JP4243513B2 - 3次元音場再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、演奏ホール等内の特定された受聴位置での音場を再生する3次元音場再生方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
人間の視覚および聴覚は3次元で認識をする。映像に関しては、最近3次元表示の方式が考えられて提供されるようになってきている。聴覚に関しても、古くからいろいろな収音方法や再生方式が提案されている。その中でも一番再生場所の環境に左右されないものとして、ダミーヘッド収音方式がある(特許文献1)。
【0003】
このダミーヘッド収音方式は、演奏ホールにいる聴衆者の耳の鼓膜上での音圧を忠実に再生できるものである。この方式は、人の頭部を模型化したダミーヘッドの耳の部分にマイクロフォンを埋め込み、このマイクロフォンにて演奏によるオーディオ信号を収音する。そして、この収音されたオーディオ信号をヘッドフォンにて再生するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このダミーヘッド収音方式における、ダミーヘッドは、人頭部の形状を測定しその平均値を用いて模型を作成したものであり、必ずしも個々人の頭部を忠実に模型化したものではない。そのため、演奏会場の音場を個々人に合わせて再生したものではなく、個人差によって演奏会場の音場に違和感を覚える場合がある。
【0005】
これを解決するには、個々人の頭部形状を模型化する必要がある。このことは、収音を再生して受聴する全員の頭部の模型を作成することとなり、大変な作業を強いられることになる。
【0006】
例え、個々人の頭部形状を模型化することが可能になったとしても、演奏ホールの特定位置でオーディオ信号を収音する一箇所には、1人のダミーヘッドのみをセットすることになる。そのため、前記収音する一箇所で複数人のダミーヘッドを使って個々人に合った演奏のオーディオ信号を収音する場合には、各人のダミーヘッドを差換え、ダミーヘッド毎に同一の演奏を人数分だけ繰り返して行う必要がある。このことは事実上困難なことである。
【0007】
上述したように演奏のオーディオ信号を収音する一箇所には、1人分のダミーヘッドしかセットすることはできず、複数人のダミーヘッドを特定の収音位置に同時にセットすることは不可能である。このことは、比喩的になるが、乗用車の1つの運転席に複数人が同時に腰掛けて走行中のエンジン音を聞くことができないことと同じことを意味する。
【0008】
したがって、現在開発されている3次元音場再生方法は、個々人の頭部の特性に合わせた方式でないため、個人差によって再生される演奏会場の音場に違和感を覚えるという現象を完全に払拭することは不可能である。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−79881号公報(特許文献1)
【0010】
【発明の目的】
本発明の目的は、収音する一箇所で複数人の頭部を数値モデル化して配置した3次元仮想空間を想定して音場を再生することにより、個人差による音場の違和感を完全に払拭することができる3次元音場再生方法及びその装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係る3次元音場再生装置は、3次元実空間内に位置を特定して配置することにより、音源からのオーディオ信号を収音する複数のマイクロフォンと、人の頭部を撮像した画像に基づいて数値モデル化した頭部の外形形状を示す輪郭線の3次元座標データと左右の耳の3次元座標データとを取得し、数値モデル化した人の頭部の3次元座標データを作成する3次元形状測定装置と、前記3次元形状測定装置が出力する数値モデル化した3次元座標データと、前記複数のマイクロフォンに対応する3次元座標位置のデータとに基づいて、前記マイクロフォンの3次元座標データを含んで特定される仮想空間内に、人の頭部を3次元座標データで数値モデル化して配置した3次元仮想空間を想定し、当該3次元仮想空間内における、マイクロフォンに対応する3次元座標位置と数値モデル化した人の頭部の耳の3次元座標位置との間における音圧周波数の伝達特性を演算する伝達特性演算部と、前記伝達特性演算部が3次元仮想空間内で演算した前記伝達特性を、前記3次元実空間内のマイクロフォンにより収音した入力オーディオ信号に畳み込んで出力するフィルタとを含むことを特徴とする。
