JP4235933B2 - Belt tension adjusting device for internal combustion engine - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関のベルト張力調整装置に係り、特に補機を移動してベルトの張力を調整する内燃機関のベルト張力調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両においては、内燃機関の運転状態を良好に維持するために、複数の補機として、例えば、ウォータポンプやオルタネータ等を設けている。
【0003】
つまり、図9に示す如く、車両(図示せず)においては、フロアパネル102によってエンジンルーム104とキャビン106とが区画形成され、エンジンルーム104内には右下側から左上側に傾斜して内燃機関108が配設され、また、キャビン106には座席(シート)110が配設されている。
【0004】
内燃機関108は、シリンダブロック112とシリンダヘッド114とが接合して構成され、これらシリンダブロック112及びシリンダヘッド114の正面側にチェーンカバー116が取り付けられているとともに、シリンダブロック112の下部にオイルパン118が取り付けられている。また、シリンダヘッド114には、一側に吸気マニホルド120が取り付けられているとともに、他側に排気マニホルド122が取り付けられている。更に、吸気マニホルド120の上流側で内燃機関108の上部には、スロットルボディ124が取り付けられている。また、シリンダブロック112の下側の側部位には、オイルフィルタ126が取り付けられている。
【0005】
シリンダブロック112には、正面側の端部位にクランクプーリ128を取り付けたクランク軸130が軸支して設けられている。また、シリンダブロック112の上部位には、一方の補機として、ウォータポンプ132が設けられている。このウォータポンプ132は、シリンダブロック112にポンプ軸134を軸支して設け、このポンプ軸134の正面側の端部位にポンププーリ136を取り付けて構成されている。更に、シリンダブロック112のウォータポンプ132よりも少し右側で且つ斜め上方、つまり、オイルパン118の上方には、他方の補機として、オルタネータ138が設けられている。このオルタネータ138は、オルタネータ軸140の正面側の端部位にオルタネータプーリ142を取り付けて構成されている。クランクプーリ128とポンププーリ136とオルタネータプーリ142とには、補機駆動用のV型のベルト144が巻き掛けて設けられている。
【0006】
オルタネータ138には、オルタネータ軸140を挟んで両側に下側、上側アーム146、148が径方向に突出して設けられている。下側アーム146は、支点穴150を形成し、下側がシリンダブロック112に固定したオルタネータ固定用ブラケット152の上部位に支点用ボルト154で軸支されている。上側アーム148は、板状ブラケット156に支持される。これにより、オルタネータ138は、下側の支点用ボルト154を中心に上側が移動され、つまり、内燃機関108に相対位置調整可能に支持され、且つ、この内燃機関108によってベルト144を介して駆動されるものである。
【0007】
板状ブラケット156は、一側の端部位が内燃機関108のシリンダブロック112に固定されるとともに、他側に円周形状(円弧形状)の調整用長穴158を形成し、他側の端部位がスロットルボディ124に固定されている。
【0008】
オルタネータ138の上側アーム148側においては、板状ブラケット156の円周形状の調整用長穴158に重合する貫通穴160とこの貫通穴160に対して直交するねじ穴162とを形成した可動片(可動ブロック)164が設けられている。また、オルタネータ138の上側アーム148には、貫通穴160と調整用長穴158とに貫通して可動片164を上側アーム148に取り付ける補機固定用ボルト166が設けられている。この補機固定用ボルト166のねじ部は、上側アーム148に形成したアーム側ねじ穴(図示せず)に螺着して取り付けられる。
【0009】
