JP4240452B2 - 固液分離装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多量の液体を含んだ処理対象物から液体を分離する固液分離装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、汚泥水の処理、又はヘドロの浚渫などに利用される固液分離装置は従来より周知である。かかる固液分離装置として、本出願人は、複数の固定リングを互いに間隙をあけて一体的に固定し、その各固定リングの間に遊動リングを配置し、固定リングと遊動リングの内部にスクリューコンベアを配置した固液分離装置を提案した(特許文献1参照)。この装置の場合、処理対象物は、スクリューコンベアによって固定リングと遊動リングの内部を搬送され、その搬送中に処理対象物から分離された濾液が各リングの間を通して流下する。その際、遊動リングの遊動によって、リング間への固形分の目詰まりが解消される。
【0003】
このように、この提案に係る固液分離装置は、固形分の目詰まりを防止できる優れた利点を有するものである。ところが、この装置によって食品加工排水や下水処理物などの有機系の処理対象物を処理する場合には非常に有効であるものの、塗料、メッキ、ベントナイトなどの無機系処理対象物を処理する際、その処理対象物から液体が分離されやすいため、その固形分が固定リングと遊動リングの内部に詰まってしまい、これを円滑に搬送してリングから排出させることが困難となる欠点がある。
【0004】
【特許文献1】
特公平7−10440号(第2−4頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来の欠点を除去し、無機系の処理対象物を、目詰まりを起こすことなく効率よく処理できる固液分離装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、軸線方向に配列された複数の第1の回転体と、各第1の回転体の間に配置され、かつ該第1の回転体に対して偏心して位置すると共に、該第1の回転体と同じ方向に回転する複数の第2の回転体と、第1及び第2の回転体の外周面に供給された多量の液体を含む処理対象物を該第1及び第2の回転体の外周面に対して押圧する加圧手段とを具備し、該加圧手段の押圧作用により処理対象物から分離された濾液を前記第1の回転体と第2の回転体の間の隙間を通して流下させるように構成され、全ての第1の回転体が、同心状に配置されて、第1の軸線のまわりに回転し、かつ全ての第2の回転体が、同心状に配置されて、第2の軸線のまわりに回転すると共に、第1及び第2の回転体の偏心量が一定に保たれるように、該第1及び第2の回転体を位置決めする位置決め手段を具備し、前記第1の回転体と第2の回転体はリングにより構成され、前記位置決め手段は、複数の第1の回転体を貫通して、これらの第1の回転体を同心状に支持する支持棒と、第1及び第2の回転体の内周面に当接する少なくとも3本の位置決めローラとを具備し、前記第2の回転体には前記支持棒が貫通する貫通孔が形成され、前記第1の回転体が前記第1の軸線のまわりに回転し、かつ前記第2の回転体が前記第2の軸線のまわりに回転することを許容するように、前記貫通孔の開口面積は、前記支持棒の横断面積よりも大きく設定されていることを特徴とする固液分離装置を提案する(請求項1)。
【0007】
同じく、本発明は、上記目的を達成するため、軸線方向に配列された複数の第1の回転体と、各第1の回転体の間に配置され、かつ該第1の回転体に対して偏心して位置すると共に、該第1の回転体と同じ方向に回転する複数の第2の回転体と、第1及び第2の回転体の外周面に供給された多量の液体を含む処理対象物を該第1及び第2の回転体の外周面に対して押圧する加圧手段とを具備し、該加圧手段の押圧作用により処理対象物から分離された濾液を前記第1の回転体と第2の回転体の間の隙間を通して流下させるように構成され、前記加圧手段は、処理対象物を前記第1及び第2の回転体の外周面に対して押圧する加圧ベルトを有し、該加圧ベルトにより押圧された処理対象物が接触する第1及び第2の回転体部分の外周面の半径方向の高さ位置の差が、前記加圧ベルトにより加圧された処理対象物の移動方向下流側へ向けて漸次小さくなるように、加圧ベルトの位置が設定されていることを特徴とする固液分離装置を提案する(請求項2)。
