JP4243817B2 - スペクトラム拡散信号復調装置および逆拡散ループの制御方法 - Google Patents

スペクトラム拡散信号復調装置および逆拡散ループの制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば移動体の位置測定システムに使用する衛星信号等のスペクトラム拡散信号の受信装置に用いる逆拡散ループの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地球を周回する複数個の人工衛星を利用して移動体の位置を測定するシステムにおいては、衛星信号の変調方式にはスペクトラム拡散変調が広く用いられている。例えばGPS(Global Positioning System )と呼ばれる位置測定システムにおいては、衛星信号は、50bpsの軌道パラメータデータ(衛星の時刻,位置を示す軌道データ等)が、チップ速度1.023MHz、周期1msec の疑似雑音符号(例えばGOLD符号)でスペクトラム拡散変調される共に、1575.42MHzの搬送波が直交位相変調(2相PSK変調)されて送信されている。
【0003】
この衛星信号を受信するGPS受信機は、例えば特許第2713288号に記載されているように、アンテナで受信した衛星信号を高周波処理回路を経て、数MHz〜数十MHzの中間周波信号に変換し、復調(逆拡散)処理する。
【0004】
通常、逆拡散処理は、帰還ループにより構成される。この逆拡散処理の帰還ループにおいては、いわゆるタウ・ディザ追跡法が用いられる。このタウ・ディザ追跡法においては、基準となる符号の位相に対して一定の進みおよび遅れ位相差(オフセット)を持つ進み(アーリ)符号および遅れ(レート)符号を発生し、それぞれの符号と中間周波信号との相関検出処理を行なう。そして、その相関出力が最大となるように、基準となる符号の位相を制御するようにする。この制御方式は、一般に、位相同期ループ(PLL)と呼ばれている。
【0005】
この位相同期において、基準となる符号の位相を基準位相として、この基準位相とアーリ符号の位相、レート符号の位相との位相差をオフセットと呼ぶ。このオフセットの値は、従来、次のような点を考慮して、経験に基づく一定値とされていた。
【0006】
中間周波信号とアーリ符号およびレート符号との相関出力と、同期位相に対する位相ずれとの関係を示す相関出力特性曲線は、前記のオフセットの量に応じたものとなる。図5は、この相関出力特性曲線の例を示すものであり、図5(A)は、基準位相pに対するオフセット量Δpが小さい場合であり、また、図5(B)は、基準位相pに対するオフセット量Δpが大きい場合である。
【0007】
すなわち、アーリ符号とレート符号の基準符号の位相pに対するオフセット量Δpが小さいと、相関出力特性曲線は、図5(A)のように、急峻となり、衛星捕捉精度が向上し、図5(A)において点線で示すようなマルチパス等の反射波入力の影響を受けにくくすることができる。その反面、受信機のノイズや動作環境等による入力雑音に対して敏感になり、衛星追尾性能が著しく劣化する場合がある。
【0008】
また、アーリ符号とレート符号の、基準符号の位相pに対するオフセット量Δpを大きくすると、相関出力特性曲線は、図5(B)のように、緩やかな特性となり、入力雑音の影響を受けにくく、衛星追尾性能が良くなるが、衛星捕捉精度は悪化し、図5(B)において点線で示すようなマルチパス等の反射波入力の影響を受け易くなる。
【0009】
以上のように、衛星捕捉精度と、衛星追尾性能とを、同時に満足するオフセット量を設定することは困難であるため、従来は、経験的に最良と考えられる一定のオフセット量が設定されていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、受信条件の良い地点では、入力雑音の影響は少ないので、衛星捕捉精度を高くして、測位精度を高くすることが可能であるが、従来は、オフセットが一定値であるため、低精度の測位精度に甘んじなければならない。また、受信条件の悪い地点では、入力雑音の影響が大きいので、測位精度よりも、できるだけ衛星追尾性能を向上させた方が、測位システムの使用者に取っては好都合であるが、オフセットが一定値であるため、不満足な衛星追尾性能しか得られないおそれがあった。
