JP4229729B2 - レジスト除去方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体デバイスの製造工程や液晶パネルの製造工程において、不要となったレジスト膜を基板上から除去するのに使用されるレジスト除去方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイス用シリコン基板や液晶パネル用ガラス基板等の基板上の不要となったレジストを除去するレジスト除去方法は、一般に、プラズマを利用するドライプロセスと、薬液を使用するウェットプロセスに分けられる。ドライプロセスには、酸素プラズマ中に基板を晒すアッシングや、オゾン及びUV照射による酸化除去などがある。一方、ウェットプロセスには、市販のレジスト剥離液(有機溶剤)による方法(例えば、非特許文献1参照)や、硫酸と過酸化水素水の混合溶液(いわゆる硫酸過水)による方法(例えば、特許文献1参照)等が主流であり、一部ではオゾン水によるレジスト剥離(例えば、非特許文献1参照)も行われている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−152268号公報
【非特許文献1】
堀邉英夫,野田清治,片岡辰夫:オゾンを用いたLCD用剥離技術,
三菱電機技報,75, (2001) 25
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のドライプロセスで基板上のレジストを剥離除去する場合には、プラズマ発生装置という高価な装置を必要とし、しかも、処理温度が250℃以上と高温になり、基板がこの高温に晒されるため、回路に与えるダメージが大きいという問題がある。またウェットプロセスで基板上のレジストを剥離除去する場合には、大量の薬液を使用するため、ランニングコストが大きく、しかも環境へ与える負荷が大きいという問題がある。なお、環境への負荷が小さいオゾン水を使用して基板上のレジストを剥離除去することも広く行われているが、この場合、オゾンの水への溶解度が低いため、充分に除去速度を上げることが困難であるという問題がある。このため、低ダメージ、低コストで基板上のレジストを除去することができ、しかも環境への負荷が小さく、十分な加工速度が得られるようにしたレジスト除去方法及び装置の開発が強く求められている。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、基板へダメージを与えることなく、低コストで基板上のレジストを除去することができ、しかも環境への負荷が小さいレジスト除去方法及び装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、イオン交換材料を液体で湿潤させ、該イオン交換材料を基板のレジスト塗布面に接触させながら、前記イオン交換材料と基板とを相対移動させることを特徴とするレジスト除去方法である。
【0007】
このように、イオン交換基が導入された繊維や膜(イオン交換材料)を液体で湿潤させ、基板のレジスト塗布面に接触させながら該レジスト塗布面と相対移動させることで、基板上のレジストを簡易に除去することができる。これにより、プラズマ発生装置やオゾン水製造装置など特殊な装置が不要となって、簡便かつ低コストなレジストの除去が可能となる。また、ドライプロセスのように、基板が高温条件に晒されることがないため、基板へのダメージは少なく、しかも、薬品を一切使用しないプロセスであるため、環境への負荷が大幅に低減される。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記イオン交換材料は、第4級アンモニウム基、第1〜3級アミノ基から選択される少なくとも1種類のイオン交換基を持つことを特徴とする請求項1記載のレジスト除去方法である。特に、イオン交換材料として、第4級アンモニウム基を持つイオン交換繊維を用いると、常温(約20℃)で1μm/min以上の高速なレジスト除去が可能となる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記イオン交換材料は、スルホン酸基またはカルボキシル基の少なくとも一方のイオン交換基を持つことを特徴とする請求項1記載のレジスト除去方法である。