JP4240793B2 - 荒引銅線の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルトキャスター式連続鋳造機を用いて荒引導線を連続的に製造する製造方法、及びこれに用いる製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
荒引銅線の製造方法としては、いわゆる押出し加工法や、ディップフォーミング法等が知られている。前者の押出し加工法は、銅のビレット又はケークを一旦押出し加工して棒状にし、荒引銅線にする方法である。また、後者のディップフォーミング法は、銅の種線を溶融金属槽に通し、種線の外周に溶融金属を付着させて棒状銅材を得、これを圧延して荒引銅線にする方法である。
【0003】
押出し加工法の場合には、一般に製造コストが高騰するという欠点があった。また押出し加工法によって得られる棒状銅材は、その製法上、有限の長さでしか得られないため、長尺の棒状銅材を連続的に得ることが困難であるという欠点もあった。
そして、ディップフォーミング法の場合には、溶銅から荒引銅線を一連の生産ラインで連続製造できるという利点があるが、生産性に乏しく、また製造装置全体を体系的に制御、管理しなければならず、そのため高価な設備を要するという欠点があった。
【0004】
こうした製造方法に生産性や生産コストで優るものとして、ベルトキャスター方式の連続鋳造機を用いた製造方法が広く知られている。この製造方法において用いるベルトキャスター式連続鋳造機は、その主要部が、周回移動する無端ベルトと、この無端ベルトに円周の一部を接触させて回転する鋳造輪とにより構成されている。そして、シャフト炉などの大型の溶解炉と連続され、さらに圧延機と連結されることによって、溶解炉からの溶銅を連続鋳造圧延して荒引銅線を一連の生産ラインで高速に製造することができる。従って高い生産性を得ることができ、大量生産が可能になることから、荒引銅線の製造コストを低減させることが可能になる。この製造方法は、溶銅をベルトキャスター式連続鋳造機で銅材とし、この銅材を圧延機で圧延し、更に洗浄を行って、荒引銅線を製造するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この製造方法では、大量に安価な荒引銅線を製造することが出来るが、押出し加工法やディップフォーミング法と比較して、伸線時の銅粉発生量が多いという欠点がある。銅粉が大量に発生すると、伸線用のダイスに徐々に固着していき、ダイス詰まりを生じさせ、線径不良あるいは断線を引き起こすことがある。また、この銅粉が伸線中の銅材に押し込まれた場合には、異物断線を引き起こすことがある。断線すれば、生産ラインの復旧が必要となり、生産性が低下することは言うまでもない。この銅粉とは、母材である銅自体のみでなく、線表面(銅材表面)に形成されるCu2OあるいはCuOといった酸化被膜の量に大きく影響される。すなわち、線表面に形成された酸化被膜が伸線時に剥離して銅粉となるのである。また、この酸化被膜は、この製造方法における圧延工程においても同様に剥離し、その銅粉が圧延ロール表面に付着することがある。この時、圧延ロールに付着した銅粉は、再度銅材に押し込まれ、銅材の表面に傷を発生させ、表面品質を損なうことがある。このように、荒引銅線の表面品質を低下させるだけでなく、この荒引銅線を伸線する工程においても、品質を低下させたり生産性を低下させることとなるため、銅粉の発生を抑制することの出来る製造方法や、製造装置が望まれていた。
【0006】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、銅粉の発生量を低減させて、表面品質の良好な荒引銅線を、低コストで大量生産を可能とする製造方法及び製造装置を提供すること、を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、溶解炉で燃焼を行い溶銅をつくる溶銅生成工程と、前記溶解炉から送られた溶銅を、鋳造樋を用いてタンディッシュまで移送する溶銅移送工程と、タンディッシュから溶銅をベルトキャスター式連続鋳造機に供給する溶銅供給工程と、該ベルトキャスター式連続鋳造機から銅材を導出する鋳造工程と、鉄を含む金属からなる圧延ロールで前記銅材を圧延する圧延工程と、を有する、荒引銅線を連続的に製造する製造方法において、前記圧延工程を、気密容器をなして、一端部側に前記銅材を導入するための開口部が設けられるとともに他端部側に圧延された銅材を送り出すための開口部が設けられた圧延機本体と、この圧延機本体内に配置された前記圧延ロールとを備えた圧延機により、酸素分圧が10%以下の低酸素分圧下で行うことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の荒引銅線の製造方法であって、前記圧延工程を、酸素分圧を4%以下とした低酸素分圧下で行うことを特徴とする。
