JP4242492B2 - 共焦点光学装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源からの光を被検物に照射して焦点を結ばせる集光部に特徴を有する共焦点光学装置、特に人の体空内を高解像度で観察することの出来る光走査型共焦点内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、生体組織や細胞の表面又は内部を高解像度で観察する手段として、光走査型の共焦点顕微鏡が知られている。共焦点光学系は、通常の光学系の解像限界を超えた分解能を持つと共に、3次元像を構築することができるという特徴を有している。しかし、通常の共焦点顕微鏡では、光学系のサイズが大きくて体内へ挿入することは難しいため、生体組織を対外へ取り出して観察する方法が知られている。
【0003】
共焦点光学系のコンパクト化を図った例としては、"Micromachined scanning confocal optical microscope" OPTIC LETTERS Vol.21 No.10 May.1996 に記載された微小共焦点顕微鏡の光学系が知られている。図8は従来の光走査型共焦点顕微鏡の一例を示しており、図中、1は光源、2は光伝送部、3は光検出部、4は光走査部、5は画像処理部である。光伝送部2はシングルモードファイバーからなり、内視鏡的に本顕微鏡を体内へ挿入することにより、生体内の3次元像をリアルタイムで観察し得る可能性が示されている。
【0004】
図9は光走査部4の詳細を示している。図中、201は光伝送用ファイバー、401は反射面、402,403は夫々X,Y方向に走査を行なう静電ミラー、404は反射部、405は回折レンズ、7は被検面である。光源1から光伝送用ファイバー(シングルモードファイバー)201を介して伝送された光は、反射面401,静電ミラー402,反射部404,静電ミラー403で順次反射し、回折レンズ405を介して被検面7上に集光せしめられる。被検面7の集光点からの反射光は、回折レンズ405,静電ミラー403,反射部404,静電ミラー402,反射面401を介して伝送されて、光伝送用ファイバー201へ入射し、手元側の光検出部3で検知される。
【0005】
この構成では、光伝送用ファイバー201のコアが共焦点ピンホールを兼ねた構成になっており、焦点以外からの散乱光強度は、ファイバー端面では極めて弱く、検出器では殆ど検知されない。本光学系は共焦点系であり、2乗特性による高解像度を得ることができるばかりか、既存の光学系では実在しない奥行き方向(Z軸方向)の解像度をもつため、生体組織の3次元情報を高解像度で得ることができる。又、この従来例は、通常の共焦点光学顕微鏡ほどの分解能は有しないが、診断には必要十分な分解能を保ちつつコンパクト化が図られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来例は、ファイバーの長手方向に対し被検面が傾いており、径内視鏡的挿入を考えた場合、スコープ挿入方向と視野方向とが異なるという問題点がある。
【0007】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コンパクトでかつ挿入方向と視野方向が一致する共焦点光学装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、走査時に発生する像面湾曲やコマ収差などの収差が良好に補正された共焦点光学系を備える共焦点光学装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による共焦点光学装置は、被検部に光を照射するための光源と、該被検部上で光を走査するための走査部と、該走査部からの光を前記被検部上に集光する集光光学系と、前記被検部からの戻り光を検出するための光検出部を具備した共焦点光学装置において、前記光走査部は微小な開口部を有する反射面を備え、前記集光光学系は前記光走査部からの光を反射する反射面と少なくとも1つの負の屈折力を有する面とを備えていることを特徴としている。
