JP4231495B2 - マルチコール端末,マルチコール端末用回路及びマルチコール端末によるマルチコール通話呼数変更方法 - Google Patents
マルチコール端末,マルチコール端末用回路及びマルチコール端末によるマルチコール通話呼数変更方法 Download PDFInfo
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Description
図28は移動体システムの構成図である。この図28に示す移動体システム99は、携帯端末等の移動局(MS:Mobile Station)100と、基地局(BSS:Base Station)101a,101bと、交換局102a,102bと、ホーム・ロケーション・レジスタ(Home Location Register,以下HLRと称する)103と、公衆回線(Public Switched Telephone Network)104aと、インターネット網104bとをそなえて構成されている。
さらに、HLR103は、主として移動局100の電話番号のほか、位置登録や認証等を行なうための加入者データを保持管理するものである。そして、これらが協同することにより、移動局100が網のどの場所にいても位置登録を行なえ、また、網側も着信がある移動局100を効率よく探し出せるようになる。
これに対して、次世代の通信システムとして、第三世代移動体システムであるIMT−2000規格には、1台の携帯端末を用いて同時に複数の通話設定ができ、また、複数の呼を同時に接続するマルチコールと、一つの呼で複数の通信リンクを設定するマルチコネクションとの機能が盛り込まれている。このIMT−2000規格により、加入者は、電話しながらテキストデータを送受信したり、電子メールを送受信しながら別の人に動画像を送信することが可能となる。なお、マルチセッションは、音声データをIPパケットに変換してインターネット網にて送受信するVOIP(Voice Over IP)を含む。
図29はキャッチホンの接続シーケンス例を示す図であり、加入者,基地局制御装置,交換局,接続先1,2との間における状態(S1,S4,S5,S7,S8)及びメッセージ(S2,S3,S6)が表示されている。まず、加入者と接続先1とが通話中(S1を付したもの)に、接続先2が加入者に対して発呼し(着信要求メッセージS2)、その後、加入者は交換局に対して、接続先1についての保留要求メッセージS3を送信する。これにより、接続先1は、保留となる(S4と付したもの)一方、加入者は接続先2と通話中(S5を付したもの)となる。また、加入者は交換局に対して、メッセージS6を送信することにより、接続先2が保留となる(S7と付したもの)一方、加入者は接続先1と通話中(S8を付したもの)となる。
図30はマルチセッションの接続シーケンス例を示す図であり、状態(T1,T3,T4)及びメッセージ(T2)とが表示されている。この図30に示す加入者と接続先1とが通話中(T1を付したもの)に、接続先2が加入者に対して発呼する(着信要求メッセージT2)と、加入者は接続先1との間で通話しているまま(T3と付したもの)、接続先2とも同時に通話できるのである(T4を付したもの)。
また、第三世代移動体システムにおいては、IMT−2000綱と既存網との間のハンドオーバーが必須機能として要求されている。このハンドオーバーとは、例えば自動車走行中に、セルが代わる毎に通話中の回線を切り換えていくことをいう。IMT−2000規格を採用する網側において、通話中の複数の呼をハンドオーバー時にどのように扱うかは重大である。
従って、交換局は、既存のシングルコールしかサポートしていないと、輻輳状態において新規発信を受信した場合に、その新規発信のプライオリティよりも低いプライオリティを有する呼があればその呼を切断し、また、新規発信された呼のうちで高プライオリティを有するものを優先的に接続するが、低プライオリティの呼がない場合には、交換局は、新規発信された呼を拒否するしかないという課題がある。
加えて、上記の特許文献1に記載された技術は、携帯端末に2台の通信機器、例えば携帯端末とPHS(Personal Handy-phone System)とを接続して、双方の通信機器を同時に使用できるようにしたものであり、また、2回線を同時に使用して同一の事務所に送信するものである。従って、マルチコールをサポートするようにはなっておらず、減少した呼数を元に戻す仕組みは設けられていない。
