JP4229623B2 - 発現頻度解析方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、核酸に関連した分析、特に、対象における遺伝子の発現頻度解析に関する。
【0002】
【従来の技術】
所謂DNAマイクロアレイは、多数の異なったターゲットDNAをガラスなどの固相基板上に高密度に固定した装置である。このような基板にターゲット核酸を固定した装置は、その製造方法から2種類に大別される。1つは、光リソグラフ方式によりDNAをガラス表面上で合成していくタイプの装置、即ち、一般的にはDNAチップと称される装置である(Proc Natl Acad Sci USA(1994)91:5022-5026)。もう1つは、予め調製したDNAをスライドガラス上に機械的に並べ、それによってDNAを張り付けていく(即ち、固相化する)タイプの装置、即ち、一般的にはDNAマイクロアレイと称される装置である(Science(1994)270:467-470)。
【0003】
DNAマイクロアレイの基本的な測定原理は、固定されたターゲット核酸に対して相補的な標識化プローブ核酸をハイブリダイズさせ、各々のプローブ核酸からのシグナルを検出し、得られたシグナルを基に試料に含まれるプローブ核酸を検出するものである。このような原理によって、遺伝子の大量解析が可能になり、検出感度の向上、装置のマイクロ化によるサンプルの節約、データの取得の自動化およびデータ処理の簡便化などが達成されると期待されている。
【0004】
しかしながら、このようなDNAマイクロアレイを使用する遺伝子発現頻度解析には、以下のような問題点がある;1)測定したい試料、例えば、RNAなどの抽出後に、蛍光標識化基質核酸と逆転写酵素とを用いてプローブDNAを標識しなければならず、標識化の効率が悪く、各操作段階で試料に変性が生じ易い、2)プローブ核酸となる遺伝子をランダムにラベルしなければならないので効率が悪い、3)ハイブリダイゼーションまでの前処理が煩雑である、3)ディファレンシャルな遺伝子発現を見るための系であるので、結果は相対的にしか得られない、4)測定は乾燥状態で行われるので蛍光シグナルの検出効率が低い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の状況に鑑み、本発明の目的は、効率のよい遺伝子発現頻度解析方法を提供することである。また本発明の更なる目的は、複数のプレート間での比較が可能な遺伝子発現頻度解析方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
鋭意研究の結果、本発明者らは、上記の課題を解決するための手段を見出した。即ち、対象における遺伝子の発現頻度を解析する方法であって、以下の工程;
(1)前記対象に由来する被検核酸を得る工程と、
(2)標的配列に相補的な配列を含み、且つその5’末端を介して固相化されているターゲット核酸に対して、前記被検核酸を反応させる工程と、
(3)検出可能な信号を生ずる標識物質を付された標識化基質核酸と、前記標識化基質核酸の塩基とは異なる種類の塩基を含む少なくとも1の非標識化基質核酸と、ポリメラーゼとを用いて、前記(2)の工程で得られたターゲット核酸に対してハイブリダイズした標的配列とその標的配列よりも5’側に更なる配列を含むプローブ核酸の前記更なる配列の部分を鋳型とし、ターゲット核酸の3’末端を伸長する工程と、
(4)前記(3)において得られた伸長されたターゲット核酸に含まれる標識物質からの信号を検出することによって、対象における遺伝子の発現頻度を解析する工程
を具備する方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の態様に従うと、対象における遺伝子の発現頻度を解析する方法が提供される。ここで使用される「対象」の語は、ヒト、イヌ、ネコ、ウシ、ヤギ、ブタ、ヒツジ及びサルを含む任意の哺乳動物などの個体、並びに遺伝子を発現し得るその他の生物、また、個体から採取した細胞および組織等であってもよい。
【0008】
ここで使用される「被検核酸」の語は、遺伝子の発現頻度を解析する場合には、一般的には対象において発現されるmRNAを指す。対象から被検核酸を得る工程はそれ自身公知の手段により行うことが可能であり、例えば、被検核酸がmRNAである場合には、例えば、市販のキットを使用しても、オリゴdTカラムを使用してもよいが、これに限定されるのもではない。また、標識されたターゲット核酸を得る場合には、何れの核酸であってもよい。ここにおける「核酸」は、天然に存在する種々のDNAおよびRNA、並びにペプチド核酸、モルホリノ核酸、メチルフォスフォネート核酸およびS-オリゴ核酸などの人工的に合成された核酸類似体などであってもよく、その塩基配列および修飾の有無などは任意に選択すればよい。また、試料中のプローブ核酸は、対象から抽出された後に、増幅されて本発明の態様に従う方法に共されてもよい。