【0008】
また、上記請求項2に記載の固液分離装置において、全ての第1の回転体が、同心状に配置されて、第1の軸線のまわりに回転し、かつ全ての第2の回転体が、同心状に配置されて、第2の軸線のまわりに回転すると共に、第1及び第2の回転体の偏心量が一定に保たれるように、該第1及び第2の回転体を位置決めする位置決め手段を具備していると有利である(請求項3)。
【0009】
さらに、上記請求項3に記載の固液分離装置において、前記第1の回転体と第2の回転体はリングにより構成され、前記位置決め手段は、複数の第1の回転体を貫通して、これらの第1の回転体を同心状に支持する支持棒と、第1及び第2の回転体の内周面に当接する少なくとも3本の位置決めローラとを具備し、前記第2の回転体には前記支持棒が貫通する貫通孔が形成され、前記第1の回転体が前記第1の軸線のまわりに回転し、かつ前記第2の回転体が前記第2の軸線のまわりに回転することを許容するように、前記貫通孔の開口面積は、前記支持棒の横断面積よりも大きく設定されていると有利である(請求項4)。
【0010】
また、上記請求項2乃至4のいずれかに記載の固液分離装置において、前記加圧ベルトにより押圧された処理対象物の移動方向最下流側部における前記半径方向の高さ位置の差がほぼゼロであると有利である(請求項5)。
【0011】
さらに、上記請求項1又は4に記載の固液分離装置において、前記加圧手段は、駆動プーリと、従動プーリと、これらのプーリに巻き掛けられた無端状の加圧ベルトとを有し、該加圧ベルトが処理対象物を前記第1及び第2の回転体の外周面に対して押圧するように構成され、前記位置決めローラのうちの1つの位置決めローラを回転駆動するモータと、その1つの位置決めローラに対して固定された第1のギアと、前記第1の回転体に対して同心状に固定され、内歯と外歯を有する第2のギアと、前記駆動プーリに対して固定された第3のギアとを具備し、前記第1のギアは前記第2のギアの内歯に噛み合い、前記第3のギアは前記第2のギアの外歯に噛み合っていると有利である(請求項6)。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って詳細に説明する。本発明に係る固液分離装置は、各種の処理対象物から液体を分離するために用いることができるが、ここでは、固液分離装置によって、多量の水分を含んだ汚泥水から水分を分離する場合について説明する。
【0013】
図1は固液分離装置の垂直横断面図であり、図2は図1のII−II線に沿う縦断面図である。また、図3は図2に矢印IIIで示した部分の拡大図である。これらの図に示すように、固液分離装置は、薄板状のリングにより構成された多数の第1の回転体1を有し、これらの第1の回転体1は、その中心の軸線X1方向に互いに間隔をあけて配列されている。複数の第1の回転体1には複数の支持棒2が貫通し、第1の回転体1は、これらの支持棒2にがたつくことなく支持され、全ての第1の回転体1が同心状に配置されている。各第1の回転体1の間には、筒状のスペーサ3が配置され、その各スペーサ3に上述の各支持棒2がそれぞれ貫通している。
【0014】
