JP4232261B2 - 情報共有装置及び記憶媒体並びに方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の情報管理装置がネットワークを介在して存在する環境において、各情報管理装置が持つ情報内容に応じて、関連する情報管理装置との間に新たなリンクを生成し、情報の共有を促進する情報共有装置に関するもので、特に情報管理装置間でやり取りされるコミュニケーションに基づいて生成したパイプ情報を利用する情報共有装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
個人の趣味やプロファイル情報などを管理する情報管理装置の間に、情報内容に応じてリンクを生成し、情報の共有や流通を促進するシステムが提案されている。
【0003】
Yenta(L. Foner: A Multi-Agent Referral System for Matchmaking, The first International Conference on the Practical Applications of Intelligent Agents and Multi-Agent Technology, 1996)では、個人の趣味やプロファイル情報を管理するエージェントをユーザ一人に対して一つずつ設け、これらのエージェントが協調して動作することにより、お互いに似た趣味やプロファイルを持ったユーザのクラスタを形成したり、ユーザが入力したプロファイルに近いプロファイルを持ったユーザを発見する。Yentaのエージェントは、対応するユーザが扱う電子メールや電子文書から、ユーザの特徴を表すキーワードベクトルを抽出し、抽出したキーワードベクトルと他のエージェントのキーワードベクトルの類似度を算出することで、興味の近い人同志のコミュニケーションのための情報リンクを生成し、情報の共有を実現する。
【0004】
「吉田、亀井、服部、"インターネットにおけるコミュニティ形成支援"、情報処理学会研究報告、98-ICS-113、Vol.98、No.65」では、ユーザが過去に記述した文書やメールのアーカイブから、重要と思われるキーワードを抽出し、キーワードの出現頻度を重みとしてユーザのプロファイルを表す特徴ベクトルを形成する。さらに、ユーザ間で特徴ベクトルの内積を算出し、ユーザ間の関連度を求める。これにより、趣味や業務の近いユーザを発見し、相互に情報共有することができる。
【0005】
しかしながら、前記二つの方法は、各情報管理装置が持つ情報の内容は他の全ての情報管理装置からアクセス可能であることを、情報リンク生成の前提としているため、本来は情報内容を知らせるべきでない情報管理装置に対しても、情報を公開してしまうという問題がある。逆に、公開する情報の種類や範囲を限定すると、広い範囲での効率的な情報共有が実現できない。
【0006】
上記の問題に対応するため、特開平10−301905号公報に示された発明では、人と人との関係を、電子メールなどのコミュニケーションから抽出し、パイプ情報と呼ぶ一種のキーワードベクトルで表現し、ユーザが入力した要求に適合するパイプ情報を検索したり新たに合成する手段が記されている。この発明では、人の間でやり取りされるコミュニケーションを検出し、人と人との関係を意味と重みで表現したパイプ情報を生成するパイプ生成手段と、前記パイプ生成手段が生成したパイプ情報の集合を管理するパイプ管理手段と、ユーザからの要求に対してパイプ管理手段が管理するパイプ情報から要求に適するパイプ情報を検索するパイプ検索手段と、検索された複数のパイプ情報を合成して新たなパイプ情報を生成するパイプ合成手段を有する。この発明では、ユーザからの要求があった場合に、パイプ検索手段は、パイプ管理手段から要求に適合するパイプ情報を検索することにより、適切なパイプ情報を選択し、さらにパイプ合成手段は、選択したパイプ情報を合成して新たなパイプ情報を生成することにより、必要な情報管理装置とのコミュニケーションを可能にする。パイプ管理装置が管理するパイプ情報はキーワードのベクトルで表現され、例えば電子メールによるコミュニケーションを検出し、メールの本文からキーワードを抽出し、さらにキーワードの出現頻度を重みとすることで、生成することができる。
【0007】
この発明を用いることにより、例えば、ユーザの要求に応じて、要求に関連するパイプ情報を検索し合成処理を行うことで、要求に関する情報を持った人との間に新たな情報リンクを生成することができ、これらの人との情報共有が可能になる。こうして、それぞれの情報管理装置が持つ情報の公開範囲は、コミュニケーションを取り合っている情報管理装置の範囲に限定しているにもかかわらず、広い範囲での情報共有が実現できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特開平10−301905号公報に示された発明では、二つの情報管理装置間でやりとりされた複数の文書やメールからキーワードを抽出し、これらを融合してパイプ情報を表す一つの特徴ベクトルとして表現している。このため、第一の問題点として、パイプ情報生成のもととなる複数の文書やメールには別々の情報として記述されていた情報であっても、パイプ情報としては一括して扱うことになり、個々の文書やメールで表現されていた情報が、情報リンク生成に正確に反映されない、という問題があった。
【0009】
例えば、AさんとBさんの間で、「移動エージェントの実装技術」に関してコメントしたメールと、「スケジュール管理ソフトの購入候補」について問い合わせたメールが、交換されていたとする。このとき、「スケジュール管理エージェントの研究事例」について知っている人を探すために誰かがリクエストを発行すると、AさんとBさんの間で「スケジュール管理エージェント」に関するコミュニケーションが行われているとして処理が行われ、AさんもBさんも「スケジュール管理エージェント」については全く知識が無いにもかかわらず、知識を持っているものとして扱われる。これは、AさんBさんの間のパイプ情報に、エージェントとスケジュール管理に関するキーワードが両方とも含まれるためである。