【0009】
ここで使用される「標的配列」の語は、検出されるべき塩基配列を示す。ここで使用される「プローブ核酸」の語は、検出されるべき塩基配列を含む核酸を示す。また、ここで使用される「ターゲット核酸」の語は、標的配列を検出するための核酸を示す。例えば、標的配列に相補的な塩基配列をその一部に含む核酸であればよい。
【0010】
また、本発明の態様に従うターゲット核酸は、その5’末端を解して固相化されている。ターゲット核酸の固相化は、従来公知の何れかの基体に対して所望のターゲット核酸を固定することによって行うことが可能である。
【0011】
本発明の態様に従って使用され得る基体は、そこにおいてハイブリダイゼーション反応を行うことが可能な形態であればよい。例えば、一般的に使用される反応容器、例えば、キャピラリー形状またはウェル形状のそこにおいて反応を行うための反応部を有した反応容器であっても、その面において反応を行うような板状および球状の基体であってもよい。処理の容易さから、キャピラリー形状の反応部を有した反応容器が好ましい。
【0012】
ここで使用される「標識物質」の語は、検出可能な信号を生じることが可能な物質をいい、例えば、蛍光物質、放射性物質および化学発光物質などであってよい。また、酵素反応などで発色する基質を用いてもよい。また、異なる部位に存在する複数の標的核酸を標的配列として検出する場合や、複数のターゲット核酸を1つの基体において同時に用いる場合など、所望に応じて識別可能な複数の標識物質を同時に使用してもよい。
【0013】
以下、本発明に従う態様例を用いて本発明について更に説明する。
【0014】
第1の実施例
本発明の態様において使用され得る反応容器の例を図1に示す(図1)。本例における反応容器1は、そこにおいて反応を行うための反応部2を具備する。ここで、反応部2は、1Bに示す通りの容器内部の形状がキャピラリー形状である(図1)。1Bは、1Aの線1B−1Bに沿った断面図である。
【0015】
また、1Aおよび1Bに示すように反応容器1は、反応部2に試薬などを挿入および/または反応部2から試薬などを排出するための開口部4aおよび4bを有している(図1)。また、反応部2の底部には、検出しようとする標的配列に相補的な配列を含むターゲット核酸3が所望の領域に固相化されている(1B)。このような反応容器1の製造は次のように行った。
【0016】
即ち、溝およびその溝の両端に孔を有する第1の基板と、その表面にターゲット核酸が固相化された第2の基板を、第1の基板の溝と第2の基板の表面により形成される空間に前記ターゲット核酸が含まれるように接合することにより製造した。より具体的には次の通りである。
【0017】
第1の基板は、ガラス板に長さ3〜4cm、幅1mm、高さ0.1〜0.2mmの溝を形成し、この溝の両端にそれぞれ貫通孔を形成した。第2の基板は、ストレプトアビジンコートスライド(株式会社グライナー・ジャパン)に対して、点着装置を用いて5’末端をビオチン標識したRVターゲット(ggaaacagctatgaccatg;配列葉号1)を点着し、ビオチン−アビジン反応を利用して固相化して形成した。このような第1の基板と第2の基板を接合した。ここで、前記溝により形成されたキャピラリー内に、前記RVターゲット核酸は具備されている。このようにして形成した反応容器1を用いて、次の実験を行った。
【0018】
前記キャピラリー内に、プローブ核酸として前記RVターゲット核酸の配列に相補的なRVcomp target(tgcacatggtcatagctgtttcc;配列番号2)を100nM(1×SSC溶液中)の濃度で添加し、37℃で1時間、ハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼーション後、1×SSC溶液(以下の組成である;0.15M NaCl、0.015M クエン酸ナトリウム、pH7.0)で十分に洗浄して、未反応のプローブ核酸をキャピラリー内から取り除いた。次に0.02mLの伸長反応溶液[10mMのTris−HCl(pH7.5)、7mMのMgCl、0.1mMのDDT、Klenow Fragment(DNA ポリメラーゼI,Large Fragment;TOYOBO)を0.4ユニット/μL、10μMのdATP、10μMのdCTP、10μMのdGTP、および10μMのCy3−dUTPを含む]を前記キャピラリー内に添加し37℃で1〜2時間反応させた。反応後、0.1×SSCで十分に洗浄して未反応物を取り除き蛍光を測定した(表1)。
【0019】
表1は、ターゲット核酸の基体への点着量を10nMまたは1nMとした場合に、Klenow Fragmentを添加ありの場合と添加なしとした場合について、一番強い蛍光強度を1としたときの相対値を示す。
【0020】
【表1】
Figure 0004229623
【0021】
