JP3072884B2 - リソーストポロジーを利用した情報リソースの検索方法 - Google Patents

リソーストポロジーを利用した情報リソースの検索方法

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JP3072884B2
JP3072884B2 JP07047256A JP4725695A JP3072884B2 JP 3072884 B2 JP3072884 B2 JP 3072884B2 JP 07047256 A JP07047256 A JP 07047256A JP 4725695 A JP4725695 A JP 4725695A JP 3072884 B2 JP3072884 B2 JP 3072884B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リソーストポロジーを
利用した情報リソースの検索方法に関し、特にWebと
呼ばれているインターネット上の情報リソースの発見と
検索を行うために適しているリソーストポロジーを利用
した情報リソースの検索方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Webとは、広域ハイパーテキスト・ア
プリケーションのことであり(ハイパーテキストについ
ては、文献[4]を参照されたい。なお、以下の説明に
おいては、必要な参考文献を角括弧[]で囲んだ数字で
文献番号のみで示し、この文献番号、例えば[1]等で
示す参考文献名を明細書の「発明の詳細な説明」の最後
に一覧として記載する)、インターネット上の情報リソ
ース(以下、単にリソースとも称する)の名前付けや検
索のためのツール、これらのリソースを指し示すハイパ
ーテキスト・ドキュメントを記述するためのツール、ハ
イパーテキスト・ドキュメントを表示するためのツー
ル、収集したリソースを検索するためのツールを含んで
いる。
【0003】また、本発明のリソーストポロジーを利用
した情報リソースの検索方法は情報検索(以下、IR
(Information Retrieval)と略称する)の分野にも関す
るものである。IRはかなり研究開発が進んだ分野であ
り、アメリカでのMEDLARS 医学図書検索サービス[5]
や、日本でのJOIS(JICST (Japan Information Centero
f Science Technology) Online System)のような、多
くの大規模な情報検索サービスが存在する。
【0004】最近では、伝統的な(集中管理型の)IR
とハイパーテキスト・システムの相関関係が深まり始め
ている。従って、1)ハイパーテキスト、2)IR、
3)インターネット上の情報リソースの発見と検索の3
分野が1つに併合しつつある。
【0005】情報リソースのトポロジーにリソースを格
納したり、リソーストポロジーを形成するためのリンク
を生成したり、リソースに付随する用語のインデックス
を構成したり、リソーストポロジーを利用してリソース
を検索するといったことに関わる計算機システムをトポ
ロジーシステムと総称する。
【0006】ある用語をキーワードとして持つリソース
を検索する検索機能は情報リソースのトポロジーの構成
において必須の機能である。効率的な検索機能なしに
は、効率的な分散リソーストポロジーの構成はあり得な
い。
【0007】インターネット全体から欲しい情報を探し
出せるようにすることがトポロジーシステムの目的であ
る。なお、他の機能は、トピック毎に情報を参照する手
段を提供することである。従って、仮に別の方法によっ
て分散リソーストポロジーが作成できたとしても、それ
だけではこの目的を達成できない。検索機能は本質的に
必要である。
【0008】なお、以下の説明では、ある用語をキーワ
ードとして持つリソースを「用語を満足するリソース」
と称する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、トポ
ロジーシステムにおいて、インターネット全体から所望
の情報を適確かつ効率的に検索し得ることが重要である
が、従来は、情報リソースのトポロジーの検索を効率的
かつ適確に行うものはない。
【0010】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、トポロジー化されているリソ
ースの集合に問い合わせとして与えられた用語をすべて
キーワードとして持つリソースを少なくとも1つ見つけ
出すことができるリソーストポロジーを利用した情報リ
ソースの検索方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のリソーストポロジーを利用した情報リソー
ス検索方法は、内容の記述に使用される主要用語群をキ
ーワード群として持つ情報リソースと、類似性の基準を
満たす情報リソース間に張ったリンクと、共通の類似性
の基準を満たす複数の情報リソースの集合であるクラス
タ情報とから構成される情報リソースのトポロジーに対
して質問として与えられた用語群に類似するキーワード
を持つ情報リソースをクラスタ毎にリンクに沿って探索
するリソーストポロジーを利用した情報リソースの検索
方法において、与えられた用語群をキーワードに持つリ
ソースを探すとき、1つの用語あるいは複数の用語のそ
れぞれをキーワードに持つリソースをある用語に対して
それをキーワードに持つリソースを示すことを役目とす
るサーバに尋ねることにより見つけ出し、その発見され
た1つ以上のリソース群からそれぞれ出発し、ある条件
を満たすトポロジーの部分集合の中を、指定された他の
用語をもキーワードに持つリソースを探すためリソース
間を渡り歩くという漸近的検索を行うことを要旨とす
る。
【0012】また、本発明のリソーストポロジーを利用
した情報リソースの検索方法は、あるリソースから別の
リソースへの移動を行うという漸近的検索を行う際、ト
ポロジーを構築するために用いられているリンクによっ
て結びつけられている隣のリソースの情報を参照し、そ
のリソース群の中から、今位置するリソースよりも多く