【0010】
第二の問題点として、古い文書やメールと新しい文書やメールを区別せずに扱っていたため、情報内容の時間の変化をうまくとらえられない、という問題があった。
【0011】
例えば、AさんとBさんの間で、3年前に「○○社のノートPC」に関して盛んにメールをやりとりしていたとする。このとき、「○○社の最新のノートPC」について知っている人を探すために誰かがリクエストを発行すると、AさんもBさんも3年前の○○社のノートPCについて知ってはいても「○○社の最新のノートPC」については全く知識が無いにもかかわらず、知識を持っているものとして扱われる。これは、AさんBさんの間のパイプ情報に、○○社とノートPCに関するキーワードが含まれるためである。
【0012】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、パイプ情報生成に用いた個々の文書やメールの情報を正確に反映し、また、情報内容の時間の変化に対応した、情報リンクの生成を行い、効果的な情報共有を実現することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するため、この発明は、複数の情報管理装置が互いにコミュニケーションをとって情報のやり取りを行う情報システムにおいて、二つの情報管理装置間でやり取りされる情報の内容を複数のキーワード集合と属性情報で表現した多重パイプ情報を管理する多重パイプ管理手段と、複数の多重パイプ情報が有するキーワード集合と属性情報を比較し類似性を判定する多重パイプ情報内容比較手段と、前記多重パイプ管理手段が管理する多重パイプ情報の集合からユーザの要求に適する多重パイプ情報を検索する多重パイプ検索手段と、前記多重パイプ検索手段により検索された複数の多重パイプ情報を、前記類似性を用いて合成することにより新たな多重パイプ情報を生成する多重パイプ合成手段とを有することを特徴とする。
【0014】
ここで、前記多重パイプ管理手段は、前記複数の意味集合に対応する複数の重みの集合で表現した多重パイプ情報を管理し、前記多重パイプ情報内容比較手段は、前記複数の多重パイプ情報が有する意味集合と重みの集合を比較し前記類似性を判定するのが好適である。そして、前記多重パイプ管理手段は、前記情報の内容を複数の時間属性の集合で表現した多重パイプ情報を管理し、前記多重パイプ情報内容比較手段は、前記複数の多重パイプ情報が有する時間属性の集合を比較し前記類似性を判定することが望ましい。
【0015】
また、前記多重パイプ管理手段、前記多重パイプ検索手段、前記多重パイプ合成手段、及び前記多重パイプ情報内容比較手段は情報管理装置ごとに備えられており、前記多重パイプ管理手段は、自己の情報管理装置が関係する多重パイプ情報の集合を管理し、前記多重パイプ検索手段は、ユーザからの要求に加えて他の情報管理装置に備えられた多重パイプ検索手段からの要求に対して、前記多重パイプ管理手段が管理する多重パイプ情報の集合から当該要求に適する多重パイプ情報を検索する。
【0016】
また、この発明では、さらに情報管理装置間のコミュニケーション内容を解析する情報解析手段と、前記情報解析手段が検出したコミュニケーションの内容に基づいて前記多重パイプ管理手段に管理させる新たな多重パイプ情報を生成する多重パイプ生成手段と、前記多重パイプ管理手段が管理する多重パイプ情報を、前記情報解析手段が解析したコミュニケーションの内容に基づいて更新する多重パイプ更新手段とを有するのが望ましい。
【0017】
また、この発明では、第一の情報管理装置と第二の情報管理装置の間の多重パイプ情報と、第二の情報管理装置と第三の情報管理装置との間の多重パイプ情報とが与えられたときに、前記多重パイプ合成手段は、第一の情報管理装置と第二の情報管理装置との間の多重パイプ情報と、第二の情報管理装置と第三の情報管理装置との間の多重パイプ情報の、少なくとも意味の共通部分を意味の集合ごとに合成した、第一の情報管理装置から第三の情報管理装置への多重パイプ情報を生成する。
【0018】
ここで、前記多重パイプ合成手段は、前記第一の情報管理装置と前記第二の情報管理装置との間の多重パイプ情報と、前記第二の情報管理装置と前記第三の情報管理装置との間の多重パイプ情報の、重みの共通部分を重みの集合ごとに合成した、第一の情報管理装置から第三の情報管理装置への多重パイプ情報を生成するのが好適である。
【0019】
さらに、前記多重パイプ合成手段は、前記第一の情報管理装置と前記第二の情報管理装置との間の多重パイプ情報と、前記第二の情報管理装置と前記第三の情報管理装置との間の多重パイプ情報の、時間属性の共通部分を時間属性の集合ごとに合成した、第一の情報管理装置から第三の情報管理装置への多重パイプ情報を生成することもできる。
【0020】
また、この発明では、第一の情報管理装置と第二の情報管理装置の間の多重パイプ情報と、第二の情報管理装置と第三の情報管理装置との間の多重パイプ情報と、第三の情報管理装置と第四の情報管理装置との間の多重パイプ情報とが与えられたときに、前記多重パイプ合成手段は、第一の情報管理装置と第二の情報管理装置との間の多重パイプ情報と、第三の情報管理装置と第四の情報管理装置との間の多重パイプ情報の、少なくとも意味の共通部分を意味の集合ごとに合成し、意味の集合ごとに総和をとることで第二の情報管理装置から第三の情報管理装置への多重パイプ情報を更新する。
【0021】
ここで、前記多重パイプ合成手段は、前記第一の情報管理装置と前記第二の情報管理装置との間の多重パイプ情報と、前記第三の情報管理装置と前記第四の情報管理装置との間の多重パイプ情報の、重みの共通部分を重みの集合ごとに合成し、重みの集合ごとに総和をとることで第二の情報管理装置から第三の情報管理装置への多重パイプ情報を更新するのが好適である。
