JP4233690B2 - 交流アーク溶接電源制御方法及び電源装置 - Google Patents

交流アーク溶接電源制御方法及び電源装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチング素子を用いて出力の極性を切換える交流アーク溶接電源装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
商用交流電源を整流した直流電力を、第1インバータ回路によって高周波交流電力に変換し、この高周波交流電力を、アーク加工に適した電力に変換して再び整流した電力を、スイッチング素子からなる第2インバータ回路によって正極及び負極に切り換えて、交流電力をアーク負荷へ供給する交流アーク溶接電源装置において、出力の極性を切り換えるときに、アークが一旦消滅した後、反対の極性の電圧が上昇することによってアークが再点弧する。そして、交流アーク溶接電源装置と溶接を行う場所とが離れていることが多く、両者の間を溶接ケーブルで接続して溶接用電力を供給している。このため、スイッチング素子を用いて出力の極性を切換えるときに、溶接ケーブルのインダクタンスによって誘導起電力が発生するが、この誘導起電力は、アークの再点弧電圧として利用される。しかし、溶接ケーブルが長い場合、誘導起電力が高くなるが、誘導起電力が高すぎる場合、第2インバータ回路のスイッチング素子を破壊することがある。
【0003】
このために、従来、商用交流電源を整流した直流電力を高周波交流電力に変換する第1インバータ回路の出力を、一次的に停止して、溶接ケーブルの長さが一定であると仮定して、その溶接ケーブルのインダクタンスによって発生する誘導起電力が、アークの再点弧電圧よりも高く、かつ、スイッチング素子を破壊する電圧よりも低い適正電圧になるときに、交流アーク溶接電源装置の出力の極性を切り換えて、アークの再点弧を容易にするとともに、第2インバータ回路のスイッチング素子を破壊することを防止しようとする技術がある。しかし、[発明が解決しようとする課題]の欄において後述するように、実際の溶接作業現場では、溶接ケーブルの長さ又は溶接位置の移動に伴って、溶接ケーブルのインダクタンスが変化するために、アークの再点弧とスイッチング素子の破壊防止との要求を同時に満足できない場合が頻繁に発生した。
【0004】
図1は、上述した溶接ケーブルの長さが一定の場合にのみ、アークの再点弧とスイッチング素子の破壊防止との要求を同時に満足することができるようにした従来の交流アーク溶接電源装置の制御ブロック図である。同図において、1は交流電源であり、単相商用交流又は3相商用交流の電源が用いられる。2は交流電源1の出力を整流して直流電力に変換する第1整流回路、3は第1整流回路2の出力を平滑する平滑回路、4は平滑回路3の出力を高周波交流電力に変換する第1インバータ回路、5は第1インバータ回路4の出力をアーク加工に適した電力に変換する出力変圧器、6は出力変圧器5の出力を整流する第2整流回路、7は第2整流回路6の一方の端子に接続したリアクトルである。8a乃至8dは、ブリッジ接続されたスイッチング素子である。9a乃至9d及び10a乃至10dは、スイッチング素子8a乃至8dに並列に接続されたスナバ抵抗器及びスナバコンデンサであり、スイッチング素子8a乃至8dに印加される過電圧を低減するために設けられている。第2インバータ回路46は、これらの第1スイッチング素子8aと8d、第2スイッチング素子8bと8c、スナバ抵抗器9a乃至9d及びスナバコンデンサ10a乃至10dから成り、リアクトル7を介して出力される第2整流回路6の出力を交流電力に変換する。
【0005】
11は溶接電流を検出する溶接電流検出器、12及び13は出力端子、47は出力端子12と溶接トーチ14との間を接続する溶接ケーブル、48は出力端子13と被溶接物15との間を接続する溶接ケーブルである。40は消耗電極であり、溶接時に電動機41によって駆動される送給ロール42によってワイヤリール43から被溶接物15に向って送給される。44はトーチスイッチTSの出力信号に応じて電動機41を回転駆動するための電動機制御回路であり、溶接開始時には比較的低速で消耗電極40を送給し、アーク起動後は正常速度で送給する公知の速度制御機能を有するものである。
【0006】
17は後述する溶接電流設定回路20の出力信号Irと溶接電流検出器11の出力信号Ifとを比較して、差信号△I=IrーIfを出力する比較器、16は比較器17の出力信号△Iに対応したパルス幅及び周波数のパルス信号を、第1インバータ回路4に出力する第1インバータ制御回路である。18は溶接電流判別回路であり、溶接電流検出器11の出力信号と溶接電流判別値設定器45の出力信号とを比較して、溶接電流検出器11の出力信号の方が大のときに、ハイレベル信号を出力する。21はアークスタート電流を通電する期間を設定するアークスタート電流期間設定回路であり、トーチスイッチTSのハイレベル信号が入力されたときに、ハイレベル信号を出力し、溶接電流判別回路18のハイレベル信号を入力して、時限を開始し、この時限が終了するまで、ハイレベル信号を出力する。22は溶接トーチ14が正の極性になる正極性電流を通電する期間を設定する正極性電流期間設定回路、23は溶接トーチ14が負の極性になる負極性電流を通電する期間を設定する負極性電流期間設定回路である。
【0007】
20は溶接電流設定回路であり、アークスタート電流期間、正極性電流期間及び負極性電流期間のそれぞれの電流値が設定され、それぞれの電流値の出力信号Irを、それぞれの期間出力する。34は極性切り換え電流値設定器であり、アークスタート電流期間と正極性電流期間と負極性電流期間とのそれぞれの間においてインバータ制御回路16の出力を停止して、その停止期間に溶接電流値が低下して極性を切り換えるときの電流値を予め設定する。19は極性切り換え判別回路であり、溶接電流検出器11の出力信号と極性切り換え電流値設定器34の出力信号とを比較して、溶接電流検出器11の出力信号の方が大のときに、ハイレベル信号を出力する。この極性切り換え電流値設定器34及び極性切り換え判別回路19によって、第1スイッチング素子8a及び8dと第2スイッチング素子8b及び8cとを切り換えるときの溶接電流値を下げることにより、溶接ケーブルのインダクタンスにより発生するサージ電圧が第1スイッチング素子8aと8d及び第2スイッチング素子8bと8cを破壊することを保護している。
【0008】
26はRSフリップフロップ回路であり、負極性電流期間設定回路23の出力信号をセット信号として入力したときにハイレベル信号を出力し、極性切り換え判別回路19の出力信号が反転された信号をリセット信号として入力したときに、ローレベル信号を出力する。25はオア回路であり、アークスタート電流期間設定回路21と正極性電流期間設定回路22との出力信号を入力して、これらの信号のいずれかがハイレベルのときに、ハイレベル信号を出力する。33は切り換えスイッチであり、トーチスイッチTSのハイレベル信号を入力しているときは、a側に接続されていて、トーチスイッチTSのローレベル信号を入力しているときは、b側に接続されている。27はRSフリップフロップ回路であり、オア回路25のハイレベル信号をセット信号として入力して、ハイレベル信号を出力し、スイッチ33の出力信号が反転された信号を入力して、この信号がハイレベル信号のときリセット信号として入力して、ローレベル信号を出力する。
【0009】
29は第1スイッチング素子駆動回路であり、RSフリップフロップ回路27のハイレベル信号を入力したときに、第1スイッチング素子8a及び8dを導通する駆動信号を出力する。28は第2スイッチング素子駆動回路であり、RSフリップフロップ回路26のハイレベル信号を入力したときに、第2スイッチング素子8b及び8cを導通する駆動信号を出力する。正極性電流期間設定回路22は、RSフリップフロップ回路26の出力信号が反転された信号を入力し、負極性電流期間設定回路23は、RSフリップフロップ回路27の出力信号が後述するスイッチ32を介して反転された信号を入力する。RSフリップフロップ回路26がハイレベル信号を出力している間は、正極性電流期間設定回路22は、ハイレベル信号を出力せず、RSフリップフロップ回路27が、ハイレベル信号を出力している間は、負極性電流期間設定回路23は、ハイレベル信号を出力しない。
【0010】