図2に示すように、各支持棒2の長手方向各端部には、ギア4がそれぞれ固定され、これらのギア4は、第1の回転体1とほぼ同一の外径を有するリング状に形成され、その内周面側に内歯5を有し、外周面側に外歯6を有していて、該ギア4と複数の第1の回転体1は同心状に配置されている。図示した例では、両ギア4が支持棒2を介して第1の回転体1に対して同心状に固定されている。また、多数の第1の回転体1のうち、その軸線方向における一番外側に位置する各第1の回転体には、図2に符号1Aを付して示してあるが、その各第1の回転体1Aとギア4との間には、支持棒2に嵌合したリング状のスペーサ32がそれぞれ配置されている。
【0015】
各第1の回転体1の間には、リングにより構成された第2の回転体7がそれぞれ配置されている。これらの第2の回転体7は、同心状に、その中心の軸線X2方向に配列され、各第2の回転体7には、複数の貫通孔8がそれぞれ形成され、その各貫通孔8に、前述の各支持棒2と、その各支持棒に嵌合したスペーサ3が貫通している。各貫通孔8の内径は、支持棒2の外径よりも大きく設定されており、図示した例のように各貫通孔8にスペーサ3も挿入されている場合には、各貫通孔8の内径は、スペーサ3の外径よりも大きく設定される。図3に示すように、第1及び第2の回転体1,7の厚さT1,T2は、例えば2乃至5mm程度に設定される。また、各第2の回転体7は、その隣りに位置する両第1の回転体1の間を軸線方向にわずかに移動することができ、第1の回転体1と第2の回転体7との間に例えば0.1乃至0.5mm程の隙間Gが形成されるように構成されている。
【0016】
ここで、第1の回転体1の軸線X1を第1の軸線と称し、第2の回転体7の軸線X2を第2の軸線と称することにすると、第1の軸線X1と第2の軸線X2は、互いに平行ではあるが、第1及び第2の回転体1,7の半径方向に位置をずらして位置している。第2の回転体7が第1の回転体1に対して偏心して位置しているのである。この偏心量を図1に符号δを付して示してある。
【0017】
本例の固液分離装置においては、複数の第1の回転体を同心状に配置すると共に、複数の第2の回転体7を同心状に配置し、かつ第1の回転体1と第2の回転体7を偏心した状態に保つために次の構成が採用されている。
【0018】
図1及び図2から判るように、リングより成る第1及び第2の回転体1,7の内側には、互いに平行に延びる第1乃至第3の3本の位置決めローラ9A,9B,9Cが配置され、これらの位置決めローラ9A,9B,9Cは、その支持軸10A,10B,10Cに同心状に固定されている。第1の位置決めローラ9Aは、その全長に亘って同一の大きさの外径を有し、その外周面が第1及び第2の回転体1,7の内周面33,34に当接している。
【0019】
図2に示すように、第1及び第2の回転体1,7の外側には、ベース14上に支持された本体ケーシング11の第1及び第2の支持側板12A,12Bが配置され、その第1の支持側板12Aにモータ13が固定支持されている。第1の位置決めローラ9Aの支持軸10Aは、その一方の端部がモータ13に連結され、他方の端部は軸受を介して第2の側板12Bに回転自在に支持されている。モータ13は、複数の位置決めローラ9A,9B,9Cのうちの位置決めローラ9Aを回転駆動する用をなす。
【0020】
第2の位置決めローラ9Bの支持軸10Bは、その長手方向各端部が第1及び第2の側板12A,12Bに軸受を介してそれぞれ回転自在に支持され、第3の位置決めローラ9Cの支持軸10Cの各端部も、図には示していないが軸受を介して第1及び第2の支持側板12A,12Bに回転自在に支持されている。
【0021】
第2の位置決めローラ9Bの長手方向各端部は、その間の中間部分よりも外径が大きくなった大径部15Bとして形成され、その各大径部15Bは、多数の第1の回転体1のうちの軸線方向各最外部に位置する各第1の回転体1Aの内周面33にそれぞれ当接し、第2の回転体9Bの両大径部15B以外の部分の外周面は第2の回転体7の内周面34に当接している。
【0022】
