JP4239532B2 - 内燃機関のノッキング検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノッキングを検出する内燃機関のノッキング検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、この種の検出装置においては、燃焼室またはエンジンブロックの振動をセンサによって検出する検出回路と、この検出回路の検出信号をフィルタリングして所定周波数帯(以下、ノッキング周波数帯という)の信号成分を出力するバンドパスフィルタと、このバンドパスフィルタから出力される信号成分に基づいて、ノッキングが発生したか否かを判定するノック判定回路とを備えるようにしたものがある。
【0003】
このものにおいて、例えば、放電等により電気的ノイズが発生しこのノイズがセンサにより検出されると、検出回路の検出信号がスパイク的な信号波形になる。このような波形の信号には、広い範囲の周波数帯の信号成分が含まれている。したがって、ノッキングが発生していなくても、検出信号が、上述したノッキング周波数帯と同一の周波数帯の信号を含むようになり、ノック判定回路が、ノッキングの発生を誤って判定する可能性がある。
【0004】
ここで、本発明者等の検討によれば、上述のようにノイズがセンサにより検出されたときには検出信号の波形がスパイク的に変化するため、検出信号の信号振幅の変化を順次検出すれば、検出信号の変化が、ノイズの発生によるものであるの否かを判定できると考えられる。
【0005】
そこで、ノック判定回路がノッキングが発生したか否かの判定を周期的に行うようにして、検出信号の変化がノイズの発生によるものであることを判定したとき、この判定を行った時を含む一周期分の検出信号を、ノッキングの発生の判定に用いないようにすれば、ノッキングの発生の誤判定を未然に防止できると考えられる。しかし、この場合、上述した一周期内においては、ノッキングが発生してもノッキングの発生を見落すといった問題が生じる。
【0006】
本発明は、上記点に鑑み、電気的なノイズが発生しても、ノッキングの発生を精度良く検出できるようにした内燃機関のノッキング検出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、内燃機関の燃焼室またはエンジンブロックの振動を検出する振動検出回路と、
この振動検出回路からの検出信号をフィルタリングし、このフィルタリング後の検出信号によりノッキング検出を前記燃焼室内の燃焼毎に行うノッキング検出回路とを備え、
前記ノッキング検出回路は、
前記振動検出回路からの検出信号を順次サンプリングする手段と、
この手段によりサンプリングされる検出信号に基づき、検出信号がノッキング発生時の変化よりも大きく変化していることを判定すると、前記振動検出回路からの検出信号のうち当該判定を行った時点から所定期間の間の前記検出信号だけを除いた信号を前記フィルタリングに用いる手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明では、内燃機関の燃焼室内に存在する燃焼イオンを検出して検出信号を出力する燃焼イオン検出回路(3)と、
この燃焼イオン検出回路からの検出信号をフィルタリングし、このフィルタリング後の検出信号によりノッキング検出を前記燃焼室内の燃焼毎に行うノッキング検出回路(4)とを備え、
前記ノッキング検出回路は、
前記燃焼イオン検出回路からの検出信号を順次サンプリングする手段(401)と、
この手段によりサンプリングされる検出信号に基づき、検出信号がノッキング発生時の変化よりも大きく変化していることを判定すると、前記振動検出回路からの検出信号のうち当該判定を行った時点から所定期間の間の前記検出信号だけを除いた信号を前記フィルタリングに用いる手段(408)と、を有することを特徴とする。
【0011】
ここで、請求項3に記載の発明のように、燃焼イオン検出回路は、燃焼イオンを点火プラグにより検出するものであり、所定期間としては、点火プラグから燃焼イオン検出回路までの電気回路の時定数に相当するものを用いるようにしてもよい。
【0012】
具体的には、請求項4に記載の発明では、内燃機関の燃焼室内に存在する燃焼イオンを検出して検出信号を出力する燃焼イオン検出回路(3)と、
この燃焼イオン検出回路からの検出信号をフィルタリングし、このフィルタリング後の検出信号によりノッキング検出を前記燃焼室内の燃焼毎に行うノッキング検出回路(4)とを備え、
前記ノッキング検出回路は、
前記燃焼イオン検出回路からの検出信号を順次サンプリング記憶する記憶手段(401)と、