のキーワードを、検索のために指定された用語群と一致
させることのできるリソースを行き先として選び出すこ
とを要旨とする。
【0013】更に、本発明のリソーストポロジーを利用
した情報リソースの検索方法は、あるリソースから出発
して漸近的検索を行う際、検索のために指定された用語
群と出発点となるリソースのキーワード群の共通部分と
して定義される部分用語群に対して、その部分用語群を
キーワードに持つリソースを、トポロジー構造を与える
リンクを辿りながら全部調べあげることを要旨とする。
【0014】また更に、本発明のリソーストポロジーを
利用した情報リソースの検索方法は、あるリソースから
別のリソースへの移動を行うという漸近的検索を行う
際、2つの用語が1つのリソースに共に出現する頻度
(確率)を利用し、新たな用語をもキーワードに持つリ
ソースを探す代わりに、その用語と共に現れる頻度の高
い別の用語をキーワードとして持つリソースを選択する
ことを要旨とする。
【0015】本発明のリソーストポロジーを利用した情
報リソースの検索方法は、ある用語をキーワードに持つ
リソースを、ある用語に対してそれをキーワードに持つ
リソースを示すことを役目とするサーバに尋ねることに
より見つけ出し、そのリソースあるいはそれに隣接する
リソースの持つキーワードを当該用語と共に出現する可
能性の高い用語と見なすことを要旨とする。
【0016】また、本発明のリソーストポロジーを利用
した情報リソースの検索方法は、複数のリソースから出
発し、前記方法でお互いの共に出現する確率の高い用語
のリストを作成しながら同時に近づいていくことを要旨
とする。
【0017】更に、本発明のリソーストポロジーを利用
した情報リソースの検索方法は、ある用語をキーワード
として持つリソースあるいはそのリソースと隣接するリ
ソースが持つキーワード群と、次に訪れるべきリソース
の候補のキーワード群を比較することで用語が共に現れ
る頻度情報を計算し、その値の大きなものを移動先とし
て選択することを要旨とする。
【0018】また更に、本発明のリソーストポロジーを
利用した情報リソースの検索方法は、トポロジー内に基
準点を配置し、基準点に関する情報をリソースに対して
配り、あるリソースから別のリソースへの移動を行うと
いう漸近的検索を行う際、基準点への経路情報を使用
し、次に移動すべきリソースを選択することを要旨とす
る。
【0019】本発明のリソーストポロジーを利用した情
報リソースの検索方法は、リソースが自己組織的に階層
的な基準点を構成すると同時に、経路情報を分配し、そ
れによって漸近的検索における移動先リソースを選択す
ることを要旨とする。
【0020】また、本発明のリソーストポロジーを利用
した情報リソースの検索方法は、用語をキーワードに持
つリソースの位置情報の範囲を適当に制限して伝播し、
その情報をもとに漸近的検索を行うことを要旨とする。
【0021】更に、本発明のリソーストポロジーを利用
した情報リソースの検索方法は、予め伝播すべき範囲が
狭くなるように伝播の方向を選択することによって、伝
播の効率化と検索の効率化を達成することを要旨とす
る。
【0022】また更に、本発明のリソーストポロジーを
利用した情報リソースの検索方法は、伝播すべき情報を
適当に統合することによって、伝播の効率化を達成する
ことを要旨とする。
【0023】本発明のリソーストポロジーを利用した情
報リソースの検索方法は、あるリソースから別のリソー
スへの移動を行うという漸近的検索を行う際、前記方法
を組み合わせて検索の効率化を達成することを要旨とす
る。
【0024】
【作用】本発明のリソーストポロジーを利用した情報リ
ソースの検索方法では、与えられた用語群をキーワード
に持つリソースを探すとき、用語のそれぞれをキーワー
ドに持つリソースをある用語に対してそれをキーワード
に持つリソースを示すことを役目とするサーバに尋ねる
ことにより見つけ出し、その発見されたリソース群から
それぞれ出発し、ある条件を満たすトポロジーの部分集
合の中を、指定された他の用語をもキーワードに持つリ
ソースを探すためリソース間を渡り歩くという漸近的検
索を行う。
【0025】また、本発明のリソーストポロジーを利用
した情報リソースの検索方法では、漸近的検索を行う
際、トポロジーを構築するために用いられているリンク
によって結びつけられている隣のリソースの情報を参照
し、そのリソース群の中から今位置するリソースよりも
多くのキーワードを、検索のために指定された用語群と
一致させることのできるリソースを行き先として選び出
す。
【0026】更に、本発明のリソーストポロジーを利用
した情報リソースの検索方法では、漸近的検索を行う
際、検索のために指定された用語群と出発点となるリソ
ースのキーワード群の共通部分として定義される部分用
語群に対して、その部分用語群をキーワードに持つリソ
ースを、トポロジー構造を与えるリンクを辿りながら全
部調べあげる。
【0027】また更に、本発明のリソーストポロジーを
利用した情報リソースの検索方法では、漸近的検索を行
う際、2つの用語が1つのリソースに共に出現する頻度
を利用し、新たな用語をもキーワードに持つリソースを
探す代わりに、その用語と共に現れる頻度の高い別の用
語をキーワードとして持つリソースを選択する。
【0028】本発明のリソーストポロジーを利用した情
報リソースの検索方法では、ある用語をキーワードに持
つリソースを、ある用語に対してそれをキーワードに持
つリソースを示すことを役目とするサーバに尋ねること
により見つけ出し、そのリソースあるいはそれに隣接す
るリソースの持つキーワードを当該用語と共に出現する
可能性の高い用語と見なす。
【0029】また、本発明のリソーストポロジーを利用
した情報リソースの検索方法では、複数のリソースから
出発し、前記方法でお互いの共に出現する確率の高い用
語のリストを作成しながら同時に近づいていく。
【0030】更に、本発明のリソーストポロジーを利用
した情報リソースの検索方法では、ある用語をキーワー
ドとして持つリソースあるいはそのリソースと隣接する
