JP4231653B2 - Manufacturing method of laminated piezoelectric actuator - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チタン酸バリウム系の圧電セラミックスを用いた積層型圧電アクチュエータの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、積層型圧電アクチュエータは、サブミクロンオーダーで変位量を調節することが可能であり、また電気信号に対する応答性が速く、発生力が大きいことから、例えば、X−Yステージ等の精密位置決め装置や、切削加工機等の産業用機械に使用されている。
【0003】
積層型圧電アクチュエータは、圧電セラミックスと内部電極とが交互に積層された構造を有しており、この圧電セラミックスと内部電極からなる積層体は、同時焼成法(一体焼成法)によって作製されている。この同時焼成法は、焼成後に内部電極となる金属ペーストが所定のパターンで印刷されたセラミックスグリーンシートを所定枚数積み重ねた後に、熱プレス等を用いてこれを一体化し、所定の温度で焼成する方法である。このために、金属ペーストとしては、セラミックスグリーンシートの焼成温度に耐えることのできる高融点金属ペーストを用いる必要がある。
【0004】
積層型圧電アクチュエータに一般的に用いられている圧電セラミックスは、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系の材料である。また、内部電極用の材料としては、銀(Ag)/パラジウム(Pd)ペースト(例えば、組成比Ag/Pd=70/30(重量比))が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、PZT系の圧電セラミックス材料は主成分の1つに鉛を含んでいるために、焼成時に鉛成分が蒸発し易い。これによって組成ずれが生じて目的とする圧電特性が得られなくなるだけでなく、焼成炉やその回りの外気を汚染する問題が生ずる。このために、鉛成分が外気へ拡散しないように設備を整えなければならず、作製設備費が高額となる問題がある。また、鉛は人体に有害な成分であるために、作業者の安全と健康を管理する観点からも、可能な限り鉛を含まない圧電セラミックスを用いることが嘱望されている。
【0006】
鉛を含まない圧電セラミックスとしては、チタン酸バリウムが広く知られている。しかし、チタン酸バリウムの焼成温度は通常1300℃以上であるために、大気雰囲気(酸化雰囲気)でチタン酸バリウムを焼成することによって積層型圧電アクチュエータを作製しようとすると、内部電極としてパラジウムペーストまたは白金(Pt)ペースト等の高価な内部電極材料を用いなければならなくなるために、作製コストが高くなる問題がある。
【0007】
チタン酸バリウムの焼成温度は、所定量の金属イオンや希土類イオンでバリウムイオンサイトおよびチタンイオンサイトを置換することによって下げることができる。しかし、この場合は置換イオンの種類や量により電気機械結合係数Kp並びにキュリー点の低下を招くために、圧電効果や電歪効果を利用する圧電アクチュエータとして使用できなくなる。また、チタン酸バリウムはその成分として鉛を含まないために、還元雰囲気での焼成が可能であり、この場合には内部電極材料として安価なニッケルを用いることが可能となる。しかし、純粋なチタン酸バリウムは、還元雰囲気で焼成すると半導体化して抵抗率が極端に低下する。つまり、圧電特性を示さなくなるという問題を生ずる。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、電気機械結合係数を高く維持しながら、従来よりも低い温度での焼成が可能なチタン酸バリウム系の積層型圧電セラミックスの製造方法を提供することを目的とする。また本発明は還元雰囲気で焼成した場合でも抵抗率が高く維持される積層型圧電セラミックスの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、圧電セラミックスと内部電極とが交互に積層され、同時焼成法によって作製される積層型の圧電アクチュエータの製造方法であって、チタン酸バリウムの全重量に対して重量比(外比)で0.2%以上2%以下のフッ化マンガンが添加され、前記チタン酸バリウムにおけるバリウム(Ba)とチタン(Ti)のモル比(Ba/Ti)が0.99以上1.005以下のチタン酸バリウムのグリーンシートを作製する工程と、該グリーンシートにニッケルペーストを所定の電極パターンで印刷する工程と、ニッケルペーストが塗布されたグリーンシートを所定枚数積み重ね熱プレスによって一体化する工程と、一体化されたグリーンシートを焼成する工程と、を有することを特徴とする積層型圧電アクチュエータの製造方法、が提供される。
【0010】
前記フッ化マンガンが、チタン酸バリウムの全重量に対して重量比(外比)で0.4%以上1.2%以下添加されたことがさらに望ましく、圧電アクチュエータ用の材料として用いる場合には、フッ化マンガンが添加されたチタン酸バリウムの焼結体の抵抗率は、印加電圧が1kVの場合に1×1011Ω・m以上であることが好ましく、電気機械結合係数Kpは20%以上であることが好ましい。
【0011】
積層型の圧電アクチュエータは、還元雰囲気で焼成して作製する必要があるが、チタン酸バリウムにフッ化マンガンが添加され、焼成されてなる圧電セラミックスは、還元雰囲気においても抵抗率が下がることがないために、十分に圧電アクチュエータ用の材料として使用することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明に係る圧電セラミックスは、チタン酸バリウムにフッ化マンガンを添加し、焼成することにより得ることができる。チタン酸バリウムへのフッ化マンガンの添加は、従来公知の種々の方法、例えば、チタン酸バリウム粉末とフッ化マンガンの粉末を、乳鉢やボールミル、ホモジナイザ、アトライタ等を用いて均一に混合、粉砕し、乾燥後に仮焼してさらにその後に微粉砕することによって行われる。
【0013】
チタン酸バリウムにフッ化マンガンを添加して焼成することによって、焼成温度を下げることができる。この理由は明らかではないが、フッ素イオンが酸素イオンの一部を置換して活性な状態となり、固体内拡散速度が向上することによるものと推測される。
【0014】