【0012】
本発明では、複数のマイクロフォンを3次元実空間内に位置を特定して配置する。そして、3次元実空間内に配置したマイクロフォンにより音源からのオーディオ信号を収音する。
【0013】
一方、前記マイクロフォンの3次元座標データを含んで特定される仮想空間内に、再生音を聴取したいと希望する人の頭部を3次元座標データで数値モデル化して配置した3次元仮想空間を想定し、当該3次元仮想空間内における、マイクロフォンの3次元座標位置と数値化モデルされた人の頭部の耳の3次元座標位置との間における音圧周波数の伝達特性を演算する。
【0014】
次に、前記3次元仮想空間内で演算した前記伝達特性を、前記3次元実空間内のマイクロフォンにより収音した入力オーディオ信号に畳み込んで出力する。
【0015】
したがって、本発明によれば、3次元実空間内の特定された位置、すなわち一箇所の収音位置に配置された複数のマイクロフォンにより音源からのオーディオ信号を収音し、この収音したオーディオ信号に、個々人に応じた3次元仮想空間内で演算した伝達特性を畳み込むことにより、個々人に適合する再生用のオーディオ信号を出力することができる。このため、個人差による音場の違和感を完全に払拭することができる。
【0016】
さらに、前記伝達特性をソフト処理により変更するだけで、例えば演奏ホールの席の位置を自由に変更した収音位置でのオーディオ信号を再生することができる。このことは、例えば演奏の前売り券を購入する際に、当該演奏ホールの全席でのオーディオ信号を再生し、自分の好みに合った演奏用オーディオ信号を予め試聴し、そのオーディオ信号を受聴する席を購入することができることとなる。
【0017】
さらに、一箇所の収音位置で前記伝達特性を個々人に合わせてソフト処理により変更することにより、当該一箇所の収音位置で複数人の数値モデル化した頭部を用いたオーディオ信号を同時に再生することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0019】
本発明に係る3次元音場再生装置は基本的な構成として、3次元実空間と3次元仮想空間とを設定し、当該3次元実空間にてオーディオ信号を収音し、当該3次元仮想空間にて個々人に合わせてコンピュータを用いたソフト処理により伝達特性を演算し、前記3次元実空間内にて収音したオーディオ信号に、前記3次元仮想空間にて演算した伝達特性を畳み込んで出力することを特徴とするものである。
【0020】
具体的に説明すると、本発明に係る3次元音場再生装置は図2(a)に示すように、複数のマイクロフォン2と、A/D変換器3と、メモリ4と、伝達特性演算装置5と、フィルタ6と、D/A変換器11とを有している。
【0021】
前記複数のマイクロフォン2は図1に示すように、音源1が存在する3次元実空間内に設置される。当該複数のマイクロフォン2は、前記3次元実空間内に位置を特定して配置される。その配置について説明する。
【0022】
図1において、マイクロフォン2で収音するときには、受聴者の頭部は、複数のマイクロフォン2が配置される3次元実空間内に存在することはないものである。図1では、複数のマイクロフォン2と数値モデル化された人の頭部7との関係を明らかにするために、数値モデル化した人の頭部7を一点鎖線にて示している。複数のマイクロフォン2は図1に示すように、音源1が存在する3次元実空間内に想定された球殻状の曲面に設置される。すなわち、当該球殻を地球儀とした場合に、その赤道方向(横軸方向に添う周方向)にm分割した経線L1と、その緯度方向にn分割した緯線L2との交点位置にそれぞれ配置される。これらのマイクロフォン2は無指向性のマイクロフォンを使用し、これらのマイクロフォン2の3次元配置データは、伝達特性演算装置5に記憶させている。また、後述するように、複数のマイクロフォン2の配置により特定される3次元実空間内に対応して仮想される3次元仮想空間内に配置される数値モデル化された人の頭部7の3次元座標データを3次元形状測定装置8により測定し、これらの3次元座標データを伝達特性演算装置5に記憶させている。
【0023】