このため、板状ブラケット156においては、図10に示す如く、可動片164を案内する機能を有する調整用長穴158が細長の円周形状(円弧形状)に形成され、一端側にシリンダブロック112への一側固定ボルト(図示せず)を挿通する一側ボルト孔168が形成され、他端側にスロットルボディ124への他側固定ボルト(図示せず)を挿通する他側ボルト孔170が形成され、また、他側ボルト孔170と調整用長穴158との間でブラケット面156Gに対して直交するように折曲形成された支持部172が設けられている。この支持部172は、板状ブラケット156が内燃機関108に取り付けられた状態において、板状ブラケット156の最も高い箇所として頂点となるものである。
【0010】
支持部172には、図12に示す如く、上下方向に指向する長軸A且つ横方向に指向する短軸Bの楕円形状の張力調整用ボルト挿入長穴174が形成されている。そして、この支持部172の張力調整用ボルト挿入長穴174には、張力調整用ボルト176が挿入して設けられる。この張力調整用ボルト176は、可動片164のねじ穴162に螺着されて、この可動片164を調整用長穴158の長手方向に移動させるとともに、調整側締付フランジ176Fが支持部172の略中央部位の当接部位178のボルト座面180に当接して設けられる。
【0011】
また、内燃機関108には、板状ブラケット156の上方に補機カバー182が取り付けられている。
【0012】
このような内燃機関のベルト張力調整装置としては、例えば、実開平2−87156号公報、実開平6−4450号公報、特開平8−312366号公報、実開平3−62254号公報、特開2000−199435号公報に開示されている。実開平2−87156号公報に記載のものは、アジャスタバーの外周側の側縁を折り曲げて補強フランジ部を形成するとともに、アジャスタバーの基端側で補強フランジ部を長穴と略直交するように折曲形成し、この部分に調整ボルトの基端部が貫通するボルト支持部を形成したものである。実開平6−4450号公報に記載のものは、アジャスタボルトと支持部材とを一体化させた状態において、ブラケットに組み付けられるように、ブラケットの基部にアジャスタボルトの頭部が挿通可能な挿通孔を形成し、この挿通孔からアジャスタボルト支持部まで延びるようにアジャスタボルトの径に略等しい幅の溝を形成したものである。特開平8−312366号公報に記載のものは、ブラケットの基端を一本の第1ボルトで機関本体に締結し、ブラケットにおける長溝孔の溝幅寸法を、ブラケットの基端寄り部位が幅狭で先端に向かって徐々に幅広になるように形成し、且つ、長溝孔のうちブラケットの基端寄りの端部の溝幅を、第2ボルトの軸部が嵌合するような寸法に設定したものである。実開平3−62254号公報に記載のものは、長穴を形成した調整板と、取付ボルトで調整板に固定される固定金具と、取付ボルトで調整板に固定される移動金具と、固定金具及び移動金具を連結する引張りボルトとを設けたものである。特開2000−199435号公報に記載のものは、ジェネレータの揺動側端部に連れ合って可動な板状のベルト張力調整フックを設け、このベルト張力調整フックにはジェネレータの回動中心と同一中心を有する円弧状のガイド孔を設け、このガイド孔に係合かるガイド部をジェネレータアームに設けたものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、図9、10に示すようなベルト張力調整装置においては、支点用ボルト154を中心としてオルタネータ138を移動させる構成であり、張力調整用ボルト176を回すことにより、図10に示す如く、オルタネータ138の位置を調整用長穴158に沿って移動させ(破線で示す初期位置から角度θだけ回動した実線で示す最外側位置)、このとき、張力調整用ボルト176が、図10、11のような軌跡をとることから、張力調整用ボルト挿入長穴174を、張力調整用ボルト176が当接面部178のボルト座面180に片当たりするのを防止するために、上下方向に長い長穴形状に形成する必要があった。
【0014】
