JP4232482B2 - 介護ベッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、寝たきりで自力で動くことが不自由な被介護者に有用な介護ベッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の介護ベッドの例としては、介護ベッドを囲って設置されたベッド枠に敷物を敷き、このベッド枠をエア−シリンダ−により上昇させて敷物上に寝ている被介護者の身体を介護ベッドから上方に持上げ、その間にシ−ツの交換を行っている。(例えば、特許文献1参照。)
また、介護ベッドを左右等に傾斜させて、体重の掛かる位置を変化させることにより、自力で寝返りができない寝たきりの被介護者の身体と介護ベッドとの接触圧力を変化させて皮膚部の血流を阻害することを防ぐことにより、床ずれを防止している。(例えば、特許文献2参照。)
さらに、介護ベッドの下部に、ベッドの幅方向に複数配置した床板の各々を上下方向に昇降可能とすることにより、自力で寝返りができない寝たきりの被介護者が、介護者による介助を受けずに寝返りをして介護ベッド上で所望の姿勢をとることにより、床ずれを防止している。(例えば、特許文献3参照。)
【0003】
【特許文献1】
特開2000−254181号公報(第2頁【0003】−第3頁【0020】、第1図、第4−5図)
【特許文献2】
特開2002−17792号公報(第2頁【0006】−第4頁【0014】、第6図−第9図)
【特許文献3】
特開2000−354612号公報(第2頁【0006】−第4頁【0020】、第1図−第3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1の技術においては、シ−ツの交換に際して、被介護者の身体は、介護ベッドから離れて上方に持上げられるために被介護者に不安を与え、また、被介護者はシ−ツの交換のたびに身体を動かされることになり、被介護者は身体的のみならず精神的にも大きな負担がかかるという問題がある。
【0005】
また、上記の特許文献2の技術においては、寝たきりの被介護者の床ずれを防止するために、被介護者の介護ベッドの床面との接触圧力を適宜変えることはできるものの被介護者の姿勢を変えることはできないという問題がある。
さらに、上記の特許文献3の技術においては、介護ベッドの下部にベッド幅方向に複数配置した床板を昇降させることにより、寝返りができない被介護者の姿勢を変えて被介護者の床ずれを防止することはできるものの、これに伴い隣接する床板間に段差が生じ、寝返りに伴って被介護者の身体に負担を与え、その不快感によって精神的な負担も与えてしまうという問題がある。
【0006】
そこで本発明は、被介護者に身体的および精神的な負担を与えることなくシ−ツの交換を容易に行うことができ、かつ、被介護者を滑らかに寝返りさせて床ずれを防止することができる介護ベッドを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、介護ベッドが、ベッドの幅方向の両側に、それぞれ回転可能に配置された巻取りロ−ラと、前記巻取りロ−ラ間に前記巻取りローラと平行に回転可能に配置され、独立して昇降可能に設けられた複数の昇降ロ−ラと、前記昇降ローラを覆い、前記それぞれの巻取りロ−ラに端部を固定されたシ−トと、前記シ−ト上に直接、前記幅方向の両端を着脱可能に取付けられたシ−ツとを備え、被介護者をベッドの長手方向に沿って寝かせた状態で、当該被介護者の両側に配置された前記昇降ロ−ラをそれぞれ上昇させて、前記シ−トに段差のない滑らかな凹面からなる凹部を形成し、その凹部に当該被介護者を収め、前記巻取りロ−ラで前記シートを幅方向に巻取って、前記シ−ツを交換することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明による実施の形態について説明する。
第1実施の形態例
