JP4229245B2 - マンガン乾電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はセパレータに改良を加えてパルス放電特性を向上し、かつ長期間の高温下での貯蔵特性を改善させたマンガン乾電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
正極作用物質として二酸化マンガン,負極作用物質として亜鉛または亜鉛合金,電解液として塩化亜鉛を主成分とする水溶液を用いたマンガン乾電池が知られている。このようなマンガン乾電池では、電池の放電反応の際に負極と正極合剤の間で電解液を介して電子の授受が行われる。近年、電池としての用途が、携帯用ラジオや懐中電灯などのいわゆる数十分から数時間連続して使う機器よりも、リモコンなどのパルス的に使用する機器のほうが多くなり、それに伴い電池の求められる性能も変化している。つまり、パルス放電性能の向上が近年求められるようになった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況に対応し、セパレータに塗布する糊料の種類を検討した結果、電解液の保持力が大きな膨潤性の高い澱粉(8%ブラベンダービスコグラフによる95℃保持でのトルクが1000BU以上の澱粉)を使用することで、パルス放電特性が大幅に改善できることがわかった。
【0004】
しかしながら、この澱粉は膨潤性が高いゆえに、低い澱粉と比較して架橋が不十分であり、高温下(55℃以上)で長期間貯蔵させると架橋が切れ易くなって、電池性能が従来よりも劣ってしまうといった問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題に対処してなされたもので、マンガン電池におけるパルス放電特性を向上し、かつ長期間の高温下での貯蔵特性を改善させることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、二酸化マンガン正極と亜鉛負極との間に塗料を塗布したセパレータが設置されているマンガン電池において、上記塗料として、8%ブラベンダービスコグラフによる95℃保持でのトルクが1000BU(ブラベンダーユニット)以上の澱粉と、12%ブラベンダービスコグラフによる95℃保持でのトルクが1500BU以下の澱粉とを、混合使用したことを特徴とする。
【0007】
本発明で用いられる澱粉は上記性状を有するものであって、コーンスターチ,タピオカ,馬鈴薯澱粉等の通常マンガン電池のセパレータ用糊料として用いられる澱粉に、架橋剤を用いて架橋処理して上記数値範囲としたものであり、架橋剤としては、エピクロルヒドリン,オキシ塩化リン,トリメタリン酸ナトリウム,アクロレイン,ホルマリン等が用いられる。なかでもオキシ塩化リン,トリメタリン酸ナトリウムまたはエピクロルヒドリンで架橋したものが好ましい。
【0008】
マンガン電池の放電における電気化学反応は前述したように電子の授受であり、パルス放電のような瞬時に行われる反応ではセパレータに保持される電解液量が大きく左右するものと思われる。8%ブラベンダービスコグラフによる95℃保持でのトルクが1000BU以上の高い澱粉を使用すると、溶媒に対する澱粉の膨潤が大きくなり、電解液に対する澱粉の反応性が高くなるため、パルス放電が良好になると考えられる。
【0009】
しかしながら、膨潤しやすい澱粉だけだと架橋が不十分であるため、高温下(55℃以上)で長期間貯蔵させると電池の性能低下を招いてしまう。そのため架橋が十分で膨潤しにくく高温下でも澱粉が崩壊しない12%ブラベンダービスコグラフによる95℃保持でのトルクが1500BU以下の澱粉を混合使用することで、今まで問題のあった高温特性を改善することができる。
澱粉の混合比率は、50%対50%の比率が望ましいが、どちらの澱粉も40〜60%あればパルス放電も高温貯蔵特性も大きな効果が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例および比較例によって詳細に説明する。
(実施例1)
図1は本発明の一実施例の断面図である。この図において、1は負極亜鉛缶で、この亜鉛缶1の内部には、澱粉,合成糊剤などよりなる糊層が形成されたセパレータ2を糊層が亜鉛缶1に接するように収納されている。セパレータ2の内側には、炭素棒4を中央に埋設した正極合剤3が充填されている。この正極合剤3は、二酸化マンガンとアセチレンブラックなどの導電剤と塩化亜鉛あるいは塩化アンモニウムの電解液とを混合した成形体からなっている。5はプラスチック封口体で、中央の透孔に炭素棒4を挿入している。6は炭素棒4の頂部に嵌着した金属製の正極端子板,7は亜鉛缶1の外底部に当接した金属製の負極端子板である。8は亜鉛缶外周壁を被包している熱収縮性でかつ柔軟性の架橋ポリオレフィンチューブからなる絶縁チューブ,9は金属外装缶で、上下端を内方向へ折曲して乾電池全体を封口している。10はシール剤である。
【0011】
上記において、セパレータ2は、ポリビニルアルコール1.5重量部,8%ブラベンダービスコグラフによる95℃保持でのトルクが1200BUの架橋エーテル化コーンスターチ澱粉20重量部,12%ブラベンダービスコグラフによる95℃保持でのトルクが600BUの架橋エーテル化コーンスターチ澱粉20重量部,水49.5重量部からなるスラリーを、30±3g/cm2 の塗布量でクラフト紙に塗布し、約105℃で熱風乾燥したものである。これらの架橋エーテル化コーンスターチは、オキシ塩化リンまたはトリメタリン酸ナトリウムを架橋剤として用いて架橋したヒドロキシプロピル化澱粉で、前者澱粉の架橋リン含有%は0.0020〜0.0044、後者澱粉の架橋リン含有%は0.0324〜0.0352の範囲である。