第3の位置決めローラ9Cも、第2の回転体9Bと同様に、その長手方向各端部が大径部15C(図1)となっていて、その各大径部15Cが第1の回転体1のうちの軸線方向各最外部の回転体1Aの内周面33に当接し、その大径部15C以外の第3の位置決めローラ9Cの中間部分の外周面は、第2の回転体7の内周面34に当接している。
【0023】
上述のように、第1及び第2の回転体1,7の内周面33,34に第1乃至第3の位置決めローラ9A,9B,9Cが当接し、しかも前述のように複数の第1の回転体1を複数の支持棒2によって一体的に連結することによって、第1及び第2の回転体1,7が互いに偏心した状態を保ち、かつ第1及び第2の回転体1,7がそれぞれ第1及び第2の軸線X1,X2に対して同心状に配置される。第1及び第2の回転体1,7の内周面に当接する位置決めローラを4本以上設けることもでき、当該位置決めローラは少なくとも3本設けられるものである。
【0024】
第1及び第2の回転体1,7の外側には加圧手段16が設けられており、本例の加圧手段16は、図4にも示すように、駆動プーリ17と、従動プーリ18と、これらのプーリ17,18に巻き掛けられた無端状の加圧ベルト19とを有している。加圧ベルト19は、例えばゴムシートにより構成され、かかる加圧ベルト19は、直接、或いは後述する処理対象物を介して、第1及び第2の回転体1,7の外周面35,36に圧接する。また、図2に示すように、駆動プーリ17を固定支持する支持軸20の長手方向の各端部は、軸受を介して第1及び第2の側板12A,12Bにそれぞれ回転自在に支持されている。
【0025】
上記支持軸20には、図4に示すように一対のアーム21の一端側がそれぞれ取り付けられ、支持軸20は各アーム21に対して回転自在に嵌合している。両アーム21の他端側には、従動プーリ18を固定支持する支持軸22が回転自在に支持されている。また、図1に示すように、各アーム21には、圧力調整ねじ23(図4には示さず)の一端側がそれぞれ回動可能に連結され、該圧力調整ねじ23の他端側は、本体ケーシング11の壁部に回転自在に支持された調整ナット24に螺着されている。同じく圧力調整ねじ23に螺着された固定ナット25を緩めて調整ナット24を回転することにより、圧力調整ねじ23を図1の矢印A,B方向に移動させ、これによって第1及び第2の回転体1,7の外周面35,36に対する加圧ベルト19の圧接力を調整することができる。圧力調整後に固定ナット25を締め付けることにより、圧力調整ねじ23を調整ナット24に対して固定することができる。
【0026】
圧力調整ねじ23、調整ナット24及び固定ナット25は、第1及び第2の回転体1,7の外周面35,36に対する加圧ベルト19の圧力を調整する圧力調整手段の一例を構成している。
【0027】
また、第1の位置決めローラ9Aには、直接又は図2に示すように支持軸10Aを介して、該第1の位置決めローラ9Aと同心状のギア26が固定されている。このように、複数の位置決めローラ9A,9B,9Cのうちの1つの位置決めローラ9Aに対して固定されたギア26を第1のギアと称し、第1の回転体1に対して同心状に固定された前述のギア4を第2のギアと称することにすると、第1のギア26は第2のギア4の内歯5に噛み合っている。
【0028】
さらに、駆動プーリ17にも、直接又は図2に示すようにその支持軸20を介してギア27が固定されている。このように駆動プーリ17に対して固定されたギア27を第3のギアと称することにすると、当該第3のギア27は、第2のギア4の外歯6に噛み合っている。
【0029】
図1に示したように、本体ケーシング11の上部には、処理対象物(この例では汚泥水)Sが投入される入口28が形成されている。この入口28から投入される汚泥水は、これに予め混入された凝集剤によってフロックが形成されたものとなっていて、水分中に多数のフロックが浮遊した状態となっている。処理前の汚泥水の含水率は例えば99重量%前後である。
【0030】
