの場合、従来法に基づき位置登録を行うことになり、実用的でないという課題があった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、移動端末が移動しても、簡単な手法を用いて確実に呼び出すことができる交換局、移動通信システム、一斉呼び出し方法、そのプログラム及び記憶媒体を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、請求項記載の発明に係る交換局は、移動端末同士の通信又は移動端末と固定電話との間の通信を自己が管理する複数の無線基地局を介して中継する交換局に係り、前記移動端末ごとに、当該移動端末が位置登録した前記無線基地局のサービスエリアである位置登録セルと、前記位置登録セルの前記無線基地局に隣接する複数の前記無線基地局のそれぞれのサービスエリアである複数のセルとにより一斉呼び出しエリアを設定し、呼び出しメッセージを受信した場合、前記呼び出しメッセージに基づいて呼び出し先の前記移動端末を特定し、特定した前記移動端末の前記一斉呼び出しエリアを構成する複数のセルのうち、一番外側のセルのいずれかに当該移動端末が移動した履歴がある場合には、前記一斉呼び出しエリアに隣接しているセルに前記一斉呼び出しエリアを拡張し、拡張された前記一斉呼び出しエリアを構成するすべての前記セルの各前記無線基地局に前記呼び出しメッセージをそれぞれ送信することを特徴としている。
また、請求項記載の発明に係る交換局は、移動端末同士の通信又は移動端末と固定電話との間の通信を自己が管理する複数の無線基地局を介して中継する交換局に係り、前記移動端末ごとに、当該移動端末が位置登録した前記無線基地局のサービスエリアである位置登録セルに関するセル情報の履歴が格納される位置登録情報格納部と、前記複数の無線局のサービスエリアであるセルごとに、当該セルの前記無線基地局に隣接する複数の前記無線基地局に対応した複数の前記セルに関する隣接セル情報が格納される隣接セル情報格納部と、呼び出しメッセージを受信した場合、前記呼び出しメッセージに基づいて呼び出し先の前記移動端末を特定し、特定した前記移動端末の前記セル情報の履歴を前記位置登録情報格納部から読み込み、前記セル情報の履歴の中に、前記移動端末の前記一斉呼び出しエリアを構成する複数の前記セルのうち、一番外側の前記セルのいずれかの前記セル情報がある場合には、前記一斉呼び出しエリアを構成するすべての前記セルの前記隣接セル情報を前記隣接セル情報格納部から読み込み、読み込んだすべての前記セル情報に対応したすべての前記セルの中から重複する前記セルを除去した残りのすべての前記セルの各前記無線基地局に前記呼び出しメッセージをそれぞれ送信する呼び出しメッセージ処理部とを有することを特徴としている。
また、請求項記載の発明に係る移動通信システムは、請求項1又は2に記載の交換局と、複数の前記移動端末と、複数の前記無線基地局とを含むことを特徴としている。
また、請求項1記載の発明に係る一斉呼び出し方法は、移動端末同士の通信又は移動端末と固定電話との間の通信を自己が管理する複数の無線基地局を介して中継する交換局が所定の無線基地局に着信先の移動端末を一斉に呼び出させる一斉呼び出し方法に係り、各前記移動端末が位置登録を行うごとに、位置登録した前記無線基地局のサービスエリアである位置登録セルに関するセル情報の履歴を更新するセル情報更新ステップと、呼び出しメッセージを受信した場合、前記呼び出しメッセージに基づいて呼び出し先の前記移動端末を特定し、特定した前記移動端末の前記位置登録セルと、前記位置登録セルの前記無線基地局に隣接する複数の前記無線基地局に対応した複数の隣接セルとにより構成される一斉呼び出しエリアを構成する複数のセルのうち、一番外側のセルのいずれかに当該移動端末が移動した履歴がある場合には、前記一斉呼び出しエリアに隣接しているセルに前記一斉呼び出しエリアを拡張し、拡張された前記一斉呼び出しエリアを構成するすべての前記セルの各前記無線基地局に前記呼び出しメッセージをそれぞれ送信する呼び出しメッセージ送信ステップとを有することを特徴としている。
また、請求項記載の発明に係る一斉呼び出しプログラムは、コンピュータに請求項1、請求項2、又は請求項のいずれかに記載の機能を実現させることを特徴としている。
また、請求項記載の発明に係る記憶媒体は、コンピュータに請求項1、請求項2、又は請求項のいずれかに記載の機能を実現させるための一斉呼び出しプログラムが記憶されていることを特徴としている。
本発明によれば、移動端末が移動しても、簡単な手法を用いて確実に呼び出すことができる。また、本発明によれば、移動端末の所持者が高速道路や電車など高速で移動する車両等に搭乗している場合でも、呼び出しを受けられる確率が高い。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る移動通信システムの構成を示す概略図である。この移動通信システムは、交換局1と、n個(nは自然数)の無線基地局2〜2と、m個(mは自然数)の移動端末3〜3と、n本の有線伝送路4〜4とから概略構成されている。交換局1は、有線伝送路4〜4を介して自己が管理する無線基地局2〜2と通信を行う。無線基地局2〜2は、有線伝送路4〜4を介して交換局1と通信を行うとともに、無線伝送路を介して移動端末3と通信を行う。各移動端末3〜3は、携帯電話、PHSあるいは自動車電話等からなり、無線伝送路を介して無線基地局2〜2と通信を行う。