また、本発明による共焦点光学装置は、前記走査部において、前記反射面が前記被検部と共役な位置あるいはその近傍に配置されており、前記開口部の大きさは回折限界程度あるいはそれよりも小さく設定されていることを特徴としている。これにより、開口に共焦点ピンホールとしての作用を持たせることができ、分解能,S/Nに適したピンホールの設定と、組立て性向上を図ることができる。
また、本発明による共焦点光学装置は、前記反射面のうち少なくとも1面が1次元走査可能な走査ミラーから成ることを特徴としている。
また、本発明による共焦点光学装置は、前記反射面のうち何れか1面が光源からの光を互いに直交する方向に2次走査可能な走査ミラーから成っていることを特徴としている。これにより、部品点数の削減と光学系の細径化が可能となる。
また、本発明による共焦点光学装置は、前記反射面のうち何れか1面が凸面ミラーであることを特徴としている。これにより、走査ミラーからの反射光の反射面位置での光束を大きく確保することができ、良好なS/Nを確保することができる。
また、本発明による共焦点光学装置は、前記凸面ミラーが前記集光光学系のレンズ面に形成された反射膜であることを特徴としている。これにより、フレア等が抑えられ、且つ光学系をシンプルにすることができる。
また、本発明による共焦点光学装置は、光源から光走査部へ光を伝送する手段として、光ファイバーを用いたことを特徴としている。
また、本発明による共焦点光学装置は、前記光ファイバーがシングルモードファイバーから成ることを特徴としている。これにより、最も簡単な構成の共焦点光学系を実現することができる。
また、本発明による共焦点光学装置は、前記シングルモードファイバーの端面が前記開口を有するミラーの近傍に位置せしめられて共焦点ピンホールとなるようにしたことを特徴としている。
また、本発明による共焦点光学装置は、前記光ファイバーがマルチモードファイバーから成ることを特徴としている。これにより、共焦点光学系の効率アップを図ることができる。
また、本発明による共焦点光学装置は、前記集光光学系の前記被検部から第1番目のレンズ面が無パワーか負パワーを有していることを特徴としている。
更に、本発明による共焦点光学装置は、前記光検出部が、光源から被検部に照射される照明光と、該照明光で前記被検部を照明した時に該被検部から発生する蛍光とを分離する波長分離素子と、前記照明光と前記蛍光を検出する光学素子を有していることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図示した実施例に基づき説明する。図1は、本発明に係る共焦点光学装置の一実施例の全体構成図、図2は光走査ミラーの正面図である。図中、1はレーザーなどの光源、2は光伝送部、3は光検出部、4は光走査部、5は画像処理部、6はピンホール(開口部)、7は被検面である。光伝送部2は、光源1からの光を光走査部4へ伝送するための光伝送用ファイバー201と、光分岐用4端子カップラー202とから成り、又、光走査部4は、ピンホール6を有する光走査ミラー406と、集光光学系407と、不要光防止用絞り408とから成る。更に、光走査ミラー406は、ミラー面となる内側斜線部を駆動するための電極406a,406bと、外枠を形成する外側斜線部を駆動するための電極406c,406dと、電極406a,406b及び406c,406dを夫々支持してそれぞれの支持方向を軸として回動し得るヒンジ部406e,406f及び406g,406hとから成っている。8a,8b,8c,8dは各電極406a,406b,406c,406dに電圧を供給するための配線である。各電極の下側には所定の間隔を置いてグランド面が形成されていて、各配線8a,8b,8c,8dにより各電極とグランド面との間に電圧を印加することにより、電極−グランド面間に静電引力が発生し、それによって、ミラー面となる電極406a,406b上に入射した光を2次元に偏向することが出来るようになっている。
【0010】