図1に示す回路では、正極性電流期間で溶接を終了する場合を示しており、スイッチ32は、トーチスイッチTSのハイレベル信号が反転された信号を入力しているときは導通し、トーチスイッチTSのローレベル信号が反転された信号を入力しているときは非導通になる。負極性電流期間設定回路23は、RSフリップフロップ回路27のローレベル信号が反転されたハイレベル信号を入力していないので、ハイレベル信号を出力せず、RSフリップフロップ回路26は、このハイレベル信号を入力していないので、ハイレベル信号を出力せず、正極性電流期間設定回路22は、RSフリップフロップ回路26のローレベル信号が反転されたハイレベル信号を入力して、トーチスイッチTSをオフにした後は、正極性電流期間で終了する。30はナンド回路であり、トーチスイッチTSの出力信号を反転した信号と正極性電流期間設定回路22の出力信号を反転した信号とを入力して、両信号がハイレベルのときにハイレベル信号を出力する。31はRSフリップフロップ回路であり、トーチスイッチTSのハイレベル信号をセット信号として入力したときに、ハイレベル信号を出力し、ナンド回路30のハイレベル信号をリセット信号として入力したときに、ローレベル信号を出力する。第1インバータ制御回路16はRSフリップフロップ回路31のハイレベル信号を入力して、第1インバータ制御回路4を駆動する信号を出力する。
【0011】
図1において、トーチスイッチTSが押されると、RSフリップフロップ回路31は、トーチスイッチTSのハイレベル信号をセット信号として入力して、ハイレベル信号を出力し、インバータ制御回路16は、RSフリップフロップ回路31のハイレベル信号を入力して起動して、第1インバータ回路4に駆動信号を出力する。これによって、交流電源1からの電力は第1整流回路2によって整流された後に平滑回路3によって平滑され、第1インバータ回路4によって高周波交流電力に変換される。この出力は出力変圧器5によってアーク加工に適した電圧に変換され、第2整流回路6によって再び直流に変換されて、リアクトル7を介して第2インバータ回路46に供給されて、高周波交流に変換される。この高周波交流電力は、出力端子12及び13から消耗電極40と被加工物15との間に供給される。
【0012】
また、トーチスイッチTSが押されると、アークスタート電流期間設定回路21は、トーチスイッチTSのハイレベル信号を入力して、ハイレベル信号を溶接電流設定回路20に出力する。比較器17は、溶接電流検出器11の出力信号Ifと溶接電流設定回路20の出力信号Irとの差信号△I=IrーIfを出力し、インバータ制御回路16は、この差信号△Iに対応したパルス幅又は周波数のパルス信号を、第1インバータ回路4に出力することによって、定電流特性の出力が得られるように第1インバータ回路4を駆動する。アークスタート電流期間設定回路21は、トーチスイッチTSのハイレベル信号を入力してから、溶接電流判別回路18のハイレベル信号を入力してから時限を開始する予め設定された期間の終了まで、ハイレベル信号を出力する。
【0013】
また、アークスタート電流期間設定回路21は、ハイレベル信号をオア回路25を介してRSフリップフロップ回路27にセット信号として出力して、RSフリップフロップ回路27は、このセット信号を入力して、ハイレベル信号を出力し、第1スイッチング素子駆動回路29は、このハイレベル信号を入力して、第1スイッチング素子8a及び8dを導通する駆動信号を出力する。また、トーチスイッチTSが押されると、電動機制御回路44は、トーチスイッチTSのハイレベル信号を入力して起動し、電動機41は低速で回転し始め、消耗電極40をゆっくりと被溶接物15に向って送給し始める。消耗電極40と被溶接物15との間が短絡すると、このとき、消耗電極40と被溶接物15との間には、アークスタートを行うための電圧が印加されているために、アークが発生し溶接電流が流れる。
【0014】
その後、アークスタート電流期間設定回路21の時限終了後、アークスタート電流期間設定回路21の出力がローレベルになり、溶接電流設定回路20の出力信号Irが零になり、比較器17から出力される差信号△I=IrーIfが第1インバータ制御回路16に出力され、第1インバータ制御回路16から第1インバータ回路4に出力される駆動信号の出力が停止され、第1インバータ回路4は停止する。その後、極性切り換え判別回路19は、溶接電流検出器11の出力信号と極性切り換え電流値設定器34の出力信号とを比較して、溶接電流検出器11の出力信号が、極性切り換え電流値設定器34の出力信号まで下がったときに、ローレベル信号を出力し、このローレベル信号がスイッチ33を介して反転された信号が、RSフリップフロップ回路27にリセット信号として出力されて、RSフリップフロップ回路27は、ローレベル信号を出力し、第1スイッチング素子駆動回路29は、このローレベル信号を入力して、第1スイッチング素子8a及び8dを導通する駆動信号の出力を停止し、第1スイッチング素子8a及び8dが非導通になる。
【0015】
また、RSフリップフロップ回路27が出力するローレベル信号は、スイッチ32を介して反転されて、負極性電流期間設定回路23に出力され、負極性電流期間設定回路23は、この反転された信号を入力して、ハイレベル信号を出力して、溶接電流設定回路20は、このハイレベル信号を入力して、ハイレベル信号を出力し、比較器17はこのハイレベル信号を入力して、差信号△I=IrーIfを出力し、第1インバータ制御回路16は、この差信号△Iを入力して、第1インバータ回路4に駆動信号を出力し、第1インバータ回路4は、電力を負極性電流期間設定回路23に予め設定された期間出力する。また、負極性電流期間設定回路23は、ハイレベル信号をRSフリップフロップ回路26にセット信号として出力し、RSフリップフロップ回路26は、このセット信号を入力して、ハイレベル信号を出力し、第2スイッチング素子駆動回路28は、このハイレベル信号を入力して、第2スイッチング素子8b及び8cを導通する駆動信号を出力する。その後、負極性電流期間設定回路23の時限終了後、負極性電流期間設定回路23の出力がローレベルになり溶接電流設定回路20の出力信号Irが零になり、比較器17は差信号△I=IrーIfを出力し、第1インバータ制御回路16は、この差信号△Iを入力して、第1インバータ回路4に出力する駆動信号を停止し、第1インバータ回路4は停止する。
【0016】
その後、極性切り換え判別回路19は、溶接電流検出器11の出力信号と極性切り換え電流値設定器34の出力信号とを比較して、溶接電流検出器11の出力信号が、極性切り換え電流値設定器34の出力信号まで下がったときに、ローレベル信号を出力し、このローレベル信号が反転された信号が、RSフリップフロップ回路26にリセット信号として出力されて、RSフリップフロップ回路26は、このセット信号を入力してローレベル信号を出力し、第2イッチング素子駆動回路28は、このローレベル信号を入力して、第2イッチング素子8b及び8cを導通する駆動信号の出力を停止し、第2イッチング素子8b及び8cは非導通になる。
【0017】
また、RSフリップフロップ回路26が出力するローレベル信号が、反転されて正極性電流期間設定回路22に出力されることにより、正極性電流期間設定回路22は、ハイレベル信号を出力して、溶接電流設定回路20は、このハイレベル信号を入力して、ハイレベル信号を出力し、比較器17はこのハイレベル信号を入力して、差信号△I=IrーIfを出力し、第1インバータ制御回路16は、この差信号△Iを入力して、第1インバータ回路4を駆動する駆動信号を出力し、第1インバータ回路4は、この駆動信号を入力して、電力を正極性電流期間設定回路22に予め設定された期間出力する。
【0018】
また、正極性電流期間設定回路22が出力するハイレベル信号は、オア回路25を介してRSフリップフロップ回路27にセット信号として出力されて、RSフリップフロップ回路27は、このセット信号を入力して、ハイレベル信号を出力し、第1スイッチング素子駆動回路29は、このハイレベル信号を入力して、第1スイッチング素子8a及び8dを導通する駆動信号を出力する。その後、正極性電流期間設定回路22の時限終了後、正極性電流期間設定回路22の出力がローレベルになり、溶接電流設定回路20の出力信号Irが零になり、比較器17が差信号△I=IrーIfを第1インバータ制御回路16に出力し、第1インバータ制御回路16は、第1インバータ回路4に出力する駆動信号の出力を停止し、第1インバータ回路4は停止する。
【0019】
その後、極性切り換え判別回路19は、溶接電流検出器11の出力信号と極性切り換え電流値設定器34の出力信号とを比較して、溶接電流検出器11の出力信号が、極性切り換え電流値設定器34の出力信号まで下がったときに、ローレベル信号を出力し、このローレベル信号がスイッチ33を介して反転された信号が、RSフリップフロップ回路27にリセット信号として出力されて、RSフリップフロップ回路27は、このリセット信号を入力して、ローレベル信号を出力し、第1スイッチング素子駆動回路29は、このローレベル信号を入力して、第1スイッチング素子8a及び8dを導通する駆動信号の出力を停止し、第1スイッチング素子8a及び8dは非導通になる。