チタン酸バリウムにおけるバリウム(Ba)とチタン(Ti)のモル比(Ba/Ti比)は、0.99以上1.005以下であることが好ましい。Ba/Ti比が1未満の場合には、低い温度での焼成が可能となるが、半導体化し易い問題がある。一方Ba/Ti比が1以上の場合には、半導体化し難いが焼成温度を高くしないと(例えば、1400℃)、十分な圧電特性が現れない。このためチタン酸バリウムのBa/Ti比が異なると、添加するフッ化マンガンの最適量が異なってくる。
【0015】
圧電セラミックスの材料特性の評価は、一般的に、圧電セラミックス粉体を円板や角柱等の所定形状にプレス成形し、所定の温度で焼成して得られる焼結体が用いられる。そこで、仮焼粉に所定量のバインダ(後述する表1および表2に示す試料1〜28の作製においては、チタン酸バリウム粉末の重量の5重量%に相当する量)を加え、これを金型に充填し、所定圧力でプレス成形(一軸プレス成形やCIP成形)することによってプレス成形体を作製して、これを所定の温度で所定時間焼成することにより、焼結体を得た。
【0016】
表1は、Ba/Ti比が0.992のチタン酸バリウムにフッ化マンガン(MnF)を所定量添加し、焼成温度を1200℃、1250℃、1300℃として作製された焼結体(試料1〜18)の特性(密度、抵抗率、電気機械結合係数Kp、誘電率)を示している。ここで、試料1〜18の密度はアルキメデス法により測定した。また、密度測定が終了した後の各試料を乾燥させた後に、その表裏面に銀ペーストをスクリーン印刷し、さらにこれを焼き付けることによって電極を形成した。抵抗率については1kVの電圧を印加したときに電圧印加回路に流れる電流値から求めた。電気機械結合係数Kpと誘電率(比誘電率(ε/ε)を指す)は、各試料を2kV/mmで分極処理した後に、インピーダンスアナライザにより測定した。
【0017】
【表1】

Figure 0004231653
【0018】
表1において、試料1・7・13はフッ化マンガンを添加していない比較試料である。1200℃焼成の場合において、試料1と比較して、フッ化マンガンが添加されている試料2〜6で密度が高められていることがわかる。このことは、1250℃焼成と1300℃焼成の場合についても同様である。試料9と試料13とを比較すると明らかなように、フッ化マンガンを0.4重量%添加することによってフッ化マンガンを添加していない場合よりも50℃焼成温度が下がっても、十分に密度上がっていることがわかる。また、試料3と試料13を比べて分かるように、フッ化マンガンを添加することによって、焼成温度を100℃下げても同程度の密度が得られている。このことは、フッ化マンガンが焼成時に焼結助剤として機能していることを示唆している。
【0019】
各焼成温度において、フッ化マンガンの添加量によって、密度、抵抗率、電気機械結合係数Kp、誘電率が変化する。したがって、フッ化マンガンの添加量の最適値を選択することにより、良好な特性を有する圧電セラミックスを得ることができる。例えば、表1から、適当量のフッ化マンガンを添加することによって、フッ化マンガンを添加していない場合に比べて、抵抗率を高くすることができることがわかる。1250℃での焼成においては、0.4重量%以上のフッ化マンガンを添加することによって、明らかに抵抗率が高くなっている。
【0020】
また、各焼成温度において、フッ化マンガンが添加されている試料では、フッ化マンガンが添加されていない試料に比べて、電気機械結合係数Kpが大きくなっている。電気機械結合係数Kpが高いことは、電気エネルギーをより有効に機械的エネルギーに変換できることを意味している。したがって、チタン酸バリウムにフッ化マンガンを添加することによって、より良好な圧電特性が得られることがわかる。特に試料9は、焼成温度が1250℃と低く、密度と抵抗率と電気機械結合係数Kpのバランスがよい。
【0021】
表2は、Ba/Ti比が1.001のチタン酸バリウムを1300℃、1400℃で焼成した試料19・20(比較試料)と、このチタン酸バリウムにフッ化マンガンを所定量添加し、1300℃または1350℃で焼成することにより作製された焼結体(試料21〜28)の特性(密度、抵抗率、電気機械結合係数Kp、誘電率)を示している。
【0022】
【表2】
Figure 0004231653
【0023】
表2から、Ba/Ti比が1.001のチタン酸バリウムを用いた場合も、適当量のフッ化マンガンを添加することによって、フッ化マンガンを添加しない場合と比較して、50℃〜100℃の低温焼成化を実現しながら、密度や抵抗率、電気機械結合係数Kpを向上させることができるということがわかる。また、フッ化マンガンを添加しても、キュリー点の大きな降下は起こっていないことがわかる。例えば、フッ化マンガンを添加していない試料20と、フッ化マンガンが添加された試料23では、焼成温度が100℃異なるにもかかわらず、同等の密度が得られている。また、試料20と試料23・26を比較すると、フッ化マンガンを添加することによって電気機械結合係数Kpが明らかに向上していることがわかる。さらに抵抗率はフッ化マンガンを添加することによって顕著に上昇していることがわかる。
【0024】
次に、表3に、Ba/Ti比が0.992のチタン酸バリウムにフッ化マンガンを所定量添加し、焼成温度を1250℃、1300℃として還元雰囲気で焼成することによって得られた焼結体(試料29〜40)について、その添加量と特性(密度、抵抗率、電気機械結合係数Kp、誘電率)との関係を示す。
【0025】
【表3】
Figure 0004231653
【0026】
これらの試料29〜40の作製方法は次の通りである。まず、チタン酸バリウム粉末に所定量のフッ化マンガンを添加して混合粉砕したものを1000℃で仮焼した。次にこの仮焼粉末を平均粒径が1μm以下となるように粉砕した後に、バインダー(例えば、酢酸ビニル等)を添加して、厚さ約300μmのシートを成形した。得られたシートから10mmφの円板を打ち抜いて、これの両面にニッケルペーストを印刷し、その後に500℃〜700℃の大気雰囲気で脱脂を行った。次いで窒素99%、水素1%からなる還元雰囲気において1250℃または1300℃で焼成した。なお、試料29〜40の各特性の評価方法は試料1〜28に準ずる。
【0027】
フッ化マンガンを添加していない試料29・35では、抵抗率が1kΩ・m以下となったために分極を行うことができず、したがって電気機械結合係数Kpと誘電率を測定することはできなかった。一方、フッ化マンガンを添加した試料30〜34・36〜40は、1×1011Ω・m以上の高い抵抗率を示しており、大気雰囲気で焼成した場合(表1、表2)と比較しても、抵抗率が低下していないことがわかる。また、電気機械結合係数Kpや誘電率の値も大気雰囲気で焼成した場合と同等の値が得られている。
