JP4233709B2 - Icチップおよびicカード - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICチップおよびICカードに関する。
【0002】
【従来の技術】
ノイマン型コンピュータは、メモリに命令を予め記憶し、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit )は、メモリから命令を読み込んでこの命令に従ってCPUで演算を行ったり、周辺回路に演算を行わせたり、CPUと周辺回路と間の信号伝達を行ったりする。
【0003】
図6は、従来のICカードの一例を説明する概略的なブロック構成図である。
このICカード11は、カードリーダライタ等のカード処理装置15との通信を行う。
また、ICカード11は、1チップマイクロコンピュータ(1チップマイコン)を構成するICチップ10を有し、このICチップ10上にCPU2と、メモリ3と、バス4とが形成されている。
【0004】
CPU2は、ICカード11全体の制御を司るコントローラであり、メモリ3のアクセス制御およびバス4の伝送制御を行う。
CPU2とメモリ3は、バス4を介して種々の信号の送受を行い、バス4は、信号線B1P〜B8Pを有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ICカード11では、バス4の状態、例えばバス4により伝送される信号の値「0」,「1」の個数により、ICチップ10の消費電流または消費電力に微少な差異が生じ、また、バス4の周囲に形成される磁界の強さに微少な差異が生じる。
このため、ICチップ10では、前記差異によってバス4の伝送情報が外部から検出可能であり、伝送情報が外部に漏洩するおそれがあり、高セキュリティ性を維持することが困難である。
【0006】
本発明の第1の目的は、バスの伝送情報が外部に漏洩することを防止可能なICチップを提供することにある。
本発明の第2の目的は、バスの伝送情報が外部に漏洩することを防止可能なICカードを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るICチップは、中央処理装置と、前記中央処理装置により制御されるメモリ及び周辺回路、またはいずれか一方と、バスとを有するICチップであって、前記中央処理装置と前記メモリ及び周辺回路、またはいずれか一方は、前記バスを介して信号の送受を行い、前記バスは、前記信号を伝送する第1の信号線と、前記第1の信号線と近接して隣り合うようにして配置され、前記信号の反転信号を伝送する第2の信号線とを有し、
前記第1の信号線の一端及び前記第2の信号線の一端と前記中央処理装置の間には、第1のバスドライバが設けられ、前記第1の信号線の他端及び前記第2の信号線の他端と前記メモリ及び周辺回路、またはいずれか一方の間には、第2のバスドライバが設けられ、前記第1のバスドライバと前記第2のバスドライバは、前記中央処理装置からの制御信号に基づいて、前記信号及び前記反転信号を同時に前記第1の信号線及び第2の信号線に供給する。
【0009】
本発明に係るICチップでは、例えば、前記中央処理装置は、暗号鍵を示す信号および当該信号の反転信号を前記バスを介して前記周辺回路に供給し、前記周辺回路は、前記暗号鍵を用いて信号処理を行う暗号処理回路を有する構成としてもよい。
【0010】
本発明に係るICチップでは、例えば、前記中央処理装置は、カード利用者の識別情報を示す信号および当該信号の反転信号を前記バスを介して前記周辺回路に供給し、前記周辺回路は、前記識別情報の照合を行う照合回路を有する構成としてもよい。
【0011】
本発明に係るICカードは、中央処理装置と、前記中央処理装置により制御されるメモリ及び周辺回路、またはいずれか一方と、バスとを有するICカードであって、前記中央処理装置と前記メモリ及び周辺回路、またはいずれか一方は、前記バスを介して信号の送受を行い、前記バスは、前記信号を伝送する第1の信号線と、前記第1の信号線と近接して隣り合うようにして配置され、前記信号の反転信号を伝送する第2の信号線とを有し、前記第1の信号線の一端及び前記第2の信号線の一端と前記中央処理装置の間には、第1のバスドライバが設けられ、前記第1の信号線の他端及び前記第2の信号線の他端と前記メモリ及び周辺回路、またはいずれか一方の間には、第2のバスドライバが設けられ、前記第1のバスドライバと前記第2のバスドライバは、前記中央処理装置からの制御信号に基づいて、前記信号及び前記反転信号を同時に前記第1の信号線及び第2の信号線に供給する。