以下では、無線基地局について個別の無線基地局2〜2に特に限定しないで言及する場合には、単に無線基地局2と称する。同様に、移動端末について個別の移動端末3〜3に特に限定しないで言及する場合には、単に移動端末3と称し、有線伝送路について個別の有線伝送路4〜4に特に限定しないで言及する場合には、単に有線伝送路4と称する。また、ある無線基地局2から無線伝送路に送信された情報が移動端末3で受信される範囲をセルと呼ぶ。即ち、移動端末の通信システムでは、無線基地局2を核とみなし、その核を中心としたサービスエリアを細胞(セル、cell)と見立てており、その「細胞」が折り重なるように配置されているのである。このような通信システムは、「セルラー(登録商標)方式」と称されている。
各無線基地局2〜2は、自局に対応したセルに関する情報(以下、「セル情報」という。)を含む移動端末3に報知すべき情報(以下、「報知情報」という。)を無線伝送路に送信する。移動端末3は、電源が投入されている限り、常時、自機が存在するセルの無線基地局2から送信される報知情報を受信し、この報知情報に含まれるセル情報を確認した後、そのセル情報を含む、自機が存在するセルを位置登録するためのメッセージ(以下、「位置登録メッセージ」という。)を無線伝送路に送信する。以下、移動端末3が位置登録した無線基地局2のセルを「位置登録セル」と称する。
交換局1は、図1に示すように、呼び出しメッセージ処理部11と、位置登録メッセージ処理部12と、伝送路多重部13と、隣接セル情報格納部14と、位置登録情報格納部15とから概略構成されている。呼び出しメッセージ処理部11は、他の移動端末3からある移動端末3を呼び出すためのメッセージ(以下、「呼び出しメッセージ」という。)を図示せぬ他の交換局を介して受信した場合、受信した呼び出しメッセージに含まれる呼び出し先番号を読み取り、この呼び出し先番号に基づいて呼び出し先の移動端末3を特定する。ここで、呼び出し先番号とは、呼び出しを希望する移動端末3に付与されている端末番号をいう。次に、呼び出しメッセージ処理部11は、当該呼び出しメッセージの送信先として特定した移動端末3の位置登録に関する位置登録情報を位置登録情報格納部15から読み込むとともに、上記位置登録情報に含まれるセル情報に対応したセル(位置登録セル)に隣接するセル(以下、「隣接セル」という。)に関する情報(以下、「隣接セル情報」と称する。)を隣接セル情報格納部14から読み込む。次に、呼び出しメッセージ処理部11は、上記位置登録情報に含まれるセル情報に対応した位置登録セル及び隣接セルを送信先セルとして設定し、送信先セルのセル情報及び当該移動端末3の端末番号を含んだ呼び出しメッセージを伝送路多重部13に供給する。
位置登録メッセージ処理部12は、伝送路多重部13から供給される位置登録メッセージに含まれる、各移動端末3を識別するために付与されている端末番号及びセル情報をそれぞれ読み取り、移動端末3ごとにセル情報を位置登録情報格納部15に格納する。伝送路多重部13は、各有線伝送路4を介して各無線基地局2から供給される位置登録メッセージを位置登録メッセージ処理部12に供給するとともに、呼び出しメッセージ処理部11から供給される呼び出しメッセージに含まれる送信先セルに対応した無線基地局2に呼び出しメッセージを送信する。
隣接セル情報格納部14は、RAMやROM、あるいはフラッシュメモリ等の半導体メモリ、FD(フレキシブルディスク)が装着されるFDドライブ、HD(ハード・ディスク)が装着されるHDドライブ、MO(光磁気)ディスクが装着されるMOディスクドライブ、あるいはCD(コンパクト・ディスク)−ROM、CD−R(Recordable)、CD−RW(Rewritable)やDVD(DigitalVersatile Disk)−ROM、DVD−R、DVD−RW等が装着されるCD/DVDドライブ等からなる。隣接セル情報格納部14は、隣接セル情報を格納するとともに、この隣接セル情報を呼び出しメッセージ処理部11に供給する。本実施の形態1では、セル配置が図2に示す構成であることを前提とする。従って、隣接セル情報格納部14は、図3に示す構成となる。なお、図2では、セルの形状、各無線基地局2から無線伝送路に送信された情報が移動端末3で受信される範囲が略六角形状である例を示しているが、これは単に模式的に示しているに過ぎない。
位置登録情報格納部15は、RAMやROM、あるいはフラッシュメモリ等の半導体メモリ、FDが装着されるFDドライブ、HDが装着されるHDドライブ、MOディスクが装着されるMOディスクドライブ、あるいはCD−ROM、CD−R、CD−RWやDVD−ROM、DVD−R、DVD−RW等が装着されるCD/DVDドライブ等からなる。位置登録情報格納部15は、位置登録メッセージ処理部12から供給される位置登録情報を移動端末3ごとに格納するとともに、格納した位置登録情報を呼び出しメッセージ処理部11に供給する。
次に、上記構成の移動通信システムにおける交換局1と、n個の無線基地局2〜2と、m個の移動端末3〜3との関係の概要について説明する。まず、移動端末3は、セル1に存在しているため、無線基地局2から送信される報知情報を受信し、報知情報に含まれるセル情報(今の場合、セル1に関するセル情報)と自機に付与されている端末番号を含んだ位置登録メッセージを無線伝送路に送信する。
これにより、移動端末3が送信した位置登録メッセージは、無線基地局2で受信された後、無線基地局2から有線伝送路4を介して交換局1に送信される。位置登録メッセージを受信した交換局1では、位置登録メッセージ処理部12は、伝送路多重部13を介して供給される位置登録メッセージに含まれるセル情報を読み取り、位置登録情報格納部15に格納する。
