JP4228592B2 - 文字認識装置 - Google Patents
文字認識装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4228592B2 JP4228592B2 JP2002155928A JP2002155928A JP4228592B2 JP 4228592 B2 JP4228592 B2 JP 4228592B2 JP 2002155928 A JP2002155928 A JP 2002155928A JP 2002155928 A JP2002155928 A JP 2002155928A JP 4228592 B2 JP4228592 B2 JP 4228592B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- character
- hidden
- area
- pattern
- density
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像上の文字を認識する文字認識装置に関するものであり、特に文字の一部が隠れたものを認識する文字認識装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図28は、例えば、特開平1−171082に記載の従来の文字認識装置を示す概略構成図である。図において101はカメラ等の撮像装置で得たディジタル画像を記憶する画像メモリ、102は文字の位置や大きさ等の既知の文字配列情報を格納した文字配列情報格納メモリ、103は認識対象のカテゴリに対応した基準パターンを格納した認識辞書を記憶する辞書メモリ、104は画像メモリ101を走査して求めたX方向及びY方向の周辺分布値に基づいて文字パターン(文字を表示する領域全体を囲む最小矩形をいう)を優先して切り出す優先文字切り出し手段、105は優先文字切り出し手段104では切り出すことができなかった文字領域を既に切り出した文字パターンの位置及び大きさ情報と文字配列情報格納メモリ102の内容とから推定して切り出す推定文字切り出し手段、106は推定文字切り出し手段105で切り出した文字パターンから成る領域を走査して求めたY方向の周辺分布値に基づいて文字が欠けた又は隠れた領域を検出する欠け隠れ領域検出手段、107は欠け隠れ領域検出手段106で検出した領域を除外した領域において文字パターンと認識の対象となる文字の基準パターンとを比較して文字を認識する文字認識手段である。
【0003】
次に動作を説明する。座標系は、水平方向をX軸に、垂直方向をY軸にとった場合で説明する。まず、テレビカメラ等で撮像した画像をディジタル化して画像メモリ101に格納する。この時、画像中の文字部分は黒画素、地の部分は白画素となっており、文字は水平方向に並んでいるものとする。
【0004】
優先文字切り出し手段104は、画像メモリ101に格納された入力画像を走査し、水平ライン毎の黒画素数を計数して周辺分布を作成した後、この周辺分布を2値化し、Y方向に黒画素が連続する領域の両端のY座標を求める。次に、黒画素が連続する領域毎にY座標の対で定められる範囲の入力画像を走査し、垂直カラム毎の黒画素を計数して周辺分布を求めた後、この周辺分布を2値化し、黒画素が連続する領域の両端のX座標を求める。以上を通じて求めたY座標の対はパターンの上下端、X座標の対は左右端に相当する。次に、上記Y座標の対とX座標の対を組合せて、パターンに外接する矩形を求め、この矩形の位置及び大きさが所定の範囲内にある文字パターンの矩形を優先して切り出す。この一連の切り出し処理を優先切り出しと呼ぶ。
【0005】
推定文字切り出し手段105は、まず、優先文字切り出し手段104により切り出された文字パターン矩形の位置及び大きさと文字配列情報格納メモリ102の内容である矩形の位置及び大きさとの比率を求め、この比率により優先文字切り出し手段104により切り出された文字パターン矩形の縦横長を伸縮して、その結果と文字配列情報格納メモリ102内の矩形情報とを照合する。またこの照合結果が一致しなかった文字配列情報格納メモリ102内の矩形情報については、照合結果が一致した他の文字パターン矩形のうち照合結果が一致しなかった文字パターン矩形に位置的に最も近いものの矩形に上記比率を掛けることにより、当該矩形情報に対応した矩形座標を推定して切り出す。この一連の切り出し処理を推定切り出しと呼ぶ。
【0006】
欠け隠れ領域検出手段106は、推定文字切り出し手段105により切り出された矩形に対して、同一行にあるものの領域をそれぞれ走査し、水平ライン毎に黒画素数を計数して周辺分布を求め、この周辺分布を所定の閾値で2値化して欠け領域と隠れ領域の境界線のY座標を求める。閾値には、欠け検出用と隠れ検出用の2種類があり、周辺分布値が欠け検出用閾値より小さいところを欠け領域、隠れ検出用閾値より大きいところを隠れ領域とする。
【0007】
次に、文字認識手段107は、優先文字切り出し手段104及び推定文字切り出し手段105で切り出した文字パターンに対して、欠け隠れ領域と重ならないものには全ての画素値が「1」となるマスクパターンを生成し、それ以外のものには、上記境界線のY座標に基づいて欠け隠れ領域と重なる画素の値を「0」、重ならない画素の値を「1」としたマスクパターンを生成する。次に、文字パターンとマスクパターンと辞書メモリ103に記憶された各カテゴリの基準パターンとを重ね合わせることにより類似度を求める。さらに文字認識手段107は、認識対象カテゴリから類似度の大きいカテゴリを候補文字とし、候補文字とその類似度から予め定めた条件を満たすものを認識結果とする。この条件として、「類似度が最大となるもの」という条件を設定した場合は、候補文字のうち類似度が最大となるものを選び、これを認識結果とする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の文字認識装置は以上のように構成されているので、白黒2階調の画像の周辺分布から欠け・隠れ領域を検出している。その結果、文字が真っ白の物体や真っ黒の物体で隠されているのであれば、文字領域を正しく検出できるが、灰色の物体で隠されている場合には、当該物体が表示された2値画像上には、白画素や黒画素が離散的に出現する場合があり、周辺分布の値から隠れ領域を検出できないという課題があった。仮に入力画像を256階調にしたとしても、白地に黒文字のある領域と、全体が灰色の領域とでは、周辺分布の値は同等となるため、上記の方法ではやはり検出できない。