【0012】
本発明に係るICカードでは、好適には、前記中央処理装置、前記周辺回路および前記バスが形成されたICチップを有する。
【0013】
本発明に係るICカードでは、例えば、前記中央処理装置は、暗号鍵を示す信号および当該信号の反転信号を前記バスを介して前記周辺回路に供給し、前記周辺回路は、前記暗号鍵を用いて信号処理を行う暗号処理回路を有する構成としてもよい。
【0014】
本発明に係るICカードでは、例えば、前記中央処理装置は、カード利用者の識別情報を示す信号および当該信号の反転信号を前記バスを介して前記周辺回路に供給し、前記周辺回路は、前記識別情報の照合を行う照合回路を有する構成としてもよい。
【0015】
メモリおよび/または周辺回路(メモリと周辺回路の何れか一方または双方)と中央処理装置は、バスを介して信号の送受を行い、前記バスは、前記信号を伝送する第1の信号線と、前記信号の反転信号を伝送する第2の信号線とを有する。
したがって、前記信号の値が「1」の場合は前記反転信号の値は「0」となり、前記信号の値が「0」の場合は前記反転信号の値は「1」となり、第1および第2の信号線により伝送される信号値「0」,「1」の各個数を同じにすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0017】
第1の実施の形態
図1は、本発明に係るICカードおよびICチップの第1の実施の形態を示す概略的なブロック構成図である。
このICカード110は、カードリーダライタ等のカード処理装置15との通信を行う。
また、ICカード110は、1チップマイコンを構成するICチップ100を有し、このICチップ100上にCPU20と、メモリ30と、バス40とが形成されている。
【0018】
CPU20は、ICカード110全体の制御を司るコントローラであり、メモリ30のアクセス制御およびバス40の伝送制御を行う。
CPU20とメモリ30は、バス40を介して種々の信号の送受を行い、バス40は、信号線B1P〜B8P,B1N〜B8Nを有する。
【0019】
信号線B1P〜B8Pは、CPU20からメモリ30へ信号Di1〜Di8を伝送する。
信号線B1N〜B8Nは、CPU20からメモリ30へ信号Di1〜Di8の反転信号/Di1〜/Di8を伝送する。
信号線B1P,B1Nは、近接して隣り合うように配置されており、信号線B2P,B2N〜信号線B8P,B8Nについても同様である。
信号線B1P〜B8P,B1N〜B8Nにより伝送される信号値「0」,「1」の各個数は8である。
【0020】
このようにして、バス40により伝送される信号値「0」,「1」の各個数を同じにすることができる。
したがって、バス40により伝送される信号の値「0」,「1」の個数に依存して、ICチップ100の消費電流または消費電力に微少な差異が生じたり、バス40の周囲に形成される磁界の強さに微少な差異が生じたりすることを防止することができる。
また、バス40の伝送情報がICチップ100外部から検出されることを防ぐことができ、伝送情報を隠蔽して外部に漏洩することを防止可能であり、セキュリティ性を向上することが可能である。
【0021】
第2の実施の形態
次に、本発明に係るICチップの第2の実施の形態を説明する。
図2は、本発明に係るICチップの第2の実施の形態を示す回路図である。
【0022】
このICチップ150は、CPU21と、バスドライバ60,70と、メモリ31と、バス41とを有する。
CPU21は、バスドライバ60,70の駆動制御、メモリ31のアクセス制御およびバス41の伝送制御を行う。
CPU21とメモリ31は、バスドライバ60,70およびバス41を介して種々の信号の送受を行い、バス41は、信号線C1P〜C8P,C1N〜C8Nを有する。
【0023】
信号線C1P〜C8Pは、CPU21からメモリ31へ信号Di1〜Di8(を反転した信号)を伝送し、メモリ31からCPU21へ信号Do1〜Do8(を反転した信号)を伝送する。
信号線C1N〜C8Nは、CPU21からメモリ31へ反転信号/Di1〜/Di8(を反転した信号)を伝送し、メモリ31からCPU21へ反転信号/Do1〜/Do8(を反転した信号)を伝送する。
