JP4237007B2 - 歯質強化用組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯質強化組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、齲蝕は以下のメカニズムで発生するとされている。歯の表面を覆っている唾液由来のペリクル上に、ミュータンス連鎖球菌群(ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)やストレプトコッカス・ソブリナス(Streptococcus sobrinus)等)が、歯表面を覆う唾液由来の被膜であるペリクル上へ比較的早期に付着する。次に、これらミュータンス連鎖球菌群が持っているグルコシルトランスフェラーゼが、スクロースを基質として非水溶性のグルカンを生成し、プラーク(歯垢)形成を促進し、その厚みを増していく。その後、上記の菌群を中心にいくつかの菌が、プラーク中で食物由来の砂糖などの糖類を代謝することにより乳酸を主とした有機酸を生成する。そして、この有機酸が、歯の主成分であるハイドロキシアパタイト(リン酸カルシウム結晶の一種)に働きかけ、エナメル質を脱灰し、いわゆる初期の齲蝕状態(表層下脱灰:肉眼的には白濁斑にみえるが、表層は残っており、表層直下のエナメル質のミネラル量が低下している状態)を形成する。
【0003】
唾液中にはカルシウムとリン酸塩が過飽和の状態で存在し、これらが、上記脱灰部分を修復すなわち再石灰化することによって、歯を元の状態に戻す作用を有している。即ち、歯表面では、「脱灰」と「再石灰化」という相反する現象が常に生起し、通常は平衡状態が保たれている。しかし、そのバランスはプラーク中の酸の絶対量の増大によって脱灰の方に傾き、齲蝕が発生、もしくは進行してしまう。
【0004】
歯エナメル質を構成する結晶のほとんどは、六方晶系のハイドロキシアパタイトCa10(PO46(OH)2で、リン酸カルシウムによって構成されている。初期の齲蝕で認められる脱灰は歯牙エナメル質無機成分の溶解であり、再石灰化は溶け残った既存のリン酸カルシウム結晶の修復と再成長とであると考えられている。齲蝕予防とは、ミュータンス連鎖菌群付着阻害、抗菌、グルコシルトランスフェラーゼ阻害、再石灰化促進、耐酸性向上等をいい、その中でも特に再石灰化促進、耐酸性向上等の効果を付与することを歯質強化という。
【0005】
そして従来、齲蝕を予防するために、ミュータンス連鎖菌に対する歯牙付着阻害剤、抗菌剤、または、ミュータンス連鎖菌のグルカン形成を抑制するグルコシルトランスフェラーゼ阻害剤等の組成物が開発されてきた。しかし、化学合成された抗菌剤・殺菌剤はミュータンス連鎖菌のみに抗菌作用を示す特異的な素材ではなく、他の口腔細菌等への作用もあることから、口腔内における細菌バランスを崩す可能性があった。また、グルコシルトランスフェラーゼ阻害剤は、唾液による影響を受けやすく、安定的な効果が得られにくいという問題があった。また、天然由来の抗菌剤やグリコシルトランスフェラーゼ阻害剤には、先に挙げた効果もあり、細菌バランスを崩しにくいという利点や、唾液による影響を受けにくいという利点がある。しかし、歯質強化(例えば再石灰化等)の効果は認められていないのが現状であった。それゆえ最近では、歯質強化を付与した齲蝕予防組成物がいくつか提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【0006】
特許文献1には、歯の無機成分と類似の結晶構造を有するハイドロキシアパタイトとフッ化物とを配合し、歯表層部に吸着したハイドロキシアパタイトを再石灰化することで歯質を強化する齲蝕予防組成物が開示されている。一方、特許文献2には、ハイドロキシアパタイトとキシリトールとを組み合わせて使用することによって、脱灰した歯牙エナメル質を再石灰化して歯質を強化する齲蝕予防組成物が開示されている。なお、これらの齲蝕予防組成物には、いずれも、歯の無機成分と類似の結晶構造を有するハイドロキシアパタイトが含まれている。
【0007】
【特許文献1】
特公平2−31049号公報(第2−5頁)
【0008】
【特許文献2】
特開平9−175963号公報(第2−8頁)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムまたはフッ化第一スズ等のフッ化物を食品等に使用することを禁止する国(例えばベルギー等)が存在することを鑑みると、将来的には我国でも食品等へのフッ化物の使用が禁止される可能性がある。従って、特許文献1に記載の齲蝕予防組成物を国内にて製造、販売等できなくなることも十分に予想される。
【0010】