図1は第1実施の形態例の介護ベッドの斜視図、図2は第1実施の形態例の昇降ロ−ラの昇降機構を示す説明図、図3は本発明の巻取りロ−ラの回転機構を示す説明図、図4は第1実施の形態例の介護ベッドの平面図、図5は第1実施の形態例の介護ベッドの正面図、図6、図7は第1実施の形態例の昇降ロ−ラの作用状況を示す説明図である。
【0009】
1は介護ベッドである。
2a、2bは円柱形の巻取りロ−ラであり、介護ベッド1の幅方向の両側に設置されており、両端にはフック3が設けられている。
4は長方形のシ−トであり、ゴムシ−トや繊維材等からなり、両端に設けられた孔を巻取りロ−ラ2a、2bのフック3に係合して、数回巻かれて取付けられており、それぞれの巻取りロ−ラ2a、2bにはベッド幅に相当する程度の長さの余長を有している。
【0010】
また、シ−ト4には、通常市販される長さのシ−ツ5の両端に対応して、面ファスナ等の接着面6a、6bが設けられており、シ−ツ5はシ−ト4上に敷かれ、接着面6a、6bで着脱が可能である。
7は円柱形の昇降ロ−ラであり、シ−ト4の下部に巻取りロ−ラ2a、2bと平行に、昇降可能に設けられており、被介護者が介護ベッド1に寝ている状態のときに、不快感を感じさせない程度の間隔をもって複数配置されている。
【0011】
また、昇降ロ−ラ7の外周部は、被介護者に不快感を感じさせない程度の柔軟性を有するゴム等の弾性材で覆われて構成されている。
前記巻取りロ−ラ2a、2b、シ−ト4および昇降ロ−ラ7は、それぞれ介護ベッド1の長手方向に、上半身部8a、腰部8b、下半身膝上部8c、下半身膝下部8dの4つに分割されており、各部はそれぞれ独立して傾斜させることができ、リクライニングや脚上げ等の状態を保つことができるように構成されている。
【0012】
9はリモ−トコントロ−ラであり、内蔵には別付として図示しない制御部を有し、介護者や被介護者はリモ−トコントロ−ラ9によりリクライニングや脚上げ等のための傾斜、巻取りロ−ラ2a、2bの回転、昇降ロ−ラ7の昇降等の動作を有機的に行うように指示する。
10は昇降ロ−ラ支持ロッドであり、上部には昇降ロ−ラ7を回転自在に支持する昇降ロ−ラ回転軸11が設けられ、下部には従動ロ−ラ12を回転自在に支持する従動ロ−ラ軸13が設けられている。
【0013】
14は支持バ−であり、両端を介護ベッド1に固定されており、長手方向に設けられた各昇降ロ−ラ7の昇降ロ−ラ支持ロッド10を昇降可能に支持する軸受部15が設けられている。
16は昇降駆動モ−タであり、各昇降ロ−ラ7毎に設置されており、昇降駆動モ−タ回転軸17に取付けられた回転カム18を回転し、これに従動ロ−ラ12が当接して従動する。
【0014】
なお、各昇降ロ−ラ7を駆動する昇降駆動モ−タ16は、前記リモ−トコントロ−ラ9の指示により回転する。
なお、各昇降ロ−ラ7を昇降させる機構は、前記構成に限るのではなく、例えばウォ−ムギアと平歯ギアとの組合せや、ネジとナットとの組合せによるスクリュ−式の駆動機構を用いるようにしてもよい。
【0015】
20は巻取り駆動モータであり、リモ−トコントロ−ラ9の制御部により回転し、この巻取り駆動モ−タ回転軸21には巻取りロ−ラ2a、2bを駆動するための駆動ベベルギア22が取付けられている。
23はシャフトであり、巻取り駆動モ−タ回転軸21と直交し、軸受部24により支持されている。
【0016】
25はベベルギアであり、シャフト23に取付けられており、駆動ベベルギア22と常時噛合っている。
26は無端の歯付ベルト等の駆動ベルトであり、巻取りロ−ラ2a、2bの巻取りロ−ラ回転軸27とシャフト23の片端に設けられたプ−リ28とに掛渡されており、シャフト23の回転を巻取りロ−ラ2a、2bに伝達する。
【0017】
なお、巻取りロ−ラ2a、2bへの回転の伝達は、前記構成に限るのではなく、例えばチェ−ンとスプロケットとの組合せを用いるようにしてもよく、また巻取り駆動モータ回転軸21と巻取りロ−ラ2a、2bとを平行に配置し、ギア列を介して伝達するようにしてもよい。
図6において、30は凹部であり、介護ベッド1の両側付近の昇降ロ−ラ7を順次上昇させて形成する。
【0018】