入口28から汚泥水Sが投入されるとき、モータ13の作動によって、第1の位置決めローラ9Aが図1に矢印で示した方向に回転駆動され、その回転が第1ギア26を介して第2のギア4に伝えられ、その第2のギア4に支持棒2を介して連結された第1の回転体1が図1に矢印Cで示した方向に回転駆動される。このとき、各支持軸2は、各第2の回転体7に形成された貫通孔8を通して延びているので、その支持棒2が貫通孔8の内周面に当り、複数の第2の回転体7が、その支持棒2によって加圧されて図1に矢印Dで示した方向に回転駆動される。このように、第1及び第2の回転体1,7は、そのいずれも、位置の固定された第1の軸線X1と、同じく位置の固定された第2の軸線X2のまわりに、それぞれ図1における時計方向に回転する。複数の第2の回転体7は、複数の第1の回転体1と同じ方向に回転するのである。
【0031】
その際、支持軸2が第2の回転体7の貫通孔8に挿入されているが、その貫通孔8の開口面積は、支持軸2の横断面積、図示した例では、その支持軸2に嵌合したスペーサ3の外周面の横断面積よりも大きく形成されているので、第2の軸線X2のまわりを回転する第2の回転体7の全ての点が、第1の回転体1に対して、その半径方向に動くことが許容される。このため、第2の回転体7は第1の回転体1に対して偏心して位置してはいるが、その第2の軸線X2のまわりに支障なく回転することができる。
【0032】
一方、第2のギア4の回転は第3のギア27に伝えられ、これによって駆動プーリ17が図1における矢印E方向に回転し、これによって加圧ベルト19が矢印F方向に回転駆動される。このとき従動プーリ18も従動して回転する。
【0033】
入口28から投入された汚泥水Sは、矢印C,D方向に回転する第1及び第2の回転体1,7の外周面35,36に供給され、このときその汚泥水Sから分離された濾液は、第1及び第2の回転体1,7の間の隙間G(図3)を通して流下する。さらに第1及び第2の回転体1,7の外周面35,36上の汚泥水は、これらの回転体1,7の回転によってその回転方向に移送され、該回転体1,7の外周面35,36と、矢印F方向に回転する加圧ベルト19との間に送り込まれる。このとき、その汚泥水は、加圧ベルト19によって第1及び第2の回転体1,7の外周面35,36に対して押圧され、汚泥中の水分が絞り出され、その水分、すなわち濾液が第1の回転体1と第2の回転体7の間の隙間Gを通して流下する。
【0034】
上述のように第1及び第2の回転体1,7の間を通った濾液は、図1に矢印Kで示すように、第1及び第2の回転体1,7の内部を通り、再び両回転体1,7の間の隙間Gを通って回転体1,7の外部に排出され、本体ケーシング11の下部の出口37から流出する。
【0035】
上述のように、加圧手段16は、第1及び第2の回転体1,7の外周面35,36に供給された多量の液体を含む処理対象物を第1及び第2の回転体1,7の外周面35,36に対して押圧する用をなし、その加圧手段16の押圧作用により処理対象物から分離された濾液は、第1の回転体1と第2の回転体7の間の隙間Gを通して流下する。
【0036】
その際、第2の回転体7は第1の回転体1に対して偏心して位置しているので、第2の回転体7は、その全ての点が、第1の回転体1に対して、その半径方向に移動しながら回転する。このため、第1及び第2の回転体1,7の間の隙間Gに汚泥水中の固形分が入り込んだとしても、両回転体1,7の相対的な半径方向の動きによって、その固形分に掻動作用が及ぼされ、該固形分は両回転体1,7の間の隙間Gから効率よく排出される。隙間Gに固形分が目詰まりすることが阻止されるのである。
【0037】
また、本例の固液分離装置には、前述の圧力調整手段が設けられているので、第1及び第2の回転体1,7の外周面に対する加圧ベルト19の圧力を、処理対象物から最も効率よく濾液を絞り出せるように調整することができる。
【0038】