走査ミラー406はジンバル構造を有し、半導体製造技術を応用したマイクロマシニング技術によって作製され得る。これは、シリコンを構成部材として用い、電極及び配線にはアルミニウムを用い、ヒンジ部はシリコンの窒化膜で構成されている。作製に当たっては、まずシリコン部材上にシリコン窒化膜を堆積し、ジンバル形状にパターニングする。次に、電極用金属を成膜し、配線と電極を形成する。最後に、このシリコン部材をジンバル構造に加工するが、この加工にはウェットエッチャントを用い、この時のマスク材には、シリコン窒化膜が利用される。この時、電極と電線を構成する金属もエッチャントにさらされるため、使用金属はこのウェットエッチャントに耐性を有するものを選択しなければならない。また、この加工は等方的であるため、加工後のヒンジ部はシリコン窒化膜のみとなり、回動が可能となる。なお、ピンホール6の径は、共焦点ピンホールとして機能させるためには回折限界径の1/5以下が望ましいが、S/Nを重視し回折限界まで広げてもよい。
【0011】
本実施例は上記のように構成されているから、光源1から出射した光は、光伝送用ファイバー201の入射端201aに入射後4端子カップラー202で分岐され、出射端201bに達する。かくして光走査部4に達した光は、光走査ミラー406と集光レンズ407により被検面7上に集光し、走査される。ここで、ピンホール6は共焦点ピンホールとして機能するような開口径が与えられている。即ち、光走査ミラー406のピンホール6の面で回折した光は集光レンズ407の反射面407aで反射し、光走査ミラー406へ入射する。この反射光は再び集光レンズ407に入射し、被検面7上に集光する。そして被検面7上の焦点位置からの散乱光は、入射光と同一経路を戻り、ピンホール6を通過して出射端201bから光伝送用ファイバー201内に入り、4端子カップラー202により分岐されて出射端201cに達し、光検出部3に入って検知される。かくして検知された散乱光は画像処理部5において画像とすべく処理される。一方、被検面7上の焦点位置以外からの散乱光は、ピンホール6を殆ど通過しないため、光検出部3では殆ど強度を持たず、検知されない。
【0012】
この場合、使用光が単波長であれば、集光光学系407は非球面を用いた単レンズで構成することができて構成上及び組立て上好ましいが、非球面レンズは型作製時に発生するウネリや面粗さが光学系の解像力に悪影響を及ぼすため、高分解能が要求される場合には、高い面精度が出し易く製作も容易な球面レンズを複数枚用いて構成するのが良策である。但し、球面レンズを用いる場合には、球面収差,走査時に発生する像面湾曲及びコマ収差を補正するため、集光光学系内に負のパワーの面(凹面)を配置することが必要となる。
【0013】
前述のように、ピンホール6の開口径を回折限界程度に設定すれば、共焦点ピンホールとしての作用を持たせることができ、分解能,S/Nに適したピンホールの設定と、組立て性の向上を図ることができる。また、ピンホール6を有する反射面を2次元走査ミラーとすることにより、部品点数の削減と光学系の細径化が可能である。走査ミラー406への反射面は良好なS/Nを確保する点で凸面形状であることが望ましい。この反射面は集光光学系407を構成するレンズの第1面に配置されているので、フレア等が抑えられ、光学系をシンプルにすることができる。
【0014】
光伝送部2と光走査部4の接続方法として、共焦点光学系を実現する最も簡単な構成は、シングルモードファイバーを用いる方法である。この場合には、シングルモードファイバーの出射端201bを光走査ミラー406近傍まで導き、コアを共焦点ピンホールとすることができる。また、ピンホールを結像面に設置することにより共焦点ピンホールの効果を持たせるようにしても良いが、この場合には、適切な径の共焦点ピンホールを設置することができるという利点がある。また、この場合、光伝送部2をマルチモードファイバーとして効率を良くすることもできる。但し、ファイバーの出射端とピンホールとが十分に接近している必要がある。ピンホールとファイバーの出射端を十分に接近させることがスペース的に難しい場合には、ピンホールとファイバーの出射端の間に集光レンズを設けるようにすれば良い。
【0015】