A/D変換器3は、前記複数のマイクロフォン2にて収音したオーディオ信号を当該マイクロフォン2毎にアナログ信号からディジタル信号にそれぞれ変換するようになっている。さらに、メモリ4は、前記A/D変換器3から出力されるディジタル信号としてのオーディオ信号を前記マイクロフォン2毎に記憶するようになっている。メモリ4は、デジタルオーディオテープのような記録媒体からの出力をも利用できる。
【0024】
伝達特性演算装置5は、図4に示すように前記複数のマイクロフォン2の3次元座標データを含んで特定される仮想空間内に、人の頭部7を3次元座標データで数値モデル化して配置した3次元仮想空間10を想定し、当該3次元仮想空間10内における、マイクロフォン2に対応する3次元座標位置と数値モデル化した人の頭部7の左右の耳7aの3次元座標位置との間における音圧周波数の伝達特性を演算するようになっている。図4において、3次元仮想空間10に示した黒丸は、3次元実空間内に配置されたマイクロフォン2に対応する3次元座標位置を示すものである。そして、3次元実空間内に配置されたマイクロフォン2に対応する3次元座標位置(黒丸の位置)に仮想の点音源を配置した状態を想定して、3次元実空間内に配置されたマイクロフォン2に対応する3次元座標位置(図4の黒丸の位置)と数値モデル化した人の頭部7の左右の耳7aの3次元座標位置との間における音圧周波数の伝達特性を演算する。
【0025】
個々人の数値モデル化された頭部7は、3次元形状測定装置8を利用して作成する。すなわち、前記3次元形状測定装置8は図3に示すように、CTスキャナと同じ原理にて個々人の頭部9を中心とし、当該頭部9に対してデジタルカメラ8aを横方向に一定の距離にセットし、このデジタルカメラ8aを頭部に対して一周させながら、頭部9の撮像画像をデジタルカメラ8aにて撮像し、その撮像画像データを画像処理部8bにて合成する。そして、座標演算部8cにて画像処理部8bから出力される撮像画像データに基いて数値モデル化される人の頭部7の外形形状を示す輪郭線の3次元座標データと左右の耳7aの3次元座標データとを取得し、各個人の頭部9に合致した数値モデル化した人の頭部(左右の耳7aを含む)7を作成するようになっている。なお、3次元形状測定装置8は図3に示す構成のものに限られるものではなく、これ以外のものでもよい。要は、個々人の頭部9に合致した数値モデル化して人の頭部7及び耳7aの3次元座標データを取得することができる方法及び装置であれば、いずれのものを用いても良いものである。
【0026】
伝達特性演算装置5は、図4に示すマイクフォン2に対応する3次元座標位置(黒丸)のデータと、前記3次元形状測定装置8から出力される、個々人の頭部7の数値モデル化した3次元座標データに基いて演算を行う。すなわち、伝達特性演算装置5は、先ず、3次元実空間内に配置されるマイクロフォンの3次元座標データを含んで特定される仮想空間内に、人の頭部を3次元座標データで数値モデル化して配置した3次元仮想空間10を想定する(図4参照)。
【0027】
さらに、伝達特性演算装置5は、3次元実空間内に配置されたマイクロフォン2に対応する3次元座標位置(黒丸の位置)に仮想の点音源を配置した状態を想定して、3次元実空間内に配置されたマイクロフォン2に対応する3次元座標位置(図4の黒丸の位置)と数値モデル化した人の頭部7の左右の耳7aの3次元座標位置との間における音圧周波数の伝達特性を演算する。
【0028】
この場合、伝達特性演算装置5は、3次元仮想空間10内に波動的な演算が可能な有限要素法,境界要素法などを適用することにより、3次元仮想空間10内における、マイクロフォン2に対応する3次元座標位置(図4の黒丸の位置)と数値モデル化した人の頭部7の耳7aの3次元座標位置との間における音圧周波数の伝達特性を演算する。また、伝達特性演算装置5により伝達特性を求めるために、図4に対応する3次元仮想空間10内におけるマイクロフォン2に対応する3次元座標位置(図4の黒丸の位置)に想定した仮想の点音源からインパルスを与えて、数値モデル化された人の頭部7の耳7aの鼓膜位置における音圧周波数の特性を演算によって求める。
【0029】
本発明において、数値モデル化された人の頭部7の耳7aの鼓膜位置における音圧周波数の伝達特性を求める式を下記に記述する。