【0009】
また、認識対象となる画像中の文字が、県名などの限定された文字列を構成する場合、特開昭56−145473に記載の、候補文字と類似度の組合せから文字列として最良の結果を求める処理を追加することで、認識精度を高めることができる。しかしこの場合でも、従来の文字認識装置では、隠れが少なく認識しやすい文字パターンと、隠れが大きく誤認識しやすい文字パターンを同等に扱っているため、隠れの大きい一部の文字パターンの影響で正しい文字列を得られないという課題があった。
【0010】
この発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、文字を隠している物体の濃淡によらず、隠れ領域を正しく検出して認識を行うための文字認識装置を提供することを目的としている。また、限定された範囲の文字列を認識する場合に、隠れの大きい一部の文字パターンの影響を抑えて、文字列としての認識結果を高精度に求める文字認識装置を提供することも目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る文字認識装置は、多階調画素により表現された入力画像を2値化して2値画像を作成し、文字が表示された領域を囲む矩形である文字パターンを前記2値画像から検出する文字領域検出手段と、前記文字領域検出手段で検出された文字パターンから分割された分割領域における前記入力画像の濃度特徴量を抽出する最大・最小濃度抽出手段と、前記最大・最小濃度抽出手段で抽出された濃度特徴量に基づき、隠れ領域の隠れ境界位置を検出する隠れ境界検出手段と、前記文字領域検出手段で検出された文字パターンの位置と前記隠れ境界検出手段で検出された隠れ境界位置とに基づき、前記文字パターンの隠れ領域を決定する隠れ領域決定手段と、文字認識の照合のための基準パターンを格納した認識辞書と、前記隠れ領域決定手段で決定された隠れ領域に含まれる前記分割領域を除いた領域について前記基準パターンと前記文字パターンとを照合し認識結果を出力する文字認識手段とを備えるものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の構成図である。図1において、1は画像を入力する画像入力手段、2は文字の位置や大きさの情報である文字配置情報を記憶する文字配置情報記憶手段、3は文字配置情報を参照して入力画像から文字パターンを囲む最小矩形を検出する文字領域検出手段、4は入力画像を部分領域に分割して部分領域毎に最大・最小濃度を抽出する最大・最小濃度抽出手段、5は最大・最小濃度抽出手段4の出力した最大・最小濃度から隠れ領域の境界位置を検出する隠れ境界検出手段、6は文字領域検出手段3の検出した文字パターンの位置及び大きさと隠れ境界検出手段5の検出した隠れ境界位置とに基づいて、文字パターンの隠れ領域を決定する隠れ領域決定手段、7は文字の基準パターンを格納した認識辞書、8は隠れ領域を除いて文字領域検出手段3の検出した文字パターンと認識辞書7内の基準パターンとを照合する文字認識手段である。
【0022】
次に動作を図2により説明する。ステップS1において画像入力手段1は、多階調の画像を入力して入力画像とする。本実施の形態では、各画素の値(濃度)が0から255までの範囲をとる256階調の白黒画像を入力するものとし、また、完全な黒画素の濃度は0、完全な白画素の濃度は255になるものとする。図3は入力画像の例であって、上段に3文字、下段に4文字の2段構成の数字が刻印された文字プレートを写したものであり、上段の数字は灰色の物体13により、その一部が隠されている。
【0023】
次にステップS2において文字領域検出手段3は、入力画像から文字パターンを検出する。本実施の形態では、入力画像を2値化して2値画像を作成し、当該2値画像から文字パターンを検出する。画像の2値化方法としては、例えば電子情報通信学会論文誌 Vol.J63−D No.4 pp349−356の「判別および最小2乗基準に基づく自動しきい値選定法」に記載の方法を用いて2値化閾値を算出し、濃度が2値化閾値より大きい画素を白、2値化閾値以下の画素を黒にする方法を用いる。また文字配置情報格納手段2は、処理対象となる画像上に表示されている文字の位置や大きさを予め記憶する手段であって、文字領域検出手段3は、文字配置情報格納手段2が記憶する文字の位置や大きさについての情報を参照しながら、2値画像に対して従来と同様の手順による優先切り出し・推定切り出しを行って、文字パターンを検出する。
【0024】
図4は、図3の入力画像を2値化した2値画像である。図3において、文字を隠している物体13は全体的に灰色であるとする。図3の物体領域13を2値化すると、図4において物体領域14のようになる。これは図3の物体領域13を表す画素のうち、濃度がやや大きめの画素が白、やや小さめの画素が黒となって、全体ではまだらになるからである。このように、まだらな2値画像の周辺分布値は、極度に大きくも小さくもならず、中間的な値となる。このため、従来の周辺分布をとる方法では、この隠れ領域を検出できない。図5は、文字領域検出手段3の文字パターン検出結果であって、下の段の文字パターン15〜18は優先切り出しによって検出したものであり、上の段の文字パターン19〜21は推定切り出しによって検出したものである。
【0025】
ステップS3において最大・最小濃度抽出手段4は、文字領域検出手段3が検出した文字パターンのうち、隠れ領域を有する可能性があるものを部分領域に分割して、各部分領域の最大濃度と最小濃度を抽出する。ここで、文字パターンが隠れ領域を有する可能性があるか否かを判定する方法としては、その文字パターンを切り出した処理に基づく方法が考えられる。例えば、ある文字パターンが優先切り出しによっては切り出すことができず、一方、推定切り出しによって切り出すことができるのであれば、この文字パターンは隠れ領域を有する可能性がある。
【0026】
本実施の形態では、最大・最小濃度抽出手段4が部分領域分割を行う方法として、画像を水平方向に分割する方法を用いる。例えば、推定切り出しにより求めた図6の領域22を隠れ候補領域とし、図7のように図6の領域22を水平方向に分割する。最大・最小濃度抽出手段4は、この領域22の各部分領域の濃度特徴量として、それぞれの領域を構成する画素の濃度のうち、最も大きなものを最大濃度とし、最も小さな物を最小濃度とする。図8に示す表は、最大・最小濃度抽出手段4が図6を分割した各領域より抽出した最大濃度と最小濃度の例である。なお図8において、部分領域の番号が小さいものほど上部にある部分領域であることを示す。