このため、張力調整用ボルト176の締付フランジ176Fが当接する支持部172の当接面部178のボルト座面180が平面であることから、ベルト張力調整時には、図10、11に示す如く、張力調整用ボルト176の締付フランジ176Fが支持部172のボルト座面180に沿って上下方向に距離Lで移動することから、張力調整用ボルト176と内燃機関108の上方に配設した補機カバー182との隙間Sが減少してしまい、張力調整用ボルト176の頭部側と補機カバー182とが接触してしまうという不都合があった。
【0015】
また、このベルト張力調整時には、支持部172のボルト座面180が、ベルト144の張力を受けるために、強度が必要であり、板状ブラケット156には、図10に示す如く、補強部184を折曲形成する必要があり、板状ブラケット156の製作が面倒になるという不都合があった。
【0016】
一方、図9に示す如く、内燃機関108の組み付け時や内燃機関108の単品の移動時には、板状ブラケット156のフック取付用ボルト186で取り付けたエンジンフック188にチェーンブロック(図示せず)を掛けて作業を実施しているが、エンジンフック188は、別部品としてエンジンパーツに組み付けられるので、部品点数が増加してコストが高くなるとともに、他部品との干渉等の面で、不利になるという不都合があった。
【0017】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述の不都合を除去するために、内燃機関に相対位置調整可能に支持され且つこの内燃機関によってベルトを介して駆動される補機を設け、一側が前記内燃機関に固定されるとともに他側に円周形状の調整用長穴が形成された板状ブラケットを設け、この板状ブラケットの前記調整用長穴に重合する貫通穴とこの貫通穴に対して直交するねじ穴とを形成した可動片を設け、前記貫通穴と前記調整用長穴とに貫通して前記可動片を前記補機に取り付ける補機固定用ボルトを設け、前記板状ブラケットの他側にはブラケット面に対して直交する支持部を折曲形成して設け、前記可動片の前記ねじ穴に螺着されて前記可動片を前記調整用長穴の長手方向に移動させる張力調整用ボルトを前記支持部に設ける内燃機関のベルト張力調整装置において、前記支持部の前記張力調整用ボルトの締付フランジが当接する当接面部を曲面に形成し、前記張力調整用ボルトを挿入させる張力調整用ボルト挿入孔を前記当接面部に形成し、この張力調整用ボルト挿入孔の内径を前記張力調整用ボルトの軸径よりも少し大きく形成し、前記調整用長穴の前記内燃機関から離間する穴端部を前記張力調整用ボルトの軸部位の鉛直方向で上側に延長して形成するとともに、前記調整用長穴の中心線から内周側に中心が偏心した穴部を前記調整用長穴の前記内燃機関から離間する穴端部と一体的に形成したことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
この発明は、補機を駆動するベルトの張力調整時に、張力調整用ボルトが板状ブラケットの支持部の曲面に形成された当接面部に接して回転運動することから、従来のように、張力調整用ボルトが鉛直方向で上下位置に変動することがなくなり、よって、内燃機関の上方の他の部品との隙間を拡大することができ、張力調整用ボルトが内燃機関に取り付けた補機カバー等に接触を防止することができ、また、張力調整用ボルトが接する支持部の当接面部が曲面に形成されているので、支持部全体の強度が高くなり、板状ブラケットに補強部を形成する必要がなくなり、板状ブラケットの製作を容易とすることができる。
【0019】
【実施例】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。図1〜6は、この発明の第1実施例を示すものである。図6において、2は車両(図示せず)のフロアパネル、4はエンジンルーム、6はキャビンである。エンジンルーム4内には、右下側から左上側に傾斜した内燃機関8が配設されている。キャビン6には、座席(シート)10が配設されている。
【0020】
内燃機関8は、シリンダブロック12とシリンダヘッド14とが接合して構成され、このらシリンダブロック12及びシリンダヘッド14の正面側にチェーンカバー16が取り付けられているとともに、シリンダブロック12の下部にオイルパン18が取り付けられている。また、シリンダヘッド14には、一側に吸気マニホルド20が取り付けられているとともに、他側に排気マニホルド22が取り付けられている。更に、吸気マニホルド20の上流側で内燃機関8の上部には、スロットルボディ24が取り付けられている。また、シリンダブロック12の下側の側部位には、オイルフィルタ26が取り付けられている。