表1に示すように、伸長反応中にKlenow Fragmentを存在させなかった場合には、相対値は非常に低かった。従って、ターゲット核酸への標識核酸の結合が非特異的なものではなく、ポリメラーゼによる伸長であることが確認できた。また、ターゲット核酸の点着量の増加に依存して、相対的蛍光強度も増加した。従って、本発明の態様に従う方法は、定量性を有していると示唆された。
【0022】
このような反応により生じる現象を、図2に模式的に示した。本反応では、2Aに示すように、標的配列を含む被検核酸としてプローブ核酸21を、ターゲット核酸としてターゲット核酸22を使用した。また、非標識核酸にはそこに含まれる塩基をAとし、それに相補的な塩基を含む標識化基質核酸として蛍光標識した塩基U23を用いた(2A)。本明細書において、各略語はそれぞれ、「A」はアデニン、「U」はウラシル、「T」はチミン、「G」はグアニン、「C」はシトシンである。また、本明細書において例として挙げる塩基は、記載の便宜上、例として挙げているに過ぎないので、それらの塩基に限定するものではない。
【0023】
また、プローブ核酸21は、標的配列を含み、且つその標的配列の5’側に非標識核酸を含む。この標的配列によって、ターゲット配列とのハイブリダイゼーションが達成される。続く、ターゲット核酸22の3’端の伸長は、プローブ核酸の標的配列よりも5’側の配列を鋳型として達成される。更に、そのプローブ核酸の標的配列よりも5’側に含まれる被標識核酸の塩基に対して、標識化基質核酸がハイブリダイズして取り込まれることによって、標識化が達成される。
【0024】
ここで、非標識核酸は連続した複数の塩基を含んでいてもよく、または断続的な複数の塩基であってもよい。
【0025】
以下、反応を説明する。
【0026】
まず、2Bにおいて、反応容器1の反応部25の底面24に固相化されたターゲット核酸22に対して、ハイブリダイゼーション可能な条件下で、プローブ核酸21を添加する。その結果、2Cに示すように、ターゲット核酸22とプローブ核酸21が反応し、ハイブリダイゼーションが生じる。続いて、これについて標識化基質核酸(U)22と非標識化基質核酸(A、TおよびC;図示せず)とを用いてポリメラーゼの存在下で伸長反応を行う。その結果、2Dに示すように伸長され標識されたターゲット核酸26が得られる。
【0027】
従って、前記の取り込まれた基質核酸に具備される標識物質の蛍光を検出すれば、標的配列を有するプローブ核酸の存在が検出される。
【0028】
上記のようなキャピラリー形状の反応容器を使用すると使用する試料および試薬も微量で済むという利点がある。しかしながら、本発明において使用される反応容器は、キャピラリー形状に限られるものではない。また、上記の例では1つの反応容器に1本のキャピラリーが具備される装置の例を示したが、これに限定されるものではなく、1つの反応容器に複数のキャピラリー形状などの内部形状を有する反応部を有する反応容器を用いてもよい。
【0029】
上記の模式図では、便宜上、1つのターゲット核酸について示したがこれに限定するものではない。また、ターゲット核酸の配列は上記の配列に限定するものではなく、所望に応じて任意に選択し得る。また、複数の異なる配列をそれぞれに有するターゲット核酸を1つの基体において用いてもよく、同じ種類のターゲット核酸を複数使用してもよい。
【0030】
また、本発明に従って使用される反応容器は、例えば、以下の様に変更することも可能である。即ち、図1の1Cにその断面を示すように、基体の反応部2の下方にヒーターおよび温度センサーを配置してもよい(図1の1Cは1Aの線1B−1Bに沿った断面である)。その場合、例えば、ターゲット核酸3が固相化されるポリイミド薄膜5の下にヒーター6を配置し、ヒーター6の下に温度センサー7を配置すればよい。このような装置はそれ自身公知の何れかの手段により製造することが可能である。また、このような装置に含まれるヒーターおよびセンサーの配置および配置パターンは所望に応じて変更してもよい。
【0031】
以上のような本発明の態様に従うと、ターゲット核酸のラベルを容易に行うことが可能である。本態様に従うと、所望する特定の配列を有するターゲット核酸の特定の塩基を選択的に標識することが可能であり、これによって、被検試料中に含まれる被検核酸に標的配列が存在するか否かを判定することが可能である。それにより、遺伝子の発現頻度を解析することが可能である。
【0032】
第2の実施例
第1の実施例に記載した反応容器を用いて、同様に第2の実施例を実施した。
【0033】
また、第1の実施例において使用した伸長反応液に変えて、次の伸長反応液[10mMのTris−HCl(pH7.5)、7mMのMgCl、0.1mMのDDT、Klenow Fragment(DNA ポリメラーゼI,Large Fragment;TOYOBO)を0.4ユニット/μL、10μMのdATP、10μMのdCTP、0μMのdGTPまたは10μMのddGTP、および10μMのCy3−dUTPを含む]を用い、他の条件は第1の実施例の記載と同様にして反応を行った。