【0028】
このようにフッ化マンガンが添加されて還元雰囲気で焼成されたチタン酸バリウムは、高い抵抗率と良好な電気機械結合係数Kp等の特性を示すために、アクチュエータ用材料として用いることが可能である。
【0029】
図1は積層コンデンサ型の圧電アクチュエータ10の構造を示す概略断面図である。圧電アクチュエータ10は、圧電セラミックス11と内部電極12とが交互に積層され、隣り合う圧電セラミックス11には互いに逆向きとなる電界が内部電極12によって印加されるように、内部電極12が一層おきに外部電極13a・13bに接続された構造を有している。また、圧電アクチュエータ10の積層方向の端面には、保護層14が設けられている。外部電極13a・13bにはそれぞれリード線15a・15bがハンダ付けされており、圧電アクチュエータ10の側面には樹脂被膜16が設けられている。
【0030】
圧電セラミックス11および保護層14として、本発明に係る圧電セラミックス、つまり、フッ化マンガンが添加されて焼成されたチタン酸バリウムが用いられる。また、前述したように、本発明に係る圧電セラミックスは還元雰囲気での焼成が可能であり、しかも1350℃以下の温度での焼成が可能であるために、内部電極12として安価なニッケル電極を用いることができる。なお、外部電極13a・13bとしてもニッケル電極が好適に用いられる。
【0031】
圧電アクチュエータ10は、公知の積層型コンデンサの作製方法に準じて作製することができる。すなわち、最初にチタン酸バリウム粉末に所定量のフッ化マンガンを添加して混合粉砕したものを1000℃で仮焼し、得られた仮焼粉末を平均粒径が1μm以下となるように粉砕する。次に、この粉末に溶剤やバインダ等を混合してスラリーを作製し、ドクターブレード法等の公知のシート成形方法により、このスラリーからグリーンシートを作製する。
【0032】
グリーンシートを所定の形状に打ち抜き加工して、これにニッケルペーストを所定の電極パターンで印刷する。ニッケルペーストが印刷されたグリーンシートを所定数積み重ねて熱プレスを行うことにより、積み重ねられたグリーンシートを一体化させる。その後に500℃〜700℃の大気雰囲気で脱脂を行い、次いで還元雰囲気(例えば、水素含有窒素雰囲気)において所定の温度、例えば、1250℃〜1350℃で焼成する。
【0033】
こうして得られた焼成体には必要に応じて研磨加工が施され、その後に外部電極13a・13bとなる銀/パラジウムペーストを塗布して、例えば、500℃〜800℃の温度で焼成する。このように外部電極13a・13bは、内部電極12の酸化が起こらない温度で金属ペーストの焼き付けが可能であるならば、大気雰囲気で焼き付けを行ってもよい。なお、焼成体の所定位置にニッケルペーストを塗布し、例えば、600℃〜800℃の還元雰囲気で焼成することによって、外部電極13a・13bを形成してもよい。こうして得られた圧電アクチュエータ10の外部電極13a・13bにリード線15a・15bをハンダ付けし、さらに圧電アクチュエータ10の側面に樹脂被膜16を形成する。次に、このリード線15a・15bを利用して圧電セラミックス11に所定の電圧を印加することにより分極処理を行う。
【0034】
このようにして作製された圧電アクチュエータ10は、従来公知のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系セラミックスと銀/パラジウム電極とが交互に積層されて構成された圧電アクチュエータと比較すると、内部電極コストを極端に下げることができるために、安価に作製することができる。
【0035】
PZT系セラミックスを用いた圧電アクチュエータの製造に際しては、グリーンシートの厚みは、内部電極材料に含まれる銀のマイグレーションによる絶縁抵抗低下の問題を回避するために、一般的に60μm以上とされる。しかしチタン酸バリウム系の圧電セラミックスはグリーンシートの成形性が良好であり、例えば、20μm〜40μm程度の薄いグリーンシートを容易に作製することができる。また、内部電極12にニッケル電極を用いた場合には、マイグレーションの問題は発生しない。
【0036】
一般的に、チタン酸バリウム系の圧電セラミックスの圧電定数はPZT系セラミックスの圧電定数の1/3〜1/2程度と小さいが、チタン酸バリウム系の圧電セラミックスを用いた場合には、圧電セラミックス11の厚みを薄くして積層数を増やすことが可能であり、これにより圧電定数が小さいというデメリットを補うことができる。つまり、フッ化マンガンが添加されて焼成されたチタン酸バリウムを用いることによって、従来のPZT系セラミックスを用いた圧電アクチュエータと同等形状で同等の変位特性を示す圧電アクチュエータを得ることができる。
【0037】
また、このようなフッ化マンガンが添加されたチタン酸バリウムは、成分として鉛を含まない。このため、PZT系セラミックスを用いる場合の問題点、例えば、焼成時に鉛成分の蒸発による組成ずれとこれに伴う圧電特性の変化、蒸発する鉛による焼成炉やその回りの外気の汚染、作業員の健康への悪影響等の種々の問題を回避することができる。
【0038】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明に係る圧電セラミックスを用いた圧電アクチュエータとして、積層コンデンサ型の圧電アクチュエータを例示したが、その他の構造を有する積層型圧電アクチュエータ、例えば、前面電極型や応力緩和型の積層型圧電アクチュエータにも、本発明に係る圧電セラミックスを適用することができることは言うまでもない。また、積層型の圧電トランス等にも本発明に係る圧電セラミックスを適用することも可能である。フッ化マンガンが添加されたチタン酸バリウムが大気雰囲気下、1250℃以下の条件で焼成が可能な場合には、例えば、銀/パラジウムペーストを用いて内部電極が形成される圧電アクチュエータを作製することも可能である。
【0039】
【発明の効果】