【0008】
この荒引銅線の製造方法では、圧延工程を、酸素分圧が10%以下の低酸素分圧下で行うので、銅材表面を酸化し難くして、Cu2OあるいはCuOといった酸化被膜の形成を抑制することができる。
また、圧延ロールの材質として、鉄または鉄を含む合金を用いた場合、固体潤滑材として作用する黒錆を、圧延ロール表面に発生させやすくできる。すなわち圧延ロールは、低酸素分圧に晒されているとともに、鋳造直後で高温の銅材と圧接して温度が上昇するので、黒錆が発生するのに適した雰囲気及び温度条件ができる。
このように、酸化被膜の形成を抑制するとともに、潤滑させながら圧延を行って酸化被膜の剥離を抑制することにより、銅粉の発生を適切に抑制することができる。
なお、酸素分圧が4%以下の低酸素分圧下で行うようにすれば、こうした作用はより顕著なものとなる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の荒引銅線の製造方法であって、前記圧延工程では、不活性又は還元性のガスを導入することで、酸素分圧を10%以下の低酸素分圧とすることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の荒引銅線の製造方法であって、前記ガスは、窒素ガスであることを特徴とする。
【0010】
このように、圧延機に不活性又は還元性のガスを導入することで、圧延機内部の酸素を追い出して酸素分圧を下げるようにしているので、圧延機内部を容易に低酸素分圧(還元性雰囲気)とすることができる。
また、導入するガスを窒素ガスとすれば、安全かつ低コストで取扱を容易にできるとともに、装置構成を簡易なものとできる。
【0011】
請求項5に記載の発明は、燃焼を行い溶銅をつくる溶解炉と、該溶解炉から送られた溶銅を所定の温度に保持する保持炉と、該保持炉から送られた溶銅をタンディッシュまで移送する鋳造樋と、該タンディッシュから供給された溶銅を銅材として導出するベルトキャスター式連続鋳造機と、前記銅材を内部に導入し、鉄を含む金属からなる圧延ロールで圧延する圧延機と、を備える、荒引銅線を連続的に製造する製造装置において、前記圧延機は、気密容器をなし、一端部側に前記銅材を導入するための開口部が設けられるとともに他端部側に圧延された銅材を送り出すための開口部が設けられた圧延機本体を有し、この圧延機本体内に前記圧延ロールが配置されており、前記圧延機本体に不活性又は還元性のガスを導入して前記圧延機本体内部を低酸素分圧とする雰囲気制御手段とを備えていることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記圧延機は、前記銅材を導入する開口部を火炎でシールするためのシール用バーナを備えていることを特徴とする。
【0012】
荒引銅線の製造装置をこのような構成としているので、上記請求項1〜4に記載の荒引銅線の製造方法を、好適に実施することができる。
また、開口部を火炎でシールするようにすれば、圧延機内部を充分にシールして、低酸素分圧を維持させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る荒引銅線の製造方法及び製造装置の実施の形態を、図1乃至図3を参照して説明する。
まず、荒引銅線の製造装置について説明する。図3は、本実施形態に係る荒引銅線の製造装置を概略的に示した構成図である。
【0014】
荒引銅線の製造装置1は、溶解炉Aと、保持炉Bと、鋳造樋Cと、ベルトキャスター式連続鋳造機Dと、圧延機Eと、コイラーFと、を備えて構成されている。
【0015】
溶解炉Aとしては、円筒形の炉本体を有する、例えばシャフト炉が好適に用いられている。溶解炉Aの下部には、円周方向に複数のバーナ(図示略)が、上下方向に多段状に設けられている。この溶解炉Aでは、燃焼が行われて溶銅(湯)がつくられる。
【0016】
保持炉Bは、溶解炉Aから送られた湯を、一旦貯蔵するとともに、所定の温度に保持したまま鋳造樋Cに送るためのものである。
鋳造樋Cは、保持炉Bから送られた湯をタンディッシュ5まで移送するものである。
【0017】
タンディッシュ5には、湯の流れ方向終端に注湯ノズル9が設けられており、タンディッシュ5からの湯がベルトキャスター式連続鋳造機Dへ供給されるようになっている。
【0018】
