JP4237859B2 - Focal plane shutter for camera - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影に際して、先羽根群と後羽根群とを同一方向へ順次作動させ、その二つの羽根群のスリット形成羽根によって形成されたスリットにより、露光を行うようにしたカメラ用のフォーカルプレンシャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近のフォーカルプレンシャッタにおける各羽根群の基本的な構成は、露光開口の一方の側方位置において地板に枢着されている二つのアームと、それらのアームの長さ方向に順に取り付けられた複数枚の羽根とによって、平行四辺形のリンク機構としての一つの形態が得られるように構成されている。また、二つのアームに対する各羽根の取付け方は、二つのアームに形成されている孔を、羽根に形成された二つの孔に合わせておき、そこに、リベット部材である連結軸をアーム側から挿入し、かしめ加工によって、その挿入端を羽根に固着し、各アームと各羽根が相互に動き得るようにしている。そして、二つのアームは、地板に取り付けられている駆動部材が回転されたとき、その回転方向に対応した方向ヘ回転し、複数枚の羽根を重畳状態にさせたり、展開状態にさせたりするようになっている。
【0003】
ところで、このような構成において、駆動部材と羽根群とを好適に連結させるためには、駆動部材の回転軸と一方のアームの回転軸とを同心的に配置し、駆動部材とそのアームとを、それらの回転軸から所定の長さ位置で連結させるようにするのが理想的である。しかしながら、二つのアームのうち、駆動部材と連結するアームを、他方の羽根群のアーム側に配置されたアームにした場合には、先羽根群の駆動部材と後羽根群の駆動部材とが接近し過ぎてしまい、両方の駆動部材を、略同一面上で回転させるようにして配置することが不可能になってしまう。そのため、駆動部材と連結させるアームは、他方の羽根群に隣接していない方のアームにする必要がある。従って、従来の製品は、殆どがそのように構成されていて、その連結構成としては、駆動部材に設けられている駆動ピンを、アームに形成された孔に嵌合させるようにしているのが一般的である。
【0004】
しかしながら、上記したように、各羽根群は、アームと羽根とが相互に動き得るようにして取り付けられており、しかも、取付部が沢山設けられているため、作動中に極めて大きなガタツキを生じ、アームや羽根が撓んだり捩れたりするなどの異常現象(以下、あばれ現象という)が発生してしまう。そして、特に、二つのアームの最先端側に取り付けられたスリット形成羽根の場合には、アームに対する取付部の公差が大きいと、羽根の先端部の揺れ(取付部を中心にした作動方向の前後への動き)が大きくなって、露光作動の途中においては、適正なスリットを安定的に形成することができなくなってしまい、また、露光作動の終了段階においては、大きくバウンドしたり、取付部が破壊される要因となってしまう。そのため、他の羽根の取付部における公差についても勿論であるが、とりわけスリット形成羽根の取付部については、公差を厳密に設定する必要があった。
【0005】
ところが、そのように公差を厳しくすることと併せて採用すると、上記した羽根の揺れを更に良好に抑制することの可能な構成が知られている。即ち、通常のフォーカルプレンシャッタにおいては、各羽根は、夫々、二つのアームに取り付けられていて、その二つの取付部が、羽根の作動方向に略沿うようにして、所定の間隔で配列されているため、その間隔を広げてやれば、上記の揺れは抑制されることになる。しかし、そのようにする場合でも、他の羽根群に隣接している方のアームの枢着位置を移動させるわけにはいかないから、駆動部材に連結した方のアームの枢着位置を移動させることになるが、その結果として、駆動部材の回転軸とアームの回転軸の位置がずれてしまうことになる。そこで、そのようになっても、駆動部材とアームの連結を好適に行えるようにした構成ということで、特開平9−281549号公報には、種々の具体的な構成が開示されている。
【0006】
しかしながら、上記の公報に記載された理由からではなくても、連結されるべき駆動部材の回転軸とアームの回転軸とを、ずらして構成しなければならない場合がある。周知のように、先羽根群の駆動部材と後羽根群の駆動部材とを取り付ける地板上には、それらの駆動部材をセットする部材や、それらの駆動部材の露光作動の開始を制御する電磁石を始めとして、多くの部材が直接的又は間接的に取り付けられていて、それらが、作動上、相互に関連するようにして配置されている。そのため、シャッタ全体のレイアウト上、どうしても、駆動部材の回転軸を、連結されるべきアームの回転軸と、もう一方のアームの回転軸との間へ、ずらさなければならない場合が生じてくる。また、そのようなことは、単にシャッタユニットの設計上からだけではなく、カメラ全体の設計上から要求されることも多い。
【0007】
そして、そのような要求に応じるための構成としては、上記の公報の図7及び図8に記載された態様が、製作上、一番好ましい。即ち、駆動部材と連結されるアームには、そのアームの一番枢着部側に、連結部材と称されているリンク部材の一端が回転可能に取り付けられており、駆動部材の駆動ピンを、その連結部材の他端に形成された孔に嵌合させるようにした構成である。本発明は、そのような構成をしたフォーカルプレンシャッタの改良に関するものである。従って、以下の説明においては、上記の公報の図7及び図8に記載されている態様の構成を、従来例と称して説明することにする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近のフォーカルプレンシャッタは、極限状態と思われるほど小型化されていて、各羽根群の羽根も4〜5枚で構成されているのが普通である。そのため、二つのアームの枢着部の間隔は、可成り小さくなっている。従って、例えば、上記の公報に記載された理由で、各羽根に対する二つのアームの取付部の間隔(即ち,二つのアームの枢着部の間隔)を広げる場合でも、その程度は必要最小限に制約されることになる。そのため、上記したような従来例の構成を採用した場合には、設計・製作上は、連結板が、二つのアームと異なる平面上に配置されているにもかかわらず、上記したあばれ現象によって、作動状態において、連結板を取り付けていない方のアームに衝突し、露光制御に悪影響を及ぼしたり、破壊の原因となってしまうことがある。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、地板に枢着されている二つのアームに複数枚の羽根を取り付けて羽根群を構成しており、その一方のアームに連結板を回転可能に取り付け、それらの二つのアームの間において、その連結板を駆動部材に連結させるように構成しても、あばれ現象によって、連結板が、他方のアームに衝突しないようにした小型化に適するカメラ用フォーカルプレンシャッタを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、先羽根群と後羽根群の少なくとも一方が、露光開口の一方の側方位置で地板に枢着された二つのアームと、それらのアームに対して長さ方向に順に取り付けられた複数枚の羽根とで構成されていて、該羽根群の駆動部材が、前記二つのアームの枢着部間において前記地板に回転可能に取り付けられており、前記二つのアームの一方には、前記地板に対する枢着部と複数枚の羽根の取付部との間において、連結板が、その自由端部を他方のアームに常に接触し得るようにして取り付けられており、前記連結板は、前記一方のアームに対する取付部と前記自由端部との間において、前記駆動部材に連結されているようにする。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、前記連結板が、前記一方のアームの、前記複数枚の羽根を取り付けていない方の面に取り付けられているようにすると、シャッタの小型化にとって、より好ましい構成となる。