このセパレータを用いて図1に示すR20(単1)タイプのマンガン乾電池を製作し、実施例1とした。
【0012】
(実施例2)
上記糊料の混合比率を、8%ブラベンダービスコグラフによる95℃保持でのトルクが1200BUの架橋エーテル化コーンスターチ澱粉(以下「澱粉▲1▼」)16重量部、12%ブラベンダービスコグラフによる95℃保持でのトルクが600BUの架橋エーテル化コーンスターチ澱粉(以下「澱粉▲2▼」)24重量部にした以外は実施例1と同様にして、R20タイプのマンガン電池を作成した。
【0013】
(実施例3)
上記糊料の混合比率を澱粉▲1▼24重量部,澱粉▲2▼16重量部にした以外は実施例1と同様にしてR20タイプのマンガン電池を作成した。
【0014】
(実施例4)
上記糊料の混合比率を澱粉▲1▼15重量部,澱粉▲2▼25重量部にした以外は実施例1と同様にしてR20タイプのマンガン電池を作成した。
【0015】
(実施例5)
上記糊料の混合比率を澱粉▲1▼25重量部,澱粉▲2▼15重量部にした以外は実施例1と同様にしてR20タイプのマンガン電池を作成した。
【0016】
(比較例1)
架橋エーテル化コーンスターチ澱粉を、8%ブラベンダービスコグラフによる95℃保持でのトルクが900BUの架橋エーテル化コーンスターチ澱粉(以下「澱粉▲3▼」)20重量部、澱粉▲2▼20重量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてR20タイプのマンガン電池を作成した。
【0017】
(比較例2)
澱粉▲1▼20重量部、12%ブラベンダービスコグラフによる95℃保持でのトルクが1600BUの架橋エーテル化コーンスターチ澱粉(以下「澱粉▲4▼」)20重量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてR20タイプのマンガン電池を作成した。
【0018】
(比較例3)
澱粉▲3▼20重量部、12%ブラベンダービスコグラフによる95℃保持でのトルクが1800BUの架橋エーテル化コーンスターチ澱粉(以下「澱粉▲5▼」)20重量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてR20タイプのマンガン電池を作成した。
【0019】
(比較例4)
澱粉▲1▼40重量部のみで、他に澱粉を混合しなかった以外は、実施例1と同様にしてR20タイプのマンガン電池を作成した。
【0020】
(比較例5)
澱粉▲2▼40重量部のみで、他に澱粉を混合しなかった以外は、実施例1と同様にしてR20タイプのマンガン電池を作成した。
【0021】
以上の各実施例及び各比較例の電池について以下の試験を行った。
各電池を20℃で7日間静置後、20℃にて500mA定電流で5秒ON,245秒OFFのパルス放電を行い、0.9Vまでの持続時間を測定した。
また、60℃の恒温にて30日間貯蔵後、電池の電流値を測定した。
【0022】
以上の試験をそれぞれ30個づつの電池で行い、その平均値を求めた。結果を図2に示す。
以上の結果から明らかなように、澱粉▲1▼及び澱粉▲2▼を混合使用したマンガン電池は、いずれもパルス放電特性が向上しかつ高温下での貯蔵特性も良好であることがわかる。また、実施例4及び5と実施例1〜3とを比較すると、上記の混合比は両者とも40〜60重量%の範囲が好ましいことが分かる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のマンガン乾電池は、セパレータに塗布する糊料を改良したことにより、パルス放電特性および高温での貯蔵特性を向上することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるマンガン乾電池の断面図。
【図2】実施例及び比較例におけるパルス放電特性及び貯蔵特性の試験結果を示す図。
【符号の説明】
1…負極亜鉛缶、2…セパレータ、3…正極合剤、4…炭素棒、5…プラスチック封口体、6…正極端子板、7…負極端子板、8…絶縁チューブ、9…金属外装缶、10…シール剤。
Claims (3)
- 二酸化マンガン正極と亜鉛負極との間に糊料を塗布したセパレータが設置されているマンガン電池において、上記糊料として、8%ブラベンダービスコグラフによる95℃保持でのトルクが1000BU以上の澱粉と、12%ブラベンダービスコグラフによる95℃保持でのトルクが1500BU以下の澱粉とを、混合使用したことを特徴とするマンガン乾電池。
- 上記糊料の混合比率は、8%ブラベンダービスコグラフによる95℃保持でのトルクが1000BU以上の澱粉が40〜60重量%の範囲、12%ブラベンダービスコグラフによる95℃保持でのトルクが1500BU以下の澱粉が40〜60重量%の範囲である請求項1記載のマンガン乾電池。
- 上記糊料中の澱粉がオキシ塩化リン,トリメタリン酸ナトリウムまたはエピクロルヒドリンで架橋したヒドロキシプロピル化澱粉である請求項1記載のマンガン乾電池。
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1998
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