また、特許文献2に記載の齲蝕予防組成物は、工業的に製造されたハイドロキシアパタイトを含んでいる。しかし、工業的に製造されたハイドロキシアパタイトは、化学的に安定な化合物であるため反応性に乏しく、しかも、厳密には歯を構成するハイドロキシアパタイトとはその結晶構造が異なるため、再石灰化の効果が十分でないと考えられる。また、歯質強化を図るうえでは、歯の再石灰化の促進とともに歯の耐酸性向上が重要なファクターとなるが、ハイドロキシアパタイトとキシリトールとの混合物では耐酸性向上に関する報告例は未だない。
【0011】
なお、食品等への使用を考慮すると天然物由来の組成物を齲蝕予防組成物として用いることが適当であると考えられ、この条件に合うものを探してみると例えば茶抽出物がある。古来より、茶を飲用すると齲蝕が起こりにくくなるという事実が広く知られているからである。そして現在では、茶抽出物中に多く含まれるタンニン(ポリフェノールの一種)の抗菌作用が齲蝕予防にとってプラスに働いているものと考えられている。また、茶抽出物からさらにポリフェノールを抽出し、これを齲蝕予防組成物として用いることも従来提案されている。
【0012】
しかし、単なる茶抽出物では、従来、抗菌やグルコシルトランスフェラーゼ阻害等といった齲蝕予防効果は知られているが、再石灰化促進や耐酸性向上等といった歯質強化効果は全く知られていない。また、タンニンは苦味や渋みを有するため、食品等に応用した場合、タンニン量が多ければ風味や食感を低下させるおそれがある。
【0013】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、口腔用組成物や飲食物に問題なく使用でき、しかも、脱灰した歯エナメル質の再石灰化を効果的に促進するとともに、歯の耐酸性を向上することができる歯質強化組成物を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記の課題を解決すべく本願発明者が鋭意研究を行ったところ、茶抽出物におけるタンニン等のポリフェノール類について着目し、茶抽出物におけるポリフェノール類の量を敢えて変更することを試みた。具体的には、茶抽出物からポリフェノール類をある程度除去する処理(例えば有機溶媒を用いた分画など)を行い、これにより得た組成物(例えば分画により得た水溶性画分など)についての齲蝕予防効果を調査してみた。これまでの技術常識からすると、茶抽出物におけるポリフェノール類の量が少なくなれば齲蝕予防効果も当然損なわれると考えられていたが、その予想に反して齲蝕予防効果は損なわれず、むしろそのなかでも特に歯質を強化させる効果があることを新規に知見した。そこで本願発明者は、その理由として、1)茶抽出物に含まれるポリフェノール類以外の組成物(例えばミネラル等)が歯質強化に少なからず関与しており、2)当該ポリフェノール類以外の組成物に対する阻害要因として働いていたポリフェノール類が低減されたことにより歯質強化効果が際立って現れてきた、という仮説を立てた。本願発明者はこのような仮説に基づいてさらに鋭意研究を行い、最終的に下記の発明を想到するに到ったのである。
【0015】
即ち、請求項1に記載の発明は、濃縮された緑茶抽出物にポリフェノール類低減処理を行い得られる、ポリフェノール類の量を抽出前の茶葉中のレベルの70重量%以下に低減した含ミネラル・ポリフェノール低減茶抽出物を有効成分とし、それに糖アルコール、多糖類及びペプチド類からなる群より選ばれる少なくとも1種を併用してなり、歯の再石灰化を促進する効果及び歯の耐酸性を向上する効果の両方を歯質強化効果として有することを特徴とする歯質強化組成物をその要旨とする
【0016】
そして本発明の歯質強化組成物では、歯質強化にとってプラスに働くミネラルの比率が、ポリフェノール類が低減されている分だけ相対的に高くなっている。ゆえに、これまで阻害要因として働いていたポリフェノール類の低減によって、歯質強化効果が際立って現れるようになる。即ち、脱灰した歯エナメル質の再石灰化が効果的に促進されるとともに、歯の耐酸性が向上する結果、齲蝕が効果的に予防される。しかも、ポリフェノール類の含有量が少ないので、風味・食感の低下といった心配がなく、飲食物への応用範囲が広い。また、フッ化物を積極的に添加しているわけではないので、それを理由として使用が禁止される可能性もない。さらに、本発明の歯質強化用組成物は、それ自体が天然由来のものであるため、使用しても口腔内の細菌バランスを崩さず、飲食物などに問題なく使用できる。加えて、唾液による影響を受けにくく比較的安定した効果を得ることができる。
【0017】
