JP4234103B2 - インパルス応答を決定する装置及び方法ならびに音声を提供する装置及び方法 - Google Patents

インパルス応答を決定する装置及び方法ならびに音声を提供する装置及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、インパルス応答の決定に関するとともに、インパルス応答が決定された環境における音声の提供に関する。
娯楽電子機器分野では、新しい技術および革新的な製品に対する需要が高まっている。新しいマルチメディア・システムの成功には、最適な機能性または性能を提供することが重要不可欠である。これは、ディジタル技術、特にコンピュータ・テクノロジを利用することによって実現される。この例として、非常に現実に近い音響映像効果を提供するコンピュータ技術の応用があげられる。従来の音声システムでは、自然の環境および仮想の環境における空間音声再生の質に実質的な欠点がある。
長い間、音声信号のマルチチャンネル・スピーカーによる再生方法が知られており、標準化されてきた。通常のすべての技術には、スピーカーの配置位置と観客の位置の両方が転送形式において既に決定しているという欠点がある。観客に対してスピーカーを誤って配置すると、音声品質は大幅に劣化する。最適な音声は、再生空間の小さな範囲、いわゆるスイートスポットにおいてのみ可能である。
音声再生におけるより良好な自然な空間的印象と、より大きなエンクロージャやエンベロープは、新しい技術を利用することによって実現可能である。この技術、いわゆる波面合成(WFS)の原理は、TU Delftにて研究され、80年代後期に最初に発表された(Berkout,A.J.;de Vries,D.;Vogel,P.:Acoustic control by Wave−field Synthesis.JASA 93,1993)。
この方法は、並外れたコンピュータの機能や転送速度を必要とするため、波面合成は、現在まであまり実用化されていない。現在では、マイクロプロセッサ技術および音声符号化の分野における進歩によって、今日、この技術は具体的に応用されるようになる。業務用としての最初の製品は来年発表される。数年のうちには、一般消費者向けの最初の波面合成を利用した製品が市場に出荷されることが予想される。
WFSの基本となる考えは、ヒュイゲンの波の理論の応用に基づく。
すなわち、波によってとらえられる各点は、球状または円状に伝播する基本波の開始点である。
音声技術に応用すると、入力される波面のそれぞれの任意の形状は、互いに隣接して配置された大量のスピーカー(いわゆるスピーカー・アレイ)によって再生可能である。最も簡略化された場合、すなわち単一の再生される音の発生源と、直線状に配置されたスピーカーからなる構成の場合において、各スピーカーの音声信号は、時間遅延および振幅調整が施されて個々のスピーカーの放射状の音場が正確に重なり合うように供給される必要がある。音源がいくつかある場合、各音源の各スピーカーに対する貢献度が個別に算出され、得られた信号が加算される。再生される音源が反響壁を有する室内にある場合、さらなる音源として、反響もまたスピーカー・アレイを介して再生する必要がある。よって、この演算における労力は、音源の数、レコーディング室の反響特性およびスピーカーの数に大きく左右される。
特に、この技術の利点は、再生空間の大部分にわたって自然な空間音声効果が可能なことである。既知の技術に比べて、音源の方向および距離は、非常に高い精度で再現される。ある限られた程度まで、実際のスピーカー・アレイと観客との間に仮想の音源が配置されることも可能である。
波面合成は、特性が既知の環境に対して良好に機能するが、その特性が変化したり、環境の実際の特性に合致しない環境特性に基づいて波面合成が実行された場合に、異常が発生する。
環境特性は、環境のインパルス応答によって表現可能である。
これについて、以下の例に基づいてより詳細に説明する。最初に、スピーカーは、反響が望ましくない壁に対して音声信号を送出する。この簡略化された例では、壁から反響された音声信号が再度スピーカーに届いた時点と、この反響音声信号の振幅とを決定するために、波面合成を用いた空間補償はこの壁の反響をまず決定する必要がある。壁からの反響が望ましくない場合、波面合成により、スピーカーからの元の音声信号に加えて対応する振幅を有する反響信号に対して逆位相の信号を印加することによって、この壁からの反響を解消できる可能性があり、それによって出力補償波が反響波を打ち消し、環境においてこの壁からの反響が解消される。これは、まず環境のインパルス応答を算出し、この環境のインパルス応答に基づいて壁の特性および位置を決定することによって行われる。ここで、壁は、入射波を反響する反響源、すなわち音源として解釈される。
まずこの環境のインパルス応答が計測された後、音声信号に重畳されたスピーカー上に印加される必要のある補償信号が計算される場合、この壁からの反響の相殺が行われ、それによってこの環境下の観客は音響上においてこの壁がまったく存在しないという印象をもつ。
ただし、この室内のインパルス応答が正確に決定されて、補償の過不足が発生しないようにすることが、反響波の最適な補償において重要である。