信号線C1P,C1Nは、近接して隣り合うように配置されており、信号線C2P,C2N〜信号線C8P,C8Nについても同様である。
信号線C1P〜C8P,C1N〜C8Nにより伝送される信号値「0」,「1」の各個数は8であり、一定である。
【0024】
バスドライバ60,70は、双方向のバス41を駆動する双方向バスドライバである。
バスドライバ60は、3値論理回路61Pi〜68Pi,61Ni〜68Ni,61Po〜68Po,61No〜68Noと、3値論理回路61Pi〜68Pi,61Ni〜68Niの3値制御信号S69iを生成する生成回路69iと、3値論理回路61Po〜68Po,61No〜68Noの3値制御信号S69oを生成する生成回路69oとを有する。
【0025】
バスドライバ70は、3値論理回路71Pi〜78Pi,71Ni〜78Ni,71Po〜78Po,71No〜78Noと、3値論理回路71Pi〜78Pi,71Ni〜78Niの3値制御信号S79iを生成する生成回路79iと、3値論理回路71Po〜78Po,71No〜78Noの3値制御信号S79oを生成する生成回路79oとを有する。
【0026】
3値論理回路61Pi〜68Piは、CPU21から信号Di1〜Di8が供給され、3値制御信号S69iに基づいて信号線C1P〜C8Pに信号Di1〜Di8(を反転した信号)を出力する。
3値論理回路61Ni〜68Niは、CPU21から反転信号/Di1〜/Di8が供給され、3値制御信号S69iに基づいて信号線C1N〜C8Nに反転信号/Di1〜/Di8(を反転した信号)を出力する。
【0027】
3値論理回路61Po〜68Poは、信号線C1P〜C8Pから信号Do1〜Do8(を反転した信号)が供給され、3値制御信号S69oに基づいてCPU21に信号Do1〜Do8を出力する。
3値論理回路61No〜68Noは、信号線C1N〜C8Nから反転信号/Do1〜/Do8(を反転した信号)が供給され、3値制御信号S69oに基づいてCPU21に反転信号/Do1〜/Do8を出力する。
【0028】
3値論理回路71Pi〜78Piは、信号線C1P〜C8Pから信号Di1〜Di8(を反転した信号)が供給され、3値制御信号S79iに基づいてメモリ31に信号Di1〜Di8を出力する。
3値論理回路71Ni〜78Niは、信号線C1N〜C8Nから反転信号/Di1〜/Di8(を反転した信号)が供給され、3値制御信号S79iに基づいてメモリ31に反転信号/Di1〜/Di8を出力する。
【0029】
3値論理回路71Po〜78Poは、メモリ31から信号Do1〜Do8が供給され、3値制御信号S79oに基づいて信号線C1P〜C8Pに信号Do1〜Do8(を反転した信号)を出力する。
3値論理回路71No〜78Noは、メモリ31から反転信号/Do1〜/Do8が供給され、3値制御信号S79oに基づいて信号線C1N〜C8Nに反転信号/Do1〜/Do8(を反転した信号)を出力する。
【0030】
また、CPU21は、制御信号CSと方向信号DiENとを、バスドライバ60,70に供給する。
生成手段69iは、方向信号DiENと制御信号CSとの論理積を演算して3値制御信号S69iを生成する。
生成手段69oは、方向信号DiENの反転信号と制御信号CSとの論理積を演算して3値制御信号S69oを生成する。
【0031】
生成手段79iは、方向信号DiENと制御信号CSとの論理積を演算して3値制御信号S79iを生成する。
生成手段79oは、方向信号DiENの反転信号と制御信号CSとの論理積を演算して3値制御信号S79oを生成する。
【0032】
3値論理回路61Pi〜68Pi,61Ni〜68Niを3値制御信号S69iにより制御することで、信号Di1〜Di8および反転信号/Di1〜/Di8を同時に信号線C1P〜C8P,C1N〜C8Nに供給することができ、信号の値の変化に伴うバス41の周囲の磁界の変化を小さく抑えることができる。
【0033】
同様に、3値論理回路71Po〜78Po,71No〜78Noを3値制御信号S79oにより制御することで、信号Do1〜Do8および反転信号/Do1〜/Do8を同時に信号線C1P〜C8P,C1N〜C8Nに供給することができ、信号の値の変化に伴うバス41の周囲の磁界の変化を小さく抑えることができる。
【0034】
第3の実施の形態
次に、本発明に係るICチップの第3の実施の形態を説明する。
図3は、本発明に係るICチップの第3の実施の形態を示す回路図である。
なお、図2のICチップ150と同一の構成部分については同一符号を付しており、同一構成部分の説明を適宜省略する。