更に、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、前記複数枚の羽根が、スリット形成羽根と少なくとも1枚の被い羽根からなっていて、1枚の被い羽根は、前記二つのアームへの取付けを、少なくともそのアームに枢支されている補助アームを介して行なわれているようにすると、一層の小型化に有利な構成となる。
その場合、前記1枚の被い羽根と前記補助アームは、前記補助アームが前記二つのアームの少なくとも一方に枢支されている位置から、前記側方位置の方向であって且つスリット形成羽根のスリット形成縁の方向へ、全体として略斜めに延伸させた張出部を形成しており、前記1枚の被い羽根と前記補助アームとの取付部は、それらの張出部が、該スリット形成縁を越えたところに設けられているようにすると、安定した作動が得られるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図1〜図3に示した実施例によって説明する。これらの図面は、何れもカメラに組み込まれた状態において被写体側から視た平面図であって、図1は露光作動を開始する直前の状態を示したものである。また、図2は露光作動の途中の状態を示したものであり、図3は露光作動の終了直後の状態を示したものである。尚、各図とも、図面を見やすくする必要があるために、他図を参照すれば理解できると考えられる部分については、省略して示すようにしてある。
【0012】
先ず、本実施例の構成を説明する。シャッタ地板1には、その略中央部に長方形を横長にした開口部1aが形成されており、その開口部1aの左側には、円弧状の二つの長孔1b,1cが形成されている。そして、それらの長孔1b,1cの上方端面には、周知の緩衝部材が夫々取り付けられているが、図示すると図面が見にくくなるため省略してある。また、シャッタ地板1の被写体側、即ち表面側には、軸1d,1eが立設されされており、背面側には軸1f,1g,1h,1i,1j,1k,1m,1n,1p,1q,1rが立設されている。
【0013】
シャッタ地板1の背面側には、中間板2が、上記の軸1f,1g,1hに取り付けられており、シャッタ地板1との間に、後述する先羽根群の羽根室を構成している。そして、この中間板2にも、その略中央部に、上記の開口部1aと類似の形状をした開口部2aが形成されている。しかし、その二つの長辺は山形に形成されていて、上辺の山形のピーク位置には、急峻な切込み2bが形成されている。尚、このような中間板2の形状は周知であるため、このような形状をしている理由については、説明を省略する。
【0014】
中間板2の背面側には、補助地板3が、シャッタ地板1の軸1i,1j,1k,1mに取り付けられており、中間板2との間に、後述する後羽根群の羽根室を構成している。そして、その補助地板3にも、その略中央部に、シャッタ地板1の開口部1aと略同一の形状をした開口部3aが形成されている。また、その開口部3aは、上記した二つの開口部1a,2aと重ねて配置されることによって、撮影光の光路域、即ち露光開口を規制するようになっているが、本実施例においては、露光開口が開口部1aのみによって規制されるように構成されているので、後述する作動説明においては、開口部1aを、露光開口と同じものとして説明することにする。
【0015】
また、シャッタ地板1の軸1g,1hには、上記した中間板2のほかに、先羽根用押さえ板4と後羽根用押さえ板5が取り付けられている。これらの押さえ板4,5は、原則的には、図1において開口部1aの右方向の位置、即ち後述する複数枚の羽根の先端部の作動領域に配置されている。そして、先羽根用押さえ板4はシャッタ地板1と中間板2との間に、後羽根用押さえ板5は中間板2と補助地板3との間に配置されている。また、これらの押さえ板4,5の平面形状は同一形状であってもよいが、本実施例においては、開口部1aの上方位置での形状が異なっていて、図1に示すように、先羽根用押さえ板4は、中間板2の切込み2bと重なり、且つ開口部1a側の縁が中間板2の縁と略一致するように形成されている。
【0016】
図2は、図1に示した中間板2,補助地板3,先羽根用押さえ板4,後羽根用押さえ板5を取り除き、且つシャッタ地板1と後述する二つの駆動部材を一点鎖線で示したものである。そのため、先羽根群の構成と後羽根群の構成は、図1よりも図2を参照した方が理解し易くなっている。
【0017】
そこで、先ず、先羽根群の構成について説明する。シャッタ地板1の軸1n,1pには、アーム6,7が枢着されている。また、アーム6の枢着部近傍には、シャッタ地板1側に向けて軸6aが立設されており、そこに連結板8が回転可能に取り付けられている。但し、本発明においては、特にその取付け構成は限定されるものではなく、むしろ、実際に製作する場合には、後述する複数枚の羽根の取付け構成と同様にして、リベット部品である連結軸を、アーム6と連結板8に形成されている孔に、連結板8側から挿入し、かしめ加工によって、その挿入端をアーム6に固定するようにする方が好ましい。また、このようにして取り付けられた連結板8の自由端部8aは、後述の説明からも理解することができるように、如何なる作動位置においても常に他方のアーム7の一部と重っていて、接触し得るようになっている。
【0018】
また、二つのアーム6,7には、それらの枢着部から先端部に向けて、4枚の羽根9,10,11,12が、順に取り付けられている。そして、それらの羽根の重なり関係は、羽根9が一番中間板2側にあり、羽根12が一番シャッタ地板1側、即ちアーム6,7側となっている。また、アーム6,7の一番先端部側に取り付けられている羽根12がスリット形成羽根であって、その下方の端縁がスリット形成縁であり、その他の羽根は、スリット形成羽根12と区別するために、一般には、被い羽根と言われている羽根である。そして、それらの全ての羽根9,10,11,12の先端部、即ち各図における右方向の端部は、中間板2と先羽根用押さえ板4との間で作動するようになっている。尚、図3においては、スリット形成羽根12のみが示されていて、他の羽根9,10,11は図示を省略されている。