上演室内では、環境の実際のインパルス応答を計測することがほぼ不可能であるという問題がある。これは、映画館、コンサート・ホール、住宅の居間などの上演室内では、環境が常に変化するためである。すなわち、映画館の上映室内では、ある提供に対して来場する人数を予測できない。波面合成する際に、空の上映室内において最適に算出されたインパルス応答が用いられた場合、インパルス応答の演算において室内に人がいないため、上映時に存在する人の数が減ると、反響音波の補償が過度になることがあり、この点で2つの欠点が出てくる。1つは、壁での反響が最適に補償されなくなることである。もう1つは、過剰な補償のため、波面合成に基づくインパルス応答によって反響波の減衰が最適に感じられなくなるため、音声上の印象全体からの追加の可聴スプリアス信号の減損が起こる。
波面合成の最適な応用は、特別な音響効果などの所望の目的を達成するために、または可聴干渉を発生させないようにするために常に最適に感知される環境によって決まる。
例えば、波面合成は、コンサート・ホールなどに適している。この場合のコンサート・ホールは、反響特性が実際の観客のものに相当するダミーの観客を有する。そこで、対応するインパルス応答が決定され、このインパルス応答は、波面合成に対して、少なくとも空のコンサート・ホール、すなわち観客のいないコンサート・ホールのインパルス応答を用いる場合よりも実際の状況に相当する。
この方法の欠点は、住宅の居間などと同様に、公共の上演の場において、その上演のために何人の観客が来るかを予測することが不可能な点である。したがって、ダミーの観客の数とダミーの観客の位置とが実際の観客の実際の数と位置にほぼ相当する際にのみ、最適な音の印象は実現される。さらに、多数のダミーの観客を有する大劇場またはコンサート・ホールに応用するには、膨大な労力が必要である。
あるいは実際のインパルス応答を決定するには、環境を現実的に表現するために、上演の開始の少し前、すなわち、上演が行われる室内が上演時に実際に存在する観客で既に埋まっている時に、室内のインパルス応答を計測してもよい。ただし、例えば、小休止の後などは、多数の観客が上演時にいない場合があり、実際の状況とは大幅に異なる。
しかしながら、この方法は2つの面において問題である。1つは、室内のインパルス応答の演算には一定の時間が必要な点である。もう1つは、上演開始の直前で、可能であれば観客全員が上演の室内にすでにいる時に、決定が行われなければならない点である。観客の存在は非常に重要であるため、この方法では、計測が完了するまで観客は待機しなければならず、したがって、この方法では、上演の実際の開始が常に遅らされる。この方法が観客の間に知られると、観客の大部分が上演の実際の開始時よりも後に来ることになり、このため実際の目的、すなわち現実的な周辺環境のインパルス応答を検知することがまた実現できなくなる。
さらに、上演が行われる室内におけるインパルス応答の決定において、確実なインパルス応答の決定を実現するためには、音響信号が、室内に供給されなければならず、特に大規模の上演室内においては、これらの音響信号が、膨大なエネルギーを有していなければならないという問題がある。インパルス応答の決定のために、上演の開始前の音響チャープを用いて実験を行ってみると、すなわちスピーカーを介して送出された信号を計測して実験を行ってみると、この方法は特にふさわしいものではないということがわかった。1つには、大音量で送出される音響チャープに対して、多くの観客は不快感を覚えたためである。またスピーカーからのチャープを模倣し始めた観客もおり、それによって音響チャープに対する反応信号の計測ができなくなるという問題が生じた。これは、スピーカーが発するチャープか、人が模倣したチャープを判別できなかったためである。
室内のインパルス応答の決定のための代替の方法は、計測信号として白色スペクトルを有する擬似雑音シーケンスを使用することである。この雑音は観客によって直接模倣されることは不可能であるが、多くの人にとっては不快なことに変わりがない。また、この方法は何度も繰り返し適用されると、上述のように観客が上演開始時に来場しなくなり、不快感を覚える上演室内のインパルス応答の決定が、既に完了したと来場者が確信できる一定の時間後に来場するようになる。
本発明の目的は、インパルス応答を決定する思想とともに、実証されたインパルス応答を用いて正確なインパルス応答を実現し、高い音質を有する上演を実現できる音声を提供する思想を提供することである。
上記の目的は、請求項1によるインパルス応答決定装置、請求項11による音声提供装置、請求項20によるインパルス応答決定方法、請求項21による音声提供方法または請求項22によるコンピュータ・プログラムによって実現される。
本発明は、インパルス応答を決定するテスト信号を音声信号に組み込むことによって、観客にとって不可聴またはほぼ不可聴となり、観客に不快感を与えずに正確なインパルス応答決定が実現可能であるという知見に基づく。ただし、音声信号は依然として観客に聞こえるが、インパルス応答決定が観客に悪影響を及ぼすことはない。したがって、観客はインパルス応答の決定時に環境の外へ出る方法を探そうとはしない。上演室内でのインパルス応答決定を避けようとする来場者はいないため、正確なインパルス応答が得られる。これは、観客に不快感を与えることなくインパルス応答の現実的な決定が行われるためである。