保持炉Bには、鋳造樋Cを介して、ベルトキャスター式連続鋳造機Dが連結されている。このベルトキャスター式連続鋳造機Dは、周回移動する無端ベルト11と、この無端ベルト11に円周の一部を接触させて回転する鋳造輪13とにより構成される。鋳造機Dは、さらに圧延機Eと連結されている。
【0019】
圧延機Eは、鋳造機Dから出た銅材23を圧延するものである。この圧延機Eは、洗浄冷却装置18及び探傷器19を介して、コイラーFに連結されている。
【0020】
圧延機Eは、図1(a)に示すように、圧延機本体51と、垂直圧延ロール(圧延ロール)52a、52b、53a、53bと、水平圧延ロール(圧延ロール)54a、54b、55a、55bと、シール用バーナ56a、56bと、を備えて構成されている。
圧延機本体51は気密容器をなすもので、一端部側に、銅材23を内部に導入するための開口部51aが形成されているとともに、他端部側に、圧延された銅材23を洗浄冷却装置18に送り出すための開口部51bが形成されている。開口部51bは、洗浄冷却装置18及び探傷器19と一体に連結されており、圧延機本体51から探傷器19までは内部の気密を維持できるようになっている。また、後述する雰囲気制御手段61のガス導入管63と連結し、圧延機E内部に不活性ガス又は還元性ガスを導入するための連結部51cが形成されている。
【0021】
垂直圧延ロール52a、52b、53a、53bは、圧延機本体51内に各々垂直方向回転可能に支持されており、図示しない駆動源によって図中矢印方向に回転駆動されるものである。また、水平圧延ロール54a、54b、55a、55bは、圧延機本体51内に各々水平方向回転可能に支持されており、図示しない駆動源によって図中矢印方向に回転駆動されるものである。垂直圧延ロール52aと52b、53aと53b、水平圧延ロール54aと54b、55aと55bとは、各々が一対をなして銅材23を垂直方向あるいは水平方向から挟持し、銅材23を圧延するようになっている。
これら垂直圧延ロール52a、52b、53a、53b、及び水平圧延ロール54a、54b、55a、55bは、鉄、あるいは鉄を含む合金から構成されている。
なお、ここでは垂直圧延ロールと水平圧延ロールとを各々2対づつ用いた例を示したが、これらの数は適宜変更可能なものである。
【0022】
シール用バーナ56a、56bは、圧延機本体51の開口部51a近傍に設けられ、開口部51aを火炎でシールするものであり、燃料を燃焼させた火炎で開口部51aを覆うようにし、圧延機E内部の雰囲気を一定に維持する。
なお、ここではシール用バーナを2個用いた例を示したが、これらの数は適宜変更可能なものである。
【0023】
雰囲気制御手段61は、圧延機E内部を低酸素分圧とするためのもので、ガス貯蔵庫62と、ガス導入管63と、を備えて構成されている。
ガス貯蔵庫62内には不活性ガス又は還元性ガスが貯蔵されており、こうしたガスは、ガス導入管63を経て圧延機E内部に導入される。ここでは、不活性ガスとして窒素ガス(N2)を用いている。ガス導入管63の途中に設けられたバルブ63aによって、圧延機E内部に送るガスの量を制御することで、圧延機E内部の雰囲気の制御、すなわち酸素分圧の高低を制御できるようになっている。なお、ここでは窒素ガスを用いた例を示したが、他の不活性ガスや還元性ガス、例えば一酸化炭素(CO)や水素(H2)等のガスを用いても、低酸素分圧を形成させることはできる。しかし、取扱性やコストを重視するならば、窒素ガスを用いることが好ましい。
【0024】
洗浄冷却装置18は、圧延機Eから送り出された銅材23を、アルコール等の洗浄剤で洗浄するとともに、冷却させるものである。
また探傷器19は、洗浄冷却装置18から送られた銅材23の傷を検知するものである。この探傷器19を通過し、品質に問題のない銅材23は、製品としての荒引銅線となる。図3中では、この荒引銅線を符号25で示している。
コイラーFは、荒引銅線25を巻回するものである。
【0025】
このように構成される荒引銅線の製造装置1を用いた、荒引銅線の製造方法について説明する。
まず、溶解炉Aにおいて燃焼を行い、溶銅溶銅をつくる(溶銅生成工程)。この溶銅は、保持炉Bへ送られて所定の温度に保持されたまま、鋳造樋Cを用いてタンディッシュ5まで移送される(溶銅移送工程)。
そして、タンディッシュ5からベルトキャスター式連続鋳造機Dに供給され(溶銅供給工程)、ベルトキャスター式連続鋳造機Dにおいて連続鋳造されて、銅材23として導出される(鋳造工程)。
【0026】
