JP4238306B2 - 防衝接岸装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、船舶衝突時の衝撃から船舶自体または岸壁を保護する防衝接岸装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の防衝接岸装置としては、従来一般にはゴム製防舷材が用いられていたが、この防舷材によれば、弾性体の変形を利用しているだけであるため、船舶衝突時の反力が非常に大きいことに加え、エネルギー吸収能力も小さく、船舶が高速で衝突するような場合に、船舶自体および岸壁の損傷が免れないという問題があった。
【0003】
そこで最近、オイルダンパーを利用した船舶衝撃力吸収装置(防衝接岸装置)が開発され、特開平9−189019号公報に既に明らかにされている。このものは、図10に示すように、前面にネット1を張った防衝板(受衝板)2を備え、この受衝板2の下端部を岸壁3の壁面に突設した支持台4にヒンジ5を介して連結し、一方、岸壁3の上面に架台6を利用してオイルダンパー7を横置きに配置して、このオイルダンパー7の出力軸7aの先端に前記受衝板2の上端部をヒンジ8により連結し、さらに受衝板2の前面にフロート9を配置する構造となっている。この装置によれば、受衝板2に船舶Sが衝突した際の衝突エネルギーを、フロート9とネット1とにより一次的に吸収すると共に、受衝板2に加わる衝撃力を受衝板2の揺動によりオイルダンパー7に伝えて大きく吸収し、低反力で大きな衝突エネルギーを吸収できて船舶の安全かつ速やかな接岸が可能になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記オイルダンパー7はガス入りとなっており、船舶衝突後にはガス圧によってオイルダンパー7の出力軸7aが自動的に伸長し、受衝板2も元位置に自動復帰するようになっている。このため、船舶接岸後は、元位置に復帰する受衝板2により船舶Sが外洋へ向けて押されて岸壁3との間に大きな距離が開き、その上、岸壁3と船舶Sとの間に大型の受衝板2が介在することもあって、荷役効率が低下し、大型の荷役機械も必要になるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、船舶の安全かつ速やかな接岸を可能にすることはもとより、岸壁と船舶との距離を縮めて荷役作業性の向上に大きく寄与する防衝接岸装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、先端に受衝板を揺動可能に取付けた軸部材と、岸壁に設置され、前記軸部材を岸壁の壁面の法線方向へ進退動可能に支持する支持手段と、前記岸壁に前記軸部材と同軸に設置され、前記受衝板に船舶が衝突した際の衝撃力を前記軸部材を介してピストンロッドに受け、該ピストンロッドを短縮動作させて衝突エネルギーを吸収すると共に、該ピストンロッドを短縮状態に維持するオイルダンパーとを備えていることを特徴とする。
このように構成した防衝接岸装置においては、受衝板で船舶を受止め、これに加わる衝撃力を軸部材を介してオイルダンパーに伝えて衝突エネルギーを吸収するが、衝突エネルギーの吸収後は、オイルダンパーのピストンロッドが短縮状態を維持するので、船舶と岸壁との距離を最小限に維持できる。
【0007】
本発明において、上記受衝板を揺動可能に軸部材に取付けるための手段は任意であるが、サークル型防舷材を用いるのが望ましい。サークル型防舷材を用いた場合は、ボールジョイントのような機械的な継手を用いる場合に比べてコスト的に有利である上、該サークル型防舷材が船舶衝突時の衝突エネルギーを一次的に吸収する役割をなし、軸部材とその支持手段にかかる負荷が軽減される。
本発明は、上記支持手段およびオイルダンパーを岸壁の内部に納める構成としてもよいもので、このように構成することで、岸壁の上面から障害物が排除され、岸壁の上面に広い作業スペースを確保できる。
【0008】
本発明において、上記オイルダンパーは、ピストンロッドに連結されたピストンを摺動可能に内装するシリンダの周りにリザーバ室を備えると共に、該リザーバ室と前記シリンダ内とを連通する連通路内に減衰力発生機構を設けている構成とすることができる。このように構成したオイルダンパーは、リザーバをシリンダの周りに備えているので、全長を抑えながら大きなピストンストロークを確保することができ、省スペース化に寄与する。