共焦点効果を発揮させるためには、光学系は回折限界近くまで収差補正されている必要があるが、走査ミラー406により反射された光は、反射膜を有する集光レンズへ入射することになるため、走査ミラー406が傾いている場合、集光光学系407は入射光に対し偏心系となる。従って、反射膜を有する凸面では上側従属光線と下側従属光線とでレンズに対する入射角が大きく異なり、大きな外コマ収差が発生する。この外コマ収差を相殺するには、反射膜が形成されている面407aの対向面を負パワーにして内コマ収差を発生させるようにする必要がある。具体的には、反射膜が形成されている面の曲率半径をR1、対向面の曲率半径をR2、焦点距離をfとしたとき、0≦R1/f≦20、−10≦R2/f≦10なる関係を満たすようにすることが望ましい。但し、反射膜の面積を小さくしてS/Nの向上を狙う場合には、0≦R1/f≦10、−5≦R2/f≦5なる関係を満たすようにすることが望ましい。なお、ここでR1、R2の符号の正負であるが、レンズ面が光走査ミラー406側に凸の場合を正とする。
【0016】
光走査ミラー406からの反射光は集光光学系407へ再び入射するが、反射面407aへの入射光は不要光となり、光走査ミラーと集光光学系との間で多重反射し、迷光となる。従って、反射面407aの凸パワーを大きくし、集光光学系内を透過する光束径に対し反射面の径が小さい程S/Nの良い画像を得ることができる。一方、反射面407aのパワーを必要以上に大きくすると、集光光学系407への入射時に、光走査ミラー406が傾いている状態では、光線高が高くなる。この結果、光走査ミラーは大きくならざるを得ず、駆動電圧に直接影響を及ぼすこととなる。光走査ミラー406から集光光学系407までの距離をLとすると、反射面407aでの光束径D1はL×θ、集光光学系407を透過する光束径D2はL×θ+2×L×(θ+2×L×θ/R1)となる。ここで、sin θはピンホール6側の開口数である。D1/D2=1/(2×(1+2×L/R1)+1)、S/Nを抑える観点から、D1/D2≦0.25であることが望ましい。一方、光走査部4での光束径はピンホール射出角をθとすると、2×L×θ×(1+L/R1)となるが、2×L×θ×(1+L/R1)≦1.0mmなる関係を満たすことが望ましい。従って、R1は、2×L2 ×θ/(1−2×θ×L)≦R1≦4×Lなる関係を満たすことが望ましい。
【0017】
一般に細胞診を行なう場合には、1μm程度の分解能が要求されるため、レンズの物体側開口数は0.2以上を必要とされる。特に、開口数0.3以上の高分解能を要求する場合には、被検面7からの集光光学系407の第1面は、球面収差を低減させる必要から凹面形状とすることが望ましい。但し、第1面は外表面でもあるため、付着物を防ぐ目的で平面であることも望まれるので、コンパクト化を図る意味では、この第1面を平面にすることが有効である。
【0018】
良好なS/Nを確保するためには、集光光学系407を透過する光束の径に対する反射面407aの径の比は0.3以下であることが望ましく、集光光学系を構成するレンズの外径に対する反射面407aの径の比は0.15以下であることが望ましい。一方、光走査ミラー406の大型化は駆動電圧の増大を招き人体内での使用上好ましくないので、光走査ミラー406の反射領域の範囲を1.5mm以下に抑え、低電圧で光走査ミラー406を駆動するのが望ましい。集光光学系407の外径は、本装置の内視鏡チャンネルへの挿入を考慮すると、3.0mm以下であることが望ましいが、一方、上記外径をD、レンズの最終面から集光点までの距離をWD、レンズの物体側開口数をNAとしたときD≧2×WD×NAなる関係が必要であり、更にミラー走査を考慮すると、D≧2×WD×NA+0.5mmなる関係を満たすことが望ましい。又、細胞診への応用を考えた場合、組織1mm以上の組織内部の情報を得ることが望まれるので、WDは1mm以上であることが必要である。又、共焦点顕微鏡の分解能は、集光レンズのNAと観察光の波長とで決定されるが、分解能1μmを確保するためには、集光レンズの物体側開口数は0.20以上を必要とする。従って、本光学装置において、必要な分解能とWDを確保するには、集光光学系407のレンズ外径は1.0mm以上であることが必要である。
【0019】
以上、単色レーザ光による観察の場合について述べたが、本光学装置は、蛍光観察など複数波長の光を用いる観察にも応用できることはいうまでもない。一般に、生体組織や粘膜などを観察する場合、予め被検物に蛍光物質を注入した上での蛍光観察が行われる。かかる蛍光観察を考えた場合、照明光と検出光の波長の違いにより、軸上及び倍率方向に戻り光の集光ズレが生じる。このズレ量がピンホール径に比べて大きくなると、被検面の情報がノイズに埋もれ、結果として解像力が低下するので、この場合には、接合レンズを用いる等の方法により、波長による焦点ズレの低減が図られる。又、細胞の異常部のみを選択的に観察するために、細胞の正常部と異常部の光学特性の違いを利用する方法があるが、この場合には、照明光と蛍光の波長を分離するダイクロイミックミラー等を検出系の前に配置し、分離された蛍光と通常光のそれぞれにPD(フォトダイオード)を配置して観察が行われる(図10参照)。