【0011】
この発明は、以上の点にかんがみ、受信機の動作環境や相関出力の変化を考慮して、常に、最適な相関出力特性曲線の状態で、スペクトラム拡散信号の逆拡散処理を行なえるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明によるスペクトラム拡散信号復調装置は、
搬送波が疑似雑音符号によってスペクトラム拡散変調されたスペクトラム拡散信号を、中間周波信号に変換する高周波処理回路と、
基準の疑似雑音符号の位相に対して、所定のオフセット量だけ進みおよび遅れ位相の出力疑似雑音符号を発生する疑似雑音符号発生器と、
前記疑似雑音符号発生器の出力疑似雑音符号の位相とチップ速度とを制御するための符号駆動手段と、
前記中間周波信号と、前記疑似雑音符号発生器の出力疑似雑音符号とを乗算する乗算手段と、
前記乗算手段での乗算結果に基づいて、前記スペクトラム拡散信号に含まれる疑似雑音符号と前記疑似雑音符号発生器からの前記出力疑似雑音符号との間の相関の度合いを示す相関出力を得る相関検出手段と、
前記相関検出手段で検出された前記相関の度合いに応じて、前記疑似雑音符号発生器の出力疑似雑音符号の、前記オフセット量を設定するオフセット量設定手段と、
前記相関検出手段で検出された前記相関出力に基づいて、前記疑似雑音符号発生器からの出力疑似雑音符号の位相が前記スペクトラム拡散信号に含まれる疑似雑音符号の位相に一致するように位相制御する制御信号を生成して、前記符号駆動手段に供給する相関制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
この発明によるスペクトラム拡散信号復調装置によれば、相関出力に応じて、疑似雑音符号発生器の出力疑似雑音符号、すなわち、アーリ符号、レート符号の、基準位相に対するオフセット量が設定される。例えば、入力雑音が小さく、相関出力が大きいときには、オフセット量は小さくされて、逆拡散処理の誤差が減らされつつ、マルチパス等による誤差が抑えられる。また、入力雑音が大きく、相関出力が小さいときには、オフセット量は大きくされて、入力雑音の影響を受けにくくされると共に、捕捉性能が向上するようにされる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明によるスペクトラム拡散信号復調装置の実施の形態を、上述したGPS受信機に適用した場合について、図を参照しながら説明する。
【0015】
図1は、前述した特許第2713288号に記載されているGPS受信機に、この発明を適用した実施の形態のブロック図である。この図1に示すように、アンテナ11にて受信された衛星信号(スペクトラム拡散信号)は、高周波処理回路12に供給される。また、水晶発振器からなる基準発振器13の出力が局部発振回路14に供給され、これより基準発振器の出力周波数と周波数比が固定された局部発振出力が得られる。
【0016】
そして、この局部発振出力が高周波処理回路12に供給されて、衛星信号が第1中間周波数に低域変換され、さらに基準発振器13からの発振出力により第2中間周波数1.023MHzの第2中間周波信号Sifに低域変換される。
【0017】
この高周波処理回路12からの第2中間周波信号Sifは、2値化回路15に供給されて、所定のスレッショールド値とレベル比較されて2値化される。
【0018】
この2値化回路15の2値化出力Sd は、イクスクルーシブオア回路で構成される信号乗算器16に供給される。
【0019】
この例の場合、逆拡散復調の帰還ループ20では、いわゆるタウ・ディザ追跡法が用いられ、また、データ・ビットを復調するための帰還ループ30は、コスタス・ループが用いられるが、これらはデジタル化構成とされると共に、それぞれの制御信号はマイクロコンピュータ100において、ソフトウエア処理により形成される。
【0020】