このような状態において、交換局1が管理するこのエリアの外に存在する移動端末3から交換局1が管理するエリア内に存在するある移動端末3を呼び出す場合、交換局1に当該移動端末3宛の呼び出しメッセージが供給される。これにより、交換局1では、呼び出しメッセージ処理部11は、当該移動端末3の位置登録情報を位置登録情報格納部15から読み込むとともに、上記位置登録情報に含まれるセル情報に対応した位置登録セルに隣接する隣接セルの隣接セル情報を隣接セル情報格納部14から読み込んだ後、上記位置登録情報に含まれるセル情報に対応した位置登録セル及び隣接セルを送信先セルとして設定し、送信先セルのセル情報及び当該移動端末3の端末番号を含んだ呼び出しメッセージを伝送路多重部13に供給する。次に、伝送路多重部13は、呼び出しメッセージ処理部11から供給された呼び出しメッセージに含まれる送信先セルに対応した無線基地局2に呼び出しメッセージを送信する。
従って、現時点で当該移動端末3が位置登録を行っている位置登録セル及び複数の隣接セルの複数の無線基地局2から1個の当該移動端末3に一斉に呼び出しメッセージが送信される。このように、複数のセルの無線基地局2から1個の移動端末3に呼び出しメッセージを送信することを「一斉呼び出し」と称する。また、「一斉呼び出し」を行うすべての無線基地局2から無線伝送路に送信された情報が移動端末3で受信可能な範囲を「一斉呼び出しエリア」と称する。例えば、移動端末3がセル1において位置登録していた場合、移動端末3に関する一斉呼び出しエリアは、セル1(位置登録セル)とセル1の隣接セルとなるため、セル1、セル2、セル4、セル5、セル6、セル7及びセル8により構成される。そして、各移動端末3は、一斉呼び出しエリア内に存在していた場合は呼び出しメッセージを受信することができるが、一斉呼び出しエリア外に存在していた場合は呼び出しメッセージを受信することができない。
次に、移動端末3の位置登録処理について説明する。移動端末3は、電源が投入されている限り、常時、位置登録セルの無線基地局2から送信される報知情報を受信し、この報知情報に含まれるセル情報を確認した後、そのセル情報を含む位置登録メッセージを無線伝送路に送信する。これ以降、移動端末3は、受信している報知情報に含まれるセル情報が異なるごとに、そのセル情報を含んだ位置登録メッセージを無線伝送路に送信する。即ち、移動端末3は、セルを移動するごとに、当該セルに関するセル情報を含んだ位置登録メッセージを無線伝送路に送信する。
次に、図1に示す移動通信システムにおいて、移動端末3内に記憶されているセル情報がセル1(位置登録セル)に関するものでない場合であって、セル1において移動端末3に電源が投入された際の動作について説明する。まず、図1において、移動端末3は、セル1内に存在しているため、無線基地局2から送信される、セル1に関するセル情報を含む報知情報を受信し、この報知情報に含まれるセル1に関するセル情報を確認した後、そのセル情報及び自機の端末番号を含む位置登録メッセージを無線伝送路に送信する。
これにより、移動端末3が送信した位置登録メッセージは、無線基地局2で受信された後、無線基地局2から有線伝送路4を介して交換局1に送信される。位置登録メッセージを受信した交換局1では、位置登録メッセージ処理部12は、伝送路多重部13を介して供給される位置登録メッセージに含まれるセル情報及び端末番号を読み取り、位置登録情報格納部15内部の移動端末3に対応する位置登録情報格納部にセル1に関するセル情報を格納する。
次に、呼び出しメッセージ処理部11の動作について説明する。呼び出しメッセージ処理部11は、常時、このエリア外に存在する移動端末3からの呼び出しメッセージを受信しているか否かを監視している。そして、呼び出しメッセージを受信した場合、呼び出しメッセージ処理部11は、受信した呼び出しメッセージに含まれる呼び出し先番号を読み取り、この呼び出し先番号に基づいて呼び出し先の移動端末3を特定する。
次に、呼び出しメッセージ処理部11は、当該呼び出しメッセージの送信先として特定した移動端末3の位置登録に関する位置登録情報を位置登録情報格納部15から読み込むとともに、上記位置登録情報に含まれるセル情報に対応した位置登録セルに隣接した隣接セルの隣接セル情報を隣接セル情報格納部14から読み込む。この位置登録セル及びすべての隣接セルが一斉呼び出しエリアとなる。次に、呼び出しメッセージ処理部11は、一斉呼び出しエリアを構成するすべてのセルのセル情報及び呼び出し先番号である特定された移動端末3の端末番号を含んだ呼び出しメッセージを伝送路多重部13に供給する。
以上説明した動作により、移動端末3ごとに、当該移動端末3を中心にした一斉呼び出しエリアを設定することができる。図4は、2個の移動端末3及び3に対して設定される一斉呼び出しエリアの一例を示している。図4の例では、一斉呼び出しエリアは、移動端末3が位置登録した1個の位置登録セルとそれに隣接する6個のセルの計7個のセルで構成されている。
次に、交換局1がある移動端末3に呼び出しメッセージを当該移動端末3が位置登録した無線基地局2等に有線伝送路4を介して送信してから当該無線基地局2等により当該呼び出しメッセージが無線伝送路に送信されるまでの時間(以下、「メッセージ処理遅延時間」と称する。)中に、移動端末3がセル1からセル2へ移動した場合の動作について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。まず、電源が投入されると、移動端末3は、無線基地局2から送信された報知情報に含まれるセル情報がセル1に関するものであるため、セル1に関するセル情報を含む位置登録メッセージを無線伝送路に送信する(ステップS1及びS2)。