リソースが持つキーワード群と、次に訪れるべきリソー
スの候補のキーワード群を比較することで用語が共に現
れる頻度情報を計算し、その値の大きなものを移動先と
して選択する。
【0031】また更に、本発明のリソーストポロジーを
利用した情報リソースの検索方法では、トポロジー内に
基準点を配置し、基準点に関する情報をリソースに対し
て配り、漸近的検索を行う際、基準点への経路情報を使
用し、次に移動すべきリソースを選択する。
【0032】本発明のリソーストポロジーを利用した情
報リソースの検索方法では、リソースが自己組織的に階
層的な基準点を構成すると同時に、経路情報を分配し、
それによって漸近的検索における移動先リソースを選択
する。
【0033】また、本発明のリソーストポロジーを利用
した情報リソースの検索方法では、用語をキーワードに
持つリソースの位置情報の範囲を適当に制限して伝播
し、その情報をともに漸近的検索を行う。
【0034】更に、本発明のリソーストポロジーを利用
した情報リソースの検索方法では、予め伝播すべき範囲
が狭くなるように伝播の方向を選択することによって、
伝播の効率化と検索の効率化を達成する。
【0035】また更に、本発明のリソーストポロジーを
利用した情報リソースの検索方法では、伝播すべき情報
を適当に統合することによって、伝播の効率化を達成す
る。
【0036】本発明のリソーストポロジーを利用した情
報リソースの検索方法では、漸近的検索を行う際、前記
方法を組み合わせて検索の効率化を達成する。
【0037】
【実施例】まず、本発明のリソーストポロジーを利用し
た情報リソースの検索方法の基本的な考え方について説
明する。
【0038】本リソーストポロジーを利用した情報リソ
ースの検索方法では、検索は「委託」という考え方に基
づいて行われる。すなわち、検索の問いに対して答える
「検索サーバ」は、部分的な問い、あるいは元の問いを
そのまま他の「検索サーバ」に尋ねる。もし、尋ねられ
たサーバにその問いに答える能力がない場合には、さら
に別のサーバに尋ねる。この問いは、答が得られるか、
あるいは探しているものがないことが判明するか、ある
いは探索が困難であるのであきらめるべきであると判断
されるまで続けられる。
【0039】検索は基本的には次のように行われる。
【0040】まず初めに、各用語ごとにそれを満足する
リソースを見つける。この時、ある用語に対してそれを
満足するリソースを示すことを役目とするサーバを使
う。このサーバによって発見されたリソース群から出発
し、更に、指定された他の用語をも満足するリソースを
探していく。この探索は、クラスタ(ある用語をキーワ
ードに持つという条件で定義されるリソースの部分集
合)でリソースからリソースへ渡り歩くという手法を含
む。リソースが見つかるに従って、用語の数を順次増や
し、最終的には指定されたすべての用語を満足するリソ
ースを探し出す。
【0041】以上をまとめると、検索は次のように行わ
れる。
【0042】(1)ある用語を満足するリソースをそれ
を教えることを目的としているサーバに尋ねることで見
つける。
【0043】(2)次第に検索の用語を増やしながら、
クラスタ内で、指定された用語をも満足するリソースを
探す。
【0044】検索を2段階にする理由は、ある用語を満
足するリソースをそれを教えることを目的としているサ
ーバのような特別なシステムを必要としない方がよいと
いう考え方はある。確かに、リソースを格納すること
と、トポロジー構造を管理する機能だけでトポロジーシ
ステムを構成する方が望ましい。しかしながら、あらゆ
るものをリソースの対象と考えているので、リソースに
付随する用語の数は膨大なものとなり、実用上の効率を
考えると、このような特別なサーバが必要であると思わ
れる。
【0045】一方、1クラスタ内では、そこに属するリ
ソースの数も全体に比べて随分と少ないはずなので、効
率的に検索できるはずである。
【0046】また、上記のサーバは以下の理由によって
規模の小さいシステムとして実装できるはずである。
【0047】(1)管理すべき情報は、用語とリソース
へのポインタの組だけである。
【0048】(2)本サーバに対して問いが発せられる
頻度はそう多くないと予測される。
【0049】既に発見したリソースを元に関連する情報
を探したりする場合の方が多いであろう。
【0050】更に、ある用語Tを満足するリソースを、
それを教えることを目的としているサーバのような特別
なシステムを用意することで、もしそれが存在すれば、
必ず見つけ出すことができる。情報リソースのトポロジ
ーの構成方法から、検索目的のリソースがトポロジー中
に存在するならば、必ずTが定めるクラスタ内に存在す
ることが保証される。従って、何らかの方法でそのクラ
スタ内を調べることによって検索を行うことができる。
クラスタ内を調べる方法を工夫することによって、検索
を効率化することができる。
【0051】更に具体的に、本発明のリソーストポロジ
ーを利用した情報リソースの検索方法について説明す
る。
【0052】(1)まず、トポロジー化されているリソ
ースの集合に、与えられた用語をキーワードとして持つ
リソースを少なくとも1つ見つけ出す方法を考える。
【0053】大域用語サーバと呼ばれるいくつかの計算
機があると仮定する。大域用語サーバは、ネットワーク
上にまばらに配置されており、相互に相手を認識し情報
交換を行う。
【0054】それぞれの大域用語サーバは、<用語、リ
ソースへのポインタ、距離>の組を要素とするインデッ
クスを持っている。これをTC1インデックスと呼ぶ。
TC1インデックスは、リソーストポロジー内にあるす
べてのリソースのキーワードに付随するエントリを持っ
ている。
【0055】リソーストポロジーを管理するサーバは、
少なくとも1つの大域用語サーバを知っている。
【0056】リソーストポロジー管理サーバは、それが
管理するリソーストポロジー内にあるリソースのキーワ
ードリストを周期的に大域用語サーバに転送する。大域
用語サーバは、この情報を受け取ると、TC1インデッ
クスを更新する。
【0057】大域用語サーバは近くの大域用語サーバと