上述の通り、本発明によれば、チタン酸バリウムの焼成温度を従来よりも50℃〜150℃下げることが可能となる。また、本発明に係る圧電セラミックスは、大気雰囲気または還元雰囲気のいずれの雰囲気で焼成を行っても、抵抗率を高く保持することが可能であり、電気機械結合係数Kpも高く維持される。これにより、本発明に係る圧電セラミックスは、例えば、圧電アクチュエータに用いることが可能となる。本発明に係る圧電セラミックスを用いて同時焼成法によって作製される積層型圧電アクチュエータでは、圧電セラミックス層の厚みを薄くすることができ、しかもマイグレーションの問題を引き起こさないニッケルを内部電極として用いることができる。これにより、従来のチタン酸ジルコン酸鉛系の圧電セラミックスを用いた圧電アクチュエータと遜色のない変位特性を有する積層型圧電アクチュエータを、低コストで実現することができる。さらに、本発明に係る圧電セラミックスには鉛成分が含まれていない。これにより鉛化合物の取り扱いに関する種々の負担、例えば、鉛成分の大気中への拡散を防止する設備の設置等が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層型圧電アクチュエータの概略構造を示す断面図。
【符号の説明】
10;圧電アクチュエータ
11;圧電セラミックス
12;内部電極
13a・13b;外部電極
14;保護層
15a・15b;リード線
16;樹脂被膜[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for manufacturing a laminated piezoelectric actuator using barium titanate-based piezoelectric ceramics.
[0002]
[Prior art]
For example, a laminated piezoelectric actuator can adjust the amount of displacement on the order of submicrons, and has a fast response to an electric signal and a large generated force. For example, a precision positioning device such as an XY stage And used in industrial machines such as cutting machines.
[0003]
A laminated piezoelectric actuator has a structure in which piezoelectric ceramics and internal electrodes are alternately laminated, and a laminated body including the piezoelectric ceramics and internal electrodes is manufactured by a simultaneous firing method (integrated firing method). . This simultaneous firing method is a method of stacking a predetermined number of ceramic green sheets on which a metal paste serving as an internal electrode after firing is printed in a predetermined pattern, and then integrating them using a hot press or the like and firing at a predetermined temperature. It is. For this reason, it is necessary to use a refractory metal paste that can withstand the firing temperature of the ceramic green sheet as the metal paste.
[0004]
Piezoelectric ceramics generally used for laminated piezoelectric actuators are lead zirconate titanate (PZT) -based materials. Further, a silver (Ag) / palladium (Pd) paste (for example, composition ratio Ag / Pd = 70/30 (weight ratio)) is used as a material for the internal electrode.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, since the PZT-based piezoelectric ceramic material contains lead as one of the main components, the lead component easily evaporates during firing. As a result, compositional deviation occurs and the desired piezoelectric characteristics cannot be obtained, and there is a problem that the firing furnace and surrounding air are contaminated. For this reason, equipment must be prepared so that the lead component does not diffuse into the outside air, and there is a problem that the cost of manufacturing equipment becomes high. In addition, since lead is a harmful component to the human body, it is desired to use piezoelectric ceramics containing no lead as much as possible from the viewpoint of managing the safety and health of workers.