すなわち、逆拡散復調のための帰還ループ20において、21は受信機側の疑似雑音符号を発生する符号発生器で、この符号発生器21よりは基準の疑似雑音符号の位相(基準位相)に対して、それぞれ所定のオフセット分だけ位相差のある、進み(アーリ)符号Meおよび遅れ(レート)符号Mdを発生する。
【0021】
この場合、後述するように、アーリ符号Meと、レート符号Mdの、基準位相に対するオフセット量は、マイクロコンピュータ100で検出される相関出力レベルに応じて設定される。なお、この実施の形態では、進みと遅れとで、オフセット量は、等しく設定されるが、進みと遅れとで、オフセット量を異ならせても良い。
【0022】
この符号発生器21からのアーリ符号Me及びレート符号Mdは、進み・遅れ符号選択器22に供給され、この符号選択器22がアーリ・レート切換器23からの切換信号により1msec 毎に切り換えられることにより、この符号選択器22から合成疑似雑音符号が得られ、これが乗算器16に供給される。そして、この合成疑似雑音符号と2値化回路15からの2値化された中間周波信号Sd が、乗算器16で乗算される。
【0023】
この場合、符号発生器21の出力符号の位相及び周波数(チップ速度)を制御するための駆動クロックを発生するクロック発生器24は、数値制御型可変周波数発振器(以下NCOという)で構成される。このクロック発生器24には、基準発振器13からの基準クロックが供給され、クロック発生器24は、この基準クロックから、マイクロコンピュータ100の制御より符号発生器21の駆動クロックを形成する。
【0024】
そして、符号発生器21では、このクロック発生器24からの位相及び周波数が制御されたクロックにより、アーリ及びレートの疑似雑音符号の位相及び周波数が制御される。これにより、符号発生器21の基準の疑似雑音符号が、2値化回路15からの中間周波信号Sd に含まれる疑似雑音符号の位相及び周波数に一致するように制御され、これにより逆拡散がなされる。
【0025】
データ・ビットを復調するための帰還ループ30は、コスタス・ループにより構成され、NCOと90°移相器とからなるキャリア発生器31と、イクスクルーシブオアゲートからなる第1及び第2の乗算器32及び33と、カウンタからなるローパスフィルタ34及び35と、キャリア発生器31への制御信号を形成するマイクロコンピュータ100からなる。
【0026】
キャリア発生器31には、基準発振器13からの基準クロックが供給される。キャリア発生器31は、この基準クロックから、マイクロコンピュータ100の制御に応じたキャリアを発生する。
【0027】
マイクロコンピュータ100は、プログラムソフトウエアによって、図1に機能ブロックとして示すような各機能を実行する。すなわち、マイクロコンピュータ100の処理機能を図1の機能ブロックについて説明すると、乗算手段101は、カウンタで構成されるローパスフィルタ34と35からのカウント値を掛け合わせ、その乗算出力として、受信信号中の搬送波成分とキャリア発生器31からのキャリアとの位相差に応じた出力を得る。ループフィルタ手段102は、この乗算手段101からの乗算出力からキャリア発生器31を制御する信号を形成し、キャリア発生器31に供給する。以上の乗算手段101とループフィルタ手段102とはコスタス・ループ30の一部を構成する。
【0028】
次に、絶対値検波手段103及び104は、ローパスフィルタ34及び35からのカウント値出力を、それぞれ絶対値検波し、その検波出力を加算手段105で加算する。この加算手段105からは、符号発生器21からの疑似雑音符号と受信信号の疑似雑音符号との相関レベルを示す信号、すなわち、相関出力が得られる。
【0029】
この加算手段105からの相関レベルを示す相関出力信号は、制御信号形成手段106に供給される。この制御信号形成手段106は、この相関出力信号に基づいて、クロック発生器24の出力である符号発生器21の駆動クロックの位相制御のための数値制御信号を形成する。この数値制御信号は、切換手段109に、その一方の入力として供給される。
【0030】