【0034】
この反応の結果、0μMのdGTPを用いた場合には、RVターゲットはその3’端からCy3−Uまで伸長された。即ち、その後のG、CおよびAは伸長されない。また、10μMのddGTPを用いた場合には、RVターゲットはその3’端からGまで伸長された。即ち、その後のC、Aは伸長されない。
【0035】
表2は、ターゲット核酸の基体への点着量を10nMと1nMとし、且つKlenow Fragmentを添加ありの場合と添加なしの場合について、一番強い蛍光強度を1としたときの相対値を示す。
【0036】
【表2】
Figure 0004229623
【0037】
表2に示すように、伸長反応中にKlenow Fragmentを存在させなかった場合には、相対値は非常に低かった。従って、ターゲット核酸への標識核酸の結合が非特異的なものではなく、ポリメラーゼによる伸長であることが確認できた。また、ターゲット核酸の点着量の増加に依存して、相対的蛍光強度も増加した。従って、本発明の態様に従う方法は、定量性を有していると示唆された。
【0038】
本発明は、プローブ核酸とハイブリダイゼーションしたターゲット核酸のみを標識化している。また、標的配列にハイブリダイズするべき標識化基質核酸以外の非標識化基質核酸を、それ以降伸長反応できないヌクレオチド(例えば、ddNTPなど)にすること、または反応系に存在させないことによって、プローブ核酸への標識量および伸長程度を制御することができる。
【0039】
また、ターゲット核酸に取り込まれる標識物質の量は、プローブ核酸の量、即ち、発現頻度に依存して変化するため、標識物質の変化を定量的に検出することによって、遺伝子発現頻度を計測することが可能である。このような遺伝子発現頻度解析方法は、微量な試料で行うことが可能である。即ち、全ての処理を小型の容器内で、一連の処理として行うことが可能であるので、核酸基質(例えば、dNTPなど)の量および必要な試薬の量を低減することが可能であり、また、多検体について短時間に解析することも可能である。
【0040】
第3の実施例
第3の実施例を模式図である図3を用いて説明する。本例では、それぞれに異なる第1、第2および第3のターゲット核酸3a、3bおよび3cを固相化した以外は第1の実施例と同様に作成した反応容器30を使用する。3Aに示す通り、それぞれのプローブ核酸31a〜31cに含まれる標的配列は便宜上「A」として示した。
【0041】
第1の実施例において記載した方法に従って、先ず、3Bに示すようにプローブ核酸31a〜31cをターゲット核酸32a〜32cに対してハイブリダイズし、次に、3Cに示すように伸長反応する。続いて、3Cにおいて、反応部35を例えば、約95℃に温度を上昇させ、伸長したターゲット核酸36からプローブ核酸31を解離させ、反応部35を具備するキャピラリー内に0.1×SSC溶液などの緩衝液を注入し、排出することにより内容液をフローする。それにより、解離したプローブ核酸を除去して、3Dに示すように、伸長され標識されたターゲット核酸36aから36cを1本鎖として得ることが可能である。
【0042】
上記の態様では、2本鎖核酸の解離手段として熱処理を行っているが、本発明の態様に従って使用可能な2本鎖核酸の解離手段は、これに限定するものではない。即ち、それ自体公知の一般的に2本鎖核酸を1本鎖に解離する場合に使用される手段であれば何れの手段であってよい。例えば、アルカリ溶液、尿素またはホルムアミド等を用いてもよい。
【0043】
また、プローブ核酸がRNAであり、ターゲット核酸がDNAである場合、1本鎖への解離は、前記RNAを分解するような酵素、例えば、RNAaseHなどを用いて行ってもよい。
【0044】
上記では3種類のターゲット核酸とプローブ核酸の例を示したが、これ以上または以下の種類のターゲット核酸および/またはプローブ核酸を用いてもよく、また、各種類の核酸を1以上で用いてもよい。
【0045】
本発明の態様に従うと、上述した第1の実施例から第3の実施例に記載した方法の一部分を所望に応じて組み合わせて実行しても、また、所望に応じて一部を変更して実施してもよい。
【0046】
本発明の更なる側面に従うと、上述のような本発明の態様により得られた1本鎖標識化ターゲット核酸も本発明の更なる態様として提供される。
【0047】
例えば、本発明の態様に従って得た伸長され標識されたターゲット核酸を、1本鎖にした後に、更なる標識化ターゲット核酸として、後述する第6の実施例として記載するようなヌクレアーゼプロテクションアッセイに利用することも可能である。
【0048】