【0027】
次にステップS4において隠れ境界検出手段5は、最大・最小濃度抽出手段4の求めた最大・最小濃度から、隠れ領域の境界位置を検出する。本実施の形態において、隠れ境界検出手段5は、隠れ領域の境界位置を検出するために、まず各部分領域における最大濃度と最小濃度の差(以下この値のことを単純に濃度差という)を算出する。続いて各部分領域について、隣接する一方の部分領域の濃度差が所定の閾値以上であって、隣接するもう一方の部分領域の濃度差がこの閾値未満となるものを検出し、この条件を満たす部分領域を隠れ境界位置とする。一般に、文字の見えている領域では、文字部と地の部分とのコントラスト、すなわち濃度差が一定以上の値となり、一方、隠れを引き起こしている物体の濃度が概ね均一である場合には、隠れ部分の濃度差は小さくなる。この違いをとらえることで、隠れ境界を検出できる。
【0028】
図8の最大・最小濃度の例に基づき、各部分領域の濃度差を算出すると、図9に示す値となる。図9において、上記所定の閾値を80とし、連続する部分領域2から9について、それぞれ隣接する部分領域間の濃度差の変位がこの閾値を超える箇所を求めると、部分領域3と4の間で変位が閾値以上となる。なおここで、最も上にある部分領域1と最も下にある部分領域10については、文字パターンの上下端に対応するため、隠れがなくとも濃度差の小さくなるケースがあることから、本実施の形態では、この二つの部分領域は処理対象から除外することとしている。以上の処理によって、図9の部分領域3と4の境界に隠れ境界が存在すると特定することができる。図10は、この処理により特定した隠れ境界を示すものであって、座標位置23が隠れ境界となる。
【0029】
次にステップS5において、隠れ領域決定手段6は、隠れ境界検出手段5の検出した隠れ境界位置と、文字領域検出手段3の検出した文字パターンの矩形位置とに基づいて、個々の文字パターンにおける隠れ領域を決定する。これまでのステップにおいて、それぞれの座標が得られているので、ステップS5は数値計算により容易に実現できる。図11は、図5の文字パターン検出結果と図10の隠れ境界検出結果に対する隠れ領域決定結果を示す図であり、24〜26が文字パターン19〜21の隠れ領域である。
【0030】
ステップS6において文字認識手段8は、認識辞書7に格納された基準パターンと検出された文字パターンとを照合し、文字認識を行う。例えば、従来と同様の手順で、隠れのある領域とない領域とで値の異なるマスクパターンを作成し、式1により各基準パターンに対する類似度を算出して、類似度の最も大きい基準パターンのカテゴリを出力する。
【0031】
【数1】
【0032】
以上のように、本実施の形態によれば、隠れを引き起こしている物体の濃度によらず、正しく隠れ領域を検出でき、隠れのある文字を認識することができる。なお、本実施の形態では、入力画像を256階調としたが、これは1024階調や16階調など、他の階調数としても同様の方法で隠れのある文字を認識することができる。
【0033】
また本実施の形態では、2値化方法について前記文献記載の方法を用いたが、この方法の代わりに例えば信学技報PRMU96−46「ナンバープレート認識装置の開発」における「2.2 プレート2値化部」に記載の方法など、他の方法を用いることもできる。
【0034】
また本実施の形態では、隠れ候補領域を水平方向に長い部分領域へ分割したが、他の分割方法を採用することも可能である。例えば隠れ境界が垂直になるケースでは、垂直方向に長い部分領域への分割が有効である。また、部分領域の最大・最小濃度を、各部分領域を構成する画素の濃度のうち最も大きいものと最も小さいものとしたが、例えばノイズ耐性を高めるため、大きい方からN番目(Nは整数)の濃度と小さい方からN番目の濃度としたり、大きい方と小さい方からN個ずつ抽出した濃度をそれぞれ平均した値とするなど、他の方法で求めることもできる。また文字認識における類似度計算は、マスクパターンを用いる式1の方法を採用したが、これは隠れ領域のパターンを類似度計算に反映させない方法であれば、他の方法を用いることもできる。
【0035】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2は、大きく傾斜した状態で取り付けられた文字プレート上の文字を認識できる文字認識装置に係るものである。本実施の形態の構成は実施の形態1と同じであるため、構成図として図1を用いる。また、本実施の形態の処理フローについても実施の形態1と同じであるため、処理フローを示す図として図2を用いる。ただし、本実施の形態において、文字配置情報格納手段2は、文字の位置やサイズについての情報に加えて、隠れが発生するか否かの情報についても文字毎に保持しているものとする。また、本実施の形態において、文字領域検出手段3は、文字配置情報格納手段2の記憶するこれらの情報を用いて処理を行う。
【0036】
ステップS2において文字領域検出手段3は、入力画像を2値化して2値画像を作成し、文字配置情報格納手段2の内容を参照して当該2値画像から文字を検出する。本実施の形態において、文字配置情報格納手段2が記憶する情報とは、入力画像上の文字が隠れ領域を有するか否かを示すものである。例えば、自動車のナンバープレートの画像を取り込む場合、ナンバープレート上部は自動車のバンパーやその影の影響で隠れ領域が発生しうることは予め判明しているので、そのような事実に基づいて文字配置情報格納手段2の記憶する情報を構成するものとする。本実施の形態では、例えば図12の2段構成の文字プレートに対しては、上方の段を構成する2文字を隠れの発生する文字とし、下方の段を構成する3文字を隠れの発生しない文字としているものとする。また文字配置情報格納手段2は、文字の位置とサイズについての情報として、隠れの発生しない下段の文字については、従来の優先切り出しで用いている文字パターンの絶対的な大きさではなく、「パターン幅の2倍程度の間隔で水平方向に均等に並んでいる3文字」を記憶しているものとする。
【0037】