TC1インデックスを交換する。もし、相手のTC1イ
ンデックスと比較して、自分のインデックスにないもの
が見つかったり、自分の知っているリソースより近いリ
ソースが載っている場合には、相手の持つエントリ<用
語、リソースへのポインタ、距離>の距離に1を加えた
ものを、自分のエントリとする。
【0058】TC1インデックスのエントリで、一定時
間以内に更新されないものは削除される。
【0059】(2)次に、請求項1に関する実施例につ
いて説明する。請求項1のリソースのリソーストポロジ
ーの本質的に重要な特性は、n個の用語を満足するリソ
ース(群)から出発して、更に別の用語をも満足するリ
ソース(この時n+1個の用語を満足することになる)
を見つけ出すことができるということである。これを
「漸近的検索」と呼ぶことにする。
【0060】漸近的検索は、探し求めているリソースに
より近いと思われるリソースに順次移動することで行
う。
【0061】移動方法として、次の5つを挙げる。
【0062】方法1.隣接するリソースを調べあげる方
法 方法2.既に満足されている用語によって定義されるク
ラスタに属するリソースを調べあげる方法 方法3.隣接するリソースを調べる際に、用語が共に現
れる頻度情報を補助的に使用する方法 方法4.隣接リソースを調べる際に、基準点への経路情
報を補助的に使用する方法 方法5.正確な位置情報を流通させ、それに従ってリソ
ース間を渡り歩く方法。
【0063】最初の4方式では、リソーストポロジーを
構成するリンクに沿ってリソースを調べる。最初の3方
式では、リソーストポロジーを構成する情報以外に付加
的情報を必要としない。これらの方法は組み合わせて使
うことができる。
【0064】検索中、ある時点で移動によって訪れたリ
ソースをその時のカレントリソースと呼ぶ。また、その
時に注目しているクラスタ、すなわち、その時点で満足
される用語を満足するリソースからなる部分集合を、カ
レントクラスタと呼ぶ。
【0065】(3)請求項2に関する実施例について説
明する。請求項1のリソーストポロジーでは、各リソー
スは隣接するリソースに関するある程度の情報を持って
いる。その中には、隣接リソースがリソーストポロジー
に加わる時に使ったキーワードのリストが含まれる。
【0066】漸近的検索の最も単純な方法は、この隣接
するリソースに関する情報を参照し、探し求めているリ
ソースにより”近い”ものに移動するというものであ
る。「あるリソースがカレントリソースより探し求めて
いるリソースに”近い”」とは、そのリソースの持つキ
ーワードと検索のために指定された用語群との間で一致
する数が、カレントリソースの場合よりも多いという状
態をいう。
【0067】明らかに、隣接するリソースに、カレント
リソースより探し求めているリソースに近いものがある
とは限らない。この場合、この方式は失敗する。一般に
この方式は他の方式と組み合わせて用いる。
【0068】(4)請求項3に関する実施例について説
明する。漸近的検索において、用語Tを満足するリソー
スが発見されている時、「用語Tは発見されている」と
いうことにする。
【0069】効率的ではないかもしれないが、漸近的検
索を確実に成功させる方法として、カレントクラスタを
徹底的に調べあげるというものがある。ここで、カレン
トクラスタとは、既に発見されている用語をキーワード
に持つリソースからなる集合をいう。
【0070】例として、A,B,Cをキーワードに持つ
リソースを漸近的に探す場合を考える。A,Bが既に発
見されていると仮定すると、カレントクラスタは、A,
B両方を満足するリソースの集合である。漸近的検索の
次のステップは、このカレントクラスタ内からCを満足
するリソースを探すことである。A,Bは発見されてい
るので、A,Bを満足するリソースは少なくとも1つは
見つかっている。そこから出発して、リソーストポロジ
ーを構成するリンクに沿って、隣接するリソースに移動
しながらそのリソースがCを満足するかをチェックす
る。この移動は、Cを満足するリソースが発見される
か、あるいは、カレントクラスタ内のすべてのリソース
を調べ終わった時点で終了する。
【0071】次に移動するリソースを選ぶ際、方式1を
補助的に使うことができる。
【0072】(5)請求項4に関する実施例について説
明する。漸近的検索において、検索のための移動を行う
にあたり移動先の隣接するリソースを選択しなければな
らない。1つの方法は、まだ訪れていないリソースをラ
ンダムに選択するというものである。より効率的な検索
のために、ランダムではなく、ある程度根拠のあるアル
ゴリズムを用いて選択を行うこともできる。
【0073】例えば、用語が共に現れる頻度(以後、共
出頻度と略す)を利用することができる。共出頻度と
は、2つの用語が1つのリソースに共に出現する頻度
(確率)である。高共出頻度は、自然言語に良く見られ
る現象である[2]。よって、これをもとに以下のよう
な選択アルゴリズムを考えることができる。
【0074】漸近的検索中にあるリソースに辿りつき、
更に別の用語をも満足するリソースを探しているとす
る。カレントクラスタ内のどの隣接リソースも、新たな
用語を満足しないが、その用語自身ではなく、その用語
と共出頻度が高い別の用語を満足するリソースが存在す
る場合、それを選択する。
【0075】(6)請求項5に関する実施例を述べる。
共出頻度情報を得る方法はいくつかある。辞書やシソー
ラスを利用するのも1方法である。
【0076】リソーストポロジーの特性を生かした方法
としては次のものがある。
【0077】ある用語を満足するリソースを必要ならば
大域用語サーバを使って探す。そのリソースあるいはそ
の隣接リソースは当該用語以外にキーワードを持ってお
り、それらを当該用語の高共出頻度語とみなす。
【0078】この具体的な例を挙げる。
【0079】A,Bを満足するリソースを検索する。大
域用語サーバにより、Aを満足するリソースRを発見で
きたが、その隣接リソースにはBを満足するものが見つ
からなかった。そこで、大域用語サーバを用いてBを満
足するリソースを探し、そのリソースあるいは隣接リソ
