JP4227602B2 - 燃料電池積層体の検査方法 - Google Patents
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また、燃料電池の発電性能を効率良く発揮するためには、例えば水素ガスや酸素ガスを供給するガス供給路、水を排出する水排出路を良好に確保することが重要であり、燃料電池積層体の整列性を良好にする必要がある。
図11は従来の燃料電池積層体の検査方法の説明図であり、極板群101は複数枚の正・負の極板102をセパレータ103を介して交互に積層してなり、極板群101の頂部に照明器104から光が照射されると共に、CCDカメラ105によって極板群101の頂部を平面的に撮像し、その画像データを画像処理装置106に出力する。この画像処理装置106での比較部107では、処理したデータと標準データを比較して、極板群101の構造の適否を判定する。
図12は従来の燃料電池積層体の別の検査方法の説明図であり、極板群201は複数枚の正極板202と負極板203とセパレータ204を所定の順に積層してなる積層体である。また、正極板202に位置決め穴を設けて位置決めピン205を嵌合すると共に、負極板203に位置決め穴を設けて共通の位置決めピン205を嵌合する。そして、極板群201を押圧ローラ206で押圧し、位置決めピン205で整列させる。そして、正極板202と負極板203の間隙に見える位置決めピン205を画像認識手段207によって画像認識し、画像処理手段208によって検査を行う。209は照明手段である。
位置決め穴及び位置決めピンを用いないで、整列状態を検出できる技術が求められる。
前記突起部の先端と他方のセパレータの端面との間に第1閾値を設定し、前記他方のセパレータの端面と前記シール部との間に第2閾値を設定する閾値設定処理と、
前記燃料電池積層体の積層方向に沿って非接触式距離計を移動させながら、この非接触式距離計で前記突起部を含む単位燃料電池の側面の距離データ群を取得する距離データ群取得処理と、
取得した距離データ群の中で、前記第1閾値に対する立ち上がり及び立ち下がりの変化且つ前記第2閾値に対する立ち上がり及び立ち下がりの変化に基づいて1組の単位燃料電池を認識する単位燃料電池認識処理と、
認識した1組の単位燃料電池において、前記第1閾値に対する立ち上がりから立ち下がりの間におけるピーク値を検出するピーク値検出処理と、
1組の単位燃料電池のピーク値を検出し、次に別の1組の単位燃料電池におけるピーク値を検出するごとくに、全ての単位燃料電池のピーク値を検出し、得られた多数のピーク値に基づいて燃料電池積層体の整列状態を検査する検査処理と、からなることを特徴とする。
そのため、請求項1によれば、燃料電池積層体の整列状態を検査するために、安価な検査システムを提供することができる。
図1は本発明に係る燃料電池積層体の検査システムの斜視図であり、燃料電池積層体の検査システム(以下、検査システムという。)10は、燃料電池積層体11(詳細は図3で説明する。)を両側より挟むことで保持する支持板12、12と、この支持板12、12に着脱自在に取付けるガイドレール13と、このガイドレール13に設ける燃料電池積層体11の積層方向に延びたレール部14と、このレール部14に沿って移動するスライダ15と、このスライダ15に設置し燃料電池積層体11を検査対象物とする非接触式距離計16と、この非接触式距離計16を操作するコントローラ21と、非接触式距離計16から出力する電気信号を距離データに変換する計測装置22と、この計測装置22から出力する距離データを記憶するメモリ23と、このメモリ23に記憶した距離データ群を表示する表示装置24とからなる。
非接触式距離計は、レーザー式変位計の他、静電容量式変位計、超音波式距離計、レーザー式距離計などを採用することができ、種類は問わない。
非接触式距離計16から突起部17(詳細は図3で説明する。)までの距離を非接触で測定する。また、非接触式距離計16が燃料電池積層体11の積層方向に沿って移動しながら検査を行う方向を検査方向Xとする。