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記イオン交換材料は、放射線グラフト重合法を利用して作製されたものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のレジスト除去方法である。例えば、複合繊維からなる有機高分子基材に、塩基性基または酸性基である官能基を、放射線グラフト重合法を利用して導入することで、官能基密度が高く、かつ厚さが均一なイオン交換材料を作製することができる。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記液体が超純水であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のレジスト除去方法である。このように、超純水を使用することによって、レジスト除去プロセス中に基板やイオン交換材料が汚染されることを防止し、通常レジスト除去工程の後に行われる洗浄を不要となして、工程が簡略化できる。
【0012】
請求項6に記載の発明は、レジストが塗布された基板を保持する基板ホルダと、イオン交換材料を有し、該イオン交換材料を前記基板ホルダで保持した基板のレジスト塗布面に接触させるレジスト加工具と、前記イオン交換材料に液体を供給する液体供給機構と、前記基板ホルダと前記レジスト加工具とを相対移動させる駆動部を有することを特徴とするレジスト除去装置である。
【0013】
請求項7に記載の発明は、前記液体供給機構から前記イオン交換材料に供給される液体の温度を制御する液体温度制御部を更に有することを特徴とする請求項6記載のレジスト除去装置である。
請求項8に記載の発明は、前記イオン交換材料は、第4級アンモニウム基、第1〜3級アミノ基から選択される少なくとも1種類のイオン交換基を持つことを特徴とする請求項6または7記載のレジスト除去装置である。
【0014】
請求項9に記載の発明は、前記イオン交換材料は、スルホン酸基またはカルボキシル基の少なくとも一方のイオン交換基を持つことを特徴とする請求項6または7記載のレジスト除去装置である。
請求項10に記載の発明は、前記イオン交換材料は、放射線グラフト重合法を利用して作製されたものであることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載のレジスト除去装置である。
請求項11に記載の発明は、前記液体が超純水であることを特徴とする請求項6乃至10のいずれかに記載のレジスト除去装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。本発明のレジスト除去を行う処理対象となる基板は、例えばシリコン基板やガラス基板等であるが、平滑面にレジストが塗布された基板であれば特に制限されず、また、レジストについても、通常使用される高分子有機化合物系の塗膜であれば特に制限されない。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態のレジスト除去装置の全体を示す。図1に示すように、このレジスト除去装置は、例えばステンレス製で、超純水10を保持する加工槽12を有するレジスト除去装置本体14と、廃液タンク16、超純水循環・精製部18、及び高圧ポンプ20を有する超純水循環・精製装置22と、プランジャポンプ24及び圧力トランスミッタ26を有する高圧超純水供給装置28とを備えている。
【0017】
図2は、図1に示すレジスト除去装置のレジスト除去装置本体14を示す縦断面図である。レジスト除去装置本体14は、図2に示すように、半導体ウェハや液晶パネル用ガラス基板Wを吸着等によって着脱自在に水平に保持する基板ホルダ(試料ステージ)30を備えている。この基板ホルダ30は、加工槽12の内部に配置されており、XYθの3自由度を持っている。すなわち、基板ホルダ30で保持された基板Wは、超純水10中に浸漬された状態で、X,Y方向に水平移動自在で、鉛直方向のθ軸を中心に水平面上を回転するようになっている。この基板ホルダ30は、ラジアル方向、スラスト方向ともに超純水による静圧軸受32(図1参照)により支持されている。
【0018】
図3は、図2に示すレジスト除去装置本体14の主要部を示す斜視図である。図3に示すように、基板ホルダ30の上方には、その軸心O−Oが水平方向に延びる円柱または円筒状のレジスト除去具34が配置されている。このレジスト除去具34は、円柱または円筒状の芯材34aの外周面に、例えばイオン交換基が導入された繊維や膜からなるイオン交換材料34bを取付けて構成されている。