【0020】
本光学装置は、以上詳述したように構成することにより、体内に挿入可能なコンパクトな直視型共焦点顕微鏡等として利用され得るが、以下、本光学装置に用いられる集光光学系407の各種実施例を説明する。
【0021】
図3はその第1実施例を示す断面図で、(a)は光走査ミラー406が光軸に対して垂直な場合の光線の状態を、(b)は光走査ミラー406がXY方向に3゜傾いた場合の光線の状態を示している。この実施例は、分解能1〜5μmの仕様に適した光学系で、3枚のレンズで構成されている。レンズ407b及び407cは共に凹面が対向するように配置されていて、第1面であるレンズ407bの凸面中心部には直径0.2mmの反射面407aが蒸着により設けられている。蒸着にはアルミニウム又は金が用いられる。蒸着部中心は、ピンホール6への直接反射光によるS/N低下を防ぐために、反射面を除去しても良い。
【0022】
前述のようにしてピンホール6へ入射した光線は反射面407aで反射し、光走査ミラー406へ入射する。この反射光は、再び集光光学系407に入射し、被検面7に集光する。被検面焦点位置からの散乱光は出射光と同一経路を戻り、ピンホール6を通過して光伝送用ファイバー201の出射端201bに入り、4端子カップラー202を経て出射端201cに至り、検出部3で検知される。一方、焦点位置以外からの散乱光は、ピンホール6を殆ど通過しないため、検出部3では殆ど強度を持たず、検知されない。なお、この集光光学系407は600μmの視野範囲周辺まで所望の分解能を有する光学系となっているが、以下にそのレンズデータを示す。
【0023】
図4は集光光学系407の第2実施例を示している。この実施例は基本的には第1実施例と同様のレンズ系であるが、第1面407eの曲率半径が3.5mmで焦点距離に対しより小さく設定して、反射面407aに対し入射光の光束をより大きくし、S/Nの向上を図った点で、第1実施例とは異なる。反射面407aの直径は150μmであり、以下にそのレンズデータを示す。
【0024】
図5は集光光学系407の第3実施例を示している。この実施例は高開口数化を図ったレンズ系であって、1〜2μmの物体面解像力を有する。また、焦点距離1mmに対し第1面407fの曲率半径を10mmとし、視野範囲確保を重視したものであり、以下にそのレンズデータを示す。
【0025】
図6は集光光学系407の第4実施例を示している。この実施例は、第3実施例においてS/Nの向上を図るようにしたもので、第1面407gの曲率半径を3mmとし、反射面407aの直径を入射光束に対し小さく抑えている。また、反射面407aの直径は140μmであり、集光光学系407の最終面407hは平面である。以下、そのレンズデータを示す。
【0026】
図7は集光光学系407の第5実施例を示している。この実施例は、更なる高開口数化を図ったもので、4枚のレンズで構成されており、1μm以下の物体面解像力を有する。集光光学系の最終面407iは凹面として球面収差を補正するようにしているが、これは平面としカバーガラスを兼ねた構成にしても良い。以下、そのレンズデータを示す。
なお、上記レンズデータにおいて、r1 ,r2 ,・・・・はレンズ等の各面の曲率半径、d1 ,d2 ,・・・・は各レンズ等の肉厚及び空気間隔、n1 ,n2 ,・・・・はλ(波長)=633nmに対する各レンズの屈折率、ν1 ,ν2 ,・・・・はλ=633に対する各レンズのアツベ数である。
【0027】
以上説明したように、本発明の共焦点光学装置は、特許請求の範囲に記載した特徴のほかに下記の特徴を有している。
(1)前記走査部において、前記反射面は前記被検部と共役な位置あるいはその近傍に配置されており、前記開口部の大きさは回折限界程度あるいはそれよりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。これにより、開口に共焦点ピンホールとしての作用を持たせることができ、分解能,S/Nに適したピンホールの設定と、組立て性向上を図ることができる。