これにより、移動端末3が送信した位置登録メッセージは、無線基地局2を経由して交換局1で受信される。移動端末3からの位置登録メッセージを受信した交換局1では、位置登録メッセージ処理部12は、位置登録情報格納部15に格納されている移動端末3の位置登録情報をセル1に関するセル情報を含む位置登録情報に更新する(ステップS3)。このような状態において、交換局1が移動端末3に対する呼び出しメッセージを受信した場合(ステップS4)、交換局1では、位置登録メッセージ処理部12は、位置登録情報格納部15に格納されている移動端末3に関する位置登録情報がセル1に関するセル情報を含むため、隣接セル情報格納部14を参照して、セル1(位置登録セル)とセル1に隣接するセル(今の場合、セル2、セル4、セル5、セル6、セル7及びセル8)の無線基地局2、2、2、2、2、2及び2に対して、移動端末3宛の呼び出しメッセージを送信する(ステップS5)。なお、図1には、無線基地局2及び2だけが示されている。
この後、移動端末3がセル1からセル2に移動したとする(ステップS6)。移動端末3は、無線基地局2から送信された報知情報に含まれるセル情報がセル2に関するものであるため、セル2に関するセル情報を含む位置登録メッセージを無線伝送路に送信する(ステップS7)。これにより、移動端末3が送信した位置登録メッセージは、無線基地局2を経由して交換局1で受信される。移動端末3からの位置登録メッセージを受信した交換局1では、呼び出しメッセージ処理部11は、位置登録情報格納部15に格納されている移動端末3の位置登録情報をセル2に関するセル情報を含む位置登録情報に更新する(ステップS8)。
この場合でも、最初のメッセージ処理遅延時間中は、移動端末3が位置登録したセル1に対応した無線基地局2だけでなく、セル1に隣接し、移動端末3が移動した先のセル2に対応した無線基地局2からも、移動端末3宛の呼び出しメッセージが送信されている(ステップS5)。これにより、移動端末3は、移動元であるセル1では呼び出しメッセージを受信することができない(ステップS9)が、移動先であるセル2では呼び出しメッセージを受信することができる(ステップS10)。
このように、本発明の実施の形態1によれば、移動端末3ごとに移動端末3が位置登録を行っている位置登録セルを中心にした一斉呼び出しエリアを設定し、その一斉呼び出しエリアに対して呼び出しメッセージを送信している。従って、交換局1がある移動端末3に呼び出しメッセージを送信してからある無線基地局2により当該呼び出しメッセージが無線伝送路に送信されるまでのメッセージ処理遅延時間中に、移動端末3が、一斉呼び出しエリアを構成する位置登録を行った位置登録セルからこれに隣接する他のセルに移動した場合でも、呼び出しメッセージを受信することができる。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2に係る移動通信システムの構成を示す概略図である。図6において、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。この移動通信システムは、交換局21と、n個の無線基地局2〜2と、m個の移動端末3〜3と、n本の有線伝送路4〜4とから概略構成されている。
交換局21は、有線伝送路4〜4を介して無線基地局2〜2と通信を行う。交換局21は、図6に示すように、伝送路多重部13と、隣接セル情報格納部14と、時刻情報カウント部31と、呼び出しメッセージ処理部32と、位置登録メッセージ処理部33と、位置登録情報格納部34と、位置登録情報更新部35と、有効時間記録部36とから構成されている。図6に示す交換局21において、図1に示す交換局1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。なお、本実施の形態2においても、上述した実施の形態1と同様、セル配置が図2に示す構成であることを前提とする。
時刻情報カウント部31は、現在の時刻を計測し、呼び出しメッセージ処理部32、位置登録メッセージ処理部33及び位置登録情報更新部34に時刻情報をそれぞれ供給する。呼び出しメッセージ処理部32は、上述した実施の形態1における呼び出しメッセージ処理部11が有する機能はすべて有している。また、呼び出しメッセージ処理部32は、一斉呼び出しエリアを構成する複数のセルのうち、一番外側のセル(以下、「一斉呼び出しエリア境界セル」と称する。)の無線基地局2に過去のデータのセル情報が存在している場合、一斉呼び出しエリアに隣接しているセルに一斉呼び出しエリアを拡張する処理を行う機能をも有している。
位置登録メッセージ処理部33は、上述した実施の形態1における位置登録メッセージ処理部12が有する機能はすべて有している。また、位置登録メッセージ処理部33は、位置登録メッセージを受信した時に、現在のデータエリアに格納されている位置登録情報の現在のデータを過去のデータエリアへ退避させ、受信した位置登録メッセージの受信時刻及びセル情報を現在のデータエリアに書き込む処理を行う機能をも有している。受信した位置登録メッセージの受信時刻は、時刻情報カウント部31から供給される時刻情報に基づいている。
