JP4229533B2 - 多出力バッテリ充電装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は単相又は三相の磁石式発電機により、複数のバッテリに充電する装置の充電分配制御方法と単相又は三相の磁石式発電機をモータとして駆動する方法に関するものである。又、三相のフィールド式発電機により、複数のバッテリに充電する装置の充電分配制御方法と三相のフィールド式発電機をモータとして駆動する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の装置は、図4に示すようにバッテリに充電する装置とモータとして駆動する装置及び12Vバッテリに電圧変換する装置と別々に設けられており、それぞれ、バッテリの状態と発電機(モータ)の状態を監視し、制御していたので部品点数が多くなる原因となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
1つの磁石式発電機またはフィールド式発電機から異なった出力電圧を低回転から高回転まで出力して各バッテリにバランス良く充電し、かつ発電機をモータとして駆動できることをの目的としている。また、高電圧バッテリが電圧不足時発電コイルを使用し、昇圧電力を高電位バッテリに充電できることを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は単相又は三相の磁石式発電機の出力電圧波形を制御手段として各相毎にスイッチング素子をバッテリに直列に挿入し、1)単相又は三相の磁石式発電機の正波形出力と負波形出力を区別し、正負の出力波形に対し、優先度を設ける。2)単相又は三相の磁石式発電機の相の数を区別し、複数の出力に対し、優先度を設ける。3)単相又は三相磁石式発電機の正波形出力又は負波形出力の位相角度で区別し、複数の出力に対し、優先度を設けるこのことにより片方の出力に発電機のエネルギーが偏らないように出力させる。
【0005】
本発明は三相フィールド式発電機の出力電圧波形を制御手段として第一及び第三のスイッチング素子を用い、発電機の出力を整流してバッテリに充電し、1)単相又は三相の磁石式発電機の正波形出力と負波形出力を区別し、正負の出力波形に対し、優先度を設ける。2)三相フィールド式発電機の相の数を区別し、複数の出力に対し、優先度を設ける。 3)三相フィールド式発電機の正波形出力又は負波形出力の位相角度で区別し、複数の出力に対し、優先度を設けることにより片方の出力に発電機のエネルギーが偏らないように出力させる。
【0006】
本発明は同期整流回路をモータ駆動するフルブリッジとして使用し、高電位バッテリから電源を供給し発電機をモータとして使用する。又、エンジン停止時、発電機兼のモータのコイルを昇圧コイルとして用い低電圧バッテリから高電位バッテリへスイッチング充電する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図1に示す。1は三相磁石式発電機兼モータ、2は36V用バッテリ、3は12V用バッテリ、一は三相磁石式発電機兼モータを駆動するドライバ回路と発電出力を整流する同期整流回路を兼用した第一のスイッチング回路、二は一回路で整流された発電出力を36V用バッテリに充電するための第二のスイッチング回路でバッテリ電圧制御回路とドライバで構成されている、三は一回路で整流された発電出力を12V用バッテリに充電するための第三のスイッチング回路でバッテリ電圧制御回路とドライバで構成されている、四はエンジン停止時12V用バッテリから三相磁石式発電機兼モータのコイルを利用し、36V用バッテリに充電するための第四のスイッチング回路で導通制御回路とドライバで構成されている。
【0008】
次に、これを動作するためにはまず、三相磁石式発電機兼モータを発電機として使用する場合は、エンジンが回転し発電出力がu,v,w各相に発生するとA点に図2に示すように交流は波形が印可される。この時一aの同期位相検出回路で正波形を検出すると上段のスイッチング素子Q1を導通し、下段のスイッチング素子Q2を非導通する。また、負波形を検出すると上段のスイッチング素子Q1を非導通し、下段のスイッチング素子Q2を導通する。以下B、C点に交流波形が印可された場合も同様である。
