JP4242217B2 - バイオセンサおよびバイオセンサ用測定装置 - Google Patents

バイオセンサおよびバイオセンサ用測定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料液中に含まれる基質を定量または基質の存在を検知するバイオセンサと、このバイオセンサ用測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
バイオセンサとは、微生物、酵素、抗体、DNA、RNA等の基本生体要素を、分子識別素子として応用したセンサである。すなわち、バイオセンサは、基本生体要素が基質を認識したときに起こる反応、例えば微生物の呼吸による酸素の消費、酵素反応、発光等を利用することにより、試料液中に含まれる基質を定量または基質の存在を検知する。
【0003】
各種バイオセンサの中でも酵素センサ(酵素を用い対象の基質と反応させることにより基質を検出/定量するバイオセンサ)の実用化が進んでいる。例えば、グルコース、乳酸、コレステロール、アミノ酸等を対象の基質とする酵素センサは、対象の基質名に基づき例えばグルコースセンサ、コレステロールセンサ等とも呼ばれ、医療計測や食品工業等に利用されている。こうした酵素センサを用いた計測方式によれば、例えば、試料液に含まれる特定の物質(基質)と酵素などとの反応により生成する電子によって電子伝達体を還元し、この電子伝達体の還元量を、測定器で電気化学的に計測することにより、試料液中に含まれる基質を定量する。
【0004】
このようなバイオセンサに要求される性能の1つとして、極微量の試料液でも精度良く測定が可能であることが挙げられる。例えば、糖尿病患者がグルコースセンサを用いる場合は、試料液は患者から採取した血液であることが多い。患者の負担を減少させるためには、採取する血液はできるだけ少ないことが望ましい。
【0005】
そこで、極微量の試料液でも測定可能なバイオセンサとして、特許文献1で開示されているような電極対向型のバイオセンサが提案されている。このバイオセンサは、作用電極基板上に配置された作用電極と、対電極基板上に配置された対電極とが、試料液が供給される空間部を隔てて、相互に対向する位置に配置されている。そのため、試料液が空間部に供給された状態で作用電極と対電極の間に電圧を印加した際、作用電極と対電極との間の電荷移動が円滑になる。従って、極微量の試料液でも感度良く計測が可能となっている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−352093号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような電極対向型のバイオセンサは、各電極の電気接続端子(バイオセンサ用測定装置に挿入した際、その測定装置の駆動電源に電気的に接続される部分)が一対の基板の上下にそれぞれ配置される。そのためユーザは視覚的にバイオセンサの上下の判別をしにくい。このため上下を誤ってバイオセンサをバイオセンサ用測定装置に挿入してしまう可能性がある。この場合、その測定装置における正確な測定ができなくなる。
また、一台のバイオセンサ用測定装置を、複数の基質の測定用のバイオセンサに簡便に誤らずに対応させること望まれるが、従来のバイオセンサ、あるいは従来のバイオセンサと従来のバイオセンサ用測定装置との組合せでは、それを実現できていない。
【0008】
そこで、本発明は、ユーザによるバイオセンサ用測定装置への誤挿入を防止することのできるバイオセンサおよびバイオセンサ用測定装置を提供することを目的の一つとする。
本発明は、一台のバイオセンサ用測定装置を、複数の基質の測定用のバイオセンサに誤らずに簡便に対応させることも目的の一つとする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様のバイオセンサは、第1電極を形成した絶縁性の第1基板と、第2電極を形成した絶縁性の第2基板とが、当該第1電極と当該第2電極とを対向させた状態で配置されたバイオセンサであって、前記第1電極には第1リードが接続され、前記第2電極には第2リードが接続され、前記第1基板は、前記第2基板の長手方向の端部に対応する位置から当該第1基板の長手方向に延出し、かつ前記第1リードの少なくとも一部を外部に露出している第1延出部を具備し、前記第2基板は、前記第1基板の短手方向の端部に対応する位置から当該第2基板の短手方向に延出し、かつ前記第2リードの少なくとも一部を外部に露出している第2延出部を具備するように構成されている。
この構成を有するバイオセンサは、ユーザによるバイオセンサ用測定装置への誤挿入の防止を容易に可能にする。
【0010】
前記第2延出部が、前記第1基板の前記短手方向の端であって前記第2基板の長手方向に向かって右側の端部に対応する位置から前記第2基板の短手方向に延出している延出部と、前記第1基板の前記短手方向の端部であって前記第2基板の長手方向に向かって左側の端部に対応する位置から前記第2基板の短手方向に延出している延出部とを具備するバイオセンサ構成にしてもよい。この構成を有するバイオセンサは、第2基板の両短手方向に延出部を有することにより、バイオセンサの長手方向の中心線の両側での機械的バランスをとりやすい。
【0011】
第1電極と第2電極とに接するように試料液を供給する試料液供給路と、前記試料液供給路を介して供給される試料液に含まれる複数の基質のうちの少なくとも1つの固有の基質に反応する試薬とを備え、前記第1基板および前記第2基板の形状が共通部分と非共通部分とを有し、前記非共通部分の形状が前記固有の基質に対応した固有形状であり、前記第1基板の形状における前記非共通部分が前記第1延出部であり、前記第2基板の形状における前記非共通部分が前記第2延出部であるバイオセンサ構成にしてもよい。この構成により、バイオセンサを対象とする基質に簡便に対応させることができる。
【0012】
前記第1基板における前記第1延出部の位置、または前記第2基板における前記第2延出部の位置を、前記固有の基質に対応した固有位置とすることにより、前記第1基板または前記第2基板の形状が共通部分と非共通部分とを有するバイオセンサ構成にしてもよい。例えば、前記第2延出部が、前記固有の基質に対応して前記第2基板の長手方向に向かって左側または右側のいずれかに延出しているように構成してもよい。このような構成により、バイオセンサを対象とする基質に簡便に対応させることができる。
ここで、前記複数の基質をそれぞれグルコースおよび乳酸としてもよい。これにより、バイオセンサを、ユーザからの要望が最も大きいグルコースと乳酸とに簡便に対応させることができる。
【0013】
前記バイオセンサを装着するセンサ装着部を備え、前記バイオセンサが前記センサ装着部に装着された時に、前記第1基板または前記第2基板の前記非共通部分に対応する前記センサ装着部内位置によって、前記バイオセンサの前記固有の基質を判別するようにバイオセンサ用測定装置を構成してもよい。この構成により、一台のバイオセンサ用測定装置を、複数の基質の測定用のバイオセンサに誤らずに簡便に対応させることができる。
【0014】
また、前記センサ装着部は、前記バイオセンサを嵌合する統合嵌合部を具備し、前記統合嵌合部は、前記第1基板および前記第2基板の前記形状の前記共通部分に対応する第1領域と、前記非共通部分に対応する第2領域とを具備するようにバイオセンサ用測定装置を構成してもよい。この構成により、一台のバイオセンサ用測定装置を、複数の基質の測定用のバイオセンサに誤らずに簡便に対応させることができる。
【0015】
また、前記統合嵌合部の前記第1領域に接するように配置されている1つの第1電気接続端子と、前記統合嵌合部の前記第2領域にそれぞれ接するように配置されている複数の第2電気接続端子とを備え、前記バイオセンサを前記統合嵌合部に嵌合した状態で、当該バイオセンサの前記第1リードおよび前記第2リードの一方を前記第1電気接続端子に接続し、他方のリードを前記複数の第2電気接続端子の1つに接続し、当該接続された第2電気接続端子により、前記統合嵌合部に嵌合したバイオセンサを判別するようにバイオセンサ用測定装置を構成してもよい。この構成により、一台のバイオセンサ用測定装置を、複数の基質の測定用のバイオセンサに誤らずに簡便に対応させることができる。
【0016】
本発明の第2の態様のバイオセンサ用測定装置は、互いに対向して配置されている第1基板および第2基板を具備するバイオセンサを装着するセンサ装着部を備えたバイオセンサ用測定装置であって、前記センサ装着部は、前記バイオセンサの前記第1基板に対応する第1センサ装着部分と、前記バイオセンサの前記第2基板に対応する第2センサ装着部分とを具備し、当該第1センサ装着部分の入口の幅と、当該第2センサ装着部分の入口の幅とが異なるように構成されている。
この構成により、ユーザがバイオセンサを当該バイオセンサ用測定装置へ誤挿入することを防止できる。
【0017】
前記バイオセンサ用測定装置において、前記センサ装着部に装着される前記バイオセンサについては、第1電極および当該第1電極に接続された第1リードを形成した絶縁性の前記第1基板と、第2電極および当該第2電極に接続された第2リードを形成した絶縁性の前記第2基板とが、当該第1電極と当該第2電極とを対向させた状態で配置されており、前記第1基板は、前記第2基板の長手方向の端部に対応する位置から当該第1基板の長手方向に延出し、かつ前記第1リードの少なくとも一部を外部に露出している第1延出部を具備し、前記第2基板は、前記第1基板の短手方向の端部に対応する位置から当該第2基板の短手方向に延出し、かつ前記第2リードの少なくとも一部を外部に露出している第2延出部を具備するように構成してもよい。この構成を有するバイオセンサ用測定装置においては、ユーザによる同測定装置へのバイオセンサの誤挿入を防止することができる。
【0018】