ースのキーワードから高共出頻度語のリストを作成す
る。今度は、Rの近隣リソースでこのリストに載ってい
る用語のいずれかを満足するリソースを探し、そこに移
動する。
【0080】(7)請求項6に関する実施例を述べる。
前述の方法を拡張したものとして、複数のリソースから
出発し、前述の方法でお互いの高共出頻度語のリストを
作成しながら同時に近づいていくという方法がある。
【0081】この具体的な例を挙げる。
【0082】A,B,C,Dという4つの用語を満足す
るリソースを検索する。大域用語サーバにより、それぞ
れを満足するリソースR(A)〜R(D)を発見するこ
とができる。それぞれの隣接のリソースを調べて、更に
別(R(A)なら、B,C,D)の用語を満足するリソ
ースを探し、発見されたならばそこに移動する。この時
点で、前述の方法で高共出頻度語のリストを作成し、そ
れを元にそれぞれ更に移動を続ける。
【0083】(8)請求項7に関する実施例を述べる。
共出頻度の具体的な計算方法の例をいくつか挙げる。ま
ず、基本的な構成要素を定義しておく。
【0084】R(i):リソース C(i):R(i)のカレントクラスタ N(i,w):C(i)に属するR(i)の隣接リソー
ス (t(i,w,1),t(i,w,2),・・・,t
(i,w,m)):N(i,w)に付随する用語ベク
タ。
【0085】
【数1】 t(i,w,y)=1N(i,w)が用語T(y)を満足する =0その他の場合 (c(i,1),c(i,2),・・・,c(i,
m)):R(i)に付随する共出頻度ベクタ。
【0086】
【数2】 c(i,y)=1R(i)あるいはN(i,w)がT(y)を満足する =0その他の場合 この時、 (I) N(i,w)とR(j)に対して、個別共出頻
度係数を
【数3】 で定義する。
【0087】(II) N(i,w)の累積共出頻度係
数を
【数4】 で定義し、この値の大きいN(i,w)を移動先のリソ
ースとして選択する。これは、あるリソースN(i,
w)とリソース群(R(j)やN(j,u))との間に
どれだけ同じ用語が共有されているかを示すものであ
る。
【0088】(III) また、大きい個別共出頻度係
数が累積共出頻度係数においてより効くように2乗して
計算し、この値の大きいN(i,w)を移動先のリソー
スとして選択する。
【0089】
【数5】 (VI) 更に、(II),(III)において、共出
頻度ベクタの要素c(i,y)のとる値を、{0,1}
から、R(i)あるいはN(i,w)のうち、用語T
(y)を満足するものの個数に拡張し、累積共出頻度係
数を計算し、この値の大きいリソースを移動先のリソー
スとして選択する。
【0090】(V) Iの代わりに、次式で個別共出頻
度係数を定義する。
【0091】
【数6】 ここで、P(y)はリソーストポロジー全体で用語Ty
を満足するリソースの数、Pmax はP(y)の最大値を
示す。このようにすると、要素数の少ないクラスタが優
遇される。この個別共出頻度係数を用い、(II),
(III)、あるいは(V)の方法により累積共出頻度
係数を計算し、この値の大きいリソースを移動先のリソ
ースとして選択する。要素数の少ないクラスタにおける
漸近的検索の手数は少ないので、この優遇措置によって
検索が効率化されることが期待される。優遇の度合いは
Pmax /P(y)の部分を変えることで調節できる。例
えば、平方根をとることによって、効果をやや弱めるこ
とができる。
【0092】(9)請求項8に関する実施例について説
明する。漸近的検索において、次に進むべき隣接リソー
スを選ぶ際に、方式3では用語が共に現れる頻度情報を
補助的に使用したが、その代わりに基準点への経路情報
を使用することができる。
【0093】次に、図1を参照して、基本的な考え方を
説明する。
【0094】図1において、用語Aを満足するリソース
Raと用語Bを満足するリソースRbから出発して、
A,Bを満足するリソースRabを探すことを考える。
【0095】Raの近くには基準点Rがある。基準点に
関しては、リソースはそこに到達するために他リソース
をどう辿っていったらよいかを知る術を持っている。例
えば、距離ベクタ型経路制御[1]の手法を使って経路
情報を得ることができる。距離ベクタ型経路制御では、
基準点への経路と距離に関する情報を配る。よって、R
aで経路情報を参照すれば、それが基準点Rに近いこと
が知れる。
【0096】Rbの隣接リソースの中でRに近いものを
選び、そこに移動する。更にそこで、Rに更に近い隣接
リソースを選ぶということを繰り返すと、Rは用語Aの
クラスタに属しているので、段々とAのクラスタに近づ
いていくことになる。そのうち、Aのクラスタに到達
し、その結果としてA,Bを満足するリソースRabを
発見できる。用語の数が増えた場合でも、更に同様な操
作を繰り返すことによってそれらを満足するリソースを
発見できる。
【0097】基準点の役割とその効果を説明するため
に、成功する例を用いたが、この最短経路を選ぶ方法
は、必ずしも成功するとは限らない。なぜならば、漸近
的移動はカレントクラスタ内で行われなければならない
が、最短経路全体がカレントクラスタに含まれるとは限
らないからである(図2)。
【0098】この場合、ある時点でカレントクラスタよ
り基準点に近い隣接リソースが見つからなくなる。そう
なった時、その中でも最も近いリソースを選ぶようにす
ることで、ランダムに移動先を選ぶより効率的な検索を
実現できる(図3)。
【0099】(10)請求項9に関する実施例について
説明する。「方式4」では、基準点と、そこへの経路情
報を各リソースに知らせるメカニズムが必要になる。1
つの方法としては、リソース自身を基準点とし、経路情
報伝達のために階層構造化するというものである。
【0100】各リソースは、勝手に階層レベル(負でな
い数)を予め決められた確率に基づいて選択する。高い
階層レベルを選べる確率は低いレベルを選べる確率より
小さくする。例えば、レベル1は確率0.01、レベル
2は確率0.0001、残りはレベル0といった具合に
する。
【0101】基準点となったリソースは、それ自身を到