【0035】
このICチップ159は、CPU29と、バスドライバ69,79と、メモリ39と、バス41とを有する。
CPU29は、バスドライバ69,79の駆動制御、メモリ39のアクセス制御およびバス41の伝送制御を行う。
CPU29とメモリ39は、バスドライバ69,79およびバス41を介して種々の信号の送受を行う。
また、CPU29は、制御信号CSと方向信号DiENとを、バスドライバ69,79に供給する。
【0036】
信号線C1P〜C8Pは、CPU29からメモリ39へ信号Di1〜Di8(を反転した信号)を伝送し、メモリ39からCPU29へ信号Do1〜Do8(を反転した信号)を伝送する。
信号線C1N〜C8Nは、CPU29からメモリ39へ反転信号/Di1〜/Di8(を反転した信号)を伝送し、メモリ39からCPU29へ反転信号/Do1〜/Do8(を反転した信号)を伝送する。
信号線C1P,C1Nは、近接して隣り合うように配置されており、信号線C2P,C2N〜信号線C8P,C8Nについても同様である。
【0037】
バスドライバ69,79は、双方向のバス41を駆動する双方向バスドライバである。
バスドライバ69は、3値論理回路61Pi〜68Pi,61Ni〜68Ni,61Po〜68Po,61No〜68Noと、3値論理回路61Pi〜68Pi,61Ni〜68Niの3値制御信号S69iを生成する生成回路69iと、3値論理回路61Po〜68Po,61No〜68Noの3値制御信号S69oを生成する生成回路69oと、反転回路61〜68とを有する。
【0038】
バスドライバ79は、3値論理回路71Pi〜78Pi,71Ni〜78Ni,71Po〜78Po,71No〜78Noと、3値論理回路71Pi〜78Pi,71Ni〜78Niの3値制御信号S79iを生成する生成回路79iと、3値論理回路71Po〜78Po,71No〜78Noの3値制御信号S79oを生成する生成回路79oと、反転回路71〜78とを有する。
【0039】
3値論理回路61Pi〜68Piは、CPU29から信号Di1〜Di8が供給され、3値制御信号S69iに基づいて信号線C1P〜C8Pに信号Di1〜Di8(を反転した信号)を出力する。
3値論理回路61Ni〜68Niは、反転回路61〜68から反転信号/Di1〜/Di8が供給され、3値制御信号S69iに基づいて信号線C1N〜C8Nに反転信号/Di1〜/Di8(を反転した信号)を出力する。
【0040】
3値論理回路61Po〜68Poは、信号線C1P〜C8Pから信号Do1〜Do8(を反転した信号)が供給され、3値制御信号S69oに基づいてCPU29に信号Do1〜Do8を出力する。
3値論理回路61No〜68Noは、信号線C1N〜C8Nから反転信号/Do1〜/Do8(を反転した信号)が供給され、3値制御信号S69oに基づいてCPU29に反転信号/Do1〜/Do8を出力する。
【0041】
3値論理回路71Pi〜78Piは、信号線C1P〜C8Pから信号Di1〜Di8(を反転した信号)が供給され、3値制御信号S79iに基づいてメモリ39に信号Di1〜Di8を出力する。
3値論理回路71Ni〜78Niは、信号線C1N〜C8Nから反転信号/Di1〜/Di8(を反転した信号)が供給され、3値制御信号S79iに基づいてメモリ39に反転信号/Di1〜/Di8を出力する。
【0042】
3値論理回路71Po〜78Poは、メモリ39から信号Do1〜Do8が供給され、3値制御信号S79oに基づいて信号線C1P〜C8Pに信号Do1〜Do8(を反転した信号)を出力する。
3値論理回路71No〜78Noは、反転回路71〜78から反転信号/Do1〜/Do8が供給され、3値制御信号S79oに基づいて信号線C1N〜C8Nに反転信号/Do1〜/Do8(を反転した信号)を出力する。
【0043】
ICチップ159では、CPU29が信号Di1〜Di8を生成し、信号Di1〜Di8と反転信号/Di1〜/Di8とをメモリ39に供給することができる。
また、メモリ39が信号Do1〜Do8を生成し、信号Do1〜Do8と反転信号/Do1〜/Do8とをCPU29に供給することができる。
【0044】
反転回路
次に、反転回路を説明する。
図4は、反転回路の一例を示す説明図であり、図4(A)は、反転回路のシンボル図を示し、図4(B)は、反転回路の回路図を示している。なお、図中の符号GNDは、接地電位を表す。