複数のマイクロフォン2の3次元座標データを含んで特定される仮想空間内に、人の頭部を3次元座標データで数値モデル化して配置して想定される3次元仮想空間8の領域をΩ、その3次元仮想空間10の境界をΓとすると、3次元仮想空間8の領域Ω,境界ΓにおけるHelmholtz方程式は、
【数1】
として表すことができる。
また、前記方程式を積分で表現すると、下記の数2として表現することができる。
【数2】
境界上に節点iを取って,関数u(x),q(x)を補間関数を用いて近似すると下記数3となる。
【数3】
積分表現のyを各節点に選び,関数u(x),q(x)に補間関数を代入して離散化すると、下記数4となる。
【数4】
節点集合{i}を観測点0と境界点Bの二つに分割すると、下記数5となる。
【数5】
積分を実行して整理すると、下記数6となる。
【数6】
さらに、境界条件を代入してqbを消去すると、下記数7となる。
【数7】
ポテンシャルに関して上式を解いて、下記数8を得る。
【数8】
ここで、数9
【数9】
と置く。すると、下記数10が得られる。
【数10】
これによって、積分形式の変数となっていた部分が観測節点での値q0で表現できる。
聴点をzとすると、下記数11が得られる。
【数11】
この積分を実行して整理すると、下記数12が得られる。
【数12】
伝達特性演算装置5は、上記伝達特性の演算式に基いて演算を行い、図4に示す3次元仮想空間10内におけるマイクロフォン2に対応する3次元座標位置(黒丸の位置)と数値モデル化した人の頭部7の耳7aの3次元座標位置までの音圧周波数の伝達特性をそれぞれ演算する。
【0030】
そして、伝達特性演算装置5は、演算した前記音圧周波数の伝達特性のデータを記憶し、そのデータを数値モデル化された人の左右の耳7aに対応して備えたフィルタ(DSP;ディジタル・シグナル・プロセッサ)6に出力する。
【0031】
フィルタ6は図2(b)に示すように、複数のマイクロフォン2に対応する個数のディジタルフィルタ6L1〜6Ln,6R1〜6Rnを有している。これらのディジタルフィルタ6L1〜6Lnとディジタルフィルタ6R1〜6Rnとは、数値モデル化した人の頭部7の左右の耳7aに対応して設けられ、かつ、一方のディジタルフィルタ6L1〜6Lnは、数値モデル化した人の頭部7の左の耳7aに出力する音信号を出力し、他方のディジタルフィルタ6R1〜6Rnは、数値モデル化した人の頭部7の右の耳7aに出力する音信号を出力するようになっている。さらに、D/A変換器11は、フィルタ6から出力されるディジタル信号をアナログ信号に変換してヘッドフォン等に出力する。
【0032】
図2(b)に示すように、伝達特性演算装置5は、3次元仮想空間10内で演算した前記伝達特性を、数値モデル化された人の頭部の左と右との耳7a毎に分離してフィルタ6に出力する。フィルタ6は、伝達特性演算装置5から数値化された人の頭部7の左と右との耳7a毎に分離して出力された伝達特性を、数値モデル化された人の頭部7の左と右との耳7aに対応するディジタルフィルタ6L1〜6Lnとディジタルフィルタ6R1〜6Rnとに分離して入力する。そして、ディジタルフィルタ6L1〜6Lnとディジタルフィルタ6R1〜6Rnは、前記伝達特性演算部5が3次元仮想空間10内で演算した前記伝達特性を、前記3次元実空間内のマイクロフォン2により収音した入力オーディオ信号に畳み込む。加算器10a,10bは、ディジタルフィルタ6L1〜6Lnとディジタルフィルタ6R1〜6Rnとの出力値を数値モデル化した人の頭部7の左右の耳7a毎に加算し、左右の耳に対応する2チャンネルのオーディオ信号として出力する。
【0033】
次に、本発明に係る3次元音場再生装置の動作について説明する。複数のマイクロフォン2を3次元実空間内に位置を特定して配置する。そして、3次元実空間内に配置したマイクフォン2により音源1からのオーディオ信号を収音する。
【0034】
前記マイクロフォン2により収音したオーディオ信号は、A/D変換器3によりディジタル信号に変換してメモリ4に記憶させる。
【0035】
一方、3次元形状測定装置8により、個々人の頭部9と耳9aとの外形形状を測定し、これらの3次元データを伝達特性演算装置5bに入力させる。伝達特性演算装置5は、前記マイクフォン2の3次元座標データを含んで特定される仮想空間内に、再生音を聴取したいと希望する人の数値モデル化された頭部7を3次元座標データで数値モデル化して配置した3次元仮想空間8を想定し、当該3次元仮想空間10内における各マイクロフォン2に対応する3次元座標位置(図4の黒丸の位置)と数値モデル化された頭部7の耳7aの3次元座標位置との間における音圧周波数の伝達特性を演算する。