文字領域検出手段3は、図13の画像に対して、まず文字配置情報格納手段2の記憶する情報に基づいて、隠れの発生しない文字パターンとして27〜29のパターンを検出する。次に、この文字パターン27〜29の検出位置と大きさを基準として、従来の推定切り出しと同様の処理を行って、文字パターン30〜31を検出する。図13のように大きく縮んだ画像を対象とした場合、全ての文字パターンの高さが小さいため、従来の方法における優先切り出しでは文字パターンを検出することができないが、本実施の形態による方法によれば、隠れの発生しない文字の情報を保持し、当該文字の検出位置を基準とすることで、文字パターンの大きさが極度に変わっても検出することができる。
【0038】
次に、ステップS3において最大・最小濃度抽出手段4は、推定切り出しにより検出された各文字パターンについて、水平方向に長い部分領域に分割し、最大濃度と最小濃度を抽出する。ここで、最大濃度と最小濃度を抽出するためには、各領域内に異なる濃度の画素が存在することが前提となる。しかし文字の形状によっては、部分領域全体を黒画素で満たしてしまう場合も考えられる。例えば、本実施の形態においても、実施の形態1と同様に水平方向に領域分割するが、そうすると、漢字の「大」のような文字が表示されている場合には、部分領域によっては黒画素のみを含む場合も考えられる。このような場合に対応するために、本実施の形態では各文字パターンの矩形の位置座標を2乃至3ピクセル程度拡張することによって、矩形のサイズを拡大して処理するものとする。図14は、このようにして拡張した文字パターン領域の例を示すものであって、同図の32は、図13の推定切り出しパターン31に対応した隠れ候補領域である。図15の表33における最大濃度と最小濃度は隠れ候補領域32からの抽出結果を示し、実施の形態1と同様に、部分領域の番号が小さいものほど上部にある部分領域であることを示す。
【0039】
次にステップS4において、隠れ境界検出手段5は、最大・最小濃度抽出手段4の求めた最大濃度と最小濃度から、隠れ領域の境界位置を検出する。そのためにはまず、各部分領域の最大濃度と最小濃度からそれぞれ濃度差を求めるとともに、濃度差の最大値を求め、この濃度差の最大値から隠れ境界検出のための第一の閾値を算出する。続いて、各部分領域の最大濃度の最大値を求め、この値から隠れ境界検出のための第二の閾値を算出する。次に、隣接する部分領域において、片方の濃度差が第一の閾値以上で、他方の濃度差が第一の閾値未満となり、かつ、当該部分領域間で最大濃度の差が第二の閾値以上あるところを求め、この位置を隠れ境界位置とする。なお、本実施の形態では、実施の形態1とは異なり、最も上にある部分領域と最も下にある部分領域も処理対象に加えるものとする。
【0040】
図15の例では、濃度差の最大値は127であり、例えば、第一の閾値を濃度差の最大値の1/2として小数点以下を切り捨てるものとして求めると、第一の閾値は63となる。また、最大濃度の最大値は182であり、例えば、第二の閾値を最大濃度の最大値の20%として小数点以下を切り捨てるものとして求めると、第二の閾値は36となる。この二つの閾値を用いて、図15の表33を参照すると、部分領域1の濃度差が第1の閾値未満、部分領域2の濃度差が第1の閾値以上、かつ部分領域1と部分領域2の最大濃度の差が第2の閾値以上となり、部分領域1と部分領域2の境界位置が隠れ境界として検出される。同時に、濃度差の小さい部分領域1を隠れのある領域、濃度差の大きい部分領域2から下方を隠れのない領域と判定する。
【0041】
ステップS4で用いた第二の閾値は、文字プレートの地部分が連続しているかどうかを検証するためのものである。文字の端の部分では、文字の濃度は地部分の濃度に近づくが、他物体に隠されていなければ地部分の濃度は変わらない。本実施の形態では、白地(濃度大)に黒文字(濃度小)の例としたため、最大濃度が地部分の濃度に該当し、最大濃度の変化を条件に加えることで、文字の端の部分でも隠れが発生しているかどうかを判定できる。例えば、図14の表33における部分領域9と10(文字の下端部分)では、第一の閾値の条件は満足するが、第二の閾値の条件は満足しないため、この位置を隠れ境界として誤検出することはない。
【0042】
次にステップS5において、隠れ領域決定手段6は、実施の形態1と同様の手順で、隠れ境界検出手段5の検出した隠れ境界位置と文字領域検出手段3の検出した文字パターンの矩形位置から各文字パターンの隠れ領域を決定する。
【0043】
続いてステップS6において、文字認識手段8は、認識辞書7に格納された基準パターンと検出された文字パターンとを照合して文字認識を行う。本実施の形態では、このステップの最後で認識結果の棄却判定を行うものとし、さらに、文字パターンの隠れの程度に応じて、棄却判定方法を切り替えるものとする。棄却条件としては、例えば、式2と式3のどちらかが成立したら棄却(認識不可)とし、隠れの程度に応じて、式2と式3の閾値を切り替える。すなわち、大きく隠れているものほど、式2のC1とC2を大きくし、厳しく棄却判定を行う。これは、隠れのある文字パターンは、隠れのない文字パターンに比べてパターンが不安定であり、誤認識が発生し易いためである。
【0044】
【数2】
【0045】
以上のように、本実施の形態によれば、文字プレート等が大きく傾斜した状態で取り付けられたために、標準状態に比べて大きく縮んだ画像上の文字についても、文字領域検出や隠れ領域検出を行うことができる。また、隠れ境界検出の閾値を各部分領域の最大・最小濃度から決定するため、画像の明るさを反映させた適正な閾値を用いることができ、明るさが変化しても正しく隠れ境界を検出できる。また濃度差に加えて、最大濃度の変化を条件として隠れ境界を検出することで、文字の端の領域であっても正しく隠れ境界を検出できる。また隠れの程度に応じて、棄却判定方法を切り替えることにより、隠れのある文字パターンの誤認識を抑えることができる。なお本実施の形態では、隠れ境界検出のための二つの閾値をともに計算により求めたが、どちらか一方あるいは双方を固定値としてもよい。また、隠れ境界検出の条件を、濃度差と最大濃度としたが、黒地に白文字の場合は最小濃度が地部分に対応するため、濃度差と最小濃度の組合せとすることも可能である。
【0046】
また本実施の形態では、縦方向が縮んだ文字パターンについて文字認識を行う場合について説明したが、横方向が縮んだ文字パターンについても同じように認識することが可能である。
【0047】
実施の形態3.