図4は本発明の距離データ群取得処理で取得した距離データ群のグラフであり、横軸は非接触距離計の移動距離を示し、縦軸は非接触距離計から特定対象物までの距離を示す。
グラフで示す距離データ群40は、連続した凹凸波形となった。この波形に、図3で定義した点a、点b、点c及び点dを割り付けることができる。
そこで、図3において、突起部17の先端(点a)とBセパレータ37の端面(点b)との中間近傍に第1閾値を設定する。また、Bセパレータ37(点b)とシール部33aとの接点(点c)との中間近傍に第2閾値を設定する。
このようにして定めた第1閾値を図4の横軸に平行に描いた破線L1で表し、第2閾値を破線L2で表す。
P2uは、Psの前方(図右方)直近でL2を横断して立ち上がりに転じた位置を示す。
P1uは、P2uの前方(図右方)直近でL1を横断して立ち上がった位置を示す。
P1dは、P1uの前方(図右方)直近でL1を横断して立ち下がりに転じた位置を示す。
P2dは、P1dの前方(図右方)直近でL2を横断して立ち下がった位置を示す。
これらの認識から、1組の単位燃料電池(図3の符号38)に相当する領域1を特定することができる。この認識及び特定処理を、単位電池認識処理と呼ぶ。
ST01:先ず、機械的若しくは物理的に定めることのできる第1閾値L1及び第2閾値L2を設定する。
ST02:計測装置(図1符号22)により距離データ群の読み込みを行う。
ST03:突起部検出数Nを0に設定する。
ST04:検出開始位置Pを0に設定する。
ST06:ST05と同様に、検査処理の対象となる区間の検査処理終了位置Peを探す。
ST07:位置Ps及び/又は位置Peが見つからないこともあり得る。そこで、距離データ群よりPs及びPeが存在するか判断する。存在しないときはST08へ進み、存在するときはST09へ進む。
ST08:異常波形として検査処理を終了する。
ST09:検出開始位置PにPsを設定する。
ST10:Pの前方直近にあるL2での立ち上がり位置P2uを探す。
ST11:P2u<Peであるか判断する。P2u≧PeであればST22へ進み、P2u<PeであればST12へ進む。
ST12:検出開始位置PにP2uを設定する。
ST13:Pの前方直近にあるL2での立ち下がり位置P2dを探す。
ST15:P2uの前方直近にあるL1での立ち上がり位置P1uを探す。
ST16:P2dの後方直近にあるL1での立ち下がり位置P1dを探す。
ST17:P1u及びP1dが存在するか判断する。存在しないときはST21へ進み、存在するときはST18へ進む。
ST19:区間P1u−P1dでのピーク値PPm(m=1、2、3・・・n)を探す。
ST20:ピーク値PPmをメモリ(図1符号23)に記録する。
ST21:検出開始位置PにP2dを設定する。
ST22:N(N:突起部検出数)=n(n:単位燃料電池の規定数)を判断する。N=nであればST23へ進み、N≠nであればST25へ進む。
ST24:表示装置に検査処理結果を表示する。
ST25:「過不足あり」又は「検出範囲外のズレあり」として処理を終了する。
グラフで示す距離データ群60は、連続した凹凸波形となった。この波形に、図3で定義した点a、点b、点c及び点dを割り付けることができる。
なお、図4で詳述したように第1閾値を図8の横軸に平行に描いた破線L1で表し、第2閾値を破線L2で表す。
このようにして定めた整列状態判別基準値を図8の横軸に平行に描いた一点鎖線P1で表し、整列状態判別上限値を一点鎖線P2で表し、整列状態判別下限値を一点鎖線P3で表す。
P2uは、Psの前方(図右方)直近でL2を横断して立ち上がりに転じた位置を示す。
P1uは、P2uの前方(図右方)直近でL1を横断して立ち上がった位置を示す。
P1dは、P1uの前方(図右方)直近でL1を横断して立ち下がりに転じた位置を示す。
P2dは、P1dの前方(図右方)直近でL2を横断して立ち下がった位置を示す。
ST41:先ず、機械的若しくは物理的に定めることのできる第1閾値L1及び第2閾値L2を設定する。
ST42:計測装置(図1符号22)により距離データ群の読み込みを行う。
ST43:突起部検出数Nを0に設定する。