[0006]
Barium titanate is widely known as a piezoelectric ceramic that does not contain lead. However, since the firing temperature of barium titanate is usually 1300 ° C. or higher, when an attempt is made to produce a multilayer piezoelectric actuator by firing barium titanate in an air atmosphere (oxidizing atmosphere), palladium paste or platinum is used as an internal electrode. Since expensive internal electrode materials such as (Pt) paste have to be used, there is a problem that the manufacturing cost is increased.
[0007]
The firing temperature of barium titanate can be lowered by substituting barium ion sites and titanium ion sites with a predetermined amount of metal ions or rare earth ions. However, in this case, since the electromechanical coupling coefficient Kp and the Curie point are lowered depending on the type and amount of substitution ions, it cannot be used as a piezoelectric actuator utilizing the piezoelectric effect or the electrostrictive effect. Further, since barium titanate does not contain lead as a component, it can be fired in a reducing atmosphere, and in this case, it is possible to use inexpensive nickel as the internal electrode material. However, pure barium titanate becomes a semiconductor when fired in a reducing atmosphere, and the resistivity is extremely reduced. That is, there is a problem that the piezoelectric characteristics are not exhibited.
[0008]
The present invention has been made in view of such circumstances, and provides a method for producing a barium titanate-based laminated piezoelectric ceramic that can be fired at a lower temperature than the prior art while maintaining a high electromechanical coupling coefficient. The purpose is to provide. Another object of the present invention is to provide a method for producing a laminated piezoelectric ceramic that maintains a high resistivity even when fired in a reducing atmosphere.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
According to the present invention, there is provided a manufacturing method of a stacked piezoelectric actuator in which piezoelectric ceramics and internal electrodes are alternately stacked and manufactured by a simultaneous firing method, wherein the weight ratio (outside of the total weight of barium titanate) Ratio) of 0.2% or more and 2% or less of manganese fluoride is added, and the barium (Ba) to titanium (Ti) molar ratio (Ba / Ti) in the barium titanate is 0.99 or more and 1.005 or less. A step of producing a green sheet of barium titanate, a step of printing a nickel paste on the green sheet with a predetermined electrode pattern, a step of stacking a predetermined number of green sheets coated with the nickel paste and integrating them by hot pressing And a step of firing the integrated green sheet, and a method for manufacturing a laminated piezoelectric actuator, comprising: It is subjected.
[0010]
More preferably, the manganese fluoride is added in a weight ratio (external ratio) of 0.4% or more and 1.2% or less with respect to the total weight of barium titanate. When used as a material for a piezoelectric actuator, The resistivity of the sintered body of barium titanate to which manganese fluoride is added is preferably 1 × 10 11 Ω · m or more when the applied voltage is 1 kV, and the electromechanical coupling coefficient Kp is 20% or more. It is preferable that
[0011]
Laminated piezoelectric actuator this, it is necessary to prepare by sintering in a reducing atmosphere, is added manganese fluoride to barium titanate, the piezoelectric ceramics formed by sintering, also the resistivity decreases in a reducing atmosphere Therefore, it can be sufficiently used as a material for a piezoelectric actuator.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail. The piezoelectric ceramic according to the present invention can be obtained by adding manganese fluoride to barium titanate and firing it. Manganese fluoride is added to barium titanate by various conventionally known methods, for example, barium titanate powder and manganese fluoride powder are uniformly mixed and pulverized using a mortar, ball mill, homogenizer, attritor or the like. It is performed by calcining after drying and then finely pulverizing.
[0013]
By adding manganese fluoride to barium titanate and firing, the firing temperature can be lowered. The reason for this is not clear, but it is presumed that the fluorine ion substitutes a part of the oxygen ion to be in an active state and the diffusion rate in the solid is improved.
[0014]
The barium (Ba) to titanium (Ti) molar ratio (Ba / Ti ratio) in the barium titanate is preferably 0.99 or more and 1.005 or less. When the Ba / Ti ratio is less than 1, firing at a low temperature is possible, but there is a problem that semiconductors are easily formed. On the other hand, when the Ba / Ti ratio is 1 or more, it is difficult to make a semiconductor, but sufficient piezoelectric characteristics do not appear unless the firing temperature is increased (for example, 1400 ° C.). For this reason, when the Ba / Ti ratio of barium titanate is different, the optimum amount of manganese fluoride to be added is different.
[0015]
For the evaluation of the material characteristics of piezoelectric ceramics, generally, a sintered body obtained by press-molding piezoelectric ceramic powder into a predetermined shape such as a disk or a prism and firing it at a predetermined temperature is used. Therefore, a predetermined amount of binder (in the production of Samples 1 to 28 shown in Tables 1 and 2 described later) is added to the calcined powder, and this is added to gold. A press-molded body was prepared by filling a mold and press-molding (uniaxial press molding or CIP molding) at a predetermined pressure, and firing this at a predetermined temperature for a predetermined time to obtain a sintered body.