本発明によれば、有色化されたテスト信号を得るために、音声信号の心理音響マスキング閾値を用いて、音声信号に組み込まれるテスト信号は、音声信号に組み込まれる前にスペクトル的に有色化される。その後、この有色化されたテスト信号は、計測信号を得るために、スペクトル的または時間範囲で加算されることによって、音声信号に組み込まれる。その後、この計測信号に対する反応として受信された反応信号は、テスト信号とともに、相互相関に供給され、対応する環境下のこの相互相関に基づいて、一方のスピーカーと他方のマイクとの間で伝送路のインパルス応答を確認できる。
音声信号中にテスト信号を本方法で隠すと、来場者はインパルス応答が決定中であるということも気づかない。従来技術による計測における欠点は本発明の主題においては存在しなくなり、インパルス応答決定時にも観客全員が存在するようになり、それによって対象環境の正確なインパルス環境が得られる。
好適な実施形態において、テスト信号は、白色スペクトルを有する擬似雑音信号であり、したがってインパルス応答決定に特に好適である。さらに、音声信号の心理音響マスキング閾値を用いたスペクトル的な有色化は、容易かつ迅速に実行可能である。
様々な相互に直交する擬似雑音シーケンスを使用すると、いくつかのスピーカーと1つ以上のマイクがある環境において、いくつかの個別のインパルス応答が同時に決定可能である。
あるいは、いくつかの個別のインパルス応答は、順次決定されることも可能である。
本発明の好適な実施形態において、環境のその時点のインパルス応答が、音声の提供中にも決定されることが可能である。この特徴は、音声の提供中に環境のインパルス応答を定期的に決定および追跡する上で特に有効であり、それによって環境の変化の存否にかかわらず、最適な音声が常に得られる。
これは、音声信号の心理音響マスキング閾値を用いたインパルス応答の決定のために、テスト信号がスペクトル的に有色化されているため、観客が全く気づかない、またはわずかしか気づかないという事実によってすべて可能となる。これによって、テスト信号は、マスキング閾値の下に完全に隠されているか、またはマスキング閾値より上の所定量組み込まれる。これは一時的、またはスペクトル的に変化する。これによって訪問者はおそらく干渉を感じる場合があるが、それは既知の方法よりも明らかに小さい干渉である。
本発明の以上および他の目的および特徴は、添付図面を参照した以下の説明により明らかとなるであろう。
図1は、スピーカー10とマイク12とが配置された環境においてインパルス応答を決定する装置のブロック回路図を示すものである。インパルス応答決定の際は、音声信号が使用され、音声信号は音声信号入力装置14に入力される。さらに、テスト信号が使用され、テスト信号はテスト信号入力装置16に入力される。音声信号14の心理音響マスキング閾値の確認のために、既知のいずれかの心理音響モデル18が使用される。心理音響モデル18より計算される心理音響マスキング閾値を使用して、入力装置16で供給されるテスト信号のスペクトル的な有色化20が実行される。これによって、スペクトル的有色化手段20の出力は、スペクトル的に有色化されたテスト信号となり、音声信号入力14へスペクトル的に有色化されたテスト信号を組み込む手段22に入力される。
以下に説明する機能性のために、モデル制御手段24が、様々な計測モードを実行するために組み込むための制御手段22に提供される。組み込み手段22の出力(図1の26で示す)は、スピーカー10に入力される計測信号となる。音声信号に信号を組み込む個々の可能性は、欧州特許EP 0 875 107 B1で開示されている。したがって、スペクトル的に有色化されたテスト信号の音声信号への組み込みは、標本上の加算によって時間領域で行われる。この場合、音声信号と同様に、標本上の加算を実行するために、スペクトル的に有色化されたテスト信号は、時間領域に存在しなければならない。
あるいは、テスト信号もしくは音声信号のある一時的な部分は周波数領域に変換されて、その後、変換された音声信号と変換されたテスト信号との間におけるスペクトル値上で加算を実行するようにしてもよい。その後、これにより周波数領域で発生した計測信号は、時間領域に再度変換されて、計測信号としてスピーカーに入力される必要がある。スピーカー10の前段のディジタル/アナログ変換に関する前処理および後処理の対応する詳細は、図1に示していない。これは、それらが当業者には既知のためである。
スピーカー10に入力された計測信号は、マイク12によって受信されスピーカーによって反応信号として指定される音声信号28に変換される。この反応信号は、反応信号とスペクトル的に有色化された信号あるいはスペクトル的に有色化される前の時点でのテスト信号との相互相関を実行する相互相関手段30に入力される。どの信号が使用されるかによって、またはテスト信号とスペクトル的有色化とによって、相互相関の後も、後処理が行われる。この後処理は後処理手段32によって行われて、スピーカー10とマイク12との間の伝送路のインパルス応答を得る。