【0019】
更に、アーム6,7に対する4枚の羽根9,10,11,12の取付け方は、3枚の羽根9,10,12の場合には従来と同じであるが、羽根11の場合には独特の取付け方をしている。即ち、羽根9,10,12の場合には、周知のように、リベット部品である二つの連結軸を、アーム6,7と各羽根9,10,12に形成された孔に、アーム6,7側から挿入し、かしめ加工によって、その挿入端を各羽根9,10,12に固定している。しかし、夫々の連結軸とアーム6,7との間は、回転可能となっている。尚、連結軸の抜け止めさえ行われていれば、連結軸の先端を羽根9,10,12に固定する必要のないことは勿論である。
【0020】
これに対して、羽根11を取り付けるために、特別に補助アーム13が、アーム6,7とスリット形成羽根12との間に配置されていて、左下方に略斜めに延伸した張出部を有している。また、羽根11の取付けに用いられている三つの連結軸は、上記した他の連結軸と同一形状の部品であるが、補助アーム13の取付け構成を詳しく説明するために、それらの連結軸には、特に符号14,15,16を付けてある。
【0021】
そこで、先ず、連結軸14は、アーム6,補助アーム13と羽根11に形成された孔に、アーム6側から挿入し、かしめ加工によって、その挿入端を羽根11に固定している。しかし、連結軸14と、アーム6,補助アーム13との間は、個々に回転可能となっている。尚、連結軸14は羽根11と固定することが好ましいが、上記したように、そのようにすることは必須ではない。
【0022】
また、連結軸15は、アーム7,補助アーム13に形成された孔に、アーム7側から挿入し、かしめ加工によって、その挿入端を補助アーム13に固定されている。しかし、連結軸15とアーム7との間は回転可能になっている。この場合にも、他の手段によって、連結軸15の抜け止めが行われてさえいれば、連結軸15を補助アーム13に固定することは必須ではない。
【0023】
更に、羽根11は、通常の形状とは異なっていて、補助アーム13の張出部と同様にして、図1において左下方に略斜めに延伸した張出部を有している。そして、それらの二つの張出部は、スリット形成羽根12を挟んでいて、スリット形成羽根12のスリット形成縁を越えたところで、それらの先端部を連結軸16によって取り付けられている。また、その取付け方は、連結軸16が、補助アーム13と羽根11に形成された孔に、補助アーム13側から挿入され、その挿入端を、かしめ加工によって羽根11に固定している。そして、本実施例の場合には、そのかしめ加工によって、補助アーム13と羽根11との間をも固定するようにしているが、理論上は、回転可能としても一向に差し支えない。
【0024】
このように、本実施例においては、実公昭57−57367号公報の記載によって知られているように、露光開口の位置、即ち開口部1aの位置を、従来よりもアーム6,7の枢着部方向ヘ移動させ、シャッタ全体の左右方向の寸法を小さくしている。しかし、アーム6,7の長さを短くするわけにはいかないため、露光のためには一番重要であって作動量の一番大きなスリット形成羽根12の場合には、アーム6,7に対する取付け位置から先端部までの長さは短くなっているものの、アーム6,7の枢着部方向の領域は従来よりも長くせざるを得なくなっている。しかし、本実施例によれば、そのようなスリット形成羽根12の、従来より長く形成された領域を、補助アーム13の張出部と、被い羽根11の張出部によって挟むように構成されていていて、後述の作動説明からも分かるように、如何なる状態においても、この構成が維持されるようになっている。
【0025】
次に、後羽根群の構成について説明するが、図2からも分かるように、後羽根群の構成は、上記した先羽根群の構成を裏返えしにしたものであるから、上記した先羽根群の構成説明よりも簡単に説明することにする。従って、説明を省略した事項については、上記の先羽根群の説明に準じるものである。尚、図1においては、図面を見やすくするために、後羽根群の4枚の羽根の形状を、一部省略して示している。
【0026】
シャッタ地板1の軸1q,1rには、アーム17,18が枢着されている。また、アーム17の枢着部近傍には、補助地板3側に向けて軸17aが立設されており、そこに連結板19が枢着されている。そして、その連結板19の自由端部19aは、後述する構成によって、如何なる作動位置においても常に他方のアーム18の一部と重なり、接触し得るようになっている。尚、アーム17に対する連結板19の取付け構成は、このような構成に限定されず、実際には、各羽根の取付け構成に準じた構成にした方が優れていることは、連結板8の取付け構成の場合と同じである。
【0027】
また、これらの二つのアーム17,18には、それらの枢着部から先端部に向けて、4枚の羽根20,21,22,23が、順に取り付けられており、それらの羽根の重なり関係は、羽根20が一番中間板2側にあり、羽根23が一番補助地板3側、即ちアーム17,18側となっている。また、アーム17,18の先端部に取り付けられた羽根23がスリット形成羽根であって、その上端縁がスリット形成縁となっている。従って、他の羽根は被い羽根である。そして、それらの全ての羽根20,21,22,23の先端部は、中間板2と後羽根用押さえ板5との間で作動するようになっている。
【0028】
更に、アーム17,18に対する羽根20,21,23の取付け方は、先羽根群の羽根9,10,12の場合と同様であって、二つの連結軸を、アーム17,18と羽根20,21,23に形成された孔に、アーム17,18側から挿入し、本実施例の場合には、かしめ加工によって、それらの挿入端を羽根20,21,23に固定している。但し、夫々の連結軸とアーム17,18との間は、回転可能となっている。
【0029】
これに対して、羽根22の取付け方は異なっていて、アーム17,18とスリット形成羽根23との間に配置された補助アーム24を介在させている。そして、その羽根22の取付けには三つの連結軸が用いられていて、それらには、特に符号25,26,27を付けてある。先ず、連結軸25は、アーム17,補助アーム24と羽根22に形成された孔に、アーム17側から挿入し、羽根22に固定しているが、連結軸25と、アーム17,補助アーム24との間は、個々に回転可能となっている。また、連結軸26は、アーム18,補助アーム24に形成されている孔にアーム18側から挿入し、アーム18に固定されているが、連結軸26とアーム18との間は回転可能となっている。
【0030】
更に、羽根22には、補助アーム24と同じようにして、左上方に略斜めに延伸した張出部が形成されており、その張出部の先端位置が、補助アーム24の張出部の先端位置に、連結軸27によって取り付けられている。また、その取付け方は、連結軸27が、補助アーム24と羽根22に形成された孔に、補助アーム24側から挿入され、羽根22に固定されるようになっているが、その際、補助アーム24と羽根22との間も固定されるようにしてある。このように、後羽根群の場合にも、スリット形成羽根23は、アーム17,18に対する取付け位置よりもそれらの枢着部側において、補助アーム24と羽根22とによって挟まれるように構成されていている。