第1及び第2の回転体1,7の外周面上に残された含水率の低下した固形分は加圧ベルト19を通過した後、図1に示したスクレーパ29によって掻き取られ、そのスクレーパ29によって案内されながら下方に落下する。このときの固形分の含水率は、例えば60乃至90重量%程度である。
【0039】
上述のように、本例の固液分離装置によれば、第1及び第2の回転体1,7の外周面上にて処理対象物を移動させながら、これを加圧ベルト19によって加圧し、その濾液を第1及び第2の回転体1,7の間の隙間Gを通して流下させ、残った固形分を第1及び第2の回転体1,7の外周面35,36から掻き取り除去するので、無機系の処理対象物も効率よく処理することができる。すなわち、無機系物質を多量に含んだ排水、塗装水洗ブース内の塗料の回収、メッキ系汚泥水の脱水、ベントナイト系建設土の脱水、ヘドロの浚渫などの脱水処理に広く利用することができる。無機系の処理対象物の場合には、その脱水処理後の固形分の含水率を、例えば60乃至70重量%程にすることができる。
【0040】
ところで、本例の固液分離装置においては、全ての第1の回転体1が、同心状に配置されて、その固定された第1の軸線X1のまわりに回転し、同じく全ての第2の回転体7が、同心状に配置されて、その固定された第2の軸線X2のまわりに回転すると共に、第1及び第2の回転体1,7の偏心量δが一定に保たれるように、その第1及び第2の回転体1,7を位置決めする位置決め手段が設けられている。
【0041】
図示した例では、その位置決め手段が、前述のように、複数の第1の回転体1を貫通して、これらの第1の回転体1を同心状に支持する支持棒2と、リングにより構成された第1及び第2の回転体1,7の内周面33,34に当接する少なくとも3本の位置決めローラ9A,9B,9Cとを具備しており、しかも第2の回転体7には支持棒2が貫通する貫通孔8が形成され、第1の回転体1が第1の軸線X1のまわりに回転し、かつ第2の回転体7が第2の軸線X2のまわりに回転することを許容するように、貫通孔8の開口面積は、支持棒2の横断面積よりも大きく設定されている。図示した例では、貫通孔8内をスペーサ3も貫通しているので、その貫通孔8の開口面積は、スペーサ3の外周面の横断面積よりも大きく設定され、第2の回転体7が支障なく、その第2の軸線X2のまわりに回転できるように構成されている。
【0042】
上記構成によって、複数の第1の回転体1と複数の第2の回転体7を、それぞれ一体的に組み付け、かつその第1の回転体1と第2の回転体7を一体的な1つの筒状体ユニットとして構成し、第1の回転体1を回転駆動することにより、その回転を支持棒2を介して第2の回転体7に伝え、両回転体1,7をそれぞれ第1及び第2の軸線X1,X2のまわりに回転させ、しかも両回転体1,7の偏心量を常にほぼ一定に保ち、両回転体1,7の間の隙間Gに入り込んだ固形分を確実に排出させることができる。
【0043】
各第1の回転体1と第2の回転体7の内径と外径の大きさは、それぞれ適宜設定することができるが、図示した例では、第1の回転体1の内径と外径が、共に第2の回転体1の内径と外径よりもそれぞれ大きく設定され、各回転体1,7の半径方向における幅W1,W2(図1)がほぼ等しい大きさに設定されている。
【0044】
ところで、本例の固液分離装置の加圧手段16は、処理対象物を第1及び第2の回転体1,7の外周面35,36に対して押圧する加圧ベルト19を有しているが、その加圧ベルト19は、第1及び第2の回転体1,7に対して、その周方向に所定の長さに亘って対向配置されている。本例では、図1に符号Hで示す加圧ベルト部分が第1及び第2の外周面35,36に対置され、その部分Hによって処理対象物を第1及び第2の回転体1,7の外周面35,36に押圧するように構成されている。
【0045】