【0022】
さらに、前記多重パイプ合成手段は、前記第一の情報管理装置と前記第二の情報管理装置との間の多重パイプ情報と、前記第三の情報管理装置と前記第四の情報管理装置との間の多重パイプ情報の、時間属性の共通部分を時間属性の集合ごとに合成し、時間属性の集合ごとに総和をとることで第二の情報管理装置から第三の情報管理装置への多重パイプ情報を更新することもできる。
【0023】
また、この発明では、複数の情報管理装置が互いにコミュニケーションをとって情報のやり取りを行う情報システムを制御するプログラムを記憶した媒体を提供する。このプログラムはコンピュータに対して、少なくとも二つの情報管理装置間でやり取りされる情報の内容を複数のキーワード集合と属性情報で表現した多重パイプ情報を管理させ、複数の多重パイプ情報が有するキーワード集合と属性情報を比較し類似性を判定させ、前記多重パイプ情報の集合からユーザの要求に適する多重パイプ情報を検索させ、検索して得られた複数の多重パイプ情報を、前記類似性を用いて合成することにより新たな多重パイプ情報を生成させる。記憶媒体には、CD−ROMやDVD、 ハードディスクなど、電磁気的、化学的、あるいは光学的に情報を担持できる任意の媒体が含まれる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の実施形態の構成を示す。システムは、複数の同一の構成の情報共有装置10がネットワーク12を介して接続され、また、それぞれの情報共有装置は、電子メールツール、Webサーバ、Webクライアントなどの情報管理装置に付設される。以降の説明では、情報管理装置として電子メールツールに接続される場合のシステム構成を中心に説明するが、電子メールツール以外の情報管理システムに接続される場合も、同様のシステム構成でシステムが実現できる。なお、以降の説明では、本実施形態における情報共有装置10を、多重パイプ管理システムと、また、本実施形態における多重パイプ情報を多重パイプと称する。
【0025】
多重パイプ管理システムは、電子メールを解析して主要なキーワードの集合と電子メールの属性情報の抽出を行う電子メール解析部14、電子メール解析部14が抽出したキーワード集合と電子メールの属性情報の基づいて多重パイプの生成と更新を行う多重パイプ生成・更新部16、多重パイプを管理する多重パイプ管理部18、ユーザの要求の入力やユーザへの情報の提示を行うユーザインタフェース20、他の多重パイプ管理システムとの通信を行う通信インタフェース22、ユーザインタフェース20および通信インタフェース22から入力された要求を処理する要求処理部24、要求処理部24からの要求を受けて多重パイプ管理部18が管理する多重パイプから条件に合致する多重パイプを検索する多重パイプ検索部26、多重パイプ管理部18が管理する既存の多重パイプを合成して新しい多重パイプを生成する多重パイプ合成部28、要求処理部24の処理の結果得られた多重パイプからユーザの要求に合致する部分とそうでない部分に分離する多重パイプ変換部30、多重パイプの属性を話題の種類を軸として比較する話題比較部32、多重パイプの属性を日時を軸として比較する日時比較部34を含んで構成される。以下、各部の詳細を記述する。
【0026】
<電子メール解析部>
電子メール解析部14は、電子メールツールが行う電子メールの送受信を検出し、メールのサブジェクトおよび本文から主要なキーワードを抽出する。キーワードの抽出には、公知の形態素解析エンジンなどを用いる。また、形態素解析エンジンに加えて、キーワードの一般性を表す辞書を設け、一般的なキーワードは除外するなどして、特徴的なキーワードのみを残してもよい。あるいは、何らかの経験則を用いて、特徴的なキーワードを残すことも考えられる。図2に電子メールの例を示す。また、図3にこのメールから抽出したキーワードの例を示す。以降の説明で、電子メールmから抽出したキーワード集合を、K(m)と表記する。
【0027】
さらに、電子メール解析部14は、キーワードの抽出に加えて、電子メールの属性情報を抽出する。抽出する属性は、電子メールの送信日時、および、電子メールの送信者と受信者のIDである。以降の説明では、電子メールmの送信日時をt(m)と表記する。また、電子メールの送信者と受信者のIDは、IDのペアの集合で表現し、以下の表記で表す。
【0028】
【数1】
ID(m)={p1,p2,・・・,pn}
例えば、図2のメールをm1とすると、t(m1)およびID(m1)は次の内容である。
【0029】
【数2】
t(m1)=1999年12月20日16時12分32秒
ID(m1)={(taro@xxx.yyy.zzz, jiro@xxx.yyy.zzz),
(taro@xxx.yyy.zzz, hanako@xxx.yyy.zzz)}
<多重パイプ生成・更新部>
多重パイプ生成・更新部16は、電子メール解析部14が電子メールから抽出したキーワード集合と属性情報を用いて、多重パイプを生成し多重パイプ部に登録するか、または、多重パイプ管理部18が管理する多重パイプを更新する。多重パイプ生成・更新部16が生成する多重パイプのデータ構造を図5に示す。図で、ノード1とノード2は、多重パイプの端点となる情報管理装置のIDである。多重パイプの内容は、話題の種類毎に分類されており、それぞれの話題に対応して話題のデータ構造で表現される。さらに、各話題のデータ構造は、その話題の内容を表す代表ベクトルと、日時の近いものでカテゴライズされた複数の要素ベクトルで表現される。代表ベクトルは、キーワードとキーワードの出現頻度(重み)を一つの組として、これの集合で表現される。要素ベクトルは、キーワードとキーワードの出現頻度(重み)を組として、これの集合で表現される。さらに、各要素ベクトル算出の元となった電子メールの送信日時を、集合として要素ベクトルとペアで管理する。これ以降の説明では、情報管理装置をノードと呼び、A、B、あるいは、TARO、HANAKOなどの対応する識別IDで表記する。また、ノードAとノードBの間の多重パイプを、P(A,B)と表記する。なお、ノードAとノードBの間には、ただ一つの多重パイプが存在し、AとBの間でやりとりされた情報は、全て単一の多重パイプの内容として管理される。