また、前記バイオセンサ用測定装置において、前記センサ装着部に前記バイオセンサを装着した状態で、前記第1延出部に露出した前記第1リードに接続される第1電気接続端子および前記第2延出部に露出した前記第2リードに接続される第2電気接続端子と、前記第1電気接続端子および前記第2電気接続端子に電気的に接続されており、当該第1電気接続端子および当該第2電気接続端子を介して前記第1電極および前記第2電極に電圧を印加する駆動電源とを備えるように構成してもよい。この構成により、バイオセンサの測定対象である試料液に対して、測定に必要な電圧を簡便に印加することができる。
【0019】
また、前記バイオセンサ用測定装置は、前記バイオセンサの前記第1電極と前記第2電極とに接するように供給される試料液に含まれる基質を測定するために、前記バイオセンサの前記第1電極および前記第2電極に流れる電流に基づいて演算処理を行う信号処理部と、前記信号処理部による演算処理の算出値を外部に出力する出力部とを備え、前記信号処理部による前記演算処理により前記基質の量を算出し、前記算出値を前記出力部に出力するように構成してもよい。この構成により、バイオセンサの測定対象である基質の量の算出と、その算出値の出力(表示)を簡便に行うことができる。
【0020】
また、前記バイオセンサ用測定装置は、前記バイオセンサの前記第2延出部と当接することにより、前記センサ装着部に装着された前記バイオセンサを前記センサ装着部の外へ排出するための排出部材をさらに具備してもよい。この構成により、バイオセンサをバイオセンサ用測定装置から外へ簡便に排出することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明の以下に示す各実施の形態および各図面は例示を目的とし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】
《実施の形態1》
図1Aは、本発明の実施の形態1に係るバイオセンサシステム1を示す模式的斜視図である。図1Bは 図1Aに示す破線円Bで囲まれた部分(DR0の方向に見た測定装置3の端部のセンサ装着部30)を拡大した模式的拡大図である。また図1Cは、図1Aに示す破線円Cで囲まれた部分(バイオセンサ2の端部)を拡大した模式的斜視図である。バイオセンサシステム1は、バイオセンサ2、バイオセンサ2を装着する測定装置3(バイオセンサ用測定装置)を有している。
【0023】
このバイオセンサシステム1の各構成の詳細な説明に先立ち、このバイオセンサシステム1を用いた測定動作について概要を説明する。(ここで、「測定動作」は、試料液中の基質を定量する動作と、基質の存在を検知する動作のいずれをも含む。以下、本明細書において同じ)。
【0024】
まず、ユーザは、バイオセンサ2の装着端部20(図1Aのバイオセンサ2において2点鎖線を付与した位置から測定装置3の側の端部位置までのバイオセンサ2の一端部分)を、図1Aの矢印DR0の方向で測定装置3のセンサ装着部30に挿入する。装着端部20はバイオセンサ2の上下方向で形状が異なる(ここで、「バイオセンサの上下方向」は、後述するバイオセンサの一対の基板を積層させる方向を示す。以下、本明細書において同じ)。具体的には、図1Aに示し、かつ後述するように、バイオセンサの下部における延出部と上部における延出部の延出方向が異なるように構成されている。
【0025】
そして、センサ装着部30を構成する空間は、上下方向で形状が異なるこの装着端部20の形状に合致するように、あるいは対応するように形成されている。これら装着端部20、センサ装着部30の形状が、従来のバイオセンサおよび測定装置の形状と大きく異なる点である。そのためバイオセンサ2は、センサ装着部30の形状に合致あるいは対応する上下方向を保った状態でセンサ装着部30に挿入された場合のみ、測定装置3に装着されるようになっている。
【0026】
次に、ユーザは、空気孔19を有するバイオセンサ2の先端に形成された試料液点着部21に試料液を点着する。試料液点着部21をよりわかりやすく図示するために、図1A中の破線円Cの部分を拡大したバイオセンサの一端部を拡大した部分拡大図を図1Cに示している。点着された試料液は、バイオセンサ2の内部に毛管現象により吸引される。すると、試料液に含まれる基質に反応する試薬(後述する)が試料液に溶解する。つづいて、測定装置3は、後述するバイオセンサ2の電極に電圧を印加して、試薬の反応に伴う電極間の電気化学的変化を検知する。測定結果は、測定装置3の表示部31(出力部)に表示される。以上により測定動作が行われる。
【0027】
ここで、本実施の形態1におけるバイオセンサシステム1において測定動作が可能な試料液と基質の例としては、試料液として、例えば血液(全血液の場合と、血漿や血清等の無細胞成分の場合とのいずれの場合をも含む)、間質液、皮膚液、汗、涙、尿等の生体液等を挙げることができ、また、基質として、例えばグルコース、コレステロール、乳酸等を挙げることができる。とりわけ、バイオセンサシステム1は、人体の血液中のグルコース、乳酸、コレステロールの定量に適している。ここでは、バイオセンサシステム1の各構成について、以下、人体の血液中に含まれるグルコースの定量を例にとって、より具体的に説明する。
【0028】
はじめに、バイオセンサ2について図2A、2Bを用いて説明する。図2Aは、バイオセンサ2の模式的分解斜視図、図2Bは、バイオセンサ2の模式的斜視図である。
バイオセンサ2の各構成部材について説明する。作用電極23およびその作用電極に電気的に接続されるリード230を支持する基板(第1基板)22は、ポリエチレンテレフタレート等の絶縁性材料で形成されている。
【0029】
この第1基板22は、後述する第2基板24に対して第1基板22の長手方向(図2A中の矢印DR1の方向、以下単に「長手方向」とする。)に延出した第1基板の延出部220(図2A中の第1基板22の上に付与した2点鎖線の位置から端部位置までの第1基板22の一端部分:第1延出部)を有している。すなわち、第1延出部は、第1基板22の一部であり、第2基板の長手方向の端部に対応する位置から第1基板の長手方向に延出した部分である。
【0030】
また第1基板22の表面には、この表面に、例えばパラジウム等の導電性材料をスパッタリングした後、レーザでトリミングすることにより、導電性の作用電極23(第1電極)およびそれに接続される(連なる)リード230が形成され、また、第1延出部220上には、リード230の一部が形成され、外部に対して露出している。
【0031】
対電極25およびその対電極25に電気的に接続されるリード250を支持する基板(第2基板)24は、ポリエチレンテレフタレート等の絶縁性材料で形成されている。この第2基板24は、第1基板に対して第2基板の短手方向に延出した2つの延出部240(第2延出部)を有している。すなわち、第2基板24の第2延出部240は、第1基板22の短手方向の両端部位置から、第2基板24の短手方向(図2A中の矢印DR2の方向、以下単に「短手方向」とする。)の両方に延出している。これらの第2延出部240は、図2A中の第2基板24の上に付与した長手方向に平行な2点鎖線の位置から、それぞれ短手方向の端部位置までの2つの端部分である。また、これは後述の図3Cにおいて点p1、p5、p8、p4で規定される部分および点p6、p2、p3、p7で規定される部分でもある。
【0032】
第2基板24の裏面には、この裏面に例えばパラジウム等の導電性材料をスパッタリングすることにより、第2基板24の裏面を全て覆うように対電極25(第2電極)およびそれに接続される(連なる)リード250が形成されている。このとき、第2延出部240の裏面上には、リードが全面に形成されている。なお、対電極25およびリード250は、第2基板24の表面にパラジウム等の導電性材料をスパッタリングした後、レーザでトリミングすることにより、第2基板24の裏面の一部に形成しても良い。
【0033】
作用電極23と、対電極25を離間させておくためにスペーサ部材26を用いる。このスペーサ部材26は、ポリエチレンテレフタレート等の絶縁性材料で形成される。そしてスペーサ部材26は、前縁部中央に切り欠き部を有している。この切り欠き部は、スペーサ部材26が第1基板22と第2基板24とに挟持されることにより、試料液点着部21と試料液供給路28を構成する。また、第2基板24には、試料液供給路28の端部に位置する空気孔29が設けられている。
なお、本実施の形態1では、スペーサ部材として当初から板状の部材を用いているが、その替わりとして、接着剤を用い、いずれかの基板上に塗布し、その接着剤が適切な平板形状となるように両基板で挟持されるように構成することにより、スペーサ部材としてもよい。
【0034】
試薬層27は、少なくとも酵素を含む試薬を作用電極23上に塗布することにより形成される。ここで試薬は、電子伝達体および親水性高分子を含むことが好ましい。本実施の形態1に係るバイオセンサシステム1の場合、人体の血液中のグルコースを定量するため、試薬層27に担持されている酵素としてグルコースオキシダーゼが、電子伝達体としてフェリシアン化カリウムが、さらに親水性高分子としてカルボキシメチルセルロースが用いられる。
【0035】
第1基板22、第2基板24およびスペーサ部材26のための材料としては、絶縁性を有し、保存および測定時に充分な剛性を有するものを用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミドおよび飽和ポリエステル樹脂(上で例示したポリエチレンテレフタレートを含む)等の熱可塑性樹脂、ならびに尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂および不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。
【0036】