【0021】
シリンダブロック12には、正面側の端部位にクランクプーリ28を取り付けたクランク軸30が軸支して設けられている。また、シリンダブロック12の上部位には、一方の補機として、ウォータポンプ32が設けられている。このウォータポンプ32は、シリンダブロック12にポンプ軸34が軸支して設けられ、このポンプ軸34の正面側の端部位にポンププーリ36を取り付けて構成されている。更に。シリンダブロック12のウォータポンプ32よりも少し右側で且つ斜め上方、つまり、オイルパン18の上方には、他方の補機として、オルタネータ38が設けられている。このオルタネータ38は、オルタネータ軸40の正面側の端部位にオルタネータプーリ42を取り付けて構成されている。クランクプーリ28とポンププーリ36とオルタネータプーリ42とには、補機駆動用のV型のベルト44が巻き掛けて設けられている。
【0022】
オルタネータ38には、オルタネータ軸40を挟んで両側に下側、上側アーム46、48が径方向に突出して設けられている。下側アーム46は、支点穴50を形成し、下側がシリンダブロック12に固定したオルタネータ固定用ブラケット52に支点用ボルト54で軸支されている。上側アーム48は、板状ブラケット56に支持される。これにより、オルタネータ38は、下側の支点用ボルト54を中心にして上側が移動され、つまり、内燃機関8に相対位置調整可能に支持され、且つ、この内燃機関8によってベルト44を介して駆動されるものである。
【0023】
板状ブラケット56は、一側の端部位が内燃機関8のシリンダブロック12に固定されるとともに、他側に円周形状(円弧形状)の調整用長穴58を形成し、他側の端部位がスロットルボディ24に固定されている。
【0024】
オルタネータ38の上側アーム48側においては、板状ブラケット56の円周形状の調整用長穴58に重合する貫通穴60とこの貫通穴60に対して直交するねじ穴62とを形成した可動片(可動ブロック)64が設けられている。また、オルタネータ38の上側アーム48には、貫通穴60と調整用長穴58とに貫通して可動片64を上側アーム48に取り付ける補機固定用ボルト66が設けられている。この補機固定用ボルト66のねじ部は、図4に示す如く、上側アーム48に形成したアーム側ねじ部68に螺着して設けられる。
【0025】
このため、板状ブラケット56においては、図1に示す如く、可動片64を案内する機能を有する調整用長穴58が細長の円周形状(円弧形状)に形成され、一端側にシリンダブロック12への一側固定ボルト(図示せず)を挿通する一側ボルト孔70が形成され、他端側にスロットルボディ24への他側固定ボルト(図示せず)を挿通する他側ボルト孔72が形成され、また、他側ボルト孔72と長穴58との間でブラケット面56Gに対して直交するように立ち上がった支持部74が折曲形成して設けられている。この支持部74は、板状ブラケット56が内燃機関8に取り付けられた状態において、板状ブラケット56の最も高い箇所として頂点となるものである。また、板状ブラケット56の中央部位の上側には、取付部76が形成されている。
【0026】
支持部74の略中央部位の当接面部78には、図1、2に示す如く、丸形状の張力調整用ボルト挿入孔80が形成されている。そして、この張力調整用ボルト挿入孔80には、張力調整用ボルト82が挿入して設けられる。この張力調整用ボルト82軸部82Bの外周面に形成したねじ部は、可動片64のねじ穴62に螺着されて、この可動片64を長穴58の長手方向に移動させるとともに、調整側締付フランジ82Fが支持部74の当接面部78のボルト座面84に当接して設けられる。張力調整用ボルト82の締付フランジ82Fが当接する当接面部78は、右側に突出するように丸みRの曲面に形成され、よって、ボルト座面84が右側で斜め上方に突出して湾曲に形成されている。また、支持部74に形成した張力調整用ボルト挿入孔80の内径D1は、張力調整用ボルト82の軸径D2よりも少し大きく形成されている。
【0027】