図7において、40は凸部であり、介護ベッド1の片側の昇降ロ−ラ7を順次上昇させて形成する。
なお、凸部40は前記介護ベッド1の片側のみならず、介護ベッド1のいずれの位置にも形成できる。
上記の構成の作用について説明する。
【0019】
まず、介護ベッド1をリクライニングする場合の作動について説明する。
被介護者はリモ−トコントロ−ラ9により、上半身部8aを独立してリクライニングさせる。
リモ−トコントロ−ラ9の図示しない制御部は、上半身部8aを隣接する腰部8bとの接続部を中心に徐々に回動させて起こしていき、被介護者は所望の角度になるとリモ−トコントロ−ラ9により、リクライニングの作動を停止させて上体を起こした状態を維持することができる。
【0020】
また、被介護者はリモ−トコントロ−ラ9により、下半身膝上部8cと下半身膝下部8dとを独立して所望の角度起こすことにより脚上げを保つことができ、さらに、下半身膝上部8cと下半身膝下部8dとの接続部を起こすことにより山形を形成し、被介護者は、膝を立てた状態を維持することもできる。
次に、介護者が被介護者の寝ているシ−ツ5を交換する場合の作動について説明する。
【0021】
被介護者は、図4に示すように介護ベッド1の中央部付近で寝ており、介護ベッド1は、図5に示す平坦な状態になっている。
介護者は介護ベッド1が図6に示すように被介護者が凹部30に収まるように凹部30を形成するように、リモ−トコントロ−ラ9により介護ベッド1の両側付近の昇降ロ−ラ7を上昇させる。
【0022】
すなわち、リモ−トコントロ−ラ9の制御部により、昇降駆動モ−タ16が回転して回転カム18が回転し、これに当接している従動ロ−ラ12が、カムプロフィ−ルに従って従動し、軸受部15に支持されている昇降ロ−ラ支持ロッド10を押上げて昇降ロ−ラ7を上昇させ、シ−ト4の上面を凹面として凹部30を形成する。
【0023】
なお、昇降ロ−ラ7を下降させるときは、昇降駆動モ−タ16を逆転させ、昇降ロ−ラ7等の自重により、従動ロ−ラ12が回転カム18に従動して昇降ロ−ラ7を下降させる。
このようにして、回転自在に支持された円柱形の昇降ロ−ラ7により、段差のない滑らかな凹部30が形成され、被介護者は形成された凹部30に身体が保持される。
【0024】
凹部30を形成すると、介護者はリモ−トコントロ−ラ9により、接着面6bを視認できるまで両巻取りロ−ラ2a、2bをA方向に回転させる。
すなわち、リモ−トコントロ−ラ9の制御部により、巻取り駆動モ−タ20が駆動ベベルギア22を回転し、これに噛合ったベベルギア25によりシャフト23が回転してプ−リ28が回転する。この回転が駆動ベルト26を介して巻取りロ−ラ回転軸27に伝達されて、巻取りロ−ラ2a、2bがA方向に回転する。
【0025】
なお、B方向に回転させるときは、巻取り駆動モ−タ20を逆転させ、駆動ベベルギア22の回転が、これに噛合ったベベルギア25に伝達されてシャフト23が回転し、この回転が駆動ベルト26を介して巻取りロ−ラ回転軸27に伝達されて、巻取りロ−ラ2a、2bがB方向に回転する。
このようにして、被介護者を凹部30に保持しながら、接着面6bを視認できる位置まで、巻取りロ−ラ2a、2bを回転させてシ−ト4を移動させる。
【0026】
接着面6bが視認できる位置までくると、リモ−トコントロ−ラ9の制御部は巻取りロ−ラ2a、2bの回転を停止させ、介護者は接着面6bからシ−ツ5を取外す。
次いで、介護者はリモ−トコントロ−ラ9により、接着面6aが視認できる位置まで両巻取りロ−ラ2a、2bをB方向に回転させる。
【0027】
接着面6aが視認できる位置までくると、リモ−トコントロ−ラ9の制御部は巻取りロ−ラ2a、2bの回転を停止させ、介護者は接着面6aからシ−ツ5を取外す。
介護者は接着面6a、6bから両端を取外されたシ−ツ5の接着面6b側の端部を保持し、コントロ−ラ9により巻取りロ−ラ2a、2bをさらにB方向に回転させる。
【0028】
介護者により端部を保持されたシ−ツ5は、介護ベッド1の凹部30に寝ている被介護者の身体とシ−ト4との間から擦り抜けて介護ベッド1から取外される。