【0020】
その後、溶接が終了してトーチスイッチTSの押しボタンが離されると、トーチスイッチTSのローレベル信号が反転された信号が、ナンド回路30に出力され、その後、正極性電流期間設定回路22の時限が終了して、正極性電流期間設定回路22のローレベル信号が反転された信号がナンド回路30に入力されると、ナンド回路30は、両入力信号がハイレベルになるために、ハイレベル信号を出力し、RSフリップフッロプ回路31は、この信号をリセット信号として入力して、ローレベル信号をインバータ制御回路16に出力して、インバータ制御回路16は、第1インバータ回路4を駆動する信号を停止し、第1インバータ回路4は停止する。
【0021】
また、トーチスイッチTSの押しボタンが離されると、スイッチ33はb側に接続され、溶接電流判別回路18が出力するハイレベル信号がスイッチ33を介して反転された信号が、RSフリップフッロプ回路27にリセット信号として出力され、その後、溶接電流が低下してアークが消滅し、溶接電流判別回路18のハイレベル信号がローレベル信号になり、RSフリップフッロプ回路27は、このローレベル信号が反転されたハイレベル信号を、リセット信号として入力して、ローレベル信号を出力し、第1スイッチング素子駆動回路29は、このローレベル信号を入力して、第1スイッチング素子8a及び8dを導通する駆動信号の出力を停止し、第1スイッチング素子8a及び8dは非導通になる。
【0022】
図2は、図1に示した従来装置の各部の波形を示す図である。同図において、(A)はトーチスイッチTSの出力信号、(B)は第1インバータ回路4の出力、(C)はアークスタート電流期間設定回路21の出力信号、(D)は負極性電流期間設定回路23の出力信号、(E)は正極性電流期間設定回路22の出力信号、(F)は溶接電流設定回路20の出力信号、(G)は第1スイッチング素子駆動回路29の出力信号、(H)は第2スイッチング素子駆動回路28の出力信号、(I)は溶接電流及び極性切り換え電流値、(J)は消耗電極40と被溶接物15との間に発生するアーク電圧、(K)は溶接電流判別回路18の出力信号、(L)は極性切り換え判別回路19の出力信号を、それぞれ時間の経過とともに示している。
【0023】
図2に示す時刻t1において、トーチスイッチTSが押されると、トーチスイッチTSは、(A)に示すようにハイレベル信号を出力し、RSフリップフロップ回路31は、このハイレベル信号をセット信号として入力して、ハイレベル信号を出力し、インバータ制御回路16は、このハイレベル信号を入力して、第1インバータ回路4を駆動する信号を出力し、第1インバータ回路4は駆動する。これによって、交流電源1の出力は第1整流回路2によって整流された後に平滑回路3によって平滑され、第1インバータ回路4は、(B)に示すように高周波交流電力を出力する。
【0024】
また、トーチスイッチTSが押されると、アークスタート電流期間設定回路21は、トーチスイッチTSのハイレベル信号を入力して、(C)に示すようにハイレベル信号を出力する。溶接電流設定回路20は、このハイレベル信号を入力して、(F)に示すようにハイレベル信号を出力する。比較器17は、溶接電流検出器11の出力信号Ifと溶接電流設定回路20の出力信号Irとの差信号△I=IrーIfを出力し、インバータ制御回路16は、この差信号△Iに対応したパルス幅又は周波数のパルス信号を、第1インバータ回路4に出力することによって、定電流特性の出力が得られるように、第1インバータ回路4を駆動して、第1インバータ回路4の出力は、出力変圧器5によって所定の電圧に変換され、第2整流回路6によって再び直流に変換されて、リアクトル7を介して第2インバータ回路46に供給される。
【0025】
また、アークスタート電流期間設定回路21のハイレベル信号は、オア回路25を介して、RSフリップフロップ回路27にセット信号として出力されて、RSフリップフロップ回路27は、このセット信号を入力して、ハイレベル信号を出力し、第1スイッチング素子駆動回路29は、このハイレベル信号を入力して、第1スイッチング素子8a及び8dを導通する駆動信号を(G)に示すように出力する。この結果、第2インバータ回路46の出力は、出力端子12及び13から消耗電極40と被加工物15との間に供給される。また、トーチスイッチTSが押されると、電動機制御回路44は、トーチスイッチTSのハイレベル信号を入力して起動し、電動機41は低速で回転し始め、消耗電極40をゆっくりと被溶接物15に向って送給し始める。
【0026】
時刻t2において、消耗電極40と被溶接物15との間が短絡すると、このとき、消耗電極40と被溶接物15との間には、(J)に示すようにアークスタートを行うための電圧が印加されているためにアークが発生し、(I)に示すように溶接電流が流れる。そして、溶接電流判別回路18が、溶接電流が流れたと判別して(K)に示すようにハイレベル信号を出力し、アークスタート電流期間設定回路21は、溶接電流判別回路18が溶接電流が流れたと判別した時刻から時限を開始し、この時限の終了する時刻t3に、アークスタート電流期間設定回路21の出力がローレベルになり、溶接電流設定回路20の出力信号Irが零になり、比較器17から出力される差信号△I=IrーIfが、第1インバータ制御回路16に出力され、第1インバータ制御回路16から第1インバータ回路4に出力される駆動信号の出力が停止し、第1インバータ回路4は停止する。
【0027】
その後、溶接電流は(I)に示すように低下して、極性切り換え判別回路19は、溶接電流検出器11の出力信号と極性切り換え電流値設定器34の出力信号とを比較して、溶接電流が極性切り換え電流値まで下がる時刻t4に、(L)に示すようにローレベル信号を出力する。このとき、スイッチ33はトーチスイッチTSのハイレベル信号を入力して、a側に接続されているので、極性切り換え判別回路19のローレベル信号がスイッチ33を介して反転された信号が、RSフリップフロップ回路27にリセット信号として出力される。RSフリップフロップ回路27は、このリセット信号を入力して、ローレベル信号を出力し、第1スイッチング素子駆動回路29は、このローレベル信号を入力して、(G)に示すように第1スイッチング素子8a及び8dを導通する駆動信号の出力を停止し、第1スイッチング素子8a及び8dを非導通にする。
【0028】
また、このとき、スイッチ32はトーチスイッチTSのハイレベル信号を入力して導通しているので、RSフリップフロップ回路27が出力するローレベル信号は、スイッチ32を介して反転されて負極性電流期間設定回路23に出力され、負極性電流期間設定回路23は、(D)に示すようにハイレベル信号を出力し、溶接電流設定回路20は、このハイレベル信号を入力して、(F)に示すようにハイレベル信号を出力し、比較器17はこのハイレベル信号を入力して、差信号△I=IrーIfを出力し、第1インバータ制御回路16は、この差信号△Iを入力して駆動信号を出力し、第1インバータ回路4は、この駆動信号を入力して、(B)に示すように電力を負極性電流期間設定回路23に予め設定された期間出力する。また、負極性電流期間設定回路23は、上述したRSフリップフロップ回路27のローレベル信号がスイッチ32を介して反転された信号を入力したとき、ハイレベル信号をRSフリップフロップ回路26にセット信号として出力して、RSフリップフロップ回路26は、このセット信号を入力してハイレベル信号を出力し、第2スイッチング素子駆動回路28は、このハイレベル信号を入力して、(H)に示すように第2スイッチング素子8b及び8cを導通する駆動信号を出力し、第2スイッチング素子8b及び8cは導通する。
【0029】
その後、負極性電流期間設定回路23の時限が終了する時刻t5において、負極性電流期間設定回路23の出力が、(D)に示すようにローレベルになり、溶接電流設定回路20の出力信号Irが零になり、比較器17は差信号△I=IrーIfを第1インバータ制御回路16に出力し、第1インバータ制御回路16は、第1インバータ回路4に出力する駆動信号の出力を停止し、第1インバータ回路4は、(B)に示すように停止する。
【0030】
その後、溶接電流は(I)に示すように低下して、極性切り換え判別回路19は、溶接電流検出器11の出力信号と極性切り換え電流値設定器34の出力信号とを比較して、溶接電流が極性切り換え電流値まで下がる時刻t6に、(L)に示すようにローレベル信号を出力し、このローレベル信号が反転された信号が、RSフリップフロップ回路26にリセット信号として出力されて、RSフリップフロップ回路26は、このリセット信号を入力して、ローレベル信号を出力し、第2イッチング素子駆動回路28は、このローレベル信号を入力して、(H)に示すように第2イッチング素子8bび8cを導通する駆動信号の出力を停止し、第2イッチング素子8b及び8cを非導通にする。