図5及び図6は、図1におけるV−V及びVI−VI線断面図である。ここで、加圧ベルト19により押圧された処理対象物が接触する第1及び第2の回転体1,7の外周面部分、すなわち加圧ベルト部分Hに対向する第1及び第2の回転体1,7の外周面部分を被加圧部と称することにし、この被加圧部における第1又は第2の軸線X1,X2を中心とした半径方向に突出した第1及び第2の回転体1,7の高さ位置の差を図5及び図6にIを付して示す。図3、図5及び図6から判るように、この半径方向の高さ位置の差Iは、加圧ベルト19によって加圧された処理対象物の移動方向下流側へ向けて漸次小さくなるように、加圧ベルト19の位置が設定されている。すなわち、第1の回転体1と第2の回転体7とによって区画される溝31の深さが、処理対象物の移動方向下流側へ向けて漸次小さくなっているのである。図示した例では、図3から判るように、加圧ベルト19により押圧された処理対象物の移動方向最下流側部J(図1)における上述の半径方向の高さ位置の差Iがほぼゼロとなっている。
【0046】
加圧ベルト19により加圧された処理対象物Sは、上述の溝31内に収容され、加圧ベルト19によってその溝31に封じ込められるようにしてその下流側に移動しながら、その処理対象物から水分が分離されるが、その処理対象物Sが最下流側部Jに移動するに従って、溝31の横断面積が漸次小さくなっているので、処理対象物Sが最下流側部Jに移動するに従って加圧ベルト19から大きな力で加圧されていく。このようにして処理対象物に漸次大きな加圧力が及ぼされるので、その処理対象物Sから効率よく水分を分離することができる。
【0047】
図示した例では、上述の被加圧部において、第1の回転体1の半径方向突出高さが、第2の回転体7よりも大きくなっているが、これとは逆に、第2の回転体7の半径方向突出高さが大きくなるように構成することもできる。
【0048】
また、前述のように、本例の固液分離装置においては、1つの位置決めローラ9Aをモータ13によって回転駆動し、その回転を第1及び第2のギア26,4を介して第1の回転体1に伝え、かつその第2のギア4の回転を第3のギア27を介して駆動プーリ17に伝えると共に、第1の回転体1の回転を支持軸2を介して第2の回転体7に伝えるように構成したので、1つのモータ13を用いるだけで、第1及び第2の回転体1,7と、加圧ベルト19の全てを回転駆動することができ、固液分離装置の構造を簡素化でき、しかもそのコストの上昇を抑えることができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、無機系の処理対象物も効率よく固液分離でき、しかも目詰まりを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固液分離装置の垂直横断面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う縦断面図である。
【図3】図2の矢印IIIで示した部分の拡大図である。
【図4】駆動プーリと従動プーリと加圧ベルトの配置状態を示す図であって、加圧ベルトを図1における矢印IV方向に見た図である。
【図5】図1のV−V線拡大断面図である。
【図6】図1のVI−VI線拡大断面図である。
【符号の説明】
1 第1の回転体
2 支持棒
4 第2のギア
5 内歯
6 外歯
7 第2の回転体
8 貫通孔
9A 位置決めローラ
9B 位置決めローラ
9C 位置決めローラ
13 モータ
16 加圧手段
17 駆動プーリ
18 従動プーリ
19 加圧ベルト
26 第1のギア
27 第3のギア
33,34 内周面
35,36 外周面
G 隙間
I 差
J 最下流側部
S 処理対象物
X1,X2 軸線
δ 偏心量
Claims (6)