【0028】
(2)前記反射面のうち少なくとも1面は1次元走査可能な走査ミラーから成る上記(1)に記載の光学装置。
【0029】
(3)前記反射面のうち何れか1面は光源からの光を互いに直交する方向に2次走査可能な走査ミラーから成っている上記(1)に記載の光学装置。これにより、部品点数の削減と光学系の細径化が可能となる。
【0030】
(4)前記走査ミラーはジンバル構造から成ることを特徴とする上記(3)に記載の光学装置。これにより、反射面を互いに直交する二つの回転軸により2方向への角運動を与えることができる。
【0031】
(5)前記反射面のうち何れか1面は凸面ミラーであることを特徴とする上記(1)に記載の光学装置。これにより、走査ミラーからの反射光の反射面位置での光束を大きく確保することができ、良好なS/Nを確保することができる。
【0032】
(6)前記凸面ミラーは前記集光光学系のレンズ面に形成された反射膜であることを特徴とする上記(1)に記載の光学装置。これにより、フレア等が抑えられ、且つ光学系をシンプルにすることができる。
【0033】
(7)前記開口部を有する反射面に、光を被検面上で走査させるための走査機構を設けたことを特徴とする上記(5)に記載の光学装置。
【0034】
(8)光源から光走査部へ光を伝送する手段として、光ファイバーを用いたことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【0035】
(9)前記光ファイバーがシングルモードファイバーから成る上記(8)に記載の光学装置。これにより、最も簡単な構成の共焦点光学系を実現することができる。
【0036】
(10)前記シングルモードファイバーの端面が前記開口を有するミラーの近傍に位置せしめられて共焦点ピンホールとなるようにしたことを特徴とする上記(9)に記載の光学装置。
【0037】
(11)前記シングルモードファイバーが前記開口を有するミラーに接続され、ミラー開口部が共焦点ピンホールとなることを特徴とする上記(9)に記載の光学装置。
【0038】
(12)前記光ファイバーがマルチモードファイバーから成る上記(1)に記載の光学装置。これにより、共焦点光学系の効率アップを図ることができる。
【0039】
(13)光走査部と前記光ファイバーとの間に集光レンズを配置した上記(12)に記載の光学装置。これにより、ピンホールとファイバー端面とを十分に接近させることがスペース的に難しい場合でも、効率の良い共焦点光学装置を提供することができる。
【0040】
(14)前記反射膜は前記集光光学系の結像面側から第1番目の面に形成されている上記(6)に記載の光学装置。
【0041】
(15)走査機構を有する前記反射領域の範囲が1.5mm以下であることを特徴とする上記(7)に記載の光学装置。
【0042】
(16)前記集光光学系の前記被検部から第1番目のレンズ面は無パワーか負パワーを有している請求項1に記載の光学装置。
【0043】
(17)前記反射膜を形成したレンズにおいて、反射膜を形成した面と対向する面が負パワーを有している上記(14)に記載の光学装置。
【0044】
(18)前記反射膜を形成した面の曲率半径をR1、前記反射膜を形成した面と対向する面の曲率半径をR2、前記集光光学系の合成焦点距離をfとしたとき、0≦R1/f≦20、−10≦R2/f≦10なる関係を満たすようになっている上記(17)に記載の光学装置。
【0045】
(19)前記反射膜を形成した面の曲率半径をR1、前記反射膜を形成した面と対向する面の曲率半径をR2、前記集光光学系の合成焦点距離をfとしたとき、0≦R1/f≦10、−5≦R2/f≦5なる関係を満たすようになっている上記(17)に記載の光学装置。これにより、反射膜の蒸着範囲を小さくし、S/Nの向上を図ることができる。
【0046】
(20)前記集光光学系のレンズ外径に対する前記反射膜径の比が0.15以下である上記(17)に記載の光学装置。これにより、良好なS/Nを確保することができる。
【0047】