また、上記の基地局制御装置は、周辺の基地局のそれぞれについて、同時に通話設定できる呼数を保持する保持手段と、少なくともハンドオーバーの発生を検出し保持手段に保持された呼数に基づいて、マルチコール対応が不可であることを検出しうる検出手段と、検出手段が検出したハンドオーバーを発呼要求したマルチコール端末に対して、継続可能な複数の呼の数に関する特別メッセージを送信する通知手段と、通知手段により通知された複数の呼のうちマルチコール端末が送信した接続希望呼を有する応答を受信しうる応答受信手段と、応答受信手段が受信した接続希望呼を交換局装置に対して送信する送信手段とをそなえて構成されたことを特徴としている。
上記の交換局装置によれば、複数の呼を同時に通話設定できる第1マルチコール端末からの発呼か、又は、一個の呼を通話設定できるシングルコール端末からの発呼かを判別する判別手段と、ハンドオーバー発生と網の輻輳状態の変動とに起因する事象を検出しうる事象検出手段と、判別手段にて判別された第1マルチコール端末が通話中に、事象検出手段にて事象が検出されると、第1マルチコール端末の通話呼数を変更しうる呼数変更手段とをそなえて構成されているので、加入者が電話とインターネット接続とを同時にしているときに、ハンドオーバー発生や網の輻輳状態の変動によって、シングルコール又は現在通話中の呼数以下でしか通話が継続できなくなっても、加入者が望む通信を継続できる利点がある。
さらに、上記の基地局制御装置によれば、周辺の基地局のそれぞれについて、同時に通話設定できる呼数を保持する保持手段と、少なくともハンドオーバーの発生を検出し保持手段に保持された呼数に基づいて、マルチコール対応が不可であることを検出しうる検出手段と、検出手段が検出したハンドオーバーを発呼要求したマルチコール端末に対して、継続可能な複数の呼の数に関する特別メッセージを送信する通知手段と、通知手段により通知された複数の呼のうちマルチコール端末が送信した接続希望呼を有する応答を受信しうる応答受信手段と、応答受信手段が受信した接続希望呼を交換局装置に対して送信する送信手段とをそなえて構成されているので、交換局が輻輳状態において、低プライオリティの呼がなく、切断できる呼がない場合でも、新規発信された呼を接続できるようになり、空いた回線が新たな加入者に割り当てられるので、加入者へのサービスの質が向上する利点がある。
(A)本発明の第1実施形態の説明
図1は本発明の第1実施形態に係る移動体システム(交換機システム)の構成図である。この図1に示す移動体システム9は、IMT−2000規格に基づく移動体システムであって、移動局10と、基地局(BSS)11a〜11cと、交換局(交換局装置)12a〜12cと、VLR106a〜106cと、HLR13と、パケット処理装置(SGSN:Serving General Packet Radio Service Support Node)107a〜107cとをそなえて構成されている。
ここで、公衆回線104aは例えば携帯電話網であり、接続先の固定電話等である固定端末105を収容している。また、インターネット網104bは、多数のインターネットサービスプロバイダ(ISP:Internet Service Provider:図示省略)を有する。そして、関門交換局108は、PSTN104aやISDN網(図示省略)に接続する箇所に位置するゲート交換局であって、回線呼を交換するものであり、さらに、関門パケット処理装置109は、ISP104bに接続する箇所に位置する関門パケット処理装置であって、パケットを交換するものである。
また、固定端末105が発呼した回線呼は、公衆回線104a,関門交換局108をそれぞれ介して、この移動体システム9に送出され、電子メール等は、インターネット網104b,関門パケット処理装置109をそれぞれ介して、移動体システム9に送出されるのである。
図2は上記の第1実施形態に係る移動局10の機能ブロック図であるが、この図2に示す移動局10は、受信手段10aと、表示手段10bと、入力手段10cと、送信手段10dとをそなえて構成されている。 ここで、受信手段10aは、複数の呼の増加・減少に関する特別メッセージを受信して呼数変更情報を抽出しうるものであり、この機能は、受信回路(図示省略)とその受信回路にて復調された信号から所望のデータを抽出するために、CPU(Central Processing Unit)及びRAM(Random Access Memory)等が協同したソフトウェア等により実現される。
そして、表示手段10bは、受信手段10aにて抽出された呼数変更情報により、通話中の複数の呼をビジュアル(視覚的)及びオーディブル(聴覚的)に表示しうるものであり、このビジュアル機能は、例えばディスプレイにより実現され、オーディブル機能は、例えばリンガにより実現される。つまり、表示手段10bの表示制御は、表示制御手段としての上記CPUによって行なわれる。