【0009】
このことにより、一aの同期位相検出回路が動作するまでは各スイッチング素子の両端間のダイオードD1〜6を通して第二及び第三のスイッチング回路へ発電機出力電流が流れるが一aの同期位相検出回路が動作するとダイオードD1〜6ではなく各スイッチング素子を通して発電機出力電流が流れるので各素子の飽和電圧が下げられるため第一のスイッチング回路の発熱損失が低下させることができる。次に第一のスイッチング回路で整流された発電機の出力を36V用バッテリ及び12V用バッテリの電圧状態により、第二及び第三のスイッチング回路をバッテリ電圧が規定電圧よりも低い場合は導通され、バッテリへ充電する。また、規定電圧より高い場合は非道通させて、バッテリへ充電させず、バッテリ電圧が常に一定電圧になるように制御される。
【0010】
この時、36V用バッテリ及び12V用バッテリの状態により充電状態が不均衡にしないために、表1の3通りの充電方法がある。第一の波形優先タイプ方式は36V用バッテリに は発電機の正出力波形を12V用バッテリには発電機の負出力波形を満充電でない時に優先的に第二及び第三のスイッチング回路を動作させる。第二の位相角優先タイプ方式は半サイクルの発電機出力波形に対し、36V用バッテリには発電機の出力波形の内0〜Θanglまでを12V用バッテリには発電機の出力波形をΘangl〜0までを満充電でない時に優先的に第二及び第三のスイッチング回路を動作させる。
【0011】
第三の相分配優先タイプ方式は発電機出力波形に対し、36V用バッテリには発電機の出力波形の3相分の内2相分を12V用バッテリには発電機の出力波形の3相分の内残りの1相分を満充電でない時に優先的に第二及び第三のスイッチング回路を動作させる。
36V用バッテリ又は12V用バッテリが満充電でない時は表1のように第二及び第三のスイッチング回路を動作させることでバランス良く、36V用バッテリ及び12V用バッテリを充電できる。
【0012】
【表1】
Figure 0004229533
【0013】
次に、三相磁石式発電機兼モータをモータとして使用する場合は36V用バッテリからの電圧を第二のスイッチング素子回路のスイッチング素子Q7,8,9を全て導通し、各u,v,w相コイルに順次Q1→u相コイル→Q4, Q3→v相コイル→Q6, Q3→w相コイル→Q2に短時間電流を流し、過電流が流れない相を基点にして正規導通時間で回転磁界が発生するように各相に順次第一のスイッチング素子を通電していく。このことにより36V用バッテリを電源として第一のスイッチング素子回路をフルブリッジドライバとして三相磁石式発電機兼モータを駆動できる。また、停止する時の逆起電力は第一及び第二のスイッチング素子回路を通して再び36V用バッテリに回生充電される。
【0014】
次に、三相磁石式発電機兼モータをエンジン停止時昇圧コイルとして使用する場合は第四のスイッチング素子回路(Q10、11)を導通し、第二のスイッチング素子回路を全て導通し、スイッチング素子Q2、Q4を一定時間のスイッチングすることで三相磁石式発電機兼モータの各相のコイルに高電圧が発生しダイオードD1,D3を通して36V用バッテリに充電される。このことにより36V用バッテリはコンデンサ等でもエンジン起動時、12V用バッテリから36V用バッテリ代換コンデンサに充電し電源を確保でき、この電源をもとに三相磁石式発電機兼モータをモータとして駆動できる。
【0015】
以上のことから、三相磁石式発電機兼モータを、多出力を設けてもバランスよくバッテリに充電できる。かつ、高電圧側が電圧不足及びバッテリ代替えコンデンサを使用しても三相磁石式発電機兼モータを昇コイルとして充電でき、モータ駆動が動作可能となる。また、充電機能とモータ駆動機能を兼ね備えることで回路を効率的に構成できる。
【0016】