作用電極23、対電極25およびリード230、250としては、パラジウム、金、銀、白金、カーボン等の一般的に用いられる導電性材料を用いることができる。なお、作用電極23と、この作用電極23に電気的に接続されるリード230とで異なる材料を用いて構成してもよい。また、対電極25と、この対電極25に電気的に接続されるリード250とで異なる材料を用いて構成してもよい。例えば、作用電極23、対電極25をカーボンで形成し、これらに電気的に接続されるリード230、250を、カーボンより低抵抗の銀でそれぞれ形成してもよい。
【0037】
本実施の形態においては、上記のように親水性高分子としてカルボキシメチルセルロースを用いるが、一般的には、親水性高分子としては、カルボキシメチルセルロース以外にも、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリリジン等のポリアミノ酸、ポリスチレンスルホン酸、ゼラチンおよびその誘導体、ポリアクリル酸およびその塩、ポリメタアクリル酸およびその塩、スターチおよびその誘導体、ならびに無水マレイン酸の重合体または無水マレイン酸の塩の重合体を用いることができる。中でも、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。
【0038】
本実施の形態1においては、基質すなわち測定対象としてグルコースを用いるが、一般的には、試料液中に含まれる基質すなわち測定対象に応じて、適切な酵素、電子伝達体を選択することによって、乳酸、コレステロールその他の基質の定量が可能である。
グルコース用の酵素としては、グルコースオキシダーゼ以外にも、たとえばグルコースデヒドロゲナーゼ等を用いることができる。
【0039】
フルクトース用の酵素としてはフルクトースデヒドロゲナーゼ等、アルコール用の酵素としてはアルコールオキシダーゼ等、乳酸用の酵素としては乳酸オキシダーゼ等、コレステロール用の酵素としては、コレステロールオキシダーゼあるいはコレステロールエステラーゼ等、キサンチン用の酵素としてはキサンチンオキシダーゼ等、さらにアミノ酸用の酵素としてはアミノ酸オキシダーゼ等を用いることができる。
電子伝達体としては、フェリシアン化カリウム以外にも、たとえばp−ベンゾキノン、フェナジンメトサルフェート、メチレンブルーおよびフェロセン誘導体等、ならびにこれらの2種以上の組み合わせを用いることができる。
【0040】
以上の各構成部材は、図2Aに示したように各基板に対して垂直に伸びた1点鎖線の位置関係でもって重ね合わせられている。具体的には、第1基板22と第2基板24とは、作用電極23と対電極25とが対向するように積層されている。ここで、前述したように、作用電極23と対電極25の積層方向をバイオセンサ2の上下方向とする(図2A中の矢印DR3の方向、以下単に「上下方向」とする)。
【0041】
この第1基板22と第2基板24の両基板の間には、スペーサ部材26が挟み込まれて、両基板と一体に配置されている。そして、スペーサ部材26の切り欠き部と両基板とにより囲まれた空間が試料液供給路28として形成されている。また、スペーサ部材26の切り欠き部により、作用電極23は一定の面積に規定されている。同様に、スペーサ部材26の切り欠き部により、対電極25も一定の面積に規定されている。作用電極23と対電極25とが、この試料液供給路28を介して、互いに対向して配置されている。
【0042】
試料液点着部21は、試料液供給路28の入口である。試料液点着部21に点着された試料液は、毛細管現象により略水平方向(図2A中の矢印DR4方向)に、空気孔29に向かって吸引される。また、試薬層27は、作用電極23および対電極25の間で、試料液が供給される試料液供給路28内に配置されている。このような構成要素を図2Aの垂直(各基板に垂直)な1点鎖線群で示される位置対応に基づいて接合されたバイオセンサ2を示す斜視図が図2Bである。なお、図2Bにおいては、例えば対電極25およびリード250などの図示は省略している。(このような省略は、後述の図3B、図6B、図7B、図12などの図においても行っている。)
【0043】
バイオセンサ2は、形状の異なる第1基板22および第2基板24との重ね合わせにより、視覚的、触覚的にバイオセンサ2の上下方向および長手方向を容易に認識することが可能な形状となっている。具体的には、バイオセンサ2の形状は、第1延出部220および第2延出部240によって上下方向および長手方向に非対称となっている。すなわち上部の形状と下部の形状が異なり、さらに長手方向の先端部の形状と後端部の形状が異なっている。このことを次に示す図3A、図3Bおよび図3Cを用いてさらに詳しく説明する。
【0044】
図3Aは、バイオセンサ2の長手方向における第1延出部220の端部側すなわち第2延出部240の端部側から見た(図2A中の矢印DR1の反対方向にバイオセンサ2の長手方向の端部を見た)模式的端面図である。第2基板24は、第1基板22(第1延出部220を含む)に対して(すなわち第1基板の短手方向の両端部に対応する位置から)第2延出部240によって両短手方向に延出している。
【0045】
そのため、図3Aの端面図あるいは図3Cの上面図に図示されているように、バイオセンサ2の端面および上面は略T字型となり、上下方向(図2A、図3A中の矢印DR3方向)および長手方向(図2A、図3C中の矢印DR1方向)に対して非対称となっている。すなわち上部の形状と下部の形状が異なり、さらに長手方向の先端部の形状と後端部の形状とが異なっている。そのため、ユーザはバイオセンサ2の上下方向および長手方向を容易に正しく認識することができる。すなわち、ユーザは、バイオセンサ2を測定装置3に装着する際に、第1基板22と第2基板24のいずれが上にあり、いずれが下にあるか、さらにいずれが先端側で、いずれが後端側であるかを視覚的、触覚的に容易に判別できる。
【0046】
また、第2延出部240は、図3Cに図示されているように上面から見た場合、第1基板22およびスペーサ部材26に重ならず、外部に対して露出している。そのため、第2延出部240の裏面上に形成されているリード250も外部に対して露出している。この露出したリード250は、バイオセンサ2を測定装置3に装着した際、後述する測定装置3のコネクタ(電気接続端子)に電気的に接続される。
【0047】
このリード250が露出しているため、リード250(ひいては対電極25)と測定装置3のコネクタとの接続は容易になる。また、リード250は第2基板24の裏面全面に形成されているため、対電極25と測定装置3のコネクタとの電気的接続をより確実にすることができ、接続不良を防止することができる。この露出したリード250は、対電極25を形成する際にその面積を拡大して形成することによりリード250の箇所をも同時に形成したものであってもよい。すなわち、リード250は対電極25との一体層であってもよい。
【0048】
図3Bは、バイオセンサ2の長手方向(図2A、図3B中の矢印DR1方向)の模式的側面図、すなわち図2Aの矢印DR2の方向にバイオセンサ2を見た側面図である。第1基板22は、第2基板24(第2延出部240を含む)に対して第1延出部220によって長手方向に延出している。すなわち、第1延出部220は、第2基板の長手方向の端部に対応する位置から第1基板の長手方向に延出している部分である。
【0049】
バイオセンサ2は、この第1延出部220により、長手方向に対して非対称となっている。すなわち、図3Bにおいて、左部と右部の形状が異なる。この特徴によっても、ユーザは、視覚的、触覚的にバイオセンサ2の長手方向を認識することができる。すなわち、ユーザは、バイオセンサ2を測定装置3に装着する際に、第1延出部220の側、あるいは試料液点着部21の側のいずれがセンサ装着部30を向いているかを、視覚的、触覚的に容易に判別できる。
【0050】
また、バイオセンサ2は、第1延出部220により、上下方向(図2A、図3B中の矢印DR3方向)にも非対称となっている。そのため、ユーザはバイオセンサ2の上下方向を正しく認識することができる。すなわち、ユーザは、バイオセンサ2を測定装置3に装着する際に、第1基板22と第2基板24のいずれが上にあり、いずれが下にあるかを視覚的、触覚的に容易に判別できる。
【0051】
図3Cは、バイオセンサ2の模式的上面図である。図3Bおよび図3Cに示されるように、第1延出部220は、第2基板24、スペーサ部材26と重ならず、外部に対して露出している。そして、第1延出部220上に形成されているリード230も外部に対して露出している。この露出したリード230は、バイオセンサ2を測定装置3に装着した際、後述する測定装置3のコネクタに電気的に接続される。
【0052】
リード230が露出しているため、リード230と測定装置3のコネクタとの接続は容易となる。コネクタと接続されるリード230の面積を、第1延出部220の面積の範囲で広くすることができる。それにより、リード230と測定装置3のコネクタとの電気的接続をより確実にし、接続不良を防止することができる。この露出したリード230は、作用電極を形成する際に、その面積を拡大してリード230の箇所をも同時に形成してもよい。すなわち、リード230は作用電極との一体層であってもよい。
【0053】
以上の説明からもわかるように、第1延出部220および第2延出部240を取り除いたと仮定した場合に残る部分(第1基板22と第2基板24の残る部分)が、第1基板22と第2基板24の形状の共通部分であり、第1延出部220と第2延出部240は、それぞれ第1基板22と第2基板24の形状の非共通部分である。
【0054】
なお、例えば図3Cからもわかるように、第2延出部240は、第2基板24の長手方向の左側および右側に対称に延出しているが、すなわち短手方向の両端部から対称に延出しているが、これを例えば短手方向の一端部からのみ(一方向のみ)延出するように、第2延出部240を形成してもよい。
【0055】