さらに、近年においては、ポリフェノール類の有する種々の機能性に鑑みてポリフェノール類の利用度が高まってきており、茶抽出物からポリフェノール類を抽出した後の成分はいわば副産物(または残渣)として取り扱われ、殆ど有効利用されずにそのまま廃棄されていた。その点、本発明によると、これまで有効利用されずに廃棄されていた成分の有効利用が図られるため、茶抽出物を余すことなく利用できるようになり、経済性の向上及び廃棄物排出量の低減にもつながる。
【0018】
以下、本発明の歯質強化組成物について詳細に説明する。
【0019】
本発明の歯質強化組成物は、歯質強化効果として、再石灰化促進効果及び耐酸性向上効果の両方を有している。再石灰化とは、初期脱灰病変部(表層下脱灰部)にミネラルが再構築される現象のことをいう。これによって、白濁病変の回復、齲蝕進行停止等が可能となる。耐酸性強化とは、食事をすることで口腔内のpHが通常脱灰が開始されるレベルまで一次的に低くなったとしても歯質の脱灰が起きにくくなる現象、または歯質の再石灰化した部分が酸によって侵され難くなる現象等のことをいう。
【0020】
本発明の歯質強化組成物は茶抽出物を有効成分としており、当該茶抽出物はミネラルを含む一方でポリフェノール類を低減させたものである。ここで茶に含まれるポリフェノール類の大部分(90%以上)はタンニンである。例えば、上述のようにポリフェノール類の採取を目的とした場合にあっては、茶抽出物からポリフェノール類を抽出した後の残渣が、まさに「ミネラルを含む一方でポリフェノール類を低減させた茶抽出物」に該当する。なお、ポリフェノール類は特定の有機溶媒に溶解しやすい性質を有しているため、例えば特定の有機溶媒を用いて分画を行ったときには大部分が有機溶媒側(非水溶性画分)に溶解し、水画分には殆ど含まれなくなる。よって、茶抽出物を有機溶媒で分画したときの水画分も、「ミネラルを含む一方でポリフェノール類を低減させた茶抽出物」に該当しうる。前記水画分にはミネラルが最も多く含まれるが、ミネラル以外の水溶性物質(例えば水溶性ビタミン、糖類、アミノ酸など)も若干含まれている。
【0021】
より具体的にいうと、「ミネラルを含む一方でポリフェノール類を低減させた茶抽出物」としては、茶葉または茶葉を粉砕したものを水、熱水、またはグリセリンやエタノール等のアルコールにより抽出した画分が該当し、あるいは、茶葉または茶葉を粉砕したものを水、熱水、またはグリセリンやエタノール等のアルコールにより抽出した画分に酢酸エチルやアセトンを加えて分画したときの水画分が該当する。なお前記画分または前記水画分を乾燥して水分を低減したものや、水分を完全に除去したものも、「ミネラルを含む一方でポリフェノール類を低減させた茶抽出物」の範疇に入る。また、茶は葉のみを利用することのみに限定されず、茎などを利用してもよい。以下、「ミネラルを含む一方でポリフェノール類を低減させた茶抽出物」を、「含ミネラル・ポリフェノール低減茶抽出物」と略して記す。
【0022】
「含ミネラル・ポリフェノール低減茶抽出物」におけるポリフェノール類は、抽出前の茶葉中のレベルの70重量%以下含まれることが好ましい。即ち、ポリフェノール類の含有量が低くなるほど阻害要因が減ることとなり、歯質強化効果が際立って現れるようになるからである。しかも、着色・変色や、食味の低下といった心配も起こりにくくなるからである。ちなみに、「含ミネラル・ポリフェノール低減茶抽出物」における茶ミネラルは、抽出前の茶葉中のレベルの3倍以上含まれることがよく、4倍以上含まれることがさらによく、5倍以上含まれることが最もよい。
【0023】
ミネラルをあまり低減させることなく茶抽出物からポリフェノール類を低減させる有効な手法としては、例えば、上記のような有機溶媒により分画を行う方法があるほか、有機溶媒による分画とポリフェノール類吸着剤の添加とを併せて行う方法がある。特に、ポリフェノール類の低減を2段階で行う後者の方法が望ましく、この場合さらには有機溶媒による分画を最初に行った後、次いでポリフェノール類吸着剤の添加を行うことがより望ましい。これによれば、ポリフェノール類を確実にかつ低コストで低減させることができる。ポリフェノール類吸着剤の例としては、PVPP(ポリビニルポリピロリドン)などを挙げることができる。
【0024】
本発明において用いられる茶の原料は特に限定されず、不発酵茶である緑茶、半発酵茶である烏龍茶、発酵茶である紅茶のいずれであってもよいが、それらの中でも不発酵茶である緑茶を用いることが好適である。その理由は、緑茶抽出物由来のものについて実際に評価試験(後述)を行ったところ、歯質強化に関してよい結果が得られているからである。なお、茶は日常飲用される天然物であるため、これを抽出して得た物質であれば人体に用いても何ら問題はない。
【0025】