また、制御信号形成手段106は、相関出力信号が示す相関レベルに基づき、次回の相関検出に使用する符号発生器21からのアーリ符号Meおよびレート符号Mdの、基準位相の符号に対する前記オフセット量を算出し、それを符号発生器21に送って、オフセット量を指定する。符号発生器21は、次回の相関検出のために、指定されたオフセット量を有するアーリ符号Meおよびレート符号Mdを発生する。
【0031】
また、加算手段105の出力は、サーチ信号発生手段107に供給されると共に、同期信号検出手段108に供給される。サーチ信号発生手段107は、所定の相関がとれるまで、符号発生器21の出力符号を1周期スライドさせるようにしてサーチを行うためのサーチ信号を発生する。サーチ信号は、切換手段109の他方の入力とされる。
【0032】
同期検出手段108は、加算出力、すなわち、相関レベルを監視して、サーチを行うか、制御信号形成手段106からの数値制御信号により位相制御を行うかを決定し、サーチ信号発生手段107の出力と制御信号形成手段の出力数値制御信号とを切り換える切換手段109に切換信号を発生する。切換手段109の出力は、クロック発生器24に供給される。
【0033】
同期検出手段108は、例えば、予め定められた相関値のスレッショールド値thよりも、加算手段105の出力である相関出力レベルが小さいときには、サーチをすべきと判定し、相関出力レベルがスレッショールド値thよりも大きいときには、数値制御信号による位相制御を行なうように決定する。
【0034】
この実施の形態におけるオフセット量の制御は、スペクトラム拡散信号復調時の相関出力特性曲線の傾き(ゲイン)と、入力雑音によるトラッキングエラーの関係に着目したものである。
【0035】
例えば、1次PLLの基本方程式は、
dφ(t)/dt=dθ1 (t)/dt−Ksinφ(t) …(1)
ただし、φ(t)は位相誤差成分、θ1 (t)は入力信号位相、Kはループゲインである。
【0036】
定常状態で、位相誤差が十分小さく、
sinφ(t)≒φ(t) …(2)
という線形近似ができるとすれば、式(1)の過渡応答は、
φ(t)=Δω/K(1−e-Kt ) …(3)
ただし、Δωは、t=0における入力周波数変化
という式で与えられる。
【0037】
また、PLLの入力雑音の影響を表わすパラメータであるループ雑音帯域BL は、
L =K/4 …(4)
で与えられる。
【0038】
前記式(3)および式(4)により、ループゲインKが大きいほど応答が速く、定常位相誤差が少ないが、入力雑音の影響を受け易いということが判る。
【0039】
この実施の形態では、入力雑音が入力信号に比べ小さい(相関レベルが高い)ときには、ループゲインKを上げて、定常位相誤差(すなわち、逆拡散処理の誤差)を減らしつつ、マルチパス等による誤差を抑え、入力雑音が大きい(相関レベルが低い)ときには、ループゲインKを下げて入力雑音の影響を受けにくくし、衛星信号の捕捉性能を向上させるようにする。
【0040】
この実施の形態の場合、ループゲインKの大きさは、アーリ符号およびレート符号の基準位相に対するオフセット量Δpに比例するものとして、
K=C|Δp| …(5)
ただし、Cは定数
なる関係を満足するものとして決定する。すなわち、この実施の形態では、オフセット量Δpを決定することにより、ループゲインKを前述のように設定するものである。
【0041】
次に、マイクロコンピュータ100の処理の流れを、図2のフローチャートを参照しながら説明する。この図2の動作は、疑似雑音符号の周期である1msec 毎に繰り返されるものである。
【0042】
先ず、必要に応じて周波数制御を行なった後、符号発生器21について、信号復調(逆拡散)の基準となる位相pを設定し、その位相の符号Mを発生させる(ステップS1)。
【0043】
次に、この位相pに対し、前回の相関検出において求められた進みのオフセット量Δpe および遅れのオフセット量Δpd を用いて、アーリ符号Meの位相peおよびレート符号Mdの位相pdを、
pe=p+Δpe …(6)
pd=p+Δpd …(7)
により求め、それぞれアーリ符号Meおよびレート符号Mdを発生させる(ステップS2)
次に、それぞれの符号M,Me,Mdに対して入力信号を掛け合わせ、相関検出を行い、それぞれの符号についての相関出力Ap,Ae,Adを求め(ステップS3)、そのときの総合の相関レベルを示す相関出力Aを得る(ステップS4)。この例の場合、相関出力Aは、例えば、