この記憶手段に記憶されている検出信号に基づき、検出信号がノッキング発生時の変化よりも大きく変化していることを判定すると、この判定を行った時の検出信号から所定数の検出信号を前記記憶手段から消去する処理を行う手段(404)と、
この手段による処理が終わった後に前記記憶手段に記憶されている検出信号に対してフィルタリングを行う手段(408)と、を有することを特徴とする。
【0013】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る車両の内燃機関のノッキング検出装置が適用された点火装置の一実施形態を示す。
【0015】
点火装置は、点火プラグにより点火させるとともに燃焼室内の燃焼イオンを利用してノッキングの発生を判定するもので、図1に示すように、トランス(点火コイル)2、燃焼イオン電流検出回路3、デジタル信号処理回路4およびスイッチングトランジスタ5を備える。
【0016】
トランス2は、一次巻線201、二次側巻線202を有しており、一次巻線201の一端側には車載バッテリ6の正極端子が接続されている。一次巻線201の他端側にはスイッチングトランジスタ5が接続されている。スイッチングトランジスタ5は、エンジン制御用ECU7により制御されて、車載バッテリ6から一次巻線201に電流を断続的に流す。
【0017】
二次側巻線202の一端側には、点火プラグ1の入力端子が接続されており、二次側巻線202には、一次巻線201に流れる電流に基づく二次電流が点火プラグ1から流れる。点火プラグ1は、エンジンの燃焼室に突出するようにエンジンに取り付けられたもので、エンジンの燃焼室内で二次電流に基づき放電してこの放電により燃料と空気の混合気に点火する。また、点火プラグ1は、混合気の燃焼により発生する燃焼イオンを検出する役割を果たす。なお、点火プラグ1の構成は後述する。
【0018】
燃焼イオン電流検出回路3は、コンデンサ301、抵抗素子302およびツェナーダイオード303、304を備えている。コンデンサ301は、二次側巻線202と直列的に接続されており、コンデンサ301は、二次側巻線202に流れる電流に基づき電荷を蓄えてこの電荷により点火プラグ1に電圧を出力する。また、抵抗素子302は、コンデンサ301およびグランドの間に接続されている。ツェナーダイオード303は、コンデンサ301と並列的に接続されており、ツェナーダイオード304は、抵抗素子302と並列的に接続されている。
【0019】
デジタル信号処理回路4は、CPU、メモリなどから構成されて、抵抗素子302およびコンデンサ301との共通端子305の電圧を順次サンプリングするとともに、各サンプリングデータに基づきノッキングの発生を判定する。また、デジタル信号処理回路4は、後述するように、ノイズが発生したことを判定した場合この判定を行った時点からの所定数(後述する「m+1」個)のサンプリングデータをノッキングの発生の判定に用いないようにするための処理を行う。
【0020】
次に、点火プラグ1の概略構成について図2を参照して説明する。図2は、点火プラグ1の部分断面図である。
【0021】
点火プラグ1は、金属製で筒状に形成されたハウジング10と、ハウジング10の内側に配設された筒状の絶縁碍子11と、絶縁碍子11の内側に配設された中心電極12と、中心電極12に対して放電ギャップ16を介して対向するように配設された接地電極13とを有する。接地電極13は、ハウジング10に電気的に接続されており、また中心電極12は、ステー14などを介して入力端子15に接続されている。
【0022】
次に、本実施形態の作動について図3を用いて説明する。図3は、スイッチングトランジスタ5の動作を示すタイミングチャートである。
【0023】
先ず、エンジン制御用ECU7が、スイッチングトランジスタ5をオンさせると、車載バッテリ6の正極端子から一次巻線201に電流が流れる。この後、エンジン制御用ECU7が、スイッチングトランジスタ5をオフさせると、一次巻線201に流れる電流に基づく電磁誘導により、二次側巻線202には、点火プラグ1の中心電極12からの電流が流れ込む。これに伴い、中心電極12には高電圧が発生して放電ギャップ16での放電が生じる。このため、放電によってエンジンの燃焼室内の混合気が点火されるため、混合気が燃焼する。
【0024】
また、点火プラグ1の中心電極12から二次側巻線202に流れ込んだ電流は、コンデンサ301に流れ込むため、コンデンサ301には電荷が蓄積されることになる。このため、放電ギャップ16での放電が終わると、コンデンサ301は、この蓄えた電荷に基づき、電圧を中心電極12に出力することになる。