このとき、シ−ト4の接着面6aは、被介護者の身体とシ−ト4との間を擦り抜けて、巻取りロ−ラ2b付近まで達していることになる。
次に、介護者は新しいシ−ツ5を敷くため、接着面6aに新しいシ−ツ5の端部を接着する。
【0029】
介護者はシ−ツ5の接着面6b側の端部を保持し、リモ−トコントロ−ラ9により巻取りロ−ラ2a、2bをA方向に回転させる。
これにより、介護ベッド1の凹部30に寝ている被介護者の身体とシ−ト4との間にシ−ツ5が引込まれ、リモ−トコントロ−ラ9の制御部は接着面6bが視認できる位置までくると巻取りロ−ラ2a、2bを停止させる。
【0030】
介護者は接着面6bに新しいシ−ツ5の端部を接着し、リモ−トコントロ−ラ9により、昇降ロ−ラ7を下降させて、介護ベッド1は図5に示す平坦な状態にしてシ−ツ5の交換が完了する。
なお、上記の作動において、シ−ツ5を接着面6bから取外した後に、巻取りロ−ラ2a、2bをB方向に回転させ、接着面6aが被介護者の身体とシ−ト4との間から擦り抜けてから、シ−ツ5を接着面6aから取外すようにしてもよい。
【0031】
また、シ−ツ5を接着面6bから取外した後に、新しいシ−ツ5を接着面6aに接着しておき、シ−ツ5を被介護者の身体とシ−ト4との間から擦り抜けさせるときに、新しいシ−ツ5を被介護者と介護ベッド1との間に引込むようにしてもよい。
次に、被介護者が寝返りをする場合の作動について説明する。
【0032】
なお、リモ−トコントロ−ラ9は被介護者の手の届く範囲内に設置されている。
被介護者は図4に示すように介護ベッド1の中央部付近に仰向けに寝ている。このとき、介護ベッド1は図5の平坦な状態であり、被介護者の身体の背面にもっとも体重がかかっている。
【0033】
被介護者はリモ−トコントロ−ラ9により、寝返りをしたい方向に身体が回転するように、介護ベッド1のシ−ト4の上面が凸部40を形成するように介護ベッド1の片側の昇降ロ−ラ7を図7のように上昇させる。
このとき、被介護者の身体は片側だけ持上げられ、被介護者は寝返りをしたい方向に回転することができる。
【0034】
また、昇降ロ−ラ7は円柱形で回転自在に支持されており、凸部40は段差のない滑らかな形状を形成しているため、被介護者は不快感を持つことなく寝返りをしたい方向に回転することができる。
次に、被介護者を入浴等のために介護ベッドから車椅子に移す場合の作動について説明する。
【0035】
被介護者は図4に示すように介護ベッド1の中央部付近に仰向けに寝ている。介護者はリモ−トコントロ−ラ9により、両巻取りロ−ラ2a、2bをA方向に回転させる。
巻取りロ−ラ2a、2bが回転するとシ−ト4が巻取られ、それによってシ−ト4に取付けられたシ−ツ5上に寝ている被介護者は、巻取りロ−ラ2a側に移動する。
【0036】
介護者は被介護者が巻取りロ−ラ2a側に移動すると、リモ−トコントロ−ラ9により巻取りロ−ラ2a、2bを停止する。
介護者は車椅子を介護ベッド1の巻取りロ−ラ2a側に隣接させて、被介護者を介護ベッド1から車椅子に移す。
また、被介護者を車椅子から介護ベッド1に移す場合は、被介護者を車椅子から介護ベッド1の巻取りロ−ラ2a側に寝かせ、巻取りロ−ラ2a、2bを回転させて、被介護者を介護ベッド1の中央部付近に移動させる。
【0037】
以上説明したように、本実施の形態例では、昇降ロ−ラにより介護ベッドのシ−トの面形状を凹面として被介護者の身体を保持する凹部を形成し、被介護者を凹部に保持させ、巻取りロ−ラを回転してシ−ツを交換するようにしたことによって、シ−ツの交換を被介護者の身体を上方に持上げたり無理に動かしたりする必要がなくなり、被介護者に不安感を与えずにシ−ツの交換を行うことができる。
【0038】
また、連続配置した円柱形で回転自在な昇降ロ−ラを上昇させて滑らかな段差のない凸部を形成し、被介護者の身体を持上げることにより、被介護者は寝返りしたい方向に身体を回転させることができるため、床ずれを防止することができる。