次に本発明の他の実施例を図3に示す。1は三相フィード式発電機兼モータ、2は36V用バッテリ、3は12V用バッテリ、一は三相フィード式発電機兼モータを駆動するドライバ回路と発電出力を整流する同期整流回路を兼用した第一のスイッチング回路、五は一回路で整流された発電出力を36V用バッテリに直接一定電圧充電するための第五のスイッチング回路でフィードコイル制御回路とドライバで構成されている、三は一回路で整流された発電出力を12V用バッテリに充電するための第三のスイッチング回路でバッテリ電圧制御回路とドライバで構成されている、四はエンジン停止時12V用バッテリから三相フィールド式発電機兼モータのコイルを利用し、36V用バッテリに充電するための第四のスイッチング回路で導通制御回路とドライバで構成されている。
【0017】
次に、これを動作するためにはまず、三相フィード式発電機兼モータを発電機として使用する場合は、エンジンが回転し発電出力がu,v,w各相に発生するとA点に交流波形が印可される。この時一aの同期位相検出回路で正波形を検出すると上段のスイッチング素子Q1を導通し、下段のスイッチング素子Q2を非導通する。また、負波形を検出すると上段のスイッチング素子Q1を非導通し、下段のスイッチング素子Q2を導通する。以下B、C点に交流波形が印可された場合も同様である。
【0018】
このことにより、一aの同期位相検出回路が動作するまでは各スイッチング素子の両端間のダイオードD1〜6を通して36V用バッテリ及び第三のスイッチング回路へ発電機出力電流が流れるが一aの同期位相検出回路が動作するとダイオードD1〜6ではなく各スイッチング素子を通して発電機出力電流が流れるので各素子の飽和電圧が下げられるので第一のスイッチング回路の発熱損失が低下させることができる。
【0019】
次に第一のスイッチング回路で整流された発電機の出力は36V用バッテリが一定電圧に充電されるように第五のスイッチング素子回路を通してフィードコイルを制御する。また、12V用バッテリは電圧状態により、第三のスイッチング回路をバッテリ電圧が規定電圧よりも低い場合は導通され、バッテリへ充電する。また、規定電圧より高い場合は非道通させて、バッテリへ充電させず、バッテリ電圧が常に一定電圧になるように制御される。この時、36V用バッテリ及び12V用バッテリの状態により充電状態が不均衡にしないために、前記実施例(図1)と同様な充電方法がある。
【0020】
第一の波形優先タイプ方式は36V用バッテリには発電機の正出力波形を12V用バッテリには発電機の負出力波形を満充電でない時に優先的に第一及び第三のスイッチング回路を動作させる。第二の位相角優先タイプ方式は半サイクルの発電機出力波形に対し、36V用バッテリには発電機の出力波形の内0〜Θanglまでを12V用バッテリには発電機の出力波形をΘangl〜0までを満充電でない時に優先的に第一及び第三のスイッチング回路を動作させる。第三の相分配優先タイプ方式は発電機出力波形に対し、36V用バッテリには発電機の出力波形の3相分の内2相分を12V用バッテリには発電機の出力波形の3相分の内残りの1相分を満充電でない時に優先的に第一及び第三のスイッチング回路を動作させる。
【0021】
36V用バッテリ又は12V用バッテリが満充電でない時は第五及び第三のスイッチン グ回路を動作させることでバランス良く、36V用バッテリ及び12V用バッテリを充電できる。
【0022】
次に、三相フィールド式発電機兼モータをモータとして使用する場合は36V用バッテリからの電圧を第五のスイッチング素子回路のスイッチング素子Q7導通し、各u,v,w相コイルに順次Q1→u相コイル→Q4, Q3→v相コイル→Q6, Q3→w相コイル→Q2に短時間電流を流し、過電流が流れない相を基点にして正規導通時間で回転磁界が発生するように各相に順次第一のスイッチング素子を通電していく。このことにより36V用バッテリを電源として第一のスイッチング素子回路をフルブリッジドライバとして三相フィールド式発電機兼モータを駆動できる。また、停止する時の逆起電力は第一のスイッチング素子回路を通して再び36V用バッテリに回生充電される。
【0023】
次に、三相フィールド式発電機兼モータをエンジン停止時昇圧コイルとして使用する場合は第四のスイッチング素子回路(Q8,9)を導通し、第一のスイッチング素子回路を全て導通し、スイッチング素子Q2、Q4を一定時間のスイッチングすることで三相フィールド式発電機兼モータの各相のコイルに高電圧が発生しダイオードD1,D3を通して36V用バッテリに充電される。このことにより36V用バッテリはコンデンサ等でもエンジン起動時、12V用バッテリから36V用バッテリ代換コンデンサに充電し電源を確保でき、この電源をもとに三相フィールド式発電機兼モータをモータとして駆動できる。