ST44:検出開始位置Pを0に設定する。
ST46:整列状態判別上限値P2及び整列状態判別下限値P3を設定する。
ST47:検査処理の対象となる区間の検査処理開始位置Psを探す。
ST48:ST47と同様に、検査処理の対象となる区間の検査処理終了位置Peを探す。
ST49:位置Ps及び/又は位置Peが見つからないこともあり得る。そこで、距離データ群よりPs及びPeが存在するか判断する。存在しないときはST50へ進み、存在するときはST51へ進む。
ST51:検出開始位置PにPsを設定する。
ST52:Pの前方直近にあるL2での立ち上がり位置P2uを探す。
ST61:P2u<Peであるか判断する。P2u≧PeであればST74へ進み、P2u<PeであればST65へ進む。
ST62:検出開始位置PにP2uを設定する。
ST63:Pの前方直近にあるL2での立ち下がり位置P2dを探す。
ST65:P2uの前方直近にあるL1での立ち上がり位置P1uを探す。
ST66:P2dの後方直近にあるL1での立ち下がり位置P1dを探す。
ST67:P1u及びP1dが存在するか判断する。存在しないときはST73へ進み、存在するときはST68へ進む。
ST69:区間P1u−P1dでのピーク値PPm(m=1、2、3・・・n)を探す。
ST70:検出対象の領域内のピーク値が、P2≦PPm≦P3の範囲内であるか判断する。範囲内であればST71へ進み、範囲外であればST72へ進む。
ST71:判断結果を「適合」としてメモリ(図7符号23)に記録する。
ST72:判断結果を「不適合」としてメモリ(図7符号23)に記録する。
ST74:N(N:突起部検出数)=n(n:単位燃料電池の規定数)を判断する。N=nであればST76へ進み、N≠nであればST75へ進む。
ST75:検査処理結果を「過不足あり」として処理を終了する。
ST76:メモリからN及び検査処理結果を読み込む。
ST77:表示装置に検査処理結果を表示する。
さらに、燃料電池積層体の整列状態の適合を「1」、不適合を「0」とした電気信号に変換して出力することで、適否の判断を装置によって行うことができ、検査の自動化を図ることができる。
Claims (2)
- 膜電極接合体と、この膜電極接合体の両面に接合するセパレータと、これらのセパレータの一方に突出形成した突起部と、前記膜電極接合体の外側で前記セパレータ間を塞ぐシール部とからなる単位燃料電池を、複数組積層した燃料電池積層体を非接触式距離計を用いて検査する燃料電池積層体の検査方法であって、
前記突起部の先端と他方のセパレータの端面との間に第1閾値を設定し、前記他方のセパレータの端面と前記シール部との間に第2閾値を設定する閾値設定処理と、
前記燃料電池積層体の積層方向に沿って非接触式距離計を移動させながら、この非接触式距離計で前記突起部を含む単位燃料電池の側面の距離データ群を取得する距離データ群取得処理と、
取得した距離データ群の中で、前記第1閾値に対する立ち上がり及び立ち下がりの変化且つ前記第2閾値に対する立ち上がり及び立ち下がりの変化に基づいて1組の単位燃料電池を認識する単位燃料電池認識処理と、
認識した1組の単位燃料電池において、前記第1閾値に対する立ち上がりから立ち下がりの間におけるピーク値を検出するピーク値検出処理と、
1組の単位燃料電池のピーク値を検出し、次に別の1組の単位燃料電池におけるピーク値を検出するごとくに、全ての単位燃料電池のピーク値を検出し、得られた多数のピーク値に基づいて燃料電池積層体の整列状態を検査する検査処理と、からなることを特徴とする燃料電池積層体の検査方法。 - 請求項1記載の燃料電池積層体の検査方法において、前記燃料電池積層体は、一対の支持板で挟むことで保持し、この状態で前記非接触式距離計を移動させると共にこの非接触式距離計で前記支持板の端面の距離を測定し、この距離を基準にして前記ピーク値が所定範囲内にあるか否かを判断する適否判断処理により、燃料電池積層体の整列状態を検査することを特徴とする燃料電池積層体の検査方法。
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