【0036】
前記伝達特性演算装置5が3次元仮想空間10内で演算した前記伝達特性を、前記3次元実空間内のマイクロフォン2により収音した入力オーディオ信号にフィルタ6により畳み込んで出力する。そして、D/A変換器11は、フィルタ6からのディジタル信号をアナログ信号に変換して、2チャンネルのオーディオ信号をヘッドフォン等に出力する。以上の処理に基いて、3次元実空間内にて収音された音信号が再生されることとなる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、3次元実空間内の特定された位置、すなわち一箇所の収音位置に配置された複数のマイクロフォンにより音源からのオーディオ信号を収音し、この収音したオーディオ信号に、個々人に応じた3次元仮想空間内で演算した伝達特性を畳み込むことにより、個々人に適合する再生用のオーディオ信号を出力することができる。このため、個人差による音場の違和感を完全に払拭することができる。
【0038】
さらに、前記伝達特性をソフト演算処理により変更するだけで、例えば演奏ホールの席の位置を自由に変更した収音位置でのオーディオ信号を再生することができる。このことは、例えば演奏の前売り券を購入する際に、当該演奏ホールの全席でのオーディオ信号を再生し、自分の好みに合った演奏用オーディオ信号を予め試聴し、そのオーディオ信号を受聴する席を購入することができることとなる。
【0039】
さらに、一箇所の収音位置で前記伝達特性を個々人に合わせてソフト演算処理で変更することにより、当該一箇所の収音位置で複数人の好みのオーディオ信号を同時に収音することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る3次元音場再生装置における音源とマイクロフォンとの関係を示す図である。
【図2】(a)は、本発明に係る3次元音場再生装置を示す構成図、(b)はフィルタを示す構成図である。
【図3】再生音を聴取したいと希望する人の頭部を3次元座標データで数値モデル化する場合を示す図である。
【図4】伝達特性演算装置において、複数のマイクロフォンの3次元座標データを含んで特定される仮想空間内に、人の頭部を3次元座標データで数値モデル化して配置した3次元仮想空間を想定して伝達特性を演算する場合を示す図である。
【符号の説明】
1 音源
2 マイクロフォン
3 A/D変換器
4 メモリ
5 伝達係数演算装置
6 フィルタ
Claims (1)
- 3次元実空間内に位置を特定して配置することにより、音源からのオーディオ信号を収音する複数のマイクロフォンと、
個々人の頭部を中心として1周させながら個々人の頭部を撮像し、その個々人の頭部の撮像画像に基づいて個々人の数値モデル化した頭部及び耳の外形形状を示す輪郭線の3次元座標データと左右の耳の3次元座標データとを取得し、個々人の数値モデル化した人の頭部の3次元座標データを作成する3次元形状測定装置と、
前記3次元形状測定装置が出力する個々人の数値モデル化した3次元座標データと、前記複数のマイクロフォンに対応する3次元座標位置のデータとに基づいて、前記マイクロフォンの3次元座標データを含んで特定される仮想空間内に、個々人の頭部を3次元座標データで数値モデル化して配置した3次元仮想空間を想定し、当該3次元仮想空間内におけるマイクロフォンに対応する3次元座標位置に想定した仮想の音源からインパルスを与えて、前記マイクロフォンに対応する3次元座標位置と数値モデル化した個々人の耳の鼓膜位置との3次元座標位置との間における音圧周波数の伝達特性を演算する伝達特性演算部と、
前記伝達特性演算部が3次元仮想空間内で演算した前記伝達特性を、前記3次元実空間内のマイクロフォンにより収音した入力オーディオ信号に畳み込んで個々人に適合する再生用のオーディオ信号を出力するフィルタとを含むことを特徴とする3次元音場再生装置。
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Country Status (1)
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