図4(A),(B)では、入力端子7Tiに入力信号Siが供給され、出力端子7Toに出力信号Soが出力され、入力信号Siの反転信号So(=/Si)を得ることができる。
【0045】
反転回路7は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )インバータであり、pチャネル型電界効果トランジスタ(pチャネル型FET)7Pと、nチャネル型電界効果トランジスタ(nチャネル型FET)7Nとを有する。pチャネル型FET7Pとnチャネル型FET7Nは、相補的に接続されている。
pチャネル型FET7Pにおいて、ソースは電源電圧Vccが供給され、ゲートは入力端子7Tiに接続され、ドレインは出力端子7Toに接続されている。
nチャネル型FET7Nにおいて、ソースは接地され、ゲートは入力端子7Tiに接続され、ドレインは出力端子7Toに接続されている。
この反転回路7を、ICチップ159内の反転回路61〜68,71〜78に用いてもよい。
【0046】
3値論理回路
次に、3値論理回路を説明する。
図5は、3値論理回路の一例を示す説明図であり、図5(A)は3値論理回路のシンボル図を示し、図5(B)は3値論理回路の回路図を示している。
図5(A),(B)では、入力端子8Tiに入力信号INが供給され、出力端子8Toに出力信号OUTが出力され、制御端子8Tcに供給される3値制御信号DISにより3値論理回路8の出力を制御することができる。
【0047】
3値制御信号DISがハイレベル(Hレベル)の場合は、入力信号INを反転した信号(/IN)が出力信号OUTとして出力端子8Toに出力される。
一方、3値制御信号DISがローレベル(Lレベル)の場合は、出力端子8Toは高インピーダンス状態となり、出力端子8Toは3値論理回路8の論理ゲートから電気的に切り離された状態となる。
【0048】
図5(B)の回路図に示すように、一例として、pチャネル型FET8B,8Pを直列接続し、nチャネル型FET8N,8Cを直列接続し、pチャネル型FET8Pとnチャネル型FET8Nとを相補的に接続し、3値制御信号DISをnチャネル型FET8Cのゲートに供給し、反転回路8Aを用いて3値制御信号DISの反転信号をpチャネル型FET8Bのゲートに供給することで、3値論理回路を得ることができる。
上記3値論理回路8を、ICチップ150,159内の3値論理回路61Pi〜68Pi,61Ni〜68Ni,61Po〜68Po,61No〜68No,71Pi〜78Pi,71Ni〜78Ni,71Po〜78Po,71No〜78Noに用いてもよい。
【0049】
なお、ICチップ100,150,159において、メモリ30,31,39に代えて又はメモリ30,31,39と共に、暗号鍵を用いて信号処理を行う暗号処理回路を有する周辺回路を設け、CPU20,21,29は、暗号鍵を示す信号および当該信号の反転信号を、バスを介して周辺回路内の前記暗号処理回路に供給してもよく、更には当該信号の信号線と反転信号の信号線とを近接して隣り合うように配置してもよい。
このようにすることで、バスの周囲の磁界の強さの変化から暗号鍵が検出されることを防止可能であり、また、ICチップの消費電流または消費電力から暗号鍵が検出されることを防止可能である。
【0050】
また、ICチップ100,150,159において、メモリ30,31,39に代えて又はメモリ30,31,39と共に、識別情報の照合を行う照合回路を有する周辺回路を設け、CPU20,21,29は、カード利用者の識別情報を示す信号および当該信号の反転信号を、バスを介して周辺回路内の前記照合回路に供給してもよく、更には当該信号の信号線と反転信号の信号線とを近接して隣り合うように配置してもよい。
このようにすることで、バスの周囲の磁界の強さの変化から識別情報が検出されることを防止可能であり、また、ICチップの消費電流または消費電力から識別情報が検出されることを防止可能である。
【0051】
なお、上記実施の形態は本発明の例示であり、本発明は上記実施の形態に限定されない。一例として、前記反転信号をダミー用の信号として用いてもよい。
【0052】
【発明の効果】
本発明に係るICチップおよびICカードによれば、信号と反転信号とをバスにより伝送することで、バスの伝送情報を外部から検出することを困難にすることができ、伝送情報が外部に漏洩することを防止可能であり、セキュリティ性を向上することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るICカードおよびICチップの第1の実施の形態を示す概略的なブロック構成図である。