位置登録情報格納部34は、RAMやROM、あるいはフラッシュメモリ等の半導体メモリ、FDが装着されるFDドライブ、HDが装着されるHDドライブ、MOディスクが装着されるMOディスクドライブ、あるいはCD−ROM、CD−R、CD−RWやDVD−ROM、DVD−R、DVD−RW等が装着されるCD/DVDドライブ等からなる。位置登録情報格納部34は、位置登録メッセージ処理部32から供給されるセル情報及び位置登録メッセージの受信時刻を移動端末3ごとに格納するとともに、格納した位置登録情報を呼び出しメッセージ処理部32に供給する。また、位置登録情報格納部34には、移動端末3ごとに、現在のデータエリア及び過去のデータエリアが確保され、位置登録情報について現在及び過去のデータのセル情報をそれぞれ格納することができる。
位置登録情報更新部35は、有効時間記録部36から供給される有効時間を読み込むとともに、時刻情報カウント部31から供給される現在の時刻を読み込んで、これらに基づいて、位置登録情報格納部34に移動端末3ごとに過去のデータエリアに格納されている有効時間を過ぎたデータのセル情報を消去する。有効時間記録部36は、RAMやROM、あるいはフラッシュメモリ等の半導体メモリ、FDが装着されるFDドライブ、HDが装着されるHDドライブ、MOディスクが装着されるMOディスクドライブ、あるいはCD−ROM、CD−R、CD−RWやDVD−ROM、DVD−R、DVD−RW等が装着されるCD/DVDドライブ等からなる。有効時間記録部36は、位置登録情報格納部34に移動端末3ごとに過去のデータエリアに格納されている過去のデータの有効時間を格納する。
図6に示す移動通信システムにおいて、セル配置が図2に示す構成であるとする。以下、位置登録情報格納部34の移動端末3の位置登録情報の現在のデータエリアにセル1、過去のデータエリアにセル7がそれぞれ格納されていた場合の一斉呼び出しエリアの設定方法について説明する。前提として、移動端末3がセル1において位置登録していた場合、移動端末3に関する一斉呼び出しエリアは、セル1、セル2、セル4、セル5、セル6、セル7及びセル8により構成される。また、一斉呼び出しエリア境界セルは、一斉呼び出しエリアの一番外側のセルであるから、今の場合、セル2、セル4、セル5、セル6、セル7及びセル8である。
まず、呼び出しメッセージ処理部32は、隣接セル情報格納部14及び位置登録情報格納部34を参照して、移動端末3の位置登録情報の過去のデータエリアに格納されている過去のデータのセル情報に対応したセルが一斉呼び出しエリア境界セルに存在するか否かを判断する。そして、過去のデータのセル情報に対応したセルが一斉呼び出しエリア境界セルに存在していた場合、呼び出しメッセージ処理部32は、隣接セル情報格納部14から一斉呼び出しエリアのすべてのセルについての隣接セル情報を読み込んだ後、読み込んだすべてのセルの中から重複するセルを除去した残りのセルを一斉呼び出しエリアに隣接するセルとする。
今の場合、呼び出しメッセージ処理部32は、一斉呼び出しエリアのすべてのセル、即ち、セル1、セル2、セル4、セル5、セル6、セル7及びセル8についての隣接セル情報を読み込む。従って、読み込んだすべてのセルは、セル1からセル19までの合計19個のセルとなる。次に、呼び出しメッセージ処理部32は、セル1からセル19までの合計19個のセルの中から重複するセル、即ち、セル1、セル2、セル4、セル5、セル6、セル7、セル8、セル10、セル12及びセル14を除去するため、セル3、セル9、セル10、セル11、セル12、セル13、セル14、セル15、セル16、セル17、セル18及びセル19の合計12セルが一斉呼び出しエリアに隣接するセルとなる。
これにより、呼び出しメッセージ処理部32は、この一斉呼び出しエリアに隣接するセルを新たな一斉呼び出しエリア境界セルとし、一斉呼び出しエリアへ追加する。従って、新たな一斉呼び出しエリアは、セル1からセル19までの合計19個のセルとなり、一斉呼び出しエリアがセル1個分だけ外側に拡張される。一方、過去のデータのセル情報に対応したセルが一斉呼び出しエリア境界セルに存在していない場合、呼び出しメッセージ処理部32は、一斉呼び出しエリアの拡張を行わない。
呼び出しメッセージ処理部32は、以上説明した一連の動作を繰り返し行って、最新の一斉呼び出しエリア境界セルに過去のデータが存在しない状態となった時点で一斉呼び出しエリアを設定する。今の場合、位置登録情報格納部34の移動端末3の位置登録情報の現在のデータエリアにセル1、過去のデータエリアにセル7がそれぞれ格納されていたので、一斉呼び出しエリアは、セル1からセル19までの合計19個のセルと設定される。
次に、本発明の実施の形態2に係る移動通信システムにおいて、一斉呼び出しエリアが設定される具体例について、図7を参照して説明する。まず、位置登録情報格納部34において、ある移動端末3の位置登録情報の過去のデータエリアに過去のデータのセル情報が存在しない場合は、上記した実施の形態1と同様、図7(a)に示すように、現在のデータエリアに格納されている現在のデータのセル情報に対応したセルと、その隣接セルとが一斉呼び出しエリアを構成する。
また、位置登録情報格納部34において、ある移動端末3の位置登録情報の過去のデータエリアに1個の過去のデータのセル情報が存在する場合、一斉呼び出しエリアは、図7(b)に示すように、セル1個分だけ外側に拡張される。さらに、位置登録情報格納部34において、ある移動端末3の位置登録情報の過去のデータエリアに2個の過去のデータのセル情報が存在する場合、一斉呼び出しエリアは、図7(c)に示すように、セル2個分だけ外側に拡張される場合と、図7(d)に示すように、セル1個分だけ外側に拡張される場合とがある。