上記オイルダンパーにおいて、上記減衰力発生機構としては、構造簡単なオリフィスを採用することができ、この場合は、該オリフィスをシリンダの壁に設けることができる。
【0009】
本発明は、上記オイルダンパーのリザーバ室にガスを給排するガス給排手段を、別途設置するもので、該ガス給排手段によりリザーバ室を大気に開放することにより衝突エネルギー吸収後にピストンロッドが短縮状態を維持し、一方、船舶離岸後、ガス給排手段によりリザーバ室にガスを供給すれば、その圧力でリザーバ室内の油液がシリンダ内に円滑に戻り、オイルダンパーが速やかに元の状態に復帰する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基いて説明する。
【0011】
図1〜5は、本発明に係る防衝接岸装置の一つの実施の形態を示したものである。図1において、10は岸壁、11は船舶、12は本発明に係る防衝接岸装置であり、防衝接岸装置12は、岸壁10の上面に設けた凹部10a内に据付けられている。本防衝接岸装置12は、先端にサークル型防舷材13を介して受衝板14を取付けた軸部材15と、この軸部材15を岸壁10の壁面法線方向へ進退動可能に支持する一対の支持ブロック(支持手段)16と、前記軸部材15の後端にこれと同軸をなすように作動連結されたオイルダンパー17とから概略構成されており、その支持ブロック16とオイルダンパー17とが、前記岸壁10の凹部10aの底に設置した架台18,18′上に載置固定されている。岸壁10の凹部10aは、その上側開口が複数の覆工板19により、その海側開口が防波板20によりそれぞれ覆われており、これにより、防衝接岸装置12の大部分は岸壁10内に納められて外部から遮蔽され、その受衝板14を含む軸部材15の先端側のみが海側へ突出している。なお、覆工板19としては、例えばPCコンクリート床板のような強度的に優れたものを用いるようにし、これにより、覆工板19の上面を岸壁10の上面と同等の作業スペースとして活用することができる。
【0012】
本防衝接岸装置12を構成する受衝板14は、図2〜4によく示されるように、八角形をなす中空構造の基体21とこの基体21の前面にねじ部材22を用いて重合固定された樹脂製パッド23とからなっている。一方、サークル型防舷材13は、ゴム、樹脂等の弾性材料からなるもので、断面略V字形をなす緩衝部24を円環状に配置した形状となっている。この防舷材13には、予めその先端側にナット25を有する取付板26が、その基端側にボルト挿通孔27を有する取付板28がそれぞれ一体成形により埋設されている(図3)。受衝板14は、その内部側から前記ナット25にボルト(図示略)をねじ込むことにより防舷材13に一体化され、一方、防舷材13は、そのボルト挿通孔27を挿通させたボルト(図示略)を前記軸部材15の先端フランジ15aにねじ込むことにより該軸部材15に一体化されている。このようなサークル型防舷材13は、その緩衝部24に外力を受けて弾性変形し、その外力の方向へ受衝板14を揺動させる。したがって、船舶11が受衝板14に衝突すると、受衝板14は、常に船舶11の側面に面接触するように揺動し、そのおもて側の全面で船舶11の衝撃力を受け止める。なお、この受衝板14の受衝面積としては、後述するオイルダンパー17の最大反力を考慮して、船舶11に損傷を与えない適宜の大きさとされる。
【0013】
また、軸部材15は、ここでは鋼管からなっており、その表面にはニッケル−クロムめっき等の防錆処理が施されている。この軸部材15は、前記したようにその前端に防舷材13を連結するためのフランジ15aを設ける一方で、その後端にオイルダンパー17を連結するための端板15b(図1)を設けている。また、この軸部材15を進退動可能に支持する上記支持ブロック16は、図5に示すように、軸部材15を挿通させる挿通孔16aを有すると共に、この挿通孔16a内に軸部材15を摺動案内するブッシュ29を嵌合保持している。
【0014】