【図2】本発明に係るICチップの第2の実施の形態を示す回路図である。
【図3】本発明に係るICチップの第3の実施の形態を示す回路図である。
【図4】反転回路の一例を示す説明図である。
【図5】3値論理回路の一例を示す説明図である。
【図6】従来のICカードの一例を説明する概略的なブロック構成図である。
【符号の説明】
2,20,21,29…中央処理装置(CPU)、3,30,39…メモリ、4,40,41…バス、7,8A,61〜68,71〜79…反転回路、7P,8B,8P…pチャネル型電界効果トランジスタ、7N,8C,8N…nチャネル型電界効果トランジスタ、8,61Pi〜68Pi,61Ni〜68Ni,71Po〜78Po,71No〜78No…3値論理回路、10,100,150,159…ICチップ、11,110…ICカード、15…カード処理装置、60,69,70,79…バスドライバ、69i,69o,79i,79o…生成回路、B1P〜B8P,B1N〜B8N,C1P〜C8P,C1N〜C8N…信号線、Di1〜Di8,Do1〜Do8…信号、GND…接地電位(グランドレベル)、Vcc…電源電圧。
Claims (7)
- 中央処理装置と、前記中央処理装置により制御されるメモリ及び周辺回路、またはいずれか一方と、バスとを有するICチップであって、
前記中央処理装置と前記メモリ及び周辺回路、またはいずれか一方は、前記バスを介して信号の送受を行い、
前記バスは、前記信号を伝送する第1の信号線と、前記第1の信号線と近接して隣り合うようにして配置され、前記信号の反転信号を伝送する第2の信号線とを有し、
前記第1の信号線の一端及び前記第2の信号線の一端と前記中央処理装置の間には、第1のバスドライバが設けられ、
前記第1の信号線の他端及び前記第2の信号線の他端と前記メモリ及び周辺回路、またはいずれか一方の間には、第2のバスドライバが設けられ、
前記第1のバスドライバと前記第2のバスドライバは、前記中央処理装置からの制御信号に基づいて、前記信号及び前記反転信号を同時に前記第1の信号線及び第2の信号線に供給する、
ICチップ。 - 前記中央処理装置は、暗号鍵を示す信号および当該信号の反転信号を前記バスを介して前記周辺回路に供給し、
前記周辺回路は、前記暗号鍵を用いて信号処理を行う暗号処理回路を有する
請求項1記載のICチップ。 - 前記中央処理装置は、カード利用者の識別情報を示す信号および当該信号の反転信号を前記バスを介して前記周辺回路に供給し、
前記周辺回路は、前記識別情報の照合を行う照合回路を有する
請求項1記載のICチップ。 - 中央処理装置と、前記中央処理装置により制御されるメモリ及び周辺回路、またはいずれか一方と、バスとを有するICカードであって、
前記中央処理装置と前記メモリ及び周辺回路、またはいずれか一方は、前記バスを介して信号の送受を行い、
前記バスは、前記信号を伝送する第1の信号線と、前記第1の信号線と近接して隣り合うようにして配置され、前記信号の反転信号を伝送する第2の信号線とを有し、
前記第1の信号線の一端及び前記第2の信号線の一端と前記中央処理装置の間には、第1のバスドライバが設けられ、
前記第1の信号線の他端及び前記第2の信号線の他端と前記メモリ及び周辺回路、またはいずれか一方の間には、第2のバスドライバが設けられ、
前記第1のバスドライバと前記第2のバスドライバは、前記中央処理装置からの制御信号に基づいて、前記信号及び前記反転信号を同時に前記第1の信号線及び第2の信号線に供給する、
ICカード。 - 前記中央処理装置、前記周辺回路および前記バスが形成されたICチップを有する
請求項4記載のICカード。 - 前記中央処理装置は、暗号鍵を示す信号および当該信号の反転信号を前記バスを介して前記周辺回路に供給し、
前記周辺回路は、前記暗号鍵を用いて信号処理を行う暗号処理回路を有する
請求項4または5の何れかに記載のICカード。 - 前記中央処理装置は、カード利用者の識別情報を示す信号および当該信号の反転信号を前記バスを介して前記周辺回路に供給し、
前記周辺回路は、前記識別情報の照合を行う照合回路を有する
請求項4または5の何れかに記載のICカード。
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