本発明の好適な実施形態において、白色スペクトルを有する擬似雑音信号は、テスト信号として用いられる。この場合、様々なスピーカーに、それぞれ互いに異なるほぼ直交の擬似雑音シーケンスに基づく計測信号を供給することによって、様々なインパルス応答を同時に得ることが可能である。さらに、擬似雑音信号は、任意の場所で容易かつ迅速に発生させることができるため、擬似雑音信号の使用は好ましい。例えば、フィードバックシフトレジスタを備え、当業界ではシードとも呼ばれる、ある初期値に基づいて反復可能な擬似雑音シーケンスを発生させる装置を用いた場合である。そのようなシフトレジスタが、各スピーカーと各マイクで使用可能となれば、テスト信号は、スピーカーに関連づけられた装置34からマイクに関連づけられた装置36へ送信される必要はないが、分散的に任意の場所で発生可能である。あるいは、装置34、36を単体として実現することも可能である。この場合、スピーカー10に対する計測信号と、マイク12からの反応信号とは、グラスファイバー・ケーブルなどの有線接続または無線接続を介して装置34および36からなる中央装置に送信されることになる。
本発明は、レコーディング室の自然音響またはサウンド・エンジニアによって設計された人工音響を再生するために多数のスピーカーを用いたマルチ・スピーカー・システムにおいて、特に良好に使用可能である。このため、波面合成モジュールは、文頭で説明したように、モジュールとして用いられる。したがって、レコーディング室での合成音響または自然音響は良好に再生可能である。ただし、再生が行われる室内が、それらの音響の「補償」による影響をあまり大きく受けない場合である。このため、新規に決定された室内インパルス応答を用いた逆フィルタリングを適用することによって、実際に再生が行われる室内の強力な反響を低減するためなどに、例えば、波面合成が用いられる。室内インパルス応答は、室内の人数および/または家具やカーテンなどの物の動きによって影響されるため、この本インパルス応答の決定方法は特に有効である。なぜなら、例えば、実際の上演の前の音楽の演奏中や、さらに実際の上演の間など、いつでも実行可能であり、またテスト信号は観客にとって快適な音声中に「隠される」ためである。
したがって、擬似雑音信号は、スピーカーの1つまたはそれぞれによって再生される音声信号のマスキング閾値にしたがってスペクトル的に有色化された、スピーカー用の音声信号に埋め込まれることが好ましい。
インパルス応答の計測は、各スピーカーに対して異なるPNSシーケンスを用いて同時に全スピーカーに対して実行してもよく、また、いわゆるラウンドロビン方式で順次実行してもよい。前者は時間的なふるまいがより良好であり、後者は、より正確なインパルス応答など、より良好な信号対雑音比を有する。スペクトル的有色化が、心理音響マスキング閾値でどの程度強力に誘導されるかによって、いずれの計測に対しても、観客にはまったくまたはかすかに感じられるほどのものを用いる。観客が来場の目的とする音声の演奏中などの計測においては、テスト信号が、心理音響マスキング閾値より常に下であるようにスペクトル的有色化が、必ず行われることが好ましい。ただし、実際の上演前または映画の前に行われる宣伝などの音楽挿入部分の際は、音声信号に関してより高いエネルギーを有するテスト信号を提供することが可能である。このときは、観客はわずかな干渉を、特に必ずしも否定的に感知しないためである。この場合、テスト信号が平均してより高いエネルギーをもって発せられ、より良好な信号対雑音比を有するようにするため、より迅速に収束する、またはより正確なインパルス応答計測が実現可能である。
以下において、図2に基づいて、複数のスピーカーといくつかのマイクが配置された環境で音声を提供する本装置について説明する。このため、スピーカー/マイク・アレイ40を図2に示す。スピーカー/マイク・アレイ40の前段には、図1で示したインパルス応答決定装置42があり、波面合成モジュール44と接続される。インパルス応答決定の際、この波面合成モジュールは、供給される音声に基づいて、さらにこの環境の音響に対するデフォルトの設定に基づいて、スピーカー・アレイ40中のスピーカーに対して音声信号を算出する。これらの信号は、波面合成モジュールの出力46を介して出力され、破線で示す伝送路48で示すように、スピーカー/マイク・アレイ40に直接入力される。または、インパルス応答決定が行われる場合は、インパルス応答決定手段42に入力される。インパルス応答決定手段42は、音声信号を入力側のライン46を介して受信し、出力側のライン50を介してスピーカー・アレイ40に計測信号を出力する。
反応信号は、マイク・アレイによって取り込まれ、双方向ラインであるライン50を介してインパルス応答決定手段42に再度入力される。これによって、本発明にとって好適な相関処理と、必要に応じて後処理とを行う。その後、環境52の音響に対する波面合成におけるデフォルトの設定は、音声の提供中などに手段42によって算出されたその時点のインパルス応答によって更新されることが可能であり、それによって波面合成モジュールによって用いられた音響設定が、その環境によって定期的に更新され、実際の環境52により良好に適応することが可能である。この機能は、図2のフィードバック経路54によって示されている。
このように、波面合成モジュール44は、デフォルト設定でインパルス応答のために起動され、インパルス応答決定手段42のその時点の計測を用いて更新される。スピーカーの位置を含むデフォルト設定は、音楽とともに心理音響有色化されたPNSシーケンスを用いるか、音楽ではなく純粋なPNSシーケンスを用いることによって、上演時以外で、新規のインパルス応答決定手段42によって計測されることが可能である。