(21)前記光検出部は、光源から被検部に照射される照明光と、該照明光で前記被検部を照明した時に該被検部から発生する蛍光とを分離する波長分離素子と、前記照明光と前記蛍光を検出する光学素子を有していることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、コンパクトで且つ収差の十分補正された高解像の直視可能な共焦点光学装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る共焦点光学装置の一実施例の全体構成図である。
【図2】光走査ミラーの正面図である。
【図3】集光光学系の第1実施例を示す断面図で、(a)は光走査ミラーが光軸に対して垂直な場合の光線の状態を、(b)は走査ミラーがXY方向に3゜傾いた場合の光線の状態を夫々示している。
【図4】集光光学系の第2実施例を示す断面図である。
【図5】集光光学系の第3実施例を示す断面図である。
【図6】集光光学系の第4実施例を示す断面図である。
【図7】集光光学系の第5実施例を示す断面図である。
【図8】従来の走査型共焦点顕微鏡の一例の全体構成図である。
【図9】図8に示した従来例に用いられる光走査部の詳細図である。
【図10】ダイクロイックミラーの概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 光源
2 光伝送部
201 光伝送用ファイバー
202 光分岐用4端子カップラー
3 光検出部
4 光走査部
401 反射面
402,403 静電ミラー
404 反射部
405 回折レンズ
406 光走査ミラー
406a,406b,406c,406d 電極
406e,406f,406g,406h ヒンジ部
407 集光光学系
407a 反射面
407b,407c,407d レンズ
407e,407f,407g,407h,407i レンズ面
408 不要光防止用絞り
5 画像処理部
6 共焦点ピンホール
7 被検面
8a,8b,8c,8d 配線
Claims (12)
- 被検部に光を照射するための光源と、該被検部上で光を走査するための走査部と、該走査部からの光を前記被検部上に集光する集光光学系と、前記被検部からの戻り光を検出するための光検出部を具備した共焦点光学装置において、前記光走査部は微小な開口部を有する反射面を備え、前記集光光学系は前記光走査部からの光を反射する反射面と少なくとも1つの負の屈折力を有する面とを備えていることを特徴とする共焦点光学装置。
- 前記走査部において、前記反射面は前記被検部と共役な位置あるいはその近傍に配置されており、前記開口部の大きさは回折限界程度あるいはそれよりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の共焦点光学装置。
- 前記反射面のうち少なくとも1面は1次元走査可能な走査ミラーから成る請求項2に記載の共焦点光学装置。
- 前記反射面のうち何れか1面は光源からの光を互いに直交する方向に2次走査可能な走査ミラーから成っている請求項2に記載の共焦点光学装置。
- 前記反射面のうち何れか1面は凸面ミラーであることを特徴とする請求項2に記載の共焦点光学装置。
- 前記凸面ミラーは前記集光光学系のレンズ面に形成された反射膜であることを特徴とする請求項2に記載の共焦点光学装置。
- 光源から光走査部へ光を伝送する手段として、光ファイバーを用いたことを特徴とする請求項1に記載の共焦点光学装置。
- 前記光ファイバーがシングルモードファイバーから成る請求項7に記載の共焦点光学装置。
- 前記シングルモードファイバーの端面が前記開口を有するミラーの近傍に位置せしめられて共焦点ピンホールとなるようにしたことを特徴とする請求項8に記載の共焦点光学装置。
- 前記光ファイバーがマルチモードファイバーから成る請求項2に記載の共焦点光学装置。
- 前記集光光学系の前記被検部から第1番目のレンズ面は無パワーか負パワーを有している請求項1に記載の共焦点光学装置。
- 前記光検出部は、光源から被検部に照射される照明光と、該照明光で前記被検部を照明した時に該被検部から発生する蛍光とを分離する波長分離素子と、前記照明光と前記蛍光を検出する光学素子を有していることを特徴とする請求項1に記載の共焦点光学装置。
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