【0025】
ここで、エンジンの燃焼室内の混合気の燃焼に伴って燃焼イオンが発生している場合、中心電極12にはコンデンサ301から電圧が印加されているため、中心電極12から燃焼イオンを介して接地電極13に電流が流れる。当該電流は、コンデンサ301から二次側巻線202を通して中心電極12に流れるものであるため、当該電流に基づき、コンデンサ301および抵抗素子302の共通端子305の電圧値が、変動する。
【0026】
但し、ノッキングが発生した場合、ノッキングによる圧力振動により燃焼イオンが振動するため、当該電流も振動するように流れる。すなわち、中心電極12および接地電極13の間において、ノッキング周波数を含む周波数で交流電流が流れることになる。
【0027】
当該電流は、コンデンサ301から二次側巻線202を通して中心電極12に流れるものであるため、コンデンサ301および抵抗素子302の共通端子305の電圧値が、ノッキングに応じて変動する。このことにより、燃焼イオン電流検出回路3が、ノッキングによる圧力振動を示す出力信号(検出信号)を共通端子305から出力することになる。そこで、デジタル信号処理回路4は、共通端子305からの出力信号を検出して、この検出信号に基づいてノッキングの発生を判定する。
【0028】
以下、デジタル信号処理回路4によるノッキング判定処理の詳細について説明する。
【0029】
先ず、スイッチングトランジスタ5のオフ後の所定タイミングTAで、エンジン制御用ECU7が、デジタル信号処理回路4に対してノッキング判定処理を開始させるように指令する。なお、所定タイミングTAでノッキング判定処理を開始させる理由は、後述する。
【0030】
その後、デジタル信号処理回路4が、当該指令を受けると、図4示すフローチャートに従って、ノッキング判定処理の実行を開始する。
【0031】
すなわち、共通端子305の電圧値を一定周期毎にn回サンプリングしてサンプリングデータx(1)〜x(n)をメモリに記憶する(ステップ401)。ここで、サンプリングの周波数は、ノッキング周波数より十分高く、例えば、ノッキング周波数が7KHzの場合、サンプリングの周波数を50KHzに設定してもよい。
【0032】
次に、内蔵カウンタにサンプリングデータの番号iとして「1」を記憶させる(ステップ402)。さらに、サンプリングデータx(1)と次のサンプリングデータx(2)との差の絶対値|x(2)−x(1)|が閾値Dcに比べて大きいか否かを判定する(ステップ403)。当該閾値Dcは、ノッキングの発生した時の燃焼イオン電流検出回路3の出力変化よりも大きく設定してある。
【0033】
ここで、絶対値|x(2)−x(1)|が閾値Dcに比べて小さいとき、ステップ406に移行して、内蔵カウンタに記憶されるサンプリングデータの番号iをインクリメントする(i=2)。この後、内蔵カウンタに記憶される番号iが、サンプリングデータの個数nに比べて大きいか否かを判定して(ステップ407)、番号iが個数nに比べて小さいときにはNOと判定してステップ403に戻る。
【0034】
このため、サンプリングデータx(i)と次のサンプリングデータx(i+1)との差の絶対値|x(i)−x(i+1)|が、閾値Dcに比べて小さいと判定する限り、番号インクリメント処理(ステップ406)、番号判定処理(ステップ407)、サンプリングデータ判定処理(ステップ403)を繰り返すことになる。
【0035】
このようにサンプリングデータx(1)〜x(n)についてサンプリングデータx(i)とサンプリングデータx(i+1)との差の絶対値|x(i)−x(i+1)|が閾値Dcに比べて小さいことを判定した場合には、メモリに記憶されたサンプリングデータx(1)〜x(n)に対してノッキングの周波数の信号成分を抽出すためのフィルタリングを行う(ステップ408)。
【0036】
これに伴い、この抽出された信号成分に基づき、ノッキングが発生しているか否かを判定する(ステップ409)。すなわち、信号成分が所定閾値Hに比べて大きいか否かを判定して、信号成分が所定閾値Hに比べて大きいことを判定したときには、ノッキングが発生していることを判定する。
【0037】
また、ステップ403において、サンプリングデータx(i)と次のデータx(i+1)との差の絶対値|x(i+1)−x(i)|が、所定閾値Dcに比べて大きい場合には、YESと判定とする。この場合、サンプリングデータx(i)からサンプリングデータx(i+m)までの「m+1」個のサンプリングデータをメモリから消去する(ステップ404)。なお、個数mを設定した根拠は後述する。