[0016]
Table 1 shows a sintered body (sample) prepared by adding a predetermined amount of manganese fluoride (MnF 2 ) to barium titanate having a Ba / Ti ratio of 0.992 and firing temperatures of 1200 ° C., 1250 ° C., and 1300 ° C. 1-18) (density, resistivity, electromechanical coupling coefficient Kp, dielectric constant). Here, the density of samples 1 to 18 was measured by Archimedes method. Moreover, after drying each sample after a density measurement was completed, the silver paste was screen-printed on the front and back, and this was baked, and the electrode was formed. The resistivity was obtained from the current value flowing through the voltage application circuit when a voltage of 1 kV was applied. The electromechanical coupling coefficient Kp and the dielectric constant (indicating relative dielectric constant (ε / ε 0 )) were measured by an impedance analyzer after each sample was polarized at 2 kV / mm.
[0017]
[Table 1]
Figure 0004231653
[0018]
In Table 1, Samples 1, 7, and 13 are comparative samples to which manganese fluoride is not added. In the case of 1200 degreeC baking, compared with the sample 1, it turns out that the density is raised by the samples 2-6 to which manganese fluoride is added. The same applies to the cases of 1250 ° C. firing and 1300 ° C. firing. As is clear from the comparison between Sample 9 and Sample 13, the density is sufficiently high even when the firing temperature is lowered by 50 ° C. by adding 0.4% by weight of manganese fluoride compared to the case where manganese fluoride is not added. You can see that it is up. Further, as can be seen from the comparison between Sample 3 and Sample 13, by adding manganese fluoride, the same density can be obtained even when the firing temperature is lowered by 100 ° C. This suggests that manganese fluoride functions as a sintering aid during firing.
[0019]
At each firing temperature, the density, resistivity, electromechanical coupling coefficient Kp, and dielectric constant change depending on the amount of manganese fluoride added. Therefore, a piezoelectric ceramic having good characteristics can be obtained by selecting an optimum value of the addition amount of manganese fluoride. For example, it can be seen from Table 1 that the resistivity can be increased by adding an appropriate amount of manganese fluoride as compared to the case where no manganese fluoride is added. In firing at 1250 ° C., the resistivity is clearly increased by adding 0.4 wt% or more of manganese fluoride.
[0020]
Further, at each firing temperature, the electromechanical coupling coefficient Kp is larger in the sample to which manganese fluoride is added than in the sample to which manganese fluoride is not added. A high electromechanical coupling coefficient Kp means that electric energy can be converted into mechanical energy more effectively. Therefore, it can be seen that better piezoelectric characteristics can be obtained by adding manganese fluoride to barium titanate. In particular, Sample 9 has a low firing temperature of 1250 ° C., and has a good balance of density, resistivity, and electromechanical coupling coefficient Kp.
[0021]
Table 2 shows samples 19 and 20 (comparative sample) obtained by firing barium titanate having a Ba / Ti ratio of 1.001 at 1300 ° C. and 1400 ° C., and a predetermined amount of manganese fluoride was added to the barium titanate. The characteristics (density, resistivity, electromechanical coupling coefficient Kp, dielectric constant) of a sintered body (samples 21 to 28) produced by firing at 1 ° C. or 1350 ° C. are shown.
[0022]
[Table 2]
Figure 0004231653
[0023]
From Table 2, even when barium titanate having a Ba / Ti ratio of 1.001 is used, by adding an appropriate amount of manganese fluoride, compared with a case where manganese fluoride is not added, 50 ° C. to 100 ° C. It can be seen that the density, resistivity, and electromechanical coupling coefficient Kp can be improved while realizing low-temperature firing at 0 ° C. Further, it can be seen that even when manganese fluoride is added, there is no significant drop in the Curie point. For example, the sample 20 to which manganese fluoride is not added and the sample 23 to which manganese fluoride is added have the same density even though the firing temperature differs by 100 ° C. Moreover, when comparing the sample 20 with the samples 23 and 26, it can be seen that the electromechanical coupling coefficient Kp is clearly improved by adding manganese fluoride. Further, it can be seen that the resistivity is remarkably increased by adding manganese fluoride.
[0024]
Next, Table 3 shows sintering obtained by adding a predetermined amount of manganese fluoride to barium titanate having a Ba / Ti ratio of 0.992 and firing at a firing temperature of 1250 ° C. and 1300 ° C. in a reducing atmosphere. The relationship between the amount of the body (samples 29 to 40) and the characteristics (density, resistivity, electromechanical coupling coefficient Kp, dielectric constant) is shown.
[0025]
[Table 3]
Figure 0004231653
[0026]
A method for producing these samples 29 to 40 is as follows. First, a barium titanate powder added with a predetermined amount of manganese fluoride and mixed and pulverized was calcined at 1000 ° C. Next, the calcined powder was pulverized so that the average particle diameter was 1 μm or less, and then a binder (for example, vinyl acetate) was added to form a sheet having a thickness of about 300 μm. A 10 mmφ disc was punched from the obtained sheet, and a nickel paste was printed on both sides of the disc. Thereafter, degreasing was performed in an air atmosphere at 500 ° C to 700 ° C. Next, it was fired at 1250 ° C. or 1300 ° C. in a reducing atmosphere consisting of 99% nitrogen and 1% hydrogen. In addition, the evaluation method of each characteristic of the samples 29-40 is based on the samples 1-28.