なお、バイオセンサ2において、第1延出部220と第2延出部240の形状とが入れ替わっても構わない。すなわち、第1延出部220が第1基板22の短手方向の端部から短手方向に延出し、第2延出部240が第2基板24の長手方向の端部から長手方向に延出する構成にしても構わない。ただし、その場合は、そのバイオセンサ2の形状(形状変更)に対応して、測定装置3のセンサ装着部30を形成する空間の形状を対応(変更)させることが必要である。
【0056】
次に、上記のような図1A、図1B、図2A、図2B、図3A、図3Bおよび図3Cを参照して説明したバイオセンサ2が装着される測定装置3について詳しく説明する。センサ装着部30を形成する空間を、図1B(センサ装着部30の拡大図)に示す。センサ装着部30の挿入口をその挿入口に向かって見た場合、すなわち図1AのDR0の方向に見た場合の当該挿入口は略T字状に形成されている。それは、バイオセンサ2の略T字状に形成された装着端部20の形状(上記と同方向に見た場合の装着端部20の端部形状)に合致させる、あるいは対応させるためである。このような形状対応にしているため、バイオセンサ2を上下逆方向には装着できない。
【0057】
より詳細には、センサ装着部30を形成する空間は、図1Bの拡大図で示しているように、図1AのDR0の方向に見た場合、空間A(入口が、図1B中の角点a1、a2、a9、a10で規定される長方形:第1センサ装着部分)、空間B(入口が、図1B中の角点a2、a3、a8、a9で規定される長方形)、空間C(入口が、図1B中の点a4、a5、a6、a7で規定される長方形:第2センサ装着部分)の3つの空間により構成されている。すなわち、本実施の形態に示すセンサ装着部の空間は、全体として、複数の直方体のスロット形状が組み合わされた、スロット形状を有する。
【0058】
空間Aは、装着端部20のうち、第1延出部220を含む第1基板22に対応し、その第1基板22の端部を嵌合するのに好適な大きさを有している。空間Bは、装着端部20のうち、スペーサ部材26に対応し、そのスペーサ部材26の端部を嵌合するのに好適な大きさを有している。そして空間Cは、装着端部20のうち、第2延出部240を含む第2基板24に対応し、その第2基板の端部を嵌合するのに好適な大きさを有している。ここで、「好適な大きさ」とは、バイオセンサ2の各部を適切に嵌合する大きさの幅、厚み、奥行きを示す(なお、バイオセンサ2が装着された状態で、バイオセンサ2の短手方向、上下方向、長手方向にそれぞれ一致する方向を、センサ装着部30の幅、厚み、奥行きとする)。
【0059】
このとき、第1基板22を嵌合する空間Aの幅W2は、第2延出部240を含む第2基板24を嵌合する空間Cの幅W1より狭い。そのため、空間Aは、空間Aの幅より広い第2基板24を嵌合することができない。ゆえに、ユーザは、バイオセンサ2を、所定の上下方向(第2基板24を上、第1基板22を下)に対して、上下逆の方向(第2基板24を下、第1基板22を上)には装着できないようになっている。
【0060】
また、第2基板24を嵌合する空間Cの奥行きは、第1延出部220を含む第1基板22を嵌合する空間Aの奥行きよりも小さい。ゆえに、ユーザは、バイオセンサ2を所定の長手方向(センサ装着部30に対し、装着端部20を前方、試料液点着部21を後方とする方向)に対して、前後逆の方向(センサ装着部30に対し、試料液点着部21を前方、装着端部20を後方とする方向)に装着できないようになっている。
以上に記載した構成あるいは方法により、バイオセンサ2の測定装置3への誤った方向への挿入(上下、長手方向に逆向きに挿入)を、確実に防止することができる。
【0061】
ここまでに説明したセンサ装着部30について、さらに図11を用いて説明を追加する。図11は、上記測定装置3の筐体の端部に設けられた上記センサ装着部30を透視した模式的斜視図である。図1Bで示した点a1〜a10をそれぞれ図11の筐体端部面上にも示している。それらの点a1〜a10をバイオセンサ2の挿入方向、すなわち矢印DR0の方向に、第2延出部240の奥行き(DR0方向の長さ)にほぼ対応した距離だけ延長した位置に位置するのが、点b1〜b10である。
【0062】
それらのうちの点b1、b2、b9、b10をそれぞれ矢印DR0の方向に、第1延出部220の奥行き(DR0方向の長さ)にほぼ対応した距離だけ延長した位置に位置するのが、点c1、c2、c9、c10である。例えば図2Bにおける2つの第2延出部240と、それらの第2延出部240間に位置する第2基板の端部(これは図3Cにおける点p5、p6、p7、p8で規定される部分である)とからなる第2基板の端部平板部分(これは図3Cにおける点p1、p2、p3、p4で規定される部分である)が、図11における点a4、a5、a6、a7、b4、b5、b6、b7で規定される直方体の空間、すなわち第2装着部分に嵌合あるいは対応するように構成されている。
【0063】
同様に、図11における点a2、a3、a8、a9、b2、b3、b8、b9で規定される直方体の空間に、スペーサ部材26の端部が嵌合あるいは対応するように構成されている。
さらに、図11における点b1、b2、b9、b10、c1、c2、c9、c10で規定される直方体の空間、すなわち第1装着部分(の一部)に、第1延出部220が嵌合あるいは対応するように構成されている。
【0064】
電気接続について図11を用いて付記すると、点a3、a4、b3、b4で規定される面上、および点a7、a8、b7、b8で規定される面上に、第2延出部240の裏面上に設けられたリード250と接するように電気接続端子(コネクタ)が設けられる。さらに、点b2、b9、c2、c9で規定される面(第1延出部220に対応する空間に面した面)の上にも、第1延出部220の面上に設けられたリード230と接するように電気接続端子(コネクタ)が設けられる。
【0065】
次に、バイオセンサ2を測定装置3に装着した状態における測定動作について図1A、図1B、図2A、図2B、図3A、図3B、図3Cおよび図4を参照して詳述する。
【0066】
図4は、バイオセンサ2(上面図)と、測定装置3とを示す模式的ブロック図である。測定装置3において、コネクタ(接続端子)32aはバイオセンサ2の第1延出部220に露出しているリード230に電気的に接続される。コネクタ(接続端子)32bは、バイオセンサ2の第2延出部240に露出しているリード(図4には図示せず。図2A等に図示したリード250)に電気的に接続される。
【0067】
スイッチ33は、コネクタ32bとグランド(定電位を意味し、必ずしも0である必要はない。)の間に設けられている。電位発生回路38は、電流/電圧変換回路34に接続されている。電流/電圧変換回路34は、コネクタ32aに電気的に接続されている。この電流/電圧変換回路34からの電圧値は、A/D変換回路35でパルスに変換される。また、メモリ36は、演算テーブルを記憶している。
ここで演算テーブルとは、A/D変換回路35から出力されるパルス数と血液中のグルコース濃度との関係を示すデータを有するテーブルである。
【0068】
CPU37は、スイッチ33のオン・オフの制御や、A/D変換回路35から出力されるパルス値とメモリ36に記憶されている演算テーブルとに基づく測定動作および演算動作等を行う。CPU37により測定および演算された対象基質(グルコース)の算出値は、LCD(液晶表示デバイス)の表示部31に表示される。なお、算出値を音声で外部に出力するようにしてもよいし、ネットワークを介して外部に出力(例えば、外部パーソナルコンピュータのハードディスクに記憶する等)してもよい。
【0069】
ユーザは、バイオセンサ2を測定装置3に装着した状態において、血液を試料液点着部21に点着する。点着された血液は、試料液供給路28内部に毛管現象に基づき吸引される。この時、試薬層(図4には図示せず。図2Aに図示した試薬層27等)が血液中に溶解し、試薬層中の電子伝達体の酸化還元反応が進行する。具体的には、まず、試薬層に担持されている酵素であるグルコースオキシダーゼと、電子伝達体であるフェリシアン化カリウムが血液に溶解する。そして、血液中のグルコースとグルコースオキシダーゼによる酵素反応が進行し、その反応により生成される電子によってフェリシアン化カリウムがフェロシアン化カリウムに還元される。
【0070】
また、カルボキシメチルセルロースの存在により、作用電極の表面へのたんぱく質などの吸着が抑制され、電極反応が円滑に進行するとともに、バイオセンサを測定する時に、試料の粘性が増加することに起因するセンサに加わる物理的衝撃などの影響が低減され、センサ応答のバラツキが低減される。
【0071】
一定時間経過後、CPU37は、スイッチ33をオン状態にする。すると、コネクタ32a、32bおよび各リードを介して、作用電極23と対電極25との間に一定の電位差(電位発生回路で発生した電位とグランドで示される電位との電位差)が生じる。つまり、対電極25を基準とした一定の電圧が作用電極23に印加される。
このとき、還元されてできたフェロシアン化カリウムがフェリシアン化カリウムに酸化されることにより、作用電極23と対電極25との間に血液中のグルコース濃度に比例した電流が流れる。
【0072】
ここで、本実施の形態1に係るバイオセンサ2は、作用電極23と対電極25とが、試料液供給路28を介してそれぞれ対向して配置されている。そのため、特にイオンの移動が円滑となる。そこで、極微量の血液でも血液中のグルコース濃度に比例した電流が流れる。(ここで、「極微量の血液」とは、作用電極と対電極とが同一平面状に形成されたバイオセンサが試料液として必要とする血液よりも少ない量の血液を意味する。以下、本明細書において同じ。)したがって、測定装置3は、極微量の血液でも感度良く測定動作を行うことができる。
【0073】