達点として距離ベクタ型経路制御アルゴリズムに基づい
た処理を開始する。
【0102】また、各レベルkに対して、保持できる基
準点に関する情報の上限N(k)を定めておく。リソー
スは他の基準点で自分に一番近いものを各レベルごと1
つずつ憶えていて、そこから経路情報を得る。得られた
経路情報がレベルkの基準点に関するものであったとす
ると、その時点で持っている情報を併せて、当該リソー
スに最も近い最大N(k)個の基準点に関する情報が残
るようにする。このようにすると、レベルの低い基準点
は少ない数のリソースから認識され、レベルの高い基準
点は多くのリソースから認識されることになる。
【0103】それぞれの基準点には、寿命を定めてお
き、寿命が過ぎたら各リソースにあるその基準点のエン
トリを削除する。そして、再度ランダムにレベルを選択
し、基準点として自分に関する経路情報を配る。
【0104】これは、通信ネットワークの経路制御で使
われるLandmark Hierarchy[3]のバリエーションであ
る。
【0105】(11)請求項10に関する実施例につい
て説明する。「方式4」は、リソーストポロジーの構造
に沿って、経路を見い出す方法であった。次に述べる方
法は、リソーストポロジー自体の構造とは別に、経路選
択のための正確な情報として、リソースに他のリソース
へのポインタを持たせるというものである。
【0106】リソースRは、以下の条件が満たされるか
否かを調べるために、自分およびその隣接リソースのキ
ーワードを比較する。
【0107】(1)ある用語Aがあって、Rは用語Aを
満足するが、ある隣接リソースRnはその語を満足して
いない。
【0108】(2)RとRnが共に満足する用語が存在
する(これは、リソーストポロジーの性質から常に満た
される)。
【0109】この条件が満たされる時、RはRnに対し
て用語Aに関する情報の伝播を目的として以下に示すデ
ータを渡す。
【0110】(1)伝播用語:Rは満足するが、隣接リ
ソースRnは満足しない用語。上記例ではAがこれにあ
たる。
【0111】(2)伝播開始リソース:上記例のR。
【0112】(3)範囲制限用語群:RとRnが共通に
満足する用語の集合。
【0113】(4)距離:伝播開始リソースからどれだ
け離れているかを示す値。初期値は0。
【0114】伝播の途中、Rtがこれらのデータを受け
取った時、以下の条件が満たされない限り、データを保
持すると同時に隣接リソースに対してデータを渡す。
【0115】(1)当該伝播用語に関するデータで、範
囲制限用語群が、集合として、その時受け取ったデータ
の範囲制限用語群より大きいものを既に受け取っていた
場合。
【0116】(2)当該伝播用語に関するデータで、同
じ範囲制限用語群を持つが、その時受け取っていたデー
タより等しいか小さい距離を持つものを既に受け取って
いた場合。
【0117】データを受け取り、更に隣接リソースに渡
すリソースを伝播仲介リソースと呼ぶ。
【0118】データ中の距離は、伝播仲介リソースを訪
れる度に、1ずつ増やされる。また、受け取ったデータ
の範囲制限用語群のうち、それぞれの伝播仲介リソース
が満足するものだけがデータ中に残される(そのような
ものがない場合、データはそれ以上伝達されない)。そ
れ以外の場合、範囲制限用語群は変更されず伝達され
る。
【0119】この正確な位置情報を流通させ、それに従
ってリソース間を渡り歩く方法の概念図を図4に示す。
リソースRabは、それ自身とその隣接リソースRa2
の両方が用語Aを満足するRabだけが用語Bを満足す
ることから、それがクラスタの境界にあることを知るこ
とができる。従って、Rabは、Ra2に対し自分がB
を持っていることを通知する伝播を始める。この場合、
用語Bが伝播用語であり、Rabが伝播開始リソースで
ある。用語A(だけからなる用語群)が範囲制限用語群
であり、これによって表されるクラスタを越えて伝播が
行われる範囲を制限する。伝播は次々に行われ、Ra1
からもその近隣リソースに対してデータが渡される。そ
して、用語Aに関するクラスタに属するすべてのリソー
スがRabへのポインタ情報を得るまで続けられる。
【0120】この条件下で、用語AとBを満足するリソ
ースを探すことを考える。まず、大域用語サーバに問い
合わせるなどして、Aを満足するリソース(例えばRa
1)を探し出す。Ra1は、Rabへのポインタ情報を
持っているので、直接Rabを見つけ出すことができ
る。
【0121】ここで述べた伝播のルールでは、伝播仲介
リソースRtが受け取ったデータの範囲制限用語群が、
既に受け取ったものにより集合的に大きい場合に限っ
て、それを保存し隣接リソースにも渡すようになってい
る。言い換えると、範囲制限用語群のうち、Rtが満足
するようなものをできる限り伝播させようという方針を
採っている。
【0122】このような方針を採る理由を図5を用いて
説明する。R3とR5が用語Cに関するクラスタの境界
に位置している。この時、R2は2つの経路で、Cに関
する情報の伝播を受ける。1つは直接R3からであり、
もう1つはR4を介してR5から受け取る。上記のルー
ルがないとすると、R2は、R3からの情報を保存し伝
播を続ける。これにより、R1はR3の位置情報を知る
がR5について知ることができない。
【0123】この状況下で、用語BとCを満足するリソ
ースを探すことを考える。例えば、用語Bに関してR1
が見つかるかも知れないが、この時、用語CについてR
1が持つ情報はR3の位置情報である。一方、R3は用
語Bを満足しないので、検索は失敗する。
【0124】前述のルールは、この問題を解決する。R
5がR4に伝播用語Cに関する情報を渡す時、{A,
B}が範囲制限用語群となる。一方、R3からR2に渡
す情報の範囲制限用語群は{A}(Aのみ)である。R
2がR3からくる情報とR5からくる情報を比べた時、
後者の範囲制限用語群により多くの満足する用語を見つ
けることができるため、この情報がR1に渡される。こ
れによって、R1から出発して、A,CやB,CやA,
B,Cを満足するリソースに到達することができる。