次に、メッセージ処理遅延時間中に、移動端末3がセル2個分だけ移動した場合の動作について、図8に示すフローチャートを参照して説明する。前提として、説明を簡単にするために、図8の例では、移動端末3が無線伝送路に送信する位置登録メッセージの送信間隔は一定であるとし、過去のデータの有効時間と上記位置登録メッセージの送信間隔とが一致しているものとする。また、移動端末3が図2に示すセル12内に存在しており、交換局21を構成する位置登録情報格納部34に格納されている移動端末3の位置登録情報について、現在のデータエリアがセル12に関するセル情報であって、過去のデータエリアにデータが存在しない状態を初期状態であるとする。
まず、移動端末3がセル12からセル7に移動したとする(ステップS21)。移動端末3は、無線基地局2から送信された報知情報に含まれるセル情報がセル7に関するものであるため、セル7に関するセル情報を含む位置登録メッセージを無線伝送路に送信する(ステップS21)。これにより、移動端末3が送信した位置登録メッセージは、無線基地局2を経由して交換局21で受信される。移動端末3からの位置登録メッセージを受信した交換局21では、位置登録メッセージ処理部33は、位置登録情報格納部34に格納されている移動端末3の位置登録情報の現在のデータエリアに格納されているセル12に関するセル情報を過去のデータエリアに格納(退避)するとともに、受信した位置登録メッセージの受信時刻(以下、「第1の受信時刻」という。)及びセル7に関するセル情報を上記現在のデータエリアに格納する(ステップS22)。
次に、移動端末3がセル7からセル1に移動したとする(ステップS23)。移動端末3は、無線基地局2から送信された報知情報に含まれるセル情報がセル1に関するものであるため、セル1に関するセル情報を含む位置登録メッセージを無線伝送路に送信する(ステップS23)。これにより、移動端末3が送信した位置登録メッセージは、無線基地局2を経由して交換局21で受信される。移動端末3からの位置登録メッセージを受信した交換局21では、呼び出しメッセージ処理部32は、位置登録情報格納部34に格納されている移動端末3の位置登録情報の現在のデータエリアに格納されているセル7に関するセル情報を過去のデータエリアに格納するとともに、受信した位置登録メッセージの受信時刻(以下、「第2の受信時刻」という。)及びセル1に関するセル情報を上記現在のデータエリアに格納する(ステップS24)。
この例では、過去のデータの有効時間と位置登録メッセージの送信間隔とが一致しているので、セル7に関するセル情報を含む位置登録メッセージを受信した第1の受信時刻からセル1に関するセル情報を含む位置登録メッセージを受信した第2の受信時刻に至ることにより、セル12に関するセル情報の有効時間が満了する。従って、位置登録情報更新部35は、有効時間記録部36から供給される有効時間と、時刻情報カウント部31から供給される現在の時刻とに基づいて、位置登録情報格納部34に移動端末3ごとに過去のデータエリアに格納されている有効時間を過ぎたデータのセル情報を消去する(ステップS24)。今の場合、位置登録情報更新部35は、位置登録情報格納部34において、移動端末3の位置登録情報の過去のデータエリアに格納されているセル12に関するセル情報を消去する。
次に、移動端末3がセル1からセル2に移動する(ステップS25)と、移動端末3は、セル2に関するセル情報を含む位置登録メッセージを無線伝送路に送信する(ステップS25)。移動端末3からの位置登録メッセージを受信した呼び出しメッセージ処理部32は、位置登録情報格納部34に格納されている移動端末3の位置登録情報の現在のデータエリアに格納されているセル1に関するセル情報を過去のデータエリアに格納するとともに、受信した位置登録メッセージの受信時刻及びセル2に関するセル情報を上記現在のデータエリアに格納する(ステップS26)。また、位置登録情報更新部35は、位置登録情報格納部34において、移動端末3の位置登録情報の過去のデータエリアに格納されているセル7に関するセル情報を消去する(ステップS26)。
次に、移動端末3がセル2からセル3に移動する(ステップS27)と、移動端末3は、セル3に関するセル情報を含む位置登録メッセージを無線伝送路に送信する(ステップS27)。移動端末3からの位置登録メッセージを受信した呼び出しメッセージ処理部32は、位置登録情報格納部34に格納されている移動端末3の位置登録情報の現在のデータエリアに格納されているセル2に関するセル情報を過去のデータエリアに格納するとともに、受信した位置登録メッセージの受信時刻及びセル3に関するセル情報を上記現在のデータエリアに格納する(ステップS28)。また、位置登録情報更新部35は、位置登録情報格納部34において、移動端末3の位置登録情報の過去のデータエリアに格納されているセル1に関するセル情報を消去する(ステップS28)。
このような状態において、図8に示すように、移動端末3がセル1からセル2に移動した後、交換局21で移動端末3からの位置登録メッセージを受信する前に、交換局1が移動端末3に対する呼び出しメッセージを受信したとする(ステップS29)。このとき、位置登録情報格納部34には、移動端末3に関する位置登録情報として、現在のデータエリアにセル1に関するセル情報が格納されているとともに、過去のデータエリアにセル7に関するセル情報が格納されている。