本発明において「含ミネラル・ポリフェノール低減茶抽出物」とは、茶に由来するミネラル(以下単に「茶ミネラル」とする。)を含むもののことを指し、具体的には、カリウム、カルシウム、リン、ナトリウム、マンガン、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛からなる群より選ばれる1種または2種以上の物質を含むもののことをいう。上記「含ミネラル・ポリフェノール低減茶抽出物」の含量は、特に限定するものではないが、使用する茶抽出物中に10重量%以上、特には20重量%以上含有されていることが好ましい。「含ミネラル・ポリフェノール低減茶抽出物」の総含量は、原子吸光法にて測定することが望ましい。なお、「含ミネラル・ポリフェノール低減茶抽出物」中におけるカルシウムやリンは、歯の構成材料であるため、これらが含まれていることが再石灰化の促進に一部貢献しているものと予想される。
【0026】
本発明における「含ミネラル・ポリフェノール低減茶抽出物」は、それだけを口腔用組成物または飲食物に使用しても、歯エナメル質の再石灰化を十分に促進し、また、それにより歯の耐酸性を向上することができる。しかし、「含ミネラル・ポリフェノール低減茶抽出物」にさらに糖アルコール、多糖類及びペプチド類からなる群より選ばれる少なくとも1種を併用することにより、再石灰化がより効果的に促進されるとともに、歯の耐酸性をよりいっそう向上させることができる。この場合、「含ミネラル・ポリフェノール低減茶抽出物」に糖アルコールも多糖類もペプチドも併用することが特に好ましい。その理由は、実際に評価試験(後述)を行ったところ、歯質強化に関して非常によい結果が得られているからである。
【0027】
本発明における糖アルコールとしては、特に限定するものではないが、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、アラビトール、エリスリトール、ラクチトール、マルチトールまたはパラチニット等を挙げることができるが、特にキシリトールが好適である。キシリトールは単独で使用したときでも歯質強化効果を奏するため、これを「含ミネラル・ポリフェノール低減茶抽出物」と併用すれば、相乗効果によっていっそう高い歯質強化効果を奏することが可能だからである。
【0028】
本発明における多糖類としては、食品成分中で人の消化酵素で消化できるデンプンやデキストリンだけでなく、セルロース、ヘミセルロース、キチン、キトサンなどのように難消化性多糖類も含む。また、この難消化性多糖類についても水溶性、非水溶性の両方が挙げられる。難消化性多糖類は、野菜、果物、海草等に多く含まれており、その具体例としては、大豆食物繊維、粉末おから、小麦ふすま、またはトウモロコシ、ニンジン、ビート、リンゴ、茶、シイタケ由来のものを挙げることができ、ポリデキストリン、ペクチン、リグニン、カラギーナン、グアガム及びその分解物、CMC(カルボキシメチルセルロース)が好ましい。なお、多糖類が含まれていると、歯牙エナメル質の表面に膜を形成して、これによりミネラルの放出が防止されるものと考えられる。
【0029】
本発明におけるペプチド類としては、特に限定するものではないが、動物由来のものとしては、卵白、卵黄、畜乳、肉エキス、魚粉、カニミール、エビミール、フェザーミール等のペプチドが挙げられ、植物由来のものとしては、大豆、小麦、菜種、綿実、アマニ、サフラワー、ヒマワリ、ゴマ、落花生、ヤシ、カポック、アーモンド、クルミ、茶等から抽出したペプチドが挙げられる。その中でも特に、乳由来のペプチドであるCCP(カゼインカルシウムペプチド:太陽化学株式会社製)や、CCP・ACPが好ましい。
【0030】
「含ミネラル・ポリフェノール低減茶抽出物」に糖アルコール、多糖類及びペプチド類からなる群より選ばれる少なくとも1種を併用する場合、「含ミネラル・ポリフェノール低減茶抽出物」に対する糖アルコール、多糖類及びペプチド類の添加割合は、食品の性状や形態に応じて任意に設定されるが、1/100〜100倍(重量比)が好ましく、1/10倍〜10倍(重量比)がさらに好ましい。本発明にかかる歯質強化組成物の性状は粉末等の固体でも液体でもよく、必要に応じてpH調整剤、色素、香料、界面活性剤、バルキング剤、増粘多糖類などが添加されてもよい。上記歯質強化組成物を含有する口腔用組成物、飲食物についても同様のことがいえる。
【0031】
本発明の歯質強化用組成物を含有する口腔用組成物の好適例としては、例えば、練り歯磨、粉歯磨や液状歯磨き等の歯磨類、洗口剤、歯肉マッサージクリーム、うがい用錠剤、トローチ等が挙げられる。また、本発明の歯質強化用組成物を含有する飲食物の好適例としては、例えば、チューインガム、キャンディ、錠菓、グミゼリー、チョコレート、ビスケットやスナック等の菓子、アイスクリーム、シャーベットや氷菓等の冷菓、飲料、パン、ホットケーキ、乳製品、ハムやソーセージ等の畜肉製品類、カマボコやチクワ等の魚肉製品、惣菜類、プリン、スープ、ジャム等が挙げられる。