この銅材23は、圧延機本体51の開口部51aから圧延機E内部に導入され、圧延される(圧延工程)。圧延機E内部は、雰囲気制御手段61によって、酸素分圧を10%以下、好ましくは4%以下とした低酸素分圧となっており、シール用バーナ56a、56bの火炎によって外気からシールされている。なお、低酸素分圧を阻害しないよう、シール用バーナ61a、61bに還元性の燃焼を行わせる必要がある。こうした燃焼は、例えば、天然ガスと空気との混合ガスにおいて、燃料比を高めることで行うことができる。
【0027】
このように、圧延機E内部は、銅材23の表面にCu2OあるいはCuOといった酸化被膜が形成され難い条件となっている。
ベルトキャスター式連続鋳造機Dから導出された銅材23は高温となっているので、その表面は、空気中の酸素に触れることで酸化され易い、つまりCu2OあるいはCuOといった酸化被膜が形成され易い状態となっている。すなわち、銅材23を通常の空気中に長時間晒したままでは、膜厚の厚い酸化被膜が形成されて多量の銅粉が発生し易くなるので、銅粉の発生量を低減させるには、酸素分圧を下げて低酸素分圧として、銅材23表面の酸化を最小限に抑制させる必要がある。
【0028】
また、こうした低酸素分圧とすることで、各圧延ロールの表面、すなわち垂直圧延ロール52a、52b、53a、53b、及び水平圧延ロール54a、54b、55a、55bの表面は、黒錆(Fe34)が発生し易い条件となる。すなわち、高温の銅材23を挟持して圧延するので、熱伝導によって垂直圧延ロール52a、52b、53a、53b、及び水平圧延ロール54a、54b、55a、55bの表面も高温となる。このように、高温で酸素の少ない環境は、黒錆が発生するのに好都合な環境となる。この黒錆は、非常に微細な粒子であって、銅材23の圧延時に固体潤滑材として作用するので、適度に発生させることが好ましい。図1(b)に、垂直圧延ロール53a及び53bの表面に黒錆Rが発生している状態を示す。
なお、同じ錆でも赤錆(FeOOH)は、粗い粒子であって固体潤滑材として作用し得ず、銅材23に付着して、得られる荒引銅線25の品質を劣化させてしまうおそれがある。そのため赤錆の発生は抑制するのが好ましいが、上記条件下では、黒錆は多量に発生するが、赤錆は殆ど発生しないか、発生しても短時間で黒錆に変質するような環境となっている。
【0029】
このように銅材23は、圧延機E内部で、酸化被膜の形成を抑制されるとともに、垂直圧延ロール52aと52b、53aと53b、水平圧延ロール54aと54b、55aと55bによって、適度に潤滑されながら圧延されて、銅粉の発生が抑制された状態で、洗浄冷却装置18に送られる。なお、銅粉の発生量が低減されているので、銅材が銅粉とともに圧延されることで発生する微細な傷も減少されて、表面品質の良好な銅材23が得られる。
【0030】
この銅材23は、洗浄冷却装置18で洗浄及び冷却され、探傷器19で傷を検知されて、品質に問題のない銅材23は荒引銅線25としてコイラーFに巻回され、製品として出荷される。
【0031】
圧延機E内部の雰囲気、すなわち圧延機内酸素分圧と、荒引銅線の発生銅粉量との関係について、図2に示す。この図に示すように、通常の空気中、つまり酸素分圧が20%程度の場合よりも、酸素分圧を4%程度の低酸素分圧とした場合の方が、発生銅粉量が減少していることが解る。
なお、発生銅粉量の評価は、以下のようにして行った。
先ず、対象となる荒引銅線を直線状とした後40cmの長さに切断し、捻回機に据え付けて正逆15回転ずつ捻回し、試料とする。この試料を清浄な布等で拭き取り、表面の銅粉を除去する。このとき、試料の両端部5cmの部分は捻回機のチャック部分となっているので、拭き取る部分の長さは30cmである。拭き取り前後の試料重量の差を、発生銅粉量として評価した。
【0032】
本実施形態に係る荒引銅線の製造方法においては、圧延工程を、酸素分圧を10%以下、好ましくは4%以下とした低酸素分圧下で行うようにしているので、銅材23表面の酸化被膜の形成を抑制するとともに、垂直圧延ロール52a、52b、53a、53bの表面に黒錆を発生させ易くして酸化被膜の剥離を抑制し、銅粉の発生を適切に抑制することができる。そのため、銅粉により荒引銅線25表面に発生する微細な傷を減少させることができる。これにより、メンテナンスコストを削減できるので、表面品質が良好である高品質の荒引銅線を低コストで大量生産可能とできる。
また、この銅粉発生量を抑制した荒引銅線を伸線する時には、銅粉によるダイス詰まりや銅粉の押し込みによる異物断線の発生を抑制して、工程の安定化を図ることができる。
【0033】