【0030】
多重パイプ生成・更新部16の処理を図6に示す。図は、電子メールmの送受信を検出したときの処理を示す。まず、ステップS1で、電子メールmから抽出したキーワード集合K(m)から、キーワードの出現頻度を重みとしてキーワードベクトルV(m)を生成する。例として、図3のキーワード集合から生成したキーワードベクトルを図4に示す。続いて、ステップS2でAをID(m)、すなわち、電子メールmから抽出した送信者と受信者のIDペアの集合とする。続いて、ステップS3でAが空集合かどうか判定しながら、Aが空集合になるまで、ステップS4からステップS11の処理を繰り返す。ステップS4では、AからIDのペアを一つ取り出して、b=(s,t)とするとともに、bをAから取り除く。ここで、sは電子メールの送信者ID、tは電子メールの受信者IDである。続いて、ステップS5で、多重パイプP(s,t)が多重パイプ管理部18に存在するかどうか判定し、存在する場合はステップS7へ、存在しない場合はステップS6でP(s,t)を生成した後、ステップS7へ進む。ステップS7では、P(s,t)が持つ話題の集合から電子メールのキーワードベクトルV(m)と一致するものを取り出しWとする。一致する話題が存在しない場合は、新たに話題のデータ構造を生成しこれをWとするとともに、Wを多重パイプP(s、t)のデータ構造に登録する。続いて、ステップS8で、話題のデータ構造Wから、電子メールの送信日時t(m)と一致する要素ベクトルを取り出し、これをUとする。一致する要素ベクトルがない場合は、新たに要素ベクトルを生成し、これをUとするとともに話題のデータ構造Wに登録する。次にステップS9でV(m)を用いて、Wの代表ベクトルD(W)を更新する。続いてステップS10で、V(m)を用いてUを更新する。次にステップS11で、Uに対応する日時リストに、電子メールmの送信日時t(m)を追加し、ステップS3に戻る。
【0031】
以上の説明において、ステップS7における、多重パイプP(s,t)の話題の集合から電子メールのキーワードベクトルV(m)と一致するものを取り出す処理の詳細については、話題比較部32の処理として詳細を後述する。また、ステップS8における、話題のデータ構造Wから、電子メールの送信日時t(m)と一致する要素ベクトルを取り出す処理の詳細については、日時比較部34の処理として詳細を後述する。
【0032】
ステップS9における、代表ベクトルDの更新は、代表ベクトルD(W)の重みに、V(m)の対応するキーワードの重みを加えることで行う。すなわち、D(W)のキーワードiの重みをd(i)、V(m)のキーワードiの重みをv(i)とすると、次の式で表すことができる。
【0033】
【数3】
d(i)=d(i)+v(i)
ステップS10における要素ベクトルUの更新は、要素ベクトルUの重みに、V(m)の対応するキーワードの重みを加えることで行う。すなわち、Uのキーワードiの重みをu(i)、V(m)のキーワードiの重みをv(i)とすると、次の式で表すことができる。
【0034】
【数4】
u(i)=u(i)+v(i)
<話題比較部>
話題比較部32は、多重パイプからキーワードベクトルに一致する話題を抽出する処理と、多重パイプとキーワードベクトルの絶対一致度を算出する処理を行う。多重パイプからキーワードベクトルに一致する話題を抽出する処理では、キーワードベクトルVと多重パイプP(s,t)を与えられたときに、P(s,t)からVに一致する話題を選択し、この話題を返す。一致する話題が存在しない場合は、何も返さない。キーワードベクトルVと話題Wの一致度の判定は、Wの代表ベクトルD(W)とVの類似度によって判定することとし、例えばVとの類似度が定められた閾値以下の話題のうち、値が最も大きい話題を選択する。類似度cは、二つのベクトルの内積値を両方のベクトルの大きさで割ることによって得られ、以下の式で表される。
【0035】
【数5】
c=V・D(W)/(|V|×|D(W)|)
ここで、
【数6】
V・D(W)=v(1)×d(1)+v(2)×d(2)+・・・+v(n)×d(n)
|V|=sqrt(v(1)×v(1)+v(2)×v(2)+・・・+v(n)×v(n))
|D(W)|=sqrt(d(1)×d(1)+d(2)×d(2)+・・・+d(n)×d(n))
である。ただし、sqrtは二乗根を表す。またVのキーワード数はnであるとする。
【0036】
多重パイプとキーワードベクトルの絶対一致度を算出する処理では、キーワードベクトルVと多重パイプP(s,t)が与えられたとき、絶対一致度を算出して返す。絶対一致度は、P(s,t)の話題をW1、W2、・・・、Wjとすると、それぞれの話題の代表ベクトルとVの内積値を合計することで得られ、以下の式で表すことができる。
【0037】
【数7】
d=Σ(D(Wj)・V) (j=1,2,…k)
<日時比較部>
日時比較部34は、日時tと話題Wが与えられたときに、Wからtに一致する要素ベクトルを選択し、この要素ベクトルを返す。一致する要素ベクトルが存在しない場合は、何も返さない。tと要素ベクトルUとの一致度の判定は、Uに対応する日時リストの日時の平均tmを求め、tmとtの差の絶対値によって判定することとし、例えば差の絶対値が定められた閾値以下の要素ベクトルのうち、差の絶対値が最も小さい要素ベクトルを選択する。
【0038】
<多重パイプ管理部>
多重パイプ管理部18は、多重パイプ生成・更新部が生成した多重パイプの集合を管理するデータベースである。
【0039】
<ユーザインタフェース>