【0031】
次に、先羽根群と後羽根群を作動させるための駆動機構について説明するが、図1〜図3には、そのような駆動機構のうち、本実施例の説明に必要な先羽根用駆動部材28と後羽根用駆動部材29のみを示している。また、それらの駆動部材28,29は、上記した各羽根群との位置関係と連結関係を理解できるようにするために示したものである。そのため、特にそれらのことに関係のない部分の形状や構成は省略してある。また、駆動機構を構成してはいるが、図示されていない他の部材や部位については、周知の構成が適用される。
【0032】
図1に示すように、本実施例における先羽根用駆動部材28と後羽根用駆動部材29は、上記したシャッタ地板1の軸1dと軸1eに回転可能に取り付けられている。そして、夫々の駆動ピン28a,29aは、シャッタ地板1に形成された上記の円弧状の長孔1b,1cを貫通し、連結板8,19に形成された孔に嵌合している。そのため、各駆動部材28,29が軸1d,1eで回転されると、アーム6,17は、連結板8,19を介して、各駆動部材28,29と同じ回転方向ヘ回転されるようになっている。そして、露光作動時には、それらの駆動部材28,29は、夫々、図示していない各駆動ばねの付勢力によって、反時計方向ヘ回転されるようになっている。
【0033】
ところで、本実施例においては、駆動部材28,29の配置位置が、通常の配置位置とは異なっている。即ち、通常の場合には、駆動部材28,29の回転軸になる軸1d,1eが、アーム6,17の回転軸となる軸1n,1qと同一軸上に配置されている。そのため、駆動ピン28a,29aは、アーム6,17に形成された孔に嵌合されるようになっていて、本実施例のような連結板8,19は設けられていない。
【0034】
しかし、本実施例は、既に説明したように、各駆動部材28,29の回転軸1d,1eの間隔を、どうしても小さくしなくてはならない場合であって、しかも、軸1n,1qの間隔を小さくすることができない場合の構成をしている。何故なら、軸1n,1qの間隔は、予め、可能な限り小型化できるような間隔に設定されているため、これ以上小さくすると、作動中において、アーム6,7同士、及びアーム17,18同士が干渉するようになってしまうからである。従って、やむなく、本実施例のように構成せざるを得なくなっている。
【0035】
次に、本実施例の作動を説明する。図1は露光作動の開始直前の状態、即ち先羽根用駆動部材28と後羽根用駆動部材29が露光作動開始位置にある状態を示している。そのため、先羽根群の羽根9,10,11,12は展開状態となって、開口部1aを覆っており、後羽根群の羽根20,21,22,23は重畳状態となって開口部1aの下方位置に格納されている。駆動部材28,29を、夫々の駆動ばねの付勢力に抗して、この状態に維持するためには、何種類かの構成が知られている。本実施例においては、そのような構成を例示していないが、本発明は、それらの全ての構成に適用できるものである。また、二重遮光方式のシャッタと称されていて、セット状態においては、開口部1aを、先羽根群と後羽根群の両方によって覆っており、後羽根群は露光作動の開始直前になって、図1の状態となるようにしたものにも適用することが可能である。
【0036】
カメラのレリーズボタンが押された後、図1の状態から、先ず、先羽根用駆動部材28が、図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力によって反時計方向へ回転を開始し、所定時間後には、後羽根用駆動部材29が、図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力によって反時計方向ヘの回転を開始する。その際、先羽根用駆動部材28の駆動ピン28aは、連結板8を介してアーム6を反時計方向へ回転させ、また、後羽根用駆動部材29の駆動ピン29aは、連結板19を介してアーム17を反時計方向ヘ回転させる。
【0037】
そのため、先羽根群の4枚の羽根9,10,11,12は、相互の重なりを大きくしつつ上方へ作動し、スリット形成羽根12によって、開口部1aを開いていく。他方、後羽根群の4枚の羽根20,21,22,23は、相互の重なりを小さくしつつ上方へ作動し、スリット形成羽根23が、上記のスリット形成羽根12の後を追うようにして、開口部1aを閉じていく。そして、二つのスリット形成羽根12,23によって形成されるスリットによって、感光面を露光させていくが、そのような作動途中の状態が図2に示されている。また、図2から分かるように、この状態になっても連結板8,19の自由端部8a,19aはアーム7,18との重なり関係を維持している。
【0038】
ところで、このような作動中において、各羽根には、単に、上方へ作動させる力だけではなく、既に説明したような理由によって、薄い羽根を撓ませたりするような複雑な方向ヘの力が作用する。なかでも、スリット形成羽根12,23は、重要な羽根であるにもかかわらず、その影響を一番受け易くなっている。その理由は、他の被い羽根に比較して、作動量が一番大きいことと、両面を他の部材に接触させている面積が少ないからである。そこで、本実施例においては、従来から行われているように、羽根押さえ板4,5を、各羽根の先端部の全作動領域にわたって配置することにより、羽根の撓みを抑制するようにしている。
【0039】
更に、本実施例の場合には、スリット形成羽根12,23に対してだけ、特別な手段が講じられている。即ち、本実施例においては、上記した実公昭57−57367号公報に記載された考案のように、シャッタの小型化を図るために、スリット形成羽根12,23は、夫々二つのアームに取り付けた位置から、それらのアームの枢着部方向の領域を、従来よりも長くせざるを得なくなっている。そのため、それらの領域は、従来よりも格段に撓み易くなっているが、本実施例においては、作動中、常にその領域の一部を、補助アーム13,24と被い羽根11,22によって挟んでいるので、その撓みが抑制されるようになっている。
【0040】
このようにして、先羽根群と後羽根群は露光作動を続けていくが、その後、先羽根群の4枚の羽根9,10,11,12が重畳状態となって、開口部1aの上方位置に格納された段階になると、先羽根用駆動部材28は、その駆動ピン28aが、長孔1bの上端面に取り付けられている図示していない緩衝部材に当接することによって停止する。また、その直後、後羽根群の4枚の羽根20,21,22,23が展開状態となって、開口部1aを完全に覆うようになると、後羽根用駆動部材29も、その駆動ピン29aが、長孔1cの上端面に取り付けられている図示していない緩衝部材に当接することによって停止する。そして、その停止直後の状態が図3に示されている。但し、先羽根群の羽根については、図面を見やすくするために、スリット形成羽根12のみが示されている。
【0041】