【0031】
また、RSフリップフロップ回路26が出力するローレベル信号が反転されたハイレベル信号が正極性電流期間設定回路22に出力され、正極性電流期間設定回路22は、このハイレベル信号を入力して、(E)に示すようにハイレベル信号を出力して、溶接電流設定回路20は、このハイレベル信号を入力して、(F)に示すようにハイレベル信号を出力し、比較器17はこのハイレベル信号を入力して、差信号△I=IrーIfを出力し、第1インバータ制御回路16は、この差信号△Iを入力して、第1インバータ回路4に駆動信号を出力し、第1インバータ回路4は、(B)に示すように電力を正極性電流期間設定回路22に予め設定された期間出力する。
【0032】
また、正極性電流期間設定回路22が出力するハイレベル信号は、オア回路25を介してRSフリップフロップ回路27にセット信号として出力されて、RSフリップフロップ回路27は、このセット信号を入力して、ハイレベル信号を出力し、第1スイッチング素子駆動回路29はこのハイレベル信号を入力して、(G)に示すように第1スイッチング素子8a及び8dを導通する駆動信号を出力し、第1スイッチング素子8a及び8dは導通する。
【0033】
その後、正極性電流期間設定回路22の時限が終了する時刻t7に、正極性電流期間設定回路22の出力が、(E)に示すようにローレベルになり溶接電流設定回路20の出力信号Irが、(F)に示すように零になり、比較器17は差信号△I=IrーIfを第1インバータ制御回路16に出力し、第1インバータ制御回路16が第1インバータ回路4に出力する駆動信号の出力を停止し、第1インバータ回路4は、(B)に示すように駆動を停止する。
【0034】
その後、溶接電流は(I)に示すように低下し、極性切り換え判別回路19は、溶接電流検出器11の出力信号と極性切り換え電流値設定器34の出力信号とを比較して、溶接電流が極性切り換え電流値まで下がる時刻t8に、ローレベル信号を出力する。このローレベル信号が反転された信号が、RSフリップフロップ回路27にリセット信号として出力されて、RSフリップフロップ回路27は、このリセット信号を入力して、ローレベル信号を出力し、第1スイッチング素子駆動回路29は、このローレベル信号を入力して、(G)に示すように第1スイッチング素子8a及び8dを導通する駆動信号の出力を停止し、第1スイッチング素子8a及び8dを非導通にする。
【0035】
その後、前述した時刻t4から時刻t8までの動作を繰り返して、時刻t9 において、溶接を終了するためにトーチスイッチTSの押しボタンが離されると、トーチスイッチTSのローレベル信号が反転された信号が、ナンド回路30に出力され、その後、正極性電流期間設定回路22が、(E)に示すようにハイレベル信号を出力して、その時限が終了する時刻t10において、正極性電流期間設定回路22のローレベル信号が反転された信号が、ナンド回路30に入力されると、ナンド回路30は両入力信号がハイレベルになるために、ハイレベル信号を出力し、この信号がRSフリップフッロプ回路30にリセット信号として出力され、RSフリップフッロプ回路30は、このリセット信号を入力して、ローレベル信号を出力して、インバータ制御回路16は、このローレベル信号を入力して、第1インバータ回路4を駆動する信号を停止し、第1インバータ回路4は、(B)に示すように停止する。その後、溶接電流が(I)に示すように低下して、アークが消滅する時刻t11に、第1スイッチング素子駆動回路29は、(G)に示すように第1スイッチング素子8a及び8dを導通する駆動信号の出力を停止し、第1スイッチング素子8a及び8dを非導通にする。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来装置においては、第1インバータ回路4の出力を、一時的に停止している間で、溶接ケーブル47及び48のインダクタンスにより発生する誘導起電力が、アークの再点弧電圧よりも高く、かつ、第2インバータ回路46のスイッチング素子を破壊する電圧よりも低い適正電圧になる極性切り換え電流値に、溶接電流が達するときに、交流アーク溶接電源装置の出力の極性を切り換えて、第2インバータ回路46のスイッチング素子を破壊することを防止している。
【0037】
しかし、極性切り換え電流値設定器34の設定値が、溶接ケーブル47及び48との長さに関係なく、予め一定に設定されるために、溶接ケーブル47及び48が長いとき、即ち、溶接ケーブル47及び48のインダクタンスの値が大きいと想定した場合、このインダクタンスにより発生する誘導起電力が、第2インバータ回路46のスイッチング素子を破壊することを防止するために、極性切り換え電流値設定器34の設定値を小さく設定しておく必要がある。しかし、このように極性切り換え電流値設定器34の設定値を小さく設定した場合、溶接ケーブル47及び48が短い状態で溶接作業を行うと、溶接ケーブル48及び48のインダクタンスにより発生する誘導起電力が低くなるために、アークの再点弧電圧よりも低くなり、アークの再点弧を十分に行えず、アークが消滅してしまい、溶接作業に支障をきたす場合がある。
【0038】
また、逆に、溶接ケーブル47及び48が短いとき、即ち、溶接ケーブル47及び48のインダクタンスの値が小さいと想定した場合、このインダクタンスにより発生する誘導起電力が小さいために、アークの再点弧を十分に行うために、極性切り換え電流値設定器34の設定値を、大きく設定する。この場合に、溶接ケーブル47及び48が長い状態で溶接作業を行うと、溶接ケーブル47及び48のインダクタンスにより発生する誘導起電力が高くなるために、第1スイッチング素子8aと8d及び第2スイッチング素子8bと8cを破壊する場合がある。
【0039】
また、溶接作業位置の移動に伴って、溶接ケーブル47及び48も移動すると、溶接ケーブル47及び48のインダクタンスも変化するが、溶接作業中は、極性切り換え電流値設定器34に予め設定された一定の極性切り換え電流値で溶接作業を行うために、極性切り換え電流値を小さく設定した場合に、溶接ケーブル47及び48のインダクタンスの値が大きくなったときは、溶接ケーブル47及び48のインダクタンスにより発生する誘導起電力が高くなりすぎて、第2インバータ回路46のスイッチング素子を破壊する場合がある。逆に、極性切り換え電流値を大きく設定した場合に、溶接ケーブル47及び48のインダクタンスの値が小さくなったときは、溶接ケーブル47及び48のインダクタンスにより発生する誘導起電力が低くなりすぎて、アークの再点弧が十分に行なわれず、アークが消滅してしまうという場合がある。
【0040】
【課題を解決するための手段】
出願時請求項1に記載の発明は、交流電源1の出力を整流して平滑した出力を第1インバータ回路4によって高周波交流電力に変換し、第1インバータ回路4の出力をアーク加工に適した電力に変換して整流した後リアクトル7に供給し、このリアクトル7の出力を第2インバータ回路46によって交流電力に変換して溶接ケーブル47及び48を介して溶接負荷に供給し、第2インバータ回路46の出力の各極性切り換え前に第1インバータ回路4の出力を一時的に停止して溶接電流が極性切り換え電流値に達したときに第2インバータ回路46の出力の極性を切り換える交流アーク溶接電源制御方法において、
第1インバータ回路4の出力を一時的に停止した期間で第2インバータ回路46の出力の極性切り換え前の期間(dt1)における溶接電流検出器11の出力信号から溶接電流の変化率(di1/dt1)を演算する極性切り換え時溶接電流変化率演算ステップと、
上記の極性切り換え前の期間(dt1)の経過後のアーク電圧検出器39の出力信号(Va1)と上記溶接電流の変化率(di1/dt1)とからリアクトル7と溶接ケーブル47及び48との極性切り換え時インダクタンスを演算する極性切り換え時インダクタンス演算ステップと、
上記極性切り換え時インダクタンスに対応させた極性切り換え電流値を定める極性切り換え電流値演算ステップとから成る交流アーク溶接電源制御方法である。
【0041】