【0032】
口腔用組成物または飲食物に対する上記歯質強化組成物の添加量としては、特に限定されず0.0001重量%〜10.0重量%であればよいが、0.01重量%〜10.0重量%であることが好適であり、0.1重量%〜10.0重量%であることが特に好適である。
【0033】
口腔用組成物または飲食物に対して上記歯質強化組成物を添加する方法としては特に限定されず、当該製品の製造過程のいかなる時に添加されてもよい。また、「含ミネラル・ポリフェノール低減茶抽出物」に糖アルコール、食物繊維、多糖類を併用する場合には、これら併用物質を混合してなる歯質強化組成物をあらかじめ作製しておき、これを当該口腔用組成物や飲食物に添加してもよいし、あるいは、併用物質が混合されていない歯質強化組成物を当該口腔用組成物や飲食物に添加し、これとは別に併用物質を添加してもよい。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化したいくつかの実施例及び評価試験例を挙げて説明するが、本発明の範囲がこれらによって限定されるものではない。
≪本発明の歯質強化組成物を具体化した各種実施例の作製≫
【0035】
(実施例1)
水洗後、30Mesh Pass以下にカットした緑茶葉100gに脱イオン水1Lを加え、80℃にて1時間抽出を行った。室温まで冷却後、No.1濾紙にて抽出カスを取り除き、減圧濃縮した(固形分あたりのタンニン量は28.8%)。これを再び水1Lに溶解し、固形分20%とした溶液にPVPPを10g加え、室温にて1時間攪拌し、ろ過工程によりPVPPを除去した後、これを凍結乾燥させ、「含ミネラル・ポリフェノール低減茶抽出物」20g得た。この「含ミネラル・ポリフェノール低減茶抽出物」に含まれるタンニン量は14.8%であった。
【0036】
(実施例2)
水洗後、30Mesh Pass以下にカットした烏龍茶葉100gに脱イオン水1Lを加え、80℃にて1時間抽出を行った。室温まで冷却後、No.1濾紙にて抽出カスを取り除き、減圧濃縮した(固形分あたりのタンニン量は27.8%)。これを再び水1Lに溶解し、固形分20%とした溶液にPVPPを10g加え、室温にて1時間攪拌し、ろ過工程によりPVPPを除去した後、これを凍結乾燥させ「含ミネラル・ポリフェノール低減茶抽出物」16g得た。この「含ミネラル・ポリフェノール低減茶抽出物」に含まれるタンニン量は13.6%であった。
【0037】
(実施例3)
水洗後、30Mesh Pass以下にカットした緑茶葉100gに脱イオン水1Lを加え、80℃にて1時間抽出を行った。室温まで冷却後、No.1濾紙にて抽出カスを取り除き、減圧濃縮した(固形分あたりのタンニン量は29.0%)。そこに酢酸エチルを加えて分配し、水画分を得た。これを再び水1Lに溶解し、60%アルコール溶液を加え、沈殿を得た。これを再び水1Lに溶解し、固形分10%とした溶液にPVPPを10g加え、室温にて1時間攪拌し、ろ過工程によりPVPPを除去した後、これを凍結乾燥させ「含ミネラル・ポリフェノール低減茶抽出物」10g得た。この「含ミネラル・ポリフェノール低減茶抽出物」に含まれるタンニン量は7.8%となった。即ち、ポリフェノール類の低減を2段階で行う本実施例によれば、ポリフェノール類の低減を1段階で行う実施例1,2に比べてタンニン量がさらに少なくなることがわかった。
【0038】
(実施例4)
実施例1にて得た固形状組成物1000重量部と、キシリトール1重量部とをよく混合して、散剤である歯質強化組成物とした。
【0039】
(実施例5)
実施例1にて得た固形状組成物1000重量部と、CMC1重量部とをよく混合して、散剤である歯質強化組成物とした。
【0040】
(実施例6)
実施例1にて得た固形状組成物1000重量部と、CCP1重量部とをよく混合して、散剤である歯質強化組成物とした。
【0041】
(実施例7)
実施例1にて得た固形状組成物1000重量部と、キシリトール、CMC及びCCP各1重量部をよく混合して、散剤である歯質強化組成物とした。
【0042】
(実施例8)
実施例2にて得た固形状組成物1000重量部と、キシリトール1重量部とをよく混合して、散剤である歯質強化組成物とした。
【0043】
(実施例9)
実施例2にて得た固形状組成物1000重量部と、CMC1重量部とをよく混合して、散剤である歯質強化組成物とした。
【0044】
(実施例10)
実施例2にて得た固形状組成物1000重量部と、CCP1重量部とをよく混合して、散剤である歯質強化組成物とした。
【0045】
(実施例11)
【0046】