ところで、このようにして露光作動が終了するとき、周知のように、先羽根群と後羽根群は、極めて大きな衝撃を受け、激しいあばれ現象を生じる。その際、先羽根群の4枚の羽根9,10,11,12の場合には、重畳状態になっているので、撓み方向への動きは比較的抑制されることになる。そのため、どちらかといえば、停止時のバウンドによって、スリット形成羽根12が一時的に開口部1a内に入ってしまうのを防止できるようにすることの方が重要である。
【0042】
しかしながら、後羽根群の場合には、先羽根群の場合よりも面倒である。即ち、後羽根群の停止時には、4枚の羽根20,21,22,23が展開状態となっていて、相互の重なり量が少なくなっていることと、大部分の平面領域が開口部1a内にあることから、非常に撓み易い状態となっているからである。そのため、停止時のバウンドによって、スリット形成羽根23が一時的に開口部1aの一部を開いてしまうのを防止しなければならないのは勿論のこと、激しいあばれ現象によって各羽根の重なり部から漏光が生じないようにしたり、各羽根の取付け部などが破壊されないようにする必要がある。そこで、従来は、そのようなことに対する対策として、羽根群を構成しているアームや羽根に対し、種々の構成の制動手段や緩衝手段を設けるようにしていた。
【0043】
ところが、既に説明したように、本実施例のスリット形成羽根23は、アーム17,18に対する取付け部から、アーム17,18の枢着部方向の領域が、従来のスリット形成羽根よりも長く形成されていることから、停止時の衝撃による撓み方向ヘの力が、その領域にも大きく作用することになる。しかしながら、その領域に対する直接の制動手段や緩衝手段を、中間板2や補助地板3に設けることは極めて困難である。ところが、本実施例によれば、そのような停止時においても、上記の領域の一部が、補助アーム24と羽根22の張出部によって挟まれているので、撓みにくい状態になっている。従って、シャッタ全体の左右方向の寸法を小さくしたが故に、従来よりもあばれ現象の影響を大きく受けてしまうというようなことがない。
【0044】
次に、本実施例のセット作動を説明する。図3に示した状態において、フィルムの巻き上げが行われると、それに連動して図示していないセット部材が作動され、先羽根用駆動部材28と後羽根用駆動部材29を、所定のタイミングで時計方向へ回転させる。即ち、セット部材は、最初に、先羽根用駆動部材28のみを、図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力に抗して時計方向へ回転させる。それにより、駆動ピン28aが、連結板8を介してアーム6を時計方向へ回転させるので、先羽根群の4枚の羽根9,10,11,12は、相互の重なり量を小さくしながら、スリット形成羽根12を先頭にして、下方へ作動していく。
【0045】
そして、先羽根群のスリット形成羽根12と後羽根群のスリット形成羽根23との重なり量が、所定量に達した段階で、セット部材は、後羽根用駆動部材29を、図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力に抗して時計方向へ回転させる。それによって、駆動ピン29aが、連結板19を介して、アーム17を時計方向へ回転させるので、開口部1aを覆っていた4枚の羽根20,21,22,23は、相互の重なり量を大きくしながら下方へ作動していく。従って、以後は、先羽根群の羽根と後羽根群の羽根は、スリット形成羽根同士の重なり量を所定量に保ちながら、共に下方へ作動していくことになる。そして、その後、先羽根群の羽根9,10,11,12が展開状態となって開口部1aを覆い、後羽根群の羽根20,21,22,23が重畳状態となって開口部1aの下方位置に格納された状態になると、セット部材によるセット作動が終了する。
【0046】
各駆動部材28,29は、その後、次の撮影に際してカメラのレリーズボタンが押されるまで、そのセット状態を維持されることになるが、その維持方法として良く知られているのは係止タイプとダイレクトタイプである。このうち、係止タイプは、最近のように露光作動のタイミングを電気的に制御するようになってきても採用されているが、傾向としては少なくなりつつある。そして、その係止タイプを採用した場合には、各駆動部材28,29は、セット位置においては、係止部材によって係止されていて、レリーズ後に、その係止を解かれることによって、露光作動を開始するようになる。従って、このタイプの場合には、各駆動部材28,29は、セット位置と露光作動開始位置が同じである。
【0047】
もう一つのダイレクトタイプは、最近になって、各駆動部材28,29の露光作動の開始を電気的に制御するようになってきてから生まれた独特の構成である。このタイプを採用した場合における各駆動部材28,29のセット位置は、セット作動後もセット位置に留まっているセット部材によって維持される。そして、カメラのレリーズ直後に、各駆動部材28,29が夫々の電磁石に保持された後、セット部材がセット前位置に復帰するようにし、電磁石の保持力を順に解くことによって露光作動を開始させるようになっている。従って、周知であるために、詳しい構成説明は省略するが、このタイプの場合には、各駆動部材28,29は、セット位置と露光作動開始位置が若干異なっている。
【0048】
更に、上記の二つのタイプの違いに関係なく、それらを変形させたものとして、二重遮光方式と称されているシャッタも存在する。本発明は、そのようなシャッタにも適用できるものであるが、この方式のシャッタは、シャッタのセット状態においては、露光開口が、先羽根群と後羽根群の両方によって覆われており、カメラのレリーズ直後に、後羽根群が露光作動開始位置へ移動されるようにしたものである。しかし、シャッタの駆動機構の形式が、たとえどのようなものであったとしても、露光作動の開始直前には、各駆動部材28,29は、露光作動開始位置に位置していなければならない。従って、いずれの形式であっても、本実施例の場合には、各駆動部材28,29は、露光作動開始直前に、図1に示した状態となる。
【0049】
このようにして、一連の作動は行われるが、上記の説明からも分かるように、本実施例において、アーム6,17に取り付けられている連結板8,19は、図1に示した露光作動の開始直前の状態においても、図2に示した露光作動の途中の状態においても、更には、図3に示した露光作動の終了直後の状態においても、それらの自由端部8a,19aが、アーム7,18と常に重なっているように構成されていて、作動中に、連結板8,19とアーム7,18とが衝突しないようにされている。
【0050】
即ち、既に説明したように、アーム6,7,17,18は、軸1n,1p,1q,1rに枢着されているため、極めて僅かではあるが、公差によって上記の各軸の軸方向ヘも動き得るようになっているし、各軸の軸芯に対して傾き得るようにもなっている。また、アーム6,7,17,18は、比較的薄い材料で細長い形状に形成されているので、それ自体は、撓み易くなっている。また、上記したように、各羽根群が作動するとき、各羽根群には、図面の上下方向ヘの単純な力が作用するだけではなく、垂直方向などヘの複雑な力も作用するようになっている。そのため、アーム6,7,17,18は、そのような複雑な力によって、多かれ少なかれ、撓んだり捩れたりさせられる。