A=|Ap|+|Ae|+|Ad| …(8)
として求める。
【0044】
次に、この相関出力レベルが相関値のスレッショールド値thよりも大きいか否か判別し(ステップS5)、相関出力レベルがスレッショールド値thよりも小さいときには、ステップS8に進んでサーチに移行する。
【0045】
また、相関出力レベルがスレッショールド値thよりも大きいときには、ステップS6に進んで、相関出力Aの値を元に、アーリ符号Me、レート符号Mdについてのオフセット量Δpe ,Δpd を計算する。この実施の形態の場合、相関検出時の対称性を重視して、これらオフセット量Δpe ,Δpd は、前述もしたように、等しい値を用いている。
【0046】
これらオフセット量Δpe ,Δpd は、この実施の形態の場合、
Figure 0004243817
を用いて算出する。この式(9)を用いて求めたオフセット量と、相関出力との関係を図3に示す。
【0047】
以上のようにして求めた計算結果を、次回の相関検出に反映させるために、記憶領域に格納し、この処理ルーチンを終了する(ステップS7)。
【0048】
以上のようにして、符号発生器21から発生させるアーリ符号およびレート符号の基準位相に対するオフセット量を、相関出力に応じて制御するようにすることにより、この実施の形態のGPS受信機においては、受信状況に応じた信号復調を行なうことが可能である。すなわち、GPS受信機の使用環境の変化による相関出力の変動に応じて、受信機の特性を適応させることが可能である。
【0049】
例えば、受信機の使用環境が郊外であれば、受信状況が良いので、オフセット量を小さくしてループゲインKを大きくすることにより、従来の受信機より、高い精度で測位を行なうことができる。一方、使用環境が都市部であれば、オフセット量を大きくすることにより、入力雑音に強いトラッキング性能を提供することができる。
【0050】
[応用例]
以上のようにして計算されたオフセット量から、ループゲインKが推測できるので、上述した式(3)から受信機の復調誤差(逆拡散処理の誤差)を推測することが可能である。そこで、この値を利用して、測位精度を算出することが可能となり、利用者に、GPS受信機のその使用環境における測位精度を知らせることができる。
【0051】
例えば、図4に示すように、オフセット量Δpe ,Δpd についてのスレッショールド値Δpthを、予め設定しておき、上述のようにして算出したオフセット量Δpe ,Δpd が、そのスレッショールド値Δpthを超えた期間dにおいては、使用者に警告を報知し、測位フィルタを調節する、あるいは測位に使用しない、といった使用方法を取ることができる。
【0052】
[実施の形態の効果]
以上説明した実施の形態のGPS受信機によれば、受信状況が良い地点での測位精度を高めることができる。また、受信条件の悪い地点での衛星追尾性能を高めることができる。
【0053】
また、算出したオフセット量から測位精度を利用者に知らせることができる。また、動作環境等の変化に対して、受信機の特性を自動的に適応させることができる。さらに、受信電界強度の高いところで、マルチパス等による影響を抑えることができる。
【0054】
なお、この発明は、上述したGPS受信機に限らず、スペクトラム拡散変調されて送られてくる信号の受信復調の全てに適用可能であることは言うまでもない。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、受信機の動作環境や、相関出力の変化に応じた受信性能を得ることができる。すなわち、受信状況が良い地点ではマルチパス等の反射波の影響を抑えた精度のよい受信を行なうことができると共に、受信条件が悪い地点では、入力雑音に強い受信を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるスペクトラム拡散信号復調装置の実施の形態としてのGPS受信機の要部の構成例を示すブロック図である。