この時点で、環境における多様なインパルス応答から、この環境の多次元インパルス応答全体を補間することが当業界では既知である。さらに、そのような方法で得られたインパルス応答に基づいて、三次元の室内において音声出力源をある位置に関連づけることが当業界では既知である。また、この場合、スピーカーなどの通常の音源と、反響壁などのいわゆる反響音源との間で差が生じる。それによって、本インパルス応答決定は、距離計測などによって、マイクの位置を手作業で確認しなくても、視聴時に不快感を与えることなく環境の描写を得ることが可能となる。
インパルス応答決定に対して、マイクは様々に配置可能である。決定されるインパルス応答を考えると、環境42においては、マイクをスピーカーから離して配置するのが最良である。ただし、観客を有する上演室内では、これが実現できない場合が多い。したがって、この場合、マイクの間にスピーカーを配置して、それらが「邪魔」にならないようにすることが好ましい。
波面合成モジュール44のデフォルト設定が、算出されるインパルス応答計測を実行するには、マイクをスピーカーから離して配置することが好ましいが、波面合成モジュール44の適応が上演中に実行しなければならない場合、マイクをスピーカーの間に配置することが好ましい。
マイクは、円形、線形または十字形構成で固定的、または可動的に配置されてもよい。マイクの移動に関しては、計測中に室内において、円形に、またはx/y変位装置を用いて移動されることが可能である。このような方法は、上演中のインパルス応答を調節する際にはあまり実行可能ではなく、好ましくはスピーカーの間に固定的にマイクを配置することが好ましい。
特に消費者向けにより安価に適用するためには、マイクをスピーカーに置き換えて、部品数を減らすことも可能である。対応して読み出された場合に、マイクと同等の部材および振動コイルを有するため、各スピーカーは機能する。したがって、対応する消費者の用途に応じて、インパルス応答決定時に、マイクとして、なんらかの再生を行うために配置されたスピーカー・アレイの1つまたは複数のスピーカーを使用して、音声の提供前にインパルス応答を決定し、その後、音声再生中に、全スピーカーをスピーカーとして使用することが好ましい。提供中の調節のためには、任意に選択されたスピーカーがマイクとして時々使用して、別のマイクを用いなくても、調節を実行することが可能である。多くのスピーカーが用いられている場合は、いくつかのスピーカーを一時的に切り替えることは、音声の印象上問題がないと思われる。
図3は、多数のスピーカーと多数のマイクとが用いられた実際の状況を示すものである。インパルス応答は、各スピーカーから各マイクへのチャンネルに対して示されている。スピーカー1(LS1)からマイク1(M1)の間のチャンネルは、K11で示される。これと同様に、第一のスピーカー(LS1)から第三のマイク(M3)へのチャンネルは、K31として示される。以下同様である。全スピーカーLS1、LS2、LS3が同時の送出を行う場合、マイクM1から受信された応答信号は、3つの様々なインパルス応答を算出するために用いることが可能である。これは、第一のスピーカーに対して信号を計測することにおいては、第一の擬似雑音シーケンスPN1が、第一のスピーカー(LS1)で出力されることに基づく。それに対応して、第二のスピーカー(LS2)は、第二の擬似雑音シーケンス(PN2)を得る。さらに、第三のスピーカー(LS3)は、第三の擬似雑音シーケンス(PN3)を得る。第一のスピーカーLS1と第一のマイクM1との間のチャンネルK11は、第一のマイクM1によって受信された反応信号を擬似雑音シーケンス1と相互相関することによって算出される。第二のスピーカーから第一のマイクへのチャンネルK21は、擬似雑音シーケンス2との相関によって算出される。第三のスピーカーLS3から第一のマイクM1へのチャンネルK31は、擬似雑音シーケンス3との相関によって得られる。したがって、3つのスピーカーすべてと3つのマイクすべてが同時に作動する場合、9つのインパルス応答すべてが算出可能である。この計測モードは、良好な時間的なふるまいを提供する。これは、補間による確認された9つそれぞれのインパルス応答から決定された、結果的な環境の多次元インパルス応答が、同時に送信された計測信号に基づいて決定されるためである。
あるいは、スピーカー1がまず操作され、それと同時に、受信された信号を擬似雑音シーケンス1と相関すると、3つのマイクすべてが3つのチャンネルK11、K12およびK13を算出する場合、より高い信号対雑音比、したがって、より正確なインパルス応答が得られる。そして、その後のある瞬間において、同様のことがスピーカー2に対して実行され、最後に同様のことがスピーカー3に対して行われる。これによって、様々なインパルス応答が、次々に確認され、マイクと同数のインパルス応答が同時に常に確認される。