ユーザインタフェース20は、ユーザからの要求の入力と要求の処理結果の出力を行う。ユーザは、図7に示されるようなテキストで表現された要求を、ユーザインタフェース20を通じて入力する。要求には、見つけたい情報の内容と、その情報の時期範囲、および探索範囲を指定する。このような要求は、図8に示す要求のデータ構造に展開される。要求のデータ構造は、"日時下限"、"日時上限"、"要求ベクトル"、"要求閾値"、をフィールドとして持つ。"日時下限"と"日時上限"は、要求に記述された時期を解析して設定する。"要求ベクトル"は電子メールを解析して生成するキーワードベクトルと同様の方法で生成する。"要求閾値"は、要求を多重パイプと照合するときのベクトルの一致度を判定する閾値で、ユーザが指定した探索範囲を、あらかじめシステムに用意したテーブルなどを用いて数値に変換する。あるいは、ユーザが直接、要求閾値を指定してもよいし、あらかじめシステムに用意してある閾値の集合からユーザが選んでもよい。
【0040】
<通信インタフェース>
通信インタフェース22は、ネットワークを通じて接続された多重パイプ管理システムから転送された要求伝達メッセージを、要求処理部24に伝えることと、要求処理部24が生成する要求伝達メッセージを、ネットワークを通じて接続された多重パイプ管理システムに伝える処理を行う。要求伝達メッセージの詳細については、後述する。
【0041】
<要求処理部>
要求処理部24は、ユーザインタフェース20から渡された要求の処理と、通信インタフェース22から渡された要求伝達メッセージの処理を行う。要求の処理を、図9に示す。要求の処理は、ユーザインタフェース20から図8に示される要求を与えられて開始される。まず、ステップS21で、他の多重パイプ管理装置が処理を終えるまで待つ制限時刻limitと、どの程度先まで要求伝達メッセージを伝達するかを決定する最大ホップカウントhを設定する。続いてステップS22で、要求伝達メッセージを作成する。続いてステップS23で、要求伝達メッセージを処理する。次に、ステップS24で設定した制限時刻limitを超えていないかどうか判定し、制限時刻limitを超えるまで自己ループを繰り返す。最後に、ステップS25で、要求と多重パイプの一致度が要求閾値以上である多重パイプの相手側の端点のIDの集合Xを求める。Xが得られた結果となる。
【0042】
要求伝達メッセージのデータ構造を、図10に示す。要求伝達メッセージは、"発信者ID"、"要求データ"、"制限時刻"、"最大ホップ"、"ホップカウント"、"パイプ1"、"パイプ2"、の7個のフィールドで構成される。"最大ホップ"、および、"ホップカウント"は、要求伝達メッセージの継続的な伝播を制限し、メッセージの爆発を防ぐためのもので、"ホップカウント"は要求伝達メッセージが、発信者からいくつのノードを経由したかをカウントし、最大ホップ"は、"ホップカウント"の制限値(これを超えては継続的なメッセージ伝達は行わない)を表し、ステップS21で設定されたhが設定される。"パイプ1"には、要求伝達メッセージの伝達系路上の直前の多重パイプが、"パイプ2"には、要求伝達メッセージの伝達系路上の二つ前の多重パイプが、それぞれセットされる。ステップS22で作成される要求伝達メッセージは、初期値として各フィールドに、以下の値を持つ。
【0043】
【数8】
発信者ID = (ユーザが要求を入力したノード)
要求データ = (要求のデータ構造)
制限時刻 = limit
最大ホップ = h
ホップカウント = 0
パイプ1 = (要求のデータ構造)
パイプ2 = null
ここで、パイプ1の値には、要求のデータ構造を設定しているが、これは、最初は要求を擬似的にパイプとして扱い、要求と多重パイプを混在させた形で、多重パイプの合成処理を行うためである。
【0044】
図11に、要求伝達メッセージの処理の詳細を示す。この処理は、ユーザから要求が入力されたときだけではなく、他の多重パイプ管理システムから要求伝達メッセージを受け取ったときにも起動される。まず、ステップS41で、この要求を既に処理済かどうか判定し、処理済の場合は処理を終了する。次に、ステップS42で、現在時刻が制限時刻limitより前かどうかを判定し、制限時刻を過ぎている場合は処理を終了する。次にステップS43で、ホップカウントが最大ホップカウントh以下であるかどうかを判定し、最大ホップカウントを超えている場合は処理を終了する。次にステップS44で、多重パイプの合成処理を実行する。続いて、ステップS45で、要求伝達メッセージの伝達先の集合Mを求める。最後にステップS46で、Mの全ての要素に対して、要求伝達メッセージを更新し、送付する。要求伝達メッセージの更新は、次の式に従ってフィールド値を更新することで行う。
【0045】
【数9】
ホップカウント = ホップカウント+1
パイプ1 = P(N,Y)
パイプ2 = パイプ1
ただし、ここで、Nは現在処理を行っている自分自身のノード、Yは要求伝達メッセージの送付先のノードである。
【0046】
図12に、多重パイプ合成処理の詳細を示す。まず、ステップS51で要求伝達メッセージのパイプ2に多重パイプが設定されているかどうか判定し、設定されていない場合は処理を終了する。設定されている場合は、ステップS52に進み、要求伝達メッセージに設定されたパイプ1と要求の一致度が、要求閾値以上かどうかを判定する。この結果、要求閾値以上の場合は、ステップS54でパイプ1とパイプ2の間で多重パイプの直列合成処理を行う。要求閾値未満の場合は、ステップS53に進み、パイプ1を除く、処理中のノードにつながる全ての多重パイプのうち、要求との一致度が要求閾値以上のものの集合をQとする。次に、ステップS55で、全てのQの要素qについて、パイプ2、パイプ1、qの間で多重パイプのたたみこみ合成を行う。なお、ステップS51、およびステップS53における、多重パイプと要求との一致度の算出は、話題比較部32の処理として説明した、多重パイプとキーワードベクトルの絶対一致度を算出する処理によって行う。