図3は上記の第1実施形態に係る移動局10のディスプレイ表示の一例を示す図であるが、この図3に示すディスプレイ15が基地局11a〜11c側からのメッセージを表示し、これにより、加入者はテンキーを押下してリプライ(返信又は返送)できるようになっている。ここで、ビジュアルに通知する方法は、ショートメッセージ(Short Message)サービスをも含む。また、移動局10は網側から通知された場合に、この警告音が段階的に変化し、加入者の操作により応答を促すようになっている。また、この移動局10については、後述する他の実施形態及び各変形例においても、図3と同様な構成である。
次に、図1において、基地局11a〜11cはそれぞれ移動局10との間で無線信号の送受信を行なうとともに交換局12a〜12cとの間で所定形式の信号の送受信を行なうものである。この中で基地局11aは、マルチコールをサポートしていないものであり、基地局11b〜11cは、それぞれ、マルチコールをサポートしているものである。従って、移動局10は、基地局11b,11cと接続されたときは、マルチコール設定可能であるが、基地局11aと接続されたときは、シングルコール設定しかできない。
図4は上記の第1実施形態に係る基地局制御装置20b(又は20c)の機能ブロック図であり、この図4に示す基地局制御装置20bは、保持手段20eと、検出手段20fと、通知手段20gと、応答受信手段20hと、送信手段20iとをそなえて構成されている。
図5は上記の第1実施形態に係る交換局12bの機能ブロック図を示す図である。この図5に示す交換局12bは、判別手段30と、事象検出手段31と、呼数変更手段32とをそなえて構成されている。
また、事象検出手段31は、ハンドオーバー発生と網の輻輳状態の変動とに起因する事象(以下の説明にて環境変化と称することがある)を検出しうるものであって、その検出は、ハンドオーバー要求信号を受信したことによるか、又は、網の輻輳状態をCPUの負荷を監視してその負荷がある程度大きくなったときになされるようになっている。
これにより、判別手段30にて、通話設定されている移動局10がマルチコール端末かシングルコール端末かが判別され、事象検出手段31にて、ハンドオーバー発生と網の輻輳状態の変動とに起因する事象が検出される。そして、呼数変更手段32にて、移動局10が通話中に、事象が検出されると、移動局10の通話呼数が変更されるのである。
次に、この呼数変更手段32について、図6を用いて説明する。
図6は上記の第1実施形態に係る呼数変更手段32の機能ブロック図である。この図6に示す呼数変更手段32は、特別メッセージ通知手段32aと、応答受信手段32bと、再ハンドオーバー手段32cとをそなえて構成されている。
これにより、図1において、マルチコールは、移動局10の音声信号を含む無線信号は、例えば基地局11cにて受信され、交換局12cを介して公衆回線104aに送信され、そして、移動局10と電話先の固定端末105とが相互に通話する。また、パケット通信についても同様であって、移動局10の例えば電子メールのテキストデータは、基地局11c及び交換局12cを介して、インターネット網104bを介して他のメールサーバ(図示省略)に送信されるのである。
ここで、環境変化とは、移動通信において、例えば移動局10の移動によりハンドオーバーが必要になった状態、又は、網の輻輳状態が変動してシングルコール又は現在通話中の呼数以下でしか通話が継続できなくなった状態を意味する。
(1−1)交換局12b,12cは、いずれも環境変化が発生したことを検出すると、現在通話中の回線設定を現状のままの状態で継続可能か否かをチェックする。
(1−2)交換局12b,12cは、いずれも継続不可とした場合、ハンドオーバーを実行する前に、本発明を適用した新規メッセージを作成し、加入者に対して継続可能な呼の数とともに通知する。
以下、上述のように構成された本実施形態の交換機システムの動作について図7に示すフローチャートと、図8に示すシーケンスとを参照しながら詳述する。
上記のメッセージB3を受信したハンドオーバー先の交換局12cと、メッセージB4を受信したハンドオーバー先の基地局制御装置20cとは、それぞれ、自分自信の能力及び網の輻輳状態を判定して、また、それぞれ、ハンドオーバー可能な呼数をHandover Request ackメッセージB5,B6に含めてリプライする。
(2−2)通知用の特別メッセージを編集して送出。この方法は既存のシングルコールの呼処理メッセージ又は新規な特別メッセージを想定している。
(2−3)ショートメッセージを編集して送出。