また、板状ブラケット56においては、調整用長穴58の内燃機関8から離間する穴端部58Aが、張力調整用ボルト82の軸部82Bの鉛直方向(軸方向)で上側に延長して形成されているとともに、調整用長穴58の中心線58Cから内周側に中心Oが偏心した穴部86が、調整用長穴58の内燃機関8から離間する穴端部58Aと一体的に形成されている。また、この穴部86の内径D3は、調整用長穴58の幅Wに比べて少し大きく且つ中心Oが長穴58の中心線58Cよりも内周側に距離Kだけ位置して形成されている。
【0028】
内燃機関8には、板状ブラケット56の上方に、補機カバー88が取り付けられている。
【0029】
次に、この第1実施例の作用を説明する。
【0030】
ベルト44の張力調整時には、補機固定用ボルト66を緩め、そして、張力調整用ボルト82を回すことにより、図3に示す如く、オルタネータ38の位置を調整用長穴58に沿って右側に移動させると(破線で示す初期位置から角度θだけ回動した実線で示す最外側位置)、図5に示す如く、張力調整用ボルト82の締付フランジ82Fが湾曲したボルト座面84上で上側から下側に線接触して移動するとともに、張力調整用ボルト82の軸部82Bが下側から上側に距離αだけ移動し、そして、ベルト44の張力を適正に調整し、補機固定用ボルト66を締め付けて可動片64を介してオルタネータ38を固定する。
【0031】
つまり、この実施例においては、図3に示す如く、オルタネータ38の初期位置では、張力調整用ボルト82の頭部側が折り曲げられた当接面部78の頂点に配設され、そして、ベルト44の張力調整時には、この当接面部78の頂点部分が丸みRの曲面に形成されていることから、図5に示す如く、オルタネータ38の軌跡に対して張力調整用ボルト82の頭部側が、首を振ることができ、よって、張力調整用ボルト挿入孔80を、従来のように楕円ではなく、丸形状に形成しても、張力調整用ボルト82の動きを担保することができ、また、張力調整用ボルト82の締付フランジ82Fが接するボルト座面84の中心を通る線接触となり、締付フランジ82Fがボルト座面84に片当たりするのを防止することができるとともに、張力調整用ボルト82の頭部側が内燃機関8の上方に移動することがないので、他の部品との隙間(クリアランス)の確保が容易となり、他の部品としての補機カバー88等と干渉するのを回避させることができる。
【0032】
また、張力調整用ボルト82が、ベルト張力調整時のみに使用され、ベルト張力調整の終了後は、補機固定用ボルト66で締め付けられるので、当接面部78のボルト座面84が線接触にもかかわらず、強度上の問題も生ずることがなく、また、張力調整用ボルト挿入孔80が円形形状なので、板状ブラケット56のコンパクト化を図ることができ、更に、ボルト座面84が折曲形成されているので、板状ブラケット56としての剛性を容易に出すことができ、補強部を不要として、板状ブラケット56を容易に製作させることができる。
【0033】
また、板状ブラケット56は、調整用長穴58の内燃機関8から離間する穴端部58Aを張力調整用ボルト82の軸部の鉛直方向(軸方向)で上側に延長して形成されるとともに、調整用長穴58の中心線58Cから内周側に距離Kだけ中心Oが偏心した穴部86を調整用長穴58の内燃機関8から離間する穴端部58Aと一体的に形成していることから、調整用長穴58が異形となり、張力調整用ボルト82の締付フランジ82F側で鉛直方向の上方への移動量が減少するので、張力調整用ボルト82の上部の隙間(空間)を利用して内燃機関2をつり上げるフック用の穴部86を調整用長穴58に一体的に形成することができ、板状ブラケット56の形状を大幅に変更しなくても、板状ブラケット56をエンジンフックとして利用することができ、専用のフックを別途に配設する場合に比べて、内燃機関8の上部の空間を拡大することができるとともに、部品点数を低減して廉価とすることができる。
【0034】
図7は、この発明の特別構成であり、第2実施例を示すものである。
【0035】
以下の実施例においては、上述の第1実施例と同一機能を果す箇所には同一符号を付して説明する。
【0036】
この第2実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、張力調整用ボルト82の締付フランジ82Fには、当接面部78に接する球面部92を形成した。