【0051】
このような実情であることから、もし、連結板8,19の長さを、駆動ピン28a,29aとの嵌合部までとし、自由端部8a,19aを形成しないようにした場合には、図2に示した状態から図3に示した状態に至る過程において、アーム7が、連結板8に、駆動ピン28aとの連結部近傍において衝突するという事態が発生してしまう。また、逆に、セット作動においては、アーム18が、連結板19に、駆動ピン29aとの連結部近傍において衝突するという事態が発生する。ところが、本実施例の連結板8,19は、それらの自由端部8a、19aが、駆動ピン28a,29aとの嵌合部から延伸して形成されており、しかも、その自由端部8a,19aが、常にアーム7,18と重なるようにしているので、上記のような衝突は生じない。
【0052】
尚、本実施例においては、連結板8,19が、アーム6,17に対して、羽根を取り付けていない方の面に取り付けられている。その理由は、やはり、シャッタの小型化と無縁のものではない。そのことは、例えば、図1における連結板8と羽根9との関係を見れば理解できる。即ち、本実施例の場合には、連結板8をアーム6の中間板2側の面に取り付けると、図1に示す状態において羽根9と衝突し得る位置関係となってしまう。他方の連結板19の場合には、アーム17の中間板2側の面に取り付けると、図3に示す状態において羽根20と衝突し得る位置関係になってしまう。
【0053】
このような衝突が生じないようにするためには、軸1d,1eから駆動ピン28a,29aまでの寸法を小さくするか、アーム6,7に対する羽根9の取付け位置、及びアーム17,18に対する羽根20の取付け位置を、各アームの先端部方向ヘ移動させる必要がある。しかし、前者の場合には、図面上での配置構成からも容易に予測できるように、上記の寸法をこれ以上小さくすると、各駆動部材28,29のセット力量が極端に大きくなってしまい、実現性に乏しいものとなってしまう。
【0054】
他方、後者の場合には、羽根9,20だけでは済まず、他の羽根を順に移動させる必要があるため、図2における各羽根の左端部の位置関係からも理解できるように、開口部1aの位置を右側に移動せざるを得なくなり、本実施例の場合よりはシャッタを小型化する意味が薄くなってしまう。そこで、本実施例においては、連結板8,19を、アーム6,17の、羽根を取り付けていない面に取り付けるようにしている。しかしながら、本発明は、連結板8,19を、アーム6,17の、羽根を取り付けている面に取り付けることを妨げるものではなく、その場合にも、やはり、連結板8,19から延伸した自由端部8a,19aが、常にアーム7,18に重っているようにすることによって、作動時における衝突を防止することができる。
【0055】
尚、上記の実施例においては、補助アーム13が、連結軸14によってアーム6にも取り付けられているが、これは、補助アーム13を、アーム6とアーム7の両方に取付けることによって、作動中におけるアーム6,7の相対位置関係を維持させ易いようにし、あばれ現象の抑制を効果的にするためであるが、特にそのようにするまでもない場合には、アーム6に取り付けず、アーム7と羽根11に取り付けるだけでも構わない。また、上記の実施例においては、補助アーム13を、アーム6,7とスリット形成羽根12との間に配置しているが、アーム6,7の反対側の面に取り付けても差し支えない。更に、上記の実施例においては、羽根11に張出部を形成しているが、その代わりに、例えば、羽根10に張出部を形成するようにしても差し支えない。そして、これらのことは、先羽根群に限らず、後羽根群の場合にも全く同じことがいえる。
【0056】
また、上記の実施例においては、各羽根の先端部の作動領域に、押さえ板4,5を設けているが、最近では、シャッタ地板1や補助地板3を合成樹脂で製作し、各羽根の先端部の作動領域を肉厚に形成することによって、上記のような押さえ板4,5を必要としないようにした構成も知られている。本発明は、そのような構成のシャッタにも適用できるものである。更に、最近では、複数枚の羽根を枢支した二つのアームを、シャッタ地板ではなく、補助地板に枢着したものも知られているが、本発明は、そのようにしたシャッタにも適用できることは言うまでもない。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、地板に枢着された二つのアームに複数枚の羽根を取り付けて羽根群を構成しており、その一方のアームに連結板を回転可能に取り付け、それらの二つのアームの間において、その連結板を駆動部材に連結させるように構成したフォーカルプレンシャッタにおいて、連結板に、駆動部材との連結部から延伸させた自由端部を形成し、その自由端部を、常に他方のアームに重ねておくようにしたものであるから、あばれ現象によって、連結板が、他方のアームに衝突するようなことがなく、露光制御が適正に行われなかったり、破壊されてしまうようなことが生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】被写体側から視た実施例の平面図であって、露光作動を開始する直前の状態を示したものである。
【図2】被写体側から視た実施例の平面図であって、先羽根群と後羽根群の露光作動中の状態を理解し易いように示したものである。
【図3】図2と同じようにして被写体側から視た平面図であって、主に後羽根群の露光作動終了直後の状態を理解し易いように示したものである。
【符号の説明】
1 シャッタ地板
1a,2a,3a 開口部
1b,1c 長孔
1d,1e,1f,1g,1h,1i,1j,1k,1m,1n,
1p,1q,1r,6a,17a 軸
2 中間板
2b 切込み
3 補助地板
4 先羽根用押さえ板
5 後羽根用押さえ板
6,7,17,18 アーム
8,19 連結板
8a,19a 自由端部
9,10,11,12,20,21,22,23 羽根
13,24 補助アーム
14,15,16,25,26,27 連結軸
28 先羽根用駆動部材
28a,29a 駆動ピン
29 後羽根用駆動部材[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention provides a focal plane for a camera in which a front blade group and a rear blade group are sequentially operated in the same direction at the time of photographing, and exposure is performed by slits formed by slit forming blades of the two blade groups. It relates to a shutter.
