JP4238237B2 - 楽譜表示方法および楽譜表示プログラム - Google Patents
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Description
また、近年、インターネットの普及により、イメージとされた電子楽譜をオンラインで提供してネットワークを介して音楽教習を行うサービスが提案されている。このようなサービスにおいて、楽曲の再生とともに楽譜画像が表示されるようなコンテンツを、動画としてストリーム配信にて提供することが考えられる。この場合、楽譜は読譜しやすいように音符の配置や小節幅が調節されていることが望ましいが、音符の配置や小節幅が調節されている楽譜において再生マークを表示させるためには、上述したように常時大量の演算処理が必要になる。すると、ネットワーク経由でストリーム配信される動画データを再生する際、データの送受信や他の描画制御が優先されるため、再生マークの移動表示のための演算処理に十分な余裕がなくなり、再生マークの表示位置が全く更新されなかったり、現在の演奏位置ではない位置に再生マークが表示されることになって、不適切な表示がなされるおそれがあるという問題点が生じるようになる。
図1には、表示部に表示されている楽譜画像1を示している。この楽譜画像1は、楽曲データに対応して予め用意された楽譜画像データを表示部に表示したものであり、楽譜画像データはビットマップ等の画像データとされている。図示する例では楽譜画像1は五線譜の楽譜とされており、図1に示されている楽譜画像1は1ページ分の楽譜であり、この例では2小節で1ページが構成されている。このことから、1曲分の楽曲データに対応する楽譜画像は複数のページから構成されるようになり、楽譜画像の各ページは五線の縦方向の位置と左端の位置が揃うように予め作成されて、各ページとも縦横のサイズが揃うようにされている。楽譜画像1の下には、楽曲データの再生に合わせて順次移動していく演奏位置マーク2が表示される。この演奏位置マーク2は予め算出された飛び飛びの表示位置3上を移動するように表示される。表示位置3は、楽譜画像1における各小節幅をビート数で等分して小節毎の所定の基準位置を基準として算出された複数の表示位置とされる。
上記したように、本発明の楽譜表示方法において表示位置3を算出するにあたっては、基準位置情報とビート数から少ない演算量で求めることができると共に、表示位置3に表示するタイミングも各基準位置の再生時刻情報とビート数から少ない演算量で求めることができるようになる。
1曲分のデータは楽曲情報と、楽曲データと、楽譜画像データと、表示制御データとから構成されている。楽曲情報には、少なくともページ毎に何小節(M:小節数)であるかの情報と、何拍子であるか(ビート数)の情報が含まれており、楽曲データはMIDIファイル(SMF:Standard MIDI File )やMP3等の音声ファイルとされる。楽譜画像データは演奏位置マーク2を除く図1に示すような楽譜画像1のビットマップ等のイメージデータとされる。表示制御データは、演奏位置マーク2と楽譜画像のページ切替のための情報とされる。楽譜画像データは予め用意された楽譜の画像データであり、図示するように1曲分の楽譜画像データは1ページ目、2ページ目、・・・、nページ目の複数の楽譜画像から構成されており、各ページは例えば図1に示すように2小節で1ページが構成されている。演奏位置マーク2と楽譜画像のページ切替のための情報(表示制御データ)は、表示された楽譜画像における基準位置を表示座標で示す基準位置情報(x)と、楽曲データを再生した際の基準位置に到達する再生時刻情報(t)とが対となった情報列とされる。すなわち、図3に示すように表示制御データは、(t0,x0)、(t1,x1)、(t2,x2)・・・・(tm,xm)とされる。表示制御データの数は1ページあたりの小節数をMとした際に、M+1とされる。また、再生時刻情報t0,t1,t2,・・・・,tmは演奏開始からの絶対時間(楽曲データが音声の場合)でも良いし、相対時間(楽曲データがMIDIの場合には、MIDIタイミングクロック数)でも良い。
「再生ボタン」の操作に応答して表示制御処理がスタートされ、ステップS10にてnページ目の楽譜画像が表示される。スタート直後においてはnは1とされて1ページ目の楽譜画像が表示部に表示される。次いで、ステップS11にて小節幅を表示制御データにおける基準位置情報から取得して、拍毎の演奏位置マーク2のマーク表示位置を計算する。この場合、演奏位置マーク2を表示する拍毎の表示位置は下記の演算式で算出する。
m拍目の表示位置=(基準位置)+(小節幅)*(m−1)/ビート数
m拍目の表示タイミング=(基準位置の時刻)+(小節間の時間)*(m−1)/ビート数
ステップS11およびステップS12にて演奏位置マーク2のマーク表示位置およびマーク表示タイミングが算出されると、ステップS13にて小節の終端に達するまで計算したマーク表示位置およびマーク表示タイミングで演奏位置マークを移動させて表示させていく。すなわち、算出した拍毎の表示タイミング(再生時刻)で演奏位置マーク2の表示位置を切り替えるように描画処理を行い、この処理を小節の終端に達するまで行う。ステップS13の処理が終了すると、ステップS14に進んでそのページに次の小節があるか否かが判定される。ここで、次の小節があると判定された場合は分岐してステップS11へ戻りステップS11ないしステップS13の処理が繰り返し行われて上記した次の小節における演奏位置マーク2の表示制御が行われる。