【0047】
図13に、要求伝達先を求める処理の詳細を示す。まず、ステップS61で、パイプ1を除く処理中のノードにつながる多重パイプで要求との一致度が要求閾値以上のものの集合をMとする。次に、ステップS62で、Mの要素数が規定値以下かどうか判定し、規定値より大きい場合は処理を終了する。規定値より小さい場合は、ステップS63に進み、Mを処理中のノードにつながる全てのパイプの集合からパイプ1を除いたものとする。
【0048】
<多重パイプ検索部>
多重パイプ検索部26は、要求処理部24からの指示に基づいて多重パイプの検索を行う。図12におけるステップS53の処理、図13におけるステップS61の処理がここで行われる。
【0049】
<多重パイプ合成部>
多重パイプ合成部28は、図12で示した処理の中で、ステップS54の多重パイプの直列合成と、ステップS55の多重パイプのたたみこみ合成を行う。多重パイプの直列合成は、図14に示すように、多重パイプP(A,B)と多重パイプP(B,C)が存在するときに、新たな多重パイプP(A,C)を生成する処理である。これは、AとBが知り合いで移動エージェントの話題を共有しており、BとCも知り合いで移動エージェントの話題を共有しているときに、AとCはBを仲介にして移動エージェントの話題を共有する関係を生成することに対応している。多重パイプP(A,B)と多重パイプP(B,C)が与えられたときの多重パイプの直列合成の処理の詳細を図16に示す。まず、ステップS71で、多重パイプP(A,C)が存在しない場合はP(A,C)を生成する。次にステップS72で、WS1をP(A,B)に含まれる話題の集合とする。続いてステップS73で、WS1が空集合かどうか判定し、空集合ならば処理を終了する。続いてステップS74で、WS1から話題を一つ取り出しW1とする。さらに、W1をWS1から取り除く。次にステップS75で、WS2をP(B,C)に含まれる話題の集合とする。続いてステップS76で、WS2が空集合かどうか判定し、空集合ならばステップS73に戻り処理を続ける。空集合でない場合は、ステップS77で、WS2から話題を一つ取り出しW2とする。さらに、W2をWS2から取り除く。続いて、ステップS78で、W1の代表ベクトルD(W1)とW2の代表ベクトルD(W2)を比較し、類似度を求める。類似度は、二つのベクトルの内積値を、両方のベクトルの大きさで割った値として算出する。類似度があらかじめ設定した規定値以上の場合、ステップS79に進み、そうでない場合はステップS76にもどる。ステップS79では、W3をW1とW2の積合成結果とする。次にステップS80で、W3をP(A,C)に和合成する。なお、二つの話題のデータ構造の積合成処理と、話題を多重パイプに和合成する処理の詳細については後述する。
【0050】
多重パイプのたたみこみ合成は、図15に示すように、多重パイプP(A,B)と多重パイプP(B,C)と多重パイプP(C,D)が存在するときに、パイプP(B,C)の内容を更新する処理である。これは、AとB、およびCとDがそれぞれ知り合いで移動エージェントの話題を共有しているが、BとCは知り合いであるにもかかわらず移動エージェントの話を共有していない状況で、BとCに本来共有できるはずの移動エージェントの話題を気づかせることに対応している。多重パイプP(A,B)、多重パイプP(B,C)、および多重パイプP(C,D)が与えられたときの多重パイプのたたみこみ合成の処理の詳細を図17に示す。まず、ステップS81で、WS1をP(A,B)に含まれる話題の集合とする。続いてステップS82で、WS1が空集合かどうか判定し、空集合ならば処理を終了する。続いてステップS83で、WS1から話題を一つ取り出しW1とする。さらに、W1をWS1から取り除く。次にステップS84で、WS2をP(C,D)に含まれる話題の集合とする。続いてステップS85で、WS2が空集合かどうか判定し、空集合ならばステップS82に戻り処理を続ける。空集合でない場合は、ステップS86で、WS2から話題を一つ取り出しW2とする。さらに、W2をWS2から取り除く。続いて、ステップS87で、W1の代表ベクトルD(W1)とW2の代表ベクトルD(W2)を比較し、類似度を求める。類似度があらかじめ設定した規定値以上の場合、ステップS88に進み、そうでない場合はステップS85にもどる。ステップS88では、W3をW1とW2の積合成結果とする。次にステップS89で、W3をP(C、D)に和合成する。
【0051】
二つの話題の積合成とは、二つの話題に共通に現れるキーワードの集合と、二つの話題のうち小さい重みをキーワードの重みとする話題を生成する処理である。このとき、二つの話題の日時の範囲が近いものだけをベクトルとして残す。話題W1と話題W2を積合成して、話題W3を得る処理の詳細を以下に示す。
【0052】
(1)話題W3のデータ構造を生成する。
【0053】
(2)W1の全ての要素ベクトルv1に対して、(3)から(7)の処理を繰り返す。
【0054】
(3)v1の日時リストの平均値をdate(v1)とする。
【0055】
(4)W2の要素ベクトルの中からdate(v1)に一致するものを選び、v2とする。ここで、日時の一致の判定は、先に述べた日時比較部34の処理と同様に行う。一致する要素ベクトルがない場合は、(2)に戻り、次の要素ベクトルの処理を行う。
【0056】
(5)v1とv2のキーワード集合の積集合を要素とし、v1とv2の対応するキーワードの重みの最小値を重みとするキーワードベクトルv3を生成する。
【0057】
(6)d=(date(v1)+date(v2))/2とする。
【0058】
(7)日時をd、要素ベクトルをv3として、電子メールから抽出したキーワードベクトルと日時データで多重パイプ内の話題を更新するときと同様の処理で、話題W3の更新処理を行う。
【0059】