従って、交換局21では、呼び出しメッセージ処理部32は、まず、受信した呼び出しメッセージに含まれる呼び出し先番号を読み取り、この呼び出し先番号に基づいて呼び出し先の移動端末3を特定する。次に、呼び出しメッセージ処理部32は、図6を参照して説明した一斉呼び出しエリアの設定方法に基づいて、呼び出しメッセージを送信すべき一斉呼び出しエリアのセルとして、図7(b)に示すように、セル1からセル19までの合計19個のセルを設定する(ステップS30)。従って、呼び出しメッセージ処理部11は、セル1からセル19までの合計19個のセルの無線基地局2〜219に対して、移動端末3宛の呼び出しメッセージを送信する(ステップS30)。なお、図1には、無線基地局2及び2だけが示されている。
従って、交換局1が移動端末3宛の呼び出しメッセージを受信した際には、移動端末3はセル1に存在するとして位置登録を行っていたが、移動端末3がセル1からセル2を経てセル3に移動したために、呼び出しメッセージが無線伝送路に送信された際には、移動端末3は、セル2に存在するとして位置登録を行っており、かつ、セル3に存在している場合であっても、セル1からセル19までの合計19個のセルの無線基地局2〜219に対して、移動端末3宛の呼び出しメッセージが送信されている(ステップS30)。従って、当該移動端末3宛の呼び出しメッセージのメッセージ処理遅延時間中は、移動端末3は、移動先であるセル3で呼び出しメッセージを受信することができる(ステップS31)。
このように、本発明の実施の形態2によれば、移動端末3ごとに移動端末3が位置登録を行っているセルを中心にした一斉呼び出しエリアを設定するとともに、移動端末3の位置登録情報として過去のセル情報を格納し、過去のセル情報が一斉呼び出しエリアの一番外側のセルに存在した場合には、現在の一斉呼び出しエリアを拡張し、拡張された一斉呼び出しエリアに対して呼び出しメッセージを送信している。従って、交換局1がある移動端末3に呼び出しメッセージを送信してからある無線基地局2により当該呼び出しメッセージが無線伝送路に送信されるまでのメッセージ処理遅延時間中に、移動端末3が、一斉呼び出しエリアを構成する位置登録を行ったあるセルからこれに隣接するセルを経てさらに他のセルに移動した場合でも、呼び出しメッセージを受信することができる。従って、移動端末の所持者が高速道路や電車など高速で移動する車両等に搭乗している場合であっても、当該移動端末が呼び出しメッセージを受信する確率が従来より高くなる。
実施の形態3.
上述の各実施の形態においては、交換局1及び21を構成する各手段をハードウェアで構成した例を示したが、これに限定されない。即ち、上記交換局1又は21は、プロセッサ(演算装置)と、RAMやROM、あるいはフラッシュメモリ等の内部記憶装置と、FDが装着されるFDドライブ、HDが装着されるHDドライブ、MOディスクが装着されるMOディスクドライブ、あるいはCD−ROM、CD−R、CD−RWやDVD−ROM、DVD−R、DVD−RW等が装着されるCD/DVDドライブ等の外部記憶装置と、出力手段と、入力手段とを有するコンピュータによって構成しても良い。
そして、上記呼び出しメッセージ処理部11又は32、上記位置登録メッセージ処理部12又は33、上記伝送路多重部13、上記時刻情報カウント部31及び上記位置登録情報更新部35がプロセッサによって構成され、これらの機能が交換局1又は21が実行すべき一斉呼び出しプログラムとして、ROM等の半導体メモリや、FD、HDやCD−ROM等の記憶媒体に記憶されていると構成しても良い。
この場合、上記内部記憶装置、あるいは外部記憶装置が上記隣接セル情報格納部14、上記位置登録情報格納部15又は34、有効時間格納部36となり、一斉呼び出しプログラムは、記憶媒体からプロセッサに読み込まれ、プロセッサの動作を制御する。プロセッサは、一斉呼び出しプログラムが起動されると、上記呼び出しメッセージ処理部11又は32、上記位置登録メッセージ処理部12又は33、上記伝送路多重部13、上記時刻情報カウント部31、上記位置登録情報更新部35として機能し、一斉呼び出しプログラムの制御により、上記した処理を実行するのである。
以上、この実施の形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、上述した各実施の形態では、交換局1又は21が1個だけ設置されている例を示したが、これに限定されず、本発明は、交換局1又は21が複数個設置されている場合にも適用できることはいうまでもない。また、上述した各実施の形態では、本発明を交換局1又は21と各無線局2〜2とが有線伝送路4〜4を介して通信を行う場合に適用する例を示したが、これに限定されるものではない。即ち、本発明は、交換局1又は21と各無線局2〜2とが無線伝送路を介して通信を行う場合にも適用することができる。
また、上述した各実施の形態では、本発明を交換局1又は21が管理する移動端末3と図示せぬ交換局が管理する移動端末との間の通信に適用する例を示したが、これに限定されず、本発明は、交換局1又は21が管理する移動端末3同士の間の通信にも適用することができる。また、上述した各実施の形態では、本発明を移動端末同士の通信に適用する例を示したが、これに限定されず、本発明は、移動端末と固定電話と間の通信にも適用することができる。
また、上述した各実施の形態では、セル配置は、図2に示す構成である例を示したが、これに限定されないことはいうまでもない。また、上述した実施の形態2では、移動端末3が無線伝送路に送信する位置登録メッセージの送信間隔は一定であるとし、過去のデータの有効時間と上記位置登録メッセージの送信間隔とが一致しているものとした例を示したが、本発明は、これに限定されるものではない。即ち、本発明は、移動端末3が無線伝送路に送信する位置登録メッセージの送信間隔は不定である場合や、過去のデータの有効時間と上記位置登録メッセージの送信間隔とが一致していない場合にも適用することができる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用することができる。