実施例2にて得た固形状組成物1000重量部と、キシリトール、CMC及びCCP各1重量部をよく混合して、散剤である歯質強化組成物とした。
(実施例12)
【0047】
実施例3にて得た固形状組成物1000重量部と、キシリトール1重量部とをよく混合して、散剤である歯質強化組成物とした。
【0048】
(実施例13)
【0049】
実施例3にて得た固形状組成物1000重量部と、CMC1重量部とをよく混合して、散剤である歯質強化組成物とした。
【0050】
(実施例14)
実施例3にて得た固形状組成物1000重量部と、CCP1重量部とをよく混合して、散剤である歯質強化組成物とした。
【0051】
(実施例15)
実施例3にて得た固形状組成物1000重量部と、キシリトール、CMC及びCCP各1重量部をよく混合して、散剤である歯質強化組成物とした。
【0052】
≪作製された各種実施例の歯質強化組成物を用いた評価試験例≫
【0053】
A.再石灰化効果確認試験
まず、再石灰化促進効果についての確認をした。
健全なウシ歯の前歯唇側面のエナメル質を使用して本実験を行った。まず、一本のウシ前歯から5×3mmのエナメルブロック1対を作製する。これらを、25×25×10mmのアクリル板の上に、エナメル質を上向きにしてスティッキーワックスで固定する。そして、天然砥石を用いて、エナメル質表面から深さ100μm〜200μm削除して、平坦な研磨面が出るようにし、これを再石灰化確認用試料とした。次に、再石灰化確認用試料のエナメル質縁端部にインレーワックスで0.55mmの幅で両側を被覆した。これは、後々脱灰や再石灰化処理後に比較しやすいように、未処理部分を作るためである。次に、これらを人工的に齲蝕を作製する脱灰液中に浸漬する。脱灰液は、カルボキシメチルセルロースと3mM Ca,1.8mM P、そして0.01M乳酸を加えてpH4に調整した。1試料につき20mlの脱灰液の割合で2日間浸漬して、人工的なエナメル質初期齲蝕を作製した。そして、下顎局部義歯様装置を4人の被検査者に協力を求めて、その右側第一大臼歯頬側肉部に試料をレジンで固定した。試料の表面はダグロンガーゼで覆われるようにした。協力者に朝と夕方の2回、1分間、下記の試験溶液中に10分間ずつ2回浸漬してもらった。試験溶液としては以下のものを使用した。
【0054】
・試験溶液1: 実施例1の固形状組成物を0.001重量%含んだ溶液
・試験溶液2: 実施例2の固形状組成物を0.001重量%含んだ溶液
・試験溶液3: 実施例3の固形状組成物を0.001重量%含んだ溶液
・試験溶液4: 実施例4の散剤状混合物を0.001重量%含んだ溶液
・試験溶液5: 実施例5の散剤状混合物を0.001重量%含んだ溶液
・試験溶液6: 実施例6の散剤状混合物を0.001重量%含んだ溶液
・試験溶液7: 実施例7の散剤状混合物を0.001重量%含んだ溶液
・試験溶液8: 実施例8の散剤状混合物を0.001重量%含んだ溶液
・試験溶液9: 実施例9の散剤状混合物を0.001重量%含んだ溶液
・試験溶液10: 実施例10の散剤状混合物を0.001重量%含んだ溶液
・試験溶液11: 実施例11の散剤状混合物を0.001重量%含んだ溶液
・試験溶液12: 実施例12の散剤状混合物を0.001重量%含んだ溶液
・試験溶液13: 実施例13の散剤状混合物を0.001重量%含んだ溶液
・試験溶液14: 実施例14の散剤状混合物を0.001重量%含んだ溶液
・試験溶液15: 実施例15の散剤状混合物を0.001重量%含んだ溶液
・試験溶液16: 実施例1の固形状組成物を溶液にし、樹脂カラム処理をした後に凍結乾燥させた粉末を0.001重量%含んだ溶液
・試験溶液17: 水洗後、30Mesh Pass以下にカットした緑茶葉100gに脱イオン水1Lを加え、80℃にて1時間抽出を行い、これを室温まで冷却後、No.1濾紙にて抽出カスを取り除き、減圧濃縮した。これを0.001重量%含んだ溶液
【0055】
一週間後に試料を義歯様装置から取り出し、ダグロンガーゼを除去して、蒸留水と綿棒とを用いて試料表面の歯垢等を取り除く。そして、試料を乾燥後、両端のワックスを除去し、100μmの研磨切片を作製し、マイクロラジオグラフィーを撮影した。撮影条件は10kV,3mA,照射時間30分間とした。そして、マイクロラジオグラフィーによる結果の再石灰化度を、視覚的に、次の5段階で評価することとした。
・再石灰化度0: エナメル質脱灰層に再石灰化が認められない。
・再石灰化度1: エナメル質脱灰表層で、かすかに再石灰化が認められる。
・再石灰化度2: エナメル質脱灰表層で、比較的強い再石灰化が認められる。または、エナメル質脱灰表層及び深層で再石灰化が認められる。
・再石灰化度3: エナメル質脱灰表層から深層にかけて全体的に再石灰化が認められる。