図16は、本発明の実施の形態3の構成図である。本実施の形態は、隠れ領域が文字パターンの大部分を占めてしまっているために、その文字パターン単独の処理によっては、正しい文字認識を行うことが困難である場合に、このような文字パターンを含む入力画像上の文字を認識する処理に関するものである。
【0048】
図16において、6は文字領域検出手段3の検出した文字パターンの位置及び大きさと文字配置情報格納手段2に格納された文字配置情報とに基づいて、文字パターンの隠れ領域を求める隠れ領域決定手段である。9は隠れ領域決定手段6の求めた隠れ領域の大きさに基づいて、各文字パターンの信頼度を求める信頼度決定手段である。10は信頼度決定手段9の求めた信頼度に基づいて、文字パターンを選択するパターン選択手段である。11は入力画像中に出現し得る文字の組合せをコード列(ASCIIやEBCDICコード体系等による文字コード)として格納した文字列格納手段である。12は信頼度決定手段9の求めた文字パターンの信頼度と、文字認識手段8の出力した候補文字及び類似度と、文字コード列格納手段11に格納された文字コード列とに基づいて、認識結果を決定する認識結果決定手段である。
【0049】
次に動作を図17を用いて説明する。ステップT1において、画像入力手段1は画像を入力する。本実施の形態では、従来と同様に2値画像を処理するものとし、入力画像は図18に示す白黒の2値画像となっているものとする。本実施の形態では、図18の上段の文字パターン全体と、下段の文字パターン全体をそれぞれ一個の文字列とみなして処理を行う。
【0050】
次にステップT2において、文字領域検出手段3は、この入力画像から、文字配置情報格納手段2に格納されている各文字の位置及び大きさの情報に基づいて、従来と同様の手順で優先切り出し・推定切り出しを行い、各文字パターンを検出する。図19は文字パターン検出結果を示しており、下方の段の文字パターン35〜38が優先切り出しで検出されたものであって、図18の物体34に隠されている上方の段の文字パターン39〜41が推定切り出しで検出されたものである。
【0051】
次にステップT3において、隠れ領域決定手段6は、従来と同様に、推定切り出しによって検出された文字パターン39乃至41の領域それぞれに対して、水平ライン毎に黒画素数を計数して周辺分布を求め、この周辺分布を所定の閾値で2値化して隠れ領域を求める。図19の文字パターン39乃至41に対しては、図20の42乃至44が隠れ領域として求められる。
【0052】
次にステップT4において、信頼度決定手段9は、隠れ領域決定手段6の求めた各文字パターンのうち、隠れ領域の面積の比率に応じて、信頼度を決定する。一般に文字パターンにおいては、隠れ領域の面積が占める比率が大きくなるほど、文字認識は困難となる。そのため、基準パターンとの照合によって一致する文字を検出できたとしても、隠れ領域が大きい場合には、その検出結果の信頼性は低くなる。本実施の形態における信頼度とは、このような関係を表現するために導入するものである。本実施の形態では、信頼度をA〜Eの5段階とし、Aは隠れなし、Bは隠れ領域の面積がパターン全体の15%未満、Cは隠れ領域の面積がパターン全体の15%以上25%未満、Dは隠れ領域の面積がパターン全体の25%以上50%未満、Eは隠れ領域の面積がパターン全体の50%以上、とする。この時、図19の文字パターンについては、文字パターン35〜38が信頼度A、文字パターン39が信頼度B、文字パターン40が信頼度D、文字パターン41の信頼度Eとなる。
【0053】
次にステップT5において、信頼度検定手段10は、信頼度決定手段9の求めた信頼度によって文字認識を行う文字パターンを選択する。信頼度によっては、仮に認識結果が得られたとしても、正しい認識結果ではない場合も考えられるからである。本実施の形態では、信頼度検定手段10は信頼度A〜Dの文字パターンのみを文字認識を行う文字パターンとして選択する。この結果、図19において、文字パターン41については文字認識を行わず、他の文字パターンについて文字認識を行う。
【0054】
次にステップT6において、文字認識手段8は、信頼度検定手段10が選択した文字パターンを認識し、それぞれ複数の候補文字と類似度を出力する。また、信頼度検定手段10が選択しなかった文字パターンについては、候補文字なしとする。
【0055】
次にステップT7において、認識結果決定手段12は、信頼度検定手段10が文字認識を行うことと決定した文字パターンと文字コード列記憶手段11の記憶する文字列との類似度を式3を用いて決定する。式4においてWijは各信頼度について定められた値とし、本実施例では、例えば信頼度Aの文字パターンは1.0、信頼度Bは0.9、信頼度Cは0.8、信頼度Dは0.5、信頼度Eは0.0の値を用いることとする。また文字コード列記憶手段11には、上方の段に出現し得る文字列として、例えば、「春日部」や「名古屋」など、三文字からなる文字列が複数格納されているものとする。式4においてNは文字列の長さであって、本実施の形態においてはN=3とする。
【0056】
【数3】
【0057】
以上のように、本実施の形態によれば、文字列の照合を用いた補間処理によって、隠れのある文字パターンの認識を効率的に行うことができる。すなわち、隠れの程度が大きいために正確な認識が困難である文字パターンについては、他の文字パターンの認識結果と文字列との部分照合を行い、一致した文字列を求め、この文字列の構成文字から認識が困難な文字パターンの認識結果を得ることで、無駄な認識動作を回避できる。また、隠れの程度に応じて重み付けし文字列照合を行うことで、誤認識する可能性の高い、隠れ量の大きな文字パターンによる悪影響を低減できる。
【0058】
なお、本実施の形態において、文字列格納手段11は文字コード列を格納するものとしたが、文字コード以外にも文字列に対するハッシュ値や文字列テーブルへのインデックス値等を用いてもよい。
【0059】
実施の形態4.
以下に、この発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態は、回転式の計測結果表示部を有する計測機器の計測結果表示部の文字を認識するものである。実施の形態3と同様に構成図については図16を用いる。なお本実施の形態において、文字列格納手段11は回転式の計測結果表示部上に出現する数字コード列を記憶するものとする。
【0060】
次に動作を図により説明する。本実施の形態の処理フローを図21に示す。ステップU1において、実施の形態3と同様の手順で画像入力を行う。図22は、本実施の形態における入力画像の例である。続いてステップU2において、文字領域検出手段3は、文字配置情報格納手段2の内容を参照し、入力画像から文字パターンを検出する。本実施の形態では、3桁の数字よりなる計測結果表示部の文字を認識することを目的とするが、回転式の計測結果表示部には、同一桁に2個の文字パターンが出現することがあるため、入力画像に対して、総研出版発行「コンピュータ画像処理入門」P.75〜76記載のラベリングを用いて黒画素の連結成分をパターンとして抽出し、各桁の対応位置から、パターンの幅・高さが所定範囲内である最大2個のパターンを検出するものとする。図23は、図22の入力画像に対する文字領域検出手段3の検出結果を示し、45〜46が1桁目に対応する文字パターン、47〜48が2桁目に対応する文字パターン、49〜50が3桁目に対応する文字パターンである。