出願時請求項2に記載の発明は、後述する図3に記載の第1の実施例に示すように、交流電源1の出力を整流して平滑した出力を高周波交流電力に変換する第1インバータ回路4と、第1インバータ回路4の出力をアーク加工に適した電力に変換して整流したリアクトル7を介して交流電力に変換された電力を溶接ケーブル47及び48を介して溶接負荷に供給する第2インバータ回路46とを備えて、第2インバータ回路46の出力の各極性切り換え前に第1インバータ回路4の出力を一時的に停止して溶接電流が極性切り換え電流値に達したときに第2インバータ回路46の出力の極性を切り換える交流アーク溶接電源装置において、第1インバータ回路4の出力を一時的に停止した期間で第2インバータ回路46の出力の極性切り換え前の期間(dt1)における溶接電流検出器11の出力信号から演算した溶接電流の変化率(di1/dt1)と上記の極性切り換え前の期間(dt1)の経過後のアーク電圧検出器39の出力信号(Va1)とからリアクトル7と溶接ケーブル47及び48との極性切り換え時インダクタンスを演算するインダクタンス値演算回路と、
上記極性切り換え時インダクタンスに対応させた極性切り換え電流値を定める極性切り換え電流値演算回路38とからなる極性切り換え電流値演算手段を備えた交流アーク溶接電源装置である。
【0042】
出願時請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の極性切り換え電流値演算手段が、溶接電流検出器11の出力信号を入力して第1インバータ回路4の出力を一時的に停止した期間で第2インバータ回路46の出力の極性切り換え前の期間(dt1)における溶接電流の変化値(di1)から溶接電流の変化率(di1/dt1)を演算する第1微分器36と、
極性切り換え前の期間(dt1)の経過後のアーク電圧検出器39の出力信号(Va1)と第1微分器36の出力信号(di1/dt1)とを入力してリアクトル7と溶接ケーブル47及び48との第1インダクタンス値(L7+L47+L48)を
{(L7+L47+L48)×(di1/dt1)+Va1=0}
の関係式から演算する第1インダクタンス値演算回路37と、
第1インダクタンス値演算回路37の出力信号を入力して第1インダクタンス値(L7+L47+L48)に対応させた極性切り換え電流値を演算する極性切り換え電流値演算回路38とを備えた手段である交流アーク溶接電源装置である。
【0043】
出願時請求項4に記載の発明は、後述する図5に記載の第2の実施例に示すように、請求項2に記載の極性切り換え電流値演算手段が、溶接電流検出器11の出力信号を入力して第1インバータ回路4の出力を一時的に停止した期間で第2インバータ回路46の極性切り換え前の期間(dt1)における溶接電流の変化値(di1)から溶接電流の変化率(di1/dt1)を演算する第1微分器36と、
第2インバータ回路46の出力電圧検出信号と溶接電流検出器11の出力信号とアーク電圧検出器39の出力信号とを入力して溶接ケーブル47及び48の抵抗値(Ro)を演算する溶接ケーブル抵抗値演算手段と、
第2整流回路6と第2インバータ回路46の一対のスイッチング素子との電圧降下値(Vf)を設定する半導体電圧降下値設定器53と、
交流アーク溶接電源装置の内部抵抗値(Ri)を設定する内部抵抗値設定器54と、
半導体電圧降下値設定器53の出力信号(Vf)と
第1微分器36の出力信号(di1/dt1)と
極性切り換え前の期間(dt1)の経過後のアーク電圧検出器39の出力信号(Va1)及び溶接電流検出器11の出力信号(If1)と
溶接ケーブル抵抗値演算手段の出力信号(Ro)と
内部抵抗値設定器54の出力信号(Ri)と
を入力して、
{(L7+L47+L48)×(di1/dt1)+Va1+(Ro+Ri)×If1+Vf=0}
の関係式からリアクトル7と溶接ケーブル47及び48との第2インダクタンス値(L7+L47+L48)を演算する第2インダクタンス値演算回路50と、
第2インダクタンス値演算回路50の出力信号を入力して第2インダクタンス値(L7+L47+L48)に対応させた極性切り換え電流値を演算する極性切り換え電流値演算回路38とを備えた手段である交流アーク溶接電源装置である。
【0044】
出願時請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の前記溶接ケーブル抵抗値演算手段が、第2インバータ回路46の出力電圧を検出する出力端子電圧検出器51と、第1インバータ回路4の動作中の期間(dt2)における溶接電流の変化値(di2)から溶接電流の変化率(di2/dt2)を演算する第2微分器56と、第2微分器56の変化率(di2/dt2)が電流変化判別値より小さいときに溶接電流検出器11の出力信号(If2)及び出力端子電圧検出器51の出力信号(Vo)及びアーク電圧検出器39の出力信号(Va2)を入力して溶接ケーブル47及び48の抵抗値{Ro=(Vo−Va2)/If2}を演算する溶接ケーブル抵抗値演算回路52とを備えた手段である交流アーク溶接電源装置である。
【0045】
【発明の実施の形態】
[第1の実施例]
以下、本発明を図3に示す第1の実施例の制御ブロック図に基づいて説明する。同図に示す第1の実施例の制御ブロック図は、図1に示す従来装置の制御ブロック図と比較して、図3で太線で示す制御ブロックが異なり、以下、この異なる制御ブロックについて説明する。同図において、35は、モノマルチバイブレータであり、アークスタート電流期間設定回路21の出力信号が反転された信号を入力して、この入力信号がハイレベルのときから予め設定された期間(dt1)ハイレベル信号を出力する。39は、アーク電圧検出器であり、モノマルチバイブレータ35のハイレベル信号を入力して、このハイレベル信号の終了時刻におけるアーク電圧Va1を検出する。36は、第1微分器であり、溶接電流検出器11の出力信号とモノマルチバイブレータ35の出力信号とを入力して、モノマルチバイブレータ35のハイレベル信号が入力されている期間dt1の溶接電流検出器11の出力信号の変化値di1から、変化率(di1/dt1)を演算して出力する。37は、第1インダクタンス値演算回路であり、第1微分器36が演算した変化率(di/dt)とアーク電圧検出器39の出力信号Va1とを入力して、リアクトル7と溶接ケーブル47及び48との第1インダクタンス値を、(L7+L47+L48)として、
(L7+L47+L48)×(di1/dt1)+Va1=0
の関係式から第1インダクタンス値(L7+L47+L48)を演算する。
【0046】
38は、極性切り換え電流値演算回路であり、予め溶接ケーブルの長さが通常の使用状態のときのリアクトル7と溶接ケーブルとのインダクタンス値Laと、極性切り換え電流値iaとを実験的に求めておき、溶接ケーブルの長さが変化したときのリアクトル7と溶接ケーブルとのインダクタンス値Lは第1インダクタンス値演算回路37で演算され、溶接ケーブルの長さが変化したときの極性切り換え電流値iは、上述した実験的に求められたリアクトル7と溶接ケーブルとのインダクタンス値Laと極性切り換え電流値iaとの電磁エネルギと、溶接ケーブルの長さが変化したときのリアクトル7と溶接ケーブルとのインダクタンス値Lと極性切り換え電流値iとの電磁エネルギとが等しいことから、(L×i×i)/2=(La×ia×ia)/2とおいて演算される。出願時請求項3に記載の極性切り換え電流値演算手段は、第1微分器36、第1インダクタンス値演算回路37及び極性切り換え電流値演算回路38から成る。
【0047】
トーチスイッチTSが押されると、アークスタート電流期間設定回路21は、トーチスイッチTSのハイレベル信号を入力して、ハイレベル信号を溶接電流設定回路20に出力する。また、アークスタート電流期間設定回路21は、出力信号を反転した信号を、モノマルチバイブレータ35に入力して、アークスタート電流期間設定回路21の出力信号がハイレベルからローレベルに成ったときに、モノマルチバイブレータ35は、予め設定された期間ハイレベル信号を出力する。アーク電圧検出器39は、このハイレベル信号を入力して、このハイレベル信号の終了時刻におけるアーク電圧Vaを検出する。第1微分器36は、溶接電流検出器11の出力信号とモノマルチバイブレータ35の出力信号とを入力して、モノマルチバイブレータ35のハイレベル信号が入力されている期間dt1の溶接電流検出器11の出力信号の変化値di1から、変化率(di1/dt1)を演算する。第1インダクタンス値演算回路37は、第1微分器36が演算した変化率(di1/dt1)とアーク電圧検出器39の出力信号Vaとを入力して、リアクトル7と溶接ケーブル47及び48との第1インダクタンス値(L7+L47+L48)を演算する。
【0048】
極性切り換え電流値演算回路38は、第1インダクタンス値演算回路37の演算結果を入力して、第1インダクタンス値(L7+L47+L48)に対応した極性切り換え電流値を演算する。以下、アークスタート電流期間、負極性電流期間及び正極性電流期間において、極性切り換え判別回路19は、溶接電流検出器11の出力信号と極性切り換え電流値演算回路38の出力信号とを比較して、溶接電流検出器11の出力信号が極性切り換え電流値演算回路38の出力信号まで下がったときに、ローレベル信号を出力する。