この血液中のグルコース濃度に比例した電流は、電流/電圧変換回路34により電圧に変換される。この電圧値はA/D変換回路35によりパルスに変換され、CPU37に出力される。CPU37は、このパルス数をカウントする。そして、メモリ36に記憶されている演算テーブルに基づき演算をすることにより、血液中のグルコース濃度を算出し、算出値をLCD(液晶表示デバイス)31に表示する。以上により血液中のグルコースを定量することができる。
【0074】
なお、本実施の形態1において、第1延出部220と、第2延出部240は、ユーザおよび測定装置3で識別可能という本発明あるいは本実施の形態の概念の範疇において、形状を変化させてもよい。
一つの変形例を図12を用いて示す。図12は、上記バイオセンサ、例えば図2Bのバイオセンサ2の一変形例としてのバイオセンサ12を示す模式的斜視図である。
【0075】
図12において、第1基板122と第2基板124との間にスペーサ部材126が挟持されている。第1基板の端部には、第1延出部128が設けられている。第1延出部128の上にはその一部が外部に露出するリード130が形成されている。第2基板124には空気孔129が設けられている。図2Bのバイオセンサ2においては、第2延出部240の部分が第2基板の第1延出部側の端部に長方形の形で延出しているのに対し、このバイオセンサ12の特徴は、第2延出部125を、第2基板124の空気孔129側端部から第1延出部側の端部にかけて徐々に幅が広くなるように構成されている点にある。このような構成によっても、本発明あるいは本実施の形態が解決しようとする課題を解決することができる。
【0076】
このバイオセンサ12の場合も、第1延出部と、第2延出部125の形状は入れ替わっても構わない。すなわち、第1延出部が短手方向に延出し、第2延出部125が長手方向に延出するようにしてもよい。もちろん、この変更に対応して、上記と同様なセンサ装着部の空間形状を変更する必要があるが、その変更は容易である。
【0077】
《実施の形態2》
本実施の形態2は、測定対象が異なる複数種類のバイオセンサを、1つの測定装置で測定することが実施の形態1と異なる。以下、この異なる点を中心に説明する。
【0078】
図5Aは、本発明の実施の形態2に係るバイオセンサシステム4を示す模式的斜視図であり、図5Bは、図5Aに示す破線円Bで囲まれた部分(DR5の方向に見た測定装置7の端部のセンサ装着部70)を拡大した模式的拡大図である。バイオセンサシステム4は、バイオセンサ5、バイオセンサ6およびこれら各バイオセンサを装着して測定動作を行う測定装置7(バイオセンサ用測定装置)を有している。まず、このバイオセンサシステム4について概要を説明する。
【0079】
バイオセンサ5とバイオセンサ6とは、測定対象が異なる別種類のバイオセンサである。これは、各バイオセンサの測定対象の基質が異なる、あるいは各バイオセンサが固有の基質に対応する、と換言することができる。そして、互いに形状が異なる。すなわち、各バイオセンサの第2基板は、固有の基質に対応した固有形状を有する。ユーザはこの形状の違いによって、互いに種類の異なる2つのバイオセンサを、視覚的、触覚的に容易に判別することができる。
【0080】
測定装置7は、バイオセンサ5とバイオセンサ6とをぞれぞれ装着するセンサ装着部70を備えている。センサ装着部70の形状は、各バイオセンサが所定の上下方向を保った状態で挿入された場合のみに、各バイオセンサをそれそれ所定の位置に装着するように形成されている。そして測定装置7は、各バイオセンサが装着された位置、具体的には、装着されたバイオセンサがセンサ装着部70の中で占める空間、あるいは装着されたバイオセンサとセンサ装着部70との接触場所、によって、各バイオセンサの種類を判別する。測定装置7は、判別したバイオセンサに応じて測定動作を行い、結果をLCD等の表示部71(出力部)に表示する。これにより、ユーザは測定対象が異なる別種類のバイオセンサを、1つの測定装置7を用いて測定することが可能である。
【0081】
ここで、本実施の形態2におけるバイオセンサシステム4も、実施の形態1と同様に、測定動作が可能な試料液と基質との組み合わせの例としては次のようなものを用いることができる。すなわち、試料液としては、例えば血液、間質液、皮膚液、汗、涙、尿等の生体液等を用い、基質としては例えばグルコース、コレステロール、乳酸等を用いることができる。
【0082】
とりわけ、バイオセンサシステム4は、人体の血液中のグルコース、乳酸、コレステロールの定量をすることに適している。実施の形態1との違いは、基質として少なくとも2種類を選択することができる点である。以下に、バイオセンサシステム4の各構成について、人体の血液中に含まれるグルコースと、同じく血液中に含まれる乳酸との定量を例にとって、より具体的に説明する。
【0083】
まず、各々のバイオセンサ5、6について、それぞれ図6A、図6B、図7A、図7Bを用いて説明する。図6Aは、バイオセンサ5の模式的分解斜視図、図6Bは、バイオセンサ5の模式的斜視図である。また、図7Aは、バイオセンサ6の模式的分解斜視図、図7Bは、バイオセンサ6の模式的斜視図である。
【0084】
バイオセンサ5は、血液中に含まれるグルコースを測定するためのバイオセンサ(グルコースセンサ)である。図6Aに示すバイオセンサ5は、試料液点着部51、作用電極用の第1基板52、第1延出部520(図6Aの第1基板52の上に付与した2点鎖線の位置から長手方向の端部位置までの第1基板52の端部)、作用電極(第1電極)53、作用電極53に連なり第1延出部520上に至るまで第1基板上に配置されているリード530、対電極用の第2基板54、第2延出部540(図6Aの第2基板54の上に付与した2点鎖線の位置から短手方向に延出した第2基板54の一部)、対電極(第2電極)55、対電極55に連なり第2延出部540の裏面上に至るまで第2基板の裏面上に配置されているリード550、スペーサ部材56、試薬層57、試料液供給路58および空気孔59を備えている。
【0085】
これら各々の構成要素は、実施の形態1に係るバイオセンサ2における同一名称の各構成要素と同様の構成を有し、また同様の機能を有しているので詳細な説明は省略する。なお、本実施の形態2において、上下方向、長手方向、短手方向の定義は、実施の形態1と同様に定義する。例えば、各基板を積層する方向を上下方向とする。
【0086】
バイオセンサ5がバイオセンサ2と異なるのは、対電極用の第2基板54に設けられた第2延出部540の形状である。すなわち、バイオセンサ5の第2延出部540は、第1基板52に対して第2基板54の短手方向の一方のみに延出している。すなわち、第2基板54の短手方向の端部に対応する位置(図6A、図6Bに示す第2基板の上に付与した長手方向に平行な2点鎖線の位置)から第1基板52の短手方向の一方のみに延出している。そしてこの方向は、バイオセンサ5の第2基板54を上に、第1基板52を下にして、図5Aに示す矢印DR5の方向で測定装置7に挿入する場合、矢印DR5の方向に向かって右側である。
【0087】
以上の各構成要素は、図6Aに示した垂直に伸びた1点鎖線群の位置関係でもって重ね合わされ、図6Bのように接合されている。各構成要素の配置については、バイオセンサ2の場合と同様であり説明は省略する。このように構成されたバイオセンサ5は、形状の異なる第1基板52および第2基板54との重ね合わせにより、ユーザが視覚的、触覚的にバイオセンサ5の上下方向および長手方向を容易に認識可能な形状となっている。
【0088】
バイオセンサ6は、血液中に含まれる乳酸を測定するためのバイオセンサ(乳酸センサ)である。図7Aに示すバイオセンサ6は、試料液点着部61、作用電極用の第1基板62および第1延出部620(図7Aの第1基板62の上に付与した2点鎖線の位置から長手方向の端部位置までの第1基板62の端部)を備えている。ここで、第1延出部620は、測定装置7の構造を簡単にするために、バイオセンサ5の第1延出部520と同じ形状、大きさにすることが好ましい。
【0089】
バイオセンサ6は、さらに、作用電極(第1電極)63、作用電極63に連なり第1延出部620上に至るまで第1基板上に配置されているリード630、対電極用の第2基板64、第2延出部640(図7Aの第2基板64の上に付与した2点鎖線の位置から図6Aの第2延出部540と反対方向の短手方向に延出した第2基板64の一部)、対電極(第2電極)65、対電極65に連なり第2延出部640の裏面上に至るまで第2基板の裏面上に配置されているリード650、スペーサ部材66、試薬層67、試料液供給路68および空気孔69を備えている。これら各々の構成要素は、バイオセンサ5における同一名称の各構成要素と同様の構成を有し、また同様の機能を有しており説明は省略する。
【0090】
バイオセンサ6がバイオセンサ5と異なるのは、次の2点である。第1の相違点は、第2基板64に設けられた第2延出部640の延出方向である。これにより第2基板64の形状が、バイオセンサ5の第2基板54の形状と異なるという点である。具体的には、第2延出部640は、第1基板62に対して第2基板64の短手方向の一方のみに延出している。そしてこの方向は、バイオセンサ6の第2基板64を上に、第1基板62を下にして矢印DR5の方向で測定装置7に挿入する場合、矢印DR5の方向に向かって左側である。
すなわち、各バイオセンサ5および6の非共通部分が固有形状を有する。具体的には、各バイオセンサの非共通部分である第2延出部の位置が固有位置である。
【0091】
第2の相違点は、試薬層67に担持されている試薬が異なるという点である。具体的には、試薬の成分の中で、電子伝達体としてフェリシアン化カリウムが用いられるという点は同じであるが、酵素としてグルコースオキシダーゼの替わりに乳酸オキシダーゼが用いられるという点が異なる。
第1および第2の相違点は、各バイオセンサの第2基板の形状の非共通部分が、固有の基質に対応して固有形状を有する、あるいは固有の基質に対応して固有位置に位置する、と換言することができる。
【0092】