・再石灰化度4: エナメル質脱灰表層から深層にかけて全体的に強い再石灰化が認められる。
【0056】
以下、上記実験の結果について述べる。
試験用歯エナメル質ブロックに脱灰層を形成させた後、試験溶液16、17を処理した場合には、再石灰化が認められなかった(再石灰化度0)。同じく試験用歯エナメル質ブロックに脱灰層を形成させた後、試験溶液1、2、3を処理した場合には、エナメル質脱灰表層だけでなく、深層にも再石灰化が認められた(再石灰化度2)。同じく試験用歯エナメル質ブロックに脱灰層を形成させた後、試験溶液4、5、6、8、9、10、12、13、14を処理した場合には、エナメル質脱灰表層に強い再石灰化が認められた(再石灰化度3)。同じく試験用歯エナメル質ブロックに脱灰層を形成させた後、試験溶液7、11、15を処理した場合には、エナメル質脱灰表層及び深層の全体に強い再石灰化が認められた(再石灰化度4)。
【0057】
以上の結果から明白なように、「含ミネラル・ポリフェノール低減茶抽出物」を含む本実施形態の組成物には、再石灰化促進効果があることが確認され、しかも、それに糖アルコール、多糖類、ペプチド類を併用することにより、その再石灰化促進効果が顕著に高まることが認められた。
【0058】
B.耐酸性向上効果確認試験
次に、耐酸性向上効果についての確認をした。
健全なウシ歯の前歯唇側面のエナメル質を使用して本実験を行った。まず、一本のウシ前歯から5×3mmのエナメルブロック1対を作製する。これらを、25×25×10mmのアクリル板の上に、エナメル質を上向きにしてスティッキーワックスで固定する。そして、天然砥石を用いて、エナメル質表面から深さ100μm〜200μm削除して、平坦な研磨面が出るようにし、これを耐酸性向上効果確認用試料とした。次に、前記試料のエナメル質縁端部にインレーワックスで0.55mmの幅で両側を被覆した。これは、後々耐酸性処理や脱灰後に比較しやすいように、未処理部分を作るためである。次に、下顎局部義歯様装置を4人の被検査者に協力を求めて、その右側第一大臼歯頬側肉部に試料をレジンで固定した。試料の表面はダグロンガーゼで覆われるようにした。協力者に朝と夕方の2回、1分間下記の試験溶液中に、さらに3%シュークロース中に10分間ずつ2回浸漬してもらった。試験溶液としては以下のものを使用した。
【0059】
・試験溶液1: 実施例1の固形状組成物を0.001重量%含んだ溶液
・試験溶液2: 実施例2の固形状組成物を0.001重量%含んだ溶液
・試験溶液3: 実施例3の固形状組成物を0.001重量%含んだ溶液
・試験溶液4: 実施例7の散剤状混合物を0.001重量%含んだ溶液
・試験溶液5: 実施例11の散剤状混合物を0.001重量%含んだ溶液
・試験溶液6: 実施例15の散剤状混合物を0.001重量%含んだ溶液
・試験溶液7: 実施例1の固形状組成物を溶液にし、樹脂カラム処理をした後に凍結乾燥させた粉末を0.001重量%含んだ溶液
・試験溶液8: 水洗後、30Mesh Pass以下にカットした緑茶葉100gに脱イオン水1Lを加え、80℃にて1時間抽出を行い、室温まで冷却後、No.1濾紙にて抽出カスを取り除き、減圧濃縮した。これを0.001重量%含んだ溶液
【0060】
一週間後に試料を義歯様装置から取り出し、ダグロンガーゼを除去して、蒸留水及び綿棒を用いて試料表面の歯垢等を取り除いた。そして、試料を乾燥後、両端のワックスを除去し、再度試料を人工的に齲蝕を作製する脱灰液中に浸漬する。脱灰液は、カルボキシメチルセルロースと3mM Ca,1.8mM P、そして0.01M乳酸を加えてpH4に調整した。1試料につき20mlの脱灰液の割合で2日間浸漬した。そして、試料を乾燥後、両端のワックスを除去し、100μmの研磨切片を作製し、マイクロラジオグラフィーを撮影した。撮影条件は10kV,3mA,照射時間30分間とした。また、試験溶液1〜8を使用した試料の比較対照として、未処理のエナメルブロックを用いた。
【0061】
また、マイクロラジオグラフィーよる結果の脱灰度を、視覚的に、次の5段階で評価することとした。
・脱灰度0: エナメル質層に脱灰が認められない。
・脱灰度1: エナメル質層にかすかに脱灰が認められる。
・脱灰度2: エナメル質層に比較的強い脱灰が認められる。または、エナメル質脱灰表層及び深層で脱灰が認められる。
・脱灰度3: エナメル質脱灰表層から深層にかけて全体的に脱灰が認められる。
・脱灰度4: エナメル質脱灰表層から深層にかけて全体的に強い脱灰が認められる。
【0062】
試験用歯エナメル質ブロックを試験溶液に浸漬した直後のマイクロラジオグラフィーの結果、脱灰液浸漬後のマイクロラジオグラフィーの結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