【0061】
ステップU3において、隠れ領域決定手段6は、文字領域検出手段2の検出した文字パターンの相対位置とパターン幅・高さ、さらに文字配置情報格納手段2に格納された標準文字サイズに基づいて、各文字パターンの隠れ領域を決定する。例えば、文字パターン49については、パターン高さが標準高さより小さく、また下方に別パターンがあるため、パターン領域の上部に(標準文字高さ−パターン高さ)の隠れ領域があるものと見なす。なお、標準文字高さと認識辞書7内の基準パターンの高さは同じ値であるものとする。
【0062】
ステップU4において、信頼度決定手段9は、隠れ領域決定手段6の求めた各文字パターンの隠れ量に応じて、実施の形態3と同様に信頼度を決定する。本実施の形態では、信頼度はA〜Dの4段階とし、例えば、Aは隠れなし、Bは隠れ領域の高さがパターン全体の15%未満、Cは隠れ領域の高さがパターン全体の15%以上80%未満、Dは隠れ領域の高さがパターン全体の80%以上とする。
【0063】
ステップU5において、パターン選択手段10は、信頼度決定手段9の求めた信頼度に基づいて文字認識を行う文字パターンを選択する。本実施の形態では、各桁毎に下記のルールに従って文字パターンを選択するものとする。
(1)信頼度Aの文字パターンがあれば、その文字パターンのみを選択する
(2)信頼度Aの文字パターンがなく、かつ、信頼度Bの文字パターンがある場合、他に信頼度BかCの文字パターンが検出されていれば、その文字パターンも合わせて二つを選択し、それ以外の場合は、信頼度Bの文字パターンのみを選択する
(3)信頼度AとBの文字パターンがなく、かつ、信頼度Cの文字パターンがある場合、検出された文字パターン全てを選択する
(4)信頼度A乃至Cの文字パターンがなく、かつ、信頼度Dの文字パターンがある場合、検出された文字パターンが二つあれば、その二つの文字パターンを選択し、それ以外の場合は、文字パターンの選択を行わない。
【0064】
図23の場合では、文字パターン45が信頼度B、文字パターン46が信頼度D、文字パターン47〜50が信頼度Cとなり、1桁目に対応して文字パターン45が、2桁目に対応して文字パターン47と48が、3桁目に対応して文字パターン49と50が選択される。本ステップにより、各桁に表示されている文字パターンのうち、各桁の数値を表す最も適切な文字パターンを選択し、また、各桁の数値を表す適切な文字パターンがない場合には、どのパターンも選択しないようにすることで、誤認識を事前に防止できる。
【0065】
ステップU6において、文字認識手段8は、パターン選択手段10の選択した文字パターンを対象として、認識辞書7内の基準パターンと照合することにより文字認識を行い、複数の候補文字と類似度を出力する。図24は、図23の文字パターン49と基準パターンとの照合動作を示している。図24において、文字パターン49はその上部が隠れていると判定されたため、基準パターンと同じサイズの矩形枠51に下詰めで配置されている。同枠51の上部の領域52については、隠れ領域として処理することが可能であり、この文字パターンと基準パターン53とを従来の手順で照合することにより、基準パターン53に対する類似度が得られる。なお、本実施の形態では、候補文字と類似度として、類似度が大きい方から4組を選んで出力するものとし、例えば、図22の文字パターン49と50に対する出力としては、図24の表54と表55に示す候補文字と類似度を出力する。
【0066】
ステップU7において、認識結果決定手段12は、パターン選択手段10がパターン選択した複数の桁に対し、文字認識手段8の出力した候補文字及び類似度と文字列格納手段11に格納された数字コード列とを照合する。本実施の形態で対象としているのは、回転式の計測結果表示部を有する計測機器の計測結果表示部上の数字であるため、各桁において表示される文字が複数ある場合にこの複数の文字の組合せは、図25の表56左側に示す10通りの組合せである。文字列格納手段11には、この10個の数字コード列を格納しており、認識結果決定手段12は、この10個の数字コード列の文字列パターンそれぞれの間の類似度を求め、類似度最大となる数字コード列を決定する。例えば、図22の2桁目では、図24の表54と表55に対して、N=2とした式5を用いると、表56右側の類似度が得られ、9−0の文字コード列と決定される。
【0067】
【数4】
【0068】
なお、認識結果決定手段12は、パターン選択手段10が一つの文字パターンしか選択しなかった桁に対しては、文字認識手段8の出力した最大類似度を持つ候補文字を認識結果とする。
【0069】
ステップU8において、認識結果決定手段12は、パターン選択手段10の選択した文字パターンの位置関係に基づいて各桁の認識結果を組み合わせて、計測機器の表示内容を決定して出力する。例えば、図22の画像の場合、1桁目は1パターンのみ選択されて認識結果「4」となっており、2桁目は「8−9」の文字コード列と決定され、3桁目は「9−0」の文字コード列と決定されているものとする。本ステップでは、まず、全体の基準となるパターンとして、例えば最下位桁で最も表示面積の大きい文字パターンを選ぶ。図22では、文字パターン49が最下位桁に該当する。続いて、他の桁の文字パターンについては、この全体の基準となるパターンの垂直位置に近い文字パターンを選択する。例えば図23の49は、同じ桁の50の上部に存在するから、他の桁についても、2つの文字パターンが表示されている場合には、上部の文字パターンを選択する。その結果、図23の1桁目では文字パターン45、2桁目では文字パターン47が選ばれる。最後に、全ての桁について、選んだパターンに対応する文字コードを出力する。図22の場合では、「489」が計測機器の表示内容として出力される。本ステップの一連の動作により、個々の桁の認識結果は誤っていないが、全体として誤った結果を出力すること(例えば、図22の画像に対して「499」を出力するなど)を防止できる。
【0070】
以上のように、本実施の形態によれば、回転式の計測結果表示部を有する計測機器の計測結果を正しく認識できる。なお、本実施の形態では、パターン選択手段10が特定の桁に対応して複数の文字パターンを選択した場合、数字コード列照合結果だけを当該桁の認識結果としたが、これは、例えば、個々の文字パターンの類似度と、数字コード列としての類似度を比較し、どの結果を当該桁の認識結果とするか決定し直すようにすることもできる。
【0071】
なお、本実施の形態では、回転式の計測結果表示部に表示される数字を認識する場合について説明したが、リールの表面に連続的に表示された複数の文字の一部を認識する場合においても、同様に処理することが可能である。また、本実施の形態では、表示部に表示される文字が数字である場合について説明をしたが、数字以外の文字種であってもよい。またアイコンやイメージなど文字以外の表示物であってもよい。この場合は、文字列記憶手段11の代わりにイメージデータを格納する手段を用いたり、文字列記憶手段11にイメージデータの識別子を記憶させるようにすればよい。
【0072】
実施の形態5.