さらに、巻取りロ−ラを回転してシ−トを巻取り、シ−トに取付けられたシ−ツ上に寝ている被介護者を介護ベッドの端部に移動させることにより、介護者に大きな負担を与えることなく、被介護者を介護ベッドから移すことができる。
【0039】
さらに、巻取りロ−ラ、シ−トおよび昇降ロ−ラをそれぞれ介護ベッドの長手方向に独立して4つに分割することにより、各部を傾斜させてリクライニングや脚上げ等を行うことができる。
第2実施の形態例
図8は第2実施の形態例の球体の昇降機構を示す説明図、図9は第2実施の形態例の介護ベッドの側面図である。
【0040】
なお、上記第1実施の形態例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
図8において、50は球体であり、シ−ト4の下部に被介護者が介護ベッド1に寝ている状態のときに、不快感を感じさせない程度の間隔をもって複数を一列として、巻取りロ−ラ2a、2bに平行に碁盤目状や千鳥状となるように複数列配置されている。
【0041】
また、球体50の表面は、被介護者に不快感を感じさせない程度の柔軟性を有するゴム等の弾性材で覆われて構成されている。
51は球体支持ロッドであり、上部には球体50が自由に回転できるように支持する球体受台52が設けられ、下部には従動ロ−ラ12を回転自在に支持する従動ロ−ラ軸13が設けられている。
【0042】
なお、各球体50を駆動する各昇降駆動モ−タ53は、リモ−トコントロ−ラ9の図示しない制御部により回転する。
なお、各球体50を昇降させる機構は、前記構成に限るのではなく、例えばウォ−ムギアと平歯ギアとの組合せや、ネジとナットとの組合せによるスクリュ−式の駆動機構を用いるようにしてもよい。
【0043】
なお、第1実施の形態例と同様に巻取りロ−ラ2a、2b、シ−ト4および昇降ロ−ラ7は、それぞれ介護ベッド1の長手方向に上半身部8a、腰部8b、下半身膝上部8c、下半身膝下部8dの4つに分割し、各部をそれぞれ独立して傾斜させる構造にしてもよい。
また、本実施の形態例では、球体50はそれぞれ独立しているため、これを利用して、上半身部8a、腰部8b、下半身膝上部8c、下半身膝下部8dの4つに分割せずに、球体50を有機的に連続して昇降させる構造にしてもよい。
【0044】
上記の構成の作用について説明する。
被介護者がマッサ−ジを行うため作動モ−ドを選択して作動させる場合について説明する。
本実施の形態例の球体50を用いた介護ベッド1は、リモ−トコントロ−ラ9により、介護ベッド1の長手方向の同列に配置された球体50を同期させて上昇させることにより、第1実施の形態例と同様のシ−ツ交換や寝返り、移動等を行うことができる。
【0045】
本実施の形態例のリモ−トコントロ−ラ9の制御部には、上記に加えて予め設定されたマッサ−ジ強度、回数、マッサ−ジ時間、マッサ−ジコ−ス等の作動モ−ドが組込まれている。
被介護者は図4または図9に示すように介護ベッド1に仰向けに寝ている。
被介護者は、リモ−トコントロ−ラ9により、予め設定された作動モ−ドから希望のマッサ−ジを選択すると、球体50は、作動モ−ドに従って有機的に昇降してマッサ−ジが行われる。
【0046】
この場合、球体50の昇降は、リモ−トコントロ−ラ9の制御部により、昇降駆動モ−タ53が回転して、上述した第1実施例と同様に、球体支持ロッド51が押上げられて昇降ロ−ラ7を上昇させ、昇降ロ−ラ7を下降させるときは、昇降駆動モ−タ53を逆転させて下降させる。
また、介護ベッド1の長手方向の同列に配置された球体50を同期させて上昇させ、図7に示す凸部40を形成し、被介護者は身体を回転させて介護ベッド1との接触箇所を変化させ、自身の希望する箇所をマッサ−ジすることができる。
【0047】
以上説明したように、本実施の形態例では、第1実施の形態例の効果に加えて、介護ベッドのシ−トの下部に複数配置された球体を、予め設定された作動モ−ドに従って有機的に昇降させることにより、寝たきりの被介護者の身体をマッサ−ジし、被介護者の心身のストレスを和らげることができる。