本発明の実施の形態1に係る移動通信システムの構成を示す概略図である。 セルの配置の一例を示す図である。 セルの配置が図2に示す場合の隣接セル情報格納部の構成の一例を示す図である。 2個の移動端末3及び3に対して設定される一斉呼び出しエリアの一例を示す図である。 上記移動通信システムの動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る移動通信システムの構成を示す概略図である。 上記移動通信システムで一斉呼び出しエリアが設定される具体例を説明するための概念図である。 上記移動通信システムの動作を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1,21 交換局
〜2 無線基地局
〜3 移動端末
〜4 有線伝送路
11,32 呼び出しメッセージ処理部
12,33 位置登録メッセージ処理部
13 伝送路多重部
14 隣接セル情報格納部
15,34 位置登録情報格納部
31 時刻情報カウント部
35 位置登録情報更新部
36 有効時間記録部

Claims (6)

  1. 移動端末同士の通信又は移動端末と固定電話との間の通信を自己が管理する複数の無線基地局を介して中継する交換局において、
    前記移動端末ごとに、当該移動端末が位置登録した前記無線基地局のサービスエリアである位置登録セルと、前記位置登録セルの前記無線基地局に隣接する複数の前記無線基地局のそれぞれのサービスエリアである複数のセルとにより一斉呼び出しエリアを設定し、
    呼び出しメッセージを受信した場合、前記呼び出しメッセージに基づいて呼び出し先の前記移動端末を特定し、特定した前記移動端末の前記一斉呼び出しエリアを構成する複数のセルのうち、一番外側のセルのいずれかに当該移動端末が移動した履歴がある場合には、前記一斉呼び出しエリアに隣接しているセルに前記一斉呼出エリアを拡張し、拡張された前記一斉呼び出しエリアを構成するすべての前記セルの各前記無線基地局に前記呼び出しメッセージをそれぞれ送信する
    ことを特徴とする交換局。
  2. 移動端末同士の通信又は移動端末と固定電話との間の通信を自己が管理する複数の無線基地局を介して中継する交換局において、
    前記移動端末ごとに、当該移動端末が位置登録した前記無線基地局のサービスエリアである位置登録セルに関するセル情報の履歴が格納される位置登録情報格納部と、
    前記複数の無線局のサービスエリアであるセルごとに、当該セルの前記無線基地局に隣接する複数の前記無線基地局に対応した複数の前記セルに関する隣接セル情報が格納される隣接セル情報格納部と、
    呼び出しメッセージを受信した場合、前記呼び出しメッセージに基づいて呼び出し先の前記移動端末を特定し、特定した前記移動端末の前記セル情報の履歴を前記位置登録情報格納部から読み込み、前記セル情報の履歴の中に、前記移動端末の前記一斉呼び出しエリアを構成する複数の前記セルのうち、一番外側の前記セルのいずれかの前記セル情報がある場合には、前記一斉呼び出しエリアを構成するすべての前記セルの前記隣接セル情報を前記隣接セル情報格納部から読み込み、読み込んだすべての前記セル情報に対応したすべての前記セルの中から重複する前記セルを除去した残りのすべての前記セルの各前記無線基地局に前記呼び出しメッセージをそれぞれ送信する呼び出しメッセージ処理部と
    を有することを特徴とする交換局。
  3. 請求項1又は2に記載の交換局と、
    複数の前記移動端末と、
    複数の前記無線基地局と
    を含むことを特徴とする移動通信システム。
  4. 移動端末同士の通信又は移動端末と固定電話との間の通信を自己が管理する複数の無線基地局を介して中継する交換局が所定の無線基地局に着信先の移動端末を一斉に呼び出させる一斉呼び出し方法において、
    各前記移動端末が位置登録を行うごとに、位置登録した前記無線基地局のサービスエリアである位置登録セルに関するセル情報の履歴を更新するセル情報更新ステップと、
    呼び出しメッセージを受信した場合、前記呼び出しメッセージに基づいて呼び出し先の前記移動端末を特定し、特定した前記移動端末の前記位置登録セルと、前記位置登録セルの前記無線基地局に隣接する複数の前記無線基地局に対応した複数の隣接セルとにより構成される一斉呼び出しエリアを構成する複数のセルのうち、一番外側のセルのいずれかに当該移動端末が移動した履歴がある場合には、前記一斉呼び出しエリアに隣接しているセルに前記一斉呼出エリアを拡張し、拡張された前記一斉呼び出しエリアを構成するすべての前記セルの各前記無線基地局に前記呼び出しメッセージをそれぞれ送信する呼び出しメッセージ送信ステップと
    を有することを特徴とする一斉呼び出し方法。
  5. コンピュータに請求項1、請求項2、又は請求項のいずれかに記載の機能を実現させるための一斉呼び出しプログラム。
  6. コンピュータに請求項1、請求項2、又は請求項のいずれかに記載の機能を実現させるための一斉呼び出しプログラムが記憶された記憶媒体。
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