【0049】
図4は、図3に示した制御ブロック図の各部の波形を示す図である。同図において、(A)乃至(L)は、図2の(A)乃至(L)に対応しているので説明を省略する。(M)はモノマルチバイブレータ35の出力信号を、時間の経過とともに示したものである。
【0050】
図4において、図2と異なる部分のみ説明する。アークスタート電流期間の終了する時刻t3に、アークスタート電流期間設定回路21の出力が、ローレベルになり、モノマルチバイブレータ35は、このローレベル信号が反転されたハイレベル信号を、入力したときから予め設定された期間、ハイレベル信号をアーク電圧検出器39に出力する。アーク電圧検出器39は、モノマルチバイブレータ35のハイレベル信号を入力して、このハイレベル信号の終了時刻におけるアーク電圧Vaを検出する。第1微分器36は、溶接電流検出器11の出力信号とモノマルチバイブレータ35の出力信号とを入力して、モノマルチバイブレータ35のハイレベル信号が入力されている期間dt1の溶接電流検出器11の出力信号の変化値di1から、変化率(di1/dt1)を演算して出力する。
【0051】
第1インダクタンス値演算回路37は、第1微分器36が演算した変化率(di1/dt1)とアーク電圧検出器39の出力信号Vaとを入力して、リアクトル7と溶接ケーブル47及び48との第1インダクタンス値(L7+L47+L48)を演算する。極性切り換え電流値演算回路38は、第1インダクタンス値演算回路37の演算結果を入力して、第1インダクタンス値(L7+L47+L48)に対応した極性切り換え電流値を演算する。
【0052】
図3に示した本発明の第1の実施例の制御ブロック図では、極性切り換え電流値を演算することにおいて、溶接ケーブル47及び48の抵抗分やスイッチング素子の電圧降下値等を無視していたが、これらを考慮して、極性切り換え電流値を演算する場合を次に示す。
【0053】
[第2の実施例]
図5は、本発明の第2の実施例の制御ブロック図である。同図に示す第2の実施例の制御ブロック図は、図3に示す第1の実施例の制御ブロック図と比較して、図5で太線で示す制御ブロックが異なり、以下、この異なる制御ブロックについて説明する。同図において、56は、第2微分器であって、溶接電流検出器11の出力信号Ifを入力して、変化率(di2/dt2)を演算する。57は、アンド回路であって、アークスタート電流期間設定回路21の出力信号と溶接電流判別回路18の出力信号とを入力して、両信号がハイレベルのときハイレベル信号を出力する。55は、電流変化検出器であり、アンド回路57の出力信号と第2微分器56の出力信号とを入力して、アンド回路57のハイレベル信号を入力しているとき、即ち、アークスタート電流期間で溶接電流が流れているとき、第2微分器56の出力信号である(di2/dt2)と電流変化判別値設定器49の出力信号とを比較し、第2微分器56の出力信号(di/dt)が電流変化判別値設定器49の出力信号よりも小さいときに、溶接電流の変化が略零と判別し、ハイレベル信号を出力する。
【0054】
51は、電流変化検出器55がハイレベル信号を出力している期間に、第2インバータ回路46の出力電圧Voを検出する出力端子電圧検出器である。52は、溶接ケーブル47及び48の抵抗値を演算する溶接ケーブル抵抗値演算回路であって、電流変化検出器55がハイレベル信号を出力している期間に、溶接電流検出器11が出力する信号If2及びアーク電圧検出器39が出力する信号Va2と、出力端子電圧検出器51の出力信号Voとを入力して、溶接ケーブル47の抵抗値R47及び溶接ケーブル48の抵抗値R48の合計をRoとすると、
Ro=R47+R48、
Ro=(VoーVa2)/If2
の関係式により、溶接ケーブル47及び48の合成抵抗値Roを演算することができる。
【0055】
53は、半導体電圧降下値設定器であり、溶接電流検出器11の出力信号Ifを入力して、第2整流回路6の電圧降下値Vf1、スイッチング素子8aの電圧降下値V8a及びスイッチング素子8dの電圧降下値V8dの合計電圧降下値(Vf=Vf1+V8a+V8d)を設定する。ここで、第2整流回路6の電圧降下値Vf1、スイッチング素子8aの電圧降下値V8a及びスイッチング素子8dの電圧降下値V8dは、設計値から、溶接電流検出器11の出力信号Ifの関数として決定される。54は、交流アーク溶接電源装置の内部抵抗を設定する内部抵抗値設定器であって、この内部抵抗値は、主に出力変圧器5の2次巻線の抵抗分とリアクトル7の抵抗分とであり、設計値から求められる。
【0056】
50は、第2インダクタンス値演算回路であり、第1微分器36の出力信号(di1/dt1)と、モノマルチバイブレータ35のハイレベル信号の終了時刻における溶接電流検出器11の出力信号If1及びアーク電圧検出器39の出力信号Va1と、溶接ケーブル抵抗値演算回路52の出力信号Roと、半導体電圧降下値設定器53の出力信号Vfと、内部抵抗値設定器54の出力信号Riとを入力して、リアクトル7と溶接ケーブル47及び48との第2インダクタンス値を、(L7+L47+L48)として、
(L7+L47+L48)×(di1/dt1)+Va1+(Ro+Ri)×If1+Vf=0
の関係式から第2インダクタンス値(L7+L47+L48)を演算する。
【0057】
出願時請求項5に記載の溶接ケーブル抵抗値演算手段は、出力端子電圧検出器51、第2微分器及び溶接ケーブル抵抗値演算回路52とから成る。また、出願時請求項5に記載の極性切り換え電流値演算手段は、第1微分器36、溶接ケーブル抵抗値演算手段、半導体電圧降下値設定器53、内部抵抗値設定器54、第2インダクタンス値演算回路50及び極性切り換え電流値演算回路38から成る。
【0058】
トーチスイッチTSが押されると、アークスタート電流期間設定回路21は、トーチスイッチTSのハイレベル信号を入力して、ハイレベル信号を溶接電流設定回路20に出力する。また、アークスタート電流期間設定回路21は、この出力信号を反転した信号を、モノマルチバイブレータ35に入力して、アークスタート電流期間設定回路21の出力信号がハイレベルからローレベルに変わったときに、モノマルチバイブレータ35は、予め設定された期間、ハイレベル信号を出力する。アーク電圧検出器39は、このハイレベル信号を入力して、このハイレベル信号の終了時刻におけるアーク電圧Va1を検出する。第1微分器36は、溶接電流検出器11の出力信号とモノマルチバイブレータ35の出力信号とを入力して、モノマルチバイブレータ35のハイレベル信号が入力されている期間dt1の溶接電流検出器11の出力信号の変化値di1から、変化率(di1/dt1)を演算する。
【0059】
第2微分器56は、溶接電流検出器11の出力信号Ifを入力して、変化率(di1/dt1)を演算する。アンド回路57は、アークスタート電流期間設定回路21の出力信号と溶接電流判別回路18の出力信号とを入力して、両信号がハイレベルのときハイレベル信号を出力する。電流変化検出器55は、アンド回路57と第2微分器56との出力信号を入力して、アンド回路57のハイレベル信号を入力しているときで、かつ、第2微分器56の出力信号である(di2/dt2)が略零と判別したとき、ハイレベル信号を出力する。出力端子電圧検出器51は、電流変化検出器55の出力信号を入力しているときの第2インバータ回路46の出力電圧Voを検出し、溶接ケーブル抵抗値演算回路52は、出力端子電圧検出器51の出力信号Voと溶接電流検出器11の出力信号Ifとアーク電圧検出器39の出力信号Vaとを入力して、溶接ケーブル47及び48の抵抗値Roを演算する。
【0060】
半導体電圧降下値設定器53は、溶接電流検出器11の出力信号Ifを入力して、第2整流回路6の電圧降下値Vf1、スイッチング素子8aの電圧降下値V8a及びスイッチング素子8dの電圧降下値V8dの合計電圧降下値(Vf=Vf1+V8a+V8d)を設定する。第2インダクタンス値演算回路50は、第1微分器36の出力信号(di1/dt1)と、モノマルチバイブレータ35のハイレベル信号の終了時刻における溶接電流検出器11の出力信号If及びアーク電圧検出器39の出力信号Va1と、溶接ケーブル抵抗値演算回路52の出力信号Roと、半導体電圧降下値設定器53の出力信号Vfと、内部抵抗値設定器54の出力信号Riとを入力して、リアクトル7と溶接ケーブル47及び48との第2インダクタンス値(L7+L47+L48)を演算する。
【0061】