【0125】また、ルールによって、R5が発信したC
に関する情報をR1がR6に渡す時、用語Bを範囲制限
用語群から取り除く。R6は、伝播用語Cに関する情報
として、伝播開始リソースR3から距離2のものと、R
5から距離4の2つを受け取る。
【0126】R6は、距離が少ないR3から発信された
情報を保存し、更に隣接リソースに対してその情報を渡
す。
【0127】この伝播ルールは、2つの情報の伝播制限
用語群の間に、集合として包含関係がある時のみ適用さ
れる。そうでない場合には、たとえ伝播用語が一致する
場合でも、それぞれ独立に伝播される。これによって、
異なる用語の組み合わせを検索することが可能になる。
【0128】(12)請求項11に関する実施例につい
て説明する。上記伝播は、実際には、伝播用語が定める
クラスタの要素数により、伝播制限用語群の定めるクラ
スタの要素数が少ない時に限って行われればよい。図6
において、Bで定められるクラスタは、Aで定められる
クラスタより要素数が少ないと仮定する。この時、リソ
ースRabはAが定めるクラスタに対してBの情報を、
Bが定めるクラスタにはAの情報を伝播することが許さ
れている。しかし、実際には、このどちらか1つを行う
だけで十分である。例えば、RabがAの情報をBが定
めるクラスタに伝播したとすれば、大域用語サーバなど
を用いてまずRbを探したのち、伝播された情報を用い
てRabを探し出すことができる。
【0129】このように、一方のクラスタだけに伝播を
行えば十分であるが、特に、要素数の少ないクラスタに
向けて伝播を行う方が効率的である。まず、小さなクラ
スタは、一般に、他のクラスタとの共通部分が少ないと
考えられるので、保存すべき伝播用語の量を抑えること
ができる。更に、検索時において、どの用語から漸近的
検索を開始したらよいかを判断する基準を与える。つま
り、クラスタが小さい用語から検索を開始すればよい。
【0130】(13)請求項12に関する実施例につい
て説明する。リソースの位置情報を伝播するこの方式の
効率化するものとして、伝播用語は同じであるが、異な
る伝播制限用語群を持つ複数の情報を1つに統合すると
いう方法がある。その具体的なアルゴリズムは次に記載
する通りである。図7において、RcaとRcbがR2
に対してCを伝播用語とする情報を渡すが、それらの伝
播制限用語群はそれぞれ{A},{B}となっている。
この時、R2は、この2つの情報を伝播制限用語群が
{A,B}である1つの情報に統合する。そして、R2
は、それ自身を伝播用語として情報を書き換える。
【0131】この状態で、R1から出発して用語A,C
を満足するリソースを探すことを考える。R1は、用語
Cに関する情報として、R2の位置情報を持っている。
一方、R2は、用語Cに関してRca,Rcbへの2つ
のポインタを持っているが、Aを満足することからRc
aが選ばれ、検索が成功する。
【0132】一方、同じようにA,B,Cを満足するリ
ソースを検索すると、R2に辿り着いた時点で、R2は
A,B共に伝播制限用語群とする情報を持ち合わせてい
ないため、検索は失敗する。
【0133】この方式の優れている点は、伝播する情
報、あるいは保存する情報が少なくて済むということで
ある。上記例では、R1はただ1つの情報を保存するだ
けでよい。一方、検索に手数がかかるという欠点があ
る。
【0134】(14)請求項13に関する実施例につい
て説明する。以上、いくつかの方式とその具体例を示し
たが、それぞれ適当に組み合わせて検索に用いることが
できる。
【0135】共出頻度情報を利用する方法や基準点への
経路情報を利用する方法単独では、目的とするリソース
を効率的に見つけ出せないかも知れないが、それらを組
み合わせることによって、効率的な検索を実現すること
ができる可能性がある。例えば、基準点への経路情報を
利用する方法における基準点からの距離を共出頻度情報
を利用する方法における出現率の計算に使うといったよ
うな相互利用の方法がある。
【0136】また、検索を行う者は、予めその検索内容
に関係する何等かの情報(リソース)を得ている場合が
多く、それ故、目的とするリソースの比較的近くから漸
近的検索を始めることが多いという状況が予測される。
このような場合、ある用語を満足するリソースの位置情
報の伝播は、比較的近い範囲に限って行うという方法も
考えられる。実際、この方がリソースが保存すべき情報
の量を大幅に削減できるであろう。この場合、当該リソ
ースからある程度離れた所には、その位置情報が届かな
いことになるが、例えば共出頻度情報を利用する方法を
使って、そこから当該リソースの近傍にまで辿り着くよ
うにできるであろう。
【0137】参考文献 [1] R.Perlman.Interconnections:Bridges and Rout
ers.Addison-Wesley,1992. [2] G.Salton and M.McGill.Introduction to Moder
n Information Retrieval.McGraw Hill,1983. [3] P.Tsuchiya.The Landmark Hierarchy:A New Hie
rarchy for Routing in Very Large Networks.Proceedi
ngs of ACM SIGCOMM 88,pages 35-42,August 1988. [4] B.Scneiderman and G.Kearsley,Hypertext Hand
s-On! Addison-Wesley,Reading,Mass.USA,1989. [5] Mockapetris.MEDLARS,The Computerized Litera
ture Retrieval Services of the National Library of
Medicine,Department of Health,Education,and Welfa
re.Pulbication NIH 79-1286,(USA)National Library o
f Medicine,January 1979.