また、応答待ちタイマーがN回(Nは2以上の自然数を表す)終了した場合は、交換局12bは、ハンドオーバー可能な呼数をランダムに選択して呼を継続させるか、又は、ハンドオーバーを中止する。
そして、このように、加入者が電話とインターネット接続とを同時にしているときに、ハンドオーバー発生や網の輻輳状態の変動によって、シングルコール又は現在通話中の呼数以下でしか通話が継続できなくなっても、加入者が望む通信を継続できる。
(A1)本発明の第1実施形態の第1変形例の説明
本変形例では、網の輻輳状態が変動した時の態様を説明する。また、本変形例においても、図1に示す移動体システム9の構成と同様であるので、移動体システム9についての重複した説明を省略する。
従って、交換局12bは、網の輻輳状態が変動した場合において新規発信を受信した場合に、その新規発信のプライオリティよりも低いプライオリティを有する呼がない場合においても、交換局12bは、新規発信された呼を拒否せずに、収容できるようになる。
図10はシングルコール時の交換局12bの処理を示すフローチャートである。まず、網が輻輳状態になったときに(ステップA10)、交換局12bが新規に発信された呼(以下、新規呼と称することがある)を受信すると(ステップA11)、ステップA12においてその新規呼を接続できるかどうかを判定し、接続できるならばYESルートを通り、ステップA15において、その新規呼を接続して処理は終了する。
まず、既存の発着信時に加入者は特別な操作等は不要である。そして、交換局12bは、新規発信要求メッセージB20を受信すると、交換局12bは、ハンドオーバー発生と網の輻輳状態の変動とに起因する事象を検出し(事象検出ステップ)、回線確認処理B21を行なう。すなわち、交換局12bは、接続できないときにマルチコールしている加入者(マルチコール加入者Cと付したもの)がいた場合は、そのマルチコール加入者Cに対して呼数の減少を要求するための特別メッセージB22を編集し送出する(特別メッセージ通知ステップ)。なお、この特別メッセージB22は、既存の呼処理メッセージ又は新規特別メッセージが用いられる。
そして、B24と付した枠内に示すように、応答受信ステップにて受信した継続希望呼を交換局12bが接続するとともに、複数の呼のうちマルチコール加入者Cが選択しない接続非希望呼を切断し(再ハンドオーバーステップ)、空いた回線を使用して新規発信要求を処理するのである。
また、このように、第1実施形態と同様に、加入者がマルチコール時に、ハンドオーバー発生や網の輻輳状態の変動によって、シングルコール又は現在通話中の呼数以下でしか通話が継続できなくなっても、加入者が望む通信を継続できるようになる。
本実施形態は、交換局12b(又は12c)が移動局10のハンドオーバー要求を受信すると、基地局制御装置20b,20cのそれぞれに設けられた応答受信手段20hと送信手段20i(ともに図4参照)とを用いて、交換局12bが通知するようになっている。また、本実施形態においても、図1に示す移動体システム9の構成と同様なので、移動体システム9についての重複した説明を省略する。
なお、ステップC12において、マルチコールできなければNOルートを通り、基地局制御装置20bは、処理を終了する。
以下、上述のように構成された本実施形態におけるハンドオーバーの発生にともなう交換機システムの動作について図15に示すシーケンスを参照しながら詳述する。図15は本発明の第2実施形態に係るハンドオーバーシーケンスを示す図であり、事象の発生及び処理内容(C19,C28)とメッセージ名(C20,C21,C24〜C27)とが示されている。
(3−2)通知用の特別メッセージを編集し送出。この方法はシングルコールの呼処理メッセージ又は新規な特別メッセージを想定している。
(3−3)ショートメッセージを編集して送出。ここで、メッセージを受信して表示を確認した加入者は、接続を希望する呼の呼識別子を選択し(図3参照)、応答メッセージC27をリプライする。
このように、加入者がマルチコール時に、ハンドオーバーや網の輻輳の発生によって、シングルコール又は現在通話中の呼数以下でしか通話が継続できなくなっても、加入者が望む通信を継続できるようになる。
(C)本発明の第3実施形態の説明
本実施形態は、ハンドオーバーが発生したときの態様である。また、本実施形態においては、基地局制御装置20bは、ハンドオーバーのために隣接する基地局に関する情報を有するほか、基地局能力をそなえている。この隣接する基地局に関する情報とは、周辺に設けられた基地局11c等と、その基地局11c等の能力についての情報が含まれる。その他に関しては、図1に示す移動体システム9の構成と同様であるので、移動体システム9についての重複した説明を省略する。