【0019】
このレジスト除去具34は、軸心O−Oに沿って延び、上下動自在な回転軸36に連結されている。この回転軸36は、基板ホルダ30と同様に、ラジアル方向、スラスト方向ともに超純水による静圧軸受(図示せず)により支持されている。このような構成により、レジスト除去具34は、回転軸36の回転に伴って軸心O−Oを中心に自転し、しかも基板ホルダ30で保持した基板Wとの間隔が調整できるようになっている。レジスト除去加工時には、レジスト除去具34を下降させ、イオン交換材料34bの下端部を基板ホルダ30で保持した基板Wの表面に接触させる。
【0020】
ここで、基板ホルダ30は鉛直軸を中心として、レジスト除去具34は水平軸を中心として、超純水10を巻き込む方向にそれぞれ回転するように構成されており、この回転方向の上流側には、基板ホルダ30で保持した基板Wとレジスト除去具34との間に超純水を高圧で吹き付ける、液体供給機構としての超純水ノズル40が配置されている。これにより、基板Wとレジスト除去具34の少なくとも一方を回転させながら、この回転方向の上流側からレジスト除去具34と基板Wとの間に超純水10を吹き付けて、レジスト除去具34と基板Wとの間に溜まる加工生成物などを効果的に除去できるようになっている。
【0021】
この超純水ノズル40には、図1に示すように、超純水循環・精製装置22の超純水循環・精製部18で精製された超純水が、高圧超純水供給装置28の圧力トランスミッタ26からプランジャポンプ24を介して昇圧されて供給されるようになっている。また、加工槽12内の超純水10は、図1に示すように、オーバーフローして廃液タンク16に溜まり、超純水循環・精製部18で精製された後、直接加工槽12内に戻される。また、この超純水10の一部は、高圧ポンプ20を経由して静圧軸受32にも供給される。
【0022】
イオン交換材料34bへの液体供給機構としては、流量が可変であり、超純水を使用した場合であっても、溶出物や粒子状物質を出さない超純水用ポンプと、ポンプ用コントローラとを有し、超純水製造装置または超純水供給ラインから得られる超純水を、前記純水用ポンプを経由してイオン交換材料までチューブ内を流通させて運ぶようにしたものを使用してもよい。
【0023】
また、この例では、イオン交換材料34bへの液体供給機構として、超純水ノズル40を使用した例を示しているが、芯材の内部に、水供給用の穴を複数箇所開け、この穴からイオン交換材料に向けて給水するようにしてもよく、また、これらの穴と超純水ノズルとを組み合わせるようにしてもよい。
【0024】
更に、基板W及びイオン交換材料34bの汚染を考慮して、半導体工業用レベルで使用される水、すなわち超純水をイオン交換体材料に給水するようにした例を示しているが、この超純水は、例えば全有機炭素濃度(TOC)が10ppb以下で、比抵抗が10MΩ・cm以上であることが好ましい。給水流量や水圧、水温、供給時期については、対象とする被処理基板の大きさ及び種類、レジストの種類、イオン交換材料の種類及び形態に応じて適宜調整することが望ましい。
【0025】
特に水温に関しては、常温(約20℃)でのレジスト除去速度は、最大で1μm/min以上であり、実用上は十分であるが、水温を上げることによりレジスト除去速度を更に速めることが可能で、例えば、水温を30℃にした場合には、レジスト除去速度を2μm/min程度まで、水温を40℃にした場合には、レジスト除去速度を4μm/min程度まで上げることができることが確かめられている。このように、水温は、レジストの除去速度に影響するため、図2に示すように、超純水ノズル40へ超純水を供給する超純水経路42内に、該経路42に沿って流れる超純水の温度を制御する液体温度制御部44を設けて、イオン交換材料34bに給水する超純水の温度を、10℃以上100℃以下、望ましくは30℃以上80℃以下、より望ましくは40℃以上50℃以下に調整する。
【0026】
このようなレジスト除去装置において、基板ホルダ30で基板Wを保持し、レジスト除去具34を下降させて、このイオン交換材料34bを基板Wの表面に線乃至面状に接触させる。この状態で、超純水循環・精製装置22によって、加工槽12内の超純水10を精製しながら循環させつつ、基板ホルダ30とレジスト除去具34とを超純水10を巻き込む方向に同時に回転させ、この回転方向の上流側に配置した超純水ノズル40からレジスト除去具34と基板Wとの間に超純水を高圧で吹き付ける。これにより、基板Wの表面のレジスト除去が行われる。