以上の各構成要素は、図7Aに示した垂直に伸びた1点鎖線群の位置関係でもって重ね合わされ、図7Bのように接合されている。バイオセンサ6の各構成要素の基本的な配置については、上記の2つの相違点を除けば、バイオセンサ5の場合と同様であり説明は省略する。
このように構成されたバイオセンサ6は、上記のように互いに形状の異なる第1基板62および第2基板64の重ね合わせにより、ユーザが視覚的、触覚的にバイオセンサ6の上下方向および長手方向を容易に認識可能な形状となっている。
【0093】
また、バイオセンサ5の第2延出部540と、バイオセンサ6の第2延出部640は、延出する方向が逆方向であり、その結果、両バイオセンサの第2基板54と第2基板64の形状が異なる、すなわちそれぞれ固有形状を有する。そのため、ユーザは、視覚的、触覚的に各々のバイオセンサを容易に判別することが可能である。
【0094】
次に、これらのバイオセンサ5およびバイオセンサ6を装着する測定装置7について、詳細を説明する。
測定装置7のセンサ装着部70は、バイオセンサ5を装着した場合と、バイオセンサ6を装着した場合とで、第2延出部がそれぞれ異なる位置に装着する形状を有している。このセンサ装着部70の構造を、図5Bに示すセンサ装着部70の拡大図(矢印DR5の方向にセンサ装着部70を見た図)を用いて説明する。
【0095】
センサ装着部70は図5Bに示す空間D、E、Fからなる挿入口の面を有している。すなわちその挿入口は略T字状に形成されており、各第2基板が上になる状態で挿入した場合、矢印DR5の方向に向かって第2延出部540が右側に位置するバイオセンサ5、第2延出部640が左側に位置するバイオセンサ6のいずれをも装着することができる。より詳細には、センサ装着部70を形成する空間は、空間D(入口の断面が、図5B中の点d1、d5、d6、d10で規定される長方形)、空間E(入口の断面が、図5B中の点d9、d6、d7、d8で規定される長方形)および空間F(入口の断面が、図5B中の点d2、d3、d4、d5で規定される長方形)の3つの空間により構成されている。
【0096】
バイオセンサ5は、センサ装着部70の空間DとEに嵌合される、あるいは対応する。このとき空間Eには、バイオセンサ5の第2延出部540が嵌合される。一方、バイオセンサ6は、センサ装着部70の空間DとFに嵌合される、あるいは対応する。このとき空間Fには、バイオセンサ6の第2延出部640が嵌合される。
【0097】
すなわち、空間Dは、両方のバイオセンサが嵌合される部分、あるいは両方のバイオセンサに対応する部分である(第1領域)。空間EおよびFは、一方のバイオセンサのみ(一方のバイオセンサの第2延出部のみ)が嵌合される部分である(第2領域)。また、バイオセンサ5の第2基板54が嵌合される空間の幅(図5B中でW3+W4で表される)は、第1基板52が嵌合される空間の幅(図5B中でW3で表される)よりも広い。同様に、バイオセンサ6の第2基板64が嵌合される空間の幅(図5B中でW3+W5で表される)は、第1基板62が嵌合される空間の幅(図5BでW3で表される)よりも広い。
【0098】
したがって、ユーザは、各バイオセンサ5、6をそれぞれ上下逆の方向には、すなわち第2基板54(64)を下、第1基板52(62)を上、には装着できない。このような構成は、図11に示すセンサ装着部30の部分を透視した模式的斜視図にも対応する。
【0099】
また、空間Dのうちの下部空間は、バイオセンサ5、6の第1延出部520、620を嵌合する、あるい第1延出部520、620に対応する奥行きを含めた形状を有している。これは例えば、図11に示す点b1、b2、b9、b10、c1、c2、c9、c10で規定される直方体の形の空間に第1延出部520、620が嵌合、あるいは対応することを意味する。すなわち、図11を参照して記載すると、当該奥行きとは、c1、c2、c9、c10で規定される空間の端面の位置まで、第1延出部を装着するための空間が存在することを意味する。
【0100】
そのためユーザは、各バイオセンサ5、6を、前後逆の方向には、すなわち、センサ装着部70に対し、試料液点着部51(61)を前方、第1延出部520(620)を後方とするような方向には、装着できない。
以上記載したバイオセンサおよびセンサ装着部の構成により、ユーザによるバイオセンサ5、6の測定装置7への誤った方向への挿入(上下、長手方向に逆向きに挿入)を、確実に防止することができる。
【0101】
次に、バイオセンサ5、6を測定装置7に装着した状態における試料液の測定動作について、図6A、図6B、図7A、図7B、図8Aおよび図8Bを参照して詳述する。図8Aは、バイオセンサ5(上面図)と、測定装置7とを示す模式的ブロック図である。また図8Bは、バイオセンサ6(上面図)と、測定装置7とを示す模式的ブロック図である。
【0102】
図8Aおよび図8Bにおける測定装置7において、コネクタ(第1接続端子)72aは、バイオセンサ5、6の第1延出部520、620に露出しているリード530、630に電気的に接続される。このコネクタ72aは、センサ装着部70の空間D(図5Bに示す)に接するように形成されている。コネクタ(第2接続端子)72bは、バイオセンサ5の第2延出部540に露出しているリード550に接続される。このコネクタ72bは、センサ装着部70の空間E(図5Bに示す)に接するように形成されている。コネクタ(第2接続端子)72cは、バイオセンサ6の第2延出部640に露出しているリード650に接続される。このコネクタ72cは、センサ装着部70の空間F(図5Bに示す)に接するように形成されている。
【0103】
また、スイッチ73bが、コネクタ72bとグランドとの間に、スイッチ73cが、コネクタ72cとグランドとの間にそれぞれ設けられている。電位発生回路78は、電流/電圧変換回路74に接続されている。コネクタ72aに、電流/電圧変換回路74が電気的に接続されている。この電流/電圧変換回路74からの電圧値をA/D変換回路75はパルスに変換する。メモリ76は、第1の演算テーブルおよび第2の演算テーブルを記憶している。ここで第1の演算テーブルは、A/D変換回路75から出力されるパルス数と血液中のグルコース濃度との関係を示すテーブルである。また、第2の演算テーブルは、A/D変換回路75から出力されるパルス数と血液中の乳酸濃度との関係を示すテーブルである。
【0104】
CPU77は、スイッチ73b、73cのオン・オフの制御や、A/D変換回路75からの出力されるパルス値とメモリ76に記憶されている第1または第2演算テーブルとに基づく測定動作および演算等を行う。CPU77により演算された算出値は、LCD(液晶表示デバイス)等の表示部71に表示される。なお、算出値は、音声等で外部に出力しても良いし、ネットワークを介して外部に出力(例えば、外部パーソナルコンピュータのハードディスクに記憶する等)してもよい。
【0105】
はじめに、バイオセンサ5を装着した場合について図8A、図6Aおよび図6Bを参照して説明する。バイオセンサ5が装着されると、作用電極53に電気的に接続されているリード530がコネクタ72aに、対電極55に電気的に接続されているリード550がコネクタ72bに接続される。
【0106】
ユーザは、バイオセンサ5を測定装置7に装着した状態において、血液を試料液点着部51に点着する。点着された血液は、試料液供給路58内部に毛管現象により吸引される。すると、試薬層57が溶解し、酸化還元反応が進行する。具体的には、試薬層57に担持されている酵素であるグルコースオキシダーゼと、電子伝達体であるフェリシアン化カリウムとが血液に溶解する。そして、血液中のグルコースとグルコースオキシダーゼとの酵素反応が進行し、その反応により生成される電子によって、フェリシアン化カリウムがフェロシアン化カリウムに還元される。
【0107】
このとき測定装置7は、装着されているバイオセンサが、バイオセンサ5であるか、バイオセンサ6であるかを判別する。具体的には、CPU77はスイッチ73b、73cを交互にオン・オフ状態にし、コネクタ72a、72b間と、コネクタ72a、72c間とに交互に電圧を印加する。これによりCPU77は、導通のあるコネクタの組を検知する。
【0108】
コネクタ72a、72b間が導通している場合は、装着されているバイオセンサがバイオセンサ5すなわちグルコースセンサであると認識する。またコネクタ72a、72c間が導通している場合は、装着されているバイオセンサがバイオセンサ6すなわち乳酸センサであると認識する。ここでは、バイオセンサ5が装着されているので、導通があるのはコネクタ72a、72b間である。そこでCPU77は装着されているバイオセンサがバイオセンサ5であると認識する。
【0109】
一定時間経過後、CPU77は、スイッチ73bをオン状態にする。すると、コネクタ72a、72bおよび各リードを介して、作用電極53と対電極55との間に一定の電位差(電位発生回路で発生した電位とグランドで示される電位との電位差)が生じる。つまり、対電極55を基準に一定の電圧が作用電極53に印加される。このとき、還元されたフェロシアン化カリウムがフェリシアン化カリウムに酸化されることにより、作用電極53と対電極55との間に血液中のグルコース濃度に比例した電流が流れる。
【0110】
バイオセンサ5は、作用電極53および対電極55が、試料液供給路58を介してそれぞれ対向して配置されている。そのため特にイオンの移動は円滑となり、極微量の血液でも、血液中のグルコース濃度に比例した電流が流れる。ゆえに、測定装置7は、極微量の試料液でも感度良く測定動作を行うことができる。
【0111】
この電流は、電流/電圧回路74により電圧に変換される。そしてこの電圧値はA/D変換回路75によりパルスに変換され、CPU77に出力される。CPU77は、このパルス数をカウントする。ここで、CPU77は、装着されているバイオセンサがバイオセンサ5(グルコースセンサ)と認識しているので、メモリ76に記憶されている第1の演算テーブルを選択する。そして、CPU77は、この第1の演算テーブルに基づき演算することにより、血液中のグルコース濃度を算出し、算出値をLCD71に表示する。