まず、ハンドオーバー元の基地局制御装置20bは、例えばハンドオーバーが必要となるような環境変化が発生したことを検出すると(ステップD10)、現在の通話状態を含めたHandover RequiredメッセージD11を交換局12bに対して送信する。この通話状態とは、回線交換サービスとパケット交換サービスとの区別及び提供サービスの内容により種別毎に分類された呼の数からなる。この提供サービスとは、例えば64Kbps(Kilo bit per second)のパケットサービス等を意味する。
(4−2)通知用の特別メッセージを編集し送出。この方法はシングルコールの呼処理メッセージ又は新規な特別メッセージを想定している。
(4−3)ショートメッセージを編集して送出。ここで、メッセージを受信して表示を確認した加入者は、接続を希望する呼の呼識別子を選択し(図3参照)、応答メッセージD16をリプライする。
このように、基地局制御装置20bが、ハンドオーバー発生等を検出する場合でも、複数呼のプライオリティが管理されるので、加入者が望む通信を継続できる。
本実施形態においても、切断呼を選択の仕方を変更することができる。また、図1に示す移動体システム9の構成と同様であるので、移動体システム9についての重複した説明を省略する。
図9(b)は本発明の第4実施形態に係る呼数変更手段の機能ブロック図である。この図9(b)に示す呼数変更手段133は、判別手段30(図5参照)にて判別されたマルチコール端末10が通話中に、事象検出手段31(図5参照)にて事象が検出されると、マルチコール端末10の通話呼数を変更しうるものであって、呼選択手段133aと、アルゴリズム保持手段133bと、QOS保持手段133cと、呼順序保持手段133dとをそなえて構成されている。
また、着信時には、既存のPaging Responseメッセージ内のプライオリティ領域17には、自分自身と自分以外の他人との相対Priorityのみならず、パラメータ部を拡張することによって得られる接続プライオリティ領域17bの内容が抽出されるのである。
上述のように構成された本実施形態におけるハンドオーバーの発生にともなう交換機システムの動作について図19に示すフローチャートと図20に示すシーケンスとを参照しながら詳述する。
図20は上記の第4実施形態に係るハンドオーバーシーケンスを示す図であり、加入者(移動局10)と、基地局制御装置20bと、交換局12bと、接続先の加入者(移動局10b,10c)との間におけるシーケンスが示されている。また、処理内容(E12,E14,E18,E20,E23)とメッセージ名(E10,E13,E15,E16,E17,E19,E21,E22)とが示されている。
ここで、交換局12bは、継続不可とした場合、ハンドオーバーを実行する前に、通話中の全ての呼についての接続プライオリティを比較し、高プライオリティを設定された呼を継続可能呼として選択する(E20と付したもの)。
さらに、移動局10は、メッセージE21を受信して表示を確認し、交換局12bの処理に対して同意する場合/それ以外の場合は、それぞれ、呼数変更応答メッセージE22の中に、OK/NGを挿入した許諾メッセージ/拒否メッセージをリプライする。
このように、既存のメッセージフォーマットを変更せずに、呼のプライオリティ情報を送受信できるので、汎用性に優れ、拡張性が向上する。
本変形例は、継続する呼を選択する場合において、図9(b)に示す呼選択手段133aが、切断呼を、HLR13からVLR106a〜106cに送信された加入者データに含まれる情報に基づいて選択するようになっている。
図21は本発明の第4実施形態の第1変形例に係る加入者データのイメージを示す図である。この図21に示す加入者データ18は、HLR13からVLR106a〜106cのそれぞれに送信されるデータであって、加入者識別子等のほか、情報領域19を有する。
これにより、移動局10が網のどの場所にあっても位置登録を行なえて、また、網側は、特定の移動局10に対する着信があったときに、全ての交換局12a〜12cについて、移動局10を探す必要がなくなるので通信効率が向上するのである。さらに、これにより、交換局12bが、加入者に関する情報を取得できるようになっている。
従って、呼選択手段133aが、切断呼を、加入者単位に設けられた選択アルゴリズムに基づいて選択するようになっている。さらに、予め、加入者により設定された呼選択アルゴリズムが使用される場合には、その旨がHLR13に送信される。また、既存の処理方法に沿って、位置登録する際には、加入者データの一部として新規に追加されたデータについても、交換局12bに対して送信される。