[0027]
In the samples 29 and 35 to which manganese fluoride was not added, the resistivity was 1 kΩ · m or less, so that polarization could not be performed, and therefore the electromechanical coupling coefficient Kp and the dielectric constant could not be measured. . On the other hand, samples 30 to 34 and 36 to 40 to which manganese fluoride was added showed a high resistivity of 1 × 10 11 Ω · m or more, and compared with the case of firing in an air atmosphere (Tables 1 and 2). Even so, it can be seen that the resistivity has not decreased. Further, the values of the electromechanical coupling coefficient Kp and the dielectric constant are equivalent to those obtained when firing in the air atmosphere.
[0028]
Barium titanate thus added with manganese fluoride and fired in a reducing atmosphere can be used as an actuator material in order to exhibit characteristics such as high resistivity and good electromechanical coupling coefficient Kp. .
[0029]
FIG. 1 is a schematic sectional view showing the structure of a multilayer capacitor type piezoelectric actuator 10. The piezoelectric actuator 10 includes piezoelectric ceramics 11 and internal electrodes 12 alternately stacked, and the internal electrodes 12 are provided every other layer so that electric fields opposite to each other are applied to adjacent piezoelectric ceramics 11 by the internal electrodes 12. It has a structure connected to the external electrodes 13a and 13b. A protective layer 14 is provided on the end surface of the piezoelectric actuator 10 in the stacking direction. Lead wires 15 a and 15 b are soldered to the external electrodes 13 a and 13 b, respectively, and a resin film 16 is provided on the side surface of the piezoelectric actuator 10.
[0030]
As the piezoelectric ceramic 11 and the protective layer 14, the piezoelectric ceramic according to the present invention, that is, barium titanate that is baked by adding manganese fluoride is used. In addition, as described above, the piezoelectric ceramic according to the present invention can be fired in a reducing atmosphere, and can be fired at a temperature of 1350 ° C. or lower, so that an inexpensive nickel electrode is used as the internal electrode 12. be able to. A nickel electrode is also preferably used as the external electrodes 13a and 13b.
[0031]
The piezoelectric actuator 10 can be manufactured according to a known multilayer capacitor manufacturing method. That is, first, a predetermined amount of manganese fluoride added to barium titanate powder and mixed and pulverized are calcined at 1000 ° C., and the obtained calcined powder is pulverized so that the average particle size is 1 μm or less. . Next, a solvent, a binder or the like is mixed with this powder to prepare a slurry, and a green sheet is prepared from this slurry by a known sheet forming method such as a doctor blade method.
[0032]
A green sheet is punched into a predetermined shape, and a nickel paste is printed thereon with a predetermined electrode pattern. A predetermined number of green sheets on which nickel paste is printed are stacked and heat-pressed to integrate the stacked green sheets. Thereafter, degreasing is performed in an air atmosphere of 500 ° C. to 700 ° C., and then baking is performed at a predetermined temperature, for example, 1250 ° C. to 1350 ° C. in a reducing atmosphere (for example, a hydrogen-containing nitrogen atmosphere).
[0033]
The fired body thus obtained is subjected to a polishing process as necessary, and thereafter a silver / palladium paste to be the external electrodes 13a and 13b is applied and fired at a temperature of, for example, 500 ° C. to 800 ° C. As described above, the external electrodes 13a and 13b may be baked in an air atmosphere if the metal paste can be baked at a temperature at which the internal electrode 12 does not oxidize. Alternatively, the external electrodes 13a and 13b may be formed by applying a nickel paste to a predetermined position of the fired body and firing it in a reducing atmosphere of 600 ° C. to 800 ° C., for example. The lead wires 15 a and 15 b are soldered to the external electrodes 13 a and 13 b of the piezoelectric actuator 10 thus obtained, and a resin film 16 is formed on the side surface of the piezoelectric actuator 10. Next, a polarization process is performed by applying a predetermined voltage to the piezoelectric ceramic 11 using the lead wires 15a and 15b.
[0034]
The piezoelectric actuator 10 manufactured in this way has a lower internal electrode cost than a conventional piezoelectric actuator in which lead zirconate titanate (PZT) ceramics and silver / palladium electrodes are alternately laminated. Since it can be lowered extremely, it can be manufactured at low cost.
[0035]
When manufacturing a piezoelectric actuator using PZT ceramics, the thickness of the green sheet is generally set to 60 μm or more in order to avoid a problem of a decrease in insulation resistance due to migration of silver contained in the internal electrode material. However, barium titanate-based piezoelectric ceramics have good green sheet moldability. For example, a thin green sheet of about 20 μm to 40 μm can be easily produced. Further, when a nickel electrode is used for the internal electrode 12, a problem of migration does not occur.
[0036]
In general, the piezoelectric constant of barium titanate-based piezoelectric ceramics is as small as about 1/3 to 1/2 of the piezoelectric constant of PZT-based ceramics. However, when barium titanate-based piezoelectric ceramics are used, piezoelectric ceramics 11 can be thinned to increase the number of stacked layers, which can compensate for the disadvantage of a small piezoelectric constant. That is, by using barium titanate added with manganese fluoride and fired, a piezoelectric actuator having the same shape and the same displacement characteristics as a piezoelectric actuator using conventional PZT ceramics can be obtained.