【0037】
この第2実施例の構成によれば、ベルト張力調整で、張力調整用ボルト82を回したときに、締付フランジ82Fの球面部92が当接面部78に線接触して動くことから、張力調整用ボルト82の頭部側が内燃機関8の上方に移動することがなく、他の部品との隙間(クリアランス)の確保を容易にすることができる。
【0038】
図8は、この発明の特別構成であり、第3実施例を示すものである。
【0039】
この第3実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、板状ブラケット56には、可動片64よりも車両の右側に支持部94を固定して設け、この支持部94のねじ孔96には車両の右方で水平方向から張力調整用ボルト82の先端を可動片64の側面64Fに接して水平方向で取り付けた。
【0040】
この第3実施例の構成によれば、ベルト張力調整時に、車両の右方から張力調整用ボルト82を回して水平方向に押進させて可動片64を押圧移動することができるので、張力調整用ボルト82が上下に動くことがなく、他の部品との隙間(クリアランス)の確保を容易にすることができる。
【0041】
【発明の効果】
以上詳細な説明から明らかなようにこの発明によれば、補機を駆動するベルトの張力調整時に、張力調整用ボルトが板状ブラケットの支持部の曲面に形成された当接面部に接して回転運動することから、従来のように、張力調整用ボルトが鉛直方向で上下位置に変動することがなくなり、よって、内燃機関の上方の他の部品との隙間を拡大することができ、張力調整用ボルトが内燃機関に取り付けた補機カバー等に接触を防止することができ、また、張力調整用ボルトが接する支持部の当接面部が曲面に形成されているので、支持部全体の強度が高くなり、板状ブラケットに補強部を形成する必要がなくなり、板状ブラケットの製作を容易とし得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】板状ブラケットの正面図である。
【図2】図1の矢印IIによる板状ブラケットの側面図である。
【図3】図6のベルト張力調整装置の拡大正面図である。
【図4】図3の矢印IVによるベルト張力調整装置の側面図である。
【図5】図3の張力調整用ボルト部位の拡大側面図である。
【図6】車両に搭載した内燃機関の正面図である。
【図7】第2実施例において張力調整用ボルト部位の拡大断面図である。
【図8】第3実施例においてベルト張力調整装置の側面図である。
【図9】従来において車両に搭載した内燃機関の正面図である。
【図10】図9のベルト張力調整装置の拡大正面図である。
【図11】図10の矢印XIによるベルト張力調整装置の側面図である。
【図12】従来において支持部の側面図である。
【符号の説明】
2 フロアパネル
4 エンジンルーム
8 内燃機関
38 オルタネータ
54 支点用ボルト
56 板状ブラケット
58 調整用長穴
64 可動片
66 補機固定用ボルト
74 支持部
78 当接面部
80 張力調整用ボルト挿入孔
82 張力調整用ボルト
84 ボルト座面
86 穴部
88 補機カバー[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a belt tension adjusting device for an internal combustion engine, and more particularly to a belt tension adjusting device for an internal combustion engine that adjusts belt tension by moving an auxiliary machine.
[0002]
[Prior art]
In a vehicle, for example, a water pump and an alternator are provided as a plurality of auxiliary machines in order to maintain the operating state of the internal combustion engine satisfactorily.