【0112】
次に、バイオセンサ6を装着した場合について、図8B、図7Aおよび図7Bを参照して説明する。バイオセンサ6が装着されると、作用電極63に電気的に接続されているリード630がコネクタ72aに、対電極65に電気的に接続されているリード650がコネクタ72cに接続される。
【0113】
ユーザは、バイオセンサ6を測定装置7に装着した状態において、血液を試料液点着部61に点着する。点着された血液は、試料液供給路68内部に毛管現象により吸引される。この時、試薬層67(図示せず)が溶解し、酸化還元反応が進行する。具体的には、試薬層67に担持されている酵素である乳酸オキシダーゼと、電子伝達体であるフェリシアン化カリウムとが血液に溶解する。そして、血液中の乳酸と乳酸オキシダーゼとの酵素反応が進行し、その反応により生成される電子により、フェリシアン化カリウムがフェロシアン化カリウムに還元される。
【0114】
このときCPU77はスイッチ73b、73cを交互にオン・オフ状態にし、コネクタ72a、72b間と、コネクタ72a、72c間とに交互に電圧を印加することで導通のあるコネクタの組を検知する。ここでは、バイオセンサ6が装着されているので、導通があるのはコネクタ72a、72c間である。そこでCPU77は装着されているバイオセンサがバイオセンサ6であると認識する。
【0115】
一定時間経過後、CPU77は、スイッチ73cをオン状態にする。すると、コネクタ72a、72cおよび各リードを介して、作用電極63と対電極65との間に一定の電位差(電位発生回路で発生した電位とグランドで示される電位との電位差)が生じる。つまり、対電極65を基準とする一定の電圧が作用電極63に印加される。このとき、還元されたフェロシアン化カリウムがフェリシアン化カリウムに酸化されることにより、作用電極63と対電極65との間に血液中の乳酸濃度に比例した電流が生じる。
【0116】
バイオセンサ6は、作用電極63と対電極65とが、試料液供給路68を介してそれぞれ対向して配置されている。そのため特にイオンの移動は円滑となり、極微量の血液でも、血液中の乳酸濃度に比例した電流が流れる。ゆえに、測定装置7は、極微量の試料液でも感度良く測定動作を行うことができる。この電流は、電流/電圧回路74により電圧に変換される。この電圧値はA/D変換回路75によりパルスに変換され、CPU77に出力される。CPU77は、このパルス数をカウントする。ここで、CPU77は、装着されているバイオセンサが乳酸センサと認識しているので、メモリ76に記憶されている第2の演算テーブルを選択する。そして、CPU77は、この第2の演算テーブルに基づき演算することにより、血液中の乳酸濃度を算出し、算出値をLCD71に表示する。
【0117】
以上記載した構成により、ユーザは、グルコースセンサと乳酸センサとを1つの測定装置7で測定することができる。この2つのセンサの組み合わせは、例えば、糖尿病の治療時に行われる運動療法時に用いることができる。具体的には、ユーザは、グルコースセンサを用いて血液中のグルコース濃度を測定することにより血糖値を把握し、乳酸センサを用いて血中乳酸量を測定することにより運動の負荷度合いを見積もることができる。1つの測定装置7で複数の測定対象を測定できるので、ユーザにとって便利である。
【0118】
なお、バイオセンサ5、6の組み合わせは、上で例示的に記載した組み合わせに限定されるものではない。例えば、臨床検査などで利用が想定されるグルコースセンサとコレステロールセンサとの組み合わせ等でも同様に、本実施の形態のような巧みな構成を用いることにより、1つの測定装置で必要な複数の測定対象を測定することができる。
【0119】
また、各バイオセンサ5(6)において、第1延出部520(620)と、第2延出部540(640)の形状は入れ替わっても構わない。すなわち、第1延出部520(620)が短手方向に延出し、第2延出部540(640)が長手方向に延出してもよい。この場合、測定装置7のセンサ装着部70は、バイオセンサ5、6の形状に合致または対応するような形状を有すればよい。
【0120】
さらには、形状を各々変化させた3種類以上のバイオセンサを、1つの測定装置で測定することもできる。この場合、測定装置のセンサ装着部70を各バイオセンサの形状に合わせて変化させ、またメモリ76に各バイオセンサに合わせた演算テーブルを記憶するようにすればよい。
【0121】
また、実施の形態1において、図12を参照してバイオセンサの形状の変形例を示したが、本実施の形態2においても図12で示した例などの本発明の概念の範疇で、種々の変形例を用いてもよい。
【0122】
さらに、実施の形態1、2において、各測定装置にバイオセンサを排出しやすくするためのバイオセンサ排出機構を備えておいてもよい。その一例を図9、図10A、図10Bおよび図10Cを参照して説明する。ただし、実施の形態1および2と同様な構成要素については概略説明にとどめ、バイオセンサ排出機構については詳細に説明する。
【0123】
図9は、バイオセンサ92を排出するためのバイオセンサ排出機構を有した測定装置93を具備したバイオセンサシステム91を示す模式的斜視図である。測定装置93には表示部931も備えられている。
図10A、図10Bおよび図10Cは、図9で示す測定装置93の筐体の壁103に設けた2つのスリット状の開口部942の一方の開口部の長さ方向の中心を通る断面Y−Y’でそれぞれ切った、測定装置93の一端部についての模式的断面図である。
【0124】
バイオセンサ92は、第1基板922が第1延出部920を有し、第2基板924が第2延出部940を有する。両基板の間にはスペーサ部材926が挟持されている。図9に示す矢印DR0の方向に、バイオセンサ92は測定装置93のセンサ装着部930に挿入され装着される。装着部930の中に入る、あるいは嵌合するのは、バイオセンサ92の一部(バイオセンサ92のうち、図9のバイオセンサ92の上に付与した矢印DR0の方向に垂直な2点鎖線の位置から、測定装置93側の端部位置までの一端部)だけである。
【0125】
図10Aおよび図10Cにおいて、センサ装着部930の空間104は、第2基板924の第2延出部940および第2延出部940の間の第2基板924の端部に対応する空間である。空間105は、スペーサ部材926と第1基板922に対応する。特に端部空間106は、第1基板922の第1延出部920に対応する。これを図11を参照して補足すると、空間104は、図11における点a4、a5、a6、a7、b4、b5、b6、b7で規定される直方体の空間に対応する。また、空間106は、図11における点b1、b2、b9、b10、c1、c2、c9、c10で規定される直方体の空間に対応する。
【0126】
センサ排出部材94は2つのフィンガー941を有し(図10A、図10Bおよび図10Cには一方のみが示されている)、それぞれが2つのスリット状の開口部942を通り空間104および空間105の中に伸びている。センサ排出部材94は、その測定装置93の筐体の外部に露出している露出部をユーザがDR0の方向およびその逆方向に手動で動かすことにより、あるいは、DR0の方向にバイオセンサ92をセンサ装着部930に挿入することにより、摺動自在に動くことができるように構成されている。
【0127】
図10Aに示された位置にセンサ排出部材94が位置しているときに、バイオセンサ92をセンサ装着部930に挿入すると、まず、バイオセンサ92の第2延出部940がセンサ排出部材94のフィンガー941に当接する。その位置からバイオセンサ92をさらにセンサ装着部930の内部に向かって押し込むと、図10Bに示したような状態になる。すなわち、バイオセンサ92の第1延出部920が空間106においてセンサ装着部930に嵌合し、同時に、フィンガー941が、スリット状の開口部の端部にまで押し込まれる。
【0128】
図10Bに示された位置にセンサ排出部およびバイオセンサ92が位置しているときに、ユーザが、センサ排出部材94の上記露出部を測定装置の端部の方向に(図10Bにおいて左側へ)押すと、図10Cに示すように、バイオセンサ92はセンサ装着部930の外へ排出される。すなわち、図10A、図10Bおよび図10Cに示すバイオセンサ排出機構においては、バイオセンサの第2延出部と排出部材のフィンガーとが当接し、押込み力および押出し力の授受がなされる。
このような構成のバイオセンサ排出機構によれば、例えば、ユーザがバイオセンサに触れることなくバイオセンサを廃棄することも可能となり、衛生上有利である。
【0129】
さらに詳述は省略するが、このようなバイオセンサ排出機構は、上で例示したようなバイオセンサを個別に扱う個別バイオセンサ方式に用いることができるのみならず、複数のバイオセンサを収容するカートリッジ方式にも応用することができる。カートリッジの一例は、複数のバイオセンサを、円筒面上に、バイオセンサの長手方向が円筒の中心線に平行になるように並べて収納するような円筒状カートリッジである。カートリッジの別例は、複数のバイオセンサを、円形ディスク面上に、バイオセンサの長手方向が円形ディスクの中心に向かうように放射状に並べて収納するような円形ディスク状カートリッジである。
【0130】
そのようなカートリッジに収納された1つのバイオセンサが、そのバイオセンサの長手方向の端部(たとえば図1のバイオセンサ装着端部20の測定装置側端部)が測定装置のセンサ装着部(たとえば図1のセンサ装着部30)に対向するように、そのようなカートリッジを測定装置に隣接させて配置する。その対向したバイオセンサをセンサ装着部に装着し、目的とする測定をした後、そのバイオセンサを測定装置からバイオセンサ排出機構を用いて(カートリッジにおけるそのバイオセンサの元の収容場所に戻すように、あるいは単に測定装置から排出するように)排出するように構成することができる。このようなカートリッジ方式によれば、複数のバイオセンサのセンサ装着部への装着と、センサ装着部からの排出とを、共に容易に行うことができる。