上記オイルダンパー17は、図6によく示されるように、端板31,32により前後端が閉じられた外筒33と、この外筒33内に配設され、前記端板31,32により両端部が支持された内筒(シリンダ)34と、内筒34に摺動可能に内装されたピストン35と、ピストン35から前端側の端板31を挿通して内筒34の外方へ延出され、その延出端を前記軸部材15の後端の端板15bに連結させた中空のピストンロッド36とを備えている。このオイルダンパー17は、外筒33の下部に設けた支持脚37を介して前記架台18′上に載置固定され、この固定状態で、その後端側の端板32を岸壁10の凹部10a内の後壁10bに設けた受圧板38に当接させて、軸方向に強固に位置固定されている(図1)。
【0015】
上記内筒34の壁には、複数のオリフィス(減衰力発生機構)39と比較的大きな口径を有する連通孔40とが穿設されている。オリフィス39は、内筒34の軸方向の長い領域に所定のピッチで設けられ、一方、連通孔40は内筒34の先端側(端板31側)に偏位して設けられている。内筒34内には油液Oが封入されており、この油液Oは、前記オリフィス39と連通孔40とを通じて、内筒34と外筒33との間の室すなわちリザーバ室41に流動するようになっている。この油液Oは、ピストンロッド36が、図示の伸長端に位置決めされた状態において、リザーバ室41の上方側にも回るように十分な量が封入されており、したがって内筒34は、常時油液O内に浸漬された状態となっている。なお、油液Oは、後端側の端板32に設けたポート42を通じて内筒34内に供給されるようになっており、また、前記外筒33には、その内部の液面を検知するための液面計(図示略)が付設されている。さらに、ピストンロッド36はダストブーツ43により覆われている。
【0016】
このようなオイルダンパー17においては、いまピストンロッド36が伸長端から短縮動作すると、ピストン35の前方の油液Oが多数のオリフィス39を通過してリザーバ室41へ流出して大きな減衰力が発生し、この間、連通孔40を通じてリザーバ室41からピストンロッド36の周りに油液Oが補給される。しかして、オリフィス39は、前記したように内筒34の軸方向に配列して複数設けられているので、オリフィス39で発生する減衰力は、ピストンロッド36の短縮動作に応じてすなわちピストンストロークに応じて、始めは柔らかく、後半は固くなり、この結果、ピストンロッド36から軸部材15側に伝達される反力は、ピストンストロークによらず低レベルで平均化される。
【0017】
一方、外筒33の上部にはリザーバ室41に開口するポート44が設けられており、このポート44にはエア給排装置(ガス給排手段)45が配管接続されている。このエア給排装置45は、圧縮エアを発生するエア源46と、エア源46で発生した圧縮エアを貯えるアキュムレータ47と、リザーバ室41側の管路を大気側とアキュムレータ47側とに切換える切換弁48と、油空分離装置49とを備えている。切換弁48は、常時はリザーバ室41側の管路を大気に開放するようになっており、したがって、上記したピストンロッド36の短縮動作時には、リザーバ室41は大気に開放され、この結果、ピストンロッド36が短縮してこれに若干の負荷がかかっている状態では、該ピストンロッド36が短縮状態を維持するようになる。一方、この状態から切換弁48をアキュムレータ47側へ切換えると、アキュムレータ47内に貯えられていた圧縮エアがリザーバ室41へ供給され、これに応じて、リザーバ室41内の油液Oがオリフィス39を通じて内筒34内に流動し、この結果、ピストンロッド36が伸長動作してオイルダンパー17が元の状態に復帰するようになる。
【0018】
以下、上記のように構成した防衝接岸装置の作用を説明する。
本防衝接岸装置は、常時はオイルダンパー17のピストンロッド36が伸長端に位置決めされ、軸部材15が岸壁10から海側へ大きく突出した状態となっている。この状態のもと、岸壁10に接岸すべく、船舶11が受衝板14に衝突すると、その衝撃力でサークル型防舷材13が弾性変形し、衝突エネルギーが一次的に吸収される。そして、この防舷材13の変形後は、前記衝撃力が軸部材15を介してオイルダンパー17のピストンロッド36に伝達され、ピストンロッド36が短縮動作して、衝突エネルギーが大きく吸収される。この時、ピストンロッド36から軸部材15を介して船舶11に反力が伝達されるが、前記したようにこの反力は、ピストントロークに応じて低レベルで平均化されているので、船舶11に作用する衝撃は著しく小さいものとなる。また、この時、オイルダンパー17のリザーバ室41が大気に開放されているので、ピストンロッド36は、短縮端に達した後は、そのまま短縮状態を維持し、これにより船舶11も岸壁10に近接した状態を維持する。その後、船舶11は岸壁10に係留されるが、この係留により、ピストンロッド36に負荷がかかり、この結果、リザーバ室41の油液Oが重力で内筒34内に戻るようなこともなく、船舶11はその停船位置を安定的に維持し、したがって効率よくかつ安全に荷役作業を行うことができるようになる。