従来の方法では、ターゲット核酸の中間部位を標識化する場合には、高度な技術が必要とされている。また、中間部位が標識されたターゲット核酸の作製を専門業者に依頼した場合には、莫大な時間と費用が必要とされている。しかしながら、本発明の態様に従うと、ヌクレオチドの伸長反応を制御できるので、最終的に得られる更なるターゲット核酸の所望の中間位置を容易に標識化することが可能である。従って、ヌクレアーゼプロテクションアッセイに利用するためのターゲット核酸も短時間に効率よく作製することが可能である。
【0049】
第4の実施例
本発明の更なる側面に従うと、1ターゲット核酸に対して、複数回、被検核酸を含む被検試料を繰り返し処理することが可能である。
【0050】
第1の実施例に記載するような反応容器1を使用し、本発明の態様に従い2回繰り返して処理する場合の例を各工程における各分子の状態を模式的に示した図4を用いて説明する。
【0051】
まず、ターゲット核酸42を反応部45の底面44に固相化する。次に、反応部45に対して、第1のプローブ核酸41aと第1の蛍光標識化基質核酸43a(ここでは例として標識化dUTPを記載している)および非標識化基質核酸(図には示してないが、例えば、dCTP、dGTPおよびdATP)をハイブリダイズ可能な条件の下で加えハイブリダイゼーションを行う(4B)。続いて、ポリメラーゼを添加し、第1の標的配列(図4では「A」で示す)の次の塩基まで伸長反応を行う(4C)。
【0052】
ここで、所望の箇所、即ち、第1の標的配列の次の塩基で伸長反応を停止するためには、第1の標的配列の次の次の塩基に相補的な塩基からなるdNTPを添加しない。
【0053】
続いて、4Cに示すように、反応部45に、例えば、0.1×SSC溶液を満たした状態で95℃に温度を上昇させ、伸長されたターゲット核酸46aからプローブ核酸41を解離させる。反応部45を具備するキャピラリー内に、例えば、0.1×SSC溶液などを注入し排出することによって内容液をフローして解離核酸を除去する。その結果、4Dに示すように、伸長され標識されたターゲット核酸46aが1本鎖として得られる(図4)。
【0054】
続いて、4Eに示すような第2のプローブ核酸42bと第2の蛍光標識化基質核酸43b(ここでは例として標識化dATPを記載している)および非標識化基質核酸(図には示してないが、例えば、dCTP、dGTPおよびdUTP)をハイブリダイズ可能な条件の下で加えハイブリダイゼーションを行う(4F)。続いて、ポリメラーゼを添加し、第2の標的配列(図4では「T」で示す)の次の塩基まで伸長反応を行う(4C)。続いて、得られた第2の伸長され標識された第2のターゲット核酸について、第1の蛍光物質および第2の蛍光物質の蛍光強度を測定する(4E)。
【0055】
この態様においては、第2の標的配列の次の塩基まで伸長反応を行った例を示したが、それ以上伸長しても、第2の標的配列まで伸長することも可能である。
【0056】
また、上記の例では、ターゲット核酸の伸長において、第1の標的配列と第2の標的配列の間に1の塩基が配置される例を示したが、これに限定するものではなく、当該間に塩基が配置されなくとも、また2以上の塩基が配置されてもよい。
【0057】
4Eに示すように、得られた第2の伸長され標識されたターゲット核酸46bに含まれる第1の蛍光物質(図4では星印でしめす)と第2の蛍光物質(図4ではX印で示す)は、識別可能であることが望ましく、互いに異なる波長の蛍光を生じる物質であることが望ましい。また、検出される蛍光強度の違いによって、判定する場合や、使用する検出手段の選択によっては、必ずしも互いに異なる波長である必要はない。
【0058】
また更に、得られた第2の伸長され標識されたターゲット核酸46bを更に1本鎖に変性し、上述した方法の更なる繰り返しを行ってもよい。
【0059】
以下に、具体的な1例を挙げて更に説明する。
【0060】
まず、第1の実施例に記載の反応容器1を用いて、ハイブリダイゼーション可能な条件下で第1のターゲット核酸と第1のプローブ核酸とのハイブリダイゼーションを行う。続いて伸長反応溶液を[10mMのTris−HCl(pH7.5)、7mMのMgCl、0.1mMのDDT、Klenow Fragment(DNAポリメラーゼI,Large Fragment;TOYOBO)を0.4ユニット/μL、10μMのdATP、10μMのdCTP、0μMのdGTP、および10μMのCy3−dUTPを含む]を用いることを除いて第1の実施例に記載の方法と同様に伸長反応を行う。
【0061】
このハイブリダイゼーションと伸長反応によって、第1のプローブ核酸の存在が第1のターゲット核酸の伸長および標識化に反映される。即ち、第1のターゲットにハイブリダイズした第1のプローブ核酸を鋳型として、第1のターゲット核酸が伸長され、Cy3−Uが取り込まれ、Gの手前まで伸長される。その結果、第1のプローブ核酸にハイブリダイズされた、第1の伸長され標識されたターゲット核酸が得られる。
【0062】
次に、温度を約95℃に上昇させることにより、第1の伸長され標識されたターゲット核酸から第1のプローブ核酸を解離する。更に、反応部に含まれる溶液をフローすることにより、遊離した第1のプローブ核酸を除去する。