話題を多重パイプに和合成するとは、与えられた話題を含むパイプになるように、多重パイプを更新する処理である。話題Wを、多重パイプP(A,B)に和合成する場合の処理の詳細を以下に示す。
【0060】
(1)P(A,B)の話題の集合の中から、Wに一致する話題を選択し、W1とする。ここで、話題の一致の判定は、先に述べた話題比較部32の処理によって行う。一致する話題が存在しない場合は、WをP(A,B)に追加して、処理を終了する。
【0061】
(2)Wの全ての要素ベクトルvについて、(3)から(7)を繰り返す。
【0062】
(3)vの日時リストの平均値をdate(v)とする。
【0063】
(4)W1の要素ベクトルの中からdate(v)に一致するものを選び、v1とする。ここで、日時の一致の判定は、先に述べた日時比較部34の処理と同様に行う。一致する要素ベクトルがない場合は、(5)を実行し、そうでない場合は(6)以降を実行する。
【0064】
(5)日時をdate(v)、要素ベクトルをvとして、電子メールから抽出したキーワードベクトルと日時データで多重パイプ内の話題を更新するときと同様の処理で、話題W1の更新処理を行う。(2)に戻り、次の要素ベクトルの処理を行う。
【0065】
(6)vとv1のキーワード集合の和集合を要素とし、vとv1の対応するキーワードの重みの最大値を重みとするキーワードベクトルを生成し、新たにv1とする。v1の日時リストに、date(v1)を追加する。さらに、W1の代表ベクトルを再計算する。
【0066】
<多重パイプ変換部>
多重パイプ変換部30は、多重パイプ検索部26の検索結果、または、多重パイプ合成部28の処理の結果得られた多重パイプをユーザに提示する際に、話題の中から要求に適合する日時部分のベクトルのみを抽出する処理と、話題を要求に関連のあるものとそうでないものに分離する処理を行う。話題と要求との関連性の決定は、要求のベクトルと、話題の代表ベクトルの類似度によって行う。
【0067】
なお、以上述べた処理は、プログラムを記憶した記憶媒体からコンピュータのハードディスクなどにインストールし、コンピュータのCPUがプログラムを逐次実行することで実現することができる。もちろん、制御プログラムは通信手段を介して供給しても良い。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る情報共有装置では、情報管理装置間の関係を、話題のカテゴリーごとに分類された複数のベクトルで表現する多重パイプ情報で表現し、さらにカテゴリーを考慮した多重パイプ情報の合成処理を実現したことにより、複数の電子メールや文書に別々に記述された情報の独立性を保ったまま、情報管理装置間の情報リンクの生成を行うことができる。
【0069】
さらに、多重パイプ情報の内容を時間の経過に従って分類して管理する手段と、時間の経過による分類結果を保ったまま多重パイプ情報を合成する手段を実現したことにより、電子メールや文書で表記される情報の時間の経過に伴った変化に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の構成ブロック図である。
【図2】 電子メールの例を示す説明図である。
【図3】 抽出されたキーワード説明図である。
【図4】 キーワードリストから生成したベクトル説明図である。
【図5】 多重パイプのデータ構造説明図である。
【図6】 多重パイプの生成・更新処理フローチャートである。
【図7】 要求の例を示す説明図である。
【図8】 要求のデータ構造説明図である。
【図9】 要求の処理フローチャートである。
【図10】 要求伝達メッセージのデータ構造説明図である。
【図11】 要求伝達メッセージの処理フローチャートである。
【図12】 多重パイプ合成処理の詳細処理フローチャートである。
【図13】 要求伝達先を求める処理フローチャートである。
【図14】 多重パイプの直列合成説明図である。
【図15】 多重パイプのたたみこみ合成説明図である。
【図16】 多重パイプの直列合成の処理フローチャートである。
【図17】 多重パイプのたたみこみ合成の処理フローチャートである。
【符号の説明】
10 情報共有装置、12 ネットワーク、14 電子メール解析部、16 多重パイプ生成・更新部、18 多重パイプ管理部、20 ユーザインタフェース、22 通信インタフェース、24 要求処理部、26 多重パイプ検索部、28 多重パイプ合成部、30 多重パイプ変換部、32 話題比較部、34 日時比較部。
Claims (13)
- 複数の情報管理装置が互いにコミュニケーションをとって情報のやり取りを行う情報システムにおいて、
二つの情報管理装置間でやり取りされる情報の内容を複数のキーワード集合と属性情報で表現した多重パイプ情報を管理する多重パイプ管理手段と、
複数の多重パイプ情報が有するキーワード集合と属性情報を比較し類似性を判定する多重パイプ情報内容比較手段と、
前記多重パイプ管理手段が管理する多重パイプ情報の集合からユーザの要求に適する多重パイプ情報を検索する多重パイプ検索手段と、
前記多重パイプ検索手段により検索された複数の多重パイプ情報を、前記類似性を用いて合成することにより新たな多重パイプ情報を生成する多重パイプ合成手段と、
を有することを特徴とする情報共有装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記多重パイプ管理手段は、前記情報の内容を重みの集合で表現した多重パイプ情報を管理し、
前記多重パイプ情報内容比較手段は、前記複数の多重パイプ情報が有する複数の重みの集合を比較し前記類似性を判定する
ことを特徴とする情報共有装置。 - 請求項1、2のいずれかに記載の装置において、
前記多重パイプ管理手段は、前記情報の内容を時間属性の集合で表現した多重パイプ情報を管理し、
前記多重パイプ情報内容比較手段は、前記複数の多重パイプ情報が有する複数の時間属性の集合を比較し前記類似性を判定する
ことを特徴とする情報共有装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の装置において、
前記多重パイプ管理手段、前記多重パイプ検索手段、前記多重パイプ合成手段、及び前記多重パイプ情報内容比較手段は情報管理装置ごとに備えられており、
前記多重パイプ管理手段は、自己の情報管理装置が関係する多重パイプ情報の集合を管理し、
前記多重パイプ検索手段は、ユーザからの要求に加えて他の情報管理装置に備えられた多重パイプ検索手段からの要求に対して、前記多重パイプ管理手段が管理する多重パイプ情報の集合から当該要求に適する多重パイプ情報を検索する、
ことを特徴とする情報共有装置。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の装置において、
情報管理装置間のコミュニケーション内容を解析する情報解析手段と、
前記情報解析手段が検出したコミュニケーションの内容に基づいて前記多重パイプ管理手段に管理させる新たな多重パイプ情報を生成する多重パイプ生成手段と、
前記多重パイプ管理手段が管理する多重パイプ情報を、前記情報解析手段が解析したコミュニケーションの内容に基づいて更新する多重パイプ更新手段と、
をさらに有することを特徴とする情報共有装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の装置において、
第一の情報管理装置と第二の情報管理装置の間の多重パイプ情報と、
第二の情報管理装置と第三の情報管理装置との間の多重パイプ情報とが与えられたときに、
前記多重パイプ合成手段は、第一の情報管理装置と第二の情報管理装置との間の多重パイプ情報と、第二の情報管理装置と第三の情報管理装置との間の多重パイプ情報の、少なくとも意味の共通部分を意味の集合ごとに合成した、第一の情報管理装置から第三の情報管理装置への多重パイプ情報を生成する
ことを特徴とする情報共有装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の装置において、
第一の情報管理装置と第二の情報管理装置の間の多重パイプ情報と、
第二の情報管理装置と第三の情報管理装置との間の多重パイプ情報と、
第三の情報管理装置と第四の情報管理装置との間の多重パイプ情報とが与えられたときに、前記多重パイプ合成手段は、第一の情報管理装置と第二の情報管理装置との間の多重パイプ情報と、第三の情報管理装置と第四の情報管理装置との間の多重パイプ情報の、少なくとも意味の共通部分を意味の集合ごとに合成し、意味の集合ごとに総和をとることで第二の情報管理装置から第三の情報管理装置への多重パイプ情報を更新する
ことを特徴とする情報共有装置。 - 請求項6記載の装置において、
前記多重パイプ合成手段は、前記第一の情報管理装置と前記第二の情報管理装置との間の多重パイプ情報と、前記第二の情報管理装置と前記第三の情報管理装置との間の多重パイプ情報の、重みの共通部分を重みの集合ごとに合成した、第一の情報管理装置から第三の情報管理装置への多重パイプ情報を生成する
ことを特徴とする情報共有装置。 - 請求項7記載の装置において、
前記多重パイプ合成手段は、前記第一の情報管理装置と前記第二の情報管理装置との間の多重パイプ情報と、前記第三の情報管理装置と前記第四の情報管理装置との間の多重パイプ情報の、重みの共通部分を重みの集合ごとに合成し、重みの集合ごとに総和をとることで第二の情報管理装置から第三の情報管理装置への多重パイプ情報を更新する
ことを特徴とする情報共有装置。 - 請求項6、8のいずれかに記載の装置において、
前記多重パイプ合成手段は、前記第一の情報管理装置と前記第二の情報管理装置との間の多重パイプ情報と、前記第二の情報管理装置と前記第三の情報管理装置との間の多重パイプ情報の、時間属性の共通部分を時間属性の集合ごとに合成した、第一の情報管理装置から第三の情報管理装置への多重パイプ情報を生成する
ことを特徴とする情報共有装置。 - 請求項7、9のいずれかに記載の装置において、
前記多重パイプ合成手段は、前記第一の情報管理装置と前記第二の情報管理装置との間の多重パイプ情報と、前記第三の情報管理装置と前記第四の情報管理装置との間の多重パイプ情報の、時間属性の共通部分を時間属性の集合ごとに合成し、時間属性の集合ごとに総和をとることで第二の情報管理装置から第三の情報管理装置への多重パイプ情報を更新する
ことを特徴とする情報共有装置。 - 複数の情報管理装置が互いにコミュニケーションをとって情報のやり取りを行う情報システムを制御するプログラムを記憶した媒体であって、
前記プログラムはコンピュータに対して、少なくとも二つの情報管理装置間でやり取りされる情報の内容を複数のキーワード集合と属性情報で表現した多重パイプ情報を管理させ、
複数の多重パイプ情報が有するキーワード集合と属性情報を比較し類似性を判定させ、
前記多重パイプ情報の集合からユーザの要求に適する多重パイプ情報を検索させ、
検索して得られた複数の多重パイプ情報を、前記類似性を用いて合成することにより新たな多重パイプ情報を生成させる
ことを特徴とする記憶媒体。 - 複数の情報管理装置が互いにコミュニケーションをとって情報のやり取りを行う情報システムにおける情報共有方法であって、前記複数の情報管理装置に接続された情報共有装置が、
少なくとも二つの情報管理装置間でやり取りされる情報の内容を複数のキーワード集合と属性情報で表現した多重パイプ情報を管理するステップと、
複数の多重パイプ情報が有するキーワード集合と属性情報を比較し類似性を判定するステップと、
前記多重パイプ情報の集合からユーザの要求に適する多重パイプ情報を検索するステップと、
検索して得られた複数の多重パイプ情報を、前記類似性を用いて合成することにより新たな多重パイプ情報を生成するステップ
を実行することを特徴とする情報共有方法。
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