極性切り換え電流値演算回路38は、第2インダクタンス値演算回路50の演算結果を入力して、第2インダクタンス値(L7+L47+L48)に対応した極性切り換え電流値を演算する。以下、アークスタート電流期間、負極性電流期間及び正極性電流期間において、極性切り換え判別回路19は、溶接電流検出器11の出力信号と極性切り換え電流値演算回路38の出力信号とを比較して、溶接電流検出器11の出力信号が極性切り換え電流値演算回路38の出力信号まで下がったときに、ローレベル信号を出力する。
【0062】
図6は、図5に示した制御ブロック図の各部の波形を示す図である。同図において、(A)乃至(M)は、図4に示す(A)乃至(M)に対応しているので、説明を省略する。(N)は電流変化検出器55の出力信号を、時間の経過とともに示している。
【0063】
図6において、図4と異なる部分のみ説明する。時刻t2において、消耗電極40と被溶接物15との間が短絡すると、このとき、消耗電極40と被溶接物15との間には、アークスタートを行うための電圧が印加されているために、アークが発生し、(I)に示すように溶接電流が流れる。その後、溶接電流判別回路18が、溶接電流が流れたと判別して、(K)に示すようにハイレベル信号を出力する。このとき、アンド回路57は、入力信号であるアークスタート電流期間設定回路21の出力信号と溶接電流判別回路18の出力信号との両信号がハイレベルであるので、ハイレベル信号を出力し、電流変化検出器55は、アンド回路57のハイレベル信号と第2微分器56の出力信号(di2/dt2)を入力して、第2微分器56の出力信号(di2/dt2)が略零と判別する時刻t21から第2微分器56の出力信号(di2/dt2)が略零である期間、(N)に示すようにハイレベル信号を出力する。また、出力端子電圧検出器51は、電流変化検出器55の出力信号を入力しているときの第2インバータ回路46の出力電圧Voを検出する。
【0064】
アークスタート電流期間設定回路21は、溶接電流判別回路18が、溶接電流が流れたと判別してから時限を開始し、この時限の終了する時刻t3に、アークスタート電流期間設定回路21の出力がローレベルになり、溶接電流設定回路20の出力信号Irが零になり、比較器17から出力される差信号△I=IrーIfが、第1インバータ制御回路16に出力され、第1インバータ制御回路16から第1インバータ回路4に出力される駆動信号の出力が、停止され、第1インバータ回路4は停止する。
【0065】
また、アークスタート電流期間の終了する時刻t3に、溶接電流が、(I)に示すように変化し始め、第2微分器56の出力(di/dt)が電流変化判別値設定器49の設定値よりも大きくなると、電流変化検出器55のハイレベル信号は、(N)に示すように停止する。
【0066】
また、アークスタート電流期間の終了する時刻t3に、アークスタート電流期間設定回路21の出力が、ローレベルになり、モノマルチバイブレータ35は、このローレベル信号が反転されたハイレベル信号を、入力したときから予め設定された期間、ハイレベル信号をアーク電圧検出器39に出力する。アーク電圧検出器39は、モノマルチバイブレータ35のハイレベル信号を入力して、このハイレベル信号の終了時刻におけるアーク電圧Vaを検出する。
【0067】
第1微分器36は、溶接電流検出器11の出力信号とモノマルチバイブレータ35の出力信号とを入力して、モノマルチバイブレータ35のハイレベル信号が入力されている期間dt1の溶接電流検出器11の出力信号の変化値di1から、変化率(di1/dt1)を演算して出力する。第2インダクタンス値演算回路50は、第1微分器36の出力信号(di1/dt1)と、溶接電流検出器11の出力信号Ifと、アーク電圧検出器39の出力信号Vaと、溶接ケーブル抵抗値演算回路52の出力信号Roと、半導体電圧降下値設定器53の出力信号Vfと、内部抵抗値設定器54の出力信号Riとを入力して、リアクトル7と溶接ケーブル47及び48とのインダクタンス値(L7+L47+L48)を演算する。極性切り換え電流値演算回路38は、第2インダクタンス値演算回路50の演算結果を入力して、リアクトル7と溶接ケーブル47及び48とのインダクタンス値(L7+L47+L48)に対応した極性切り換え電流値を演算する。
【0068】
尚、上述した第1の実施例及び第2の実施例においては、アークスタート電流期間の終了後に、溶接電流検出器11の出力信号の変化値di1を検出して、変化率(di1/dt1)を演算し、アーク電圧Va1を検出して、極性切り換え電流値を演算しているが、正極性電流期間又は負極性電流期間の終了後に、溶接電流検出器11の出力信号の変化値di1を検出して、変化率(di1/dt1)を演算し、アーク電圧Va1を検出して、極性切り換え電流値を演算しても良い。
【0069】
また、第1の実施例及び第2の実施例においては、溶接電源装置の電源を投入後、トーチスイッチTSを押す毎に、溶接電流検出器11の出力信号の変化値di1を検出して、変化率(di1/dt1)を演算し、アーク電圧Va1を検出して、極性切り換え電流値を演算しているが、溶接電源装置の電源を投入後、最初にトーチスイッチTSを押したときのみ、極性切り換え電流値を演算して、その後、溶接電源装置の電源を切るまでは、同じ極性切り換え電流値を使用するようにしても良い。
【0070】
また、第1の実施例及び第2の実施例においては、溶接電流検出器11の出力信号の変化値di1を検出して、変化率(di1/dt1)を演算し、アーク電圧Va1を検出して、極性切り換え電流値を演算しているが、スタート条件が安定していて、アーク長の変化が少ない場合、アーク電圧が一定として、簡易的に、アーク電圧Va1を検出しないで、溶接電流検出器11の出力信号の変化値di1のみを検出して、変化率(di1/dt1)を演算し、極性切り換え電流値を演算しても良い。
【0071】
また、第1の実施例及び第2の実施例においては、正極性電流期間と負極性電流期間との極性切り換え電流値を同じにしているが、正極性電流期間と負極性電流期間とでは、アークの再点弧性に差があるので、正極性電流期間と負極性電流期間とにおいて、それぞれの溶接電流検出器11の出力信号の変化値di1を検出して、変化率(di1/dt1)を演算し、アーク電圧Va1を検出して、極性切り換え電流値を演算しても良い。
【0072】
また、上記において、本発明を消耗電極を用いる交流アーク溶接電源装置に適用した実施の形態を説明したが、本発明は、非消耗電極を用いる交流TIGアーク溶接電源装置にも、同様に適用できる。
【0073】
【発明の効果】
以上の如く、図3に示す第1の実施例は、第2インバータ回路の各極性切り換え前に第1インバータ回路の出力を一時的に停止して、溶接電流が極性切り換え電流値に達したときに第2インバータ回路の極性を切り換える交流アーク溶接電源装置において、アーク電圧及び溶接電流を検出し、溶接電流値から溶接電流の変化率を演算し、これらの値からリアクトルと溶接ケーブルとのインダクタンス値を演算し、このインダクタンス値から極性切り換え電流値を演算することによって、従来技術のように、第2インバータ回路のスイッチング素子を切り換えるときの極性切り換え電流値が、予め設定された一定値ではなく、溶接ケーブルが短いとき又は長いときにおいて、それぞれの溶接ケーブルの長さに対応した極性切り換え電流値を演算して、第2インバータ回路のスイッチング素子を切り換えるときの極性切り換え電流値を設定することができる。従って、溶接ケーブルの長さが長い場合には、溶接ケーブルのインダクタンスにより発生する誘導起電力が、スイッチング素子を破壊する電圧まで高くなることがないように、極性切り換え電流値を低く設定できるので、スイッチング素子を破壊することがない。逆に、溶接ケーブルの長さが短い場合には、溶接ケーブルのインダクタンスにより発生する誘導起電力が、アークの再点弧電圧よりも十分に高くなるように、極性切り換え電流値を高く設定できるので、アークの再点弧を十分に行うことができる。
【0074】
さらに、溶接作業中に溶接ケーブルが移動して、溶接ケーブルのインダクタンスが変化しても、極性切り換え電流値を、溶接ケーブルのインダクタンスに対応した値に変更することができるために、溶接ケーブルのインダクタンスが大きくなった場合には、極性切り換え電流値を小さく設定するために、溶接ケーブルのインダクタンスにより発生する誘導起電力が、スイッチング素子を破壊する電圧まで高くなることがなく、スイッチング素子を破壊することがない。逆に、溶接ケーブルのインダクタンスが小さくなった場合には、極性切り換え電流値を大きく設定するために、溶接ケーブルのインダクタンスにより発生する誘導起電力が、アークの再点弧を行う電圧よりも高くなり、アークの再点弧を十分に行うことができ、溶接作業に支障をきたすことがないという効果を有する。