【0019】
一方、船舶11が接岸している間に、適宜エア源46を作動させてアキュムレータ47に圧縮エアを貯えておき、船舶11が岸壁10から離れるのにタイミングを合せて切換弁48を切換える。すると、アキュムレータ47内に貯えられていた圧縮エアがリザーバ室41へ供給され、これに応じて、ピストンロッド36が速やかに伸長動作して軸部材15すなわち受衝板14が元の状態に復帰する。そして、この復帰後は、切換弁48を大気側へ切換え、オイルダンパー17のリザーバ室41を大気に開放するが、受圧面積差によりピストン35の前面にはより大きな重力(油液重量)が作用しているので、ピストンロッド36は伸長状態を維持する。
【0020】
ここで、船舶11が係留されている状態では、エア給排手段45によりリザーバ室41に適宜の圧縮エアを供給するようにしてもよく、この場合は、船体11の動揺にオイルダンパー17が追従し、波浪による船体動揺を抑制することも可能になる。
また、上記オイルダンパー17のピストンロッド36は、前記したように負荷がかかっていない状態では、ピストン35の受圧面積差により自然的に伸長動作するので、船舶11の接岸サイクルの長い場合は、前記エア給排手段45を作動させることなく、リザーバ室41を常に大気に開放する状態としてもよい。
【0021】
なお、上記実施の形態においては、オイルダンパー17の減衰力発生機構としてオリフィス39を用いるようにしたが、この減衰力発生機構の形式は任意であり、例えば内筒34の底部側(端板32側)に減衰力発生機構を内蔵するベースバルブを配設して、該ベースバルブを介して内筒(シリンダ)34内とリザーバ室41との間で油液を流動させるようにしてもよい。
また、上記実施の形態においては、リザーバ室41にエア給排装置45から圧縮エアを供給するようにしたが、本発明は、このエア給排装置45に代えて、ガス(例えば、窒素ガス等)を給排するガス給排手段を設けるようにしてもよいものである。また、上記実施の形態においては、オイルダンパー17のリザーバ室41を内筒(シリンダ)34の周りに設ける構成としたが、設置スペース上の制限のない場合は、シリンダを延長してその底部側に直列にリザーバ室を設けるようにしてもよい。この場合は、該リザーバ室内にフリーピストンを配置してその前方をガス室(エア室)として区画して、このガス室に加圧ガス(圧縮エア)を給排できるようにし、ピストンロッドに連結されるピストンに縮み側で減衰力を発生する減衰力発生機構を設けるようにする。
【0022】
さらに、上記実施の形態においては、受衝板14をサークル型防舷材13を介して軸部材15に取付けるようにしたが、このサークル型防舷材13は、受衝板14の任意の方向の揺動を許容する他の部材、例えばボールジョイントに代えてもよいものである。
また、この受衝板14は、これを円形(円盤形)として揺動可能にかつ回動可能に軸部材15に取付けるようにしてもよく、この場合は、船舶11が前進または後退しながら受衝板に衝突しても、該受衝板が船舶11の動きに追従して回転し、結果として受衝板にかかる負荷が軽減される。
【0023】
【実施例】
受衝板14として対辺距離1450mmの大きさのものを、サークル型防舷材13として最大吸収エネルギー1.59×9800ジュール(J),最大反力18.9×9800ニュートン(N)の性能を有するものを、軸部材15として呼び径350A,長さ2400mmの圧力配管用炭素鋼管(STPG 410)を素材とするものを、オイルダンパー12として最大吸収エネルギー 5.0×9800J,最大反力 5.0×9800N,ピストンストローク1.0 mの設計仕様のものをそれぞれ用いて防衝接岸装置を構成し、その二台を、後述の船舶11の船首側と船尾側とに対応させて、前出図1に示した態様で岸壁10の凹部10a内に据付けた。