- 軸線方向に配列された複数の第1の回転体と、各第1の回転体の間に配置され、かつ該第1の回転体に対して偏心して位置すると共に、該第1の回転体と同じ方向に回転する複数の第2の回転体と、第1及び第2の回転体の外周面に供給された多量の液体を含む処理対象物を該第1及び第2の回転体の外周面に対して押圧する加圧手段とを具備し、該加圧手段の押圧作用により処理対象物から分離された濾液を前記第1の回転体と第2の回転体の間の隙間を通して流下させるように構成され、全ての第1の回転体が、同心状に配置されて、第1の軸線のまわりに回転し、かつ全ての第2の回転体が、同心状に配置されて、第2の軸線のまわりに回転すると共に、第1及び第2の回転体の偏心量が一定に保たれるように、該第1及び第2の回転体を位置決めする位置決め手段を具備し、前記第1の回転体と第2の回転体はリングにより構成され、前記位置決め手段は、複数の第1の回転体を貫通して、これらの第1の回転体を同心状に支持する支持棒と、第1及び第2の回転体の内周面に当接する少なくとも3本の位置決めローラとを具備し、前記第2の回転体には前記支持棒が貫通する貫通孔が形成され、前記第1の回転体が前記第1の軸線のまわりに回転し、かつ前記第2の回転体が前記第2の軸線のまわりに回転することを許容するように、前記貫通孔の開口面積は、前記支持棒の横断面積よりも大きく設定されていることを特徴とする固液分離装置。
- 軸線方向に配列された複数の第1の回転体と、各第1の回転体の間に配置され、かつ該第1の回転体に対して偏心して位置すると共に、該第1の回転体と同じ方向に回転する複数の第2の回転体と、第1及び第2の回転体の外周面に供給された多量の液体を含む処理対象物を該第1及び第2の回転体の外周面に対して押圧する加圧手段とを具備し、該加圧手段の押圧作用により処理対象物から分離された濾液を前記第1の回転体と第2の回転体の間の隙間を通して流下させるように構成され、前記加圧手段は、処理対象物を前記第1及び第2の回転体の外周面に対して押圧する加圧ベルトを有し、該加圧ベルトにより押圧された処理対象物が接触する第1及び第2の回転体部分の外周面の半径方向の高さ位置の差が、前記加圧ベルトにより加圧された処理対象物の移動方向下流側へ向けて漸次小さくなるように、加圧ベルトの位置が設定されていることを特徴とする固液分離装置。
- 全ての第1の回転体が、同心状に配置されて、第1の軸線のまわりに回転し、かつ全ての第2の回転体が、同心状に配置されて、第2の軸線のまわりに回転すると共に、第1及び第2の回転体の偏心量が一定に保たれるように、該第1及び第2の回転体を位置決めする位置決め手段を具備する請求項2に記載の固液分離装置。
- 前記第1の回転体と第2の回転体はリングにより構成され、前記位置決め手段は、複数の第1の回転体を貫通して、これらの第1の回転体を同心状に支持する支持棒と、第1及び第2の回転体の内周面に当接する少なくとも3本の位置決めローラとを具備し、前記第2の回転体には前記支持棒が貫通する貫通孔が形成され、前記第1の回転体が前記第1の軸線のまわりに回転し、かつ前記第2の回転体が前記第2の軸線のまわりに回転することを許容するように、前記貫通孔の開口面積は、前記支持棒の横断面積よりも大きく設定されている請求項3に記載の固液分離装置。
- 前記加圧ベルトにより押圧された処理対象物の移動方向最下流側部における前記半径方向の高さ位置の差がほぼゼロである請求項2乃至4のいずれかに記載の固液分離装置。
- 前記加圧手段は、駆動プーリと、従動プーリと、これらのプーリに巻き掛けられた無端状の加圧ベルトとを有し、該加圧ベルトが処理対象物を前記第1及び第2の回転体の外周面に対して押圧するように構成され、前記位置決めローラのうちの1つの位置決めローラを回転駆動するモータと、その1つの位置決めローラに対して固定された第1のギアと、前記第1の回転体に対して同心状に固定され、内歯と外歯を有する第2のギアと、前記駆動プーリに対して固定された第3のギアとを具備し、前記第1のギアは前記第2のギアの内歯に噛み合い、前記第3のギアは前記第2のギアの外歯に噛み合っている請求項1又は4に記載の固液分離装置。
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