【0038】
このように「m+1」個のサンプリングデータを消去すると、ステップ405に移行して、内蔵カウンタに番号iとして「i+m」を設定するとともに(i=i+m)、ステップ406に移行して、当該設定された番号iをインクリメントする(i=i+m+1)。これに加えて、ステップ407に進んで、番号i(=i+m+1)が個数nに比べて小さいときにはNOと判定してステップ403に移行する。
【0039】
その後、ステップ403において、絶対値|x(i)−x(i+1)|が閾値Dcに比べて小さいことを判定した場合には、番号インクリメント処理(ステップ406)、番号判定処理(ステップ407)を行う。
【0040】
また、ステップ403において、絶対値|x(i)−x(i+1)|が閾値Dcに比べて大きいことを判定した場合には、サンプリングデータの消去処理(ステップ404)、番号「i+m」設定処理(ステップ405)、番号インクリメント処理(ステップ406)、番号判定処理(ステップ407)を行う。
【0041】
以上により、サンプリングデータx(i)がノッキング発生時の変化よりも大きく変化していることを判定すると、この判定を行った時のサンプリングデータx(i)からサンプリングデータx(i+m)までの「m+1」のサンプリングデータをメモリから消去することになる。
【0042】
これに伴って、メモリに記憶されている各サンプリングデータに対してノッキングの周波数の信号成分を抽出すためのフィルタリングを行う(ステップ408)。この抽出された信号成分が所定閾値Hに比べて大きいか否かを判定することにより、ノッキングが発生しているか否かを判定する(ステップ409)。
【0043】
次に、ノッキング判定処理の開始タイミングを設定した根拠について図3を参照して説明する。
【0044】
先ず、点火プラグ1の中心電極12と接地電極13の間での放電が終わると、その放電直後には、放電終了の影響を受けて、中心電極12の電位が、振動状態になる。これに伴い、燃焼イオン電流検出回路3の共通端子305からの出力信号は、ノッキングやノイズに関わりなく、交流信号となる。このため、出力信号が交流信号となっているとき、共通端子305の電圧値をサンプリングして各サンプリングデータに基づき、ノッキング判定処理を行っても、この処理を精度良く行うことができない。
【0045】
これに対して、放電後に期間ta経過すると、中心電極12の電位が、放電終了の影響を受けなくなる。したがって、中心電極12の電位が、ノッキングやノイズが生じない限り、コンデンサ301から出力される電圧に基づいて、一定値に収束する。このため、共通端子305からの出力信号が、ノッキングやノイズが生じない限り、一定値に収束する。そこで、出力信号が、放電終了の影響を受けなくなった時点に開始タイミングTAを設定すれば、ノッキング判定処理を精度良く行うことができる。
【0046】
以上のように、開始タイミングTAを設定した根拠は、共通端子305からの出力信号が、放電終了の影響を受けなくなってから、ノッキング判定処理を開始させることにより、ノッキング判定処理を精度良く行うことができるようにするためである。
【0047】
次に、ノイズの発生を判定したときに消去するサンプリングデータの個数を設定した根拠について説明する。
【0048】
先ず、ノイズが発生したときに共通端子305の出力信号が受けるノイズの影響を調べるために次のような実験を行った。すなわち、点火プラグ1のハウジング10および絶縁碍子11の間でコロナ放電を生じたときの共通端子305の出力信号を計測するとともに、当該出力信号に含まれるノッキング周波数帯の信号をデジタルフィルタにより抽出した。さらに、コロナ放電の発生期間Aの出力信号を周波数分析するとともに、コロナ放電の終了直後の一定期間Bの出力信号を周波数分析したところ、図5(a)、図5(b)、図6に示す実験結果が得られた。
【0049】
図5(a)は、共通端子305の出力信号の波形を示す図、図5(b)は、デジタルフィルタの出力波形を示す図である。図6中のグラフαは、発生期間Aの出力信号の周波数分析の結果を示し、グラフβは、一定期間Bの出力信号の周波数分析の結果を示す。
【0050】
先ず、コロナ放電が生じたとき、共通端子305の出力波形は、コロナ放電に伴うノイズにより、図5(a)に示すように、スパイク状に変化する。このため、図6中グラフαに示すように、発生期間Aでは、共通端子305の出力信号は、ノッキング周波数帯を含む広い周波数領域の信号成分を含むことになる。
【0051】