一方、図7に示すような諸元を有する船舶11を用意し、これをほぼ平行に岸壁10に誘導して、接岸速度25〜26cm/secの条件で船舶11の側面を上記防衝接岸装置の受衝板14に衝突させ、オイルダンパー17の反力特性を求めた。なお、実測によれば、船尾側の方が船首側よりも1秒程度速く受衝板14に接触していた。また、同じ船舶11を接岸速度44cm/secの条件で同じ防衝接岸装置の受衝板14に衝突させ、船舶11に加わる衝撃加速度を測定した。
【0024】
図8は、オイルダンパー17の反力特性を示したものである。これより、反力は、船首側Fと船尾側Rとで若干の相違があるものの、衝突により急激に立上がった後は、ピストンストロークの増大に応じて緩やかな低下傾向で推移し、反力が平均化していることが明らかである。また、最大反力は、船首側Fが約 4.8×9800N、船尾側が約 5.9×9800Nで、極めて小さいことが確認できた。因みに、既存の空気式防舷材の最大反力は22×9800N程度となっており、本発明のオイルダンパー17の最大反力は、この従来の空気式防舷材の約1/4 となっている。
図9は、船舶11に加わる衝撃加速度を示したものである。これより、船舶11に加わる最大衝撃加速度Gは、Y方向(左右方向)で0.09G程度と非常に小さく、実際の乗船による体感においてもほとんど衝撃を感じないことが確認できた。
【0025】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明に係る防衝接岸装置によれば、オイルダンパーによって衝突エネルギーを吸収した後は、オイルダンパーのピストンロッドを短縮状態に維持して船舶と岸壁との距離を最小限に縮めることができるので、船舶の安全かつ速やかな接岸を可能にするばかりか、荷役作業性の向上にも大きく寄与し、その利用価値は大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防衝接岸装置の一つの実施の形態を示す側面図である。
【図2】本防衝接岸装置で用いる受衝板および防舷材の構造と両者の結合構造を一部断面として示す側面図である。
【図3】図2のA部拡大図であり、サークル型防舷材の構造を示す断面図である。
【図4】本防衝接岸装置で用いる受衝板および防舷材の構造と両者の結合構造を一部開放として示す正面図である。
【図5】本発明で用いる軸部材の支持ブロックを示す正面図である。
【図6】本防衝接岸装置で用いるオイルダンパーの構造を示す断面図である。
【図7】本発明の実施例で用いた船舶の諸元を示す図表である。
【図8】実施例における衝突実験結果としての、オイルダンパーの反力特性を示すグラフである。
【図9】実施例における衝突実験結果としての、船舶に加わる衝撃加速度の経時変化を示すグラフである。
【図10】従来の防衝接岸装置の構造を示す側面図である。
【符号の説明】
10 岸壁
11 船舶
12 オイルダンパー
13 サークル型防舷材
14 受衝板
15 軸部材
16 支持ブロック(支持手段)
17 オイルダンパー
33 外筒
34 内筒(シリンダ)
35 ピストン
36 ピストンロッド
39 オリフィス(減衰力発生機構)
40 連通路
41 リザーバ室
45 エア給排装置(ガス給排手段)
Claims (4)
- 先端に受衝板を揺動可能に取付けた軸部材と、岸壁に設置され、前記軸部材を岸壁の壁面の法線方向へ進退動可能に支持する支持手段と、前記岸壁に前記軸部材と同軸に設置され、前記受衝板に船舶が衝突した際の衝撃力を前記軸部材を介してピストンロッドに受け、該ピストンロッドを短縮動作させて衝突エネルギーを吸収すると共に、該ピストンロッドを短縮状態に維持するオイルダンパーとを備え、
該オイルダンパーは、ピストンロッドに連結されたピストンを摺動可能に内装するシリンダの周りにリザーバ室を備えると共に、該リザーバ室と前記シリンダ内とを連通する連通路内に減衰力発生機構を設けており、
前記リザーバ室にガスを給排するガス給排手段を、別途設置したことを特徴とする防衝接岸装置。 - 受衝板を、サークル型防舷材を介して軸部材に取付けたことを特徴とする請求項1に記載の防衝接岸装置。
- 支持手段およびオイルダンパーを岸壁の内部に納めたことを特徴とする請求項1または2に記載の防衝接岸装置。
- 減衰力発生機構がオリフィスからなり、該オリフィスがシリンダの壁に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の防衝接岸装置。
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