まず、ハンドオーバーが必要である等の環境変化が発生し、交換局12bがハンドオーバー要求を受信すると(ステップF1)、交換局12bは、現在通話中の呼がそのまま継続可能かどうかをチェックするため、ステップF3において、ハンドオーバー先の基地局制御装置がマルチコールをサポートしているかどうかを判定し、サポートしている場合には、YESルートを通り、ハンドオーバーを実行して(ステップF6)、処理は終了する。なお、F2と付した部分が、マルチコールがサポートされているか否かを判定するための処理である。
このステップF4において、交換局12bは、ハンドオーバーを実行する前に、加入者データ内の選択アルゴリズムに沿って継続不可能な呼を切断し、通知用の特別メッセージを編集し送出する。なお、この方法はシングルコールの呼処理メッセージ又は新規な特別メッセージを想定している。
このように、選択アルゴリズムにより呼を管理するので、正確な運用ができる。
本変形例においても、呼選択手段133aが、切断呼を、加入者単位に設けられた選択アルゴリズムに基づいて選択するが、その選択アルゴリズムとして、2種類の態様を説明する。
まず、第1の態様は、選択アルゴリズムとして、通話中の複数の呼の中で接続した順序に従ったプライオリティによって継続する態様である。例えば、最初に接続した呼が選択されるようにするのである。
ここで、既存の発着信時には、加入者は、特別な操作等を行なわないが、ハンドオーバーが必要である等の環境変化が発生し、交換局12bがハンドオーバー要求を受信すると(ステップF10)、交換局12bは、現在通話中の呼がそのまま継続可能かどうかをチェックするため、ステップF13において、ハンドオーバー先の基地局制御装置20a〜20cがマルチコールをサポートしているかどうかを判定する。なお、F12と付した部分が、マルチコールがサポートされているか否かを判定するための処理である。
そして、このように、ハンドオーバー発生や網の輻輳状態の変動によって、シングルコール又は現在通話中の呼数以下でしか通話が継続できなくなっても、加入者が望む通信を継続できる。
(E)本発明の第5実施形態の説明
本実施形態では、ハンドオーバー発生にともない通話可能な呼数を抽出することによりハンドオーバーを実行する態様と、網の輻輳状態が緩和されたことによりハンドオーバーを実行する態様とについて説明する。その他に関しては、図1に示す移動体システム9の構成と同様であるので、移動体システム9についての重複した説明を省略する。
図24は本発明の第5実施形態に係るハンドオーバー元の交換局12bの処理を示すフローチャートである。交換局12bは、ハンドオーバー要求のアック(Handover Request ack)を受信すると(ステップG1)、呼数を保持し(ステップG2)、ステップG3にて、継続呼の数が減少したか否かを判定し、減少しない場合はNOルートを通り、ステップG8において、ハンドオーバーを実行する。
このような構成によって、一例として、第1マルチコール端末10が、基地局制御装置20bから基地局制御装置20cにハンドオーバーするマルチコール通話呼数変更方法を説明する。
まず、基地局制御装置20bが、ハンドオーバー要求メッセージ(Handover Required)G20を交換局12bに対して送信する。同時に、交換局12bはハンドオーバー要求メッセージG21を、ハンドオーバーにより接続される交換局12cに対して送信し(第1送信ステップ)、また、交換局12cは、ハンドオーバー先の基地局制御装置20cに対して、ハンドオーバー要求メッセージG22を送信する。なお、メッセージG21,G22には、それぞれ、現在の呼数が加えられて、交換局12cと基地局制御装置20cとにおいて、それぞれ、受信される。
具体的には、交換局12bは、メッセージG24を受信すると、その中に含まれる通話可能な呼数を確認して、現在の通話呼数よりも多い場合は、加入者に対してその旨を、次の(5−1)〜(5−3)のような方法を用いて通知し、これにより、マルチコール端末10は、その「最大XX呼まで接続可能になりました」等を表示し、加入者に通知されるのである。その方法とは、例えば次のようになる。
(5−2)通知用の特別メッセージを編集し送出。この方法はシングルコールの呼処理メッセージ又は新規な特別メッセージを想定している。
(5−3)ショートメッセージを編集して送出。