図26は、本実施の形態5の構成図である。本実施の形態は、多階調画像と2値画像の双方を用いて隠れ領域を検出することによって、隠れ領域の検出を低減する文字認識装置に関するものである。
【0073】
次に動作を図27を用いて説明する。ステップV1において、実施の形態2と同様の手順で、画像入力手段1は画像を入力し、続いてステップV2において、文字領域検出手段3は、文字配置情報格納手段2の格納情報を参照して文字パターン検出を行い、次にステップV3において、最大・最小濃度抽出手段4は、隠れ候補領域を部分領域に分割して最大濃度と最小濃度を抽出した後、ステップV4において、隠れ境界検出手段5は、隠れ領域の境界位置を検出する。
【0074】
ステップV5において、隠れ領域決定手段6は隠れ領域を決定するが、本実施の形態では、実施の形態2と同様に隠れ境界検出手段5の検出した隠れ境界位置と文字領域検出手段3の検出した文字パターンの矩形位置から各文字パターンの隠れ領域を決定する。その一方で、隠れ境界検出手段5によっては隠れ領域なしと判断した隠れ候補領域についても、さらに従来と同様の周辺分布による隠れ領域検出処理を行って、その結果隠れありと判定された文字パターンについて、対応する隠れ領域を求める。
【0075】
以降は実施の形態3と同様であり、ステップV6において、信頼度決定手段9は、隠れ領域決定手段6の求めた各文字パターンの隠れの程度に応じて信頼度を決定する。続いてステップV7において、パターン選択手段10は、信頼度決定手段9の求めた信頼度に基づいて、文字認識を行う文字パターンを選択する。次にステップV8において文字認識手段8は、パターン選択手段10が選択した文字パターンを認識して複数の候補文字と類似度を出力し、ステップV9において、認識結果決定手段12は、文字認識手段8の出力した候補文字及び類似度と文字列格納手段11に格納された文字列とを照合して、最も類似度の大きい文字列を出力する。
【0076】
以上のように、本実施の形態によれば、処理量を抑えつつ隠れのある文字を高精度に認識できる。また、多階調画像と2値画像の双方を用いて隠れ領域を検出することで、隠れ領域の検出漏れを低減できる。
【0077】
なお、実施の形態1乃至実施の形態5では、認識照合を行うための検定値として類似度(基準パターンと似ている度合い)を用いる構成とした。しかし、類似度の代わりに相違度(基準パターンと似ていない度合い)を用いることもできる。例えば、定数から相違度を減算した値は類似度と同等に扱うことができる。
【0078】
また、実施の形態1乃至実施の形態5では、文字の上部が隠れる例で説明したが、隠れの位置は下方でも、あるいは左右でもよいことはいうまでもない。また、実施の形態3と実施の形態4では、入力画像を2値画像としたが、これは、多諧調の画像を入力画像とし、当該画像を2値化して文字領域検出を行う構成とすることもできる。
【0079】
【発明の効果】
本発明に係る文字認識装置は、多階調画素により表現された入力画像を2値化して2値画像を作成し、文字が表示された領域を囲む矩形である文字パターンを前記2値画像から検出し、この文字パターンから分割された分割領域における前記入力画像の濃度特徴量を抽出し、前記文字パターンの位置と、前記濃度特徴量に基づいて検出された隠れ境界位置とに基づいて前記文字パターンの隠れ領域を決定する構成としたので、中間的な濃度を有する物体による隠れ領域を判断し、この隠れ領域を考慮した文字認識を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1と実施の形態2の構成図である。
【図2】 本発明の実施の形態1と実施の形態2の処理フローである。
【図3】 本発明の実施の形態1の入力画像の例を示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態1の入力画像を2値化した例を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態1の文字パターン切り出しの例を示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態1の領域分割前の画像の例を示す図である。
【図7】 本発明の実施の形態1の領域分割の例を示す図である。
【図8】 本発明の実施の形態1の分割された各領域の最大濃度と最小濃度を示す表である。
【図9】 本発明の実施の形態1の分割された各領域の最大濃度と最小濃度の濃度差を示す表である。
【図10】 本発明の実施の形態1の隠れ境界の位置を示す図である。
【図11】 本発明の実施の形態1の隠れ領域決定結果を示す図である。
【図12】 本発明の実施の形態2の入力画像の例である。
【図13】 本発明の実施の形態2の文字パターン切り出しの例を示す図である。
【図14】 本発明の実施の形態2の切り出された文字パターンの例を示す図である。
【図15】 本発明の実施の形態2の分割された各領域の最大濃度と最小濃度、最大濃度と最小濃度との濃度差を示す表である。
【図16】 本発明の実施の形態3と実施の形態4の構成図である。
【図17】 本発明の実施の形態3の処理フローである。
【図18】 本発明の実施の形態3の入力画像の例を示す図である。
【図19】 本発明の実施の形態3の文字パターン切り出しの例を示す図である。
【図20】 本発明の実施の形態3の隠れ領域決定結果の例を示す図である。
【図21】 本発明の実施の形態4の処理フローである。
【図22】 本発明の実施の形態4の入力画像の例を示す図である。
【図23】 本発明の実施の形態4の文字パターン切り出しの例を示す図である。
【図24】 本発明の実施の形態4の文字パターンと基準パターンの照合処理を説明するための図である。
【図25】 本発明の実施の形態4の基準パターン間の類似度の算出結果の例を示す図である。
【図26】 本発明の実施の形態5の構成図である。
【図27】 本発明の実施の形態5の処理フローである。
【図28】 従来技術の構成図である。
【符号の説明】
1:画像入力手段 2:文字配置情報格納手段 3:文字領域検出手段
4:最大・最小濃度抽出手段 5:隠れ境界検出手段 6:隠れ領域決定手段
7:認識辞書 8:文字認識手段 9:信頼度決定手段
10:信頼度検定手段 11:文字列格納手段 12:認識結果決定手段
13:入力画像中の物体 14:入力画像中の物体を2値化した領域
15、16、17、18、19、20、21:文字パターン
22:隠れ領域 23:隠れ領域との境界
24、25、26:文字パターン領域中の隠れ領域
27、28、29、30、31:文字パターン
32:隠れ候補領域
33:最大濃度と最小濃度、濃度差を示す表
34:隠れ領域
35、36、37、38、39、40、41:文字パターン
42、43、44:文字パターン領域中の隠れ領域
45、46、47、48、49、50:文字パターン
51:基準パターンサイズの矩形枠
52:文字パターン中の隠れ領域
53:基準パターン
54、55、56:類似度の算出例を示す表
101:画像メモリ 102:文字配列情報格納メモリ 103:辞書メモリ
104:優先文字切り出し手段 105:推定文字切り出し手段
106:欠け隠れ領域検出手段 107:文字認識手段
Claims (7)
- 多階調画素により表現された入力画像を2値化して2値画像を作成し、文字が表示された領域を囲む矩形である文字パターンを前記2値画像から検出する文字領域検出手段と、前記文字領域検出手段で検出された文字パターンから分割された分割領域における前記入力画像の濃度特徴量を抽出する最大・最小濃度抽出手段と、前記最大・最小濃度抽出手段で抽出された濃度特徴量に基づき、隠れ領域の隠れ境界位置を検出する隠れ境界検出手段と、前記文字領域検出手段で検出された文字パターンの位置と前記隠れ境界検出手段で検出された隠れ境界位置とに基づき、前記文字パターンの隠れ領域を決定する隠れ領域決定手段と、文字認識の照合のための基準パターンを格納した認識辞書と、前記隠れ領域決定手段で決定された隠れ領域に含まれる前記分割領域を除いた領域について前記基準パターンと前記文字パターンとを照合し認識結果を出力する文字認識手段とを備えたことを特徴とする文字認識装置。
- 前記最大・最小濃度抽出手段は、前記分割領域ごとの最大濃度と最小濃度の差を前記濃度特徴量として抽出し、前記隠れ境界検出手段は、この濃度特徴量が所定値以下である場合に前記隠れ領域に含まれると決定する構成とされたことを特徴とする請求項1記載の文字認識装置。
- 前記最大・最小濃度抽出手段は、前記分割領域ごとの最大濃度を前記濃度特徴量として抽出し、前記隠れ境界検出手段は、前記濃度特徴量が前記文字パターンから分割された全領域の最大濃度の最大値に基づいて決定された値以下である場合に前記隠れ領域に含まれると決定する構成とされたことを特徴とする請求項2記載の文字認識装置。
- 前記隠れ境界検出手段は、前記分割領域毎にその領域が前記隠れ領域に含まれるか否かをその領域の濃度特徴量とその領域に隣接する領域の濃度特徴量との変化量に基づいて前記隠れ境界位置を決定する構成とされたことを特徴とする請求項1記載の文字認識装置。