【0027】
ここで、基板ホルダ30とレジスト除去具34とを超純水10を巻き込む方向に同時に回転させ、この回転方向の上流側からレジスト除去具34と基板Wとの間に超純水を高圧で吹き付けることによって、基板Wと芯材34aとの間にある超純水10を効果的に置換することが可能になり、これにより、加工生成物を効率的に除去して安定な加工を行うことができる。
【0028】
レジストが塗布された基板Wに対するレジスト除去具34の運動は、この例では、まず両者を接近させ、基板Wの表面を破損しない圧力で該基板Wの表面にイオン交換材料34bを面接触させ、そして、基板Wの表面全体に渡って接触面が移動するように相対運動させるようにしている。この相対運動の方法としては、レジスト除去具34を回転させながら、基板ホルダ30で保持した基板Wを回転させ、同時にX−Y方向に移動させている。なお、円盤状平面部材の下面にイオン交換材料を装着した場合には、このイオン交換材料を回転させながら、基板上を走査させるようにしてもよい。すなわち、イオン交換材料側が回転体形状であれば回転軸での回転及び回転軸の基板面に対する平行移動(走査)、イオン交換材料側が平面状であれば、基板面に対して垂直な回転軸での回転(自転)及び回転軸の基板面に対する平行移動(走査、公転)、基板の基板面に対して垂直な回転軸での回転(自転)及び回転軸の基板面に対する平行移動(走査、公転)の組み合わせが考えられ、適宜組み合わせて相対運動させればよい。
【0029】
イオン交換材料34bとしては、芯材34aへの固定が容易なように、フィルム状、シート状あるいは芯材34aの形状に合わせて成形したイオン交換繊維またはイオン交換膜を使用することが望ましく、局所的な接触による基板表面への損傷を考慮して、柔軟でかつ平滑な表面を有するものであることが望ましい。また、イオン交換材料34bの形態としては、水の透過性が高いものが好ましく、織布または不織布を基材とするイオン交換繊維が好ましい。更に、また、芯材34aに保持しやすいようにニット素材で成形した基材を用いるイオン交換繊維は、レジストが塗布された基板表面と接触する部分に保持する際の継ぎ目を作る必要がなく、レジストを均一に除去する上で好ましい。
【0030】
イオン交換繊維には、イオン交換基の密度(比交換容量)を高められることから、有機高分子繊維基材に放射線グラフト重合法を利用して作製されるイオン交換不織布、織布、またはニットを用いることが好ましい。有機高分子繊維基材としては、ポリオレフィン系高分子、例えばポリエチレンやポリプロピレン等や、ポリエチレンテレレフタレート等が挙げられる。
【0031】
また、繊維の形態としては、単一高分子による単繊維であってもよく、また、繊維の芯部と鞘部とが異なる高分子によって構成される複合繊維であってもよいが、複合繊維からなる有機高分子基材に、塩基性基または酸性基である官能基を、放射線グラフト重合法を利用して導入したものが、官能基密度が高く、厚さが均一に製造できるので、特に好ましい。
【0032】
イオン交換材料を製造するのに用いることができる放射線としては、α線、β線、γ線、紫外線、電子線を挙げることができるが、γ線または電子線を用いることが好ましい。放射線グラフト重合法には、グラフト基材に予め放射線を照射した後、グラフトモノマーと接触させて反応させる前照射グラフト重合法と、グラフト基材とグラフトモノマーの共存下に放射線を照射する同時照射グラフト重合法とがあるが、いずれの方法もイオン交換材料の製造に用いることができる。また、グラフトモノマーと基材との接触方法により、液相グラフト重合法、気相グラフト重合法、含浸気相グラフト重合法のいずれの方法も、イオン交換材料の製造に用いることができる。
【0033】
イオン交換材料の製造において、繊維基材に導入するイオン交換基としては、塩基性基として第4級アンモニウム基及び第1〜3級アミノ基が、酸性基としてスルホン酸基及びカルボキシル基が挙げられる。これらの塩基性基または酸性基は、これらの塩基性基または酸性基を有するグラフトモノマーを用いてグラフト重合、好ましくは放射線グラフト重合を行うか、またはこれらの塩基性基または酸性基に転換可能な基を有するグラフトモノマーを用いてグラフト重合後に塩基性基または酸性基に転換することによって繊維基材に導入することができる。
【0034】
この目的で用いることができる塩基性基または酸性基を有するグラフトモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸塩、メタリルスルホン酸塩、アリルスルホン酸塩、ビニルスルホン酸塩、ハロゲン化ビニルベンジルトリメチルアンモニウム、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等が挙げられる。例えば、スチレンスルホン酸ナトリウムをグラフトモノマーとして用いて放射線グラフト重合を行うことにより、基材に直接、強酸性基であるスルホン酸基を導入することができ、また、塩化ビニルベンジルトリメチルアンモニウムをグラフトモノマーとして用いて放射線グラフト重合を行うことにより、基材に直接、強塩基性基である第4級アンモニウム基を導入することができる。
【0035】
塩基性基または酸性基に転換可能な基を有するグラフトモノマーとしては、アクリロニトリル、アクロレイン、ビニルピリジン、スチレン、クロロメチルスチレン、メタクリル酸グリシジル等が挙げられる。例えば、メタクリル酸グリシジルを放射線グラフト重合によって基材に導入し、次に亜硫酸ナトリウムなどのスルホン化剤を反応させることによって、強酸性基であるスルホン酸基を基材に導入したり、またはクロロメチルスチレンをグラフト重合したりした後に、基材をトリメチルアミン水溶液に浸漬して第4級アンモニウム化を行うことによって、強塩基性基である第4級アンモニウム基を基材に導入することができる。
【0036】
イオン交換材料34bを保持する芯材34aは、イオン交換材料34bと接触することによって変質あるいは溶出しない素材からなる成形体であることが望ましく、例えばポリ四フッ化エチレン等のフッ素樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系高分子からなる成形体であることが好ましい。この芯材34aの形状としては、基板Wから均一にレジストを除去し、該基板表面を破損しない形状であることが必要であるので、例えば、回転軸を持ち、回転によってイオン交換材料とレジストが塗布された基板の接触面積及び接触圧力が大きく変化しない形状、またはレジストが塗布された基板面に対してイオン交換材料が平行に移動することで、イオン交換材料と接触面積及び接触圧力が大きく変化しない形状であることが好ましい。したがって、円筒形、球形、樽形、円盤形等の回転体、あるいは平面または波板状等の形状である成形体であることが好ましい。
【0037】
芯材34aへのイオン交換材料34bの保持方法としては、シート状のイオン交換材料34bを球状或いは円筒状等の芯材34aに固定するのであれば該イオン交換材料34bを芯材34aにしわが寄らないように巻き付けて端部を接着剤で接着または糸で縫い付け、平面状の芯材(図示せず)であれば、端部を挟み込み、平面部分にしわができないように固定する。また、円筒状の芯材に対して、ニット素材で筒状に成形したイオン交換体材料を固定するのであれば、イオン交換体材料をしわが寄らないように芯材に装着して、外れないように端部を固定すればよい。
【0038】
図4は、本発明の他の実施の形態のレジスト除去装置の主要部の斜視図を示す。この例の前述の例と異なる点は、芯材134aとして、楕円体または球状のものを使用し、この芯材134aを下降させたとき、芯材134aの外周面のイオン交換材料134bの下部が基板ホルダ30で保持した基板Wに点乃至円で接触した状態で、芯材134aと基板ホルダ30が回転するようになっている点にある。その他の構成は、上述したレジスト除去装置と同様である。図4に示すレジスト除去装置によれば、加工部の面積が小さくなって、加工部周辺への超純水10の供給が容易に行われて、安定した条件で加工を行うことができる。
【0039】
本発明のレジスト除去方法及びレジスト除去装置では、加工に用いる液体として、純水以外に添加剤として希薄な薬液を加えてもよい。例えば、2−プロパノール(IPA)を加工液の極性を調整するために加えてもよい。上述したレジスト除去装置によれば、濃い薬液を用いないので、加工槽12内の汚染は、レジスト除去工程で発生する反応生成物が主になり、レジスト除去後の基板のリンスや薬液処理が簡略化もしくは省略できる。また、使用した超純水の循環処理を行うことで、排水量も低減し、薬液の処理も不要であるので、稼動コストを極めて小さく抑え、かつ環境への負荷を低減することができる。