[0003]
That is, as shown in FIG. 9, in a vehicle (not shown), the
[0004]
The
[0005]
The
[0006]
The
[0007]
The plate-
[0008]
On the side of the
[0009]
Therefore, in the plate-
[0010]
As shown in FIG. 12, an elliptical tension adjusting bolt insertion
[0011]
In addition, an
[0012]
As such a belt tension adjusting device for an internal combustion engine, for example, Japanese Utility Model Laid-Open No. 2-87156, Japanese Utility Model Laid-Open No. 6-4450, Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-312366, Japanese Utility Model Laid-Open No. 3-62254, Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-2000. -199435. Japanese Utility Model Laid-Open No. 2-87156 discloses that a side flange on the outer peripheral side of the adjuster bar is bent to form a reinforcing flange portion, and that the reinforcing flange portion is substantially orthogonal to the elongated hole on the base end side of the adjuster bar. And a bolt support portion through which the base end portion of the adjustment bolt penetrates is formed in this portion. The one described in Japanese Utility Model Publication No. 6-4450 has an insertion hole through which the head of the adjuster bolt can be inserted at the base of the bracket so that the adjuster bolt and the support member are integrated with each other. A groove having a width substantially equal to the diameter of the adjuster bolt is formed so as to extend from the insertion hole to the adjuster bolt support portion. Japanese Patent Laid-Open No. 8-312366 discloses that the base end of the bracket is fastened to the engine body with a single first bolt, and the groove width dimension of the long groove hole in the bracket is narrower at the portion near the base end of the bracket. The groove width of the end portion near the base end of the bracket of the long groove hole is set to a dimension such that the shaft portion of the second bolt fits. Is. Japanese Utility Model Laid-Open No. 3-62254 discloses an adjustment plate having a long hole, a fixing bracket fixed to the adjustment plate with a mounting bolt, a moving bracket fixed to the adjustment plate with a mounting bolt, and a fixing bracket. And a tension bolt for connecting the movable metal fitting. Japanese Patent Laid-Open No. 2000-199435 provides a plate-like belt tension adjustment hook that is movable along with the swinging end of the generator, and this belt tension adjustment hook is the same as the rotation center of the generator. An arcuate guide hole having a center is provided, and a guide portion that engages with the guide hole is provided in the generator arm.
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the conventional belt tension adjusting device as shown in FIGS. 9 and 10, the
[0014]
For this reason, since the
[0015]
Further, at the time of adjusting the belt tension, the
[0016]
On the other hand, as shown in FIG. 9, when the
[0017]
[Means for Solving the Problems]
Therefore, in order to eliminate the above-described disadvantage, the present invention is provided with an auxiliary machine that is supported by the internal combustion engine so that the relative position can be adjusted and is driven by the internal combustion engine through a belt, and one side is fixed to the internal combustion engine. In addition, a plate-like bracket having a circumferential adjustment elongated hole formed on the other side is provided, a through-hole overlapping with the adjustment elongated hole of the plate-shaped bracket, and a screw hole orthogonal to the through-hole A movable piece is formed, and an auxiliary machine fixing bolt is provided for penetrating the through hole and the adjustment elongated hole to attach the movable piece to the auxiliary machine. The other side of the plate bracket is a bracket surface. A support portion that is bent and formed perpendicular to the screw hole of the movable piece, and a tension adjustment bolt that is screwed into the screw hole of the movable piece to move the movable piece in the longitudinal direction of the adjustment long hole. Belt tension of internal combustion engine provided in In the adjustment device, a contact surface portion with which the tightening flange of the tension adjustment bolt of the support portion abuts is formed in a curved surface, and a tension adjustment bolt insertion hole for inserting the tension adjustment bolt is formed in the contact surface portion. The inner diameter of the tension adjusting bolt insertion hole is formed to be slightly larger than the shaft diameter of the tension adjusting bolt, and the hole end portion of the adjusting elongated hole spaced from the internal combustion engine is the shaft of the tension adjusting bolt. A hole end portion that is formed to extend upward in the vertical direction of the portion, and that has a hole portion whose center is eccentric from the center line of the adjustment elongated hole toward the inner peripheral side, and is spaced from the internal combustion engine of the adjustment elongated hole; It is formed integrally .