【0075】
また、図5に示す第2の実施例は、極性切り換え電流値を演算することにおいて、溶接ケーブルの抵抗値、スイッチング素子等の電圧降下値及び交流アーク溶接電源装置の内部抵抗値を考慮して演算しているために、図3に示す第1の実施例と比較して、より精度の高い極性切り換え電流値を演算することができるので、第1の実施例が有するスイッチング素子を破壊する危険性がさらに少なく、アークの再点弧を十分に行うことができる効果よりも大きな効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来の交流アーク溶接電源装置の制御ブロック図である。
【図2】図2は、図1に示した制御ブロック図の各部の波形を示す図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施例の制御ブロック図である。
【図4】図4は、図3に示した制御ブロック図の各部の波形を示す図である。
【図5】図5は、本発明の第2の実施例の制御ブロック図である。
【図6】図6は、図5に示した制御ブロック図の各部の波形を示す図である。
【符号の説明】
1 交流電源
2 第1整流回路
3 平滑回路
4 第1インバータ回路
5 出力変圧器
6 第2整流回路
7 リアクトル
8a、8d 第1スイッチング素子
8b、8c 第2スイッチング素子
9a〜9d スナバ抵抗器
10a〜10d スナバコンデンサ
11 溶接電流検出器
12、13 出力端子
14 溶接トーチ
15 被溶接物
16 インバータ制御回路
17 比較器
18 溶接電流判別回路
19 極性切り換え判別回路
20 溶接電流設定回路
21 アークスタート電流期間設定回路
22 正極性電流期間設定回路
23 負極性電流期間設定回路
25 オア回路
26、27 RSフリップフロップ回路
28 第2スイッチング素子駆動回路
29 第1スイッチング素子駆動回路
30 ナンド回路
31 RSフリップフロップ回路
32、33 スイッチ
34 極性切り換え電流値設定器
35 モノマルチバイブレータ
36 第1微分器
37 第1インダクタンス値演算回路
38 極性切り換え電流値演算回路
39 アーク電圧検出器
40 消耗電極
41 電動機
42 送給ロール
43 ワイヤリール
44 電動機制御回路
45 溶接電流判別値設定器
46 第2インバータ回路
47、48 溶接ケーブル
49 電流変化判別値設定器
50 第2インダクタンス値演算回路
51 出力端子電圧検出器
52 溶接ケーブル抵抗値演算回路
53 半導体電圧降下値設定器
54 内部抵抗値設定器
55 電流変化検出器
56 第2微分器
57 アンド回路
TS トーチスイッチ

Claims (5)

  1. 交流電源の出力を整流して平滑した出力を第1インバータ回路によって高周波交流電力に変換し、前記第1インバータ回路の出力をアーク加工に適した電力に変換して整流した後リアクトルに供給し、前記リアクトルの出力を第2インバータ回路によって交流電力に変換して溶接ケーブルを介して溶接負荷に供給し、前記第2インバータ回路の出力の各極性切り換え前に前記第1インバータ回路の出力を一時的に停止して溶接電流が極性切り換え電流値に達したときに前記第2インバータ回路の出力の極性を切り換える交流アーク溶接電源制御方法において、
    前記第1インバータ回路の出力を一時的に停止した期間で前記第2インバータ回路の出力の極性切り換え前の期間における溶接電流検出器の出力信号から溶接電流の変化率を演算する極性切り換え時溶接電流変化率演算ステップと、
    前記極性切り換え前の期間の経過後のアーク電圧検出器の出力信号と前記溶接電流の変化率とから前記リアクトルと前記溶接ケーブルとの極性切り換え時インダクタンスを演算する極性切り換え時インダクタンス演算ステップと、
    前記極性切り換え時インダクタンスに対応させた極性切り換え電流値を定める極性切り換え電流値演算ステップとから成る交流アーク溶接電源制御方法。
  2. 交流電源の出力を整流して平滑した出力を高周波交流電力に変換する第1インバータ回路と、前記第1インバータ回路の出力をアーク加工に適した電力に変換して整流したリアクトルを介して交流電力に変換された電力を溶接ケーブルを介して溶接負荷に供給する第2インバータ回路とを備えて、前記第2インバータ回路の出力の各極性切り換え前に前記第1インバータ回路の出力を一時的に停止して溶接電流が極性切り換え電流値に達したときに前記第2インバータ回路の出力の極性を切り換える交流アーク溶接電源装置において、
    前記第1インバータ回路の出力を一時的に停止した期間で前記第2インバータ回路の出力の極性切り換え前の期間における溶接電流検出器の出力信号から演算した溶接電流の変化率と前記極性切り換え前の期間の経過後のアーク電圧検出器の出力信号とから前記リアクトルと前記溶接ケーブルとの極性切り換え時インダクタンスを演算するインダクタンス値演算回路と、
    前記極性切り換え時インダクタンスに対応させた極性切り換え電流値を定める極性切り換え電流値演算回路とからなる極性切り換え電流値演算手段を備えた交流アーク溶接電源装置。
  3. 前記極性切り換え電流値演算手段が、前記溶接電流検出器の出力信号を入力して前記第1インバータ回路の出力を一時的に停止した期間で前記第2インバータ回路の出力の前記極性切り換え前の期間(dt1)における溶接電流の変化値(di1)から溶接電流の変化率(di1/dt1)を演算する第1微分器と、
    前記極性切り換え前の期間(dt1)の経過後の前記アーク電圧検出器の出力信号(Va1)と前記第1微分器の出力信号(di1/dt1)とを入力して前記リアクトルと前記溶接ケーブルとの第1インダクタンス値(L7+L47+L48)を
    {(L7+L47+L48)×(di1/dt1)+Va1=0}
    の関係式から演算する第1インダクタンス値演算回路と、
    前記第1インダクタンス値演算回路の出力信号を入力して前記第1インダクタンス値に対応させた極性切り換え電流値を演算する極性切り換え電流値演算回路とを備えた手段である請求項2に記載の交流アーク溶接電源装置。
  4. 前記極性切り換え電流値演算手段が、前記溶接電流検出器の出力信号を入力して前記第1インバータ回路の出力を一時的に停止した期間で前記第2インバータ回路の前記極性切り換え前の期間(dt1)における溶接電流の変化値(di1)から溶接電流の変化率(di1/dt1)を演算する第1微分器と、
    前記第2インバータ回路の出力電圧検出信号と前記溶接電流検出器の出力信号と前記アーク電圧検出器の出力信号とを入力して前記溶接ケーブルの抵抗値(Ro)を演算する溶接ケーブル抵抗値演算手段と、
    前記第2整流回路と前記第2インバータ回路の一対のスイッチング素子との電圧降下値(Vf)を設定する半導体電圧降下値設定器と、
    前記交流アーク溶接電源装置の内部抵抗値(Ri)を設定する内部抵抗値設定器と、
    前記半導体電圧降下値設定器の出力信号(Vf)と
    前記第1微分器の出力信号(di1/dt1)と
    前記極性切り換え前の期間(dt1)の経過後の前記アーク電圧検出器の出力信号(Va1)及び前記溶接電流検出器の出力信号(If1)と
    前記溶接ケーブル抵抗値演算手段の出力信号(Ro)と
    前記内部抵抗値設定器の出力信号(Ri)と
    を入力して、
    {(L7+L47+L48)×(di1/dt1)+Va1+(Ro+Ri)×If1+Vf=0}
    の関係式からリアクトルと溶接ケーブルとの第2インダクタンス値(L7+L47+L48)を演算する第2インダクタンス値演算回路と、
    前記第2インダクタンス値演算回路の出力信号を入力して前記第2インダクタンス値に対応させた極性切り換え電流値を演算する極性切り換え電流値演算回路とを備えた手段である請求項2に記載の交流アーク溶接電源装置。
  5. 前記溶接ケーブル抵抗値演算手段が、前記第2インバータ回路の出力電圧を検出する出力端子電圧検出器と、前記第1インバータ回路の動作中の期間(dt2)における溶接電流の変化値(di2)から溶接電流の変化率(di2/dt2)を演算する第2微分器と、前記第2微分器の変化率(di2/dt2)が電流変化判別値より小さいときに前記溶接電流検出器の出力信号(If2)及び前記出力端子電圧検出器の出力信号(Vo)及び前記アーク電圧検出器の出力信号(Va2)を入力して前記溶接ケーブルの抵抗値{Ro=(Vo−Va2)/If2}を演算する溶接ケーブル抵抗値演算回路とを備えた手段である請求項4に記載の交流アーク溶接電源装置。
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