以下、チャンネルのインパルス応答h(t)が、相互相関によってどのように決定されるかを概略的に述べる。このためには、時間離散型のテスト信号p(t)が、チャンネルに印加される。このチャンネルは、出力側で受信信号y(t)を出力する。この受信信号y(t)は、既知のように、入力信号のたたみこみとチャンネル・インパルス応答とのたたみこみに相当する。図5に基づいた相互相関の決定方法の以下の説明のために、行列表記へ進む。代表的な例として、2つの値h0とh1とをのみ有するチャンネル・インパルス応答は、一般化において制限がないものとする。チャンネル・インパルス応答h0、h1は、図5において帯構造を有するチャンネル・インパルス応答行列H(t)として記述される。ただし、行列の残りの要素は、ゼロが代入される。さらに、励起信号p(t)はベクトルとして記述される。ただし、この場合、この励起信号は、一般化において制限がない3つの標本P0,P1,P2のみを有するものとする。
Figure 0004234103
白色励起信号p(t)の代わりに、スペクトル的に有色化された励起信号が用いられた場合、スペクトル的有色化は、ディジタル・フィルタリングによって表わされる。ただし、フィルタは、フィルタ係数行列Qによって記述される。最後の行の図5に示された式において、出力側は同様に相関行列Hとなるが、同様にQHで示される予測値で重み付けされる。例えば、図1の後処理手段32において、個々のインパルス応答係数h0、h1をQHで示される予測値によって除算することによって、例えば、有色化フィルタを考慮することによって、チャンネル・インパルス応答が、個々の要素に対して迅速に決定されることが可能である。
図5に示された予測値に対する和の方法から明らかなように、インパルス応答を算出する相互相関概念は、反復的な概念であることが指摘される。反応信号を複素共役転置励起信号での第一の乗算によって、チャンネル・インパルス応答に対する第一の、依然非常に大まかな予測が得られる。この予測は、さらなる各乗算および加算によってより良好となる。全行列H(t)が、反復加算方法で算出される場合、図5の左上部のゼロに設定された帯行列H(t)の要素は徐々にゼロに近づくが、中心部、すなわち行列の帯では、チャンネル・インパルス応答h(t)の係数が残り、ある値となる。なお、上述したように、行列全体を演算する必要はない。チャンネル・インパルス応答を得るには、行列H(t)の1行などを演算するのみで十分である。
なお、本概念は、図5に基づいて説明した相互相関の演算方法に限らない。計測信号と反応信号との相互相関を演算する他のすべての方法も使用可能である。相互相関の代わりにインパルス応答を決定する他の方法も使用可能である。
なお、使用される擬似雑音シーケンスは、それらの長さに関して考慮されるチャンネルの予測されるインパルス応答に依存して決定される。より大規模な音響環境に対しては、数秒の長さを有するインパルス応答は、実際に可能である。この事実は、相関に対して擬似雑音シーケンスの対応する長さの選択において考慮される必要がある。
状況によって、インパルス応答を決定する本発明の方法、または音声を提供する本発明の方法は、ハードウェア的またはソフトウェア的に実行可能である。この実行は、特にプログラミング可能なコンピュータ・システムと対話する電子的に読取可能な制御信号を有するフロッピー(登録商標)・ディスクまたはCDなどのディジタル記憶媒体上で行われてもよく、それによって対応する方法が実行される。したがって、一般に本発明は、コンピュータ・プログラム製品が、コンピュータ上で実行される場合、本発明の方法の実行のためにコンピュータが、読取可能なキャリア上に記憶されるプログラム・コードを有するコンピュータ・プログラム製品を含む。すなわち、それによってコンピュータ・プログラムが、コンピュータ上で実行される場合、本発明は、本発明の方法の実行のためのプログラム・コードを有するコンピュータ・プログラムとして認識可能である。
図1は、インパルス応答を決定するための本発明思想のブロック回路図である。 図2は、音声を提供するための本発明思想のブロック回路図である。 図3は、いくつかのスピーカーといくつかのマイクを有する環境の概略図である。 図4は、インパルス応答によって記述された伝送路の通常図である。 図5は、有色化された、またはスペクトル的に平坦なテスト信号との相互関係によってインパルス応答の決定の短い差し引きである。

Claims (23)

  1. スピーカー(10)とマイク(12)とが配置された環境において、音声信号を用いてインパルス応答を決定する装置であって、
    テスト信号が、前記音声信号に組み込まれることで、前記音声信号の音響心理学マスキング閾値の下に隠されるか、または予め定められた量によって音響心理学マスキング閾値より上でエネルギーに対して存在する方法により、前記テスト信号は、前記音声信号に組み込まれた後に、聞こえないか、またはほとんど聞こえなくなるように、スペクトル有化手段(20)は、スペクトル的に有色化するために構成され、
    前記音声信号の心理音響マスキング閾値を用いて、前記テスト信号をスペクトル的に有色化するためのスペクトル有色化手段(20)と、
    前記スピーカー(10)へ入力可能な計測信号を得るために、前記有色化されたテスト信号を前記音声信号に組み込むための組み込み手段(22)と、
    前記環境からマイクを介して受信された反応信号と、前記テスト信号または前記有色化されたテスト信号とを用いて、インパルス応答を演算するための演算手段(30,32)とを備える装置。