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In this invention, when adjusting the tension of the belt that drives the auxiliary machine, the tension adjusting bolt rotates in contact with the abutting surface portion formed on the curved surface of the support portion of the plate bracket. The adjustment bolt does not fluctuate vertically in the vertical direction, so that the gap with other parts above the internal combustion engine can be expanded, and the auxiliary machine cover or the like with the tension adjustment bolt attached to the internal combustion engine. Since the contact surface portion of the support portion with which the tension adjusting bolt contacts is formed in a curved surface, the strength of the entire support portion is increased and a reinforcing portion is formed on the plate bracket. This eliminates the need for easy manufacture of the plate bracket.
[0019]
【Example】
Embodiments of the present invention will be described in detail and specifically with reference to the drawings. 1 to 6 show a first embodiment of the present invention. In FIG. 6, 2 is a floor panel of a vehicle (not shown), 4 is an engine room, and 6 is a cabin. In the
[0020]
The internal combustion engine 8 is configured by joining a
[0021]
The
[0022]
The
[0023]
The plate-
[0024]
On the side of the
[0025]
For this reason, in the plate-
[0026]
As shown in FIGS. 1 and 2, a round tension adjusting
[0027]
Further, in the plate-
[0028]
An
[0029]
Next, the operation of the first embodiment will be described.
[0030]
When adjusting the tension of the
[0031]
In other words, in this embodiment, as shown in FIG. 3, at the initial position of the
[0032]
Further, the
[0033]
Further, the plate-
[0034]
FIG. 7 shows a special configuration of the present invention and shows a second embodiment.
[0035]
In the following embodiments, portions having the same functions as those in the first embodiment will be described with the same reference numerals.
[0036]
The features of the second embodiment are as follows. That is, a
[0037]
According to the configuration of the second embodiment, when the
[0038]
FIG. 8 shows a special configuration of the present invention and shows a third embodiment.
[0039]
The features of the third embodiment are as follows. That is, the plate-
[0040]
According to the configuration of the third embodiment, at the time of adjusting the belt tension, the
[0041]
【The invention's effect】
As is apparent from the above detailed description, according to the present invention, when adjusting the tension of the belt that drives the auxiliary machine, the tension adjusting bolt rotates in contact with the contact surface formed on the curved surface of the support portion of the plate bracket. Because it moves, the tension adjustment bolt does not fluctuate in the vertical position in the vertical direction, so that the gap with other parts above the internal combustion engine can be enlarged, and the tension adjustment bolt The bolt can prevent contact with an auxiliary machine cover or the like attached to the internal combustion engine, and the contact surface portion of the support portion with which the tension adjusting bolt contacts is formed in a curved surface, so that the strength of the entire support portion is high. Thus, it is not necessary to form a reinforcing portion on the plate bracket, and the plate bracket can be easily manufactured.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front view of a plate bracket.
FIG. 2 is a side view of a plate-like bracket taken along arrow II in FIG.
FIG. 3 is an enlarged front view of the belt tension adjusting device of FIG. 6;
4 is a side view of the belt tension adjusting device according to arrow IV in FIG. 3. FIG.
FIG. 5 is an enlarged side view of the tension adjusting bolt portion of FIG. 3;
FIG. 6 is a front view of an internal combustion engine mounted on a vehicle.
FIG. 7 is an enlarged cross-sectional view of a tension adjusting bolt portion in the second embodiment.
FIG. 8 is a side view of a belt tension adjusting device in a third embodiment.
FIG. 9 is a front view of an internal combustion engine mounted on a conventional vehicle.
10 is an enlarged front view of the belt tension adjusting device of FIG. 9;
11 is a side view of the belt tension adjusting device taken along arrow XI in FIG. 10;
FIG. 12 is a side view of a conventional support portion.
[Explanation of symbols]
2
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