[0037]
Further, barium titanate to which such manganese fluoride is added does not contain lead as a component. For this reason, there are problems when using PZT ceramics, for example, compositional deviation due to evaporation of lead components during firing and changes in piezoelectric characteristics associated therewith, contamination of the firing furnace and surrounding air due to evaporated lead, Various problems such as adverse health effects can be avoided.
[0038]
As mentioned above, although embodiment of this invention was described, this invention is not limited to this. For example, as a piezoelectric actuator using the piezoelectric ceramic according to the present invention, a multilayer capacitor type piezoelectric actuator has been exemplified, but a multilayer piezoelectric actuator having other structure, for example, a front electrode type or stress relaxation type piezoelectric actuator Needless to say, the piezoelectric ceramic according to the present invention can be applied. The piezoelectric ceramic according to the present invention can also be applied to a laminated piezoelectric transformer or the like. When barium titanate to which manganese fluoride is added can be baked under the atmosphere at 1250 ° C. or lower, for example, a piezoelectric actuator in which internal electrodes are formed using a silver / palladium paste is manufactured. Is also possible.
[0039]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the firing temperature of barium titanate can be lowered by 50 ° C. to 150 ° C. as compared with the prior art. In addition, the piezoelectric ceramic according to the present invention can maintain a high resistivity even when fired in either an air atmosphere or a reducing atmosphere, and the electromechanical coupling coefficient Kp is also kept high. Thereby, the piezoelectric ceramic according to the present invention can be used for, for example, a piezoelectric actuator. In the multilayer piezoelectric actuator manufactured by the simultaneous firing method using the piezoelectric ceramic according to the present invention, the thickness of the piezoelectric ceramic layer can be reduced, and nickel that does not cause a migration problem can be used as the internal electrode. . Thus, a multilayer piezoelectric actuator having a displacement characteristic comparable to that of a conventional piezoelectric actuator using lead zirconate titanate-based piezoelectric ceramics can be realized at low cost. Furthermore, the piezoelectric ceramic according to the present invention does not contain a lead component. This eliminates the need for various burdens related to the handling of lead compounds, for example, installation of equipment for preventing the diffusion of lead components into the atmosphere.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a schematic structure of a multilayer piezoelectric actuator.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 10; Piezoelectric actuator 11; Piezoelectric ceramics 12; Internal electrode 13a * 13b; External electrode 14; Protective layer 15a * 15b; Lead wire 16;

Claims (4)

圧電セラミックスと内部電極とが交互に積層され、同時焼成法によって作製される積層型の圧電アクチュエータの製造方法であって、Piezoelectric ceramics and internal electrodes are alternately laminated, and a method for producing a laminated piezoelectric actuator produced by a simultaneous firing method,
チタン酸バリウムの全重量に対して重量比(外比)で0.2%以上2%以下のフッ化マンガンが添加され、前記チタン酸バリウムにおけるバリウム(Ba)とチタン(Ti)のモル比(Ba/Ti)が0.99以上1.005以下のチタン酸バリウムのグリーンシートを作製する工程と、Manganese fluoride of 0.2% or more and 2% or less by weight ratio (external ratio) is added to the total weight of barium titanate, and the molar ratio of barium (Ba) to titanium (Ti) in the barium titanate A step of producing a green sheet of barium titanate having Ba / Ti) of 0.99 or more and 1.005 or less;
該グリーンシートにニッケルペーストを所定の電極パターンで印刷する工程と、Printing a nickel paste on the green sheet with a predetermined electrode pattern;
ニッケルペーストが塗布されたグリーンシートを所定枚数積み重ね熱プレスによって一体化する工程と、A step of stacking a predetermined number of green sheets coated with nickel paste by hot pressing,
一体化されたグリーンシートを焼成する工程と、を有することを特徴とする積層型の圧電アクチュエータの製造方法。And a step of firing the integrated green sheet. A method of manufacturing a laminated piezoelectric actuator, comprising:
前記フッ化マンガンが、チタン酸バリウムの全重量に対して重量比(外比)で0.4%以上1.2%以下添加されたことを特徴とする請求項1に記載の積層型の圧電アクチュエータの製造方法。2. The stacked piezoelectric according to claim 1, wherein the manganese fluoride is added in a weight ratio (external ratio) of 0.4% or more and 1.2% or less with respect to the total weight of barium titanate. Actuator manufacturing method. 前記フッ化マンガンが添加されたチタン酸バリウムの焼結体の抵抗率は、印加電圧が1kVの場合に、1×1011Ω・m以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層型の圧電アクチュエータの製造方法。 The resistivity of the sintered body of barium titanate where the manganese fluoride is added, if the applied voltage is 1 kV, according to claim 2, characterized in that 1 × 10 11 Ω · m more A method for manufacturing a multilayer piezoelectric actuator. 前記フッ化マンガンが添加されたチタン酸バリウムの焼結体の電気機械結合係数Kpは20%以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の積層型の圧電アクチュエータの製造方法。 4. The multilayer piezoelectric actuator according to claim 1 , wherein an electromechanical coupling coefficient Kp of the sintered body of barium titanate to which manganese fluoride is added is 20% or more. 5. Manufacturing method.
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