  2. 前記演算手段は、前記環境から前記マイクを介して受信される反応信号と前記テスト信号または前記有色化されたテスト信号との間における相互相関の演算を実行するように形成された請求項1記載の装置。
  3. 前記テスト信号は擬似雑音信号である請求項1または2記載の装置。
  4. 前記スペクトル有化手段(20)は、前記テスト信号に有色化するように形成され、前記有色化されたテスト信号のスペクトル路は、前記有色化されたテスト信号が前記組み込手段(22)によって得られた前記計測信号において可聴ではないように、前記音声信号の前記スペクトル心理音響マスキング閾値より下にあるようにする請求項1,2または3に記載の装置。
  5. 前記環境は、いくつかのスピーカーといくつかのマイクとを備えており、スピーカーからマイクへのチャンネルに対して、インパルス応答が設定され、本装置は、さらに、
    前記組み込手段(22)を制御するためのモード制御手段(24)であって前記組み込み手段(22)は、各スピーカーに対して分離計測信号を発生させるために、前記いくつかのスピーカーに対する音声信号に有色化されたテスト信号を組み込み、前記モード御手段(24)は、さらに、前記スピーカーに計測信号を順次印加するように形成され、
    得られたインパルス応答を、発生した計測信号の発信元であるスピーカーと、関連する反応信号の発信元であるマイクとに関して識別するための識別手段とを含む、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の装置。
  6. 前記環境は、いくつかのスピーカーといくつかのマイクとを備えており、スピーカーからマイクへのチャンネルに対して、インパルス応答が設定され、本装置は、さらに、
    前記組み込手段(22)を制御するためのモード制御手段(24)であって前記組み込み手段(22)は、各スピーカーに対して分離計測信号を発生させるために、いくつかのスピーカーに対する音声信号に有色化されたテスト信号を組み込、前記モード御手段(24)は、分離テスト信号における各計測信号に基づくように形成され、各種の計測信号のためのテスト信号は、互に直交
    前記いくつかのマイクの各マイクに対して、相互相関の演算を実行するための特定の相互相関手段(30,32)が提供され、前記いくつかのマイクのために提供された前記複数の特定の相互相関手段は、前記直交するテスト信号の間における相互相関の演算を実行するために使用可能であり、
    前記相互相関の演算を実行するための前記特定の相互相関手段と関連づけられ、それによって得られたインパルス応答が算出される前記マイクと、対応するテスト信号と関連付けられ、前記インパルス応答を得るために用いられる前記スピーカーとを用いて、前記得られたインパルス応答を識別する識別手段とをさらに備える請求項2〜4のいずれか1つに記載の装置。
  7. 記演算手段は、前記音声信号の前記心理音響マスキング閾値にかかわらずインパルス応答を得るために、前記スペクトル有化手段(20)によって使用されたフィルタに関するフィルタ情報を用いて相互相関の演算の結果を後処理(32)するように形成され、前記後処理は、Q・Q H の予測値によるインパルス応答係数の除算を含み、Qはスペクトル有色化行列であり、「・」は行列乗算を示し、Q H は共役複素転置スペクトル有色化フィルタマトリックスである、請求項2〜6のいずれか1つに記載の装置。
  8. 記演算手段は、各反復工程に対して乗算の結果を得るために、複数の反復工程の各反復工程において前記テスト信号の共役複素転置表記によって前記反応信号の乗算を実行するように形成され、前記反復工程の前記乗算の結果は、前記インパルス応答の予測を得るために加算され、前記インパルス応答の前記予測は、前記加算された乗算の結果の数ごとに改善する請求項2〜7のいずれか1つに記載の装置。
  9. 前記音声信号は、前記環境において提供される音声信号である請求項2〜8のいずれか1つに記載の装置。
  10. 前記音声信号は音楽信号である、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の装置。
  11. 前記スピーカーは、インパルス応答計測モード時にマイクとして用いられることが可能である、請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の装置。
  12. いくつかのスピーカーといくつかのマイクとが配置された環境において音声を提供する装置であって、
    前記音声に基づいて前記複数のスピーカーに対して音声信号を演算する波面合成を実行する波面合成手段(44)と、
    各音声信号により構成する前記音声信号を使用する前記環境(52)における前記音声を提供する間、その時点のインパルス応答を決定するためのインパルス応答手段(42)とを備え、
    テスト信号が、前記音声信号に組み込まれることで、前記音声信号の音響心理学マスキング閾値の下に隠されるか、または予め定められた量によって音響心理学マスキング閾値より上でエネルギーに対して存在する方法により、前記テスト信号は、前記音声信号に組み込まれた後に、聞こえないか、またはほとんど聞こえなくなるように、スペクトル的に有色化するためのスペクトル有色化手段(20)は、スペクトル的に有色化するために構成され、