【0040】
(実施例1)
シリコン基板(Si基板)及び厚さ200nmの熱酸化膜(SiO)を堆積させたシリコン基板の表面にレジストを塗布し、しかる後、パターニングして、プリベーク及びポストベークした試料を用意した。レジスト塗布の工程は表1の通りである。
【表1】
Figure 0004229729
【0041】
そして、図4に示すレジスト除去装置を使用し、基板ホルダ30、レジスト除去具134をそれぞれ10rpm、300rpmで回転させながら、超純水中で前記試料に形成したレジストの除去加工を30分間行った。ここで、図4に示す芯材134aとして、直径50mmの球状のものを、またイオン交換材料134bとして、下記の放射線グラフト重合法によって作製した強塩基性陰イオン交換繊維(強アニオン繊維)をそれぞれ使用した。
【0042】
すなわち、強アニオン繊維の基材(主鎖)には、直径約20μmのポリエチレン繊維からなる不織布を用い、この不織布に電子線を照射した後、モノマーとしてクロロメチルスチレンをグラフト重合させ、10%のトリメチルアミン水溶液を導入して10%の水酸化ナトリウムの水溶液でOH置換し、第4級アンモニウム基を有する強塩基性陰イオン交換繊維を作製した。アニオン繊維の厚さは0.5mmで、交換容量は1.3meq/gであった。また、使用した超純水は、比抵抗18MΩ・cm、全有機炭素濃度(TOC)と溶存酸素濃度(DO)がともに1ppb以下であった。
【0043】
加工速度を調べるために、イオン交換材料134bとして、前述の強アニオン繊維を用い、基板ホルダ30、レジスト除去具134の回転速度をそれぞれ10rpm、300rpmに設定し、常温(約20℃)の超純水を使用して15秒間の加工実験を行った。その結果、厚さ0.25μmのレジストが除去加工され、下地のシリコン酸化膜が露出したことから、加工速度は1μm/min以上であることが分かった。この加工を、超純水の水温を30℃にした以外は同じ条件で行った場合には、レジスト除去速度を2μm/min程度まで、超純水の水温を40℃にした場合には、レジスト除去速度を4μm/min程度まで上げることができた。
【0044】
(実施例2)
前述と同様な試料を用意し、イオン交換材料134bとして、強塩基性陰イオン交換繊維の代わりに強酸性陽イオン交換性繊維(強カチオン繊維)を使用して、前述の実施例1と同じ条件でレジスト除去加工を行った。
【0045】
強カチオン繊維の基材には、強塩基性陰イオン交換膜に用いた基材と同様の不織布を用い、この不織布に電子線を照射した後、モノマーとしてメタノールで10倍に希釈したメタクリル酸グリシジルを接触させ重合させた。次に、グラフト重合したGMA部分にイオン交換基を導入するため、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、イソプロパノールの混合水溶液に、得られた不織布を浸漬させた。この混合溶液の組成は、重量比で、亜硫酸ナトリウム8%、亜硫酸水素ナトリウム4%、イソプロパノール12%である。このとき付加されるスルホン酸基はNa型になっているため、これをH型にするため7%に希釈した塩酸に浸漬して、スルホン酸基を有する強酸性陽イオン交換繊維を作製した。このレジスト除去に使用した強カチオン繊維の厚さは1.1mmで、交換容量は2.5meq/gであった。
【0046】
(比較例)
前述と同様な試料を用意し、芯材134aの表面を、イオン交換基のついていないポリスチレン繊維で被覆して構成したレジスト除去具134を使用して、実施例1と同じ条件でレジスト除去加工を行った。
【0047】
これらの実施例1、実施例2及び比較例によって、レジストが除去されたかどうか光学的顕微鏡を使用して確認した。その結果を下記の表2に示す。
【表2】
Figure 0004229729
【0048】
この表2に示す結果から、イオン交換材料として、強アニオン繊維を用いた場合(実施例1)には、シリコン酸化膜(SiO2)、シリコン(Si)のいずれの基板でもレジストを完全に除去できることが分かる。イオン交換材料として、強カチオン繊維を用いた場合(実施例2)には、レジストは完全には除去されていないが、一部が除去された。イオン交換基のついていないポリエステル繊維を使用した場合(比較例)には、レジストはほとんど除去されなかった。このことから、この方法によるレジストの除去はイオン交換基が大きく作用していると考えられる。