また、コロナ放電の終了直後の一定期間Bでは、図5(b)に示すように、デジタルフィルタの出力信号としても振動状態となるものの、共通端子305の出力信号は、図6中グラフβに示すように、ノッキング周波数帯の信号成分を含まないことが分かる。なお、一定期間Bの間で、デジタルフィルタの出力信号が振動状態となる理由は、後述する。
【0052】
このように、発生期間Aでは、共通端子305の出力信号がコロナ放電の影響を受けるものの、発生期間Aが終われば、出力信号が、コロナ放電の影響を受けないようになる。したがって、ノッキング判定処理を行うのに、発生期間Aでの各サンプリングデータを用いないようにすればよいことが分かる。すなわち、ノッキング判定処理を行うのに、発生期間Aでの各サンプリングデータをメモリから消去すればよいことが分かる。
【0053】
ここで、発生期間Aについて説明すると、点火プラグ1がコロナ放電が生じた場合、デジタル信号処理回路4としては、コロナ放電に伴う電圧変動を、点火プラグ1、二次側巻線202および燃焼イオン電流検出回路3を介して受けることになる。
【0054】
そして、コロナ放電が極めて短期間で発生したとすると、発生期間Aとしては、点火プラグ1、二次側巻線202および燃焼イオン電流検出回路3から構成される電気回路が、コロナ放電に応答するのに要する時間とすることができる。このため、「応答するのに要する時間」としては、当該電気回路の時定数τを用いることができる。例えば、時定数τを0.1ms、サンプリング周波数を50kHz(サンプル周期0.02ms)とした場合、消去するサンプリングデータの個数mは、0.1/0.02=5となる。
【0055】
以上のように、サンプリングデータの個数mを設定した根拠は、コロナ放電の影響(すなわち、ノイズの影響)を受けたサンプリングデータをメモリから消すためである。
【0056】
また、一定期間Bの間で、デジタルフィルタの出力信号が振動状態となる理由を説明すると、あるタイミングtでのデジタルフィルタとしては、タイミングtでの共通端子305の出力信号のサンプリングデータと、タイミングtよりも過去の所定期間での各サンプリングデータとの加重平均を行ってその平均値を出力信号として出力している。
【0057】
したがって、当該所定期間と、共通端子305の出力信号がスパイク状に変化した期間とが重なった場合、タイミングtでのデジタルフィルタとしては、当該変化を含んだ状態のサンプリングデータを用いてフィルタリングを行うことになる。このため、一定期間Bでフィルタリングを行うと、その出力信号としても、複数のピークを含むようになる。このことにより、デジタルフィルタの出力信号が振動状態となる。
【0058】
以上説明したように本実施形態によれば、コロナ放電の影響(すなわち、ノイズの影響)を受けた「m+1」個のサンプリングデータだけをメモリから消してメモリに記憶された各サンプリングデータを用いてノッキングの発生の判定を行う。したがって、ノッキングが発生したか否かを判定を周期的に行うようにして、サンプリングデータの変化がノイズの発生によるものであることを判定した時を含む一周期分の各サンプリングデータを、ノッキングの発生の判定に用いないようにした場合に比べて、ノッキングの発生を見落とすことを抑制でき、ノッキングの発生を精度良く検出できるようにすることができる。
【0059】
(他の実施形態)
なお、上記実施形態では、ノッキング検出を行うノッキング検出回路としては、燃焼イオンを介して流れる電流を用いてノッキング検出を行うものを示したが、圧電素子などを用いて、ノッキングに伴う機械的振動を検出してこの検出に基づきノッキングを検出するようにしてもよい。
【0060】
具体的には、内燃機関のノッキング検出装置としては、内燃機関の燃焼室またはエンジンブロックの振動を検出する振動検出回路と、この振動検出回路からの検出信号をフィルタリングし、このフィルタリング後の検出信号によりノッキング検出を行うノッキング検出回路とを備え、ノッキング検出回路は、振動検出回路からの検出信号を順次サンプリングする機能と、この機能によりサンプリングされる検出信号に基づき、検出信号がノッキング発生時の変化よりも大きく変化していることを判定すると、この判定を行った時点から所定期間の間の振動検出回路からの検出信号をフィルタリングに用いないようにする機能と、を有するように構成するようにしてもよい。
【0061】
さらに、上記実施形態では、ノイズが発生したことを判定したときには、この判定した時のサンプリングデータx(k)からサンプリングデータx(k+m)まので「m+1」個のサンプリングデータをメモリから消去するものを示したが、「m+1」個のサンプリングデータをメモリから消去しなくても、「m+1」個のサンプリングデータをノッキング検出に用いないようにすればよい。