【0138】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
分散リソーストポロジーの効率的な構成が可能になる。
これにより、インターネット上のリソースをトポロジー
化することができる。その結果、膨大な量の情報の中か
ら、所望の情報を探し出せるようにすることが可能にな
る。更に、本トポロジーシステムは、そのような大量の
情報をトピック毎に分類して提供することができ、これ
により情報が存在する位置に無関係にトピック毎に情報
を参照する手段を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基準点への経路情報を補助的に使用して漸近的
検索を行う例を示す図である。
【図2】基準点への経路情報を利用して、検索に失敗し
た例を示す図である。
【図3】基準点への経路情報を利用する方法を拡張した
例を示す図である。
【図4】用語とリソースの正確な位置情報を流通させ、
それに従ってリソース間を渡り歩く方法の概念図であ
る。
【図5】用語とリソースの正確な位置情報を流通させ、
それに従ってリソース間を渡り歩く方法における情報伝
播のルールに関する説明図である。
【図6】用語とリソースの正確な位置情報を流通させ、
それに従ってリソース間を渡り歩く方法において小さい
クラスタのみに向けて伝播を行う方法の概念図である。
【図7】用語のリソースの正確な位置情報を流通させ、
それに従ってリソース間を渡り歩く方法において伝播す
る情報を統合する方法の概念図である。
【符号の説明】
R,Ra,Rb,Rab リソース

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内容の記述に使用される主要用語群をキ
    ーワード群として持つ情報リソースと、類似性の基準を
    満たす情報リソース間に張ったリンクと、共通の類似性
    の基準を満たす複数の情報リソースの集合であるクラス
    タ情報とから構成される情報リソースのトポロジーに対
    して質問として与えられた用語群に類似するキーワード
    を持つ情報リソースをクラスタ毎にリンクに沿って探索
    するリソーストポロジーを利用した情報リソースの検索
    方法において、 与えられた用語群をキーワードに持つリソースを探すと
    き、1つの用語あるいは複数の用語のそれぞれをキーワ
    ードに持つリソースをある用語に対してそれをキーワー
    ドに持つリソースを示すことを役目とするサーバに尋ね
    ることにより見つけ出し、その発見された1つ以上のリ
    ソース群からそれぞれ出発し、ある条件を満たすトポロ
    ジーの部分集合の中を、指定された他の用語をもキーワ
    ードに持つリソースを探すためリソース間を渡り歩くと
    いう漸近的検索を行うことを特徴とするリソーストポロ
    ジーを利用した情報リソースの検索方法。
  2. 【請求項2】 あるリソースから別のリソースへの移動
    を行うという漸近的検索を行う際、トポロジーを構築す
    るために用いられているリンクによって結びつけられて
    いる隣のリソースの情報を参照し、そのリソース群の中
    から、今位置するリソースよりも多くのキーワードを、
    検索のために指定された用語群と一致させることのでき
    るリソースを行き先として選び出すことを特徴とする請
    求項1記載のリソーストポロジーを利用した情報リソー
    スの検索方法。
  3. 【請求項3】 あるリソースから出発して漸近的検索を
    行う際、検索のために指定された用語群と出発点となる
    リソースのキーワード群の共通部分として定義される部
    分用語群に対して、その部分用語群をキーワードに持つ
    リソースを、トポロジー構造を与えるリンクを辿りなが
    ら全部調べあげることを特徴とする請求項1記載のリソ
    ーストポロジーを利用した情報リソースの検索方法。
  4. 【請求項4】 あるリソースから別のリソースへの移動
    を行うという漸近的検索を行う際、2つの用語が1つの
    リソースに共に出現する頻度を利用し、新たな用語をも
    キーワードに持つリソースを探す代わりに、その用語と
    共に現れる頻度の高い別の用語をキーワードとして持つ
    リソースを選択することを特徴とする請求項1記載のリ
    ソーストポロジーを利用した情報リソースの検索方法。
  5. 【請求項5】 ある用語をキーワードに持つリソース
    を、ある用語に対してそれをキーワードに持つリソース
    を示すことを役目とするサーバに尋ねることにより見つ
    け出し、そのリソースあるいはそれに隣接するリソース
    の持つキーワードを当該用語と共に出現する可能性の高
    い用語と見なすことを特徴とする請求項4記載のリソー
    ストポロジーを利用した情報リソースの検索方法。
  6. 【請求項6】 複数のリソースから出発し、前記方法で
    お互いの共に出現する確率の高い用語のリストを作成し
    ながら同時に近づいていくことを特徴とする請求項5記
    載のリソーストポロジーを利用した情報リソースの検索
    方法。
  7. 【請求項7】 ある用語をキーワードとして持つリソー
    スあるいはそのリソースと隣接するリソースが持つキー
    ワード群と、次に訪れるべきリソースの候補のキーワー
    ド群を比較することで用語が共に現れる頻度情報を計算
    し、その値の大きなものを移動先として選択することを
    特徴とする請求項4記載のリソーストポロジーを利用し
    た情報リソースの検索方法。
  8. 【請求項8】 トポロジー内に基準点を配置し、基準点
    に関する情報をリソースに対して配り、あるリソースか
    ら別のリソースへの移動を行うという漸近的検索を行う
    際、基準点への経路情報を使用し、次に移動すべきリソ
    ースを選択することを特徴とする請求項1記載のリソー
    ストポロジーを利用した情報リソースの検索方法。
  9. 【請求項9】 リソースが自己組織的に階層的な基準点
    を構成すると同時に、経路情報を分配し、それによって
    漸近的検索における移動先リソースを選択することを特
    徴とする請求項1記載のリソーストポロジーを利用した
    情報リソースの検索方法。
  10. 【請求項10】 用語をキーワードに持つリソースの位
    置情報の範囲を適当に制限して伝播し、その情報をもと
    に漸近的検索を行うことを特徴とする請求項1記載のリ
    ソーストポロジーを利用した情報リソースの検索方法。
  11. 【請求項11】 予め伝播すべき範囲が狭くなるように
    伝播の方向を選択することによって、伝播の効率化と検
    索の効率化を達成することを特徴とする請求項10記載
    のリソーストポロジーを利用した情報リソースの検索方
    法。
  12. 【請求項12】 伝播すべき情報を適当に統合すること
    によって、伝播の効率化を達成することを特徴とする請
    求項10または請求項11記載のリソーストポロジーを
    利用した情報リソースの検索方法。
  13. 【請求項13】 あるリソースから別のリソースへの移
    動を行うという漸近的検索を行う際、請求項2乃至12
    記載の検索方法のうちの任意の複数の方法を組み合わせ
    ることを特徴とするリソーストポロジーを利用した情報
    リソースの検索方法。
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