また、球体を球体受台上で自由に回転できるようにしたことによって、滑らかな段差のない凹凸を形成することができ、被介護者に不快感を与えることなく、被介護者に快適なマッサ−ジを提供することができる。
【0048】
上記の各実施の形態例の介護ベッドは介護ベッドのみならず、家庭や宿泊施設等で使用されているベッドとして利用するようにしてもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明では、昇降ロ−ラにより介護ベッドのシ−トの面形状を凹面として被介護者の身体を保持する凹部を形成し、被介護者を凹部に保持させ、巻取りロ−ラを回転してシ−ツを交換するようにしたことによって、シ−ツの交換を被介護者の身体を上方に持上げたり無理に動かしたりすることなく、被介護者に不安を与えずに行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施の形態例の介護ベッドの斜視図
【図2】第1実施の形態例の昇降ロ−ラの昇降機構を示す説明図
【図3】本発明の巻取りロ−ラの回転機構を示す説明図
【図4】第1実施の形態例の介護ベッドの平面図
【図5】第1実施の形態例の介護ベッドの正面図
【図6】第1実施の形態例の昇降ロ−ラの作用状況を示す説明図
【図7】第1実施の形態例の昇降ロ−ラの作用状況を示す説明図
【図8】第2実施の形態例の球体の昇降機構を示す説明図
【図9】第2実施の形態例の介護ベッドの側面図
【符号の説明】
1 介護ベッド
2a 巻取りロ−ラ
2b 巻取りロ−ラ
3 フック
4 シ−ト
5 シ−ツ
6a 接着面
6b 接着面
7 昇降ロ−ラ
8a 上半身部
8b 腰部
8c 下半身膝上部
8d 下半身膝下部
9 リモ−トコントロ−ラ
10 昇降ロ−ラ支持ロッド
11 昇降ロ−ラ回転軸
12 従動ロ−ラ
13 従動ロ−ラ軸
14 支持バ−
15 軸受部
16 昇降駆動モ−タ
17 昇降駆動モ−タ回転軸
18 回転カム
20 巻取り駆動モ−タ
21 巻取り駆動モ−タ回転軸
22 駆動ベベルギア
23 シャフト
24 軸受部
25 ベベルギア
26 駆動ベルト
27 巻取りロ−ラ回転軸
28 プ−リ
30 凹部
40 凸部
50 球体
51 球体支持ロッド
52 球体受台
53 昇降駆動モ−タ
Claims (3)
- ベッドの幅方向の両側に、それぞれ回転可能に配置された巻取りロ−ラと、
前記巻取りロ−ラ間に前記巻取りローラと平行に回転可能に配置され、独立して昇降可能に設けられた複数の昇降ロ−ラと、
前記昇降ローラを覆い、前記それぞれの巻取りロ−ラに端部を固定されたシ−トと、
前記シ−ト上に直接、前記幅方向の両端を着脱可能に取付けられたシ−ツとを備え、
被介護者をベッドの長手方向に沿って寝かせた状態で、当該被介護者の両側に配置された前記昇降ロ−ラをそれぞれ上昇させて、前記シ−トに段差のない滑らかな凹面からなる凹部を形成し、その凹部に当該被介護者を収め、前記巻取りロ−ラで前記シートを幅方向に巻取って、前記シ−ツを交換することを特徴とする介護ベッド。 - 請求項1において、
被介護者を、前記幅方向の中央部に寝かせた状態で、前記シ−ツを交換することを特徴とする介護ベッド。 - 前記シーツの前記幅方向の両端を、前記シート上に設けた第1および第2の接着面にそれそれ接着して着脱可能に構成し、
前記シーツの一端を前記第1の接着面に接着し、前記シーツの他端を前記第2の接着面から取外した状態で、前記シートを前記巻取りローラで前記第2の接着面の方向に巻取り、前記シーツの一端が被介護者を擦り抜けた後に、前記シーツの一端を前記第1の接着面から取外し、
新たなシーツの一端を前記第1の接着面に接着した状態で、前記シートを前記巻取りローラで逆方向に巻取り、前記シーツの一端が被介護者から引抜かれたときに、前記シーツの他端を前記第2の接着面に接着して、前記シ−ツを交換することを特徴とする介護ベッド。
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Cited By (2)
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