また、圧延機Eに不活性又は還元性のガスを導入することで、圧延機E内部の酸素を追い出して酸素分圧を下げるようにしているので、雰囲気の制御を短時間で正確に行うことができる。
更に、導入するガスを、取扱が容易で低価格な窒素ガスとしているので、装置構成を簡易なものとして工程管理を容易にできるとともに、製造コストをより低廉化させることができる。
【0034】
また、荒引銅線の製造装置においては、圧延機本体51の開口部51aをシール用バーナ56a、56bの火炎でシールするようにしているので、外気中の酸素が圧延機E内部に侵入するのを効果的に防ぎ、圧延機E内部を充分にシールして低酸素分圧を維持させることができる。そのため、圧延機E内部の雰囲気の制御を容易にできるとともに、低酸素分圧を長時間安定して維持することができ、工程を更に安定化させて、運転時の信頼性を高めることができる。
【0035】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る荒引銅線の製造方法及び製造装置においては、低酸素分圧下で圧延及び伸線を行うようにしているので、銅粉の発生量を低減させて、表面品質の良好な荒引銅線を、低コストで大量生産を可能とする製造方法及び製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る荒引銅線の製造装置のうちの圧延機を示す図であって、(a)は断面図、(b)は(a)の垂直圧延ロールを示す正面図である。
【図2】 圧延機内酸素分圧と銅粉発生量との関係を示すグラフ図である。
【図3】 本発明の実施形態に係る荒引銅線の製造装置を概略的に示した構成図である。
【符号の説明】
1 荒引銅線の製造装置
5 タンディッシュ
23 銅材
25 荒引銅線
51 圧延機本体
51a 開口部
52a、52b、53a、53b 垂直圧延ロール(圧延ロール)
54a、54b、55a、55b 水平圧延ロール(圧延ロール)
56a、56b シール用バーナ
61 雰囲気制御手段
62 ガス貯蔵庫
63 ガス導入管
A 溶解炉
B 保持炉
C 鋳造樋
D ベルトキャスター式連続鋳造機
E 圧延機
F コイラー
R 黒錆

Claims (6)

  1. 溶解炉で燃焼を行い溶銅をつくる溶銅生成工程と、前記溶解炉から送られた溶銅を、鋳造樋を用いてタンディッシュまで移送する溶銅移送工程と、タンディッシュから溶銅をベルトキャスター式連続鋳造機に供給する溶銅供給工程と、該ベルトキャスター式連続鋳造機から銅材を導出する鋳造工程と、鉄を含む金属からなる圧延ロールで前記銅材を圧延する圧延工程と、を有する、荒引銅線を連続的に製造する製造方法において、
    前記圧延工程を、気密容器をなして、一端部側に前記銅材を導入するための開口部が設けられるとともに他端部側に圧延された銅材を送り出すための開口部が設けられた圧延機本体と、この圧延機本体内に配置された前記圧延ロールとを備えた圧延機により、酸素分圧が10%以下の低酸素分圧下で行うことを特徴とする荒引銅線の製造方法。
  2. 前記圧延工程を、酸素分圧を4%以下とした低酸素分圧下で行うことを特徴とする請求項1に記載の荒引銅線の製造方法。
  3. 前記圧延工程では、不活性又は還元性のガスを導入することで、酸素分圧を10%以下の低酸素分圧とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の荒引銅線の製造方法。
  4. 前記ガスは、窒素ガスであることを特徴とする請求項3に記載の荒引銅線の製造方法。
  5. 燃焼を行い溶銅をつくる溶解炉と、該溶解炉から送られた溶銅を所定の温度に保持する保持炉と、該保持炉から送られた溶銅をタンディッシュまで移送する鋳造樋と、該タンディッシュから供給された溶銅を銅材として導出するベルトキャスター式連続鋳造機と、前記銅材を内部に導入し、鉄を含む金属からなる圧延ロールで圧延する圧延機と、を備える、荒引銅線を連続的に製造する製造装置において、
    前記圧延機は、気密容器をなし、一端部側に前記銅材を導入するための開口部が設けられるとともに他端部側に圧延された銅材を送り出すための開口部が設けられた圧延機本体を有し、この圧延機本体内に前記圧延ロールが配置されており、
    前記圧延機本体に不活性又は還元性のガスを導入して前記圧延機本体内部を低酸素分圧とする雰囲気制御手段とを備えていることを特徴とする荒引銅線の製造装置。
  6. 前記圧延機は、前記銅材を導入する開口部を火炎でシールするためのシール用バーナを備えていることを特徴とする請求項5に記載の荒引銅線の製造装置。
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