[0002]
[Prior art]
The basic configuration of each blade group in a recent focal plane shutter is composed of two arms pivotally attached to the base plate at one side position of the exposure aperture and a plurality of arms sequentially attached in the length direction of the arms. One blade as a parallelogram link mechanism is obtained by the blades. Moreover, the attachment method of each blade | wing with respect to two arms matches the hole formed in two arms with the two holes formed in the blade | wing, and there is a connecting shaft which is a rivet member from the arm side. By inserting and caulking, the insertion end is fixed to the blade so that each arm and each blade can move relative to each other. And when the drive member attached to the main plate is rotated, the two arms rotate in a direction corresponding to the rotation direction so that the plurality of blades are overlapped or unfolded. It has become.
[0003]
By the way, in such a configuration, in order to suitably connect the drive member and the blade group, the rotation shaft of the drive member and the rotation shaft of one arm are arranged concentrically, and the drive member and its arm are arranged. Ideally, they are connected at a predetermined length from their rotational axes. However, when the arm connected to the driving member of the two arms is an arm arranged on the arm side of the other blade group, the driving member of the leading blade group and the driving member of the trailing blade group are close to each other. Thus, it becomes impossible to dispose both drive members so as to rotate on substantially the same plane. Therefore, the arm connected to the drive member needs to be the arm that is not adjacent to the other blade group. Therefore, most of the conventional products are configured as such, and the connecting configuration is such that the drive pin provided on the drive member is fitted in the hole formed in the arm. It is common.
[0004]
However, as described above, each blade group is attached so that the arms and the blades can move relative to each other, and because there are a lot of attachment portions, extremely large rattling occurs during operation, An abnormal phenomenon (hereinafter referred to as a blow-off phenomenon) such as bending or twisting of the arm or blade occurs. In particular, in the case of a slit forming blade attached to the foremost side of the two arms, if the tolerance of the attachment portion with respect to the arm is large, the tip of the blade swings (before and after the operation direction centering on the attachment portion). In the middle of the exposure operation, it becomes impossible to stably form an appropriate slit, and at the end of the exposure operation, the bouncing is large or the mounting portion is It becomes a factor to be destroyed. For this reason, it is needless to say that the tolerances in the attachment portions of other blades are not critical, but in particular, the tolerances must be set strictly for the attachment portions of the slit forming blades.
[0005]
However, when it is adopted in combination with such a tight tolerance, a configuration that can more effectively suppress the above-described blade shake is known. That is, in a normal focal plane shutter, each blade is attached to two arms, and the two attachment portions are arranged at a predetermined interval so as to be substantially along the operation direction of the blade. Therefore, if the interval is widened, the above shaking is suppressed. However, even when doing so, the pivoting position of the arm adjacent to the other blade group cannot be moved, so the pivoting position of the arm connected to the drive member is moved. However, as a result, the rotational axis of the drive member and the rotational axis of the arm are displaced. In view of this, even in such a case, various specific configurations are disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-281549 because the configuration is such that the drive member and the arm can be suitably connected.
[0006]
However, there is a case where the rotational axis of the drive member to be coupled and the rotational axis of the arm have to be shifted from each other for reasons not described in the above publication. As is well known, on the base plate to which the driving member of the leading blade group and the driving member of the trailing blade group are attached, a member for setting these driving members and an electromagnet for controlling the start of the exposure operation of these driving members are provided. As a starting point, many members are attached directly or indirectly and are arranged so that they are operatively related to each other. For this reason, in some cases, the rotation shaft of the drive member must be shifted between the rotation shaft of the arm to be connected and the rotation shaft of the other arm in the layout of the entire shutter. Such a thing is often required not only from the design of the shutter unit but also from the design of the entire camera.
[0007]
And as a structure for responding to such a request | requirement, the aspect described in FIG.7 and FIG.8 of said gazette is the most preferable on manufacture. That is, one end of a link member called a connecting member is rotatably attached to the arm connected to the driving member on the most pivotal portion side of the arm. That Connecting member It is the structure made to fit in the hole formed in the other end. The present invention relates to an improvement of a focal plane shutter having such a configuration. Therefore, in the following description, the configuration of the aspect described in FIGS. 7 and 8 of the above publication will be referred to as a conventional example.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, the recent focal plane shutter is miniaturized so as to be considered as an extreme state, and the blades of each blade group are usually composed of 4 to 5 blades. Therefore, the interval between the pivoting portions of the two arms is considerably small. Therefore, for example, even when the interval between the mounting portions of the two arms with respect to each blade (ie, the interval between the pivoting portions of the two arms) is increased for the reason described in the above publication, the degree is minimized. It will be constrained. Therefore, in the case of adopting the configuration of the conventional example as described above, due to the above-described blow phenomenon, the connecting plate is arranged on a different plane from the two arms in design and production. In the operating state, it may collide with the arm on which the connecting plate is not attached, adversely affecting exposure control, or causing destruction.
[0009]
The present invention has been made to solve such problems, and the object of the present invention is to form a blade group by attaching a plurality of blades to two arms pivotally attached to a main plate. Even if the connecting plate is rotatably attached to one of the arms and the connecting plate is connected to the drive member between the two arms, the connecting plate is It is an object of the present invention to provide a focal plane shutter for a camera suitable for downsizing so as not to collide with an arm of the camera.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a focal plane shutter for a camera according to the present invention comprises two arms in which at least one of a front blade group and a rear blade group is pivotally attached to a base plate at one side position of an exposure opening. And a plurality of blades sequentially attached to the arms in the length direction, and the drive member of the blade group is rotatable on the main plate between the pivotally attached portions of the two arms. The connecting plate can be always in contact with the other arm at one of the two arms between the pivoting portion with respect to the main plate and the mounting portions of the plurality of blades. Is attached as described above, Connecting plate Is connected to the drive member between the attachment portion for the one arm and the free end portion.
In the focal plane shutter for a camera according to the present invention, if the connecting plate is attached to the surface of the one arm on which the plurality of blades are not attached, it is possible to reduce the size of the shutter. This is a more preferable configuration.
Furthermore, in the focal plane shutter for a camera according to the present invention, the plurality of blades include a slit forming blade and at least one covering blade, and the one covering blade is provided to the two arms. If the attachment is performed at least via an auxiliary arm pivotally supported by the arm, the structure is advantageous for further miniaturization.