この態様は、ハンドオーバー要求の受信とは無関係であって、交換局12bは、網の輻輳状態が緩和されて現在通話している呼数以上の呼数の通話が可能になった場合には、通話中の全加入者の加入形態をチェックする。そして、交換局12bは、各加入者について、契約加入最大呼数と現在通話中の呼数とを比較し、現在通話している呼数が契約最大呼数よりも少ない加入者を調べる。さらに、交換局12bは、その加入者の現在の通話呼数と、交換局12bが現在提供できる最大通話呼数とを比べて、通話呼数を増加可能な加入者を割り出すのである。
(6−1)特別な警告音で通知する。
(6−2)通知用の特別メッセージを編集し送出。この方法はシングルコールの呼処理メッセージ又は新規な特別メッセージを想定している。
このように、呼選択手段133aが、マルチコールできる加入者を選択するので、サービスが向上する。
また、このようにして、加入者主体による通話選択ができ、一加入者についての複数呼のプライオリティが管理されるので、マルチコールサービスを広く普及させることができる。
本変形例は、新規に加入者データ(図21参照)内に、通話中に呼数を減少させる対象になったことを示すフラグ(Flag)を挿入する。すなわち、呼数通知ステップが、呼数を減少された呼に対応するマルチコール端末10に対して再設定を通知するようになっている。この加入者データにより、交換局12bは、加入者に関する情報を取得できるようになっている。
まず、網の輻輳状態が緩和されるか、又は、ハンドオーバーが発生して第5実施形態にて説明したように、交換局12bが通話可能な呼数を増加させられると判断した場合(ステップH1)、交換局12bは、加入者データを確認する。ここで、交換局12bは、ステップH2において、そのフラグをチェックして、フラグがオン(ON)になっている場合は、YESルートを通り、ステップH3において、そのフラグがオンになっている加入者に対して、通話呼数増加が可能になったことを通知する。さらに、交換局12bは、ステップH4において、その他の加入者についてのフラグをチェックし、オンになっている加入者がある間は、NOルートを通り、その加入者に対してステップH2,H3の処理をする。そして、ステップH4において、全加入者に対しての処理が終了すると、YESルートを通り、処理は終了する。
このように、現在通話中の呼数よりも多くの呼を接続できるようになると、呼数減少の対象とされた加入者に対して、輻輳解除がビジュアル又はオーディブルに通知されるので、柔軟なハンドオーバーが可能となる。
呼数通知ステップが、ハンドオーバー発生と網の輻輳状態の変動とに起因する事象が発生したときの通話設定状態を維持したままでの通話切り換えができないことを通知するようにもできる。
例えば、伝送速度が384Kbpsにてパケット通信が行なわれている場合に、64Kbpsしかサポートできなくなったような場合である。また、この場合の交換局12bの処理動作は、図7に示した動作とほぼ同様である。
(7−1)通知用の特別メッセージを編集し送出。この方法はシングルコールの呼処理メッセージ又は新規な特別メッセージを想定している。
上述のように構成された本変形例におけるハンドオーバーの発生にともなう交換機システムの動作について図27に示すシーケンスを参照しながら詳述する。
図27は上記の第5実施形態の第2変形例に係るハンドオーバーシーケンスを示す図である。まず、この図27に示す基地局制御装置20bがHandover RequiredメッセージH10を送信し、交換局12bは、このメッセージH10を受信すると、Handover RequestメッセージH11をハンドオーバー先の交換局12cに送信する。
このように、パケット通信において、伝送速度が小さくなっても、加入者は、通話設定状態を維持したままでの通話切り換えができないことを通知されるので、不測の通信事故を回避できる。
本発明は上述した実施態様及びその変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。例えば、上述したフローチャートやシーケンスは、多少変更して実施することもある。
また、収容できるマルチコール端末の数については、設計方針によって、例えば、全呼数の70%〜80%にする等、種々変更して実施することができる。
例えば、移動局10は、警告音を鳴動するのみならず、バイブレータを用いたり、ディスプレイ以外のものを用いることもできる。
また、上記の呼の選択方法に関しては、プライオリティと接続順位とを組み合わせて選択するようにもできる。
(B)付記