【0063】
続いて、第2のプローブ核酸をハイブリダイゼーション可能な条件下においてハイブリダイズさせ、伸長反応溶液を[10mMのTris−HCl(pH7.5)、7mMのMgCl、0.1mMのDDT、Klenow Fragment(DNAポリメラーゼI,Large Fragment;TOYOBO)を0.4ユニット/μL、10μMのCy5−dATP、0μMのdCTP、10μMのdGTP、および10μMのdTTPを含む]を用いることを除いて第1の実施例に記載の方法と同様に伸長反応を行う。
【0064】
上記の反応により、第2のプローブ核酸の存在が反映され、第2のプローブ核酸と第1の伸長され標識されたターゲット核酸とのハイブリダイゼーションが生じ、続いて、更なる伸長および標識化が生じ、第2の伸長され標識されたターゲット核酸が得られる。即ち、第2の伸長され標識されたターゲット核酸は、Cy5−Aで標識化され、Cの手前まで伸長されている。
【0065】
Cy3とCy5の蛍光強度をそれぞれにまたは相対的に測定することにより第1のプローブ核酸と第2のプローブ核酸の発現頻度または相対的発現頻度を測定することが可能である。
【0066】
上述の本発明の態様に従うと、比較したい2つ以上のプローブ核酸を同じターゲット核酸に対して連続してハイブリダイゼーションし、ハイブリダイゼーションとプローブ核酸の配列に依存して、そのターゲット核酸を伸長し、識別可能な信号を生じる複数の標識物質を用いて、そのターゲット核酸に対して標識化を行うことが可能である。その後、ターゲット核酸に取り込まれた各標識物質を検出することにより、非相対的に、複数の対象について発現頻度解析を行うことが可能である。
【0067】
このような発明の態様に従うと、複数のハイブリダイゼーションおよび標識化に関する全ての処理が、小型の容器内で、一括して、即ち、一連の操作によって行うことが可能である。従って、少ない試料で、所望する遺伝子発現頻度解析を短時間に、簡便に行うことが可能である。また、ターゲット核酸の伸長の程度を制御でき、また、所望のターゲット核酸を伸長していく途中の所望の部位に容易に標識を行うことが可能である。
【0068】
第5の実施例
本発明の態様に従い使用され得るターゲット核酸とプローブ核酸がハイブリダイズした時の状態の例を図5の5Aから5Dまでに模式的に示す。
【0069】
上述した通り、ターゲット核酸51は、基板表面52にその5’末端を介して固相化されている。
【0070】
5Aに示すように、プローブ核酸53Aの全長は、ターゲット核酸51Aの全長よりも長いことが好ましい。それにより、プローブ核酸53Aとターゲット核酸51Aがハイブリダイズした際に、その長さの違いから生じるプローブ核酸53Aの1本鎖の部分を鋳型として、ターゲット核酸51Aの3’末端は伸長される。また、このとき被標識核酸はプローブ核酸53Aの1本鎖の部分に存在する。
【0071】
また、プローブ核酸53のターゲット核酸51へのハイブリダイゼーションの位置は、5Aおよび5Cに示すように、ターゲット核酸51の全長に相補的な配列をプローブ核酸53が含み、その上で、更に余分な配列がプローブ核酸の5’側に含まれるようにしてもよい。
【0072】
或いは、5Bおよび5Dに示すように、ターゲット核酸51の一部に相補的な配列をプローブ核酸53の3’側が含み、更に余分な配列をプローブ核酸の5’側に含むように設計してもよい。
【0073】
また、5Aおよび5Bに示すように、被標識核酸として1ヌクレオチドが1箇所に設定されてもよく、5Cおよび5Dに示すように、被標識核酸として1ヌクレオチドが2箇所以上で設定されてもよい。
【0074】
第6の実施例
ヌクレアーゼプロテクションアッセイへの利用
核酸分解酵素(nuclease)であるS1ヌクレアーゼは、1本鎖特異的エンドヌクレアーゼであり、DNAおよびRNAともに酸可溶性の5’−Pのヌクレオチドに分解し最終的には、全体の90%以上を5’−Pのヌクレオチドに分解する。また2本鎖中の1本鎖部分にも作用し、これを分解する酵素である。また、この酵素はDNA−DNAおよびDNA−RNAハイブリッド中の1本鎖部分の除去などによく用いられる。また、エキソヌクレアーゼIも、1本鎖特異的エクソヌクレアーゼであり、1本鎖DNAの3’端から順番に加水分解して5’−Pのヌクレオチドにする。これらの酵素は、PCR後のプライマーの除去などに用いられている(図6)。
【0075】
ヌクレアーゼプロテクションアッセイ(Nuclaase Protection Assay)は、固相したターゲット核酸をあらかじめラベルをしておき、ハイブリダイゼーション後に1本鎖特異的ヌクレアーゼを反応させる解析方法である。例えば、プローブ核酸とハイブリダイゼーションした2本鎖DNAは、このヌクレアーゼからプロテクションされるので標識が保護されるのに対し、未反応のターゲット核酸(例えば、1本鎖DNAなど)は分解されるので標識が遊離してしまう。従って、そのプロテクションされたターゲット核酸の標識量を、ターゲット核酸に含まれる標識物質からの信号を検出することによって測定し、それによって遺伝子の発現頻度を測定する方法である(図7)。