【0024】
以上のことから、三相フィールド式発電機兼モータを、多出力を設けてもバランスよくバッテリに充電できる。かつ、高電圧側が電圧不足及びバッテリ代替えコンデンサを使用しても三相フィールド式発電機兼モータを昇コイルとして充電でき、モータ駆動が動作可能となる。また、充電機能とモータ駆動機能を兼ね備えることで回路を効率的に構成できる。
【0025】
【効果の説明】
本発明の構成をすることにより、発電機兼モータから複数の電圧の異なった出力が容易にバランスよく得られる。かつ、モータ駆動回路と組合わせることで充電回路部との共通部分が省略され、低電圧から高電圧バッテリに充電が可能になる。また、この発明をエンジン駆動による発電機を用いる装置に関し、多出力を必要とする構成、例えば、高電圧でモータを駆動し、低電圧でランプ等の通常の負荷を動作するものに応用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例回路図
【図2】本発明実施例の同期整流タイミング波形図
【図3】本発明の他の実施例回路図
【図4】従来例
【符号の説明】
1.発電機兼モータ
2,3.バッテリ
一.第一のスイッチング回路
二.第二のスイッチング回路
三.第三のスイッチング回路
四.第四のスイッチング回路
五.第五のスイッチング回路

Claims (5)

  1. 単相又は三相磁石式発電機において、上記発電機の出力を第一のスイッチング回路で整流し、この第一のスイッチング回路は上段及び下段にスイッチング素子を備え、上記上段のスイッチング素子の出力に第二のスイッチング回路を接続し、上記下段のスイッチング素子の出力に第三のスイッチング回路を接続してあり、上記第二のスイッチング回路の出力には高いバッテリ電圧のバッテリを、上記第三のスイッチング回路の出力には低いバッテリ電圧のバッテリをそれぞれ接続してあり、上記第二及び第三のスイッチング回路を動作させて、バッテリ電圧が高いバッテリから充電を開始し、一定のサイクルで高いバッテリと低いバッテリをそれぞれ充電し、これら二つのバッテリ電圧が定格電圧になるように制御する制御手段を備えてあることを特徴とする多出力バッテリ充電装置。
  2. 上記制御手段として、上記二つのバッテリ電圧を検出し、上記単相又は三相磁石式発電機の出力電圧波形を正波形と負波形に分け、正波形区間においてはバッテリ電圧が高いバッテリを充電し、負波形区間においてはバッテリ電圧が低いバッテリを充電して二つのバッテリ電圧が定格電圧になるように制御することを特徴とする請求項1記載の多出力バッテリ充電装置。
  3. 上記制御手段として、上記二つのバッテリ電圧を検出し、上記単相又は三相磁石式発電機の出力電圧波形の位相角を2つに割りふり、先の区間においてはバッテリ電圧が高いバッテリを充電し、後の区間においてはバッテリ電圧が低いバッテリを充電して二つのバッテリ電圧が定格電圧になるように制御することを特徴とする請求項1記載の多出力バッテリ充電装置。
  4. 上記制御手段として、上記二つのバッテリ電圧を検出し、上記三相磁石式発電機の出力電圧波形の3つの相の先の2つの相(u相、v相)と後の1つの相(w相)とに割りふり、上記先の2つの相においてはバッテリ電圧が高いバッテリを充電し、上記後の1つの相においてはバッテリ電圧が低いバッテリを充電して二つのバッテリ電圧が定格電圧になるように制御することを特徴とする請求項1記載の多出力バッテリ充電装置。
  5. 上記第三のスイッチング回路と並列に第四のスイッチング回路を接続し、エンジン停止時において、上記バッテリ電圧が低いバッテリから上記第四のスイッチング回路を介して、上記発電機の発電コイルに通電し、上記第一のスイッチング回路でスイッチングすることにより上記バッテリ電圧が高いバッテリに充電させるように構成してあることを特徴とした請求項1乃至4のいずれかに記載の多出力バッテリ充電装置。
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