    前記音声信号の心理音響マスキング閾値を用いて、前記テスト信号をスペクトル的に有色化するためのスペクトル有色化手段(20)と、
    前記スピーカー(10)へ入力可能な計測信号を得るために、前記有色化されたテスト信号を前記音声信号に組み込むための組み込み手段(22)と、
    前記環境からマイクを介して受信された反応信号と、前記テスト信号または前記有色化されたテスト信号とを用いて、インパルス応答を演算するための演算手段(30,32)とを備え、
    前記波面合成手段(44)は、前記音声の前記提供の間、前記時点のインパルス応答を、前記複数のスピーカー(40)に対する前記音声信号の演算で考慮するように制御可能(54)である装置。
  13. 前記音声の提供時の環境は、音声が全く提供されていない環境とは、インパルス応答が異なる請求項12に記載の装置。
  14. 前記環境における違いは、人数が状況によって異なる点、または環境において人が全くいない点である請求項13に記載の装置。
  15. 前記環境は、コンサート・ホール、映画館、または住宅の音声提供室である請求項12〜14のいずれか1つに記載の装置。
  16. 前記波面合成手段(44)は、前記環境(52)のインパルス応答に起因して音声励起源および音声反響源の位置を演算するように形成され、それらを前記複数のスピーカー(40)に対する前記音声信号の演算で考慮に入れる請求項12〜15のいずれか1つに記載の装置。
  17. 前記波面合成手段(44)は、初期設定からその時点のインパルス応答を考慮に入れるように形成され、前記インパルス応答手段(42)は、前記その時点のインパルス応答などの初期再生に対して、または音声信号ではなく有色化されたテスト信号を用いてインパルス応答を演算するように形成される請求項16に記載の装置。
  18. 前記マイクは、前記スピーカーから離れて、または前記スピーカーの間に配置される請求項12〜17のいずれか1つに記載の装置。
  19. 前記マイクは、円形、線形または十字形の配列で配置される請求項12〜17のいずれか1つに記載の装置。
  20. 前記装置は、個々の相互相関演算間でマイクを移動するように実行している請求項19記載の装置。
  21. スピーカー(10)とマイク(12)とが配置された環境において、音声信号を用いてインパルス応答を決定する方法であって、
    テスト信号が、前記音声信号に組み込まれることで、前記音声信号の音響心理学マスキング閾値の下に隠されるか、または予め定められた量によって音響心理学マスキング閾値より上でエネルギーに対して存在する方法により、前記テスト信号は、前記音声信号に組み込まれた後に、聞こえないか、またはほとんど聞こえなくなるように、スペクトル的に有色化するためのスペクトル有色化手段(20)は、スペクトル的に有色化するために構成され、
    前記音声信号の心理音響マスキング閾値を用いて、テスト信号をスペクトル的に有色化するステップ(20)と、
    前記スピーカー(10)へ入力可能な計測信号を得るために、前記有色化されたテスト信号を前記音声信号に組み込むステップ(22)と、
    前記環境からマイクを介して受信された反応信号と、前記テスト信号または前記有色化されたテスト信号とを用いて、インパルス応答を演算するステップ(30,32)を含む方法。
  22. いくつかのスピーカーといくつかのマイク(40)とが配置された環境において音声を提供する方法であって、
    前記音声に基づいて前記複数のスピーカーに対して音声信号を演算する波面合成を実行するステップ(44)と、
    各音声信号により構成する前記音声信号を使用する前記環境(52)における前記音声信号を提供する間、前記時点のインパルス応答を決定するステップ(42)と、
    テスト信号が、前記音声信号に組み込まれることで、前記音声信号の音響心理学マスキング閾値の下に隠されるか、または予め定められた量によって音響心理学マスキング閾値より上でエネルギーに対して存在する方法により、前記テスト信号は、前記音声信号に組み込まれた後に、聞こえないか、またはほとんど聞こえなくなるように、スペクトル的に有色化するためのスペクトル有色化手段(20)は、スペクトル的に有色化するために構成され、
    前記音声信号の心理音響マスキング閾値を用いて、テスト信号をスペクトル的に有色化するステップ(20)と、
    前記スピーカー(10)へ入力可能な計測信号を得るために、前記有色化されたテスト信号を前記音声信号に組み込むステップ(22)と、
    前記環境からマイクを介して受信された反応信号と、前記テスト信号または前記有色化されたテスト信号とを用いて、インパルス応答を演算するステップ(30,32)とを備え、
    前記波面合成を実行するステップ(44)は、前記音声の前記提供の間、前記時点のインパルス応答を、前記複数のスピーカー(40)に対する前記音声信号の演算で考慮するように制御可能(54)である方法。
  23. コンピュータ・プログラムであって、プログラムがコンピュータ上で実行される場合に、請求項21または請求項22記載の方法を実行させるためのプログラム・コードを有するコンピュータ・プログラム。
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