【0131】
【発明の効果】
本発明によれば、ユーザによる測定装置への誤挿入を防止することのできるバイオセンサおよびバイオセンサ用測定装置を容易に提供することができるようになる。さらに、複数の種類の異なったバイオセンサを一台の測定装置にて簡便に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1A】本発明の実施の形態1に係るバイオセンサシステムを示す模式的斜視図である。
【図1B】図1Aに示す破線円Bで囲まれた部分(DR0の方向に見た測定装置3の端部のセンサ装着部30)を拡大した模式的拡大図である。
【図1C】図1Aに示す破線円Cで囲まれた部分(バイオセンサ2の端部)を拡大した模式的斜視図である。
【図2A】同実施の形態1に係るバイオセンサの模式的分解斜視図である。
【図2B】同実施の形態1に係るバイオセンサの模式的斜視図である。
【図3A】同実施の形態1に係るバイオセンサの模式的端面図である。
【図3B】同実施の形態1に係るバイオセンサの模式的側面図である。
【図3C】同実施の形態1に係るバイオセンサの模式的上面図である。
【図4】同実施の形態1に係るバイオセンサと測定装置の構成の一例を示す模式的ブロック図である。
【図5A】本発明の実施の形態2に係るバイオセンサシステムを示す模式的斜視図である。
【図5B】図5Aに示す破線円Bで囲まれた部分(DR5の方向に見た測定装置7の端部のセンサ装着部70)を拡大した模式的拡大図である。
【図6A】同実施の形態2に係るバイオセンサの一例の模式的分解斜視図である。
【図6B】同実施の形態2に係る同バイオセンサの模式的斜視図である。
【図7A】同実施の形態2に係るバイオセンサの別例の模式的分解斜視図である。
【図7B】同実施の形態2に係るバイオセンサの同別例の模式的斜視図である。
【図8A】同実施の形態2に係るバイオセンサと測定装置の構成の一例を示す模式的ブロック図である。
【図8B】同実施の形態2に係るバイオセンサと測定装置の構成の別例を示す模式的ブロック図である。
【図9】バイオセンサを排出するためのセンサ排出機構を具備したバイオセンサシステムの例を示す模式的斜視図である。
【図10A】図9に示す測定装置の一端部を断面Y−Y’で切った模式的断面図である。
【図10B】バイオセンサが装着された図9の測定装置の一端部を断面Y−Y’で切った模式的断面図である。
【図10C】図10Bに示した状態からバイオセンサが排出のために押し出された状態の測定装置の一端部を断面Y−Y’で切った模式的断面図である。
【図11】測定装置のセンサ装着部を透視した模式的斜視図である。
【図12】バイオセンサの一変形例を示す模式的斜視図である。
【符号の説明】
1、4、91 バイオセンサシステム
2、5、6、92 バイオセンサ
20 装着端部
21、51、61 試料液点着部
22、52、62、922 第1基板
220、520、620、920 第1延出部
23、53、63 作用電極
130、230、530、630 リード
24、54、64、924 第2基板
240、540、640、940 第2延出部
25、55、65 対電極
250、550、650 リード
26、56、66、926 スペーサ部材
27、57、67 試薬層
28、58、68 試料液供給路
19、29、59、69 空気孔
3、7、93 測定装置
30、70、930 センサ装着部
31、71、931 表示部
32a、32b、72a、72b、72c コネクタ
33、73b、73c スイッチ
34、74 電流/電圧変換回路
35、75 A/D変換回路
36、76 メモリ
37、77 CPU
38、78 電位発生回路
94 センサ排出部材

Claims (13)

  1. 第1電極を形成した絶縁性の第1基板と、第2電極を形成した絶縁性の第2基板とが、当該第1電極と当該第2電極とを対向させた状態で配置されたバイオセンサであって、
    前記第1電極には第1リードが接続され、前記第2電極には第2リードが接続され、
    前記第1基板は、前記第2基板の長手方向の端部に対応する位置から当該第1基板の長手方向に延出し、かつ前記第1リードの少なくとも一部を外部に露出している第1延出部を具備し、
    前記第2基板は、前記第1基板の短手方向の端部に対応する位置から当該第2基板の短手方向に延出し、かつ前記第2リードの少なくとも一部を外部に露出している第2延出部を具備することを特徴とするバイオセンサ。
  2. 前記第2延出部が、前記第1基板の前記短手方向の端部であって前記第2基板の長手方向に向かって右側の端部に対応する位置から前記第2基板の短手方向に延出している延出部と、
    前記第1基板の前記短手方向の端部であって前記第2基板の長手方向に向かって左側の端部に対応する位置から前記第2基板の短手方向に延出している延出部とを具備することを特徴とする請求項1記載のバイオセンサ。
  3. 前記第1電極と前記第2電極とに接するように試料液を供給する試料液供給路と、前記試料液供給路を介して供給される試料液に含まれる複数の基質のうちの少なくとも1つの固有の基質に反応する試薬とを備え、
    前記第1基板および前記第2基板の形状が共通部分と非共通部分とを有し、前記非共通部分の形状が前記固有の基質に対応した固有形状であり、
    前記第1基板の形状における前記非共通部分が前記第1延出部であり、前記第2基板の形状における前記非共通部分が前記第2延出部であることを特徴とする請求項1記載のバイオセンサ。
  4. 前記第2延出部が、前記固有の基質に対応して前記第2基板の長手方向に向かって左側または右側のいずれかに延出していることを特徴とする請求項3記載のバイオセンサ。
  5. 前記複数の基質が、それぞれグルコースおよび乳酸であることを特徴とする請求項3記載のバイオセンサ。
  6. 請求項3記載のバイオセンサを装着するセンサ装着部を備え、前記バイオセンサが前記センサ装着部に装着された時に前記第1基板または前記第2基板の前記非共通部分に対応する前記センサ装着部内位置によって、前記バイオセンサの前記固有の基質を判別することを特徴とするバイオセンサ用測定装置。
  7. 前記センサ装着部は、前記バイオセンサを嵌合する統合嵌合部を具備し、前記統合嵌合部は、前記第1基板および前記第2基板の前記形状の前記共通部分に対応する第1領域と、前記非共通部分に対応する第2領域とを具備することを特徴とする請求項6記載のバイオセンサ用測定装置。
  8. 前記統合嵌合部の前記第1領域に接するように配置されている1つの第1電気接続端子と、前記統合嵌合部の前記第2領域にそれぞれ接するように配置されている複数の第2電気接続端子とを備え、
    前記バイオセンサを前記統合嵌合部に嵌合した状態で、当該バイオセンサの前記第1リードおよび前記第2リードの一方を前記第1電気接続端子に接続し、他方のリードを前記複数の第2電気接続端子の1つに接続し、当該接続された第2電気接続端子により、前記統合嵌合部に嵌合した当該バイオセンサを判別することを特徴とする請求項7記載のバイオセンサ用測定装置。
  9. 互いに対向して配置されている第1基板および第2基板を具備するバイオセンサを装着するセンサ装着部を備えたバイオセンサ用測定装置であって、
    前記センサ装着部は、前記バイオセンサの前記第1基板に対応する第1センサ装着部分と、前記バイオセンサの前記第2基板に対応する第2センサ装着部分とを具備し、当該第1センサ装着部分の入口の幅と、当該第2センサ装着部分の入口の幅とが異なることを特徴とするバイオセンサ用測定装置。
  10. 前記センサ装着部に装着されるバイオセンサにおいては、
    第1電極および当該第1電極に接続された第1リードを形成した絶縁性の前記第1基板と、第2電極および当該第2電極に接続された第2リードを形成した絶縁性の前記第2基板とが、当該第1電極と当該第2電極とを対向させた状態で配置されており、
    前記第1基板は、前記第2基板の長手方向の端部に対応する位置から当該第1基板の長手方向に延出し、かつ前記第1リードの少なくとも一部を外部に露出している第1延出部を具備し、
    前記第2基板は、前記第1基板の短手方向の端部に対応する位置から当該第2基板の短手方向に延出し、かつ前記第2リードの少なくとも一部を外部に露出している第2延出部を具備することを特徴とする請求項9記載のバイオセンサ用測定装置。
  11. 前記センサ装着部に前記バイオセンサを装着した状態で、前記第1延出部に露出した前記第1リードに接続される第1電気接続端子および前記第2延出部に露出した前記第2リードに接続される第2電気接続端子と、
    前記第1電気接続端子および前記第2電気接続端子に電気的に接続されており、当該第1電気接続端子および当該第2電気接続端子を介して前記第1電極および前記第2電極に電圧を印加する駆動電源とを備えることを特徴とする請求項10に記載のバイオセンサ用測定装置。
  12. 前記バイオセンサの前記第1電極と前記第2電極とに接するように供給される試料液に含まれる基質を測定するために、
    前記バイオセンサの前記第1電極および前記第2電極に流れる電流に基づいて演算処理を行う信号処理部と、
    前記信号処理部による演算処理の算出値を外部に出力する出力部とを備え、
    前記信号処理部による前記演算処理により前記基質の量を算出し、前記算出値を前記出力部に出力することを特徴とする請求項11記載のバイオセンサ用測定装置。
  13. 前記バイオセンサの前記第2延出部と当接することにより、前記センサ装着部に装着された前記バイオセンサを前記センサ装着部の外へ排出するための排出部材をさらに具備することを特徴とする請求項10記載のバイオセンサ用測定装置。
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