【0062】
また、上記実施形態では、ノイズの発生を判定したときに消去するサンプリングデータの個数「m+1」としては、点火プラグ1でコロナ放電が生じた場合を想定して決めたが、コロナ放電に代えてアーク放電を想定して決めるようにしてもよい。さらには、点火プラグ1に代えてトランス2で放電が生じたことを想定して個数「m+1」を決めるようにしてもよい。また、アーク放電、コロナ放電ではなく、スイッチングトランジスタ等のスイッチングに基づきノイズが生じることを想定して、個数「m+1」を決めるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のノッキング検出装置の一実施形態を示す電気回路図である。
【図2】図1に示す点火プラグの半断面図である。
【図3】図1に示す点火プラグおよびスイッチングトランジスタの作動を示すタイミングチャートである。
【図4】図1に示すデジタル信号処理装置の作動を示すフローチャートである。
【図5】図1に示す燃焼イオン電流検出回路の共通端子の出力信号およびこの出力信号に含まれるノッキング周波数帯の信号成分を示す図である。
【図6】図1に示す燃焼イオン電流検出回路の共通端子の出力信号の周波数分析の結果を示す図である。
【符号の説明】
1…点火プラグ、2…トランス、3…燃焼イオン電流検出回路、
4…デジタル信号処理回路、5…スイッチングトランジスタ

Claims (4)

  1. 内燃機関の燃焼室またはエンジンブロックの振動を検出する振動検出回路と、
    この振動検出回路からの検出信号をフィルタリングし、このフィルタリング後の検出信号によりノッキング検出を前記燃焼室内の燃焼毎に行うノッキング検出回路とを備え、
    前記ノッキング検出回路は、
    前記振動検出回路からの検出信号を順次サンプリングする手段と、
    この手段によりサンプリングされる検出信号に基づき、検出信号がノッキング発生時の変化よりも大きく変化していることを判定すると、前記振動検出回路からの検出信号のうち当該判定を行った時点から所定期間の間の前記検出信号だけを除いた信号を前記フィルタリングに用いる手段と、を有することを特徴とする内燃機関のノッキング検出装置。
  2. 内燃機関の燃焼室内に存在する燃焼イオンを検出して検出信号を出力する燃焼イオン検出回路(3)と、
    この燃焼イオン検出回路からの検出信号をフィルタリングし、このフィルタリング後の検出信号によりノッキング検出を前記燃焼室内の燃焼毎に行うノッキング検出回路(4)とを備え、
    前記ノッキング検出回路は、
    前記燃焼イオン検出回路からの検出信号を順次サンプリングする手段(401)と、
    この手段によりサンプリングされる検出信号に基づき、検出信号がノッキング発生時の変化よりも大きく変化していることを判定すると、前記燃焼イオン検出回路からの検出信号のうち当該判定を行った時点から所定期間の間の前記検出信号だけを除いた信号を前記フィルタリングに用いる手段(408)と、を有することを特徴とする内燃機関のノッキング検出装置。
  3. 前記燃焼イオン検出回路は、前記燃焼イオンを点火プラグにより検出するものであり、
    前記所定期間は、前記点火プラグから前記燃焼イオン検出回路までの電気回路の時定数に相当するものであることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のノッキング検出装置。
  4. 内燃機関の燃焼室内に存在する燃焼イオンを検出して検出信号を出力する燃焼イオン検出回路(3)と、
    この燃焼イオン検出回路からの検出信号をフィルタリングし、このフィルタリング後の検出信号によりノッキング検出を前記燃焼室内の燃焼毎に行うノッキング検出回路(4)とを備え、
    前記ノッキング検出回路は、
    前記燃焼イオン検出回路からの検出信号を順次サンプリング記憶する記憶手段(401)と、
    この記憶手段に記憶されている検出信号に基づき、検出信号がノッキング発生時の変化よりも大きく変化していることを判定すると、この判定を行った時の検出信号から所定数の検出信号を前記記憶手段から消去する処理を行う手段(404)と、
    この手段による処理が終わった後に前記記憶手段に記憶されている検出信号に対してフィルタリングを行う手段(408)と、を有することを特徴とする内燃機関のノッキング検出装置。
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