In that case, the one covering blade and the auxiliary arm are arranged in a direction from the position where the auxiliary arm is pivotally supported by at least one of the two arms to the side position and of the slit forming blade. A projecting portion that extends substantially obliquely in the direction of the slit-forming edge is formed as a whole, and the projecting portion of the one cover blade and the auxiliary arm has the projecting portion that is the slit. If it is provided beyond the formation edge, stable operation can be obtained.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The embodiment of the present invention will be described with reference to the examples shown in FIGS. Each of these drawings is a plan view viewed from the subject side in a state where it is incorporated in a camera, and FIG. 1 shows a state immediately before starting an exposure operation. 2 shows a state in the middle of the exposure operation, and FIG. 3 shows a state immediately after the exposure operation is finished. In each drawing, since it is necessary to make the drawing easy to see, portions that can be understood with reference to other drawings are omitted.
[0012]
First, the configuration of this embodiment will be described. In the
[0013]
An
[0014]
On the back side of the
[0015]
In addition to the above-described
[0016]
2 removes the
[0017]
First, the configuration of the leading blade group will be described.
[0018]
In addition, four
[0019]
Further, the four
[0020]
On the other hand, in order to attach the
[0021]
Therefore, first, the connecting
[0022]
The connecting
[0023]
Further, the
[0024]
Thus, in this embodiment, as is known from the description of Japanese Utility Model Publication No. 57-57367, the position of the exposure opening, that is, the position of the opening 1a is set to be pivotally attached to the
[0025]
Next, the configuration of the rear blade group will be described. As can be seen from FIG. 2, the configuration of the rear blade group is the reverse of the configuration of the front blade group described above. It will be described more simply than the group configuration. Therefore, the items that are not described here are the same as those described above for the front blade group. In FIG. 1, in order to make the drawing easier to see, the shapes of the four blades of the rear blade group are partially omitted.
[0026]
[0027]
In addition, four
[0028]
Further, the attachment of the
[0029]
On the other hand, the attachment method of the
[0030]
Further, the
[0031]
Next, a driving mechanism for operating the leading blade group and the trailing blade group will be described. FIG. 1 to FIG. 3 show the driving for the leading blade necessary for the description of the present embodiment among such driving mechanisms. Only the
[0032]
As shown in FIG. 1, the leading
[0033]
By the way, in this embodiment, the arrangement positions of the
[0034]
However, in the present embodiment, as already described, the interval between the
[0035]
Next, the operation of this embodiment will be described. FIG. 1 shows a state immediately before the start of the exposure operation, that is, a state in which the leading
[0036]
After the release button of the camera is pushed, from the state shown in FIG. 1, first, the leading
[0037]
Therefore, the four
[0038]
By the way, during such an operation, not only the force that operates upward, but also a force in a complex direction that causes the thin blade to bend for the reasons already described. To do. Among them, the
[0039]
Further, in the case of this embodiment, special means are taken only for the
[0040]
In this way, the leading blade group and the trailing blade group continue the exposure operation, but thereafter, the four
[0041]
By the way, when the exposure operation is completed in this way, as is well known, the leading blade group and the trailing blade group are subjected to a very large impact, causing a severe blow-off phenomenon. At that time, in the case of the four
[0042]
However, the rear blade group is more troublesome than the front blade group. That is, when the rear blade group is stopped, the four
[0043]
However, as already described, the
[0044]
Next, the setting operation of this embodiment will be described. In the state shown in FIG. 3, when the film is wound up, a set member (not shown) is operated in conjunction with this, and the leading
[0045]
Then, when the amount of overlap between the
[0046]
After that, each
[0047]
Another direct type is a unique configuration that has been born since the start of the exposure operation of the
[0048]
Furthermore, there is a shutter called a double light-shielding system as a modified version of the above, regardless of the difference between the above two types. The present invention can also be applied to such a shutter. However, in this type of shutter, the exposure opening is covered by both the front blade group and the rear blade group when the shutter is set. Immediately after the release, the rear blade group is moved to the exposure operation start position. However, no matter what type of shutter drive mechanism is used, the
[0049]
In this way, although a series of operations are performed, as can be seen from the above description, in this embodiment, the
[0050]
That is, as already described, the
[0051]
Since it is such a situation, if the length of the connecting
[0052]
In the present embodiment, the connecting
[0053]
In order to prevent such a collision from occurring, the dimensions from the
[0054]
On the other hand, in the latter case, the
[0055]
In the above embodiment, the
[0056]
Further, in the above embodiment, the
[0057]
【The invention's effect】
As described above, the present invention forms a blade group by attaching a plurality of blades to two arms pivotally attached to a main plate, and a connecting plate is rotatably attached to one of the arms. In the focal plane shutter configured to connect the connecting plate to the driving member between the two arms, the connecting plate is formed with a free end extending from the connecting portion with the driving member, and the free end is However, because it is always overlaid on the other arm, the connecting plate does not collide with the other arm due to the blow-off phenomenon, and exposure control is not performed properly or is destroyed. It will not happen.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view of an embodiment viewed from a subject side, and shows a state immediately before starting an exposure operation.
FIG. 2 is a plan view of the embodiment as viewed from the subject side, and shows the state during the exposure operation of the front blade group and the rear blade group for easy understanding.
3 is a plan view viewed from the subject side in the same manner as in FIG. 2 and mainly shows the state immediately after the exposure operation of the rear blade group has been completed for easy understanding. FIG.
[Explanation of symbols]
1 Shutter base plate
1a, 2a, 3a opening
1b, 1c long hole
1d, 1e, 1f, 1g, 1h, 1i, 1j, 1k, 1m, 1n,
1p, 1q, 1r, 6a, 17a axis
2 Intermediate plate
2b cutting
3 Auxiliary ground plane
4 Retaining plate for leading blade
5 Back blade retainer
6, 7, 17, 18 arms
8,19 Connecting plate
8a, 19a Free end
9, 10, 11, 12, 20, 21, 22, 23 blades
13, 24 Auxiliary arm
14, 15, 16, 25, 26, 27 Connecting shaft
28 Lead blade drive member
28a, 29a Drive pin
29 Rear blade drive member
Claims (4)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05568599A JP4237859B2 (en) | 1999-03-03 | 1999-03-03 | Focal plane shutter for camera |
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Publications (2)
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