【0076】
このようなヌクレアーゼプロテクションアッセイを本願発明の一部として利用することも可能である。例えば、第3の実施例に記載する方法により得た1本鎖標識化ターゲット核酸を用いてヌクレアーゼプロテクションアッセイにより核酸を解析してもよい。また、第1、第2および第4の実施例に記載する方法により得た2本鎖標識化ターゲットを第3の実施例に記載するような手段により1本鎖して得られた1本鎖標識化ターゲット核酸を用いてもよい。また、そのようにして得られた1本鎖標識化ターゲット核酸は、本発明の態様に従って得られたままで、即ち、基体に固相化されたままでヌクレアーゼプロテクションアッセイに利用してもよく、或いは基体から遊離させ回収して利用してもよい。更に、回収した後に生成した後に使用してもよい。
【0077】
本発明の更なる態様を、図8の模式図を用いて説明する。まず、第3の実施の態様に記載した方法と同様に、蛍光強度の検出以前の段階まで、即ち、図8の8Aから8Dまでを行う。これにより、ヌクレアーゼプロテクションアッセイのための1本鎖標識化ターゲット核酸が得られる(8D)。
【0078】
次に、核酸配列の解析を行うべき試料を添加し、ハイブリダイゼーション可能な条件下で反応する。8Eに示すように、試料中に検出すべき標的核酸が存在する場合それらはハイブリダイズする。即ち、前記標的核酸を含む被検核酸87aおよび87bと標識化ターゲット核酸86aおよび86bがそれぞれハイブリダイズする。その後、8Fに示すように、1本鎖特異的エンドヌクレアーゼを添加し、適切な条件下で反応する。その結果、ハイブリダイゼーションの生じなかった標識化ターゲット核酸86Cは分解される(8E)。続いて、反応部85内の容器をフローさせ、分解された核酸を除去し(8G)、蛍光強度を検出する(8H)。
【0079】
本態様により使用されるヌクレオチドプロテクションアッセイの詳細な条件は、実施者によって、適宜決定されればよい。
【0080】
ここに示した態様では、ターゲット核酸の伸長および標識化から、ヌクレアーゼプロテクションアッセイまでを連続して行う例を示したが、これに限るものではなく、上述したターゲット核酸の伸長および標識化により得られた更なる伸長され標識されたターゲット核酸を、ヌクレアーゼプロテクションアッセイのための1本鎖標識化ターゲット核酸として予め作成し、所望に応じてヌクレアーゼプロテクションアッセイに使用してもよい。
【0081】
キャピラリー形状の反応容器を用いる場合の利点の1は、各種溶液を置換するだけで分注および洗浄方法から測定までの処理を自動化できる可能性が大きいことである。また、キャピラリー形状の反応容器の場合、そこに含まれる溶液を容易に置換することが可能であることも更なる利点である。
【0082】
上述したような本発明の態様によって得られた標識化ターゲット核酸を用いれば、ヌクレアーゼプロテクションアッセイは次のような利点を得ることが可能である。即ち、ターゲット核酸を予め蛍光ラベルしておけるのでハイブリダイゼーション前のターゲット核酸の固相量を予め知ることが可能である。即ち、ターゲット核酸の固相の量や点着スポットの状態を反応前に知ることが可能である。従って、ターゲット核酸の固相の精度管理が可能である。また、試料としてmRNAを用いる場合には、従来の方法とは異なり、これを直接にハイブリダイゼーション反応させることが可能であるので、逆転写酵素でcDNAを作製したり標識化するなどの作業により生じる効率のロスを避ることが出来る。
【0083】
【発明の効果】
本発明の態様に従うと、効率のよい遺伝子発現頻度解析方法が提供される。また、複数のプレート間での比較が可能な遺伝子発現頻度解析方法が提供される。
【0084】
本発明の態様に従うと、反応容器内で、検出するべき標的配列を含むプローブ核酸とハイブリダイゼーションしたターゲット核酸についてのみ選択的に標識化することが可能である。従って、効率のよい遺伝子発現頻度解析が可能であると共に、ターゲット核酸の標識化を効率的に行うことも可能である。
【0085】
本発明の態様に従うと、遺伝子の発現頻度の解析を、煩雑な操作を必要とせずに行うことが可能である。
【0086】
本発明の態様に従うと、標識化から発現頻度解析までの全ての処理を1つの容器内で一括して行うことが可能である。
【0087】
本発明に従う遺伝子の発現頻度の解析は、従来の解析方法のような競合反応ではないので、他検体との反応容器間(例えば、キャピラリー間や、プレート間など)の比較が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1態様に従って使用される反応容器の例を示す図。