【図2】この発明による逆拡散ループの制御方法の実施の形態を説明するためのフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態におけるアーリ符号およびレート符号のオフセット量と相関出力との関係を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態の応用例を説明するための図である。
【図5】相関出力特性曲線のオフセット量の違いによる違いを説明するための図である。
【符号の説明】
11…GPSアンテナ、12…高周波処理部、16…信号乗算回路、20…逆拡散のための帰還ループ、21…受信機側の疑似雑音符号を発生する符号発生器、22…符号発生器21を駆動するためのクロック発生器、30…コスタス・ループ、100…マイクロコンピュータ、105…相関出力を得る加算手段、106…制御信号形成手段

Claims (4)

  1. 搬送波が疑似雑音符号によってスペクトラム拡散変調されたスペクトラム拡散信号を、中間周波信号に変換する高周波処理回路と、
    基準の疑似雑音符号の位相に対して、所定のオフセット量だけ進みおよび遅れ位相の出力疑似雑音符号を発生する疑似雑音符号発生器と、
    前記疑似雑音符号発生器の出力疑似雑音符号の位相とチップ速度とを制御するための符号駆動手段と、
    前記中間周波信号と、前記疑似雑音符号発生器の出力疑似雑音符号とを乗算する乗算手段と、
    前記乗算手段での乗算結果に基づいて、前記スペクトラム拡散信号に含まれる疑似雑音符号と前記疑似雑音符号発生器からの前記出力疑似雑音符号との間の相関の度合いを示す相関出力を得る相関検出手段と、
    前記相関検出手段で検出された前記相関の度合いに応じて、前記疑似雑音符号発生器の出力疑似雑音符号の、前記オフセット量を設定するオフセット量設定手段と、
    前記相関検出手段で検出された前記相関出力に基づいて、前記疑似雑音符号発生器からの出力疑似雑音符号の位相が前記スペクトラム拡散信号に含まれる疑似雑音符号の位相に一致するように位相制御する制御信号を生成して、前記符号駆動手段に供給する相関制御手段と、
    を備えることを特徴とするスペクトラム拡散信号復調装置。
  2. 請求項1に記載のスペクトラム拡散信号復調装置において、
    前記オフセット量設定手段では、前記相関検出手段で検出された相関出力レベルが大きいときには、前記オフセット量を小さくし、前記相関出力レベルが小さいときには、前記オフセット量を大きくすることを特徴とするスペクトラム拡散信号復調装置。
  3. 搬送波が疑似雑音符号によってスペクトラム拡散変調されたスペクトラム拡散信号を周波数変換して得た中間周波数信号と、基準の疑似雑音符号の位相に対して、所定のオフセット量だけ進みおよび遅れ位相の出力疑似雑音符号を発生する疑似雑音符号発生器からの前記出力疑似雑音符号とを乗算する乗算工程と
    前記乗算工程での乗算出力に基づいて、前記スペクトラム拡散信号に含まれる疑似雑音符号と前記疑似雑音符号発生器からの前記出力疑似雑音符号との間の相関の度合いを示す相関出力を得る相関検出工程と
    前記相関検出工程で検出された前記相関の度合いに応じて、前記疑似雑音符号発生器の出力疑似雑音符号の、前記オフセット量を設定するオフセット量設定工程と、
    前記相関検出工程で検出された相関出力に基づいて、前記スペクトラム拡散信号に含まれる疑似雑音符号と前記疑似雑音符号発生器からの出力疑似雑音符号の位相とが一致するように位相制御する制御信号を生成して、前記疑似雑音符号発生器の出力疑似雑音符号の位相とチップ速度とを制御するための符号駆動手段に供給する相関制御工程と、
    を有するスペクトラム拡散方式電波受信用の逆拡散ループ制御方法。
  4. 請求項3において、
    前記相関検出手段で検出された相関出力レベルが大きいときには、前記オフセット量を小さくし、前記相関出力レベルが小さいときには、前記オフセット量を大きくすることを特徴とするスペクトラム拡散方式電波受信用の逆拡散ループ制御方法。
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