Figure 0004237007
【0064】
以上の結果から明白なように、「含ミネラル・ポリフェノール低減茶抽出物」ルを含む本実施形態の組成物には、再石灰化を効果的に促進するばかりでなく、健全な歯よりも耐酸性を強化向上することができる効果があることが確認された。しかもその耐酸性向上効果は、茶ミネラルを含む本実施形態の組成物に糖アルコール、多糖類、ペプチド類を併用することにより、顕著に高まることが認められた。
【0065】
≪本発明の歯質強化組成物を含有する飲食物の具体例≫
【0066】
A.本発明品配合のチュウアブルの作製
本発明の歯質強化組成物を配合したチュウアブルを以下のようにして調製した。
・実施例1の固形状組成物 13.33重量%
・フロストシュガー 71.67重量%
・トレハロース 10.00重量%
・ショ糖脂肪酸エステル 1.00重量%
・香料(高砂香料工業(株)製) 4.00重量%
(合計 100.00重量%)
そして、実施例1の固形状組成物が無添加のものを作製し、これと比較したところ、本発明品配合チュウアブルは、本発明品を配合しないチュウアブルと同等の風味、食感、外観等を有していた。
【0067】
B.本発明品配合のマウスウォッシュの作製
本発明の歯質強化組成物を配合したマウスウォッシュを以下のようにして調製した。
・実施例4の散剤状混合物 0.10重量%
・ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.10重量%
・精製水 65.44重量%
・変性アルコール 18.00重量%
・パラオキシ安息香酸エステル 0.03重量%
・濃グリセリン 4.50重量%
・ソルビット液 4.50重量%
・サッカリンNa 0.03重量%
・マウスウォッシュフレーバー 5.20重量%
・変性アルコール 0.20重量%
・精製水 0.20重量%
・カラメル 0.05重量%
・リン酸二水素Na 0.10重量%
・香料 0.55重量%
(合計 100.00重量%)
そして、実施例4の散剤状混合物が無添加のものを作製し、これと比較したところ、本発明品配合マウスウォッシュは、本発明品を配合しないマウスウォッシュと同等の風味、外観等を有していた。
【0068】
≪付記≫
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施の形態及び各実施例によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
・茶抽出物からポリフェノール類を抽出した後の残渣を有効成分とする歯質強化組成物。
・茶抽出物を有機溶媒で分画したときの水画分を有効成分とする歯質強化組成物。
・ミネラルを含む一方でポリフェノール類を10重量%以下に低減させた茶抽出物を有効成分とすることを特徴とする歯質強化組成物。
・ミネラルを抽出前の茶葉中のレベルの3倍以上含む一方で、ポリフェノール類を抽出前の茶葉中のレベルの70重量%以下に低減させた茶抽出物を有効成分とする歯質強化組成物。
・ミネラル分を強化した茶抽出物を有効成分とすることを特徴とする歯質強化組成物
・前記ペプチドは乳由来のものであることを特徴とする請求項に記載の歯質強化組成物。
・請求項に記載の歯質強化組成物の製造方法であって、茶抽出物から前記ポリフェノールを低減する処理を2段階以上行うことを特徴とする歯質強化組成物の製造方法。
・請求項に記載の歯質強化組成物の製造方法であって、茶抽出物から前記ポリフェノールを低減する処理を2段階行うとともに、その際に最初に有機溶媒による分画を行い、次にポリフェノール類吸着剤の添加を行うことを特徴とする歯質強化組成物の製造方法。
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項に記載の発明によれば、口腔用組成物や飲食物に問題なく使用でき、しかも、脱灰した歯エナメル質の再石灰化を効果的に促進するとともに、歯の耐酸性を向上することができる歯質強化組成物を提供することができる

Claims (1)

  1. 濃縮された緑茶抽出物にポリフェノール類低減処理を行い得られる、ポリフェノール類の量を抽出前の茶葉中のレベルの70重量%以下に低減した含ミネラル・ポリフェノール低減茶抽出物を有効成分とし、それに糖アルコール、多糖類及びペプチド類からなる群より選ばれる少なくとも1種を併用してなり、歯の再石灰化を促進する効果及び歯の耐酸性を向上する効果の両方を歯質強化効果として有することを特徴とする歯質強化組成物
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