【図2】本発明の1態様に従う方法の例を模式的に示す図。
【図3】本発明の1態様に従う方法の例を模式的に示す図。
【図4】本発明の1態様に従う方法の例を模式的に示す図。
【図5】本発明の1態様に従い使用されるターゲット核酸およびプローブ核酸の例を模式的に示す図。
【図6】S1ヌクレアーゼによる核酸分解の例を模式的に示す図。
【図7】ヌクレアーゼプロテクションアッセイの原理を模式的に示す図。
【図8】本発明の1態様に従う方法の1例を模式的に示す図。
【符号の説明】
1.反応容器 2.反応部 3.ターゲット核酸 4.開口部 5.ポリイミド薄膜 6.ヒーター 7.温度センサー 21.プローブ核酸 22.ターゲット核酸 23.標識化基質核酸 24.反応部の底面 25.反応部 26伸長され標識されたターゲット核酸 31.プローブ核酸 32.ターゲット核酸 33.標識化基質核酸 34.反応部の底面35.反応部 36.伸長され標識されたターゲット核酸 41.プローブ核酸 42.ターゲット核酸 43.標識化基質核酸 44.反応部の底面 45.反応部 46.伸長され標識されたターゲット核酸 51.ターゲット核酸 52.反応部の底面 53.プローブ核酸 54.第1の標識化基質核酸 55.第2の標識化基質核酸

Claims (6)

  1. 対象における遺伝子の発現頻度を解析する方法であって、以下の工程を具備する方法;
    (1)第1の標的配列に相補的な配列を含み且つその5’末端を介して固相化されているターゲット核酸に対して、前記対象から得られた第1の被検核酸を反応させる工程と、
    (2)検出可能な第1の信号を生ずる標識物質を付された標識化基質核酸と、前記標識化基質核酸の塩基とは異なる種類の塩基を含む少なくとも1の非標識化基質核酸と、ポリメラーゼとを用いて、前記(1)の工程で得られたターゲット核酸に対してハイブリダイズした標的配列とその標的配列よりも5’側に更なる配列を含む第1のプローブ核酸の前記更なる配列の部分を鋳型とし、ターゲット核酸の3’末端を伸長し、第2の標的配列を含むターゲット核酸を得る工程と、
    (3)前記(2)で得られた第2の標的配列を含むターゲット核酸にハイブリダイズしている第1のプローブ核酸を解離させる工程と、
    (4)前記(3)で得られた第2の標的配列を含むターゲット核酸に、前記対象から得られた第2の被検核酸を反応させる工程と、
    (5)検出可能な第2の信号を生ずる標識物質を付された標識化基質核酸と、前記標識化基質核酸の塩基とは異なる種類の塩基を含む少なくとも1の非標識化基質核酸と、ポリメラーゼとを用いて、前記(4)の工程で得られた第2の標的配列を含むターゲット核酸にハイブリダイズした標的配列とその標的配列よりも5’側に更なる配列を含む第2のプローブ核酸を鋳型とし、第2の標的配列を含むターゲット核酸の3’末端を伸長する工程と、
    (6)前記(5)において得られた伸長されたターゲット核酸に含まれる標識物質からの第1および/または第2の信号を検出することによって、対象における遺伝子の発現頻度を解析する工程。
  2. 前記被検核酸がmRNA断片であり、前記ターゲット核酸がポリヌクレオチドであり、前記標識物質が蛍光物質であり、且つ前記基質核酸がジデオキシヌクレオチド三リン酸であることを特徴とする請求項に記載の対象における遺伝子の発現頻度を解析する方法。
  3. 請求項に記載の対象における遺伝子の発現頻度を解析する方法であって、前記(2)の伸長する工程が、次の群より選択されることによってその伸長が停止されることを特徴とする方法;
    (a)前記非標識基質核酸のうち、前記ターゲット核酸の伸長を停止したい部位に対応するプローブ核酸の塩基に相補的な塩基を含む非標識化基質核酸を、ジデオキシヌクレオチド三リン酸とすることにより、前記伸長を停止すること、
    (b)前記非標識基質核酸のうち、前記ターゲット核酸の伸長を停止したい部位に対応するプローブ核酸の塩基に相補的な塩基を含む非標識化基質核酸を、前記(2)の伸長する工程において存在させないことにより、前記伸長を停止すること。
  4. 前記標的配列が10から15塩基のポリヌクレオチドであることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の細胞における遺伝子の発現頻度を検出する方法方法。
  5. 前記ターゲット核酸がそこにおいて核酸について反応を行うことが可能な反応容器の内壁に固相化されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の対象における遺伝子の発現頻度を解析する方法。
  6. 前記反応容器の容器内部の形状がキャピラリー形状であることを特徴とする請求項5記載の対象における遺伝子の発現頻度を解析する方法。
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