- 前記文字認識手段は、前記入力画像上の隠れ領域を含まない文字パターンと前記基準パターンとして前記認識辞書が記憶する文字パターンの縦横比が異なる場合は、それらの縦横比を一致させてからその基準パターンと前記画像上の隠れ領域を有する文字との照合を行う構成とされたことを特徴とする請求項1記載の文字認識装置。
- 前記文字領域検出手段は、入力画像上の複数の文字パターンのうち隠れ領域を含まないことが予め判明している文字パターンの配置情報を記憶する文字配置情報記憶手段と、この文字配置情報に基づき隠れ領域のない文字パターンを優先切り出しにより切り出す優先切り出し手段と、優先切り出しにより切り出された文字パターンの形状情報に基づき隠れ領域を含む文字パターンを切り出す推定切り出し手段とを備える構成とされたことを特徴とする請求項1記載の文字認識装置。
- 前記文字認識手段は、前記文字パターンのうち隠れ領域の面積の占める比率に応じて前記照合処理において用いる基準パターンの棄却判定条件を選択する構成とされたことを特徴とする請求項1記載の文字認識装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002155928A JP4228592B2 (ja) | 2002-05-29 | 2002-05-29 | 文字認識装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002155928A JP4228592B2 (ja) | 2002-05-29 | 2002-05-29 | 文字認識装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003346081A JP2003346081A (ja) | 2003-12-05 |
JP4228592B2 true JP4228592B2 (ja) | 2009-02-25 |
Family
ID=29772332
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002155928A Expired - Fee Related JP4228592B2 (ja) | 2002-05-29 | 2002-05-29 | 文字認識装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4228592B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4366318B2 (ja) | 2005-01-11 | 2009-11-18 | キヤノン株式会社 | 画像処理装置及びその方法、プログラム |
JP2017116830A (ja) * | 2015-12-25 | 2017-06-29 | カシオ計算機株式会社 | 情報表示装置及びプログラム |
JP7067018B2 (ja) * | 2017-10-27 | 2022-05-16 | 富士通株式会社 | 認識プログラム、認識方法および認識装置 |
JP6797869B2 (ja) * | 2018-08-08 | 2020-12-09 | シャープ株式会社 | 書物電子化装置および書物電子化方法 |
JP2020027501A (ja) * | 2018-08-14 | 2020-02-20 | 東芝テック株式会社 | 画像処理装置及び画像処理方法 |
CN114180432B (zh) * | 2022-02-17 | 2022-05-13 | 深圳市海清视讯科技有限公司 | 电梯楼层的定位方法、装置、计算机设备和系统 |
-
2002
- 2002-05-29 JP JP2002155928A patent/JP4228592B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003346081A (ja) | 2003-12-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100339446B1 (ko) | 주소 인식 장치 및 주소 인식 방법 | |
US5410611A (en) | Method for identifying word bounding boxes in text | |
US5799115A (en) | Image filing apparatus and method | |
JP3359095B2 (ja) | 画像処理方法及び装置 | |
KR19990072314A (ko) | 컬러화상처리장치및패턴추출장치 | |
WO2015007168A1 (en) | Character recognition method and device | |
JP2001283152A (ja) | 帳票類判別装置、帳票類判別方法、およびこれらの方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 | |
CN101122953A (zh) | 一种图片文字分割的方法 | |
JPH05233873A (ja) | 領域分割方法 | |
JP3851742B2 (ja) | 帳票処理方法及び装置 | |
JP4228592B2 (ja) | 文字認識装置 | |
JP4392907B2 (ja) | 文字切出し方法 | |
JPH09311905A (ja) | 行検出方法および文字認識装置 | |
JP2898562B2 (ja) | ナンバープレート決定方法 | |
JPH06180771A (ja) | 英文字認識装置 | |
JP2832928B2 (ja) | 文字認識方法 | |
JP2861860B2 (ja) | 宛名行抽出装置 | |
JP2827960B2 (ja) | 宛名行抽出装置 | |
JP2917427B2 (ja) | 図面読取装置 | |
US7756340B2 (en) | Method and apparatus for identifying and/or removing combs from scanned images | |
JPH02116987A (ja) | 文字認識装置 | |
JPH07182459A (ja) | 表構造抽出装置 | |
JP4079411B2 (ja) | 画像処理方法、画像処理装置、画像処理プログラムおよび画像処理プログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 | |
JPH07160810A (ja) | 文字認識装置 | |
JP2821303B2 (ja) | 掠れ文字結合方式 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20040707 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050418 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080403 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080408 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080605 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080722 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080910 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20081111 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20081124 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4228592 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111212 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111212 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121212 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121212 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131212 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |