JP4229070B2 - 制御弁および制御弁を備えた燃料噴射弁 - Google Patents
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Description
この制御弁100は、図4に示す様に、高圧ポート110と低圧ポート120及び制御ポート130を有する弁室140と、この弁室140に収容される弁体150とを備え、この弁体150が駆動されて、高圧ポート110と低圧ポート120の何方か一方を選択的に閉じることで、制御ポート130の圧力を制御している。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、作動の安定性を向上できる制御弁およびこの制御弁を備えた燃料噴射弁を提供することにある。
本発明は、低圧ポートと高圧ポートおよび制御ポートを有する弁室と、この弁室に収容され、低圧ポートと高圧ポートの何方か一方を選択的に閉じることができる弁体とを備え、弁体を駆動して、高圧ポートと低圧ポートの何方か一方を選択的に閉じることで、制御ポートの圧力を制御する制御弁であって、弁体は、低圧ポートを閉じる時に、低圧ポート側の弁シートに着座する低圧シート部を有すると共に、この低圧シート部の内周側に低圧シート部から所定の深さhを有する凹部が形成され、この凹部は、深さhが0.05mm以上、且つ、0.3mm以下であり、さらに、深さhが一定となる平坦な底面を有していることを特徴とする。
また、凹部の深さhが小さ過ぎると、弁体が低圧ポートを閉じる際に、燃料中に含まれる異物を挟み込んで、シートが不完全になる恐れがある。このため、凹部の深さhを0.05mm以上に設定することで、異物の挟み込みを防止できる。
請求項1に記載した制御弁において、凹部の外周側壁面は、凹部の底面外周径から低圧シート部の内周径に向かって上り傾斜するテーパ形状に設けられていることを特徴とする。
本発明の制御弁は、弁体が低圧ポートを開く際に、弁室から低圧ポートを通ってドレン通路へ高圧燃料が流れるため、低圧シート部の内周側に凹部が形成されていると、凹部で燃料の流れが大きく乱れることにより、急激な圧力変化が生じてキャビテーションが発生する可能性がある。これに対し、凹部の外周側壁面をテーパ形状にすることで、燃料の流れが大きく乱れることなく、急激な圧力変化を抑制できるので、キャビテーションの発生を低減できる。
請求項1または2に記載した制御弁を備えた燃料噴射弁であって、噴孔を有するボディと、このボディの内部に挿入され、噴孔に通じる燃料通路を開閉するニードルと、制御ポートを介して弁室に連通すると共に、制御ポートより導入される圧力がニードルを閉弁方向に付勢する背圧室とを備え、制御弁により背圧室の圧力を増減させてニードルを駆動することを特徴とする。
本発明の制御弁は、高圧ポートと低圧ポートとを切り替えて制御ポートに連通させることで、制御ポートの圧力を制御(増減)できるので、この制御弁を内燃機関用の燃料噴射弁に用いて、背圧室の圧力を制御(増減)することで、ニードルの開閉動作を良好に制御できる。
請求項3に記載した燃料噴射弁において、制御弁の弁体を駆動する駆動手段を備え、この駆動手段は、ピエゾアクチュエータであることを特徴とする。
弁体の駆動手段としてピエゾアクチュエータを用いることにより、制御指令に対して応答性に優れた燃料噴射弁を提供できる。
実施例1に示す燃料噴射弁1は、例えば、ディーゼル機関用の蓄圧式燃料噴射システム(図示せず)に使用されるもので、ディーゼル機関の各気筒に取り付けられ、共通のコモンレール(蓄圧室)より高圧燃料が供給される。
この燃料噴射弁1は、以下に説明するノズル部、背圧制御部、ピエゾ駆動部、および変位伝達部等より構成されると共に、これらの構成部品を収納するハウジング2を備える。
ハウジング2には、ニードル4を保持する筒孔5と、この筒孔5の上部に連通する背圧室6と、筒孔5の下部に連通する燃料溜め室7と、この燃料溜め室7の下方に穿設されたサック室8等が形成され、このサック室8に噴孔3が通じている。
背圧室6と燃料溜め室7は、それぞれ高圧通路9に接続され、コモンレールより供給される高圧燃料が高圧通路9を通じて導入される。但し、背圧室6の燃料圧力は、後述の背圧制御部を介して制御される。なお、ハウジング2には、前記高圧通路9と、燃料タンク(図示せず)に接続されるドレン通路10等の燃料通路が形成されている。
弁室13には、弁室13の下端面に開口して高圧通路9に連通する高圧ポート17と、弁室13の上端面に開口してドレン通路10に連通する低圧ポート18と、弁室13の側面に開口して制御用通路12に接続される制御ポート19とが形成されている。
この弁体14には、図1に示す様に、低圧ポート18を閉じる時に、低圧ポート18側の弁シート20(弁室13の上端面)に着座する上シート部14aと、高圧ポート17を閉じる時に、高圧ポート17側の弁シート21(高圧ポート17の開口周縁部)に着座する下シート部14bとが設けられている。また、上シート部14aの内周側には、凹部22が形成されている。この凹部22は、図1に示す様に、上シート部14aから所定の深さhを有し、且つ、その深さhが一定となる平坦な底面を有している。この凹部22によって上シート部14aのシート内径が規定されている。
なお、高圧ポート17側の弁シート21には、下シート部14bの円錐面と平行に面取りが形成されている(図1参照)。