なお、小節の演奏時間である小節間の時間を、テンポとビート数により求めるようにしても良い。また、楽曲データがMIDIファイルとされている場合は小節の演奏時間である小節間の時間を、MIDIデータにおける1小節分のデュレーションデータを加算することにより求めるようにしても良い。
図5に示す電子音楽装置5において、CPU(Central Processing Unit)10は電子音楽装置5の全体の動作を制御すると共に、楽譜表示プログラム等の動作ソフトウェアを実行している。ROM(Read Only Memory)11には、CPU10が実行する楽譜表示プログラム等の動作ソフトウェアが少なくとも格納されており、RAM(Random Access Memory)12には、CPU10のワークエリアや各種データの記憶エリアが設定されている。このROM11をフラッシュメモリ等の書き換え可能なROMとすることで、動作ソフトウェアを書き換え可能となり動作ソフトウェアのバージョンアップを容易に行うことができる。また、ROM11に楽曲情報と、楽曲データと、楽譜画像データと、表示制御データからなるデータセットを複数曲分格納しておくことができる。
上記説明においては、基準位置を各小節の先頭拍に相当する位置としたが、各小節を区分する小節線の表示位置を基準位置としてもよい。この場合、基準位置x0、x1、x2は、それぞれ第1小節の先頭の小節線位置、第1小節末端(第2小節先頭)の小節線位置、第2小節末端の小節線位置に対応する。小節線の表示位置を基準位置とした場合、例えば、m拍日の表示位置を下記の演算式で算出する。
小節幅=末端の小節線の位置−先頭の小節線の位置
m拍日の表示位置=(基準位置:小節線の位置)+(小節幅)*(2m−1)/(2*ビート数)
すなわち、m拍日に対応する演奏マークは、小節線を基準とした小節幅を、ビート数で等分した領域の中心に表示される。小節線の表示位置を基準位置とする場合、上記に限らず、演奏位置マークは小節を拍数で等分した領域内であれば、各領域の先頭や末端等どの位置に表示してもよい。また、小節毎あるいは楽曲毎に所定のオフセット幅を規定し、算出した表示位置を該オフセット幅で微調整するようにしても良い。
また、楽譜画像では五線譜を複数段表示するようにしてもよく、複数段表示する際は縦方向に複数ページの画像ファイルを並列して表示するようにする。また、五線譜を複数段表示する場合、2段目以降は楽譜画像の表示開始位置をオフセットとして演奏位置マーク2を表示するためのy座標に加算するようにすればよい。
Claims (2)
- 楽曲データと、楽曲データに対応する楽譜画像データと、楽譜画像の基準位置情報と当該基準位置に到達する再生時刻情報を記録した記録手段を備える電子音楽装置における楽譜表示方法であって、
前記記録手段に記録されているいずれかの楽曲データを再生するステップと、
再生される楽曲データに対応する楽譜画像データに基づいて楽譜画像を表示部に表示するステップと、
前記表示部で表示されている楽譜画像の小節毎に小節幅を前記基準位置情報に基づいて算出し、算出した小節幅を前記楽曲データのビート数で等分して小節内の各拍に対応した複数の表示位置を算出するステップと、
小節毎に小節の演奏時間を前記再生時刻情報に基づいて算出し、算出した演奏時間を前記楽曲データのビート数で等分して小節の演奏時刻を基準とした複数の表示タイミングを算出するステップと、
前記表示された楽譜画像上に、前記算出した表示位置および表示タイミングにて前記楽曲データの再生に合わせて演奏位置の表示を行うステップと、
を具備する楽譜表示方法。 - 楽曲データと、楽曲データに対応する楽譜画像データと、楽譜画像の基準位置情報と当該基準位置に到達する再生時刻情報を記録した記録手段を備えるコンピュータを、
前記記録手段に記録されているいずれかの楽曲データを再生する再生手段、
前記再生手段で再生される楽曲データに対応する楽譜画像データに基づいて楽譜画像を表示部に表示させる表示手段、
前記表示部に表示されている楽譜画像の小節毎に小節幅を前記基準位置情報に基づいて算出し、算出した小節幅を前記楽曲データのビート数で等分して小節内の各拍に対応した複数の表示位置を算出する表示位置算出手段、
小節毎に小節の演奏時間を前記再生時刻情報に基づいて算出し、算出した演奏時間を前記楽曲データのビート数で等分して小節の演奏時刻を基準とした複数の表示タイミングを算出する表示タイミング算出手段、
前記表示された楽譜画像上に、前記算出した表示位置および表示タイミングにて前記楽曲データの再生に合わせて演奏位置の表示を行う演奏位置表示手段、
として機能させるようにしたことを特徴とする楽譜表示プログラム。
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