(付記1−1) 基地局側装置との間で複数の呼を同時に設定可能なマルチコール端末であって、上記複数の呼の増減に関する特別メッセージを該基地局側装置から受信して当該特別メッセージに含まれる呼数変更情報を抽出しうる受信手段と、該受信手段にて抽出された該呼数変更情報により、通話中の複数の呼を視覚的及び聴覚的に表示しうる表示手段と、該表示手段により表示された該複数の呼の中で加入者が接続希望呼を選択すべく設けられた入力手段と、該入力手段により選択された該接続希望呼に関する情報を該基地局側装置に対して送信しうる送信手段とをそなえたことを特徴とする、マルチコール端末。
(付記2−6) 該呼選択手段が、該切断呼を、ホーム・ロケーション・レジスタからビジター・ロケーション・レジスタに送信された加入者データに含まれる情報に基づいて選択するように構成されたことを特徴とする、付記2−3記載の交換局装置。
(付記2−8) 該呼選択手段が、該選択アルゴリズムとして、該通話中の複数の呼の中で接続した順序に従ったプライオリティによって継続するように構成されたことを特徴とする、付記2−7記載の交換局装置。
(付記2−10) 該特別メッセージ通知手段が、該第1マルチコール端末の警告音を段階的に変更すべく、該呼数変更情報を段階的に設けるように構成されたことを特徴とする、付記2−2記載の交換局装置。
(付記2−18) 該呼数通知ステップが、ハンドオーバー発生と網の輻輳状態の変動とに起因する事象が発生したときの通話設定状態を維持したままでの通話切り換えができないことを通知するように構成されたことを特徴とする、付記2−16記載のマルチコール通話呼数変更方法。
10 移動局、第1マルチコール端末
10a 第2マルチコール端末
11a〜11c,101a,101b 基地局
10a 受信手段
10b 表示手段
10c 入力手段
10d 送信手段
12a〜12c,102a,102b 交換局
13,103 ホーム・ロケーション・レジスタ
15 ディスプレイ
16 メッセージイメージ
17 プライオリティ領域
17a 相対プライオリティ領域
17b 接続プライオリティ領域
18 加入者データ
19 情報領域
19a アルゴリズム種別領域
19b 登録手段選択領域
20a〜20c 基地局制御装置
20e 保持手段
20f 検出手段
20g 通知手段
20h 応答受信手段
20i 送信手段
30 判別手段
31 事象検出手段
32,33 呼数変更手段
32a 特別メッセージ通知手段
32b 応答受信手段
32c 再ハンドオーバー手段
33a,133a 呼選択手段
33b プライオリティ保持手段
33c 出力手段
33f 切断通知手段
33g 応答受信手段
33h 再ハンドオーバー手段
100 移動局
104a 公衆回線
104b インターネット網
105 固定端末
106a〜106c ビジター・ロケーション・レジスタ
107a〜107c パケット処理装置
108 関門交換局
109 関門パケット処理装置
133b アルゴリズム保持手段
133c QOS保持手段
133d 呼順序保持手段
Claims (3)
- 複数の呼を同時に設定可能なマルチコール端末において、
基地局側装置から、接続中の複数の呼のうち、継続可能な呼数情報を受信する受信手段と、
該継続可能な呼数情報の受信に応じて、該接続中の複数の呼のうち、接続を継続する呼の選択を受け付ける入力手段と、
該入力手段により選択された呼に関する情報を前記基地局側装置に送信する送信手段と、をそなえ、該選択された呼を継続し、非選択の呼を切断させることで、接続中の前記複数の呼の数を減少させて前記継続可能な呼数以下とする、
ことを特徴とする、マルチコール端末。 - 複数の呼を同時に設定可能なマルチコール端末に用いられる回路において、
基地局側装置から、接続中の複数の呼のうち、継続可能な呼数情報を受信する受信手段と、
該継続可能な呼数情報の受信に応じて、該接続中の複数の呼のうち、接続を継続する呼の選択を受け付ける入力手段と、
該入力手段により選択された呼に関する情報を前記基地局側装置に送信する送信手段と、をそなえ、該選択された呼を継続し、非選択の呼を切断させることで、接続中の前記複数の呼の数を減少させて前記継続可能な呼数以下とする、
ことを特徴とする、マルチコール端末用回路。 - 複数の呼を同時に設定可能なマルチコール端末において、
基地局側装置から、接続中の複数の呼のうち、継続可能な呼数情報を受信し、
該継続可能な呼数情報の受信に応じて、該接続中の複数の呼のうち、接続を継続する呼の選択を受け付け、
選択された呼に関する情報を前記基地局側装置に送信して、該選択された呼を継続し、非選択の呼を切断させることで、接続中の前記複数の呼の数を減少させて前記継続可能な呼数以下とする、
ことを特徴とする、マルチコール端末によるマルチコール通話呼数変更方法。
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