【0049】
以上、実施例は、強カチオン繊維、強アニオン繊維に限定して実施例を述べたが、例えばカルボキシル基を有する弱カチオン繊維や、例えばアミノ基を有する弱アニオン繊維、また繊維状ではなく膜状のイオン交換材料を用いた場合でもレジストの除去が可能であり、イオン交換材料官能基の種類はこれらに限定されるものではない。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、プラズマ発生装置やオゾン水製造装置、水素水製造装置など特殊な装置を全く必要とすることなく、レジストを除去できるため、簡便かつ低コストでのレジストの除去が可能となる。また、常温でのレジスト除去が可能で、基板へのダメージは少ない。更に、本発明は、薬品を一切使用しないプロセスであるため環境への負荷を大幅に低減でき、しかも、超純水を使用することで、通常レジスト除去工程の後に行われる洗浄も必要とせず、工程も簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のレジスト除去装置の一例を示す概念図である。
【図2】図1に示すレジスト除去装置本体を示す縦断面図である。
【図3】図1に示すレジスト除去装置本体の主要部を示す斜視図である。
【図4】本発明の他の実施の形態のレジスト除去装置の主要部を示す斜視図(図3相当図)である。
【符号の説明】
10 超純水
12 加工槽
14 レジスト除去装置本体
16 廃液タンク
18 超純水循環・精製部
20 高圧ポンプ
22 超純水循環・精製装置
24 プランジャポンプ
26 圧力トランスミッタ
28 高圧超純水供給装置
30 基板ホルダ
32 静圧軸受
34,134 レジスト除去具
34a,134a 芯材
34b,134b イオン交換材料
36 回転軸
40 超純水ノズル(液体供給機構)
42 超純水経路
44 液体温度制御部
W 基板

Claims (11)

  1. イオン交換材料を液体で湿潤させ、該イオン交換材料を基板のレジスト塗布面に接触させながら、前記イオン交換材料と基板とを相対移動させることを特徴とするレジスト除去方法。
  2. 前記イオン交換材料は、第4級アンモニウム基、第1〜3級アミノ基から選択される少なくとも1種類のイオン交換基を持つことを特徴とする請求項1記載のレジスト除去方法。
  3. 前記イオン交換材料は、スルホン酸基またはカルボキシル基の少なくとも一方のイオン交換基を持つことを特徴とする請求項1記載のレジスト除去方法。
  4. 前記イオン交換材料は、放射線グラフト重合法を利用して作製されたものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のレジスト除去方法。
  5. 前記液体が超純水であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のレジスト除去方法。
  6. レジストが塗布された基板を保持する基板ホルダと、
    イオン交換材料を有し、該イオン交換材料を前記基板ホルダで保持した基板のレジスト塗布面に接触させるレジスト加工具と、
    前記イオン交換材料に液体を供給する液体供給機構と、
    前記基板ホルダと前記レジスト加工具とを相対移動させる駆動部を有することを特徴とするレジスト除去装置。
  7. 前記液体供給機構から前記イオン交換材料に供給される液体の温度を制御する液体温度制御部を更に有することを特徴とする請求項6記載のレジスト除去装置。
  8. 前記イオン交換材料は、第4級アンモニウム基、第1〜3級アミノ基から選択される少なくとも1種類のイオン交換基を持つことを特徴とする請求項6または7記載のレジスト除去装置。
  9. 前記イオン交換材料は、スルホン酸基またはカルボキシル基の少なくとも一方のイオン交換基を持つことを特徴とする請求項6または7記載のレジスト除去装置。
  10. 前記イオン交換材料は、放射線グラフト重合法を利用して作製されたものであることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載のレジスト除去装置。
  11. 前記液体が超純水であることを特徴とする請求項6乃至10のいずれかに記載のレジスト除去装置。
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