ガイド部16は、ガイド穴15の内周面に微小なクリアランスを有して挿入される円柱形状を有し、ガイド部16より小径の連結部24を介して、弁体14の下シート部14b側に連結され、弁体14と一体に可動する。
ガイド穴15の反高圧ポート側には、スプリング室25が形成され、このスプリング室25に配設されるスプリング26の反力がガイド部16の底面に付与されて、ガイド部16と一体に弁体14を図2の上方(低圧ポート18を閉じる方向)に付勢している。
大径ピストン31は、ピエゾ室28の下方に連通する大径シリンダに摺動自在に挿入され、大径ピストン31の上部に突設されたピストンピン31aが、上記スプリング29の反力を受けてピエゾピストン30の下端面に押圧されている。
プッシュピン33は、小径ピストン32と一体(別体でも良い)に設けられ、小径シリンダの下方に連通するスピル室35に配設されると共に、同じくスピル室35に配設されたスプリング36により図示下方に付勢されて、プッシュピン33の先端が低圧ポート18を通って弁体14の上面に当接している。スピル室35は、低圧ポート18を介して弁室13に連通すると共に、ドレン通路10にも通じている。
ピエゾスタック27の非通電時には、ピエゾスタック27は放電状態となり収縮している。この場合、プッシュピン33を介して弁体14を押圧する力が発生しないため、弁体14に作用する燃料圧力とスプリング26の反力とで弁体14が上方に付勢され、弁体14の上シート部14aが低圧ポート18側の弁シート20に着座して低圧ポート18を閉じている。これにより、背圧室6とドレン通路10との間が遮断され、背圧室6の燃料圧力が高圧になるため、ニードル4に作用する開弁力より閉弁力の方が上回り、ニードル4の弁部4cがサック室8の入口を閉じて閉弁状態を維持することで、噴射は行われない。
そこで、凹部22の深さhと、噴射量のサイクル間変動幅との関係をシミュレーションにより求めると、図3に示す様に、所定の深さh1以下では、噴射量のサイクル間変動幅が急激に小さくなり、噴射精度が向上することが分かった。
また、凹部22の深さhが小さ過ぎると、低圧ポート18側の弁シート20と凹部22との間に、燃料中に含まれる異物等を挟み込んで、低圧シートが不完全になる恐れがあるため、実際上は、0.05mm以上とするのが好ましい。すなわち、凹部22の深さhは、0.05mm≦h≦0.2mmの範囲に設定することで、弁体14の復帰が安定して、噴射精度が向上すると共に、異物等の挟み込みによるシート不良も防止できる。
2 ハウジング(ボディ)
3 噴孔
4 ニードル
6 背圧室
7 燃料溜め室(噴孔に通じる燃料通路)
8 サック室(噴孔に通じる燃料通路)
13 弁室(制御弁)
14 弁体(制御弁)
14a 上シート部(低圧シート部)
17 高圧ポート
18 低圧ポート
19 制御ポート
20 低圧ポート側の弁シート
22 凹部
22a 凹部の外周側壁面
27 ピエゾスタック(駆動手段、ピエゾアクチュエータ)
h 凹部の深さ
Claims (4)
- 低圧ポートと高圧ポートおよび制御ポートを有する弁室と、
この弁室に収容され、前記低圧ポートと前記高圧ポートの何方か一方を選択的に閉じることができる弁体とを備え、
前記弁体を駆動して、前記高圧ポートと前記低圧ポートの何方か一方を選択的に閉じることで、前記制御ポートの圧力を制御する制御弁であって、
前記弁体は、前記低圧ポートを閉じる時に、前記低圧ポート側の弁シートに着座する低圧シート部を有すると共に、この低圧シート部の内周側に前記低圧シート部から所定の深さhを有する凹部が形成され、この凹部は、前記深さhが0.05mm以上、且つ、0.3mm以下であり、さらに、前記深さhが一定となる平坦な底面を有していることを特徴とする制御弁。 - 請求項1に記載した制御弁において、
前記凹部の外周側壁面は、前記凹部の底面外周径から前記低圧シート部の内周径に向かって上り傾斜するテーパ形状に設けられていることを特徴とする制御弁。 - 請求項1または2に記載した制御弁を備えた燃料噴射弁であって、
噴孔を有するボディと、
このボディの内部に挿入され、前記噴孔に通じる燃料通路を開閉するニードルと、
前記制御ポートを介して前記弁室に連通すると共に、前記制御ポートより導入される圧力が前記ニードルを閉弁方向に付勢する背圧室とを備え、
前記制御弁により前記背圧室の圧力を増減させて前記ニードルを駆動することを特徴とする燃料噴射弁。 - 請求項3に記載した燃料噴射弁において、
前記制御弁の弁体を駆動する駆動手段を備え、
この駆動手段は、ピエゾアクチュエータであることを特徴とする燃料噴射弁。
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JP2005007952A JP4229070B2 (ja) | 2005-01-14 | 2005-01-14 | 制御弁および制御弁を備えた燃料噴射弁 |
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JP2006194187A JP2006194187A (ja) | 2006-07-27 |
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2005
- 2005-01-14 JP JP2005007952A patent/JP4229070B2/ja active Active
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